(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数のセンサデータを取得して、取得した複数の前記センサデータの数値に基づいた画素情報を設定し、設定された前記画素情報を統合することによって画像データを生成する変換処理手段と、
前記変換処理手段によって生成された前記画像データを取得して、取得した前記画像データに教師ラベルを付与することによって学習用データを生成するラベル付与手段と、
前記ラベル付与手段によって生成された学習用データを取得して、前記学習用データを機械学習して学習モデルを生成し、生成した前記学習モデルを格納する機械学習エンジンとを備える学習装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお、以下の実施形態の説明に用いる全図においては、特に理由がない限り、同様箇所には同一符号を付す。また、以下の実施形態において、同様の構成・動作に関しては繰り返しの説明を省略する場合がある。また、図面中の矢印の向きは、一例を示すものであり、ブロック間の信号の向きを限定するものではない。
【0015】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係る学習装置について図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、本実施形態の学習装置1の構成を示すブロック図である。
図1のように、学習装置1は、変換処理手段10、ラベル付与手段20、機械学習エンジン30を備える。
【0017】
学習装置1は、センサデータベース50に接続される。学習装置1は、センサデータベース50から複数のセンサデータを取得する。センサデータは、複数のセンサから出力される数値データである。なお、学習装置1とセンサデータベース50とを組み合わせた学習システムを構成してもよい。
【0018】
例えば、複数のセンサデータは、単一の装置に搭載された複数のセンサから取得されたデータによって構成される。また、例えば、複数のセンサデータは、複数の装置の同様箇所から取得されたデータによって構成される。また、例えば、複数のセンサデータは、特定の環境に配置された複数のセンサによって取得されたデータによって構成される。ただし、本実施形態の学習装置1が扱う複数のセンサデータは、ここで挙げた限りではない。本実施形態の学習装置1が扱う複数のセンサデータは、任意のデータを組み合わせたデータでもよく、必ずしもセンサによって取得されたデータではなくてもよい。
【0019】
変換処理手段10は、センサデータベース50から複数のセンサデータを取得する。変換処理手段10は、複数のセンサデータの数値に基づいて設定された画素情報を統合することによって画像データを生成する。変換処理手段10は、変換した画像データをラベル付与手段20に出力する。
【0020】
画素情報とは、画像データを構成する画素ごとに設定される情報である。例えば、画像情報は、輝度情報やRGB(Red-Green-Blue)情報などの情報である。例えば、変換処理手段10は、取得した複数のセンサデータを輝度情報に変換して統合することによって、複数のセンサデータを数値データから画像データの形式に変換する。なお、変換処理手段10は、複数のセンサデータを輝度情報以外の画素情報に変換して統合してもよい。
【0021】
例えば、変換処理手段10は、PC(Personal Computer)やサーバ等にインストールされたソフトウェアによって実現できる。なお、変換処理手段10は、変換処理を実行する回路によって実現してもよい。
【0022】
ラベル付与手段20は、変換処理手段10から出力された画像データに学習用の教師ラベルを付与することによって学習用データを生成する。ラベル付与手段20は、生成した学習用データを機械学習エンジン30に出力する。
【0023】
例えば、ラベル付与手段20は、PCやサーバ等にインストールされたソフトウェアによって実現できる。なお、ラベル付与手段20は、ラベル付与処理を実行する回路によって実現してもよい。
【0024】
機械学習エンジン30は、ラベル付与手段20から学習用データを取得し、取得した学習用データを機械学習して学習モデルを作成する。
【0025】
例えば、機械学習エンジン30は、PCやサーバ等にインストールされたソフトウェアによって実現できる。なお、機械学習エンジン30は、機械学習を実行するように設計された専用の装置によって実現してもよい。
【0026】
本実施形態に係る学習装置1の特徴の一つは、機械学習エンジン30にセンサデータを入力する前に、変換処理手段10によってセンサデータを数値データから画像データに変換することである。
【0027】
