(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
体腔内に挿入される管状の挿入部における軸方向の一方側の先端部に配されて前記体腔内に光を照射する光源と、該光源に電圧を印加するための第1通電路とを備える内視鏡において、
前記第1通電路を介して印加される電圧を検出する検出回路と、
該検出回路が検出した電圧が所定電圧より低い場合、前記第1通電路とは異なる第2通電路を介して前記光源に電圧が印加されるように切り換える切換回路と
を備え、
前記挿入部は、前記先端部よりも他方側にて湾曲動作が可能な湾曲部を有し、
前記検出回路は、前記湾曲部よりも前記光源側の位置にて電圧を検出し、
前記切換回路は、前記位置よりも更に前記光源側の位置にて切り換える内視鏡。
体腔内に挿入される管状の挿入部における軸方向の一方側の先端部に配されて前記体腔内に光を照射する光源と、該光源に電圧を印加するための第1通電路とを備える内視鏡において、
前記第1通電路を介して印加される電圧を検出する検出回路と、
該検出回路が検出した電圧が所定電圧より低い場合、前記第1通電路とは異なる第2通電路を介して前記光源に電圧が印加されるように切り換える切換回路と、
前記先端部に配されており、前記第2通電路を介して電圧が印加されて前記体腔内を撮像する撮像素子と
を備える内視鏡。
前記検出回路及び前記切換回路が搭載されており、前記光源及び前記第1通電路間、並びに前記撮像素子及び前記第2通電路間の接続を中継する回路基板を更に備える請求項2又は3に記載の内視鏡。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0012】
(1)本発明の一態様に係る内視鏡は、体腔内に挿入される管状の挿入部における軸方向の一方側の先端部に配されて前記体腔内に光を照射する光源と、該光源に電圧を印加するための第1通電路とを備える内視鏡において、前記第1通電路を介して印加される電圧を検出する検出回路と、該検出回路が検出した電圧が所定電圧より低い場合、前記第1通電路とは異なる第2通電路を介して前記光源に電圧が印加されるように切り換える切換回路とを備え
、前記挿入部は、前記先端部よりも他方側にて湾曲動作が可能な湾曲部を有し、前記検出回路は、前記湾曲部よりも前記光源側の位置にて電圧を検出し、前記切換回路は、前記位置よりも更に前記光源側の位置にて切り換える。
【0013】
本態様にあっては、管状の挿入部の一方側の先端部に配された光源に第1通電路を介して電圧が印加される。第1通電路を介して印加される電圧が所定電圧より低い場合、第2通電路を介して他の電圧が光源に印加されるように切り換える。これにより、光源への給電が継続される。
【0015】
本態様にあっては、挿入部における湾曲部よりも光源側の位置にて、第1通電路を介して印加される電圧を検出し、電圧の検出位置よりも更に光源側の位置にて、光源に印加される電圧を切り換える。これにより、例えば湾曲部における湾曲動作の繰り返しによって断線等が発生した場合に、光源に印加される電圧の低下が確実に検出される。また、光源に印加される電圧が切り換わった場合であっても、第1通電路を介して印加される電圧が所定電圧より低下したことが検出され続ける。
【0016】
(
2)前記先端部に配されており、前記第2通電路を介して電圧が印加されて前記体腔内を撮像する撮像素子を更に備えることが好ましい。
(3)本発明の一態様に係る内視鏡は、体腔内に挿入される管状の挿入部における軸方向の一方側の先端部に配されて前記体腔内に光を照射する光源と、該光源に電圧を印加するための第1通電路とを備える内視鏡において、前記第1通電路を介して印加される電圧を検出する検出回路と、該検出回路が検出した電圧が所定電圧より低い場合、前記第1通電路とは異なる第2通電路を介して前記光源に電圧が印加されるように切り換える切換回路と、前記先端部に配されており、前記第2通電路を介して電圧が印加されて前記体腔内を撮像する撮像素子とを備える。
【0017】
本態様にあっては、撮像素子が光源からの光で照射される体腔内を撮像するため、挿入部に光ファイバを設ける必要がない。また、電圧の切り換えの際は、撮像素子に印加されている電圧が光源に振り向けられるため、第3の電圧を用意する必要がない。
【0018】
(4)前記検出回路及び前記切換回路が搭載されており、前記光源及び前記第1通電路間、並びに前記撮像素子及び前記第2通電路間の接続を中継する回路基板を更に備えることが好ましい。
【0019】
