(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
図4に、本発明に係る列車制御装置1において、地上装置20から車上装置30へと伝達される列車制御信号を示す。自動列車制御装置(以下、ATC装置という。)は,地上側に設けられた地上装置20から列車側に設けられる車上装置30に向けて、列車21の列車制御信号であるATC信号が送信される。そして、このATC信号を受けた車上装置30は、その信号に含まれる列車21の速度制限情報等により列車21の制御を行う。
【0003】
ATC装置において、地上装置20から車上装置30に送信されるATC信号は、例えば、列車の速度制限情報に割り当てた変調波により搬送波を変調する方法が一般的に採用されている。この変調波の個数、すなわち速度制限情報の数は、変周波選定上の制約により数多く採用することはできない。そのため、速度制限情報の種類を増加させる手段として、互いに周波数の異なる2種類の搬送波をそれぞれの速度制限情報に割り当てられた変調信号で振幅変調し、受信側では、その信号をそれぞれ識別し、その識別した変調信号の組み合わせで多数の情報を獲得する方法が採用されている。ここで、搬送波が変調処理された情報を「主情報」と称し、搬送波が位相処理された情報を「副情報」と称する。
【0004】
特許文献1には、上述したように、識別した変調信号の組み合わせで多数の情報を獲得する方法の実施例として、ATC(自動列車制御装置)又はATS(自動列車停止装置)に情報量を増大することが可能な地上車上間情報伝送装置が開示されている。この地上車上間情報伝送装置は、地上では搬送波を自動列車制御情報又は自動列車停止情報となるコード信号で振幅変調して送信し、車上ではこの振幅変調された変調波を受信し、復調してこのコード信号を検出することが記載されている。
【0005】
これに対して、さらにより多くの情報を一つの搬送波で実現する方法として、振幅変調の隣り合うマーク間の搬送波位相差を変えて、その位相差分の変化量を速度制限情報とする方法が特許文献2に提案されている。この振幅変調の隣り合うマーク間の搬送波位相差を変えて、その位相差を速度制限情報とする。
【0006】
特許文献2には、地上装置から車上装置への情報量を簡単に多くできるATC装置に好適な列車制御装置が開示されている。ここでは、列車制御装置は、主情報と異なる副情報に対応した所定の位相で搬送波の位相を変調処理する地上装置に設けられた位相変調処理手段と、地上装置から受信した信号の位相を検出する車上装置に設けられた位相検出手段と、検出された位相に対応した副情報を抽出する副情報抽出手段と、抽出された副情報に基づいて列車を制御する列車制御手段とを有することが記載されている。
【0007】
図5に、地上装置20における列車制御情報である搬送波(f
0)、変調波(f
1,f
2)等の生成過程を示す。
図5(a)は、地上装置20において発生された所定の周波数からなる搬送波(f
0)を示す。また、
図5(b)は、この搬送波(f
0)を振幅変調処理するパルス状の変調波(f
1,f
2)を示す。このうち変調波(f
1)は、地上装置20から車上装置30に送信される一つの列車制御信号であり、変調波(f
2)は、他の列車制御信号である。但し、この列車制御信号の個数は、これに限らない。
【0008】
図5(c)は、搬送波(f
0)を変調波(f
1,f
2)で振幅変調した信号であり、その波形は断続信号の形として表れる。この断続信号のうち、変調波(f
1)に対応した信号部分が一つの送信信号であり、変調波(f
1)の1サイクルに相当する箇所が一つの列車制御信号となる変調波(F
1)である。また、変調波(f
2)に対応した信号部分が他の送信信号であり、変調波(f
2)の1サイクルに相当する箇所が他の列車制御信号となる変調波(F
2)である。
【0009】
