(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の駅務システム、および、プログラムを、図面を参照して説明する。
【0009】
図1は、実施形態の駅務システム1の構成図である。駅務システム1は、例えば、複数の自動改札機10と、複数の中継装置40と、複数の統合監視盤50と、保守サーバ100と、事業者サーバ200と、メールサーバ300と、端末装置400とを備える。
【0010】
自動改札機10、中継装置40、および、統合監視盤50は、例えば、各駅の改札エリア内に設置されている。改札エリアとは、例えば、鉄道事業者により各種駅務機器が設置される領域であって、改札口の周辺や駅構内等が含まれる。例えば、各駅の改札エリアには、統合監視盤50が1つ設置され、中駅装置30が各改札口に1つ、自動改札機10が各改札口に少なくとも1つ設置される。各自動改札機10は、自機が設置されている改札口の中継装置40、および、自機が設置されている駅の統合監視盤50と接続される。中継装置40は、自機が設置されている駅の統合監視盤50と接続される。統合監視盤50は、ネットワークNW1を介して、保守サーバ100と接続される。ネットワークNW1は、例えば、WAN(Wide Area Network)や、VPN(Virtual Private Network)等などのネットワークである。
【0011】
中継装置40と、事業者サーバ200と、メールサーバ300と、端末装置400とは、ネットワークNW2を介して接続される。ネットワークNW2は、例えば、例えば、WAN、LAN(Local Area Network)、インターネット、プロバイダ装置、無線基地局、専用回線などのうちの一部または全部を含む。
【0012】
保守サーバ100は、例えば、鉄道事業者等により駅務機器を管理するためのサーバマシンであって、表示装置やスピーカ等を含む出力部を含む。
【0013】
事業者サーバ200は、例えば、鉄道事業者等によるサービスを提供するためのサーバマシンである。例えば、鉄道事業者は、予め登録された利用者(例えば、親)に対して、利用者が指定した対象者(例えば、子供)が改札を通過したことを通知するサービスを提供する。
【0014】
メールサーバ300は、事業者サーバ200からの要求に従って、予め登録された利用者に対して、メールを送信するサーバマシンである。
【0015】
端末装置400は、利用者が操作する端末であって、例えば、デスクトップ型のコンピュータ、ノート型のコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、またはスマートフォンやタブレット端末である。
【0016】
[自動改札機]
次に、
図2,3を参照して、自動改札機10について説明する。
図2は、1つの自動改札機10を上方から見た図である。自動改札機10は、通路を挟んで対向配置される主機20と従機30とを備える。主機20は、例えば、リーダライタ部21と、上面表示部22と、正面表示部23と、扉部24および25と、制御部26とを備える。また、従機30は、リーダライタ部31と、上面表示部32と、正面表示部33と、扉部34および35とを備える。
【0017】
主機20のリーダライタ部21は、
図2のa方向に通過しようとする(駅から出場しようとする)利用者によって翳された媒体に記憶された情報を読み取って、読み取った情報を制御部26に送信する。上面表示部22は、制御部26によって処理された結果を表示する。正面表示部23は、
図2のa方向に通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字等を表示する。正面表示部23の表示内容は、制御部26によって決定される。
図2の例では、自動改札機10は、a方向の通過のみ許可する動作モード(第1の動作モード)に設定されているため、主機20の正面表示部23は、通過を許可することを示すマークを表示している。制御部26は、主機20と従機30の各部を制御する。
【0018】
一方、従機30のリーダライタ部31は、b方向に通過しようとする(駅に入場しようとする)利用者によって翳された媒体に記憶された情報を読み取って、読み取った情報を主機20の制御部26に送信する。上面表示部32は、リーダライタ部31に媒体が翳された場合に、主機20の制御部26によって処理された結果を表示する。正面表示部33は、b方向に通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字等を表示する。正面表示部33の表示内容は、主機20の制御部26によって決定される。
図2の例では、自動改札機10は、a方向の通過のみ許可する第1の動作モードに設定されているため、従機30の正面表示部33は、通過を禁止することを示すマークを表示している。
