(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記センサが、色、輝度、反射率、屈折率、温度、表面の高さ、質感、色の差異、臭気、前記表面の変化、埃、前記表面の不規則性、材料組成、細菌、又はこれらの組み合わせを感知する、請求項1に記載の装置。
前記CPUが、前記1つ以上のノズルを作動させて、前記表面偏差の位置が特定されている又は特定されていない前記表面に前記組成物を塗布するように構成されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
前記1つ以上のノズルが、直線状、複数列状、オフセット状、正弦波状、曲線状、円形状、又は鋸刃状であるアレイ状に配設される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
前記装置が、前記表面を修復する、磨き直す、及び/又は復元するために使用される、又は組成物を硬質表面に塗布するために使用される、又は組成物を布地に塗布するために使用される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置。
前記センサが、前記表面の、色の変化、輝度、反射率、屈折率、温度、質感、表面の高さ、臭気、前記表面の変化、埃、前記表面の不規則性、細菌、又はこれらの組み合わせ、及びこれらの混合物を感知する、請求項17又は18に記載の方法。
前記表面が、床、壁、カウンタートップ、電化製品、窓、家具、道具、スクリーン、布地、カーペット、床敷物、織物、塗面、グラウト、タイル、又はこれらの組み合わせの群から選択される、請求項20に記載の装置の使用。
前記布地が、織布、不織布、皮又は他の動物ベースの材料、マイクロファイバー、織物、プラスチック、綿、羊毛、合成繊維、及び合成繊維と天然繊維との組み合わせの群から選択される、請求項20に記載の装置の使用。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、例示的及び好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明を参照することにより更に容易に理解することが可能である。特許請求の範囲は本明細書に記載されている具体的な組成物、方法、条件、装置、又はパラメータに限定されず、かつ、本明細書で使用される用語は特許請求される本発明を限定することを意図するものではないということを理解すべきである。また、添付の特許請求の範囲を含む本明細書において使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、複数形を含むものであり、特定の数値に言及する場合、その内容に別段の明確な指示がない限り、少なくともその特定の値は包含される。ある値の範囲を述べる場合、別の実施形態は、一方の特定の値から、かつ/又はもう一方の特定の値までを含む。同様に、ある値を、先行する記載「約」の使用により近似値として述べる場合、その特定の値は、別の実施形態をなすものと理解されることとなる。全ての範囲は、包括的かつ組み合わせ可能である。特に指定しない限り、本明細書で使用される全ての百分率及び比率は、組成物全体の重量によるものであり、全ての測定は25℃で行われる。
【0010】
本発明の装置及び方法は、その最もシンプルな形態では、1つ以上の物質又は組成物を表面に塗布することを目的とする。本明細書において用いられる「物質(material)」、「物質(materials)」、「組成物(composition)」、及び「組成物(compositions)」という用語は、互換的であることが意図され、特に任意の特別な物質又は複数の物質に限定されない限り、任意の単一の物質、及び物質の任意の組み合わせを包含することが意図される。これらの用語は、本明細書においてこの定義に対する例外であるとして特に記載及び指摘されない限り、物質の形態、物質がどのように提供又は製造されたか、又は物質若しくは組成物の任意の具体的な特性を限定するものではない。
【0011】
本装置及び方法は、以下の1つ以上を含むが、これらに限定されない、任意の好適な目的のために使用され得る:表面の洗浄;表面の着色;亀裂、又は引っかき傷、へこみ、若しくは割れ目などの他の圧痕の充填;菌、かび、若しくは細菌、他の生物の殺傷;表面の染色;表面の脱臭;1つ以上の物質を表面に塗布することによる表面の保護;表面の特性(例えば疎水性など)を変更するために1つ以上の物質で表面を処理する;汚れの除去;表面の弱い又は壊れた部分の修理;表面のテクスチャを変化させる;表面の復元;香料を表面に適用する;所望に応じて化学的にないしは別の方法(例えば、光、熱、音等)で表面に対して反応する物質、又は、後から表面に塗布される若しくは表面が曝露される他の物質を、表面に加える。
【0012】
本付着システムによって処理組成物が塗布される代表的な表面及び基材としては、セラミックス;グラウト;プラスチック、石英製カウンターなどの製造された表面;塗面;ガラス;じゅうたん地;タイル;木材又は他の自然表面;繊維;織布表面;不織布表面;皮及び他の処理が施された有機材料;コンクリート;多孔性でない表面;金属;及びこれらの組み合わせ、が挙げられる。
【0013】
方法
所望の物質を標的表面に塗布するための具体的な方法は、具体的な望まれる用途及び結果によって異なる。しかしながら、特定の工程を、本発明の様々な実施形態に対して概して適用することが可能である。以下の実施例は非限定的であることが意図されており、適切な場合、追加工程又は代替工程を含んでもよいことが十分に想定される。
【0014】
ある特定の物質を表面上の特定の場所に塗布するために使用することができる本発明の方法の1つの非限定的な例は、表面の少なくとも10μm
2の少なくとも1つの背景画像を撮影する工程と、次に、次にグレースケール画像の平均背景L値を計算する工程とを含む。背景Lは、画像内のどこでも計算することができる。背景Lは、複数の局所的Lの、算術平均値、中央値、又は平均であり得るが、それが意味するのは、計算には、画像における局所的Lの全て、又はそのサブセットを含み得るということである。更に、同じ画像から、個別の画素又は画素群に対して、局所的L値が計算される。次に局所的L値を背景L値と比較して、色偏差を特定する。色偏差は、局所的L値と背景L値との差(この差は「ΔL
M」又は「測定されたΔL」として定義されるが、ここで「Δ」は、2つの値の間の差のための記号として一般的に定義されるものである)の絶対値が、所定のΔL
Sよりも大きい表面の領域である。背景Lはあらかじめ設定することもでき、又は、以下に説明する様々な方法によって計算することもできる。次に、色偏差を減少又は増大させるために、色偏差の位置に物質を塗布してもよく、ないしは別の方法で望まれる表面の特定部分に特定の物質を塗布してもよい。
【0015】
所定のΔL
Sは、局所的Lと背景Lとの間の差の絶対値である。この値ΔL
Sは、絶対数又は百分率として定義することができる。画像は、当該技術分野で知られている標準グレースケールで撮影される、又は標準グレースケールに変換される。濃淡を測定する任意の数字目盛は、「グレースケール」と考えることができることが理解される。更に、本明細書で使用するとき、「グレースケール」は、直線的な目盛り、又は1つの帯状のもの、又は1つの視覚属性であることが意図される。例えば、1つの「グレースケール」視覚属性は、ある具体的な視覚色を定義する1つの波長又は狭い波長であり得る。1つの「グレースケール」視覚属性の他の例は、例えば、RGBミックスから作られたトゥルーブラック、グレー、白色画像のような画像をなしているそれぞれの画素に対して平均化した波長数値をミックスしたものであり得る。
【0016】
背景L値は、このスケールの両方の端部に近すぎるべきではないということも当業者には理解されるであろう。例えば、グレースケールが、純粋な黒が0、純粋な白が100で、0〜100である場合、0〜10の範囲又は90〜100の範囲の背景では、明る過ぎるか又は暗すぎるので、有意な差異を示すことができない。したがって、背景Lをスケールの中央により近くに移動させるために、背景の照明、又は画像を撮影するカメラのゲインを調整してもよい。本例において、背景Lは50が理想的であり、10〜90又は20〜80の範囲の背景Lが更により好ましい。
【0017】
一般的なグレースケールは、0〜255(単位なし)であり、他の例としては、0〜1024及び0〜4096が挙げられる。0〜255のグレースケールでは、グレースケールの階調間の差は、少なくとも255/1である。本例において、60〜210の背景L値を提供するカメラ及び照明一式を使用することが望ましい。0〜255のグレースケールを用いる場合には、表面上への物質の付着を開始させるためのΔL
Sは、好ましくは少なくとも0.5、少なくとも1、又は少なくとも1.5である。同様に、ΔL
Sは、百分率として測定することが可能であり、例えば、数値として2.6のΔL
Sは、255のグレースケールの1.0%に略等しい。したがって、ΔL
Sは、グレースケールの±0.25%、±0.5%、又は±0.75%であり得る。
【0018】
画像を続けて撮影してもよく、又は継続して撮影することが好ましい。よりハイスピードのカメラ(毎秒4フレーム超、毎秒100フレーム超、毎秒200フレーム超、及び更には毎秒600フレーム超もの撮影をするカメラ)が特定の用途のために望ましい場合がある。画像は、グレースケールで撮影されるか又はグレースケールに変換されるかのいずれかであるのが好ましい。グレースケールは、例えば、0〜255(単位なし)のような任意の範囲を有するものであり得る。これは、0.2秒以上速いリフレッシュレートに略対応する。カメラと調和して、CPUは、少なくとも画像を撮影する速度で画像を処理できるCPUを選ぶのが望ましい場合がある。
【0019】
バックグラウンドのL値に使用する画像と、局所的なL値に使用する画像との間には、技術的な差異はなく、その差異は、画像の解析におけるものである。したがって、L値及びΔL
M値を算出するために、画像をCPU、すなわち、処理ユニットに連続的に送信する。「送られる」とは、1つの画素当たり、好ましくは少なくとも4ビットのデータが、それぞれの画像に対して移動され、好ましくはこの4ビット(又はそれより多くのビット)のパケットのデータが、それぞれの局所的L値の計算に用いられるということであることが理解される。処置期間中に一度背景Lを算出すると、処置期間全体に亘って、その値を再利用することが可能であると理解されている。つまり、処置プロセスが継続する限り、継続的に再算出することが可能である。その上、予めプログラムしたトリガを用いて、背景Lの再算出を開始することが可能である。また、背景Lは、現在の背景Lに使用するCPUのメモリから検索されてもよい。例えば、長時間経過しても肌の偏差が見つからない場合、又は肌の偏差があまりにも頻繁に検出される場合、新たな背景Lを自動的に算出してもよい。同様に、ΔL
Sは、処置サイクル中ずっと一定に留まる設定値であってもよく、又は変化するものであってもよい。ΔL
Sは、様々な理由のうちの任意のものにより、処置サイクル中に再設定されてもよい。過度に多くのノズルが過度に頻繁に吐出を行っている場合には、ΔL
Sを調節して、ノズルからの吐出の集約度を下げてもよい。同様に、ノズルからの吐出があまりに稀にしか行われないという場合には、ΔL
Sを逆方向に調整して、肌の偏差を検出する感度を上げてもよい。当業者ならば、処置中にΔL
Sを修正することは、CPUを、望ましいアルゴリズムに、又はそのようなアルゴリズムによってプログラミングすることの問題であるということを認識するであろう。
【0020】
ΔL
Mが所定の値を超える場合には、偏差部分に物質を塗布することができる。具体的には、組成物を分注するノズルのうちの1つ以上を、肌の偏差がある領域内で吐出させる。組成物は、連続した又は不連続な付着パターンで表面に対して塗布され得る。同時に及び/又は表面全体に亘って複数回通過している間にスキャン及び塗布を行うことにより、組成物又は物質を表面上に塗布することができる。複数回の通過による塗布を用いることにより、幾つかの利点がもたらされる。複数回の通過による塗布のプロセスは、組成物の部分的な塗布を行い、その後、その部分的な塗布を受けた表面領域を再度スキャンする。組成物の更なる塗布が行われてもよく、また、具体的な目標に近づけるために、なお更なる複数回の通過によるスキャン及び塗布が行われてもよい。こうして、消費者は、塗布の終了点を選択することができるので、個々のニーズ及び好みに応じて塗布時間を調整することができる。
【0021】
上記の方法は、亀裂、へこみ、開口部、欠陥等の表面不規則性を識別するために用いられてもよい。識別された時点で、所望の最終結果を得るために、偏差を有する領域に物質が塗布され得る。例えば、タイルの亀裂は充填されてもよく、建設資材の間の開口部にはコーキング材が塗布されてもよく、タイルのすき間にはグラウトが塗布されてもよく、木造床のへこみには木材目止剤が塗布されてもよく、又は、塗面の引っかき傷又はへこみには、欠陥を充填する、修復する、及び/又は隠すための物質が塗布されてもよい。他の状況では、方法は、布地の汚れを識別し、洗浄剤又は色相染料を塗布するために用いられてもよい。更に他には、シール材、顔料、抗菌剤、香料、マスキング剤、又は任意の他の所望の物質を表面の特定部位に塗布するために、本本法を用いることができる。
【0022】
装置
本発明の装置の非限定的な例は、センサ及びアプリケータを備えた手持ち式装置である。アプリケータは、1つ以上のノズルと、所望の表面に塗布される組成物を収容するためのリザーバとを備えることができる。装置はまた、任意の照明光源とCPUとを備えていてもよい。照明光源は、感知対象の表面を照らすことができ、センサは、表面に塗布する物質の量及び場所を決定するために使用される、表面からの情報を感知することができる。簡単な例では、装置は、表面の画像を記録するセンサと、表面上のどこに物質を付着させるか及びどのくらい付着させるかを決定するために画像を解析するCPUと、所望の量の物質を表面上の望まれる位置に塗布するためのアプリケータとを備えていてもよい。
【0023】
センサは、物質が塗布されることになる表面の、任意の数の属性を感知するために使用され得る。センサは、例えば、白黒若しくはカラー画像を撮影するカメラ、分光光度計、又は電磁エネルギー波長に感受性がある類似のデバイスであってもよい。センサ出力は、表面の個別の画素又は画素群の局所的L値を計算するために使用され得る。次に、CPUは、局所的L値と背景L値を比較して、2つのL値間の差異が所定の値より大きい場所の表面偏差を識別することができる。センサ読み取り値としては、色、輝度、反射率、屈折率、温度、質感、奥行き、幅、長さ、臭気、及びそれらを混合したものからなる群から選択される値を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0024】
装置の中央演算処理装置(「CPU」)は、多様な市販の装置の任意のものであってよい。最もシンプルな形態としては、CPUは、例えばラップトップコンピュータ、携帯電話、電気カミソリなどの消費者向け電子デバイス中に見出されるもののような、単一のプログラム可能チップである。当業者には、本発明と共に使用するのに好適な様々な市販のチップ及びその他のプロセッサは周知であろう。CPUは、特定用途向け集積回路(ASIC)、制御装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、集積回路、マイクロコントローラー、マイクロプロセッサ、プロセッサなどを含み得る。CPUはまた、キャッシュメモリ、埋め込みメモリ、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)としてCPUに内蔵されるか、又は例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、スタティックRAM、フラッシュメモリ(例えば、コンパクトフラッシュ若しくはスマートメディアカード)、ディスクドライブ、ソリッドステートディスクドライブ(SSD)としてCPUに外付けされるかどちらか一方のメモリ機能を備えてもよく、又は更にはインターネットクラウドストレージを備えていてもよい。本発明の方法を達成するために、装置に有線でつながれているか又は無線で通信するかどちらか一方のリモートCPUを使用可能であることが予想されるが、本明細書では装置内のローカルCPUを例示する。CPUの適切なサイズ及び速度は、装置の特定の所望の用途に基づいて決定され得る。
【0025】
