【文献】
Huawei, HiSilicon,A common synchronization signal for a NR carrier supporting different numerologies[online],3GPP TSG-RAN WG1#86 R1-167217,2016年 8月26日,pp.1-7,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_86/Docs/R1-167217.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年のモバイルブロードバンドを利用したサービスの普及に伴い、モバイル通信におけるデータトラフィックは指数関数的に増加を続けており、将来に向けてデータ伝送容量の拡大が急務となっている。また、今後はあらゆる「モノ」がインターネットを介してつながるIoT(Internet of Things)の飛躍的な発展が期待されている。IoTによるサービスの多様化を支えるには、データ伝送容量だけではなく、低遅延性及び通信エリア(カバレッジ)などのさまざまな要件について、飛躍的な高度化が求められる。こうした背景を受けて、第4世代移動通信システム(4G: 4th Generation mobile communication systems)と比較して性能及び機能を大幅に向上する第5世代移動通信システム(5G)の技術開発・標準化が進められている。
【0003】
4Gの無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)の1つとして、3GPPにより標準化されたLTE-Advancedがある。3GPPでは、5Gの標準化において、LTE-Advancedとは必ずしも後方互換性を持たない新しい無線アクセス技術(NR: New RAT)の技術開発を進めている。5Gでは、NRの導入により、性能の大幅な向上が求められる。
【0004】
LTEでは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)伝送において、信号を伝送する個々の搬送波(サブキャリア又は副搬送波とも呼ばれる)の周波数間隔であるサブキャリア間隔(subcarrier spacing)が15kHzであるOFDMシンボルを信号波形として適用している。一方で、高周波数帯域では、サブキャリア間隔を広げることで、位相雑音に起因するサブキャリア間の干渉の影響を低減できる。また、サブキャリア間隔を広げることで、OFDMシンボル長が短縮されるのでパケット伝送の送信区間(TTI(Transmission Time Interval))を短縮することができ、低遅延化が実現できる。そこで、NRでは、セル毎、キャリア周波数帯毎、又は、サブバンド毎に、複数のサブキャリア間隔を柔軟に適用することが検討されている。また、NRでは、サブキャリア間隔を時間的に可変にすることも検討されている。
【0005】
具体的には、NRでは、LTEで適用されている15kHzのサブキャリア間隔を基準として、2
n×15kHz(nは整数)のサブキャリア間隔を適用することが合意されている。NRでは、いずれのサブキャリア間隔を適用する場合においても、固定数(例えば12個)のサブキャリアで構成される周波数リソース単位であるRB(Resource block)をセル間で共通のグリッドで配置する(つまり、RB境界を揃える)ことが合意されている(例えば、非特許文献1を参照)。つまり、帯域幅が狭いRB(サブキャリア間隔が狭いRB)は、帯域幅が広いRB(サブキャリア間隔が広いRB)の帯域内に配置され、周波数領域に入れ子状でRBが定義される。
【0006】
また、NRでは、サブキャリア間隔が2
m×15kHz(mは整数)であるOFDMシンボルの時間長は、1/2
mの比率に正確にスケーリングされることが合意されている(例えば、非特許文献1)。例えば、サブキャリア間隔が15kHz(m=0)のOFDMシンボルの時間長(=時間長A)と、サブキャリア間隔が60kHz(m=2)のOFDMシンボルの時間長(=時間長B)との関係は、「時間長A = 4×時間長B」となる。なお、OFDMシンボル長はCP(Cyclic Prefix)を含んだ時間長を示す。
【0007】
NRでは、LTEと同様に、CP-OFDM(CPを付加するOFDM)をベースとした送信方法が検討されている。そこで、NRにおいてもLTEと同様に、参照信号(DMRS(Demodulation Reference Signal)又はSRS(Sounding Reference Signal)等)としてZadoff-Chu系列(ZC系列)を用いることが検討されている(例えば、非特許文献2,3を参照)。
【0008】
ZC系列は、周波数特性が均一であり、自己相関特性及び相互相関特性が良好であり、Cubic Metric(CM)/PAPR(Peak to Average Power Ratio)が低いという特性を有する。これらの特性により、参照信号としてZC系列を用いることで、セル間干渉及びストリーム間干渉を低減でき、チャネル推定精度を改善できる。NRでも、参照信号として、LTEと同様のZC系列を用いることで、チャネル推定精度改善によるシステム性能向上が期待される。
【0009】
LTEの上り回線で用いるデータ復調用参照信号(DMRS)のZC系列x