上述した列車制御情報であるATC信号には、列車の速度情報として、信号が指示する条件である「信号現示」が含まれる。この「信号現示」とは、例えば「停止信号」,「進行信号」,「警戒信号」等の信号現示の他に、列車が信号により保護される区間に進入する際の列車の制限速度を細かく指示する信号現示がある。これらの信号現示により列車の進路の安全性が担保されている。そして、この信号現示により列車に列車制限速度を指示する際に、より低い速度を指示する場合を「低位現示」といい、より高い速度を指示する場合を「高位現示」という。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
位相差を一つの情報とした場合、ノイズ等による影響を受け、検出した位相差に影響を与える可能性がある。そのため、車上装置において検出された位相差について、その判別の際に安全性を担保する方法を確立する必要がある。
【0012】
本願の目的は、かかる課題を解決し、送信側から発信された振幅変調信号の位相情報に対し、受信側がその位相差の判別に安全性が担保できる列車制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係る列車制御装置は、
位相情報によ
り変調処理された搬送波を識別する列車制御装置であって、
位相情報の値は、高位現示か低位現示かを位相角度の高低により割付け、低位現示を検出した場合は、搬送波の隣接する波形の位相差が予め設定された許容値以内で所定の持続回数を超えた場合に位相情報を採用し、高位現示を検出した場合は、持続回数より多い回数で予め設定された許容値以内である場合に位相情報を採用することを特徴とする。
【0014】
上記構成により、搬送波の隣接する波形の位相差に対して、判別条件を適用して判定する。これにより、ノイズ等により検出された位相差に影響が発生しても、検出された位相差が採用可能であるか否かが的確に判別できる。
【0015】
また、本発明に係る列車制御装置は、搬送波の隣接する波形の位相差が予め設定された許容値の範囲内である場合には、その位相差は採用可能であると判別することが好ましい。これにより、搬送波の隣接する波形の位相差に許容範囲を設定し、検出した位相差がこの規定された許容範囲を超えたと判定される場合には、その位相差の情報を採用せずに破棄する。この判定条件により、受信側は、その位相差の判別に安全性が担保できる。なお、この安全性の判定条件において、検出した位相差がこの規定された許容範囲を
既定の回数だけ超えた場合に位相情報がなかったと判定しても良い。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明に係る列車制御装置は、情報により位相変調処理された搬送波を識別する列車制御装置であって、搬送波から低位現示に相当する位相情報を検出した場合と、高位現示に相当する位相情報を検出した場合とでは、位相情報の使用条件を異ならせることを特徴とする。
【0017】
高位現示への動作は、低位現示への動作と比較すると判別時間が長くなっても列車の運行に与える影響は少ない、すなわち、より高い速度へ変更する場合は、
速度アップなので多少検出時間が長くなっても問題はない。しかし、より低い速度へ変更する場合は、その動作時間がブ
レーキ動作時間に関係するため検出時間は短いほうが良い。従って、上記構成により、高位現示への動作と、低位現示への動作とについて位相情報の使用条件を異ならせることでより合理的に安全性を高めることができる。
【0018】
また、本発明に係る列車制御装置は、位相情報の値が、高位現示か低位現示かを角度の高低により割付けられ、低位現示に相当する位相情報を検出した場合には、搬送波の隣接する波形の位相差が、予め設定された許容値の範囲内で所定の持続回数を超えた場合には位相情報を採用し、高位現示に相当する位相情報を検出した場合には、低位現示の採用持続回数より多い回数で予め設定された許容値以内である場合に位相情報を採用することが好ましい。これにより、列車の運行に対する影響がより少ない高位現示への動作と、列車の運行に対する影響がより大きい低位現示への動作とを合理的に区別することができる。
【0019】
