(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態の包装袋10について説明する。
なお、以下の各図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
【0017】
図1は、第1実施形態における包装袋10の全体の構成を示す正面図である。
図2は、第1実施形態における包装袋10の注出部周辺の構成を示す部分拡大図である。
図1及び
図2に示すように、本実施形態の包装袋10は、内容物が収容される収容部11と、連通する収容部11内の内容物を注出する注出部12とを備えている。包装袋10は、正面視において全体的に略矩形状をなし、その上部における短手方向一方側に注出部12を有している。注出部12の内側に形成される注出流路Rは、収容部11の収容空間Kに連通している。
【0018】
収容部11及び注出部12は、複数の可撓性フィルム13,14,15が重ね合わされ、各可撓性フィルム13,14,15の周縁が封止されて一体に形成されている。
具体的には、収容部11及び注出部12を構成する2枚の可撓性フィルム(以下、表側可撓性フィルム13及び裏側可撓性フィルム14)と、収容部11の底部を構成する底側可撓性フィルム15と、が重ね合わされ、これら各可撓性フィルム13,14,15の周縁がそれぞれヒートシールされることで一体的に形成されている。底側可撓性フィルム15は2つ折りに折り返されており、折り返り部15bが収容部11の内側に向くように配置されている。包装袋10は、収容部11に収容される内容物の重さによって底側可撓性フィルム15が下方へ押し拡げられることで、自立可能になっている。
【0019】
シール部16は、各可撓性フィルム13,14,15の周縁を封止しており、内容物の流出を防ぐために剥離不能にヒートシールされている。シール部16の幅は適宜設定され、一定であってもよいし、部分的に異なっていてもよい。
【0020】
注出部12には、開封性の向上及び開封方向の規制を目的として、内容物の注出方向に対して略垂直な方向に沿って開封補助線17が形成されている。開封補助線17は、ハーフカット線からなり、1本であってもよいし、複数本であってもよい。また、開封補助線17は、連続的な線であってもよいし、断続的な線であってもよい。開封補助線17は、例えば、レーザー光照射によって可撓性フィルムの表面を部分的に除去する方法で形成されたもの等が挙げられる。開封補助線17の端部には、開封の開始箇所にノッチが形成されていることが好ましい。ノッチの形状としては、半円形状、I字形状、V字形状等が挙げられる。
【0021】
本実施形態の注出部12には、注出調整部(第1の注出調整部)18と初期流路19とが形成されている。これら注出調整部18および初期流路19は、注出部12の流路幅方向に存在し、互いに所定の間隔をおいて形成されている。
【0022】
注出調整部18は、注出部12のシール部16以外の部分で、正面視で開封補助線17と重なる位置において、表側可撓性フィルム13と裏側可撓性フィルム14とを部分的に接着することで形成されている。注出調整部18は、上述したシール部16よりも弱い接着力で剥離可能に接着されている(擬接着)。
【0023】
注出調整部18は、開封補助線17の一端側のシール部16Bから他端側のシール部16Aに向けて延在するとともに、他端側のシール部16Aから所定の距離をおいた範囲に形成されている。注出調整部18は、開封補助線17を含む矩形状の範囲に面状に形成され、開封補助線17が注出方向の略中央に位置する。
【0024】
なお、注出調整部18の形状は、矩形状に限らず、他の形状であってもよい。
また、注出調整部18の形成範囲は、内容物の液性や注出調整部18における接着力等に応じて適宜設定される。内容物の粘度が低い場合は(1000mPa・s以下)、注出調整部18の形成範囲は大きい方が好ましく、初期流路幅19が5mm以下となるように設定することが好ましい。
【0025】
初期流路19は、開封補助線17の他端側に形成され、シール部16Aと注出調整部18との間に形成されている。初期流路19は、注出部12における表側可撓性フィルム13と裏側可撓性フィルム14との間が開放された未シール部分に形成され、上述した注出調整部18が剥離されていない状態のときに、注出流路Rと収容空間Kとを部分的に連通させている。
【0026】