図2は、センサデータベース50が、センサデータ取得手段71を介して複数のセンサ70−1〜nに接続される一例を示すブロック図である(nは自然数)。例えば、複数のセンサ70−1〜nは、機器や設備に搭載されたり、構造物に設置されたり、外部環境に配備されたりし、状況に応じたセンサデータを取得する。例えば、光センサや電磁波センサ、振動センサ、加速度センサ、流量センサ、磁気センサ、電流センサ、電圧センサ、温度センサ、湿度センサ、バイオセンサなどをセンサ70として用いることができる。また、例えば、カメラや赤外線カメラなどをセンサ70として用いることができる。ただし、センサ70の種類は、ここで挙げた限りではなく、学習対象となるデータに合わせて選択される。また、センサデータベース50は、センサから取得されたデータのみならず、任意の数値データを格納できる。
【0028】
複数のセンサ70−1〜nは、センサデータ取得手段71からの要望に応じて、センサデータをセンサデータ取得手段71に送信する。センサデータ取得手段71は、複数のセンサ70−1〜nから受信したセンサデータをセンサデータベース50に格納する。例えば、センサデータ取得手段71は、複数のセンサ70−1〜nと無線または有線で接続され、ネットワークを介してセンサデータベース50にセンサデータを格納する。また、例えば、センサデータ取得手段71は、ネットワークを介して複数のセンサ70−1〜nからセンサデータを受信し、受信したセンサデータをセンサデータベース50に格納する。センサデータ取得手段71は、センサデータベース50と一体の装置として構成してもよいし、センサデータベース50とは別の装置として構成してもよい。
【0029】
次に、学習装置1の詳細構成について図面を参照しながら説明する。
【0030】
〔変換処理手段〕
図3は、変換処理手段10の詳細構成を示すブロック図である。
図3のように、変換処理手段10は、入力手段11、データ変換手段13、画像データ出力手段15を有する。本実施形態においては、画素情報として輝度情報を用いる例について説明する。
【0031】
入力手段11は、センサデータベース50からセンサデータを読み込む。入力手段11は、読み込んだセンサデータをデータ変換手段13に出力する。
【0032】
データ変換手段13は、入力手段11からセンサデータを取得する。データ変換手段13は、取得した複数のセンサデータを数値データから輝度情報へ変換後、それらの輝度情報を統合して輝度画像に変換する。
【0033】
画像データ出力手段15は、データ変換手段13によって変換された輝度画像を画像データとして出力する。
【0034】
〔データ変換手段〕
次に、データ変換手段13の詳細構成について図面を参照しながら説明する。
図4は、データ変換手段13の詳細構成を示すブロック図である。
図4のように、データ変換手段13は、輝度データ生成手段133、画像生成手段135を有する。輝度データ生成手段133は、画素データ生成手段の一形態である。
【0035】
輝度データ生成手段133は、複数のセンサデータを数値データから輝度情報へ変換する。輝度データ生成手段133は、数値データであるセンサデータの数値の大きさに合わせて輝度を設定する。
【0036】
例えば、輝度データ生成手段133は、複数のセンサデータのうち、数値が最大である画素の輝度を0(黒)、数値が最小である画素の輝度を1(白)に設定する。そして、輝度データ生成手段133は、最小値と最大値の間の値に関しては、最小値から最大値にかけて徐々に輝度が変化するように輝度を設定する。そのように輝度を設定すれば、輝度データ生成手段133は、任意の複数のセンサデータに輝度を設定できる。なお、輝度データ生成手段133は、複数のセンサデータのうち、数値が最大である画素の輝度を1(白)、数値が最小である画素の輝度を0(黒)に設定してもよい。また、輝度データ生成手段133は、数値が最大である画素の輝度を0(黒)よりも大きめに設定し、数値が最小である画素の輝度を1(白)よりも小さめに設定することによって、数値の上限および下限を境界値からずらしてもよい。
【0037】
画像生成手段135は、輝度データ生成手段133によって輝度情報に変換されたセンサデータを統合して画像データに変換する。なお、画像生成手段135は、各輝度情報に変換された各データを、予め設定された組み合わせ方で統合することが好ましい。
【0038】
ここで、データ変換手段13の動作について図面を参照しながら説明する。
図5は、データ変換手段13の動作について説明するためのフローチャートである。なお、
図5のフローチャートに沿った説明においては、データ変換手段13を主体として説明する。
【0039】
図5において、まず、データ変換手段13は、センサデータベース50からセンサデータを取得する(ステップS11)。