装置のアプリケータは、表面に対して物質の正確な送達を提供することができる任意のアプリケータであってよい。例えば、マイクロ流体ダイを、単独で、又は他の技術と組み合わせて使用してもよい。「マイクロ流体ダイ」という用語は、本明細書で使用するとき、例えば、薄膜蒸着、表面不活性化、エッチング処理、スピニング加工、スパッタリング、マスキング、エピタキシャル成長、ウェハ/ウェハ接合、微小薄膜積層、硬化、ダイシングなどの半導体微細加工プロセスを用いて作られた流体注入システムを備えるダイを意味する。これらの処理は、MEMSデバイスを製造するためのものであることが当該技術分野では知られている。マイクロ流体ダイは、ケイ素、ガラス、又はこれらの混合物から作られてもよい。マイクロ流体ダイは、複数のマイクロ流体チャンバを備え、マイクロ流体チャンバのそれぞれが、対応する作動要素、加熱要素、又は電気機械的アクチュエータを備える。このように、マイクロ流体ダイの流体注入システムは、マイクロサーマル核生成(例えば、加熱要素を介しての)又はマイクロメカニカル作動(例えば、薄膜圧電又は超音波を介しての)であってもよい。本発明のマイクロ流体放出システムに好適なマイクロ流体ダイの種類の1つは、STMicroelectronics S.R.I.(Geneva,Switzerland)に譲渡された米国特許出願公開第2010/0154790号に記載されるようなMEMS技術により得られるノズル集積膜である。薄膜ピエゾの場合には、圧電材料は、通常、スピニング加工及び/又はスパッタリング処理を介して適用される。半導体微細加工プロセスは、1つのバッチ処理(1つのバッチ処理が複数のマスク層を含む)で千又は数千ものMEMSデバイスを同時に製造することを可能にする。微小流体送達部材は、入口と出口とを備える流体チャンバを有するダイを含む。
【0026】
本明細書では、マイクロ流体ダイ及びインクジェットカートリッジを示し、例示しているが、他の「流量制御」装置又は非液滴制御装置(non-drop control device)を用いて、組成物を塗布してもよい。流量制御装置は、典型的には、物質の個々の液滴を制御する「液滴制御装置」を特徴とする。液滴制御の例には、望みどおりに液滴が供給されるように物質の流れを精密に制御する「精密流量制御」、及び「インクジェット技術」がある。比較的以前のインクジェット技術は、液滴を通過させるか、又は溝にそらせるかいずれか一方を行なうように交互に帯電される静電偏向板を通って帯電液滴の連続流を供給することを含む。この技術は、インクジェットプリンタの当初の設計基盤であった。他のインクジェット技術には、Hewlett Packardが提供する感熱装置、並びにEpson及び他のプリンタメーカが提供する圧電装置などの「ドロップオンデマンド」が挙げられる。ドロップオンデマンド技術を液滴の帯電と組み合わせることも可能である。
【0027】
物質を付着させるのに適した他の装置としては、圧電液滴制御装置及び他の微小電気機械システムが挙げられるが、これらに限定されない。非液滴制御装置である更に他の噴霧装置、例えば静電噴霧装置などを使用してもよいが、かかる装置は、付着させる材料の所望の制御を提供しない傾向があるので、この技術の全ての用途に適していない可能性がある。しかしながら、ある特定の状況では、こうした装置を、単独で、又は他の技術と組み合わせて使用してもよい。例えば、かかる技術は、物質の付着にいくらかの「ランダム性」を提供することができ、これは比較的大きな領域上に滑らかな塗布感を作り出すために望ましい場合がある。しかしながら、本発明の全般的な目的は、ユーザーが、標的表面上の組成物の量及び/又は配置の非常に詳細な制御を提供できるようにすることであるので、これらの技術は、本発明のありとあらゆる考えられる用途に適していない可能性がある。
【0028】
1つ以上のノズルを備える装置において、組成物は、ノズルが表面偏差又は組成物を塗布するとして特定された他の領域に隣接して位置しているときに、ノズルの1つ以上を「吐出」させることによって分注され得る。「吐出」とは、組成物がノズルを通して押し出されることを意味する。組成物は、1つ以上のノズルを介して、連続した又は不連続な付着パターンで表面に塗布されることができる。複数のノズルを使用する場合には、ノズルはアレイ状に配設されてもよい。「アレイ」とは、ノズルが、直線状に、複数列状に、オフセット状に、正弦波状に、曲線状に、円形状に、鋸刃状、又は任意の他の所望の形状に配置されたものであり得る。ノズルの数及び位置は、吐出頻度と同様に、固定的であってもよく、又は調整可能であってもよい。当業者は、本明細書において開示される方法及び装置において用いることが可能な、ノズルアレイの様々な形状を認識するであろう。
【0029】
吐出集約度曲線は、ノズルの吐出速度を調整するように、CPUにプログラムされ得る。例えば、ΔL
MがΔL
Sと等しいか、わずかに大きいという場合には、隣接するノズルが、1回吐出を行う。ΔL
Mが2
*ΔL
Sまで大きくなった場合には、隣接するノズルが25回の吐出を行う。ΔL
Mが3
*ΔL
Sである場合には、隣接するノズルが100回の吐出を行う。この非制限的な例は、ΔL
Mの、ΔL
Sに対する相対的な大きさが、ノズルが吐出する量、すなわち集約度をどのように決定し得るかを示すことを意図している。当業者は、吐出集約度曲線を、2個、3個、又はそれより多くのデータ点を用いてプロットし、次にその吐出集約度曲線をCPUにプログラミングすることは既知の技術である、ということを認識するであろう。
【0030】
本発明の装置を構築する際に有用であり得る機器は、以下の公開特許出願に記載されている:2007年2月11日に出願された、国際公開第2008/098234(A2)号、「Handheld Apparatus and Method for the Automated Application of Cosmetics and Other Surfaces」;2007年2月12日に出願された、国際公開第2008/100878(A1)号、「System and Method for Applying a Treatment composition to Change a Person’s Appearance Based on a Digital Image」;2007年2月11日に最初に出願された、国際公開第2008/098235(A2)号、「System and Method for Providing Simulated Images Through Cosmetic Monitoring」;2007年2月12日に出願された、国際公開第2008/100880(A1)号、「System and Method for Applying Agent Electrostatically to Human Skin」;2005年8月12日に最初に出願された、米国特許出願公開第2007/0049832(A1)号、「System and Method for Medical Monitoring and Treatment Through Cosmetic Monitoring and Treatment;及び、2005年8月12日に出願された、米国特許出願公開第2007/0035815(A1)号、「System and Method for Applying a Treatment composition to Improve the Visual Attractiveness of Human Skin」;2015年6月11日に出願された、米国特許出願第14/736,551(A1)号、発明の名称「Apparatus And Methods For Modifying Keratinous Surfaces」。
【0031】
組成物
本発明は、任意の所望の組成物、物質、又は組成物若しくは物質の混合物を利用することができる。例えば、組成物としては、インク、染料、顔料、接着剤、硬化性組成物、光学活性化化合物、金属酸化物、漂白剤、テクスチャ低減ポリマー、シリコーン、ステイン、塗料、界面活性剤、洗浄剤、悪臭軽減剤、潤滑剤、充填剤、香料、香り、ポリマー類、ポリマー添加剤、粒子、光学調整剤、調光剤(optical matcher)、並びに殺菌剤及び抗菌剤などの他の活性物質、及びこれら又は他の物質の組み合わせを挙げることができ、これらのうちのいくつかについては本明細書において更に説明する。
【0032】
組成物は、限定するものではないが、クリーム、ローション、ジェル、フォーム、ペースト、粒子、液体、混合物、又は血清などの各種の製品形態で供給することができる。また、組成物は、単一の相若しくは物質として、又は複数の相若しくは複数の物質として塗布されることができる。加えて、組成物は、安定剤又は他の処理及び/若しくは防腐成分を含むことができる。
【0033】
加えて、組成物を、単独で、又は担体の存在下で送達してもよい。担体は、もしあれば、多種多様な形態であってもよい。非限定的な例としては、単純溶液(水又は油ベース)、エマルション、及び固体形態(ゲル、スティック、流動性固体、ワックス、非晶質物質)が挙げられる。特定の実施形態では、担体は、エマルションの形態である。エマルションを、連続水相(例えば、水中油型及び水中油中水型)、又は連続油相(例えば、油中水型及び油中水中油型)を有するものとして概ね分類してもよい。本発明の油相は、シリコーン油、非シリコーン油(炭化水素油、エステル、エーテル等)、及びこれらの混合物を含んでよい。例えば、エマルション担体としては、水中シリコーン型エマルション、水中油型エマルション、及び水中油中水型エマルションなどの連続水相エマルション、並びに油中水型エマルション、シリコーン中水型エマルション、及びシリコーン中水中油型エマルションなどの連続油相エマルションを挙げることができるが、これらに限定されない。他の担体又はシャーシは湿潤剤を含み、湿潤剤の一例は多価アルコールである。例示的な多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びこれらの誘導体を含む、ポリアルキレングリコール類及びアルキレンポリオール類並びにこれらの誘導体、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、エリスリトール、トレイトール、ペンタエリスリトール、キシリトール、グルシトール、マンニトール、ブチレングリコール(例えば、1,3−ブチレングリコール)、ペンチレングリコール、ヘキサントリオール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール)、グリセリン、エトキシル化グリセリン、及びプロポキシル化グリセリンが挙げられる。更に他の湿潤剤としては、2−ピロリドン−5−カルボン酸ナトリウム、グアニジン、グリコール酸及びグリコール酸塩(例えば、アンモニウム及び四級アルキルアンモニウム)、乳酸及び乳酸塩(例えば、アンモニウム及び四級アルキルアンモニウム)、種々の形態のいずれかのアロエベラ(例えば、アロエベラゲル)、ヒアルロン酸及びこれらの誘導体(例えば、ヒアルロン酸ナトリウムなどの塩誘導体)、ラクトアミドモノエタノールアミン、アセトアミドモノエタノールアミン、尿素、ピログルタミン酸ナトリウム、水溶性グリセリルポリ(メタ)アクリレート潤滑剤(例えば、Hispagel(登録商標))、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0034】
非限定的な実施例
図1は、本発明による手持ち式器具又は装置40の実施例の分解図を示す。装置40は表面18の真上に示されており、物理的スペーサー42によって隔てられている。物理的スペーサー42は、装置40の一部であってもよく、又は、ユーザーが装置を表面18の上に位置付けるのを支援するために使用できる、別個の部品であってもよい。図のように、スペーサー18は、表面18に接触したときのように、既定の予め定められた高さαを有しているが、スペーサーが調節可能であり得ること、又は異なる目的のために異なるスペーサーを使用できることが企図される。スペーサー18は、ユーザーが機械的及び電気的要素を表面の上方に、及び全てを表面から既知の距離に維持するのを支援する。
【0035】
装置40に付随する機械的及び電気的要素としては、ライト44、画像取込装置46、カートリッジ52に取り付けられて示されているノズルアレイ20(カートリッジダイ54に埋め込まれて示されている)が挙げられるが、これらに限定されなくてもよい。好ましくは、これらの要素の全ては、任意の器具ハウジング41内に密閉されるが、要素の1つ以上がハウジング41の外側に位置する他の実施形態が想到される。ライト44は、画像取込装置46が比較的一定の照明を有するように、表面18のある領域を照らす。背景の照明が画像の取り込みに影響を与える可能性のある状況では、スペーサー42は、背景光が入り込むのを及び/又はライト44からの照明が漏れるのを防止する。しかしながら、概して、設置されているライト44が比較的一定の背景照明を提供するため、わずかな照明偏差は補正され得る。ライト44は、発光ダイオード(LED)、白熱光、ネオン管ベース、又は任意の他の市販されている照明源であり得る。ライト44は、一定の照明又は調整可能な照明を有することができる。例えば、背景照明が過度に明るい又は暗い場合には、調整可能な光源が有用であり得る。
【0036】
画像取込装置46は、簡易カメラ又はデジタルCMOSカメラチップなどの様々な市販の装置のいずれかであってよい。画像取込装置46は、表面18の写真を撮影し、この写真を、分析の目的で、画像取込ライン48を介してプロセッサ50に送信する。代替的に又は追加的に、装置40は、画像取込装置以外のセンサを備えてもよい。例えば、表面の質感、表面の色、表面上の物質、表面の摩擦、又は他の物理的及び/若しくは審美的特徴を感知するのが望ましい場合がある。表面の任意の所望の特徴を感知するために利用可能なセンサを、装置40と共に使用することができる。センサが感知した情報はプロセッサ50に提供され得る。
【0037】
プロセッサ50は、一般的に、単純な回路基板、より複雑なコンピュータなどを備えることができる、中央演算処理装置又はCPUと称することができ、メモリ機能を有してもよい。当業者であれば、CPUは、多種多様な市販のプログラマブルデバイスのいずれかであり得ることを理解するであろう。
【0038】
画像取込装置46を使用する場合、画像は、局所的L値、背景L値、その両方、又は装置40の特定の使用に則した他の値に関して分析されてもよい。グレースケールへの変換は、プロセッサ50の分析処理能力内で行われる。ΔL
Mを決定するため、プロセッサ50内で背景L値が局所的Lと比較されるが、このプロセッサ50は、市販のプログラム可能チップ、又はその他の市販の処理ユニットであり得る。画像解析の結果が、プロセッサにあらかじめプログラムされている基準と比較された結果として、表面に対する物質の望ましい塗布が実現し得る。そのような場合に、例えば、計算されたΔL
Mが所定のΔL
Sを超過すると、プロセッサ50からカートリッジ52に、カートリッジ配線51を介して信号が送られ、ノズルアレイ20のうちの1つ以上のズルを吐出させる。
【0039】
カートリッジ52、ライト44、画像取込装置46、プロセッサ50、及び存在し得るその他の機械的及び電気的要素に対する電力は、電力要素54により、複数の電力線55を介して供給される。電力要素54は、電力スイッチ56を介して、オンとオフとの切り替えが可能であり、それにより、装置40もオンとオフとを切り替えられるが、この電力スイッチ56は装置40上のどこに配置されてもよいが、この図中では装置カバー58上に示されている。電力要素54は、電池、再充電可能電池、電気化学的キャパシタ、二重層キャパシタ、スーパーキャパシタ、又はハイブリッド電池−キャパシタシステムを介したエネルギーストレージ機能を含み得る。
【0040】
ここで
図2を参照すると、カートリッジ52の分解図が示されている。カートリッジ52は、カートリッジキャップ62とカートリッジ本体64とを備える。本体64は立管66を含み、その立管66は、典型的には本体64に囲まれており、ノズル出口68を画定するようになっている。任意追加的なフィルター70により、大きすぎる粒子及びその他のゴミが、ノズルアレイ76から締め出される。フィルター70とノズルアレイ76とは、ノズル出口68の反対側に設けられるが、他の構成も企図される。組成物74は、カートリッジ本体64を部分的に満たす。コア72は、カートリッジ本体64を充填し、組成物74の背圧を調整するのに役立つ。コア72は、スポンジ、発泡体、ファイバー材料、紙、又は、望まれる動作に適した任意の他の材料であってよい。背圧は、ブラダー及び/又は当該技術分野で既知のその他の方法を介して調整され得る。コア72は、フィルター70を通って立管66に入り、更にノズルアレイ76の中に入る組成物74の流量を調整するのをどのように助けるかの例に過ぎない。コネクタ78が電力及び信号を、ノズルアレイ76に提供する。組成物74は、圧電的手段、熱的手段、機械的ポンプ手段、若しくはこれらの組み合わせ、又は他の既知の及び/若しくは本明細書に記載される手段によりカートリッジ52から噴出され得る。
【0041】
本発明の装置又は器具40は、ユーザーが手で持つように構成されてもよく、又は、ユーザーが装置40を変更対象の表面を横切って容易に移動させることができるようにする構造体に取り付けられてもよく、この構造体の例が
図3に示されている。どちらの場合にも、使用中、消費者は、処置対象の表面を横切って装置を単に移動させるだけでよい。任意追加的に、装置40は、消費者が処置対象の表面を装置を横切って移動させるようになっている固定構造体に構成されてもよい。2つ以上の装置40を使用する実施形態も企図される。そのような構成では、類似の装置が並行して又は順番に使用され得る。他の構成では、異なる装置を一緒に組み合わせてもよい。
【0042】
本発明による装置40を、清掃用具と一緒に使用する場合、清掃用具は任意の既知の構造を備えていてよい。例えば、清掃用具は、濡れた若しくは乾燥したモップ、掃除機、スキージ、又は任意の他の用具であってよい。例示的な一実施形態を