本態様にあっては、光源及び第1通電路間と、撮像素子及び第2通電路間の接続とを中継する回路基板上に、検出回路及び切換回路が搭載されるため、検出回路及び切換回路用に新たな回路基板を準備する必要がない。
【0020】
(5)前記撮像素子が撮像して生成する画像データのフレームレートを制御する駆動制御回路を更に備え、該駆動制御回路は、前記画像データに基づく画像の輝度が所定の輝度より低い場合、前記フレームレートを低下させることが好ましい。
【0021】
本態様にあっては、撮像素子が撮像して生成する画像データに基づく画像の輝度が所定の輝度より低い場合、画像データのフレームレートを低下させる。これにより、光源に印加される電圧が切り換わったことによって光源の輝度が低下した場合に、撮像素子の露光時間が増大して、画像の輝度の低下が緩和される。
【0022】
(6)前記第2通電路を介して印加される電圧を検出する第2の検出回路と、該第2の検出回路が検出した電圧が第2の電圧より低い場合、前記第1通電路からの電圧が前記撮像素子に印加されるように切り換える第2の切換回路とを更に備えることが好ましい。
【0023】
本態様にあっては、第2通電路を介して印加される電圧が第2の電圧より低い場合、第1通電路を介して印加される電圧が撮像素子に印加されるように切り換える。これにより、撮像素子への給電が継続される。
【0024】
(7)本発明の一態様に係る内視鏡装置は、上述の内視鏡と、該内視鏡が着脱自在に装着されており、前記第1通電路に第1電圧を印加する第1電源及び前記第2通電路に第2電圧を印加する第2電源を有する本体部とを含む。
【0025】
本態様にあっては、本体部の第1電源から第1通電路に第1電圧を印加し、第2電源から第2通電路に第2電圧を印加する。これにより、光源に印加される電圧が低下した場合に光源への給電を継続することが可能な内視鏡が内視鏡装置に適用される。
【0026】
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る内視鏡及び内視鏡装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、各実施形態で記載されている技術的特徴は、お互いに組み合わせることが可能である。
【0027】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る内視鏡の外観図であり、
図2は、実施形態1に係る内視鏡装置の構成例を示すブロック図である。実施形態1に係る内視鏡100は、例えば上部消化管向けの軟性鏡である。内視鏡100は、体腔内に挿入される管状の挿入部40、該挿入部40に対する操作を行うための操作部50、プロセッサ部80(
図2参照)に着脱可能に装着されるコネクタ部70、及び該コネクタ部70と操作部50とを接続する軟性のユニバーサルコード60を備える。実施形態1に係る内視鏡装置は、内視鏡100及びプロセッサ部80を含んで構成されており、コネクタ部70のプラグがプロセッサ部80のレセプタクル(何れも不図示)に着脱自在に装着される。
【0028】
挿入部40は長尺であり、軸方向における操作部50側とは反対側である一方側から順に先端部41、湾曲部42及び可撓管部43を有する。先端部41は硬性であり、湾曲部42に連続している。湾曲部42は、操作部50に含まれる湾曲ノブ51の操作に応じて能動的に湾曲する。可撓管部43は可撓性を有し、受動的に湾曲する。可撓管部43の軸方向の他方側は操作部50に接続されている。
【0029】
図2に移って、先端部41は、体腔内を照射するLEDである光源11が搭載された回路基板10と、体腔内を撮像するCMOSである撮像素子21が搭載された回路基板20とを含んで構成されている。光源11は、2個以上のLEDを直列又は直並列に組み合わせたものであってもよいし、LED以外の発光体であってよい。撮像素子21は、例えばCCDであってもよい。
【0030】
回路基板20は、光源11と、該光源11に上記軸方向の他方側から電圧を印加するための第1通電路1との間、及び撮像素子21と、該撮像素子21に上記軸方向の他方側から電圧を印加するための第2通電路2との間の接続を中継している。即ち、光源11のプラス側は、回路基板10の端子T1と、回路基板20の端子T2,T3とを介して第1通電路1に接続されている。また、撮像素子21のプラス端子は、回路基板20の端子T4を介して第2通電路2に接続されている。端子T2及びT4間には電路が設けられている。
【0031】