【0040】
次に、データ変換手段13は、センサデータベース50から取得したセンサデータを輝度情報に変換する(ステップS12)。
【0041】
次に、データ変換手段13は、輝度情報に変換されたセンサデータを統合し、画像データを生成する(ステップS13)。
【0042】
そして、データ変換手段13は、生成した画像データを出力する(ステップS14)。
【0043】
以上が、データ変換手段13の動作についての説明である。本実施形態では、データ変換手段13によって生成された画像データを機械学習エンジン30によって学習し、学習モデルを作成する。
【0044】
〔画像データ〕
ここで、データ変換手段13が生成する画像データについて一例を挙げて説明する。
図6は、学習装置1が用いる複数のセンサデータをまとめたテーブルの一例(センサデータテーブル101)である。
図6のセンサデータテーブル101は、1〜12の番号が付けられた複数のセンサによって取得されたセンサデータをまとめたものである。例えば、センサデータテーブル101は、所定のタイミングにおいて各センサによって取得されたセンサデータをまとめたものである。
【0045】
図7は、
図6のセンサデータテーブル101に記入されたセンサデータを輝度情報に変換して統合した画像データ201である。
図7の例では、センサデータが小さいほど輝度値が小さくなる。
図6および
図7のように、データ変換手段13は、センサデータを数値データから画像データに変換する。
【0046】
図7の例では、一次元的な画像データとしてセンサデータを表現したが、二次元的な画像データとしてセンサデータを表現してもよい。
図8は、学習装置1が用いる複数のセンサデータをまとめたテーブルの例(センサデータテーブル102)である。
図8のセンサデータテーブル102は、1〜12の番号が付けられた複数のセンサによって取得されたセンサデータを時系列でまとめたものである。例えば、センサデータテーブル102は、所定の時間間隔やタイミングで各センサによって取得されたセンサデータをまとめたものである。
【0047】
図9は、
図8のセンサデータテーブル102に記入されたセンサデータを輝度情報に変換して統合した画像データ202である。
図9の例では、センサデータが小さいほど輝度値が小さくなる。
図8および
図9のように、データ変換手段13は、センサデータを数値データから画像データに変換する。
図9の画像データ202によれば、各センサによって取得されたセンサデータを統合した一次元的な画像データを二次元的な時系列データとして把握しやすくなる。
【0048】
〔ラベル付与手段〕
次に、ラベル付与手段20の詳細構成について図面を参照しながら説明する。
図10は、ラベル付与手段20の詳細構成を示すブロック図である。なお、ラベル付与手段20は、変換処理手段10に含めるように構成してもよいし、機械学習エンジン30に含めるように構成してもよい。
【0049】
図10のように、ラベル付与手段20は、画像データ取得手段21、教師ラベル付与手段23、学習用データ出力手段25を有する。
【0050】
画像データ取得手段21は、変換処理手段10から出力された画像データを取得する。画像データ取得手段21は、取得した画像データを教師ラベル付与手段23に出力する。
【0051】
教師ラベル付与手段23は、画像データ取得手段21から画像データを取得し、取得した画像データに教師ラベルを付与して学習用データを生成する。教師ラベル付与手段23は、生成した学習用データを学習用データ出力手段25に出力する。
【0052】
学習用データ出力手段25は、教師ラベル付与手段23から出力された学習用データを取得する。学習用データ出力手段25は、取得した学習用データを機械学習エンジン30に出力する。
【0053】
以上が、ラベル付与手段20についての説明である。
【0054】
〔機械学習エンジン〕
次に、機械学習エンジン30の詳細構成について図面を参照しながら説明する。
図11は、機械学習エンジン30の詳細構成を示すブロック図である。
【0055】
図11のように、機械学習エンジン30は、学習用データ取得手段31、学習手段32、学習用モデルデータベース33を有する。なお、本実施形態の機械学習エンジン30においては、機械学習エンジン30が学習用データから学習用モデルを生成し、生成した学習用モデルを格納するところまでを説明するため、学習用モデルを用いて検証データを検証する機能は省略している。学習用モデルを用いて検証データを検証する機能については、後述する第4の実施形態において説明する。
【0056】
学習用データ取得手段31は、ラベル付与手段20から学習用データを取得する。学習用データ取得手段31は、取得した学習用データを学習手段32に出力する。