q(m)は、以下の式(1)で表される。
【0010】
【数1】
【0011】
ここで、qは系列グループ番号であり1≦q≦N
ZC-1の整数である。N
ZCはZC系列の系列長を示す。参照信号の帯域幅がN
SC [subcarrier]の場合、N
ZCは式(2)のように算出される。
【0012】
【数2】
【0013】
式(2)において、関数primes(X)は整数Xの素数を示し、関数max(Y)は数値群Yの最大値を示す。つまり、系列長N
ZCは、帯域幅N
SCを超えない最大の素数である。
【0014】
例えば、1RBあたり12[subcarrier]とすると、参照信号の帯域幅が24RBsの場合、N
SC=24×12=288[subcarrier]となる。この場合、式(2)よりN
ZC=283となる。さらに、N
ZC=283のZC系列を巡回拡張(系列の前方データを後方にコピー)してN
SC=288の参照信号が生成される。
【0015】
またLTEでは、各セルで用いる系列グループ番号(式(1)のq)を時間的にランダムに切り替える系列グループホッピングが適用され、参照信号へ与えるセル間干渉のランダム化により、チャネル推定精度の改善を図っている。
【発明を実施するための形態】
【0027】
複数のサブキャリア間隔が適用される一例として、
図1に示すように、隣接するセル間で異なるサブキャリア間隔が適用される場合、OFDMシンボル長が異なる参照信号(例えばDMRS)間で干渉が発生する。具体的には、セル間で系列長が異なるZC系列を参照信号として用いる場合、系列グループ番号の組み合わせによっては非常に大きな相互相関値(つまり、セル間干渉に相当)が発生する可能性がある。大きなセル間干渉が発生した場合、チャネル推定精度が劣化し、NRのシステム性能が劣化してしまう。
【0028】
例えば、
図1に示す隣接するセル1及びセル2において、セル1のサブキャリア間隔は15kHzであり、セル2のサブキャリア間隔は60kHzである。この場合、参照信号のOFDMシンボルの時間長はセル1の方がセル2よりも4倍長くなる。例えば、
図2に示すように、セル1及びセル2で参照信号のシンボルがマッピングされる時間・周波数リソースが重なる場合、セル2の受信側(基地局又は端末)における参照信号の受信処理でのFFT(Fast Fourier Transform)窓幅は、セル1の参照信号の一部(1/4の時間長)となる。つまり、セル2の参照信号に用いられるZC系列では、セル1の参照信号に用いられるZC系列の一部分との相互相関が発生する可能性がある。
【0029】
ここで、或るZC系列と、当該ZC系列の系列長が全て含まれるZC系列との間(つまり、同一系列長のZC系列間)では相互相関特性は良好となる。一方、或るZC系列と、当該ZC系列の系列長の一部が含まれるZC系列との間(つまり、異なる系列長のZC系列間)では、系列グループ番号の組み合わせによっては、大きな相互相関値が発生してしまう。つまり、系列グループ番号の組み合わせによっては、系列長全てを含むZC系列(系列長が短いZC系列)の波形と、干渉信号であるZC系列(系列長が長いZC系列)の一部の波形とが非常に近くなり、大きな相互相関値が発生する。
【0030】
図3は、計算機シミュレーションにより得た、異なる系列グループ番号の組合せにおけるZC系列間の相互相関特性の一例を示す図である。
【0031】
図3に示す「異なるサブキャリア間隔のZC系列間相関」(実線)は、
図1及び
図2に示す条件におけるZC系列間の相互相関特性を示す。具体的には、セル1では、サブキャリア間隔を15kHzとし、参照信号帯域を24RBs(= 24×12×15kHz = 4.32MHz)とし、参照信号の帯域幅N
SC =288(=12×24)[subcarrier]とし、系列長N
ZC=283(N
ZCはN
SCを超えない最大の素数。式(2)を参照)とする。一方、セル2では、サブキャリア間隔を60kHzとし、参照信号帯域を6RBs(= 24×12×60kHz = 4.32MHz)とし、N
SC =72(=12×6)[subcarrier]とし、N
ZC=71とする。また、セル2を受信側とし、セル1を干渉信号を送信する送信側とする。
【0032】
また、
図3に示す「同一サブキャリア間隔のZC系列間相関」(一点鎖線)は、参考データとして、LTEの参照信号におけるZC系列間の相互相関特性を示す。具体的には、セル1では、サブキャリア間隔を15kHzとし、参照信号帯域を24RBs(4.32MHz)とし、N
SC=288[subcarrier]とし、N
ZC=283とする。また、セル2では、サブキャリア間隔を15kHzとし、参照信号帯域を6RBs(= 6×12×15kHz = 1.08MHz)とし、N
SC =72(=12×6)[subcarrier]とし、N
ZC=71とする。
【0033】
また、
図3に示す「異なるサブキャリア間隔のZC系列とDataの相関」(破線)は、参考データとして、
図1及び
図2に示す条件において、セル2の参照信号に対してセル1のDataが干渉となる場合の相関特性を示す。具体的には、セル1のDataは、サブキャリア間隔が15kHzであり、Data帯域が24RBs(4.32MHz)であるランダムなQPSKデータとする。また、セル2では、サブキャリア間隔を60kHzとし、参照信号帯域を6RBs(4.32MHz)とし、N
SC =72(=12×6)[subcarrier]とし、N