包装袋10では、注出調整部18が剥離していない状態のときに、収容空間Kと注出流路Rとが注出調整部18により隔離されるとともに初期流路19において部分的に連通している。一方、注出調整部18が開封されると、収容空間Kと注出流路Rとが完全に連通するようになる。
【0027】
包装袋10を構成する可撓性フィルム13,14,15の材質としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはその鹸化物などが挙げられる。
【0028】
可撓性フィルム13,14,15は、無延伸のものであってもよいし、一軸延伸したものであってもよいし、二軸延伸したものであってもよい。材質がナイロン、ポリエチレンテレフタレートの場合には、機械的強度が向上することから、二軸延伸したものが好ましい。
【0029】
また、可撓性フィルム13,14,15の各々は、少なくとも基材(不図示)とシール層(不図示)とを積層してなる積層体であってもよい。可撓性フィルム13,14,15が積層体である場合には、ヒートシールのしやすさから、最も内側のシール層(不図示)がポリエチレン(低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン)であることが好ましい。各可撓性フィルム13,14,15は、互いのシール層(不図示)側を対向させた状態で重ね合わされてシールされている。
また、可撓性フィルム13,14,15に、ガスバリア性向上のために、金属箔が積層されていても構わない。
【0030】
次に、包装袋10の使用方法について述べる。
包装袋10は、詰め替え用のパウチとして用いた場合、例えば、口元を備えた容器(以下、詰め替えボトルと称する)に対して好適に使用される。
【0031】
図3は、第1実施形態の包装袋10の開封後の状態を示す図である。
詰め替えボトルに対して内容物の詰め替え作業を行う際は、まず、
図3に示すように、包装袋10の開封補助線17に沿って注出部12の先端部12Aを切り取って開封する。そして、包装袋10を傾けながら、開封された注出部12を詰め替えボトルの口元に近づける。このとき、初期流路19は開封されているが注出調整部18は接着されているため、包装袋10を傾けた状態では、注出部12の注出流路Rのうち初期流路19から内容物が注出される。初期流路19から注出される内容物の量は少量であるため、詰め替えボトルの口元を狙って注出部12を近づける際に、内容物をこぼすことなく口元内に注出部12を挿し込むことができる。
【0032】
次に、詰め替えボトルの口元に包装袋10の注出部12を挿し込んだ状態で、収容部11から内容物を押し出すように収容部11を手で押圧し、注出調整部18を剥離させる。注出調整部18を開封することで収容空間Kと注出流路Rとが完全に連通し、注出部12の注出流路R全体から包装袋10内の内容物を注出でき、詰め替えボトルに詰め替えることができる。
【0033】
本実施形態の包装袋10によれば、注出部12に注出調整部18及び初期流路19を設けたことにより、詰め替え作業を開始して先端部12Aを開封した後、包装袋10を傾けた際に、内容物の多くを収容部11に留まらせつつ、初期流路19から少量の内容物を注出することができる。このため、詰め替えボトルの口元を狙い易くなり、口元に包装袋10の注出部12を挿し込みやすい。よって、包装袋10を傾けた直後に、注出部12から内容物が勢いよく大量に注出されてしまうことがないため、詰め替えボトルの口元が狙い易くなり、内容物をこぼすこともなく、安心して詰め替え作業を行うことができる。
【0034】
また、従来の構成のように、開封補助線17に沿って注出部12の流路幅全体に注出調整部を形成した場合には、先端部12Aを開封しても注出流路Rの全体が封止された状態の為、内容物をこぼすことなく、詰め替えボトルの口元に注出部12を挿入することはできても、注出調整部を剥離するために収容部11に圧力を加えると、注出調整部18が一気に剥離して注出流路Rの全体が開放されるため、内容物が勢いよく出てしまい、詰め替えボトルから内容物が飛び跳ねてしまうおそれがあった。
【0035】
これに対し、本実施形態では、注出部12に注出調整部18及び初期流路19をそれぞれ設けたことにより、注出調整部18を剥離するために収容部11に圧力を加えたとしても注出調整部18の全体が一気に剥離するのではなく、注出調整部18の初期流路19側から徐々に剥離していく。このため、注出流路Rが徐々に開放されるため、内容物が勢いよく出てしまうこともなく、詰め替えボトルから内容物が飛び出して無駄になるのを抑えることができる。