【0057】
学習手段32は、学習用データ取得手段31から出力された学習用データを取得する。学習手段32は、取得した学習用データを用いて学習モデルを生成する。学習手段32は、生成した学習モデルを学習用モデルデータベース33に格納する。
【0058】
学習用モデルデータベース33は、学習手段32が生成した学習モデルを格納するためのデータベースである。
【0059】
以上が、機械学習エンジン30についての説明である。
【0060】
以上のように、本実施形態の学習装置によれば、複数のセンサから出力される数値データを機械学習で学習させる際に、数値データを統合して画像化することで、一度に複数のセンサデータを学習できる。すなわち、本実施形態の学習装置によれば、複数の数値データをまとめて分析しやすい形式に変換するとともに、複数の数値データを機械学習によって一度に学習することができる。
【0061】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る学習装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の学習装置は、データ変換手段が正規化手段を有する点で、第1の実施形態の学習装置1と異なる。以下の説明においては、第1の実施形態と同様の構成・動作・効果に関する説明は省略する。
【0062】
(構成)
図12は、本実施形態の学習装置が備えるデータ変換手段13−2の構成を示すブロック図である。
【0063】
図12のように、データ変換手段13−2は、輝度データ生成手段133および画像生成手段135に加えて、正規化手段131を有する。輝度データ生成手段133は、画素データ生成手段の一形態である。
【0064】
正規化手段131は、読み込んだセンサデータをデータ種別ごとに正規化する。正規化手段131は、データ種別ごとにセンサデータの最大値と最小値とを抽出し、抽出した最大値および最小値に基づいて各種センサデータを正規化する。
【0065】
例えば、正規化手段131は、各種センサデータを0から1までの範囲内の数値に正規化する。
【0066】
輝度データ生成手段133は、正規化手段131が正規化したデータを輝度情報へ変換する。このとき、輝度データ生成手段133は、正規化されたセンサデータを輝度情報に変換する。
【0067】
なお、輝度データ生成手段133は、正規化されたデータを輝度情報へ変換する際に、等間隔で輝度を割り当てずに、特定の範囲内の数値に関して焦点を当てるように重み付けを変えてもよい。
【0068】
例えば、0から1までの数値範囲において、0.5以上0.6未満のセンサデータの違いを詳細に検証したい場合、0.5以上0.6未満の範囲内に含まれる数値の重み付けを他の範囲と比較して大きくすればよい。また、例えば、0から1までの数値範囲において、0.5以上0.6未満のセンサデータの違いが重要ではない場合、0.5以上0.6未満の範囲内に含まれる数値の重み付けを他の範囲と比較して小さくすればよい。なお、輝度データ生成手段133による重み付けは、第1の実施形態のように正規化されていないセンサデータについて行ってもよい。
【0069】
画像生成手段135は、輝度データ生成手段133によって数値データから輝度情報に変換されたデータを統合して輝度画像に変換する。
【0070】
以上が、本実施形態の学習装置が備えるデータ変換手段13−2の構成についての説明である。
【0071】
(動作)
ここで、データ変換手段13−2の動作について図面を参照しながら説明する。
図13は、データ変換手段13−2の動作について説明するためのフローチャートである。なお、
図13のフローチャートに沿った説明においては、データ変換手段13−2を主体として説明する。
【0072】
図13において、まず、データ変換手段13−2は、センサデータベース50からセンサデータを取得する(ステップS21)。
【0073】
次に、データ変換手段13−2は、センサデータベース50から取得したセンサデータを正規化する(ステップS22)。
【0074】
次に、データ変換手段13−2は、正規化されたセンサデータを輝度情報に変換する(ステップS23)。
【0075】
次に、データ変換手段13−2は、輝度情報に変換されたセンサデータを統合し、画像データを生成する(ステップS24)。
【0076】
そして、データ変換手段13−2は、生成した画像データを出力する(ステップS25)。
【0077】
以上が、データ変換手段13−2の動作についての説明である。
【0078】