【0019】
主機20の制御部26は、自動改札機10が第1の動作モードに設定されている場合には、扉部25および35を開放状態に維持すると共に、扉部24および34を開放状態または閉止状態に制御することで、a方向の利用者の通過を許可または禁止する。また、制御部26は、自動改札機10が
図2のb方向の通過のみ許可する動作モード(第2の動作モード)に設定されている場合には、扉部24および34を開放状態に維持すると共に、扉部25および35を開放状態または閉止状態に制御することで、b方向の利用者の通過を許可または禁止する。
【0020】
リーダライタ部21および31は、例えば、自身に翳された媒体から乗車券情報を読み取る。媒体は、例えばICカードである。本実施形態において、乗車券として使用される媒体は、少なくとも、利用者または媒体の乗車券情報を保持可能なものであればよく、ICカードの他、カードエミュレーション機能を有する携帯電話などの電子デバイス、QRコード(登録商標)、バーコードなどのコード画像が印刷された紙媒体、無線通信機能を有するRFIDタグなどが乗車券として使用されてよい。以下の説明では、乗車券としてICカードが使用されるものとする。乗車券情報は、乗車券の識別情報や、乗車券の効力を示す効力情報(例えば、利用することができる区間を示す情報や電子マネーの残高)、入場駅の識別情報、入場駅に入場した時刻等を含む。リーダライタ部21および31は、例えば、13.56[MHz]の通信帯域を使用して媒体と通信を行う。
【0021】
図3は、1つの自動改札機10の機能構成の一例を示す図である。自動改札機10は、
図2に示す構成の他、例えば、中継装置40および統合監視盤50と通信を行う通信部11と、種々の情報を格納する記憶装置12とを更に備える。
【0022】
記憶装置12は、例えば、SSD(Solid State Drive)により実現される。記憶装置12には、自己診断機能(S.M.A.R.T.:Self-Monitoring Analysis and Reporting Technology)が内蔵されており、この機能による自己診断の結果(以下、診断結果w1と記す)を、制御部26に出力する。記憶装置12は、予め決められた検査項目に応じて自己診断を行う。診断結果w1には、検査項目ごとに得られた診断結果が含まれる。
【0023】
記憶装置12は、プロセッサが実行するプログラムや、各駅間(または利用距離ごと)の料金が記憶された運賃テーブル121、および、履歴テーブル122を格納する他、自機が設置された駅の識別情報や、自機の識別情報、各駅間の距離等を格納する。履歴テーブル122には、入出場処理に関して行った処理の履歴を示す情報(以下、履歴情報と記す)が格納される。履歴情報には、例えば、鉄道を利用した利用者の入場駅や、出場駅、入場駅への入場時刻、出場駅からの出場時刻、収受した料金、乗車券の識別情報、利用した路線の情報等が含まれる。
【0024】
制御部26は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現されてよい。また、制御部26は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現され、制御部26の機能を実現するための回路構成を有してもよい。また、制御部26は、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。制御部26は、通行判定部261と、履歴管理部262と、診断結果管理部263とを備える。
【0025】
通行判定部261は、リーダライタ部21(31)により取得された乗車券情報に基づいて、利用者の通過可否を判定し、判定結果に基づいて、利用者の通過を許可、あるいは禁止する制御を行う。例えば、通行判定部261は、乗車券情報に含まれる効力情報が、利用者が利用した区間を満たす場合、利用者の通過を許可し、利用者が利用した区間を満たさない場合、利用者の通過を禁止する。通行判定部261は、通過の許可または禁止の判定に応じて、扉部24,25、34,35、上面表示部22、32、または正面表示部23、33を制御する。
【0026】
履歴管理部262は、入出場処理に関して行った処理の履歴情報を記憶装置12に記憶させておき、例えば、中継装置40からの要求に従って処理の履歴情報を中継装置40に送信する。例えば、履歴管理部262は、
図2のa方向に通過しようとする利用者に関して行った処理の履歴情報、および
図2のb方向に通過しようとする利用者に関して行った処理の履歴情報のうち、一方または双方を中継装置40に送信する。
【0027】
診断結果管理部263は、記憶装置12に対して、診断結果を出力するよう指示し、記憶装置12から入力した診断結果w1を、通信部11を用いて、統合監視盤50に送信する。