【0036】
また、初期流路19を拡げるように注出調整部18を徐々に剥離することから、注出調整部18の剥離具合によって、内容物の注出量を調整することができる。詰め替えボトルの口元に包装袋10の注出部12を挿し込んだ状態で、注出調整部18を全て剥離させれば、内容物の漏れを防いで内容物を効率よく注出することが可能である。
【0037】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態の包装袋20について説明する。
図4は、第2実施形態の包装袋20の注出部周辺の構成を示す部分拡大図である。
図5は、第2実施形態の包装袋20の開封後の状態を示す図である。
【0038】
先の実施形態では、開封線を含む範囲に注出調整部が形成されていたが、
図4に示す本実施形態の包装袋20は、注出部12における開封補助線17よりも収容部11側の所定の領域に注出調整部(第1の注出調整部)21が形成されている。注出調整部21は、正面視円形状(点状)とされ、注出流路Rの略中央に配置されている。本実施形態では、開封補助線17に接しない位置に注出調整部21が形成されているが、一部が開封補助線17に接していてもよいし、一部が開封補助線17を部分的に含むように形成されていてもよい。
【0039】
図4に示すように、注出方向に交差する方向における注出調整部21の両側には、シール部16A,16Bとの間に初期流路19がそれぞれ形成されている。本実施形態では、初期流路19の流路幅は互いに等しくなっているが、これに限らず、流路幅が互いに異なっていてもよい。初期流路19の流路幅は、傾倒時に注出される内容物の初期注出量をどれくらいにするかによって設定してもよい。
【0040】
また、注出調整部21の大きさは、直径約0.5mm〜1.0mmである。
なお、注出調整部21の大きさや形状は、円形状に限らず、楕円形状あるいはその他の形状でも構わない。ここで、楕円形状とは、幾何学で定義される楕円形のほか、楕円形に近似する形状、例えば長円形(2つの半円を2本の直線で結んだ形状)、小判形、あるいは楕円形を長軸又は短軸方向につぶした形状などを含む概念である。
【0041】
本実施形態の包装袋20においても、
図5に示すように、注出調整部21により内容物の多くを収容部11に留まらせることで、詰め替え作業を開始して包装袋20を傾けた際に、注出部12から注出される内容物の量を少量にすることができる。これにより、詰め替えボトルから内容物が漏れ出てしまうのを防ぐことができる。
【0042】
本実施形態では、注出部12における注出調整部21の両側に初期流路19をそれぞれ設けたことから、詰め替え作業時に、注出調整部21を剥離するために収容部11に圧力を加えると、円形状を呈する注出調整部21の周縁から、つまり、注出調整部21の各初期流路19側の周縁から剥離していくことになり、端辺から剥離する場合に比べて注出調整部21の全体を早く剥離させることができる。これにより、注出量を調整できるとともに、詰め替え作業をより効率よく行うことも可能である。
【0043】
また、本実施形態において、注出調整部21は正面視円形状を呈しているが、注出方向に異なる接着面積を有した他の形状であってもよい。収容部11側から先端部12A(開封補助線17)側に向かって、接着面積が漸次縮小あるいは前記拡大する形状(例えば三角形状等)であってもよい。これにより、注出調整部21が全て剥離した際に、内容物の流速が急激に変化するのを抑えることができ、詰め替え作業を安定して行うことができる。
【0044】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態の包装袋30について説明する。
図6は、第3実施形態の包装袋30の注出部周辺の構成を示す部分拡大図である。
図7は、第3実施形態の包装袋30の開封後の状態を示す図である。
【0045】
上述した各実施形態では、注出調整部を1つずつ備えた構成とされていたが、
図6に示す本実施形態の包装袋30は、注出調整部(第1の注出調整部)31を複数備えている。