図3に示す。用具100は、洗浄シート120を保持するためのプラスチックヘッド110と、それに関節折れ可能に接続される細長いハンドル130とを備えている。ハンドル130は、金属若しくはプラスチックの管状又は中実の棒を備えてよい。ヘッド110は下向きに面する表面115を有することができ、この表面115にシート120が取り付けられるか、又はシート120は表面115に相対して配置されてもよい。下向きに面する表面115は、概ね平坦か、又は若干凸状であってよい。ヘッド120は、上向きに面する表面118を更に有してもよい。
図3に示すように、シート120は、上向きに面する表面118に取り付けられて、ヘッド110の下向きに面する表面115の少なくとも一部に巻き付けられることができる。上向きに面する表面118は、細長いハンドル130をヘッド110に接続するのを容易にする自在継ぎ手140等を有することができる。本発明の装置40は、用具100のヘッド110、ハンドル130、又は用具100の任意の他の部分に装着され得る。
【0043】
フック・ループ式システムを用いて、洗浄シート120をヘッドの底部110に直接取り付けてもよい。あるいは、上向きに面する表面118は、洗浄シート120を用具100に取り外し可能に取り付けるための、弾力的把持部などの機構を更に備えていてもよい。把持部を清掃用具と共に使用する場合、把持部は、本願と同一譲渡人に譲渡された米国特許第6,305,046号、同第6,484,346号、同第6,651,290号、及び/又は同意匠特許第D487,173号に従って製造されてよい。
【0044】
清掃用具100は、洗浄溶液又は他の組成物を貯蔵するためのリザーバ150を更に備えてもよい。リザーバ150は、洗浄溶液がなくなると取り替えられる、及び/又は、要望通りに詰め替えられてよい。リザーバ150は、清掃用具のヘッド又はハンドル上に配設されてよい。リザーバのネック部は、本願と同一譲渡人に譲渡された米国特許第6,390,335号によってオフセットされてよい。その中に含まれているクリーニング溶液は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第6,814,088号の教示するところにしたがって、製造され得る。
【0045】
洗浄シート120を使用する場合、該シートは不織布を含んでもよい。不織布は、合成であってよく、及び/又は、セルロース繊維を内部に有してよい。合成繊維は、カード式繊維、短繊維、湿式繊維、エアレイド繊維及び/又はスパンボンド繊維を含んでよい。洗浄シート120は、標的表面上に付着した洗浄液を吸収及び保持するための層を含んでよい。所望に応じて、洗浄シート120は、洗浄シートの吸収能力を高めるために、吸収性ゲル化材料を含み得る。吸収性ゲル化材料は、流体を急速に吸収することは避け、ゆっくりと吸収することで、洗浄シートを効果的に使用できるようにするように、洗浄シート内に分布し得る。
【0046】
洗浄シート120は、積層体内に配置された複数の層を含んでよい。最も下の、つまり下向きに面する外側層は、開口部を備え、そこを通って洗浄溶液の吸収を可能にし、かつ、標的表面のこすり落としを促進してよい。中間層は、液体を保持でき、吸収性ゲル化材料を含んでよい。洗浄シート120は、本願と同一譲渡人に譲渡された米国特許第6,003,191号及び同第6,601,261号に記載されるように、乾燥洗浄シート1グラム当たり、少なくとも10、15、又は20gの洗浄溶液の吸収能を有してよい。最上層、すなわち上向きの外層は、吸収した流体の損失を最小限にするため、液体不透過性であってよい。上側層は、洗浄シートの清掃器具への取り外し可能な取り付けを更に提供してよい。上側層は、LDPEなどのポリオレフィンフィルム製であってよい。
【0047】
本発明の装置はまた、雑巾又は他の表面洗浄装置であってもよく、又はこれらと関連付けられてもよい。そのような実施形態では、装置は、永久的な洗浄面と、取り外し可能/交換可能な洗浄面とを有するソールプレートを備えていてもよい。交換可能な洗浄面はパッドを含んでもよい。装置はまた、洗浄溶液の交換可能な搭載型供給源を有してもよい。パッド/洗浄溶液は、消耗したときに交換されてもよく、新しいパッド/洗浄溶液と交換されてもよく、又は単純に、特定の洗浄作業により適している場合がある新しいパッド/洗浄溶液と交換されてもよい。
【0048】
使用中、塗布時間は、塗布領域のサイズ、並びに塗布されることが望まれる物質の精密度及び量に基づいて異なる。例えば、ユーザーは、表面上の小さな引っかき傷を簡単に修正することを望むかもしれず、塗布にかかる時間は数秒又は数分であり得る。あるいは、ユーザーは、カウンタートップ全体の体裁を復元することを望むかもしれない。この種の塗布は数分又は数時間かかる。したがって、消費者は、装置及びプロセスをどのように及び何のために用いるのかに対する多大な制御を有する。更に、ノズルが詰まらないのを確実にするために、ノズルを周期的に吐出して、ノズルが清浄又は汚れていない状態を保つのが望ましい場合がある。
【0049】
代表的な使用
色:
本発明の方法及び装置は、表面の色、反射率、又は他の審美的特徴を提供する及び/又は変更するために使用され得る。例えば、表面の一部に色を加えることが望ましい場合がある。表面のその部分の色を変更するため、表面の元の色を復元するため、表面の色又は他の特徴(例えば、欠陥又は退色)などを隠すために、色を加えることが望ましい場合がある。したがって、色料、色相剤、顔料又は他の物質を含む組成物又は組成物の混合物を提供することが望ましい場合がある。そのような組成物の例としては、インク、染料、金属酸化物、及び顔料(集合的に「着色剤」と称する)が挙げられるが、これらに限定されない。着色剤としては、無機又は有機顔料及び粉末を挙げることができる。有機顔料としては、天然着色剤、並びに合成モノマー着色剤及び合成ポリマー着色剤を挙げることができる。有機顔料としては、連邦医薬品化粧品法及び連邦食品医薬品化粧品法のブルー、ブラウン、グリーン、オレンジ、レッド、イエローなどとして指定される、アゾ、インジゴイド、トリフェニルメタン、アントラキノン、及びキサンチン染料などの種々の芳香族型を挙げることができる。無機顔料としては、酸化鉄、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、マンガンバイオレット、ウルトラマリン、クロム、水酸化クロム着色剤、及びこれらの混合物を挙げることができる。顔料は、親水性又は疎水性などの所望の特徴を顔料が有するようにする1つ以上の成分でコーティングされてもよい。代表的なコーティング材料としては、シリコーン、レシチン、アミノ酸、リン脂質、無機及び有機油、ポリエチレン、並びに他の高分子物質を挙げることができる。例示的なシリコーン処理顔料は、米国特許第5,143,722号に開示されている。無機の白色又は無着色の顔料としては、TiO2、ZnO、ZrO2、中空球状物又は半導体量子ドットを挙げることができ、これらは多くの供給業者から市販されている。その他の好適な着色剤は、米国特許第7,166,279号に特定されている。
【0050】
接着剤:
接着剤は、本発明の装置及び方法を用いて表面に塗布することができる。接着剤を表面に単独で塗布する、又は接着剤に粘着する別の物質と共に若しくは該物質を見込んで接着剤を塗布することが望ましい場合がある。接着剤の例としては、例えば、2001年4月23日に出願され、Blatchfordらに付与された、米国特許第6,461,467号;1994年11月4日に出願され、Delgadoらに付与された、米国特許第5,614,310号;及び、1991年4月5日に出願され、Heineckeらに付与された、米国特許第5,160,315号に記載されているものが挙げられる。
【0051】
上述したように、接着剤を表面に塗布した後、第2の組成物を表面及び/又は接着剤に塗布してもよい。一実施形態では、接着剤に接着していない第2の物質を、表面への第2の物質の選択的なミクロ塗布を残して除去することができる。
【0052】
活性化可能な物質:
例えば特定の波長のエネルギー、赤外光、又は紫外線に曝露されると硬化する、あるいは別の方法で活性化される組成物は、当該技術分野において既知であり、本発明の装置及び方法によって塗布され得る。例えば、光硬化性組成物を表面に選択的に塗布した後、表面を硬化エネルギー源に暴露することにより、光硬化性組成物を硬化させることができる。表面全体を活性化源に暴露することができ、又は暴露は装置によって、塗布と同時に、かつ表面に塗布された物質に対して選択的に行われてもよい。
【0053】
活性化可能な物質の例としては、光学活性粒子を含む物質である。これらの物質は「干渉顔料」と称される場合がある。これらの物質は、ナイロン、アクリル、ポリエステル、他のプラスチックポリマー、天然材料、再生セルロース、金属、中空球状物、半導体量子ドット、及び鉱物からなる群から選択される複数の基材粒子を含み、複数の基材粒子のうちのそれぞれに化学的に結合した蛍光増白剤は、光学活性粒子の形態で、光を拡散するための一体型のユニットを形成する。これらの物質は、へこみ、引っかき傷、亀裂、及び退色などの欠陥の視覚による認識に役立つことができる。光学活性粒子は、光の拡散性を高めて欠陥が視覚的に更に認識されにくくなるように、紫外線透過コーティングに封入され得る。そのような封入された光学活性粒子は、紫外線を吸収し、可視光線を放射するだけでなく、欠陥を視覚的に認識されにくくするために光を拡散及び吸収することができる。
【0054】
充填剤:
本発明の方法及び装置は、亀裂、へこみ、裂け目、開口部などの、表面の凹部を充填するために使用されてもよい。例えば、装置及び方法は、木造床、タイル、レンズ、カウンタートップ、舗道、壁、及び他の硬質表面の亀裂を充填するために使用されてもよい。加えて、方法及び装置は、皮、プラスチック、布地、フィルム、箔などの可撓性表面の亀裂等を充填するために使用されてもよい。このような目的のために使用することができる組成物の例としては、国際公開第1994010237(A1)号に開示されている塗装木材用の水性水中油型エマルションスクラッチ被覆組成物;米国特許出願公開第2011/189387号に開示されている木造床の引っかき傷の修理用の組成物;米国特許出願公開第2008/0152876号に開示されている化粧板修理用の硬化性充填組成物;米国特許第8,128,718号に開示されている組成物;米国特許第5,334,335号に開示されている固形研磨材料;米国特許第5,082,691号、米国特許第5,821,291号、及び国際公開第9607706号に見出すことができる上記のものが挙げられる。他の充填剤としては、特許第5106801号により詳細に記載されているような、ポリテトラメチレングリコール及び/又は変成ポリテトラメチレングリコールを含むポリオールと、ポリイソシアネート化合物とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーが挙げられる。
【0055】
これらのタイプの使用では、装置は、どこに物質を塗布するのかを決定するために、表面のトポグラフィー(tropography)の変化を感知するのが望ましい場合がある。しかしながら、組成物をどこにどれくらいの量で塗布するのかを決定するために、本明細書に上記したL値の変化などの色変化を用いることも可能である。標的領域が正確に特定されること及び/又は塗布した組成物によって適切に変更されることを確実にするために、トポグラフィーの感知と色の感知とを組み合わせるのが更に望ましい場合がある。
【0056】
硬質表面洗浄剤:
本発明の方法及び装置は、硬質表面に対する洗浄組成物の正確な塗布を提供するために用いられてもよい。例えば、セラミック、ビニル、無ワックスビニル、リノリウム、メラミン樹脂、ガラス、鋼、厨房作業板、任意のプラスチック、プラスチック化木材、金属、又は任意の塗装若しくはワニス仕上げしくは密封表面などのような異なる材料からできている、床、壁、タイル、コーキング材、グラウト、窓、食器棚、流し、シャワー、シャワー用プラスチック製カーテン、洗面台、トイレ、備え付けの家具及び取付具などの、表面上のある特定の場所を洗浄するのが望ましい場合がある。1つの具体的な用途は、グラウトラインからのかび又はかび汚れの洗浄又は除去である。家庭の硬質表面はまた、家庭用電化製品を含むが、その例としては、冷蔵庫、冷凍庫、食洗器、自動式乾燥機、オーブン、マイクロ波式オーブンレンジ、食洗器等が挙げられるが、これらに限られない。そのような硬質表面は、個人の家庭において、また商業用、企業用、及び工業用環境においても見出され得る。
【0057】
硬質表面洗浄組成物は、硬質表面を洗浄及び処理するために使用される。好ましくは、硬質表面洗浄組成物は、「汎用」硬質表面洗浄組成物となるように処方される。すなわち、硬質表面洗浄組成物は、できるだけ多くの異なる種類の表面を洗浄するのに好適となるように処方される。硬質表面洗浄組成物は、典型的には、モップ、スポンジ、布、又は同様の装置を使用して洗浄対象表面に塗布される前に、バケツの中で使用前に希釈される。とりわけ、特に汚れた床を洗浄する場合には、被膜及び筋状の残留物が残る場合があり、これにより輝きが不足し、表面がまだ十分に洗浄されていない印象がもたらされる。加えて、希釈した硬質表面洗浄組成物で洗った床は滑りやすくなる傾向があり、乾燥するまで転倒や同様のアクシデントの危険性が増す。したがって、本発明は、洗浄剤を所望の位置に正確に送達することによって、必要となる洗浄剤の量を低減するだけでなく、硬質表面の洗浄の望ましくない側面のいくつかも減らすことができる。
【0058】
硬質表面洗浄剤組成物は、液状であってもよく、多くの場合、水性組成物である。現在一般的であるように、硬質表面洗浄剤は、概して、全組成物の30重量%〜99.5重量%の水を含む。しかしながら、本発明では、組成物は、使用するまで装置の中に収容された後、所望の位置に非常に正確に塗布されるので、洗浄活性物質の濃度をより高くすることが可能である。
【0059】
硬質表面洗浄剤は、酸性であっても、塩基性であってもよい。組成物は、25℃で測定した、約2〜約14、約2〜約10、約2〜約9.5、又は約2.1〜約8のpHを有することができる。
【0060】
組成物は、任意の好適な粘度を有することができる。特定の実施形態では、組成物は、水に近い粘度を有する「水状」であってもよい。組成物は、スピンドル2を備えるBrookfield社製デジタル粘度計モデルDV IIで測定した場合に、60rpm及び20℃において最大で約50cps、約0cps〜約30cps、約0cps〜約20cps、又は約0cps〜約10cpsの粘度を有してもよい。組成物はまた、希望通りに増粘させることができる。このため、組成物は、4cmの円錐スピンドル(ステンレス鋼、角度2°(最長8分間で0.1から100sec
−1まで直線的に増加))を備えるレオメーター、モデルAR 1000(TA Instrumentsにより供給)で測定したとき、20s
−1及び20℃において約50cps〜約5000cps、約50cps〜約2000cps、約50cps〜約1000cps、又は約50cps〜約500cpsの粘度を有してもよい。好ましくは、上記実施形態による増粘組成物は、剪断減粘性組成物である。本明細書における増粘組成物は、好ましくは増粘剤、より好ましくは多糖類ポリマー増粘剤、更により好ましくはガム型多糖類ポリマー増粘剤、好ましくはキサンタンガム増粘剤を含む。
【0061】
組成物は、洗浄能力を与えるために、好ましいが任意成分として、界面活性剤又はその混合物を含んでもよい。好適な界面活性剤は、アニオン性界面活性剤又はその混合物、非イオン性界面活性剤又はその混合物、両性界面活性剤又はその混合物、双極性界面活性剤又はその混合物、及びこれらの混合物からなる群から選択される。組成物は、全組成物の約1重量%〜約60重量%、約5重量%〜約30重量%、又は約10重量%〜約25重量%の界面活性剤を含んでもよい。
【0062】
組成物における使用に適した非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化アルコール非イオン性界面活性剤であってよく、これは、当該技術分野において周知である縮合プロセスによって容易に作製することができる。しかしながら、多種多様なこのようなアルコキシル化アルコール、特にエトキシル化及び/又はプロポキシル化アルコールが好都合に市販されている。非イオン性を含む多数の界面活性剤が載っている界面活性剤のカタログが入手可能である。本発明で用いられる好ましいアルコキシル化アルコールは、R
1O(E)
e(P)
pHという式による非イオン性界面活性剤であり、この式中、R
1は、約2〜約24個の炭素原子の炭化水素鎖であり、Eはエチレンオキシドであり、Pはプロピレンオキシドであり、平均エトキシル化度を表すeと平均プロポキシル化度を表すpは、約0〜約24である(eとpの和は少なくとも1である)。好ましくは、この非イオン性化合物の疎水性部分は、約8〜約24個の炭素原子を有する一級又は二級、直鎖又は分岐アルコールであることができる。
【0063】
好適な非イオン性界面活性剤は、約6〜約22個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル鎖を有するアルコールと、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドとの縮合生成物であって、アルコキシル化(エトキシル化及び/又はプロポキシル化)度が、約1〜約15、好ましくは約5〜約12のアルキレンオキシドである、縮合生成物である。このような好適な非イオン性界面活性剤は、Shellから、例えばNeodol(登録商標)という商品名で、又はBASFからLutensol(登録商標)という商品名で市販されている。