ZC=71とする。
【0034】
図3より、「異なるサブキャリア間隔のZC系列間相関」は、「同一サブキャリア間隔のZC系列間相関」よりもZC系列間の相互相関値が高くなる(つまり、セル間干渉が大きくなる)ことが分かる。
【0035】
また、セル間において時間同期がとれない場合、参照信号(ZC系列)及びデータの時間・周波数リソースが重なり干渉が発生し、
図3に示す「異なるサブキャリア間隔のZC系列とDataの相関」の特性となる。
図3より、「異なるサブキャリア間隔のZC系列とDataの相関」において、相互相関値が大きくなる確率(例えば、相互相関値が0.4以上となる確率)はほとんど無いのに対して、「異なるサブキャリア間隔のZC系列間相関」において相互相関値が大きくなる(例えば、相互相関値が0.4以上となる)系列グループの組み合わせは、約4%ほどの確率で発生することが分かる。
【0036】
上述した異なるサブキャリア間隔のZC系列間の相互相関値の増加は、セル間干渉の増加につながるため、ZC系列を用いた参照信号(DMRS又はSRS等)のチャネル推定精度が劣化してしまう。
【0037】
そこで、本開示の一態様は、異なるサブキャリア間隔のZC系列間の相互相関値の増加を防止し、ZC系列を用いた参照信号のチャネル推定精度を向上させることであるに資する。
【0038】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0039】
[通信システムの概要]
本開示の一実施の形態に係る通信システムは、無線送信装置100及び無線受信装置200を備える。下り回線の場合、無線送信装置100は基地局装置(eNBあるいはgNBとも呼ばれる)であり、無線受信装置200は端末装置(UEとも呼ばれる)である。また、上り回線の場合、無線送信装置100は端末装置であり、無線受信装置200は基地局装置である。
【0040】
また、以下では、参照信号とデータとを時間多重する場合を前提として説明する。ただし、本開示の一態様は、後述するように参照信号とデータとを周波数多重する場合でも同様に適用することができる。
【0041】
図4は、本開示の実施の形態に係る無線送信装置100の要部構成を示すブロック図である。
図4に示す無線送信装置100において、参照信号生成部106は、設定可能な最大サブキャリア間隔に対する、送信データに設定される第1のサブキャリア間隔の第1の比に応じた系列長の系列(例えば、ZC系列)を用いて参照信号を生成し、マッピング部107は、上記第1の比の逆数である第2の比に応じたマッピング間隔で、参照信号の系列を周波数リソースにマッピングし、送信部110は、送信データ及び参照信号を送信する。
【0042】
図5は、本開示の実施の形態に係る無線受信装置200の要部構成を示すブロック図である。
図5に示す無線受信装置200において、受信部202は、無線送信装置100から送信される送信データ及び参照信号を含む受信信号を受信し、参照信号生成部206は、設定可能な最大サブキャリア間隔に対する、送信データに設定される第1のサブキャリア間隔の第1の比に応じた系列長の系列を用いて参照信号のレプリカを生成し、デマッピング部207は、第1の比の逆数である第2の比に応じたマッピング間隔に基づいて、受信信号から、参照信号の系列を抽出し、チャネル推定部208は、抽出された系列と、レプリカとを用いてチャネル推定値を算出し、周波数領域等化部211は、チャネル推定値を用いて送信データの等化処理を行う。
【0043】
[無線送信装置の構成]
図6は、本実施の形態に係る無線送信装置100の構成を示すブロック図である。
図6において、無線送信装置100は、符号化部101と、変調部102と、マッピング部103と、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部104と、サブキャリア間隔設定部105と、参照信号生成部106と、マッピング部107と、IFFT部108と、信号多重部109と、送信部110と、アンテナ111と、を有する。
【0044】
無線送信装置100は、送信データ及び参照信号(DMRS)を無線受信装置200へ送信する。
【0045】
無線送信装置100において、符号化部101は、無線送信装置100と同一セル内に存在する無線受信装置200向けの送信データに対して所定の誤り訂正符号化を施し、符号化後の送信データを変調部102に出力する。
【0046】
変調部102は、符号化部101から出力される符号化後の送信データを変調し、変調後の送信データをマッピング部103に出力する。
【0047】
マッピング部103は、変調部102から出力される変調後の送信データを所定の送信帯域(サブキャリア)にマッピングし、マッピング後の送信データをIFFT部104に出力する。
【0048】
IFFT部104は、マッピング部103から出力される送信データにIFFT処理を施し、IFFT処理が施された信号にCPを付加したOFDMシンボルを信号多重部109に出力する。
【0049】
サブキャリア間隔設定部105は、送信データのサブキャリア間隔(例えば、2
n×15kHz (nは整数))、及び、通信システムにおいて想定される(あるいは考慮される)設定可能な最大サブキャリア間隔(例えば、2
Nmax×15kHz (Nmaxは整数))を設定する。サブキャリア間隔設定部105は、設定したサブキャリア間隔を示す情報を参照信号生成部106及びマッピング部107へ出力する。