【0028】
[中継装置]
図4は、1つの中継装置40の機能構成の一例を示す図である。
図4に示す通り、中継装置40は、通信部41と、出力部42と、制御部43と、記憶装置44と、入力部45とを備える。
【0029】
通信部41は、LANなどの通信インターフェース回路である。通信部41は、自動改札機10および統合監視盤50と通信を行う。通信部41は、自動改札機10または統合監視盤50により送信された情報を受信した場合、受信した情報を制御部43に出力する。
【0030】
出力部42は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)表示装置や、各種音声やブザー音を出力するスピーカ、などを含む。
【0031】
入力部45は、例えば、各種キー、ボタン、ダイヤルスイッチ、マウス等、出力部42と一体として形成されるタッチパッド式の入力部などのうち一部または全部を含んでもよい。
【0032】
制御部43は、CPU等のプロセッサが、記憶装置44に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、制御部43の構成要素のうち一部または全部は、LSI、ASIC、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。制御部43は、データ管理部431と、通知判定部432と、通知部433と、診断結果管理部434とを備える。
【0033】
データ管理部431は、通信部41を用いて取得された各種情報を記憶装置44に格納する。例えば、データ管理部431は、自動改札機10から受信した履歴情報を、履歴テーブル441に格納する。また、データ管理部431は、統合監視盤50からの要求に従って、記憶装置44から読み出した各種情報等を、通信部41を用いて、統合監視盤50に送信する。
【0034】
通知判定部432は、自動改札機10から受信した履歴情報に含まれる識別情報に基づいて、識別情報を取得された媒体を使用した利用者が、入出場を通知する対象として登録されている通知対象者であるか否かを判定する。例えば、通知判定部432は、自動改札機10から受信した識別情報が、記憶装置45に登録されている識別情報と一致した場合、受信した識別情報が通知対象者であると判定する。
【0035】
通知部433は、通知判定部432により入出場を通知する通知対象者であると判定された場合、予め登録されている通知先にその旨を通知する。例えば、通知部433は、通知対象者であると判定された識別情報と対応づけられているメールアドレス等の宛先を記憶装置45から取得し、取得したメールアドレスに、通知対象者の入出場に関する情報(例えば、駅名、日時等)を送信する。
【0036】
診断結果管理部434は、記憶装置44に対して、診断結果を出力するよう指示し、記憶装置44から入力した診断結果を、通信部41を用いて、統合監視盤50に送信する。
【0037】
精算管理部435は、通信部41を用いて取得された情報や、入力部45を用いて入力された情報等に基づいて、精算処理を行う。精算管理部435は、精算処理に関して行った処理の履歴を示す情報を、履歴テーブル441に格納する。
【0038】
記憶装置44は、例えば、SSDにより実現される。記憶装置44には、自己診断機能(S.M.A.R.T.)が内蔵されており、この機能による自己診断の結果(以下、診断結果w2と記す)を、制御部43に出力する。記憶装置44は、予め決められた検査項目に応じて自己診断を行う。診断結果w2には、検査項目ごとに得られた診断結果が含まれる。
【0039】
記憶装置44には、履歴テーブル441、および、通知者テーブル442などの情報が格納される。履歴テーブル441には、自動改札機10から送信された履歴情報が記憶される。なお、履歴テーブル441は、自動改札機10ごとに用意されており、各自動改札機10を識別する固有の情報(以下、自動改札機IDと記す)と対応付けられている。
【0040】
通知者テーブル442は、入出場を通知する対象として登録されている通知対象者を示す乗車券IDと、通知対象者が入出場したことを通知する通知先とを対応付けたテーブルである。例えば、通行対象者には子供が、通知先にはその子供の親のメールアドレス等が含まれる。
【0041】
[統合監視盤]
図5は、統合監視盤50の機能構成の一例を示す図である。
図5に示す通り、統合監視盤50は、通信部51と、出力部52と、制御部53と、記憶装置54と、入力部55とを備える。
【0042】
通信部51は、通信インターフェース回路である。通信部51は、中継装置40および保守サーバ100と通信を行う。通信部51は、中継装置40または保守サーバ100により送信された情報を受信した場合、受信した情報を制御部53に出力する。