本実施形態では、開封補助線17に沿うようにして、注出部12の流路幅方向に複数(ここでは3つ)の注出調整部31が形成されている。各注出調整部31は、互いに所定の間隔をおいて形成されている。本実施形態では、各注出調整部31が、開封補助線17に接しない位置に注出調整部21が形成されているが、一部が開封補助線17に接していてもよいし、一部が開封補助線17を部分的に含むように設けられていてもよい。
【0046】
図6に示すように、隣り合う注出調整部31どうしの間と、両側の注出調整部31の各々とシール部16A,16Bとの間に初期流路19がそれぞれ形成されている。本実施形態では、初期流路19の流路幅は互いに等しくなっているが、これに限らず、流路幅が互いに異なっていてもよい。
【0047】
また、各注出調整部31の大きさは、内容物の粘度が低い場合(1000mPa・s以下)、注出調整部31を複数配置したときに、初期流路19の幅が5mm以下となる大きさであることが好ましい。
なお、各注出調整部31の大きさや形状は、正面視円形状(点状)に限らず、楕円形状あるいはその他の形状でも構わない。また、複数の注出調整部31のうちの少なくとも1つの大きさや形状が他の注出調整部31と異なっていてもよい。
【0048】
本実施形態の包装袋30においても、
図7に示すように、注出調整部31により、詰め替え作業を開始して包装袋30を傾けた際に、内容物の多くを収容部11に留まらせて、注出部12から注出される内容物の量を少量にすることができる。これにより、詰め替えボトルから内容物が漏れ出てしまうのを防ぐことができる。
【0049】
本実施形態では、注出部12に複数の注出調整部31及び複数の初期流路19を設けたことにより、詰め替え作業時に、複数の注出調整部31をそれぞれ剥離するために収容部11に圧力を加えると、各注出調整部31がその両側から、つまり、各注出調整部31の各初期流路19側の周縁から剥離していくことになる。そのため、各注出調整部31の大きさが小さい方が各注出調整部31を素早く剥離させることが可能となり、包装袋30から多くの内容物を注出させてもよい状態になったときに有利である。
【0050】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態の包装袋40について説明する。
図8は、第4実施形態の包装袋40の注出部周辺の構成を示す部分拡大図である。
図9は、第4実施形態の包装袋40の開封後の状態を示す図である。
【0051】
先の実施形態では、複数の注出調整部が規則的に形成されていたが、
図8に示す本実施形態の包装袋40は、さらに多くの注出調整部(第1の注出調整部)41が注出部12の流路幅方向及び内容物の注出方向にそれぞれ多数形成されている。これら複数の注出調整部41は、ランダムな配列で形成されている。
【0052】
注出調整部41は、正面視円形状(点状)とされ、その大きさは内容物の粘度が低い場合(1000mPa・s以下)、注出調整部41を複数配置したときに、初期流路19の幅が5mm以下となる大きさであることが好ましい。本実施形態では、注出部12のうち、開封補助線17から収容部11までの領域に多数の注出調整部41が分散しており、隣り合う注出調整部41の間に初期流路19が数多く存在する。
【0053】
なお、各注出調整部41の大きさや形状は、円形状に限らず、楕円形状あるいはその他の形状でも構わない。また、多数の注出調整部41のうちの少なくとも1つの大きさや形状が他の注出調整部41と異なっていてもよい。
【0054】
複数の注出調整部41は、いずれも開封補助線17よりも収容部11側に形成されているが、一部の注出調整部41が開封補助線17に接していてもよいし、開封補助線17を含むように形成されていてもよい。
【0055】
本実施形態の包装袋40においても、
図9に示すように、注出調整部41により、詰め替え作業を開始して包装袋40を傾けた際に、内容物の多くを収容部11に留まらせて、注出部12から注出される内容物の量を少量にすることができる。これにより、詰め替えボトルから内容物が漏れ出てしまうのを防ぐことができる。
【0056】
また、本実施形態では、注出部12に多数の注出調整部41を設けたことにより、詰め替え作業時に収容部11に圧力を加えると、多数の注出調整部41のうち、最も収容部11側に位置する注出調整部41から注出方向へ向かって順に剥離していくことになる。これにより、使用者は開封感を実感することができるので、多数の注出調整部41の剥離具合によって、内容物の注出量を段階的に調整することも可能になる。
【0057】