【0050】
参照信号生成部106は、サブキャリア間隔設定部105で設定されたサブキャリア間隔(2
n×15kHz及び2
Nmax×15kHz)、及び、参照信号の送信帯域幅(N
SC [subcarrier])に応じた系列長のZC系列を用いて参照信号を生成する。例えば、参照信号生成部106は、最大サブキャリア間隔に対する、送信データに設定されるサブキャリア間隔の比(2
n/2
Nmax)に参照信号の帯域幅N
SC を乗算した値を超えない最大の素数を系列長として算出する。参照信号生成部106は、算出した系列長のZC系列を参照信号としてマッピング部107へ出力する。
【0051】
マッピング部107は、サブキャリア間隔設定部105で設定されたサブキャリア間隔(2
n×15kHz及び2
Nmax×15kHz)に基づいて、参照信号生成部106から出力される参照信号(ZC系列)のマッピング間隔を算出し、算出したマッピング間隔で参照信号を所定の送信帯域(サブキャリア)内にマッピングする。具体的には、マッピング部107は、送信データに設定されるサブキャリア間隔に対する、最大サブキャリア間隔の比(2
Nmax/2
n)(つまり、参照信号生成部106で用いる比の逆数)と同数のサブキャリア毎にZC系列を等間隔にマッピングする。そして、マッピング部107は、マッピング後の参照信号をIFFT部108に出力する。
【0052】
IFFT部108は、マッピング部107から出力される参照信号に対してIFFT処理を施し、IFFT処理が施された信号にCPを付加したOFDMシンボルを信号多重部109に出力する。
【0053】
信号多重部109は、所定のフレームフォーマットに基づいて、IFFT部104から出力されるOFDMシンボル(送信データ)及びIFFT部108から出力されるOFDMシンボル(参照信号)を時間多重し、送信部110へ出力する。
【0054】
送信部110は、信号多重部109から出力される信号に対してD/A変換、アップコンバート、増幅等の送信処理を施し、送信処理を施した信号をアンテナ111を介して送信する。
【0055】
[無線受信装置の構成]
図7は、本実施の形態に係る無線受信装置200の構成を示すブロック図である。
図7において、無線受信装置200は、アンテナ201と、受信部202と、信号分離部203と、FFT(Fast Fourier Transform)部204と、サブキャリア間隔設定部205と、参照信号生成部206と、デマッピング部207と、チャネル推定部208と、FFT部209と、デマッピング部210と、周波数領域等化部211と、IFFT部212と、復調部213と、復号部214と、を有する。
【0056】
図7に示す無線受信装置200は、無線送信装置100から送信された送信データ及び参照信号(DMRS)を受信し、受信データを復号する。
【0057】
無線受信装置200において、受信部202は、アンテナ201を介して受信した信号(データ及び参照信号を含む)に対してダウンコンバート又はA/D変換等の受信処理を施し、受信処理を施した信号を信号分離部203に出力する。
【0058】
信号分離部203は、所定のフレームフォーマットに基づいて、受信部202から出力される信号から、受信データ及び参照信号のOFDMシンボルをそれぞれ分離し、参照信号をFFT部204に出力し、受信データをFFT部209に出力する。
【0059】
FFT部204は、信号分離部203から出力される時間領域の参照信号に対してFFT処理を施して周波数領域の信号に変換し、周波数領域に変換された参照信号をデマッピング部207に出力する。
【0060】
サブキャリア間隔設定部205は、無線送信装置100のサブキャリア間隔設定部105(
図6)と同様の動作を行う。つまり、サブキャリア間隔設定部205は、受信データ(無線送信装置100から送信される送信データ)のサブキャリア間隔(例えば、2
n ×15kHz (nは整数))、及び、通信システムにおいて想定される設定可能な最大サブキャリア間隔(例えば、2
Nmax×15kHz (Nmaxは整数))を設定する。サブキャリア間隔設定部205は、設定したサブキャリア間隔を示す情報を参照信号生成部206及びデマッピング部207へ出力する。
【0061】
参照信号生成部206は、無線送信装置100の参照信号生成部106と同様の動作を行う。つまり、参照信号生成部206は、サブキャリア間隔設定部205で設定されたサブキャリア間隔(2
n ×15kHz及び2
Nmax×15kHz)、及び、参照信号の送信帯域幅(N
SC [subcarrier])に基づいてZC系列の系列長を算出し、算出した系列長のZC系列を用いて参照信号のレプリカを生成する。そして、参照信号生成部206は、参照信号のレプリカをチャネル推定部208に出力する。
【0062】
デマッピング部207は、サブキャリア間隔設定部205で設定されたサブキャリア間隔(2
n×15kHz及び2
Nmax×15kHz)に基づいて、参照信号のマッピング間隔を算出し、算出したマッピング間隔に基づいて、FFT部204から出力される周波数領域の参照信号から、無線送信装置100の送信帯域(サブキャリア)にマッピングされたZC系列を抽出し、抽出したZC系列(受信ZC系列と呼ぶ)をチャネル推定部208に出力する。
【0063】