以上のように、本実施形態の学習装置は、複数のセンサデータを数値データから画像データに変換する際に、輝度情報に変換する前に数値データを正規化する。そして、本実施形態の学習装置は、正規化された数値データを輝度情報に変換するため、輝度の上限と下限とが設定される。そのため、本実施形態の学習装置によれば、数値データが境界値を越えているために違う数値でありながら同じ輝度で表現されることなり、全てのセンサデータを階調的に表現することが可能となる。
【0079】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る学習装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の学習装置は、センサデータの数値を画素情報に変換する際に、輝度情報ではなくRGB(Red-Green-Blue)情報に変換する点で、第2の実施形態の学習装置と異なる。以下の説明においては、第2の実施形態と同様の構成・動作・効果に関する説明は省略する。
【0080】
(構成)
図14は、本実施形態の学習装置が備えるデータ変換手段13−3の構成を示すブロック図である。
【0081】
図14のように、データ変換手段13−3は、正規化手段131および画像生成手段135に加えて、RGBデータ生成手段134を有する。RGBデータ生成手段134は、画素データ生成手段の一形態である。
【0082】
RGBデータ生成手段134は、正規化手段131が正規化したデータをRGB情報へ変換する。このとき、RGBデータ生成手段134は、0〜1の範囲内の数値に正規化されたセンサデータをRGB情報に変換する。例えば、データ種別ごとに割り当てる色を変えて階調表現するように構成すれば、画像変換時の色味を使い分けることができる。
【0083】
画像生成手段135は、RGBデータ生成手段134によってRGB情報に変換されたデータを統合してRGB画像に変換する。
【0084】
以上が、本実施形態の学習装置が備えるデータ変換手段13−3の構成についての説明である。
【0085】
(動作)
ここで、データ変換手段13−3の動作について図面を参照しながら説明する。
図15は、データ変換手段13−3の動作について説明するためのフローチャートである。なお、
図15のフローチャートに沿った説明においては、データ変換手段13−3を主体として説明する。
【0086】
図15において、まず、データ変換手段13−3は、センサデータベース50からセンサデータを取得する(ステップS31)。
【0087】
次に、データ変換手段13−3は、センサデータベース50から取得したセンサデータを正規化する(ステップS32)。
【0088】
次に、データ変換手段13−3は、正規化されたセンサデータをRGB情報に変換する(ステップS33)。
【0089】
次に、データ変換手段13−3は、RGB情報に変換されたセンサデータを統合し、画像データを生成する(ステップS34)。
【0090】
そして、データ変換手段13−3は、生成した画像データを出力する(ステップS35)。
【0091】
以上が、データ変換手段13−3の動作についての説明である。
【0092】
以上のように、本実施形態の学習装置は、正規化されたセンサデータを輝度情報ではなく、RGB情報に変換する。そのため、本実施形態の学習装置は、カラー化された画像データから学習モデルを生成できる。本実施形態の学習装置によって生成された学習モデルを用いれば、より情報量の多い学習モデルを生成できるとともに、より直感的に特徴を把握しやすいようにセンサデータを統合できる。
【0093】
なお、本発明の各実施形態の学習装置は、センサデータを輝度情報やRGB情報以外の色空間を用いて学習用データを生成してもよい。例えば、本発明の各実施形態の学習装置は、CMY(Cyan-Magenta-Yellow)色空間やCMYK(Cyan-Magenta-Yellow-Key plate)色空間などを用いて学習用モデルを生成してもよい。また、本発明の各実施形態の学習装置は、HSV(Hue-Saturation-Value)色空間やHLS(Hue-Luminance-Saturation)色空間などを用いて学習用モデルを生成してもよい。なお、本発明の各実施形態の学習装置は、ここで挙げた色空間に限らず、任意の色空間にセンサデータを当てはめて学習用モデルを生成してもよい。
【0094】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係る学習装置について図面を参照しながら説明する。
図16は本実施形態の学習装置4の構成を示すブロック図である。本実施形態の学習装置4は、機械学習エンジン30−4が、第1の実施形態の機械学習エンジン30と異なる。本実施形態は、機械学習エンジン30で検証する検証データをセンサデータとしてセンサデータベース50にフィードバックする点が第1の実施形態と異なる。
【0095】