【0064】
組成物は、アニオン性界面活性剤を含み得る。好適なアニオン性界面活性剤は、当業者には周知の任意のアニオン性界面活性剤であってよい。好ましくは、アニオン性界面活性剤は、アルキルスルホネート又はその混合物、アルキルアリールスルホネート又はその混合物、及びこれらの混合物を含む。1つの特に好適な直鎖アルキルスルホネートとしては、Witcoから市販されているWitconate NAS8(登録商標)のようなC
8スルホネートが挙げられる。本明細書で有用な他のアニオン性界面活性剤としては、石鹸の塩(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、並びにモノ−、ジ−及びトリエタノールアミン塩のような置換アンモニウム塩を含む)、アルキルサルフェート、アルキルアリールサルフェート、アルキルアルコキシル化サルフェート、C
8〜C
24オレフィンスルホネート、例えば、英国特許第1,082,179号明細書に記載されているような、アルカリ土類金属シトレートの熱分解生成物のスルホン化により調製されるスルホネート化ポリカルボン酸;C
14〜
16のメチルエステルスルホネートのようなアルキルエステルスルホネート;アシルグリセロールスルホネート、アルキルホスフェート、アシルイセチオネートのようなイセチオネート、N−アシルタウレート、アルキルスクシナメート、アシルサルコシネート、アルキルポリグルコシドのサルフェートのようなアルキルポリサッカライドのサルフェート(後述する非イオン性非硫酸化化合物)、式R
2O(CH
2CH
2O)
kCH
2COO−M
+(式中、R
2はC
8〜C
22のアルキルであり、kは0〜10の整数であり、Mは可溶性塩形成カチオンである)のようなアルキルポリエトキシカルボキシレートを挙げることができる。ロジン、水素添加ロジン、並びにトール油中に存在する又はトール油から誘導される樹脂酸及び水素添加樹脂酸のような、樹脂酸及び水素添加樹脂酸も好適である。更なる例は、Schwartz、Perry、及びBerchによる、「Surface Active Agents and Detergents」(第I巻、及び第II巻)に記載されている。そのような種々の界面活性剤はまた、米国特許第3,929,678号(Laughlinら、1975年12月30日発行)の第23欄58行目〜第29欄23行目にも概括的に開示されている。
【0065】
特に、組成物が、分子内塩を形成して、比較的広範囲のpHで、同じ分子においてカチオン性及びアニオン性の親水性基を両方生じさせる、塩基性基及び酸性基の両方を含有する場合には、組成物は双極性界面活性剤を含んでもよい。典型的なカチオン性基は、四級アンモニウム基であるが、ホスホニウム、イミダゾリウム、及びスルホニウム基等の他の正に帯電している基を用いてもよい。典型的なアニオン性親水基は、カルボキシレート及びスルホネートであるが、サルフェート、ホスホネート等の他の基を用いてもよい。双極性界面活性剤のいくつかの一般的な例(すなわちベタイン/スルホベタイン)は、米国特許第2,082,275号、同第2,702,279号、及び同第2,255,082号に開示されている。例えば、ヤシジメチルベタインは、Seppicから、Amonyl 265(登録商標)という商品名で市販されている。ラウリルベタインは、Albright & Wilsonから、Empigen BB/L(登録商標)という商品名で市販されている。ベタインの更なる例は、RhodiaからMirataine H2C−HA(登録商標)という商品名で市販されているラウリルイミノジプロピオン酸塩である。組成物が硬質表面洗浄組成物である実施形態に用いるのに特に好ましい双極性界面活性剤は、スルホベタイン界面活性剤であるが、その理由は、最適な石鹸かす洗浄効果が得られるためである。特に好適なスルホベタイン界面活性剤の例としては、RhodiaからMirataine CBS(登録商標)という商品名で市販されている牛脂ビス(ヒドロキシエチル)スルホベタイン、及びWitcoからRewoteric AM CAS 15(登録商標)という商品名で市販されているココアミドプロピルヒドロキシスルホベタインが挙げられる。
【0066】
組成物はまた、アミンオキシドなどの両性界面活性剤を含んでもよい。本明細書に用いるためのアミンオキシドの例は、例えば、ヤシジメチルアミンオキシド及びC
12〜C
16ジメチルアミンオキシドである。上記アミンオキシドは、Clariant、Stepan、及びAKZOから(Aromox(登録商標)の商標名で)商業的に入手可能であり得る。本発明の目的のために好適な他の両性界面活性は、ホスフィン界面活性剤又はスルホキシド界面活性剤である。
【0067】
組成物は溶媒を含み得る。溶媒は概して、溶解、濃度、及び審美性に関する好ましい製品品質を確保し、より優れた加工性を確保する目的で使用する。本発明の組成物は、任意成分として、溶媒又はその混合物を更に含んでもよい。典型的には、組成物が硬質表面洗浄組成物である実施形態では、組成物は、全組成物の約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約5重量%、より好ましくは約1重量%〜約3重量%の溶媒又はその混合物を含んでよい。
【0068】
好適な溶媒としては、C
1〜C
5アルコールであって、式R
10−OH[式中、R
10は、炭素原子が約1〜約5個、好ましくは約2〜約4個の飽和アルキル基である]に従うものが挙げられる。好適なアルコールは、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、又はこれらの混合物である。他の好適なアルコールは、アルコキシル化C
1〜8アルコールであって、R
11−(A
q)−OHという式によるものであり、式中、R
11は、炭素原子が約1〜約8個、好ましくは約3〜約6個のアルキル基であり、Aは、アルコキシ基、好ましくはプロポキシ及び/又はエトキシであり、qは、1〜5、好ましくは1〜2の整数である。好適なアルコールは、ブトキシプロポキシプロパノール(n−BPP)、ブトキシプロパノール(n−BP)、ブトキシエタノール、又はこれらの混合物である。本発明で用いる好適なアルコキシル化芳香族アルコールは、式R
12−(B)
r−OH[式中、R
12は、炭素原子が約1〜約20個、好ましくは約2〜約15個、より好ましくは約2〜約10個のアルキル置換又は非アルキル置換アリール基であり、Bは、アルコキシ基、好ましくはブトキシ、プロポキシ、及び/又はエトキシであり、rは、1〜5、好ましくは1〜2の整数である]によるものである。本明細書で使用される好適な芳香族アルコールは、ベンジルアルコールである。好適なアルコキシル化芳香族アルコールは、ベンジルエタノール及び/又はベンジルプロパノールである。他の好適な溶媒としては、ブチルジグリコールエーテル、ベンジルアルコール、プロポキシプロポキシプロパノール(欧州特許第0859044号)エーテル及びジエーテル、グリコール、アルコキシル化グリコール、C
6〜C
16グリコールエーテル、アルコキシル化芳香族アルコール、芳香族アルコール、脂肪族分岐鎖状アルコール、アルコキシル化脂肪族分岐鎖状アルコール、アルコキシル化直鎖C
1〜C
5アルコール、直鎖C
1〜C
5アルコール、アミン、C
8〜C
14アルキル及びシクロアルキル炭化水素、及びハロ炭化水素、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0069】
本発明の組成物は、香料成分、又はその混合物を、全組成物の最大で約5.0重量%、好ましくは約0.1重量%〜約1.5重量%の量で含んでよい。本明細書での使用に好適な芳香剤化合物及び組成物は、例えば、欧州特許第0957156号の、13ページの見出し「Perfume」の段落に記載されているものである。
【0070】
本発明による組成物は着色することができる。したがって、染料又はその混合物を含んでよい。本明細書で使用するのに好適な染料は、酸安定性染料である。「酸安定性」とは、本明細書では、本明細書における組成物の酸性環境において化学的且つ物理的に安定な化合物を意味する。
【0071】
組成物は、アルカリ性物質又は酸性物質などのpH調整剤を含んでもよい。アルカリ性物質を使用する場合、該物質は、本発明による組成物のpHを整える及び/又はpHを維持するために存在し得る。アルカリ性物質の量は、組成物の約0.001重量%〜約20重量%、好ましくは約0.01重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約3重量%である。アルカリ性物質の例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び/若しくは水酸化リチウム、並びに/又はアルカリ金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム及び/又は酸化カリウム)、あるいはこれらの混合物である。好ましくは、アルカリ度の源は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、好ましくは水酸化ナトリウムである。
【0072】
組成物が酸性pH調整剤を含む場合、当業者に既知の任意の好適な酸を含むことができる。典型的に、本明細書における組成物は、全組成物の約20重量%以下、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約5重量%、更により好ましくは約0.1重量%〜約3重量%の酸を含んでよい。好適な酸は、モノ−及び/又はポリ−カルボン酸又はその混合物、過カルボン酸又はその混合物、置換カルボン酸又はその混合物、及びそれらの混合物からなる群から選択される。本発明で有用なカルボン酸としては、C
1〜6直鎖環状酸、又は少なくとも約3個の炭素を含む環状酸が挙げられる。カルボン酸の直鎖又は環状の炭素含有鎖は、ヒドロキシル、エステル、エーテル、約1〜約6、より好ましくは約1〜約4個の炭素原子を有する脂肪族基、及びこれらの混合物からなる群より選択される置換基で置換されてよい。好適なモノ及びポリカルボン酸は、クエン酸、乳酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、酒石酸、ギ酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、プロピオン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、及びこれらの混合物からなる群より選択される。好適な過カルボン酸は、過酢酸、過炭酸、過ホウ酸、及びこれらの混合物からなる群より選択される。好適な置換カルボン酸は、アミノ酸又はその混合物、ハロゲン化カルボン酸又はその混合物、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本明細書で使用するための好ましい酸は、乳酸、クエン酸、及びアスコルビン酸、並びにこれらの混合物からなる群より選択される。本明細書で使用するためのより好ましい酸は、乳酸及びクエン酸、並びにこれらの混合物からなる群より選択される。本明細書で使用するための更により好ましい酸は、乳酸である。好適な酸は、JBL、T&L又はSigmaから市販されている。乳酸は、Sigma及びPuracから市販されている。
【0073】
組成物はまた、例えば、pH緩衝剤として、塩を含んでもよい。塩は、一般的に、組成物の約0.01重量%〜約5重量%、約0.015重量%〜約3重量%、又は約0.025重量%〜約2.0重量%の活性濃度で存在する。塩が含まれる場合、イオンは、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及び/又はマグネシウム、好ましくはナトリウム及びマグネシウムから選択してよく、本発明の組成物に対して水酸化物、塩化物、酢酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酸化物、又は硝酸塩として添加される。
【0074】
別の好ましい実施形態では、本発明の組成物は、pH緩衝剤としてジアミン又はその混合物を含む。組成物は、好ましくは、全組成物の約0重量%〜約15重量%、好ましくは約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約0.2重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.25重量%〜約6重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約1.5重量%の少なくとも1つのジアミンを含有する。好ましい有機ジアミンは、pK
1とpK
2が約8.0〜約11.5の範囲、好ましくは約8.4〜約11の範囲、更に好ましくは約8.6〜約10.75であるものである。好ましい物質としては、1,3−ビス(メチルアミン)シクロヘキサン(pKa=約10〜約10.5)、1,3−プロパンジアミン(pK
1=10.5、pK
2=8.8)、1,6−ヘキサンジアミン(pK
1=11、pK
2=10)、1,3−ペンタンジアミン(DYTEK EP(登録商標))(pK
1=10.5、pK
2=8.9)、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン(DYTEK A(登録商標))(pK
1=11.2、pK
2=10.0)が挙げられる。他の好ましい材料としては、C
4〜C
8の範囲のアルキレンスペーサーを有する、一級/一級ジアミンが挙げられる。概して、一級ジアミンは、二級及び三級ジアミンよりも好ましいと考えられる。pKaは、本明細書においては、化学業界の者に広く知られているのと同じ方法で用いられ、25℃で、イオン強度が約0.1〜約0.5Mの値の全ての水溶液での値である。参照文献は、「Critical Stability Constants:Volume 2,Amines」、Smith及びMartel著、Plenum Press,NY and London、1975年等の文献から得ることができる。
【0075】
組成物はキレート剤を含み得る。例えば、本発明の組成物は、全組成物の約0.1重量%〜約20重量%、好ましくは約0.2重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約3重量%の濃度でキレート剤を含んでもよい。好適なキレート剤は、アミノカルボキシレート又はその混合物、アミノホスホネート又はその混合物、多官能置換された芳香族キレート剤又はその混合物、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。本明細書で使用するのに好ましいキレート剤は、アミノ酸系キレート剤であり、好ましくは、グルタミン−N,N−二酢酸(GLDA)及び誘導体、及び/又はホスホネート系キレート剤、好ましくは、ジエチレントリアミンペンタメチルホスホン酸である。GLDA(その塩及び誘導体)は、本発明によれば特に好ましく、そのテトラナトリウム塩が特に好ましい。同様に好ましいのは、アミノカルボキシレート、例えば、エチレンジアミンテトラ−アセテート、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミントリアセテート、ニトリロ−トリ−アセテート、エチレンジアミンテトラプロ−プリオネート、トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、ジエチレントリアミンペンタアセテート、エタノールジグリシン、及びこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び置換アンモニウム塩、並びにこれらの混合物、並びに、MGDA(メチルグリシン2酢酸)、並びにその塩及び誘導体である。
【0076】
他のキレート剤としては、ポリカルボン酸、及びその部分又は完全中和塩、モノマーのポリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸、並びにそれらの塩のホモポリマー及びコポリマーが挙げられる。上述の化合物の好ましい塩類は、アンモニウム及び/又はアルカリ金属塩、すなわち、リチウム、ナトリウム、及びカリウム塩であり、特に好ましい塩類は、ナトリウム塩である。好適なポリカルボン酸は、非環式、脂環式、複素環式、及び芳香族カルボン酸であり、この場合、これは、それぞれ、好ましくは約2個以下の炭素原子によって互いに分離されている少なくとも約2個のカルボキシル基を含有する。2個のカルボキシル基を含むポリカルボン酸塩としては、例えば、マロン酸、(エチレンジオキシ)二酢酸、マレイン酸、ジグリコール酸、酒石酸、タルトロン酸、及びフマル酸の水溶性塩が挙げられる。3個のカルボキシル基を含むポリカルボン酸塩としては、例えば水溶性クエン酸塩が挙げられる。これに応じて、好適なヒドロキシカルボン酸は、例えばクエン酸である。別の好適なポリカルボン酸は、アクリル酸のホモポリマーである。好ましいのは、スルホネート末端封鎖ポリカルボキシレートである。本明細書に用いるのに更に好適なポリカルボキシレートキレート剤としては、酢酸、コハク酸、ギ酸が挙げられ、全ては好ましくは水溶性塩の形態である。他の好適なポリカルボン酸は、オキソジコハク酸塩、カルボキシメチルオキシコハク酸塩、及び米国特許第4,663,071号に記載されているような酒石酸モノコハク酸と酒石酸ジコハク酸との混合物である。