チャネル推定部208は、デマッピング部208から出力される無線送信装置100からの受信ZC系列を、参照信号生成部206から出力される、無線送信装置100に対応するZC系列(参照信号のレプリカ)を用いて周波数領域で除算し、周波数領域のチャネル推定値(周波数応答に相当)を算出し、チャネル推定値を周波数領域等化部211に出力する。
【0064】
FFT部209は、信号分離部203から出力される時間領域の受信データ信号に対しFFT処理を施して周波数領域の信号に変換し、周波数領域に変換された受信データ信号をデマッピング部210に出力する。
【0065】
デマッピング部210は、FFT部209から出力される受信データ信号から、無線送信装置100の送信帯域に対応する受信データ信号を抽出し、抽出した各信号を周波数領域等化部211に出力する。
【0066】
周波数領域等化部211は、チャネル推定部208から出力されるチャネル推定値(伝搬路の周波数応答)を用いて、デマッピング部210から出力される受信データ信号に対して周波数領域での等化処理を施し、等化処理が施された受信データ信号をIFFT部212に出力する。
【0067】
IFFT部212は、周波数領域等化部211から出力される受信データ信号に対してIFFT処理を施し、IFFT処理が施された時間領域の受信データ信号を復調部213に出力する。
【0068】
復調部213は、IFFT部212から出力される時間領域の受信データ信号に対して復調処理を施し、復調後の受信データ信号を復号部214に出力する。
【0069】
復号部214は、復調部213から出力される復調後の受信データ信号に対して復号処理を施し、受信データを抽出する。
【0070】
[無線送信装置100及び無線受信装置200の動作]
以上の構成を有する無線送信装置100及び無線受信装置200における動作について詳細に説明する。
【0071】
<参照信号生成方法>
まず、無線送信装置100及び無線受信装置200の参照信号生成部106,206における参照信号(レプリカ)の生成処理について詳細に説明する。
【0072】
なお、以下では、基準となるサブキャリア間隔を、LTEにおけるサブキャリア間隔15kHzとする場合について説明するが、基準となるサブキャリア間隔は15kHzに限定されるものではない。
【0073】
また、以下の説明では、送信データ及び参照信号の帯域幅をN
SC[subcarrier]とし、送信データに設定されるサブキャリア間隔を2
n ×15kHz (nは整数)とし、セルあるいは通信システムにおいて考慮する最大サブキャリア間隔を2
Nmax×15kHz (Nmaxは整数)とする。考慮する最大サブキャリア間隔は、通信システムにおいて設定可能な最大サブキャリア間隔としてもよい。また、考慮する最大サブキャリア間隔は、低遅延で高信頼度な通信が要求されるサービス(URLLC(Ultra Reliable Low Latency Communication)とも呼ばれる)等、高品質が要求されるサービスに適用する最大サブキャリア間隔としてもよい。
【0074】
この場合、参照信号生成部106,206は、ZC系列の系列長N
ZCを式(3)のように算出する。
【0076】
つまり、ZC系列の系列長N
ZCは、N
SC×(2
n /2
Nmax)を超えない最大の素数である。
【0077】
ここで、セルあるいは通信システムにおいて考慮する最大サブキャリア間隔(2
Nmax×15kHz)を設定するためのパラメータNmax(又は最大サブキャリア間隔(2
Nmax×15kHz)そのもの)は、基地局がキャリア周波数毎又はサブバンド毎に、当該基地局に接続する端末に対して予め通知してもよく、通信システムにおいて固定の値を予め設定してもよい。
【0078】
同様に、送信データに設定されるサブキャリア間隔(2
n×15kHz)を設定するためのパラメータn(又は設定されるサブキャリア間隔(2
n×15kHz)そのもの)は、セル毎、キャリア周波数毎又はサブバンド毎に、基地局に接続する端末に対して通知してもよい。
【0079】
例えば、参照信号の帯域幅が24RBs (N
SC=12×24=288 [subcarrier])であり、送信データのサブキャリア間隔が15kHz (n=0)であり、最大サブキャリア間隔が60kHz (Nmax=2)である場合について説明する。この場合、参照信号生成部106,206は、式(3)に従って、288×(1/4)=72を超えない最大の素数である71を、ZC系列の系列長N
ZCとする。そして、参照信号生成部106,206は、参照信号のサイズをRB単位(12[subcarrier])に合わせるため、系列長N
ZC= 71のZC系列を巡回拡張(系列の前方データを後方にコピー)して、帯域幅N
SC = 288×(1/4) = 72の参照信号を生成する。
【0080】
<参照信号のマッピング方法>
次に、無線送信装置100のマッピング部107及び無線受信装置200のデマッピング部207における参照信号のマッピング(デマッピング)処理の詳細について説明する。
【0081】
マッピング部107は、上述したように生成した参照信号(ZC系列)を、周波数領域において(2
Nmax/2
n)のマッピング間隔でマッピングする。換言すると、マッピング部107は、周波数領域において、ZC系列の系列長の算出に用いたサブキャリア間隔の比(2
n/2
nNmax)の逆数である(2
Nmax/2