一方、光源11のマイナス側は、回路基板10の端子T5と、回路基板20の端子T6,T7とを介してアース線(GND)3に接続されている。撮像素子21のアース端子は、回路基板20上で端子T6,T7に接続されている。端子T1,T2間、及び端子T5,T6間夫々は、配線にて各別に接続されている。
【0032】
回路基板20上には、撮像素子21が撮像して生成した画像データを直列信号に変換するシリアライザ22と、端子T2,T3間の電路を開閉する半導体スイッチ23と、端子T2,T4間の電路を開閉する半導体スイッチ24と、端子T3を介して印加される電圧及び基準の電圧源27の電圧を比較するコンパレータ25と、コンパレータ25の出力の論理を反転させるインバータ26とが更に搭載されている。
【0033】
本実施形態1では、コンパレータ25及び電圧源27が検出回路に相当し、半導体スイッチ23,24及びインバータ26が切換回路に相当する。切換回路はこれに限定されるものではなく、例えば1回路2接点を有する他のスイッチであってもよい。なお、半導体スイッチ23,24、コンパレータ25及びインバータ26の電源電圧は、第2通電路2及び端子T4を介して印加される3Vの電圧を用いればよい。この電源電圧は、例えば第1通電路1及び端子T3を介して印加される15Vの電圧を適当に降圧した電圧と、第2通電路2及び端子T4を介して印加される3Vの電圧との夫々を、カソードを突き合わせたショットキバリアダイオードのアノードに入力して生成してもよい。
【0034】
コネクタ部70は、第1通電路1を介して光源11に流入する電流の大きさを制御する電流制御回路71と、信号線4を介して入力される画像データの直列信号を並列信号にデコードするデシリアライザ72と、デシリアライザ72でデコードされた画像データに前処理を施してプロセッサ部80に与えるドライバ回路73(駆動制御回路に相当)とを有する。コネクタ部70は、ユニバーサルコード60とプロセッサ部80との間で第2通電路2及びアース線3を中継している。
【0035】
プロセッサ部80は、電流制御回路71を介して第1通電路1に15Vの第1電圧を印加する第1電源81と、第2通電路2に3Vの第2電圧を印加する第2電源82とを有する。第1電圧及び第2電圧夫々は、15V及び3Vに限定されない。プロセッサ部80は、更に、ドライバ回路73からの画像データに信号処理を施して外部のモニタに表示信号を出力する画像信号処理回路83と、使用者の操作を受け付けるためのフロントパネル84と、ドライバ回路73、画像信号処理回路83及びフロントパネル84の動作を制御するシステムコントローラ85とを有する。
【0036】
シリアライザ22は、後述するデシリアライザ72との間で、制御信号を双方向に授受することが可能である。シリアライザ22で直列信号に変換された画像データは、回路基板20の端子T8を介して信号線4に送出されるようになっている。
【0037】
コンパレータ25は、端子T3を介して印加される電圧が電圧源27の電圧より高い場合、半導体スイッチ23をオンすると共に、インバータ26を介して半導体スイッチ24をオフする。コンパレータ25は、また、端子T3を介して印加される電圧が電圧源27の電圧より低い場合、半導体スイッチ23をオフすると共に、インバータ26を介して半導体スイッチ24をオンする。これにより、第1通電路1を介して印加される電圧が電圧源27の電圧より低くなったときに、第2通電路2を介して光源11に電圧が印加されるように切り換わる。光源11に印加される電圧が切り換わった場合であっても、端子T3を介してコンパレータ25に印加される電圧は変化しないため、第1通電路1を介して印加される電圧が電圧源27の電圧より低下したことが検出され続ける。
【0038】
電流制御回路71は、ドライバ回路73からの電流制御信号に応じて、第1通電路1に印加される電圧を上昇させることにより、光源11に流入する電流を増加させ、電路1に印加される電圧を低下させることにより、光源11に流入する電流を減少させる。
【0039】
ドライバ回路73は、デシリアライザ72からの画像データにガンマ補正を施す。ドライバ回路73は、また、撮像素子21の周囲に配された温度センサ(不図示)からの温度データとデシリアライザ72からの画像データに基づく画像の輝度とに応じて、光源11に流入する電流を制御すべく、電流制御回路71に電流制御信号を与える。これにより、撮像素子21の周囲温度が上昇した場合、又は画像の輝度が増大した場合に、光源11に流入する電流が減少する。更に、撮像素子21の周囲温度が低下した場合、又は画像の輝度が低下した場合に、光源11に流入する電流が増加する。上記画像の輝度は、例えば、画面の平均的な輝度又は画面中央部の輝度が用いられる。