【0077】
また、アミノホスホネートもキレート剤として使用するのに好適であり、DEQUESTのようなエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)が挙げられる。好ましくは、これらアミノホスホネートは、約6個超の炭素原子を有するアルキル又はアルケニル基を含有しない。また、多官能置換された芳香族キレート剤は、米国特許第3,812,044号に記載されているように、本明細書における組成物において有用である。このタイプの酸形態の好ましい化合物は、1,2−ジヒドロキシ−3,5−ジスルホベンゼンのようなジヒドロキシジスルホベンゼンである。
【0078】
本発明の組成物は、任意追加的に、上記組成物が適切に水において相容性であるように、有効な量のヒドロトロープを含んでよい。本発明の組成物は、典型的には、ヒドロトロープ(hydrotropic)又はその混合物を、全組成物の約0重量%〜約15重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%、好ましくは約3重量%〜約6重量%含む。本発明で用いられる好適なヒドロトロープとしては、アニオンタイプのヒドロトロープ、特に、キシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム、キシレンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、トルエンスルホン酸アンモニウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム、クメンスルホン酸アンモニウム、及びこれらの混合物、並びに米国特許第3,915,903号に開示されているような関連する化合物が挙げられる。
【0079】
本発明の組成物は、任意追加的に、高分子泡安定剤を含んでもよい。これら高分子泡安定剤は、組成物の泡の体積を増加させ、泡の耐久性を上昇させる。組成物は、好ましくは、全組成物の約0.01重量%〜約15重量%、好ましくは約0.05重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約5重量%のポリマー泡増量剤/安定剤を含有する。これら高分子泡安定剤は、(N,N−ジアルキルアミノ)アルキルエステル及び(N,N−ジアルキルアミノ)アルキルアクリレートエステルのホモポリマーから選択してよい。従来のゲル透過クロマトグラフィーを介して決定される高分子泡増量剤の重量平均分子量は、約1,000〜約2,000,000、好ましくは約5,000〜約1,000,000、より好ましくは約10,000〜約750,000、より好ましくは約20,000〜約500,000、更により好ましくは約35,000〜約200,000である。ポリマー泡安定剤は任意に応じて、無機塩又は有機塩のいずれかの塩形態、例えば、(N,N−ジメチルアミノ)アルキルアクリレートエステルのクエン酸塩、硫酸塩、又は硝酸塩で存在できる。
【0080】
1つの好ましい高分子泡安定剤は、(N,N−ジメチルアミノ)アルキルアクリレートエステル、すなわち、式(VII)によって表されるアクリレートエステルである:
【0082】
他の好ましい増泡ポリマーは、下記の式VIII及びIXによって表されるヒドロキシプロピルアクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(HPA/DMAMのコポリマー)である。
【0084】
高分子泡増量ポリマーの別の好ましい種類は、約45,000未満、好ましくは約10,000〜約40,000、より好ましくは約13,000〜約25,000の重量平均分子量(M
w)を有する疎水変性セルロース系ポリマーである。疎水性変性セルロースポリマーとしては、非イオン性及びカチオン性セルロース誘導体のような水溶性のセルロースエーテル誘導体が挙げられる。好ましいセルロース誘導体としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0085】
洗浄組成物は増粘剤を含んでもよい。粘度が高いと、特に剪断粘度が低いと、接触時間がより長くなるので、油汚れ及び/又は粒状油汚れへの浸透が向上し、これにより、特に処理対象表面に未希釈で塗布されると、洗浄効果が向上する。更に、高い低剪断粘度は、液体洗浄組成物の相安定性を改善し、特に、液体硬質表面洗浄組成物において組成物中のコポリマーの安定性を改善する。好適な増粘剤としては、ポリアクリレート系ポリマー、好ましくは疎水変性ポリアクリレートポリマー;ヒドロキシルエチルセルロース(hydroxyl ethyl cellulose)、好ましくは疎水変性ヒドロキシルエチルセルロース(hydroxyl ethyl cellulose)、キサンタンガム、硬化ヒマシ油(HCO)、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましい増粘剤は、ポリアクリレート系ポリマー、好ましくは疎水変性ポリアクリレートポリマーである。好ましいのは、アクリル酸、アクリル酸エステル類、ビニルアセテート、メタクリル酸、アクリロニトリル、及びこれらの混合物を主モノマーとする水溶性コポリマーであり、より好ましくは、コポリマーは、メタクリル酸及びアクリル酸エステル類系であり、乳白色で低粘度の分散体の外観を有する。1つの好ましい疎水(hydrologically)変性ポリアクリレートポリマーは、Rheovis(登録商標)AT 120であり、BASFから市販されている。
【0086】
使用する場合、洗浄組成物は、全組成物の0.1重量%〜10.0重量%、好ましくは0.2重量%〜5.0重量%、より好ましくは0.2重量%〜2.5重量%、好ましくは0.2重量%〜2.0重量%の増粘剤を含んでもよい。
【0087】
洗浄組成物は更なるポリマーを含み得る。本明細書に記載する特定のポリマーの存在により、存在する場合、該ポリマーが組成物にもたらす独特な泡立ち/発泡特性に起因して、液体組成物のグリース除去性能が更に改善されることが見出された。本明細書に用いるのに好適なポリマーは、同時係属の欧州特許出願第2272942(09164872.5)号、及び付与された欧州特許第2025743(07113156.9)号に開示されている。ポリマーは、ビニルピロリドンホモポリマー(PVP)、ポリエチレングリコールジメチルエーテル(DM−PEG)、ビニルピロリドン/ジアルキルアミノアルキルアクリレート又はメタクリレートコポリマー、ポリスチレンスルホネートポリマー(PSS)、ポリビニルピロリドン−N−オキシド(PVNO)、ポリビニルピロリドン/ビニルイミダゾールコポリマー(PVP−VI)、ポリビニルピロリドン/ポリアクリル酸コポリマー(PVP−AA)、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー(PVP−VA)、ポリアクリル酸ポリマー又はポリアクリル酸マレイン酸コポリマー、及びポリアクリル酸又はポリアクリル酸マレイン酸ホスホノ末端基コポリマー、並びにその混合物からなる群から選択され得る。典型的には、液体硬質表面洗浄組成物は、全組成物の0.005重量%〜5.0重量%、好ましくは0.10重量%〜4.0重量%、より好ましくは0.1重量%〜3.0重量%、好ましくは0.20重量%〜1.0重量%の上記ポリマーを含んでもよい。
【0088】
洗浄組成物は、脂肪酸を特に好ましい任意成分として、特に抑泡剤として含んでもよい。脂肪酸は、組成物が塗布された表面から該組成物を洗い流すときに、液体組成物の泡立ちを低減させることから、本明細書において望ましい。好適な脂肪酸としては、C
8〜C
24脂肪酸のアルカリ塩が挙げられる。このようなアルカリ塩としては、金属で完全に飽和した塩、例えばナトリウム、カリウム及び/又はリチウム塩、並びに脂肪酸のアンモニウム塩及び/又はアルキルアンモニウム塩が挙げられ、ナトリウム塩が好ましい。本明細書で使用する好適な脂肪酸は、8個〜22個、好ましくは8個〜20個、より好ましくは8個〜18個の炭素原子を含有する。好適な脂肪酸は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、及び植物又は動物からのエステルのような天然由来の(例えば、パーム油、オリーブ油、ココヤシ油、ダイズ油、ヒマシ油、獣脂、落花生油、鯨油及び魚油、並びに/又はババス油)(好ましくは硬化された)脂肪酸の混合物から選択することができる。例えば、ヤシ脂肪酸は、KLK OLEAからPALMERAB1211の名前で市販されている。典型的には、液体硬質表面洗浄組成物は、全組成物の最大6.0重量%の上記脂肪酸、好ましくは全組成物の0.1重量%〜3.0重量%、より好ましくは0.1重量%〜2.0重量%、好ましくは0.15重量%〜1.5重量%の上記脂肪酸を含み得る。
【0089】
洗浄組成物は、特に抑泡剤として、分岐脂肪族アルコールを含み得る。好適な分岐脂肪族アルコールとしては、6〜16個、好ましくは7〜13個、より好ましくは8〜12個、好ましくは8〜10個の炭素原子と末端ヒドロキシ基とを含むアルキル鎖を有する2−アルキルアルカノールが挙げられ、該アルキル鎖は、α位(すなわち、位置番号2)において1〜10個、好ましくは2〜8個、より好ましくは4〜6個の炭素原子を含むアルキル鎖で置換されている。このような好適な化合物は、例えば、Sasolから市販のIsofol(登録商標)12(2−ブチルオクタノール)又はIsofol(登録商標)16(2−ヘキシルデカノール)などのIsofol(登録商標)シリーズとして市販されている。典型的には、液体硬質表面洗浄組成物は、全組成物の最大2.0重量%、好ましくは0.10重量%〜1.0重量%、より好ましくは0.1重量%〜0.8重量%、好ましくは0.1重量%〜0.5重量%の上記分岐脂肪族アルコールを含み得る。
【0090】
本明細書に記載される洗剤組成物は、組成物の約0.1重量%〜約10重量%、一部の例では、約0.2重量%〜約5重量%、及びその他の例では、約0.5重量%〜約3重量%のポリエーテルアミンを含んでもよい。
【0091】
一部の態様では、ポリエーテルアミンは式(I)の構造によって表わされる:
【0092】
【化3】
[式中、R
1〜R
6のそれぞれは、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから独立して選択され、R
1〜R
6のうちの少なくとも1つはHとは異なり、R
1〜R
6のうちの少なくとも1つは、典型的には2〜8個の炭素原子を有するアルキル基であり、A
1〜A
6のそれぞれは、2〜18個の炭素原子、典型的には2〜10個の炭素原子、より典型的には2〜5個の炭素原子を有する線状又は分枝状アルキレンから独立して選択され、Z
1〜Z
2のそれぞれは、OH又はNH
2から独立して選択され、Z
1〜Z
2のうちの少なくとも1つは、NH
2であり、典型的にはZ
1及びZ
2のそれぞれは、NH
2であり、x+yの合計は、約2〜約200、典型的には約2〜約20又は約3〜約20、より典型的には約2〜約10又は約3〜約8又は約4〜約6の範囲内であり、x≧1及びy≧1であり、x
1+y
1の合計は、約2〜約200、典型的には約2〜約20又は約3〜約20、より典型的には約2〜約10又は約3〜約8又は約2〜約4の範囲内であり、x
1≧1及びy
1≧1である]。
【0093】
一部の態様では、ポリエーテルアミンは式(II)の構造によって表わされる:
【0094】
【化4】
[式中、R
7〜R
12のそれぞれは、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから独立して選択され、R
7〜R
12のうちの少なくとも1つはHとは異なり、R
7〜R
12のうちの少なくとも1つは、典型的には2〜8個の炭素原子を有するアルキル基であり、A
7〜A
9のそれぞれは、2〜18個の炭素原子、典型的には2〜10個の炭素原子、より典型的には2〜5個の炭素原子を有する線状又は分枝状アルキレンから独立して選択され、Z
3〜Z
4のそれぞれは、OH又はNH
2から独立して選択され、Z
3〜Z
4のうちの少なくとも1つは、NH
2であり、典型的にはZ
3及びZ
4のそれぞれは、NH
2であり、x+yの合計は、約2〜約200、典型的には約2〜約20又は約3〜約20、より典型的には約2〜約10又は約3〜約8又は約2〜約4の範囲内であり、x≧1及びy≧1であり、x
1+y
1の合計は、約2〜約200、典型的には約2〜約20又は約3〜約20、より典型的には約2〜約10又は約3〜約8又は約2〜約4の範囲内であり、x
1≧1及びy
1≧1である]。
【0095】
液体硬質表面洗浄組成物は、目的とする技術的利益、及び処理される表面に応じて、様々な他の任意選択成分を含み得る。本明細書に用いるのに好適な任意成分としては、香料、ビルダー、他のポリマー、緩衝剤、殺菌剤、ヒドロトロープ、着色剤、安定剤、ラジカルスカベンジャー、研磨剤、汚れ懸濁剤、増白剤、ダスティング防止剤、分散剤、移染阻害剤、顔料、シリコーン及び/又は染料が挙げられる。
【0096】
また、本組成物は、少なくとも1つのフッ素化炭素化合物(例えば、ペルフルオロポリエーテル)と、次の構成成分、すなわち、a)非フッ素化溶媒、及びb)界面活性剤、の少なくとも一方とを含む洗浄組成物を包含し得る。そのような組成物の例は、欧州特許第1440140号に開示されている。
【0097】
硬質表面洗浄組成物の一例を次の表に記載する。
【0099】
殺菌組成物(Compsition):
本発明の方法及び装置はまた、表面の離散的な領域を衛生化するために使用され得る。洗浄と同様に、これは、使用される活性物質の量を低減するのに役立つことができ、また、周囲の表面又は環境にダメージを与えないために、非常に限られた領域を標的にすることができる。
【0100】
組成物としては、限定するものではないが、アルキルハロヒダントイン、アルカリ金属ハロイソシアヌレート、漂白剤、精油、非四級アンモニウムベースの殺菌性化合物並びに四級アンモニウムベースの殺菌性化合物などの、該当技術における当業者に既知の任意の殺菌組成物を挙げることができる。他の殺菌組成物は、四級アンモニウム化合物及びその塩、例えば、C8〜C18アミンオキシド及びC12〜C22アルケニルモルホリニウム塩(alk(en)yl morpholinium salt)、C8〜C12プロトン化アミン化合物、例えばN,N−ビス(3−アミノプロピル)ラウラミン、並びにC8〜C12ジアルキルジメチルアンモニウム塩及びC12〜C18アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、及びこれらの混合物を含む。組成物はまた、過酸化水素及び酸素放出漂白剤、例えば、過ホウ酸アルカリ金属、例えば、過ホウ酸ナトリウムなど、及びモノ過硫酸アルカリ金属、例えば、モノ過硫酸ナトリウム、モノ過硫酸カリウム、モノ過硫酸アルカリ金属、例えば、モノ過リン酸ジナトリウム及びモノ過リン酸ジカリウム、並びに次亜ハロゲン酸塩、例えば、次亜塩素酸塩及び/又は次亜臭素酸塩を放出することができる他の従来の漂白剤、例えば、複素環のN−ブロモ−及びN−クロローシアヌレート、例えば、トリクロロイソシアヌル酸及びトリブロモイソシアヌル酸、ジブロモイソシアヌル酸、ジクロロシアヌル酸、N−モノブロモ−N−モノ−クロロシアヌル酸及びN−モノブロモ−N,N−ジクロロシアヌル酸など、並びにカリウム及びナトリウムなどの水溶性化カチオンを有するその塩、例えば、N−モノブロモ−N−モノクロロシアヌル酸ナトリウム、ジクロロシアヌル酸カリウム、ジクロロシアヌル酸ナトリウム、並びに他のN−ブロモ及びN−クロロ−イミド、例えば、N−ブロム化及びN−塩素化スクシンイミド、マロニミド、フタリミド、及びナフタリミド含むことができ。
【0101】
組成物はまた、固体過酸化物、例えば、タルイミドペルヘキサン酸(PAP)、ノニルベンゼンスルホネート、m−クロロ過安息香酸、並びに、過酸化水素の存在下で酸性媒体中で平衡混合物として形成されたC1〜C12過酸を含んでもよい。好ましい過酸(peraoxyacid)は、ペルオキシ酢酸、過オクタン酸、及びペルオキシノナン酸、及びその混合物である。
【0102】
組成物はまた、親水性カチオン性分子であるビグアニド、クロルヘキサジンの塩(ジアセテート、ジグルコネート等)を含む潜在的関心対象である化合物、及び平均繰り返し単位数が約5〜約25であるポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)を含み得る。
【0103】
組成物はまた、ヨウ素、ヨウ素酸カリウム(KIO3)などのヨウ素塩、及び非イオン性界面活性剤と形成するヨウ素錯体及びポリビニルピロリドン(PVP−I2)と形成するヨウ素錯体などのヨードフォア、並びにその混合物を含み得る。
【0104】
組成物は、有機酸、例えば、クエン酸、乳酸、酢酸、グリコール酸、コハク酸、マロン酸、マイレン酸、オクタン酸及び2−ヒドロキシプロピオン酸など、並びにその混合物を含み得る。特に好ましいのはクエン酸及び乳酸である。