n)と同数のサブキャリア毎にZC系列を等間隔にマッピングする。
【0082】
例えば、送信データ(参照信号)に設定されたサブキャリア間隔が15kHz (n=0)であり、最大サブキャリア間隔が60kHz (Nmax=2)である場合(つまり、(2
Nmax/2
n)=4の場合)、
図8Bに示すように、マッピング部107は、4サブキャリア(=60kHz)のマッピング間隔で参照信号を等間隔にマッピングする。
【0083】
周波数領域における(2
Nmax/2
n)個のサブキャリアのマッピング間隔での等間隔のマッピングは、時間領域において(2
Nmax / 2
n)個のZC系列を繰り返すことと等価である。例えば、
図8Bでは、無線送信装置100は、参照信号として、時間領域において4(=2
Nmax / 2
n)個のZC系列を連続して送信する。
【0084】
一方、無線受信装置200のデマッピング部207は、FFT部204から入力される参照信号から、周波数領域において(2
Nmax/2
n)個のサブキャリアのマッピング間隔でマッピングされたZC系列を抽出する。
【0085】
以上、マッピング方法(デマッピング方法)について説明した。
【0086】
このように、本実施の形態の参照信号の生成方法では、無線送信装置100及び無線受信装置200は、最大サブキャリア間隔に対する、データのサブキャリア間隔の比(2
n/2
Nmax)に応じた系列長のZC系列を用いて参照信号として生成する。
【0087】
また、無線送信装置100は、データのサブキャリア間隔に対する、最大サブキャリア間隔の比(2
Nmax /2
n)に応じたマッピング間隔で、生成したZC系列をサブキャリアにマッピングする。換言すると、無線送信装置100は、時間領域において、上記比(2
Nmax / 2
n)と同数のZC系列を連続して送信する。また、無線受信装置200は、上記比(2
Nmax /2
n)に応じたマッピング間隔に基づいて、受信した参照信号からZC系列を抽出する。
【0088】
本実施の形態では、隣接するセル間で異なるサブキャリア間隔が適用される場合、セル間では参照信号(例えばDMRS)のOFDMシンボル長が異なるものの、これらの参照信号を構成するZC系列の系列長は同一となる。換言すると、通信システム内の各セルでは、実際に設定される送信データのサブキャリア間隔に依らず、最大サブキャリア間隔におけるOFDMシンボル長(又はFFT窓)(つまり、OFDMシンボル長が最も短くなる場合)と同程度の系列長のZC系列が使用される。そして、各セルでは、実際に設定される送信データのサブキャリア間隔におけるOFDMシンボル長に応じて、生成されたZC系列が時間領域において繰り返し送信される。
【0089】
例えば、
図8Aに示すように、LTEのUplinkでは、ZC系列は、各サブキャリアにマッピングされ、OFDMシンボル長に対応する系列長となる。これに対して、
図8Bに示すように、本実施の形態では、ZC系列は、設定されるサブキャリア間隔と最大サブキャリア間隔との比に応じて決定されるマッピング間隔(
図8Bでは4サブキャリア毎)でサブキャリアにマッピングされ、時間領域において、OFDMシンボル長の区間において、当該マッピング間隔(
図8Bでは4サブキャリア)に対応する個数のZC系列が連続して送信される。
【0090】
これにより、各セルで生成される参照信号を構成するZC系列間では、各セルに設定されるサブキャリア間隔に依らず、系列長が全て含まれる関係になるので、良好な相互相関特性が得られる。
【0091】
例えば、
図9に示す隣接するセル1及びセル2において、セル1のサブキャリア間隔は15kHzであり、セル2のサブキャリア間隔は60kHzである。この場合、参照信号のOFDMシンボルの時間長は、セル1の方がセル2よりも4倍長くなる。ただし、セル1の参照信号は、セル2の参照信号を構成するZC系列を4回繰り返して構成される。これにより、
図9に示すように、セル1の参照信号を構成するZC系列は、セル2の無線受信装置200(基地局又は端末)におけるFFT窓内に全て含まれる。つまり、セル1及びセル2で参照信号のシンボルがマッピングされる時間・周波数リソースが重なる場合でも、
図9に示すように、セル2の無線受信装置200(基地局又は端末)における参照信号の受信処理でのFFT窓幅は、セル1の参照信号の一部である1つのZC系列と同一の時間長となる。このため、セル1及びセル2の各々で参照信号に用いられるZC系列の相互相関特性は低くなる。よって、セル2では、ZC系列を用いた参照信号のチャネル推定精度の劣化を防止することができる。
【0092】
図10は、
図3に示した計算機シミュレーション結果に加え、本実施の形態の方法を適用した場合のZC系列間の相互相関特性の一例を示した図である。
【0093】
図10において、「異なるサブキャリア間隔のZC系列間相関(実施の形態)」の結果は、本実施の形態で説明した方法を用いて生成した参照信号を用いた結果である。詳細には、セル1では、サブキャリア間隔を15kHzとし、参照信号帯域を24RBs(= 4.32MHz)とし、参照信号の帯域幅N
SC =288(=12×24)[subcarrier]とし、ZC系列の系列長N
ZC=71(N
ZCはN
SC×(1/4)を超えない最大の素数)とする。セル2では、サブキャリア間隔を60kHzとし、参照信号帯域を6RBs(= 4.32MHz)とし、N