【0043】
出力部52は、例えば、LCDや有機EL表示装置や、各種音声やブザー音を出力するスピーカ、などを含む。
【0044】
入力部55は、例えば、各種キー、ボタン、ダイヤルスイッチ、マウス等、出力部52と一体として形成されるタッチパッド式の入力部などのうち一部または全部を含んでもよい。
【0045】
制御部53は、CPU等のプロセッサが、記憶装置54に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、制御部53の構成要素のうち一部または全部は、LSI、ASIC、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。制御部53は、データ管理部531と、予測部532と、通知部533と、診断結果管理部534とを備える。
【0046】
データ管理部531は、通信部51を用いて取得された各種情報を記憶装置54に格納する。例えば、データ管理部531は、中継装置40から受信した履歴情報を、履歴テーブル541に格納する。
【0047】
予測部532は、診断結果を取得し、取得した診断結果に基づいて、駅務機器の記憶装置12,44,54に交換が必要となるか否かを予測する。駅務機器には、自動改札機10、中継装置40、および、統合監視盤50が含まれる。
【0048】
通知部533は、予測部532により駅務機器の記憶装置12,44,54に交換が必要となると予測された場合、その旨を示す予測結果を、統合監視盤50あるいは保守サーバ100の出力部に出力させる。
【0049】
診断結果管理部534は、記憶装置54に対して、診断結果を出力するよう指示し、記憶装置54から入力した診断結果を、予測部532に出力する。
【0050】
記憶装置54は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)により実現される。記憶装置54には、自己診断機能(S.M.A.R.T.)が内蔵されており、この機能による自己診断の結果(以下、診断結果w3と記す)を、制御部53に出力する。記憶装置54は、予め決められた検査項目に応じて自己診断を行う。診断結果w3には、検査項目ごとに得られた診断結果が含まれる。
【0051】
記憶装置54には、履歴テーブル541、および、閾値テーブル542などの情報が格納される。履歴テーブル541には、中継装置40から送信された履歴情報が記憶される。なお、履歴テーブル541は、中継装置40ごとに用意されており、各中継装置40を識別する固有の情報(以下、中継装置IDと記す)と対応付けられている。閾値テーブル542には、予測部532により参照される閾値に関する情報が格納される。
【0052】
[予測部等による処理の一例]
次に、
図6を参照して、予測部532による処理について、詳細に説明する。
図6は、診断結果と閾値との関係を示すグラフである。第1の閾値th1は、記憶装置の交換が必要であると判断される閾値であって、記憶装置の種類や型式等に応じて予め決められている。第2の閾値th2は、第1の閾値th1よりも健全側の値である。診断結果は、記憶装置の劣化に伴い徐々に上昇する傾向にある。
【0053】
実施形態において、自動改札機10の記憶装置12、中継装置40の記憶装置44、統合監視盤50の記憶装置54には、それぞれ、異なる第1の閾値th11,th12,th13と第2の閾値th21,th22,th23が設定されている。第1の閾値th1と第2の閾値th2との差分(健全側に寄せる程度)は、各記憶装置12,44,54において自己診断される頻度に応じて決められてもよく、例えば、頻度が多い場合は差分を小さくしてもよい。また、自動改札機10の記憶装置12の第2の閾値th21は、自動改札機10が設置される駅の通行旅客数や改札口の通行旅客数に応じて決められてもよく、各駅に設置されている自動改札機10の数に対する同駅の通行旅客数の割合に応じて予め決められてもよい。これらの閾値は、上記の条件(頻度、通行旅客数など)に基づいて人手により設定されてもよいし、後述するように、保守サーバ100や統合監視盤50などが、入力された条件に基づいて自動的に設定してもよい。また、第1の閾値th1、第2の閾値th2、および、第1の閾値th1と第2の閾値th2との差分は、各記憶装置12,44,54の使用年数に応じて、変更されてもよく、使用年数が所定の年数を超えた場合、閾値を低くしたり、差分を小さくしてもよい。
【0054】
予測部532は、診断結果と第2の閾値th2とを比較し、取得した診断結果w1,w2,w3が、それぞれ、第2の閾値th21,th22,th23に抵触した場合に、駅務機器の記憶装置12,44,54に交換が必要となると予測する。
【0055】