【0105】
組成物はまた、抗菌性金属塩を含んでもよい。この部類は一般に、3b〜7b、8及び3a〜5a族の金属塩を含む。特に、アルミニウム、ジルコニウム,亜鉛,銀、金,銅、ランタン、スズ、ビスマス、セレン、ストロンチウム、スカンジウム、イットリウム、セリウム、プラセオジム(praseodymiun)、ネオジム、プロメチウム(promethum)、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムの塩及びこれらの混合物である。
【0106】
組成物は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(DCCNa)及びジブロモイソシアヌル酸ナトリウムなどの、消毒剤として有用な、殺菌的に有効な剤を含むこともできる。非四級アンモニウムベースの消毒剤の例としては、ピリチオン、ジメチルジメチロールヒダントイン、メチルクロロイソチアゾリノン/メチルイソチアゾリノン亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、ベンジルアルコール、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、ホルマリン(ホルムアルデヒド)、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、クロロアセトアミド、メタンアミン、メチルジブロモニトリルグルタロニトリル、グルタルアルデヒド、5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、フェネチルアルコール、o−フェニルフェノール/o−フェニルフェノールナトリウム、ヒドロキシメチルグリシネートナトリウム、ポリメトキシ二環式オキサゾリジン、ジメトキサン、チメロサールジクロロベンジルアルコール、キャプタン、クロロフェネネシン(Chlorphenenesin)、ジクロロフェン、クロルブタノール、グリセリルラウレート、ハロゲン化ジフェニルエーテル、フェノール性化合物、モノアルキル及びポリアルキル並びに芳香族ハロフェノール、レゾルシノール及びその誘導体、ビスフェノール化合物、安息香酸エステル(パラベン)、ハロゲン化カルバニリド、3−トリフルオロメチル−4,4’−ジクロロカルバニリド、及び3,3’,4−トリクロロカルバニリドが挙げられる。より好ましくは、非カチオン性抗菌剤は、p−クロロフェノール、メチルp−クロロフェノール、エチルp−クロロフェノール、n−プロピルp−クロロフェノール、n−ブチルp−クロロフェノール、n−アミルp−クロロフェノール、sec−アミルp−クロロフェノール、n−ヘキシルp−クロロフェノール、シクロヘキシルp−クロロフェノール、n−ヘプチルp−クロロフェノール、n−オクチルp−クロロフェノール、o−クロロフェノール、メチルo−クロロフェノール、エチルo−クロロフェノール、n−プロピルo−クロロフェノール、n−ブチルo−クロロフェノール、n−アミルo−クロロフェノール、tert−アミルo−クロロフェノール、n−ヘキシルo−クロロフェノール、n−ヘプチルo−クロロフェノール、o−ベンジルp−クロロフェノール、o−ベンジル−m−メチルp−クロロフェノール、o−ベンジル−m,m−ジメチルp−クロロフェノール、o−フェニルエチルp−クロロフェノール、o−フェニルエチル−m−メチルp−クロロフェノール、3−メチルp−クロロフェノール、3,5−ジメチルp−クロロフェノール、6−エチル−3−メチルp−クロロフェノール、6−n−プロピル−3−メチルp−クロロフェノール、6−イソ−プロピル−3−メチルp−クロロフェノール、2−エチル−3,5−ジメチルp−クロロフェノール、6−sec−ブチル−3−メチルp−クロロフェノール、2−イソ−プロピル−3,5−ジメチルp−クロロフェノール、6−ジエチルメチル3−メチルp−クロロフェノール、6−イソ−プロピル−2−エチル−3−メチルp−クロロフェノール、2−sec−アミル−3,5−ジメチルp−クロロフェノール2−ジエチルメチル−3,5−ジメチルp−クロロフェノール、6−sec−オクチル−3−メチルp−クロロフェノール、p−クロロ−m−クレゾール、p−ブロモフェノール、メチルp−ブロモフェノール、エチルp−ブロモフェノール、n−プロピルp−ブロモフェノール、n−ブチルp−ブロモフェノール、n−アミルp−ブロモフェノール、sec−アミルp−ブロモフェノール、n−ヘキシルp−ブロモフェノール、シクロヘキシルp−ブロモフェノール、o−ブロモフェノール、tert−アミルo−ブロモフェノール、n−ヘキシルo−ブロモフェノール、n−プロピル−m,m−ジメチルo−ブロモフェノール、2−フェニルフェノール、4−クロロ−2−メチルフェノール、4−クロロ−3−メチルフェノール、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、2,4−ジクロロ−3,5−ジメチルフェノール、3,4,5,6−テトラブロモ−2−メチルフェノール、5−メチル−2−ペンチルフェノール、4−イソプロピル−3−メチルフェノール、パラ−クロロ−メタ−キシレノール、ジクロロメタキシレノール、クロロチモール、及び5−クロロ−2−ヒドロキシジフェニルメタンの群から選択されるモノアルキル及びポリアルキル並びに芳香族ハロフェノールである。
【0107】
好適な代表的な殺菌組成物は、米国特許第5,122,541号、同第6,346,279号、同第7,632,523号に詳細に記載されている。
【0108】
局所洗浄:
本発明の方法及び装置はまた、表面の局所洗浄及び/又はカーペット、カーテン、ブラインド、衣類、壁紙、布地、衣類等の表面及び材料の脱臭のために使用され得る。本発明の装置及び方法と共に使用するのに好適な組成物の例は、国際公開第95/04127号、同第96/015308号、及び同第200026329に開示されている。構成する更なる組成物は、国際公開第96/15308号に開示されている。例えば、組成物は、キレート剤、又はキレート剤の組み合わせを、汚れ懸濁ポリカルボキシレート若しくはポリアミンポリマー、又はその混合物と共に含んでもよく、その結果、カーペットからの粒子状の汚れの除去に対して相乗効果を発揮する。更に、キレート剤と汚れ懸濁ポリカルボキシレート又はポリアミンポリマーとの組み合わせは、活性酸素源を更に含む水性洗浄組成物において使用するのに特に好適であり、それによって、漂白可能な汚れのような他の種類の染み及び汚れに対して良好な洗浄性能を提供すると同時に、優れた粒子状の汚れ除去性能がもたらされる。
【0109】
本明細書に記載の組成物は、また、1つ又は2つ以上の金属イオンのキレート剤を含有してもよい。好適な分子としては、銅、鉄、及び/又はマンガンキレート剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。そのようなキレート剤は、ホスホネート、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、スクシネート、多官能置換された芳香族キレート剤、2−ピリジノール−Nーオキシド化合物、ヒドロキサム酸、カルボキシメチルイヌリン、ヒドロキシエタンジホスホネート、スクシネート、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。キレート剤は、アルカリ金属、アンモニウム、及びその置換アンモニウム塩、並びにこれらの混合物を含む、酸又は塩の形で存在することができる。
【0110】
本明細書に用いるのに好適なキレート剤は、Dow Chemical(Midland,Michigan,USA)により供給されるジエチレンテトラアミン五酢酸(DTPA)、Solutia(St Louis,Missouri,USA)により供給されるヒドロキシエタンジホスホネート(HEDP)、Octel(Ellesmere Port,UK)により供給されるエチレンジアミン−N,N’−二コハク酸,(S,S)異性体(EDDS)、Future Fuels Batesville(Arkansas,USA)により供給される1,2−ジヒドロキシベンゼン−3,5−ジスルホン酸(TIRON(登録商標))、Akzo−Nobelにより供給されるグルタミン酸二酢酸(GLDA)、BASF(Ludwigshafen,Germany)により供給されるメチルグリシン二酢酸(MGDA)又はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)から選択される。
【0111】
キレート剤として有用なアミノカルボキシレートとしては、N−(ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリアセテート(HEDTA);ニトリロトリアセテート(NTA);エチレンジアミンテトラプロピオネート;トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、エタノールジグリシン;トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA);N−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA);ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG);エチレンジアミンテトラプロピオン酸(EDTP)及びこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。BASFからのTrilon P(登録商標)などのポリマーキレート化剤も有用となり得る。
【0112】
本発明での使用に好適なリン含有キレート化剤としては、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMP CAS 15827−60−8);エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(EDTMP CAS 1429−50−1);ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(CAS5 6744−47−9);ヒドロキシ−エタンジホスホン酸(HEDP CAS 2809−21−4);ヒドロキシエタンジメチレンホスホン酸;2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカルボン酸(CAS 37971−36−1);2−ヒドロキシ−2−ホスホノ−酢酸(CAS 23783−26−8);アミノトリ(メチレンホスホン酸)(ATMP CAS 6419−19−8);P,P’−(1,2−エタンジイル)ビス−ホスホン酸(CAS 6145−31−9);P,P’−メチレンビス−ホスホン酸(CAS 1984−15−2);トリエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(CAS 28444−52−2);P−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−ホスホン酸(CAS 4167−10−6);ビス(ヘキサメチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸))(CAS 34690−00−1);N2,N2,N6,N6−テトラキス(ホスホノメチル)−リシン(CAS 194933−56−7、CAS 172780−03−9)、それらの塩、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0113】
ヒドロキサム酸は、ヒドロキシルアミンがカルボン酸に挿入されて、キレート剤として使用される化学化合物のクラスである。ヒドロキサム酸の一般的な構造は、下記の通りである。
【0115】
好ましいヒドロキサメートは、R
1がC4〜C14アルキル、好ましくはノルマルアルキル、好ましくは飽和であるもの、その塩、及びそれらの混合物である。C8物質を使用する場合、それはオクチルヒドロキサム酸と呼ばれる。
【0116】
本発明で有用なその他のキレート剤の非限定的な例は、米国特許第7445644号、同第7585376号、同第8841247号、及び米国特許出願公開第2009/0176684(A1)号に見出される。本明細書に用いるのに好適なキレート剤は、市販のDEQUESTシリーズ、及びMonsanto、Akzo−Nobel、DuPont、Dow、Nalcoのキレート剤、並びにBASFのTrilon(登録商標)シリーズである。
【0117】
キレート剤は、本開示の洗剤組成物の約0.005重量%〜約15重量%、約0.01重量%〜約5重量%、約0.1重量%〜約3.0重量%、約0.2重量%〜約0.7重量%、又は約0.3重量%〜約0.6重量%で、本開示の洗剤組成物中に存在してよい。
【0118】
布地改良ポリマーが本明細書で開示される洗浄組成物に任意選択的に含まれてもよく、これは例えば、ある一定の活性剤、例えば布地柔軟活性剤の付着に役立つ。好適な布地改良ポリマーは、典型的には、カチオン性に帯電し、かつ/又は高分子量を有する。この成分の好適な濃度は、組成物の約0.01重量%〜約50重量%、又は約0.1重量%〜15重量%、又は約0.2重量%〜約5.0重量%、又は約0.5重量%〜約3.0重量%の範囲内である。布地改良ポリマーは、ホモポリマーであってもよく、又は2つ若しくは3つ以上の種類のモノマーから形成してもよい。ポリマーのモノマー重量は一般に、5,000〜10,000,000の間、典型的には少なくとも10,000、好ましくは100,000〜2,000,000の範囲にあるであろう。典型的な布地改良ポリマーは、組成物の企図される用途でのpHにおいて、カチオン電荷密度が少なくとも約0.2meq/gm、又は少なくとも約0.25meq/gm、より典型的には少なくとも約0.3meq/gm、ただし典型的には約5meq/gm未満、又は約3meq/gm未満、又は約2meq/gm未満であり、上記のpHは一般に、pH2〜pH7の範囲にあるであろう。布地改良ポリマーは、天然又は合成由来のものであってもよい。
【0119】
好適な布地改良ポリマーは、置換又は無置換のポリ第四級アンモニウム化合物、カチオン性修飾多糖類、カチオン性修飾(メタ)アクリルアミドポリマー/コポリマー、カチオン性修飾(メタ)アクリレートポリマー/コポリマー、キトサン、第四級化ビニルイミダゾールポリマー/コポリマー、ジメチルジアリルアンモニウムポリマー/コポリマー、ポリエチレンイミン系ポリマー、カチオン性グアーガム、及びこれらの誘導体、又はこれらの組み合わせから選択される。
【0120】
他の好適な布地改良ポリマーとしては、例えば以下のものが挙げられる:a)1−ビニル−2−ピロリジンと、1−ビニル−3−メチル−イミダゾリウム塩(例えば、塩化物塩)とのコポリマーであって、業界では、Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association(CTFA)によって、ポリクォータニウム−16と呼ばれるもの;b)1−ビニル−2−ピロリジンと、ジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマーであって、業界では(CTFAによって)、ポリクォータニウム−11と呼ばれるもの;c)例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマー、及びアクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマーであって、業界では(CTFAにより)それぞれ、ポリクォータニウム6及びポリクォータニウム7と呼ばれるものを含む、カチオン性ジアリル四級アンモニウム含有ポリマー;d)3〜5個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸のホモポリマー及びコポリマーの、アミノ−アルキルエステルのミネラル酸の塩であって、米国特許第4,009,256号に記載のもの;並びに、e)アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー(業界ではCTFAによりポリクォータニウム22と呼ばれるもの)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリルアミドとのアクリル酸のターポリマー(業界ではCTFAによりポリクォータニウム39と呼ばれるもの)、及びメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドとメチルアクリレートとのアクリル酸のターポリマー(業界ではCTFAによりポリクォータニウム47と呼ばれるもの)を含む、アクリル酸の両性コポリマー。更に好適な布地改良ポリマーとしては、カチオン性多糖類ポリマー、例えばカチオン性セルロース及びその誘導体、カチオン性デンプン及びその誘導体、並びにカチオン性グアーガム及びその誘導体が挙げられる。他の好適なカチオン性多糖類ポリマーとしては、第四級窒素含有セルロースエーテル及びカチオン性グアーガム誘導体が挙げられる。
【0121】