【0040】
ドライバ回路73は、更に、上記画像の輝度が大幅に低下して、電流制御信号による電流制御回路71の制御だけでは上記画像の輝度を上昇させることができない場合に、撮像素子21が生成する画像データのフレームレートをデシリアライザ72、信号線4及びシリアライザ22を介して低下させる。これにより、撮像素子21のシャッタ間隔が長くなるため、撮像素子21の露光時間が増大する。画像データのフレームレートは、システムコントローラ85からの指令によって変更されることがある。
【0041】
上述の内視鏡100では、回路基板10は、表面に沿う方向が挿入部40の軸方向と直交するように、且つ、光源11からの光の照射方向が上記軸方向と一致するようにして、先端部41における最先端の位置に配されている。回路基板10の中央部には、回路基板20上の撮像素子21に光を導くレンズユニット(不図示)を貫通させるための穴が開口している。なお、光源11からの光の照射方向は、上記軸方向と交差する方向であってもよい。
【0042】
回路基板20は、全体が3つのサブ基板に分割されている。矩形状の第1基板の表面には撮像素子21が搭載されている。矩形状の第2基板の表面にはシリアライザ22が搭載されている。また、台形状の第3基板の表面には端子T2,T3,T4,T6,T7,T8が設けられている。各端子T1,T2・・T8に対する配線は、例えば半田付けにて接続されている。第1基板と第2基板、及び第2基板と第3基板は、フレキシブルでフラットな接続ケーブルにて各別に接続されている。
【0043】
第1基板と第2基板は、表面同士が直交するように、且つ、表面から見て山折りとなるように接続ケーブルの部位にて折り曲げられる。第3基板と第2基板は、表面同士が
互いに反対側となるように接続ケーブルの部位にて180度折り曲げられる。この場合、第3基板及び第2基板の接続ケーブルにおける折り曲げ線は、第1基板及び第2基板の接続ケーブルにおける折り曲げ線と直交している。このように折り曲げられた回路基板20が、第1基板の表面と回路基板10の表面とが並行になるようにして、上述のレンズユニットの他方側に配置される。回路基板20の折り曲げ方法は、上述の方法に限定されるものではない。
【0044】
以下では、上述した内視鏡100で光源11に印加される電圧が低下した場合について説明する。
図3は、実施形態1に係る内視鏡100で光源11に印加される電圧の切り換わりを示すタイミングチャートである。図の上段は光源11に印加される電圧の時間変化を示すものであり、図の下段は画像データのフレームレートの時間変化を示すものである。これらの図の横軸は時間(t)を表し、縦軸は夫々電圧(V)及び周波数(Hz)を表す。
【0045】
時刻t1より前では、第1電源81から電流制御回路71及び第1通電路1を介して、光源11に15V又は15Vより若干低い電圧が印加されているものとする。画像データのフレームレートは、標準で60Hzである。時刻t1以降に第1電源81、電流制御回路71又は第1通電路1に何らかの異常が発生して、光源11に印加される電圧が低下し始める。これに伴い、光源11からの光量が減少する。
【0046】
時刻t1からt2までの間、電流制御回路71が正常に動作している場合は、光源11に流入する電流が増加する方向に制御されるが、光源11に印加される電圧が15Vで頭打ちとなるため、光源11からの光量は減少し続ける。
【0047】
時刻t2で、画像データに基づく画像の輝度が所定の輝度より低下した場合、ドライバ回路73が画像データのフレームレートを、例えば60Hzから30Hzに低下させる。その後も、光源11に印加される電圧が低下し続け、光源11からの光量が減少し続ける。
【0048】
例えば、電圧源27の電圧が2.5Vである場合、端子T3を介してコンパレータ25に印加される電圧が2.5Vよりも低下する時刻t3にて、半導体スイッチ23がオフ、、半導体スイッチ24がオンとなり、第2通電路2を介して光源11に電圧が印加されるように切り換わる。これにより、光源11には、第2電源82から3Vの第2電圧が印加される。
【0049】
なお、電圧源27の電圧が3Vよりも高い場合、第1通電路1を介して印加される電圧が3Vより高いにもかかわらず、上記電圧の切り換えによって光源11に印加される電圧が3Vに低下するため、電圧源27の電圧は、3Vにできるだけ近い電圧にしておくことが好ましい。