また、予測部532は、履歴情報に基づいて、駅ごと、改札口ごと、あるいは、自動改札機10ごとに、決められた期間内の通行旅客数を導出し、導出された通行旅客数に基づいて、第1の閾値th1、第2の閾値th2、および、第1の閾値th1と第2の閾値th2との差分を決定し、決定した閾値に関する情報を閾値テーブル542に設定し、あるいは、決定した閾値に関する情報で閾値テーブル542の一部を変更してもよい。例えば、予測部532は、履歴テーブル541に格納されている履歴の数を集計することで、通行旅客数を導出する。
【0056】
また、第1の閾値th11,th12,th13、第2の閾値th21,th22,th23、および、これら第1の閾値と第2の閾値との差分等は、入力された条件に基づいて、保守サーバ100あるいは統合監視盤50の予測部532により設定されてもよい。条件としては、例えば、駅務機器や改札エリアあるいはその一部(自動改札機10、改札口、駅)ごとの通行旅客数、自己診断の頻度、鉄道事業者、一日当たりに駅に停車する電車の本数、直近の一定期間において改札エリア内で異常が発生した記憶装置の数等が含まれる。また、設定された条件についての条件値は、保守サーバ100あるいは統合監視盤50の予測部532により導出され、設定あるいは変更されてもよい。例えば、予測部532は、交換が必要となると予測した記憶装置に関する情報を記憶部54に格納しておき、直近の一定期間において改札エリア内で異常が発生した記憶装置の数を導出する。
【0057】
[出力部に出力される交換情報の一例]
次に、
図7,8を参照して、統合監視盤50あるいは保守サーバ100の出力部に出力される交換情報の一例について説明する。
図7,8は、出力部に出力される交換情報の一例を示す図である。
【0058】
図7に示す通り、表示画面60の下方には、異常の発生を通知する異常通知欄61が表示される。異常通知欄61には、異常の詳細ページに移行させる操作ボタン62が表示されている。操作ボタン62がタッチされると、
図8に示す表示画面70に移行する。異常の詳細には、例えば、交換が必要であることが予測された記憶装置が設置されている駅、改札口、自動改札機等を示す情報や、診断結果の値などが表示される。なお、これに限られず、交換情報は、メールで通知されるものであってもよい。
【0059】
[駅務システムにおいて実行される処理の一例]
次に、
図9を参照し、駅務システム1において実行される処理について説明する。
図9は、駅務システム1において実行される処理を示すシーケンス図である。
【0060】
まず、自動改札機10は、リーダライタ部21(31)を用いて、乗車券情報を取得し、取得した乗車券情報等に基づいて、履歴情報を履歴テーブル122に格納する(ステップS1)。予め決められたタイミングとなった場合、自動改札機10は、通信部11を用いて、履歴情報を、中継装置40に送信する(ステップS2)。中継装置40は、通信部41を用いて受信した履歴情報を、記憶装置44の履歴テーブル441に格納する(ステップS3)。そして、予め決められたタイミングになった場合、中継装置40は、記憶装置44から履歴情報を読み出し(ステップS4)、通信部41を用いて、統合監視盤50に送信する(ステップS5)。統合監視盤50は、通信部51を用いて受信した履歴情報を、記憶装置54の履歴テーブル541に格納する(ステップS6)。
【0061】
次いで、予め決められたタイミングになった場合、あるいは、統合監視盤50から要求があった場合、自動改札機10は、記憶装置12による診断結果w1を取得し(ステップS7)、通信部11を用いて、統合監視盤50に診断結果w1を送信する(ステップS8)。そして、統合監視盤50は、受信した診断結果w1に基づいて、自動改札機10の記憶装置12の交換が必要となるか否かを予測する(ステップS9)。交換が必要となると予測された場合、統合監視盤50は、その旨を示す予測結果を、通信部51を用いて保守サーバ100に送信する(ステップS10)。そして、保守サーバ100は、受信した予測結果を出力部から出力させる(ステップS11)。なお、統合監視盤50は、予測結果を、出力部52から出力させてもよい(ステップS12)。
【0062】
次いで、予め決められたタイミングになった場合、あるいは、統合監視盤50から要求があった場合、中継装置40は、記憶装置44による診断結果w2を取得し(ステップS13)、通信部41を用いて、統合監視盤50に診断結果w2を送信する(ステップS14)。そして、統合監視盤50は、受信した診断結果w2に基づいて、中継装置40の記憶装置44の交換が必要となるか否かを予測する(ステップS15)。交換が必要となると予測された場合、統合監視盤50は、その旨を示す予測結果を、通信部51を用いて保守サーバ100に送信する(ステップS16)。そして、保守サーバ100は、受信した予測結果を出力部から出力させる(ステップS17)。なお、統合監視盤50は、予測結果を、出力部52から出力させてもよい(ステップS18)。