SC =72(=12×6)[subcarrier]、N
ZC=71とする。また、セル2を受信側とし、セル1を干渉信号を送信する送信側とする。
【0094】
図10より、本実施の形態で説明した方法を用いて生成した参照信号は、「同一サブキャリア間隔のZC系列間相関」(一点鎖線)と同程度の相互相関特性を得ることができ、異なるサブキャリア間隔のZC系列間の相互相関値の増加を防止できていることが分かる。
【0095】
このように、本実施の形態によれば、無線送信装置100は、設定可能な最大サブキャリア間隔に対する、送信データに設定される第1のサブキャリア間隔の比(第1の比)に応じた系列長のZC系列を用いて参照信号を生成し、上記第1の比の逆数(第2の比)に応じたマッピング間隔で、参照信号のZC系列を所定のサブキャリアにマッピングする(つまり、時間領域でのZC系列の繰り返し送信回数を決定する)。
【0096】
これにより、セル間において異なるサブキャリア間隔が適用される場合でも、参照信号を構成するZC系列の系列長をセル間で揃えることができる。よって、セル間で参照信号の時間長が異なる場合でも大きなセル間干渉(参照信号間干渉)を抑え、ZC系列を用いた参照信号のチャネル推定精度を向上させることができる。
【0097】
また、本実施の形態において、生成される参照信号は、時間領域において、低いCM/PAPR特性を持つZC系列を繰り返して構成されるので、LTEと同様の低いCM/PAPR特性を維持することができる。
【0098】
[他の実施の形態]
(1)上記実施の形態では、系列長N
ZCをN
SC×(2
n /2
Nmax)より小さい最大の素数とする場合について説明した。しかし、系列長N
ZCはN
SC×(2
n /2
Nmax)より大きい最小の素数としてもよい。
【0099】
例えば、参照信号の帯域幅が24RBs(N
SC=288 [subcarrier])であり、サブキャリア間隔が15kHz (n=0)であり、想定される最大サブキャリア間隔が60kHz(Nmax=2)である場合、N
ZCは288×(1/4)=72より大きい最小の素数であるN
ZC=73となる。無線送信装置100及び無線受信装置200は、さらに、RB単位(12[subcarrier])に合わせるため、系列長N
ZC= 73のZC系列の先頭又は末尾の1サンプルを切り取り、N
SC = 288×(1/4) = 72の参照信号を生成する。
【0100】
この場合も、上記実施の形態と同様、セル間において異なるサブキャリア間隔が適用される場合でも、セル間干渉(参照信号間干渉)を抑え、ZC系列を用いた参照信号のチャネル推定精度を向上させることができる。
【0101】
(2)上記実施の形態において、異なるセルに対して、周波数領域のマッピング位置(Comb位置)を変えた参照信号を割り当ててもよい。つまり、周波数領域における参照信号のマッピング位置(Comb位置と呼ぶこともある)は、異なる系列グループにそれぞれ対応付けられてもよい。
【0102】
例えば、LTEでは式(1)のqが異なる系列を異なる系列グループとして用いたのに対して、本開示の一態様では、qに加えて、
図11に示すComb位置(#1〜#4)が異なる系列も異なる系列グループとして扱ってもよい。ここで、同一の系列グループに属するComb位置(マッピング位置)は、上述したように、設定されるサブキャリア間隔と最大サブキャリア間隔との比(2
Nmax/2
n)と同数のサブキャリア毎に設定される。
【0103】
これにより、システム全体で使用可能な系列グループ数が増加するので、同一系列グループを使用したセル間距離を長くすることができ、参照信号のセル間干渉が低減できる。なお、全てのComb位置を使用する必要はなく、相互相関が低い一部のComb位置のみを参照信号として使用してもよい。
【0104】
(3)上記実施の形態で示す参照信号を適用するか否かは、基地局の指示によって選択可能としてもよい。基地局の指示方法としては、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、物理チャネル(PDCCH(Physical Downlink Control Channel)等)又は報知チャネルでシステム情報として通知すればよい。なお、上記実施の形態で示す参照信号を適用しない場合は、サブキャリア間隔設定部105,205から出力するサブキャリア間隔(2
n×15kHz及び2
Nmax×15kHz)を同一の値(n=Nmax)としてもよい。
【0105】
(4)上記実施の形態は、DMRS又はSRSに適用することができる。また、上記実施の形態は、ZC系列又はCAZAC (Constant Amplitude Zero Auto-Correlation) 系列を用いたチャネル(例えばLTEのPUCCH(Physical Uplink Control Channel)等)にも同様に適用できる。
【0106】
また、上記実施の形態において、参照信号に用いる系列はZC系列に限定されない。例えば、ZC系列と類似の特性を持つCAZAC系列等の系列を適用してもよい。
【0107】
(5)上記実施の形態において、サブキャリア間隔(2
n × 15kHz及び2