さらに、本発明に係る列車制御装置は、搬送波の位相差又は位相情報が判別できない場合は、位相情報は無いものとすることが好ましい。そして、位相が確定できない場合には、「副情報無し」として主情報である変調波に相当する最下位現示とする。これにより、位相変調処理された搬送波の位相情報が判別できない場合は、列車には安全側の制限速度が適用され、列車運行上の安全性が担保される。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明に係る列車制御装置によれば、送信側から発信された振幅変調信号の位相情報に対し、受信側がその位相差又は位相情報の判別に安全性が担保できる列車制御装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(列車制御装置の構成)
以下に、図面を用いて本発明に係る列車制御装置1につき、詳細に説明する。
図1に列車制御装置1の一つの実施形態の概略構成をブロック図で示す。
図4に示すように、列車制御装置1は、地上側に設けられる地上装置20と列車21の車上側に設けられる車上装置30から構成される。本発明に係る列車制御装置1は、そのうちの車上装置30に関する発明である。
【0023】
(地上装置)
まず、
図4のブロック図、及び
図5の説明図を用いて地上装置20について説明する。
図4は、列車制御装置1において地上装置20から車上装置30へと送信される列車制御信号の生成の流れをブロック図で示す。
図5は、地上装置20における搬送波(f
0)に位相情報を付加した波形の例を示す。
【0024】
図4に示すように、地上装置20は、車上装置30に向けて、例えば、列車21の速度制御情報等のATC信号を送信する。そして、このATC信号を受けた車上装置30は、その信号に含まれる速度制御情報により列車速度の制御を行う。本発明では、車上装置30が地上装置20から速度制御情報である信号現示に関する情報を受信した場合について説明する。なお、本発明において「列車」とは、電車や気動車等の車両をいう。また、この「列車」には、鉄車輪によりレール上を走行する車両及び軌道上をゴムタイヤを用いて走行する車両が含まれる。
【0025】
この地上装置20は、
図5(a)に示す所定の周波数を有する搬送波(f
0)を発生させる搬送波発生回路23を有する。この搬送波発生回路23で発生された搬送波(f
0)は、後述する移相回路24を経由して変調回路25に入力される。そして、この搬送波(f
0)は、変調回路25において、主情報選択回路26から選択された変調波(f
1,f
2)により振幅が変調される。なお、この変調波(f
1,f
2)の個数は2個に限らない。これらの変調波(f
1,f
2)は、例えば、変調波(f
1)が、列車21に対して45km/hの走行を許可するATC信号であり、変調波(f
2)は、列車21に対して15km/hの走行を許可するATC信号であるとする。この場合、変調波(f
1)は、変調波(f
2)に対して上述した「高位現示」に相当する信号現示となる。一方、変調波(f
2)は、変調波(f
1)に対して上述した「低位現示」に相当する信号現示となる。
【0026】
また、これらの変調波(f
1,f
2)により振幅変調処理された搬送波(f
0)は、
図5(c)に示すように、移相回路24により、主情報と異なる副情報に対応して搬送波(f
0)の位相(θ)を位相変調処理し、位相変調処理された変調波(F
1,F
2)となる。すなわち、移相回路24には、副情報(位相)選択回路27に用意された、例えば、搬送波(f
0)の位相(θ)を+π/2ラジアン進める副情報、搬送波(f
0)の位相(θ)をゼロ(0)ラジアンとする副情報、搬送波(f
0)の位相(θ)を−π/2ラジアン進める副情報等から選択されて位相変調処理が行われる。なお、搬送波(f
0)の位相(θ)は、+π/2ラジアン,0ラジアン,−π/2ラジアンに限らず、例えば、+180度(+π),−180度(−π)等、任意の角度で良い。また、搬送波(f
0)の位相(θ)の個数は、3個に限らず任意の個数で良い。なお、位相変調処理された変調波(F
1,F
2)は、マーク部18及びスペース部19(
図5参照)から構成される。
【0027】
これらの位相変調された変調波(F
1,F
2)の位相(θ)の具体的な実施例は、例えば、列車21の軌道回路が信号現示の場合には、位相(θ)として+π/2ラジアンが選択され、軌道回路が注意現示の場合に位相(θ)は、ゼロ(0)ラジアンが選択され、軌道回路が停止現示の場合には、位相(θ)として−π/2ラジアンが選択されても良い。