【0050】
光源11に印加される電圧の切り換え後に、画像データに基づく画像の輝度が所定の輝度より低い状態が継続する場合、時刻t4にてドライバ回路73が画像データのフレームレートを、例えば30Hzから15Hzに低下させる。その後も画像データに基づく画像の輝度が所定の輝度より低い状態が継続する場合、時刻t5にてドライバ回路73が画像データのフレームレートを、例えば15Hzから8Hz又は7Hzに低下させる。
【0051】
ドライバ回路73が画像データのフレームレートを低下させる割合は、1/2に限定されるものではない。フレームレートが制御される時間間隔は、例えば1秒であるが、より短い時間間隔で制御されるようにしてもよい。
【0052】
以上のように本実施形態1によれば、管状の挿入部40の一方側の先端部41に配された光源11に、他方側から第1通電路1を介して15Vの第1電圧が印加される。第1通電路1を介して印加される電圧が例えば2.5Vより低い場合、挿入部40の他方側から第2通電路2を介して3Vの第2電圧が光源11に印加されるように切り換える。従って、光源11に印加される電圧が低下した場合に、光源11への給電を継続することが可能となる。
【0053】
また、実施形態1によれば、挿入部40における湾曲部42よりも光源11側の位置にて、第1通電路1を介して印加される電圧を検出し、電圧の検出位置よりも更に光源11側の位置にて、光源11に印加される電圧を切り換える。これにより、例えば湾曲部42における湾曲動作の繰り返しによって断線等が発生した場合に、光源11に印加される電圧の低下を確実に検出することができる。また、光源11に印加される電圧が切り換わった場合であっても、第1通電路1を介して印加される電圧が所定電圧より低下したことが検出され続けるため、電圧の切り換え及び切り戻しの繰り返しが発生するのを防止することができる。
【0054】
更に、実施形態1によれば、撮像素子21が光源11からの光で照射される体腔内を撮像するため、挿入部40に光ファイバを設ける必要がない。また、電圧の切り換えの際は、撮像素子21に印加されている第2電圧が光源11に振り向けられるため、第3の電圧を用意する必要がない。
【0055】
更に、実施形態1によれば、光源11及び第1通電路1間と、撮像素子21及び第2通電路2間の接続とを中継する回路基板20上に、検出回路(コンパレータ25及び電圧源27)及び切換回路(半導体スイッチ23,24及びインバータ26)が搭載されるため、検出回路及び切換回路用に新たな回路基板を準備する必要がない。
【0056】
更に、実施形態1によれば、撮像素子21が撮像して生成する画像データに基づく画像の輝度が所定の輝度より低い場合、画像データのフレームレートを低下させる。従って、光源11に印加される電圧が切り換わったことによって光源11の輝度が低下した場合に、撮像素子21の露光時間が増大して、画像の輝度の低下を緩和することができる。
【0057】
更に、実施形態1によれば、プロセッサ部80の第1電源81から第1通電路1に第1電圧を印加し、第2電源82から第2通電路2に第2電圧を印加する。従って、光源11に印加される電圧が低下した場合に光源11への給電を継続することが可能な内視鏡100を内視鏡装置に適用することが可能となる。
【0058】
本実施形態1にあっては、光源11に印加される電圧が略15Vから3Vに切り換わる場合を例にして説明したが、3Vの電圧が印加されても光源11が発光しない場合は、3Vの電圧を昇圧して光源11に印加すればよい。また、
図3を用いた説明では、電圧源27の電圧が、3Vにできるだけ近い電圧であることが好ましいとしたが、これには限定されない。例えば、電圧源27の電圧を、光源11が発光するために光源11に印加されるべき電圧の閾値と一致させるか、又はこの閾値に近付けておくようにしてもよい。更に、光源11が複数の発光素子を直列に接続したものを含む場合、光源11に印加される電圧が切り換わるときに、第2通電路2を介して印加される電圧を光源11のうちの一部の発光素子に印加して確実に発光させるようにしてもよい。
【0059】
また、本実施形態1にあっては、第2通電路2を介して第2電圧が光源11に印加されるように切り換えたが、これに限定されるものではない。例えば不図示の端子T9を介して不図示の第3通電路に第3電圧を印加しておき、コンパレータ25が端子T9を介して印加される電圧及び電圧源27の電圧を比較するようにすると共に、半導体スイッチ24が端子T2,T9間の電路を開閉するようにしてもよい。この場合、電圧源27の電圧を第3電圧に近付けておくことにより、光源11に印加される電圧の切り換わりがスムーズに行われる。第3電圧は、第1電圧に近い電圧にしておくことが好ましい。