図17は、本実施形態の学習装置4に含まれる機械学習エンジン30−4の構成を示すブロック図である。機械学習エンジン30−4は、学習用データ取得手段31、学習手段32、学習用モデルデータベース33に加えて、検証データ取得手段34、検証手段35、出力手段36を有する。学習用データ取得手段31、学習手段32、学習用モデルデータベース33については、第1の実施形態に係る学習装置1の機械学習エンジン30と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0096】
検証データ取得手段34は、機械学習エンジン30−4の学習用モデルデータベース33に格納された学習モデルで検証するための検証データを取得する。検証データ取得手段34は、取得した検証データを検証手段35に出力する。
【0097】
例えば、検証データ取得手段34は、
図2のセンサ70−1〜nによって新たに取得されたセンサデータから生成された学習用データを検証データとして取得する。また、例えば、検証データ取得手段34は、図示しない入力手段から入力されたセンサデータから新たに生成された学習用データを検証データとして取得する。
【0098】
検証手段35は、検証データ取得手段34から検証データを取得する。検証手段35は、学習用モデルデータベース33に格納された学習モデルを用いて、取得した検証データを検証する。検証手段35は、検証結果を出力手段36に出力する。
【0099】
例えば、検証手段35は、学習モデルを用いて検証データの異常の有無を検証し、検証結果を出力手段36に出力する。また、例えば、検証手段35は、学習モデルに含まれる学習用データと検証データとを出力手段36を介して外部のモニター(図示しない)に表示させるように構成してもよい。
【0100】
出力手段36は、検証手段35の検証結果を出力する。
【0101】
例えば、出力手段36を外部のモニター(図示しない)に接続し、検証結果をモニターに出力するように構成できる。
【0102】
また、例えば、検証データの元となるセンサデータの最大値または最小値が、学習モデルを生成する際に用いたセンサデータの数値範囲から外れている場合もありうる。その場合、出力手段36は、その検証データの元のセンサデータを含めて学習モデルを生成しなおすために、検証データの元のセンサデータをセンサデータベース50にフィードバックする。このとき、出力手段36は、検証データの元のセンサデータを含めた複数のセンサデータを用いて学習モデルを生成しなおす指示を変換処理手段10に出力する。
【0103】
すなわち、学習装置4は、機械学習エンジン30−4で検証するセンサデータを入力する際、そのセンサデータ最小値と最大値が、学習モデルを生成する際に用いたセンサデータの数値範囲から外れている場合、丸め込みを行った上で結果判定を行う。なお、学習モデルを生成する際のセンサデータの最小値と最大値は、センサの特性に合わせてその幅を設定可能とすることが好ましい。
【0104】
以上のように、本実施形態の学習装置によれば、学習モデルを用いて検証データを検証する際に、検証データに応じて学習モデルを再構築することによって精度を向上できる。例えば、本実施形態の学習装置は、検証データの元となるセンサデータの最小値と最大値が、学習モデルを作成した際のセンサデータの数値範囲を超えた場合、検証データの元のデータをセンサデータとしてフィードバックする。
【0105】
本実施形態の学習装置の効果は、以下の二つにまとめられる。
【0106】
第1に、本実施形態の学習装置は、複数のセンサデータをデータ検証する場合、複数のセンサデータを一つの画像データに統合することによって、一度にデータ分析することを可能とする。それに付随し、本実施形態の学習装置には、検証データをセンサデータにフィードバックすることによって、判定結果を一意にできるという効果もある。
【0107】
第2に、本実施形態の学習装置は、数値データで表現される複数のセンサデータを一つに統合して画像化することによって、センサデータを画像データとして比較することを可能とする。それに付随して、本実施形態の学習装置には、利用者が要素の特性を画像として把握できるようになり、機械学習による正常性判別を利用者が行い易くなるという効果もある。
【0108】
(ハードウェア)
ここで、本実施形態に係る学習装置を実現するハードウェア構成について、
図18のコンピュータ90を一例として挙げて説明する。なお、
図18のコンピュータ90は、各実施形態の学習装置を実現するための構成例であって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0109】