【0028】
図2に、振幅変調波における位相(θ)の変化を示す。横軸は、時間軸であり、縦軸は振幅を示す。搬送波(f
0)の位相(θ)の基準マーク(M0)の位相(θ)をゼロ(0)ラジアンとし、連続する3個のマーク(M1,M2,M3)を示す。第1マークM1の基準マーク(M0)に対する位相差は+θ
1となる。また、第2マークM2の位相(θ)の基準マーク(M0)に対する位相差は+2θ
1となる。さらに、第3マークM3の基準マーク(M0)に対する位相差は+3θ
1となる。このように、隣り合うマーク間の搬送波の位相(θ)は、いずれの場合においても同じ位相差(Δθ)となるように設定されている。つまり、この搬送波(f
0)の位相差(Δθ)により列車制御情報が付加される。
【0029】
移相回路24で位相変調処理され、変調回路25で振幅変調処理された出力信号である変調波(F
1,F
2)は、パワーアンプ28により増幅処理され、軌道回路を形成するレール22に供給される。そして、
図1に示すように、車上装置30は、列車21に設けられた受電器13を介して地上側から送信されてきた信号を受信し、増幅回路14で増幅処理を行う。
【0030】
(車上装置)
図1に示すように、車上装置30は、信号処理部2及び信号確定部3から構成される。信号処理部2は、主情報を処理する変調波検出回路6と、副情報を処理する位相差検出回路7から構成される。変調波検出回路6は、送信された出力信号から変調波(F
1,F
2)に関する情報のみを抽出する。そして、変調波(F
1,F
2)をそれぞれ認識する。一方、位相差検出回路7は、地上装置から送信された出力信号を受信した信号から位相角(θ)に関する情報のみを抽出する。
【0031】
信号処理部2のフィルタ回路5で処理された主情報及び副情報は、それぞれ信号確定部3に送信される。そして、主情報は、変調波確定回路8に送信され、受信した振幅変調波を判別して変調波(f
1,f
2)を確定する。一方、副情報は、位相差確定回路9に送信され、受信した位相差(Δθ
1,Δθ
2,Δθ
3)を使用条件記憶部11に記憶された判定条件に従って判別し、位相差(Δθ)を確定する。そして、変調波確定回路8及び位相差確定回路9により確定された主情報及び副情報は、信号情報決定回路10に合流され、地上装置20から送信された信号情報として決定される。この決定された信号情報は、現示情報出力部12から出力される。
【0032】
この列車制御装置1は、主情報により速度制限等の列車制御ができる他、搬送波(f
0)の位相角(θ)に基づく副情報を有しているため、その副情報を用いてより高度な列車制御を行うことができる。しかし、副情報である位相差に基づいて列車制御を行うためには、位相角(θ)を判断する際の安全性を向上させる必要がある。本発明は、この安全性に対する対処方法を提案するものであり、以下にその内容を説明する。
【0033】
(位相差に対する使用条件)
上述したように、位相差検出回路7が検出した位相差(Δθ)は、ノイズ等により影響を受けている可能性がある。そこで、位相差確定回路9は、搬送波(f
0)の隣接する波形から検出された位相差(Δθ)が使用可能であるか否かを下記に示す使用条件(1)〜(4)により判別する。なお、これらの使用条件(1)〜(4)は、組み合わせて使用されても良い。このように、複数の使用条件を組合せて用いれば、位相差(Δθ)の判別結果に対し、より高い安全性を持たせることが可能となる。
【0034】
(位相情報の処理フロー)
図3に、位相情報が3つの場合について、位相情報の採用の処理方法をS1〜S14のフロー図で示す。このフロー図では、位相情報として最も低位である位相差Δθ
1、中間値である位相差Δθ
2及び最も高位である位相差Δθ
3の3つの位相差を有する場合について説明する。
【0035】
まず、位相差確定回路9は、使用条件(1)として変調波(F
1,F
2)の隣接する波形の位相差(Δθ)が予め設定された許容値の範囲内である場合には、その位相差(Δθ)は採用可能であると判別する。すなわち、まず信号処理部2の位相差検出回路7は受信信号から位相差(Δθ)を検出する(S1)。そして、位相差確定回路9で検出された位相差(Δθ)が