本発明の組成物はまた、任意選択的に、粘土汚れ除去特性及び再付着防止特性を有する水溶性エトキシル化アミンを含有し得る。組成物は典型的には、組成物の約0.01重量%〜約5重量%のこのような薬剤を含有する。
【0122】
代表的な粘土汚れ除去剤及び再付着防止剤は、米国特許第4,597,898号、同第548,744号、同第4,891,160号;欧州特許出願公開第111,965号、同第111,984号、同第112,592号;及び国際公開第95/32272号に記載されている。
【0123】
ポリマー汚れ放出剤(以下「SRA」)が、本発明の洗剤組成物で用いられてもよい。使用する場合、組成物は一般に、組成物の約0.01重量%〜約10.0重量%、又は約0.1重量%〜約5重量%、又は約0.2重量%〜約3.0重量%のSRAを含むことになる。好適なSRAは、典型的に、ポリエステル及びナイロンなどの疎水性繊維の表面を親水化するための親水性部分と、疎水性繊維上に付着して、洗浄及びすすぎサイクルの完了までその上に付着し続けて、親水性部分のためのアンカーとして機能する疎水性部分とを有する。これにより、後の洗浄手順において、SRAによる処理後に浮かび上がる汚れを、更に容易に洗浄可能にできる。
【0124】
SRAは、例えば種々の荷電性の、例えば、アニオン性又は更にはカチオン性(米国特許第4,956,447号を参照されたい)、並びに、非荷電性の、モノマー単位を含み、構造は直鎖、分枝鎖、又は更には星状であってもよい。これらのSRAは、分子量を制御したり、又は物理特性若しくは表面活性特性を変更したりするのに特に有効であるキャッピング部分を含んでよい。構造及び電荷分布は、異なる型の繊維又は生地への適用に合わせて、あるいは様々な洗剤又は洗剤添加製品用に調整することができる。SRAは、米国特許第4,968,451号、同第4,711,730号、同第4,721,580号、同第4,702,857号、同第4,877,896号、同第3,959,230号、同第3,893,929号、同第4,000,093号、同第5,415,807号、同第4,201,824号、同第4,240,918号、同第4,525,524号、同第4,201,824号、同第4,579,681号、及び同第4,787,989号に記載されている。
【0125】
ポリマー分散剤は、本明細書の組成物中において、約0.1重量%〜約7重量%の濃度で使用できる。好適なポリマー分散剤としては、ポリマーポリカルボン酸塩とポリエチレングリコールが挙げられるが、当該技術分野において知られている他の物質も用いることができる。例えば、多種多様の修飾若しくは非修飾のポリアクリレート、ポリアクリレート/メアレエート(mealeates)、又はポリアクリレート/メタクリレートが有用である。ポリマー分散剤の例は、米国特許第3,308,067号に見出だされる。
【0126】
汚れ懸濁剤、グリース洗浄剤、及び微粒子洗浄ポリマーとして、アルコキシル化ポリアミンを挙げてよい。このような物質としては、エトキシル化ポリエチレンイミン、エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、及びこれらの硫酸化物が挙げられるが、これらに限らない。ポリプロポキシル化誘導体も挙げられる。多種多様なアミン及びポリアクリエンイミン(polyaklyeneimine)は様々な度合いまでアルコキシル化してもよく、任意選択的に更に修飾して上記の利点をもたらすこともできる。有用な例としては、NH当たり20EO基までエトキシル化されている600g/モルのポリエチレンイミンコアがあり、BASFより入手可能である。
【0127】
組成物は、修飾ヘキサメチレンジアミン(hexamentylenediamine)を含んでもよい。ヘキサメチレンジアミン(hexamentylenediamine)の修飾としては、(1)ヘキサメチレンジアミン(hexamentylenediamine)の窒素原子あたり1又は2つのアルコキシル化修飾。修飾あたり平均約1〜約40のアルコキシ部分を有する(ポリ)アルコキシレン鎖による、ヘキサメチルジアミン(hexamentylenediameine)の窒素上の水素原子の置換からなるアルコキシル化修飾であって、該アルコキシレン鎖の末端アルコキシ部分は水素、C1〜C4アルキル基、サルフェート、カーボネート、又はこれらの混合物で末端封鎖されている;(2)1つのC1〜C4アルキル部分とヘキサメチレンジアミン(hexamentylenediamine)の窒素原子あたり1又は2つのアルコキシル化修飾の置換。修飾あたり平均約1〜約40のアルコキシ部分を有する(ポリ)アルコキシレン鎖による、水素原子の置換からなるアルコキシル化修飾であって、該アルコキシレン鎖の末端アルコキシ部分は水素、C1〜C4アルキル基又はこれらの混合物で末端封鎖されている;又は(3)これらの組合せ、が挙げられる。アルコキシル化は、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ又はこれらの混合物の形態であってもよい。米国特許第4,597,898号、Vander Meer、1986年7月1日発行。
【0128】
好ましい修飾ヘキサメチレンジアミンは、以下の一般構造を有する。
【0129】
【化6】
式中、xは約20〜約30であり、(ポリ)アルコキシレン鎖末端アルコキシ部分のおおよそ40%はスルホン化されている。
【0130】
例示的な修飾ヘキサメチレンジアミンは、以下の一般構造を有する。
【0131】
【化7】
商品名LUTENSIT(登録商標)としてBASFから入手可能であり、例えば国際公開第01/05874号に記載されているものがある。
【0132】
ポリアクリレートから調製されるものなどのアルコキシル化ポリカルボキシレートは、本明細書において、追加のグリース除去性能を提供するのに有用である。そのような材料は、国際公開第91/08281号及び国際出願PCT 90/01815号に記載されている。化学的に、これら物質は、7〜8個のアクリレート単位ごとに1つのエトキシ側鎖を有するポリアクリレートを含む。側鎖は、式−(CH2CH2O)m(CH2)nCH3を有し、式中、mは、2〜3であり、nは、6〜12である。側鎖は、ポリアクリレート「主鎖」にエステル結合され、「櫛形」ポリマー型構造を提供する。分子量は変動し得るが、典型的には、約2000〜約50,000の範囲内である。このようなアルコキシル化ポリカルボキシレートは、本明細書における組成物の約0.05重量%〜約10重量%含まれ得る。
【0133】
本明細書で開示される組成物は、両親媒性グラフトコポリマーも含んでもよい。いくつかの態様では、両親媒性グラフトコポリマーは、(i)ポリエチレングリコール主鎖と、(ii)ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのペンダント部分とを含む。好ましい両親媒性グラフトコポリマーは、BASFから供給されているSokalan HP22である。
【0134】
組成物は、1つ以上の酵素を含んでもよい。好適な酵素としては、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、キシログルカナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、漂白酵素、クチナーゼ、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0135】
酵素に関しては、括弧内に示される受託番号又はIDは、Genbank、EMBL、及びSwiss−Protのデータベース内の登録番号を指す。いずれの突然変異体に関しても、標準の1文字のアミノ酸コードが、欠失を表す
*を伴って使用される。DSMが前に付く受託番号は、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(Mascheroder Weg 1b,38124 Brunswick)(DSMZ)に寄託された微生物を指す。
【0136】
組成物はプロテアーゼを含んでもよい。好適なプロテアーゼとしては、サブチリシン(EC 3.4.21.62)などの中性又はアルカリ性の微生物セリンプロテアーゼを含むメタロプロテアーゼ及び/又はセリンプロテアーゼが挙げられる。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物又は微生物起源のものが挙げられる。一態様では、このような好適なプロテアーゼは、微生物起源のものであってもよい。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学的又は遺伝的に改変された突然変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであってよい。好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、以下が挙げられる。
(a)Bacillus lentus、Bacillus alkalophilus(P27963、ELYA_BACAO)、Bacillus subtilis、Bacillus amyloliquefaciens(P00782、SUBT_BACAM)、Bacillus pumilus(P07518)、及びBacillus gibsonii(DSM14391)等のBacillusに由来するものを含むサブチリシン(EC 3.4.21.62)。
(b)フサリウムプロテアーゼ、及びCellumonas(A2RQE2)に由来するキモトリプシンプロテアーゼを含む(例えば、ブタ起源又はウシ起源の)トリプシン等のトリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ。
(c)Bacillus amyloliquefaciens(P06832,NPRE_BACAM)に由来するものを含むメタロプロテアーゼ。
【0137】
好ましいプロテアーゼとしては、サブチリシン309(P29600)及び/又はDSM5483(P29599)などの、Bacillus gibsonii又はBacillus Lentusに由来するものが挙げられる。
【0138】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては、Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquanase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)、及びEsperase(登録商標)の商標名でNovozymes A/S(Denmark)によって販売されているもの;Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)、及びPurafect OXP(登録商標)の商標名でGenencor Internationalによって販売されているもの;Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)の商標名でSolvay Enzymeによって販売されているもの;Henkel/Kemiraから入手可能なもの、すなわち、全てHenkel/KemiraからのBLAP(以下の突然変異:S99D+S101R+S103A+V104I+G159Sを有するP29599)、及びその変異体、例えば、BLAP R(S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)、BLAP X(S3T+V4I+V205Iを有するBLAP)、及びBLAP F49(S3T+V4I+A194P+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP);並びにKAOからのKAP(突然変異A230V+S256G+S259Nを有するBacillus alkalophilus)が挙げられる。
【0139】
好適なアミラーゼは、細菌由来又は真菌由来のものを含めた、α−アミラーゼである。化学的に又は遺伝的に改変された突然変異体(変異体)が含まれる。好ましいアルカリ性α−アミラーゼは、バチルスの菌株、例えば、Bacillus licheniformis、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus stearothermophilus、Bacillus subtilis、又は他のBacillus種、例えばBacillus種、NCIB 12289、NCIB 12512、NCIB 12513、sp 707、DSM 9375、DSM 12368、DSMZ no.12649、KSM AP1378、KSM K36、若しくはKSM K38などの、バチルスの菌株に由来する。好ましいアミラーゼには次のものが挙げられる。(a)Bacillus licheniformis(P06278、AMY_BACLI)に由来するα−アミラーゼ、及びその変異体、特に、以下の位置:15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408、及び444のうちの1つ以上が置換された変異体。(b)AA560アミラーゼ(CBU30457、HD066534)、及びその変異体、特に、以下の位置:26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、203、214、231、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484のうちの1つ以上が置換された変異体、好ましくはD183
*及びG184
*に欠損を有する変異体。(c)Bacillus SP722(CBU30453、HD066526)由来の野生型酵素と少なくとも90%の同一性を呈し、特に位置183及び184に欠損を有する変異体。
【0140】
好適な市販のα−アミラーゼは、Duramyl(登録商標)、Liquezyme(登録商標)、Termamy(登録商標)、Termamyl Ultra(登録商標)、Natalase(登録商標)、Supramyl(登録商標)、Stainzyme(登録商標)、Stainzyme Plus(登録商標)、Fungamyl(登録商標)、及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S)、Bioamylase(登録商標)及びその変異体(Biocon India Ltd.)、Kemzym(登録商標)AT 9000(Biozym Ges.m.b.H,Austria)、Rapidase(登録商標)、Purastar(登録商標)、Optisize HT Plus(登録商標)、Enzysize(登録商標)、Powerase(登録商標)、及びPurastar Oxam(登録商標)、Maxamyl(登録商標)(Genencor International Inc.)、並びにKAM(登録商標)(KAO、日本)である。好ましいアミラーゼは、Natalase(登録商標)、Stainzyme(登録商標)、及びStainzyme Plus(登録商標)である。
【0141】
組成物はセルラーゼを含んでもよい。好適なセルラーゼとしては、細菌由来又は真菌由来のセルラーゼが挙げられる。化学的に修飾された又はタンパク質操作した突然変異型が含まれる。好適なセルラーゼとしては、Bacillus属、Pseudomonas属、Humicola属、Fusarium属、Thielavia属、Acremonium属由来のセルラーゼ、例えば、Humicola insolens、Myceliophthora thermophila、及びFusarium oxysporumから生成される、真菌セルラーゼが挙げられる。
【0142】
市販のセルラーゼとしては、Celluzyme(登録商標)及びCarezyme(登録商標)(Novozymes A/S)、Clazinase(登録商標)及びPuradax HA(登録商標)(Genencor International Inc.)、並びにKAC−500(B)(登録商標)(Kao Corporation)が挙げられる。
【0143】
一態様において、セルラーゼは、米国特許第7,141,403号の配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%、94%、97%、及び更には99%の相同性を有する、Bacillus属のメンバーに対し、内因性の細菌ポリペプチドを含むエンド−ベータ−1,4−グルカナーゼ活性(E.C.3.2.1.4)を呈する、微生物から誘導されたエンドグルカナーゼ、及びその混合物を含むことができる。好適なエンドグルカナーゼは、商品名Celluclean(登録商標)及びWhitezyme(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)として販売されている。
【0144】
好ましくは、本組成物は、17kDa〜30kDaの分子量を有するグリコシルヒドロラーゼファミリー45に属する洗浄セルラーゼ、例えば、商品名Biotouch(登録商標)NCD、DCC、及びDCLで販売されているエンドグルカナーゼ(AB Enzymes,Darmstadt,Germany)を含む。
【0145】
Whitezyme(登録商標)などの、極めて好ましいセルラーゼは、キシログルカナーゼ活性も呈する。
【0146】