図18のように、コンピュータ90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95および通信インターフェース96を備える。
図18においては、インターフェースをI/F(Interface)と略して表記している。プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95および通信インターフェース96は、バス99を介して互いにデータ通信可能に接続される。また、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93および入出力インターフェース95は、通信インターフェース96を介して、インターネットやイントラネットなどのネットワークに接続される。
【0110】
プロセッサ91は、補助記憶装置93等に格納されたプログラムを主記憶装置92に展開し、展開されたプログラムを実行する。本実施形態においては、コンピュータ90にインストールされたソフトウェアプログラムを用いる構成とすればよい。プロセッサ91は、本実施形態に係る学習装置が実行する演算処理や制御処理を実行する。
【0111】
主記憶装置92は、プログラムが展開される領域を有する。主記憶装置92は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリとすればよい。また、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)などの不揮発性メモリを主記憶装置92として構成・追加してもよい。
【0112】
補助記憶装置93は、種々のデータを記憶する手段である。補助記憶装置93は、ハードディスクやフラッシュメモリなどのローカルディスクによって構成される。なお、種々のデータを主記憶装置92に記憶させる構成とし、補助記憶装置93を省略することも可能である。
【0113】
入出力インターフェース95は、コンピュータ90と周辺機器との接続規格に基づいて、コンピュータ90と周辺機器とを接続する装置である。通信インターフェース96は、規格や仕様に基づいて、インターネットやイントラネットなどのネットワークに接続するためのインターフェースである。入出力インターフェース95および通信インターフェース96は、外部機器と接続するインターフェースとして共通化してもよい。
【0114】
コンピュータ90には、必要に応じて、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力機器を接続できるように構成してもよい。それらの入力機器は、情報や設定の入力に使用される。なお、タッチパネルを入力機器として用いる場合は、表示機器の表示画面が入力機器のインターフェースを兼ねる構成とすればよい。プロセッサ91と入力機器との間のデータ通信は、入出力インターフェース95に仲介させればよい。
【0115】
通信インターフェース96は、ネットワークを通じて、外部のシステムや装置に接続される。
【0116】
また、コンピュータ90には、情報を表示するための表示機器を備え付けてもよい。表示機器を備え付ける場合、コンピュータ90には、表示機器の表示を制御するための表示制御装置(図示しない)が備えられていることが好ましい。表示機器は、入出力インターフェース95を介してコンピュータ90に接続すればよい。
【0117】
また、コンピュータ90には、必要に応じて、リーダライタを備え付けてもよい。リーダライタは、バス99に接続される。リーダライタは、プロセッサ91と図示しない記録媒体(プログラム記録媒体)との間で、記録媒体からのデータ・プログラムの読み出し、コンピュータ90の処理結果の記録媒体への書き込みなどを仲介する。記録媒体は、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)カードなどの半導体記録媒体などで実現できる。また、記録媒体は、フレキシブルディスクなどの磁気記録媒体、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光学記録媒体やその他の記録媒体によって実現してもよい。
【0118】
以上が、本発明の実施形態に係る学習装置を可能とするためのハードウェア構成の一例である。なお、
図18のハードウェア構成は、本実施形態に係る学習装置を可能とするためのハードウェア構成の一例であって、本発明の範囲を限定するものではない。また、本実施形態に係る学習装置に関する処理をコンピュータに実行させるプログラムも本発明の範囲に含まれる。さらに、本発明の実施形態に係るプログラムを記録したプログラム記録媒体も本発明の範囲に含まれる。
【0119】
以上、実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。