【0060】
(実施形態2)
実施形態1が、光源11に印加される電圧を切り換える形態であるのに対し、実施形態2は、撮像素子21に印加される電圧を更に切り換える形態である。
図4は、実施形態2に係る内視鏡装置の構成例を示すブロック図である。実施形態2に係る内視鏡100bは、実施形態1に係る内視鏡100の構成に加えて、後述する第2の検出回路及び第2の切換回路が回路基板20の表面に追加されている。撮像素子21のプラス端子及び端子T3間には電路が追加されている。実施形態2に係る内視鏡装置は、内視鏡100b及びプロセッサ部80を含んで構成されている。
【0061】
回路基板20上には、撮像素子21のプラス端子及び端子T4間の電路を開閉する半導体スイッチ33と、撮像素子21のプラス端子及び端子T3間の電路を開閉する半導体スイッチ34と、端子T4を介して印加される電圧及び基準の電圧源37の電圧を比較するコンパレータ35と、コンパレータ35の出力の論理を反転させるインバータ36とが更に搭載されている。端子T3及び半導体スイッチ34間には、カソードが端子T3側に接続された12Vのツェナーダイオード38が直列に接続されている。
【0062】
本実施形態2では、コンパレータ35及び電圧源37が第2の検出回路に相当し、半導体スイッチ33,34、インバータ36及びツェナーダイオード38が第2の切換回路に相当する。コンパレータ35は、電圧源37に代えて電圧源27をコンパレータ25と共用してもよい。ツェナーダイオード38に代えて、降圧用のコンバータICを用いてもよい。なお、半導体スイッチ33,34、コンパレータ35及びインバータ36の電源電圧は、例えば第1通電路1及び端子T3を介して印加される15Vの電圧を適当に降圧した電圧と、第2通電路2及び端子T4を介して印加される3V
の電圧との夫々を、カソードを突き合わせたショットキバリアダイオードのアノードに入力して生成すればよい。
【0063】
コンパレータ35は、端子T4を介して印加される電圧が電圧源37の電圧より高い(又は低い)場合、半導体スイッチ33をオン(又はオフ)すると共に、インバータ36を介して半導体スイッチ34をオフ(又はオン)する。これにより、第2通電路2を介して印加される電圧が電圧源37の電圧より低くなったときに、第1通電路1及びツェナーダイオード38を介して撮像素子21に電圧が印加されるように切り換わる。撮像素子21に印加される電圧が切り換わった場合であっても、端子T4を介してコンパレータ35に印加される電圧は変化しないため、第2通電路2を介して印加される電圧の低下が検出され続ける。
【0064】
その他、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付してその説明を省略する。
【0065】
以下では、上述した内視鏡100bで撮像素子21に印加される電圧が低下した場合について説明する。
図5は、実施形態2に係る内視鏡100bで撮像素子21に印加される電圧の切り換わりを示すタイミングチャートである。図の横軸は時間(t)を表し、縦軸は電圧(V)を表す。図中の太い実線は撮像素子21に印加される電圧を示すものであり、細い実線は光源11に印加される電圧を示すものである。
【0066】
時刻t6より前では、第2電源82から第2通電路2を介して、撮像素子21に3Vの第2電圧が印加されている。時刻t6以降に第2電源82又は第2通電路2に何らかの異常が発生して、撮像素子21に印加される電圧が低下し始める。
【0067】
例えば、電圧源37の電圧が2.5Vである場合、端子T4を介して撮像素子21に印加される電圧が2.5Vよりも低下する時刻t7にて、半導体スイッチ33がオフ、半導体スイッチ34がオンとなり、第1通電路1及びツェナーダイオード38を介して撮像素子21に電圧が印加されるように切り換わる。これにより、撮像素子21には、第1電源81の第1電圧を降圧した3Vの電圧が印加される。
【0068】
以上のように本実施形態2によれば、第2通電路2を介して印加される第2電圧が電圧源37の電圧より低い場合、第1通電路1を介して印加される第1電圧が撮像素子21に印加されるように切り換える。従って、撮像素子21への給電を継続することが可能となる。