Nmax ×15kHz)の設定に使用されるパラメータn、Nmaxは、負の値でもよい。例えば、データのサブキャリア間隔が3.75kHz (n = -2)、想定される最大サブキャリアが15kHz (Nmax = 0)の場合、無線送信装置100及び無線受信装置200は、ZC系列を周波数領域で4個のサブキャリア毎のマッピング間隔(15kHz間隔)で配置して(つまり、時間領域でZC系列を4回繰り返して)、3.75kHzの参照信号を生成する。
【0108】
(6)上記実施の形態では、データと参照信号とを異なるOFDMシンボルとし、時間多重する場合について説明したが、本開示はこれに限定されず、例えば、
図12に示すように、データと参照信号とを周波数多重してもよい。周波数多重する場合、マルチキャリア信号となり、OFDMシンボルのCM/PAPRは増加するが、データの伝送効率が向上する。よって、低CM/PAPRが要求されない通信状況と、低CM/PAPRが要求される通信状況で、周波数多重と時間多重とを切り替えてもよい。例えば、無線送信装置100は、下り回線では周波数多重に切り替え、上り回線では時間多重に切り替えてもよい。
【0109】
(7)式(3)では、送信データに設定されるサブキャリア間隔と最大サブキャリア間隔との比を、2
Nmaxと2
nとの比として表したが、これに限定されず、例えば、(2
Nmax×15kHz)と(2
n ×15kHz)との比として表してもよく、Nmaxとnとの比として表してもよい。
【0110】
(8)上記実施の形態において用いた各パラメータの値(サブキャリア間隔の基準値:15kHz、参照信号の割当帯域(RB数)など)に限定されるものではない。
【0111】
(9)上記実施の形態では、本開示の一態様をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。
【0112】
上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0113】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
【0114】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0115】
本開示の無線送信装置は、設定可能な最大サブキャリア間隔に対する、送信データに設定される第1のサブキャリア間隔の第1の比に応じた系列長の系列を用いて参照信号を生成する生成部と、前記第1の比の逆数である第2の比に応じたマッピング間隔で、前記参照信号の前記系列を所定のサブキャリアにマッピングするマッピング部と、前記送信データ及び前記参照信号を送信する送信部と、を具備する。
【0116】
本開示の無線送信装置において、前記系列長は、前記第1の比に前記参照信号の帯域幅を乗算した値を超えない最大の素数である。
【0117】
本開示の無線送信装置において、前記系列長は、前記第1の比に前記参照信号の帯域幅を乗算した値を超える最小の素数である。
【0118】
本開示の無線送信装置において、前記マッピング部は、前記第2の比と同数のサブキャリア毎に前記系列を等間隔にマッピングする。
【0119】
本開示の無線送信装置において、前記送信部は、時間領域において、前記第2の比と同数の前記系列を連続して送信する。
【0120】
本開示の無線送信装置において、周波数領域における前記参照信号のマッピング位置は、異なる系列グループにそれぞれ対応付けられ、同一の前記系列グループに属する前記マッピング位置は、前記第2の比と同数のサブキャリア毎に設定される。
【0121】
本開示の無線送信装置において、前記系列は、Zadoff-Chu系列である。
【0122】
本開示の無線送信装置において、前記参照信号は、DMRS(Demodulation Reference Signal)である。
【0123】
本開示の無線受信装置は、無線送信装置から送信される送信データ及び参照信号を含む受信信号を受信する受信部と、設定可能な最大サブキャリア間隔に対する、前記送信データに設定される第1のサブキャリア間隔の第1の比に応じた系列長の系列を用いて前記参照信号のレプリカを生成する生成部と、前記第1の比の逆数である第2の比に応じたマッピング間隔に基づいて、前記参照信号から、所定のサブキャリアにマッピングされた前記系列を抽出するデマッピング部と、前記抽出された系列と、前記レプリカとを用いてチャネル推定値を算出するチャネル推定部と、前記チャネル推定値を用いて前記送信データの等化処理を行う周波数領域等化部と、を具備する。
【0124】
本開示の送信方法は、設定可能な最大サブキャリア間隔に対する、送信データに設定される第1のサブキャリア間隔の第1の比に応じた系列長の系列を用いて参照信号を生成し、前記第1の比の逆数である第2の比に応じたマッピング間隔で、前記参照信号の前記系列を所定のサブキャリアにマッピングし、前記送信データ及び前記参照信号を送信する。
【0125】
本開示の受信方法は、無線送信装置から送信される送信データ及び参照信号を含む受信信号を受信し、設定可能な最大サブキャリア間隔に対する、前記送信データに設定される第1のサブキャリア間隔の第1の比に応じた系列長の系列を用いて前記参照信号のレプリカを生成し、前記第1の比の逆数である第2の比に応じたマッピング間隔に基づいて、前記参照信号から、所定のサブキャリアにマッピングされた前記系列を抽出し、前記抽出された系列と、前記レプリカとを用いてチャネル推定値を算出し、前記チャネル推定値を用いて前記送信データの等化処理を行う。
【0126】
本開示の一態様は、移動通信システムに有用である。