【0063】
次いで、予め決められたタイミングになった場合、統合監視盤50は、記憶装置54による診断結果w3を取得し(ステップS19)、取得した診断結果w3に基づいて、記憶装置54の交換が必要となるか否かを予測する(ステップS20)。交換が必要となると予測された場合、統合監視盤50は、その旨を示す予測結果を、通信部51を用いて保守サーバ100に送信する(ステップS21)。そして、保守サーバ100は、受信した予測結果を出力部から出力させる(ステップS22)。なお、統合監視盤50は、予測結果を、出力部52から出力させてもよい(ステップS23)。
【0064】
[統合監視盤において実行される処理の一例]
次に、
図10を参照して、統合監視盤50において実行される処理について説明する。
図10は、統合監視盤50において実行される処理を示すフローチャートである。
【0065】
データ管理部531は、通信部51を用いて、中継装置40から履歴情報を受信したか否かを判定する(ステップS101)。履歴情報を受信した場合、データ管理部531は、受信した履歴情報を、履歴テーブル541に格納する(ステップS102)。
【0066】
次いで、予測部532は、診断結果を取得したか否かを判定する(ステップS103)。予測部532は、自動改札機10から診断結果w1を、中継装置40から診断結果w2を、通信部51を用いて取得する。また、予測部532は、診断結果管理部534から診断結果w3を取得する。予測部532は、取得した診断結果w1〜w3に基づいて、自動改札機10、中継装置40、および、統合監視盤50のそれぞれの記憶装置12,44,54の交換が必要となるか否かを予測する(ステップS104)。
【0067】
そして、通知部533は、予測部532により、記憶装置12,44,54の交換が必要となると予測されたか記憶装置12,44,54があったか否かを判定する(ステップS105)。通知部533は、交換が必要となると予測された記憶装置12,44,54を搭載する駅務機器に対して、その旨を示す予測結果を、通信部51を用いて送信する(ステップS106)。
【0068】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、駅務機器により使用される記憶装置12,44,54と、記憶装置12,44,54が自己診断した診断結果を取得し、取得した診断結果に基づいて、駅務機器の記憶装置12,44,54に交換が必要となるか否かを予測する予測部532と、予測部532により駅務機器の記憶装置12,44,54に交換が必要となると予測された場合、その旨を示す交換情報を出力部52等に出力させる通知部533と、を備えることにより、記憶装置12,44,54の劣化や異常を事前に検出し、記憶装置12,44,54の交換を適切に支援することができる。
【0069】
また、交換が必要であると判断される第1の閾値th1よりも健全側の第2の閾値th2に抵触した場合、交換が必要になると予測することにより、交換までに時間がかかる場合であっても、記憶装置が突然故障して、利用者が改札を通過できない事態を回避することができる。
【0070】
また、実施形態によれば、駅の通行旅客数に応じて予め決められている第2の閾値th2と診断結果とに基づいて、交換が必要となるか否かを予測することにより、記憶装置に使用頻度等に応じた、適切な予測が可能となる。
【0071】
また、実施形態によれば、自動改札機10、改札口、駅における通行旅客数に応じた第2の閾値を設定することができる。これにより、記憶装置に使用頻度等に応じた、適切な予測が可能となる。
【0072】
また、実施形態によれば、通知対象者による改札の入出場を、予め登録された利用者に通知することができる。これにより、利用者は、遠隔地において、通知対象者の移動状況を把握することができる。
【0073】
また、実施形態に係る駅務システム1は、上述に限定されない。例えば、駅務システム1は、識別情報に基づいて入出場を管理するセンターサーバをさらに備え、自動改札機10により予め決められた識別情報が取得された場合、取得された識別情報をセンターサーバに送信してもよい。センターサーバは、受信した識別情報に基づいて入出場を判定し、判定結果を自動改札機10に送信する。自動改札機10は、センターサーバから受信した判定結果に基づいて動作する。
【0074】
また、記憶装置12,44,54は、HDDあるいはSSDのいずれであってもよく、また、その他の記憶装置であってもよい。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。