本実施形態では、複数の注出調整部41がランダムに形成されているが、注出方向に向かうに従って、複数の注出調整部41の配置密度が高くなってもよい。また、複数の注出調整部41の形状が、注出方向に沿って漸次大きくなるあるいは漸次小さくなっていてもよい。
【0058】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態の包装袋50について説明する。
図10は、第5実施形態の包装袋50の注出部周辺の構成を示す部分拡大図である。
図11は、第5実施形態の包装袋50の開封後の状態を示す図である。
【0059】
図10に示すように、本実施形態の包装袋50は、注出部における開封補助線17よりも収容部11側の所定の領域に、複数の第1の注出調整部51と複数の第2の注出調整部52が形成されている。
【0060】
第2の注出調整部52は、隣り合う第1の注出調整部51同士の間の初期流路19内に形成され、初期流路19の流路幅を規制している。また、第2の注出調整部52は、第1の注出調整部51とシール部16A,16Bの間の初期流路19内にもそれぞれ形成され、各初期流路19の流路幅を規制している。第2の注出調整部52は、隣り合う第1の注出調整部51とシール部16A,16Bに対して、注出部12の流路幅方向に互いに所定の間隔をおいて形成されている。
【0061】
第2の注出調整部52は、流路方向(開封補助線17に交差する方向)に沿って直線状に延在し、その延在長さは適宜設定される。本実施形態では、各第2の注出調整部52の延在長さが互いに等しい。第2の注出調整部52は、第1の注出調整部51の直径よりも長く、注出方向に沿う一端部52aが第1の注出調整部51よりも開封補助線17へ突出し、他端部52bが第1の注出調整部51よりも収容部11へ突出している。
【0062】
なお、各第2の注出調整部52は、図示した構成に限らず、内容物の注出方向における長さや位置が互いに異なっていてもよいし、直線状でなくても構わない。
【0063】
本実施形態の包装袋50では、
図11に示すように、第1の注出調整部51の他に第2の注出調整部52を設けて初期流路19の流路幅をさらに規制することによって、詰め替え作業を開始して包装袋50を傾けた際に注出される内容物の初期注出量をより調整する(低減させる)ことができる。
【0064】
また、本実施形態の包装袋50では、その後、第1の注出調整部51及び第2の注出調整部52を剥離するために収容部11に圧力を加えると、まず第2の注出調整部52がその収容部11側の一端部52b側から順に剥離していくとともに、第1の注出調整部51がその周縁から剥離していく。本実施形態では、第1の注出調整部51とは異なる形状の第2の注出調整部52を所定の位置に形成されているため、第1の注出調整部51と第2の注出調整部52との剥離時間を互いに異ならせることができ、収容部11の押圧具合によって内容物の注出量をより調整することができる。
【0065】
さらに、本実施形態では、直線状をなす第2の注出調整部52の一部が第1の注出調整部51よりも開口側に延出するように形成されていることから、第1の注出調整部51の剥離が完了するまで、初期流路19の規制状態を維持することも可能である。つまり、第1の注出調整部51よりも第2の注出調整部52の他端部52aが開封補助線17側へ延出するよう形成することで、第1の注出調整部51が剥離した後でも、第2の注出調整部52によって流路の規制が可能となり、第1の注出調整部51の剥離から段階的に注出流路Rの全体を開放することができる。これにより、第1の注出調整部51が全て剥離した際に、内容物の流速が急激に変化するのを抑えることができ、詰め替えボトルから内容物が漏れ出てしまうのを防いでより安定して詰め替え作業を行うことができる。
【0066】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0067】
例えば、第1の注出調整部あるいは第2の注出調整部の形状は上述した各実施形態に限られず、いかなる面状、点状、線状であってもよく、これらを組み合わせた形状であってもよい。
【0068】
また、例えば、上述した包装袋の一例として、詰め替え用のスタンディングパウチを挙げたが、これに限られず、使い切りパウチ(容器)として用いてもよい。また、スタンディングタイプでなくてもよく、底側可撓性フィルムを省いたパウチ(容器)でもよい。