既定の範囲内であるか否かを判断する(S2)。
既定の範囲内である場合(Yesの場合)には、次に、検出された位相差(Δθ)が低位の位相差(Δθ
1)であるかが判断される(S3)。低位である場合(Yesの場合)には、それが
既定の回数が繰り返されたか否かが判断される(S4)。そして、その位相情報は
既定の回数(L回数)が繰り返された場合(Yesの場合)には低位の位相差(Δθ
1)として採用される(S5)。
【0036】
位相差確定回路9は、使用条件(2)として搬送波(f
0)から低位現示に相当する位相情報を検出した場合と、高位現示に相当する位相情報を検出した場合とでは、位相情報の使用条件を異ならせる。すなわち、上述した位相差の判断において、低位でない場合(S3にてNoの場合)には、中間値の位相差(Δθ
2)であるか否かが判断される(S6)。中間値である場合(Yesの場合)には、その位相情報は、
既定の回数(M回数)が繰り返されたか否かが判断され(S7)、繰り返された場合(Yesの場合)には、中間の位相差(Δθ
2)として採用され(S8)、ステップ7で
既定の回数(M回数)が繰り返されなかった場合(Noの場合)には、ステップ1に戻り受信信号から次の位相差が検出される。
【0037】
上述したステップ6の位相差の判断において、低位及び中間値でない場合には、高位の位相差(Δθ
3)であると判断できる(S9)。その場合には、その位相情報が
既定の回数(N回数)が繰り返されたか否かが判断され(S10)、繰り返された場合(Yesの場合)には、高位の位相差(Δθ
3)として採用され(S11)、規定の回数(N回数)が繰り返されなかった場合(Noの場合)には、ステップ1に戻り受信信号から次の位相差が検出される。
【0038】
ここで、上記
既定回数には、低位の持続回数Lは、中間値の持続回数Mより
少なく、中間値の持続回数Mは、高位の持続回数Nより
少ないという大小関係があるものとする。このように、使用条件(3)として、低位現示に相当する位相情報を検出した場合には、搬送波の隣接する波形の位相差が、既定の範囲内で
既定の持続回数(L回数)を超えた場合にはその位相情報を採用する。そして、高位現示に相当する位相情報を検出した場合には、低位の持続回数(L回数)より多い回数(N回数)で既定の範囲内である場合に位相情報として採用する。
【0039】
ステップ2において、検出された位相差(Δθ)が
既定の範囲外である場合(Noの場合)には、それが
既定の回数(P回数)繰り返されたかが判断される(S12)。
既定の回数(P回数)繰り返された場合(Yesの場合)には、その位相差情報は無しとする(S13)。
既定の回数(P回数)繰り返されなかった場合(Noの場合)には、ステップ1に戻り受信信号から次の位相差を検出する。位相情報は無しとされた場合(S13)には、既定の回数(P回数)のカウントをクリアして(S14)ステップ1に戻り、受信処理が継続される。このように、
既定の範囲を越えた位相差(Δθ)が
既定の回数(P回数)を越えて検出された場合には、その位相差(Δθ)は、本来の位相情報は無いものとして採用されない。
【0040】
このように、使用条件(4)として、位相変調処理された搬送波(F
0)の位相情報が判別できない場合は、受信した信号には位相情報は無いものとする。すなわち、位相(θ)を確定できない場合には、「副信号無し」として主情報である位相変調処理された搬送波(F
1,F
2)に相当する最下位現示とする。
【0041】
次の位相差を判別する場合(Yesの場合)には回数のカウント(L,M,N)をクリアして(S15)ステップ1に戻り、受信処理が継続される。
【0042】
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさ、及び配置関係については、本発明が理解、実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って、本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。