組成物はリパーゼを含んでもよい。好適なリパーゼとしては、細菌由来又は真菌由来のものが挙げられる。化学的に修飾された又はタンパク質操作した突然変異型が含まれる。有用なリパーゼの例としては、例えば、H.ラヌギノサ(H.lanuginosa)(T.ラヌギノサス)(T.lanuginosus))又はH.インソレンス(H.insolens)等のフミコーラ属(別名サーモマイセス属(Thermomyces))由来のリパーゼ;例えば、P.アルカリゲネス(P.alcaligenes)又はP.シュードアルカリゲネス(P.pseudoalcaligenes)、P.セパシア(P.epacia)、P.スタットゼリ(P.stutzeri)、P.フルオレセンス(P.fluorescens)、シュードモナスSD 705株、P.ウィスコシネンシス(P.wisconsinensis)等のシュードモナス属のリパーゼ;例えば、B.サブチリス(B.subtilis)、B.ステアロサーモフィルス(B.stearothermophilus)、又はB.プミルス(B.pumilus)等のバチルス属のリパーゼが挙げられる。
【0147】
このリパーゼは、「第1サイクルのリパーゼ」であってもよく、好ましくは、T231R及びN233Rの突然変異を含む、Thermomyces lanuginosus由来の野生型リパーゼの変異体であってもよい。野生型配列は、Swissprotの受託番号Swiss−Prot O59952の、(Thermomyces lanuginosus(Humicola lanuginosa)由来の)269個のアミノ酸(アミノ酸23〜291)である。好ましいリパーゼとしては、Novozymes(Bagsvaerd,Denmark)によりLipex(登録商標)、Lipolex(登録商標)、及びLipoclean(登録商標)の商品名で販売されているものが挙げられる。
【0148】
好ましくは、組成物は、野生型のアミノ酸と90%を超える相同性を有し、T231及び/又はN233、好ましくはT231R及び/又はN233Rに置換を含む、Thermomyces lanuginosa(O59952)リパーゼの変異体を含む。
【0149】
別の態様において、組成物は、野生型のアミノ酸と90%を超える相同性を有し、かつ次の(a)〜(o)の置換を含む、Thermomyces lanuginosa(O59952)リパーゼの変異体を含む。
(a)S58A+V60S+I83T+A150G+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(b)S58A+V60S+I86V+A150G+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(c)S58A+V60S+I86V+T143S+A150G+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(d)S58A+V60S+I86V+T143S+A150G+G163K+S216P+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(e)E1
*+S58A+V60S+I86V+T143S+A150G+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(f)S58A+V60S+I86V+K98I+E99K+T143S+A150G+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(g)E1N+S58A+V60S+I86V+K98I+E99K+T143S+A150G+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K+L259F;
(h)S58A+V60S+I86V+K98I+E99K+D102A+T143S+A150G+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(i)N33Q+S58A+V60S+I86V+T143S+A150G+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(j)E1
*+S58A+V60S+I86V+K98I+E99K+T143S+A150G+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(k)E1N+S58A+V60S+I86V+K98I+E99K+T143S+A150G+S216P+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(l)D27N+S58A+V60S+I86V+G91N+N94R+Dl U N+T143S+A150G+L227G+T231R+N233R+I255A+P256K;
(m)E1N+S58A+V60S+I86V+K98I+E99K+T143S+A150G+E210A+S216P+L227G+T231R+N233R+1255A+P256K;
(n)A150G+E210V+T231R+N233R+I255A+P256K;及び
(o)I202L+E210G+T231R+N233R+I255A+P256K。
【0150】
好適なキシログルカナーゼ酵素は、キシログルカン及び非晶質セルロース基質の両方に対する酵素活性を有し、該酵素は、GHファミリー5、12、44又は74から選択されるグリコシルヒドロラーゼ(GH)である。好ましくは、グリコシルヒドロラーゼは、GHファミリー44から選択される。GHファミリー44から選択される好適なグリコシルヒドロラーゼは、パエニバチルス・ポリキシマ(Paenibacillus polyxyma)(ATCC 832)由来のXYG1006グリコシルヒドロラーゼ、及びその変異体である。
【0151】
好適なペクチン酸リアーゼは、Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)製の、Pectawash(登録商標)、Pectaway(登録商標)、及びX−Pect(登録商標)の商品名で販売される、バチルス由来の野生型若しくは変異型のペクチン酸リアーゼ(CAF05441、AAU25568)のいずれかである。
【0152】
好適なマンナナーゼは、商品名Mannaway(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、及び商品名Purabrite(登録商標)(Genencor International Inc.(Palo Alto,California))で販売されている。
【0153】
好適な漂白酵素としては、酸化還元酵素、例えば、グルコースオキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、又は炭水化物オキシダーゼなどの、オキシダーゼ、オキシゲナーゼ、カタラーゼ、ハロペルオキシダーゼ、クロロペルオキシダーゼ、ブロモペルオキシダーゼ、リグニンペルオキシダーゼ、グルコースペルオキシダーゼ、又はマンガンペルオキシダーゼのような、ペルオキシダーゼ、ジオキシゲナーゼ、又はラッカーゼ(フェノールオキシダーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ)が挙げられる。好適な市販製品は、Novozymesから商品名Guardzyme(登録商標)及びDenilite(登録商標)として販売されている。有利には、追加的な、好ましくは有機化合物、特に好ましくは芳香族化合物を、漂白酵素と組み合わせ、これらの化合物は、漂白酵素と相互作用して、酸化還元酵素の活性を増強する(増強剤)か、又は酸化酵素と汚れとの間の、典型的には大きく異なる酸化還元電位にわたる、電子流を促進する(媒介剤)。
【0154】
他の好適な漂白酵素としては、エステル基質及び過酸素源からの過酸の形成を触媒するペルヒドロラーゼが挙げられる。好適なペルヒドロラーゼとしては、Mycobacterium smegmatisのペルヒドロラーゼの変異体、いわゆるCE−7ペルヒドロラーゼの変異体、及びペルヒドロラーゼ活性を保有する野生型サブチリシンCarlsbergの変異体が挙げられる。
【0155】
好適なクチナーゼは、E.C.クラス3.1.1.73によって定義され、好ましくは、Fusarium solani、Pseudomonas Mendocina、又はHumicola Insolensのうちの1つに由来する野生型と、少なくとも90%、95%、又は最も好ましくは少なくとも98%の相同性を呈する。
【0156】
2つのアミノ酸配列の相関性は、「相同性」というパラメータによって表される。本発明の目的上、2つのアミノ酸配列のアラインメントは、EMBOSSパッケージ(http://emboss.org)バージョン2.8.0内のNeedleプログラムを用いることによって割り出される。Needleプログラムは、Needleman,S.B.and Wunsch,C.D.(1970)J.Mol.Biol.48,443〜453に記載のグローバルアラインメントアルゴリズムを実行する。用いられる置換マトリクスは、BLOSUM62であり、ギャップオープニングペナルティは、10であり、ギャップエクステンションペナルティは、0.5である。
【0157】
汚れ防止:
本発明の方法及び装置は、表面及び材料の汚れ防止のために使用され得る。本発明と共に使用することができる汚れ防止組成物は、米国特許第8,633,146号及び同第8,637,442号に詳細に記載されている。
【0158】
前処理:
本発明の方法及び装置は、表面及び材料の前処理のために使用され得る。前処理は、洗浄及び他の作業を容易にするのに役立つことができ、又は、後続処理又は表面若しくは材料の使用を見込んで表面上に物質を定置するために用いることができる。本発明と共に使用することができる前処理組成物としては、単なる短鎖アルコール、アルコールアルコキシレート、及びsolvactant、例えばC8P2、C6P1等が挙げられるが、これらに限定されない。更なる前処理組成物としては、アルキルフェノール及びアルキルフェノールエトキシレート、例えば、C4−C6PhOH、C4−C6PhE1等が挙げられる。更なる他の前処理組成物としては、より長鎖のアルコール及びエトキシレート並びにグリセロールエーテル、例えば、C12、及びC14などが挙げられる。
【0159】
香料及び悪臭抑制:
本発明の方法及び装置は、香料と悪臭抑制物質とを含む組成物を分注するために使用され得る。多くの場合香料は香りをマスキングするが、このような悪臭抑制技術は、悪臭抑制技術で処理された芳香を放つ部位又は芳香を放たない部位の香りと過度に干渉しない。
【0160】
好適な香料(presume)は、3−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール、3−(4−t−ブチルフェニル)−プロパナール、3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナール、3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−メチルプロパナール、及び2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、β−ダマセノン、6,7−ジヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4(5H)−インダノン、メチル−7,3−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、2−[2−(4−メチル−3−シクロヘキセニル−1−イル)プロピル]シクロペンタン−2−オン、2−sec−ブチルシクロヘキサノン、及びβ−ジヒドロイオノン、リナロール、エチルリナロール、テトラヒドロリナロール、及びジヒドロミルセノールなどの香料からなる群から選択される物質を含み得る。
【0161】
組成物は、香料成分の処理された基材への付着及び当該基材からの放出を安定化及び強化する1つ以上の香料送達技術を含み得る。このような香料送達技術を使用して、処理された基材から香料が放出する寿命を延長することもできる。香料送達技術、特定の香料送達技術を作製する方法、及びこのような香料送達技術の使用は、米国特許出願公開第2007/0275866(A1)号に開示されている。
【0162】
一態様において、本発明の組成物は、約0.001%〜約20%、又は約0.01%〜約10%、又は約0.05%〜約5%、又はさらに、約0.1%〜約0.5%の香料送達技術を含んでいてもよい。一態様では、前記香料送達技術は、香料マイクロカプセル、プロ香料、ポリマー粒子、官能化シリコーン、ポリマー支援型送達、分子支援型送達、繊維支援型送達、アミン支援型送達、シクロデキストリン、デンプン封入アコード、ゼオライト、及び無機担体、並びにこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0163】
一態様において、該香料送達技術は、有益剤を壁材料で少なくとも部分的に包み込むことによって形成されるマイクロカプセルを含んでもよい。前記有益剤としては、3−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール、3−(4−t−ブチルフェニル)−プロパナール、3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナール、3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−メチルプロパナール、及び2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、β−ダマセノン、6,7−ジヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4(5H)−インダノン、メチル−7,3−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、2−[2−(4−メチル−3−シクロヘキセニル−1−イル)プロピル]シクロペンタン−2−オン、2−sec−ブチルシクロヘキサノン、及びβ−ジヒドロイオノン、リナロール、エチルリナロール、テトラヒドロリナロール、及びジヒドロミルセノールなどの香料からなる群から選択される物質を挙げることができるだろう。好適な香料材料は、Givaudan Corp.(Mount Olive,New Jersey,USA)、International Flavors & Fragrances Corp.(South Brunswick,New Jersey,USA)、又はQuest Corp.(Naarden,Netherlands)から入手することができる。一態様において、マイクロカプセルの壁材料は、メラミン、ポリアクリルアミド、シリコーン、シリカ、ポリスチレン、ポリウレア、ポリウレタン、ポリアクリレート系材料、ゼラチン、スチレン無水リンゴ酸、ポリアミド、及びこれらの混合物を含んでいてもよい。一態様では、上記のメラミン壁材料は、ホルムアルデヒドで架橋したメラミン、ホルムアルデヒドで架橋したメラミン−ジメトキシエタノール及びこれらの混合物を含み得る。一態様では、上記のポリスチレン壁材料は、ジビニルベンゼンで架橋したポリスチレンを含み得る。一態様では、上記のポリウレア壁材料は、ホルムアミドで架橋した尿素、グルタルアルデヒドで架橋した尿素及びこれらの混合物を含み得る。一態様では、上記のポリアクリレート系材料は、メチルメタクリレート/ジメチルアミノメチルメタクリレートから形成されるポリアクリレート、アミンアクリレート及び/又はメタクリレートと強酸とから形成されるポリアクリレート、カルボン酸アクリレート及び/又はメタクリレートモノマーと強塩基とから形成されるポリアクリレート、アミンアクリレート及び/又はメタクリレートモノマーとカルボン酸アクリレート及び/又はカルボン酸メタクリレートモノマーとから形成されるポリアクリレート並びにこれらの混合物を含み得る。一態様では、香料マイクロカプセルは、付着助剤、カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、アニオン性ポリマー又はこれらの混合物でコーティングされ得る。好適なポリマーは、ポリビニルホルムアルデヒド、部分ヒドロキシル化ポリビニルホルムアルデヒド、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、エトキシル化ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。一態様において、マイクロカプセルは、香料マイクロカプセルであってもよい。一態様において、1種類以上のマイクロカプセル(例えば、異なる有益剤を含む2種類のマイクロカプセル)を使用してもよい。
【0164】
一態様において、香料送達技術は、アミン反応生成物(ARP)又はチオ反応生成物を含んでいてもよい。アミン官能基及び/又はチオ官能基が1つ以上のPRMと予備反応して反応生成物を生成することから、「反応性」ポリマー性アミン及び/又はポリマーチオールという呼び方をすることもできる。典型的には、反応性アミンは、一級及び/又は二級アミンであり、ポリマーの一部であってもモノマー(非ポリマー)であってもよい。また、このようなARPを追加のPRMと混合して、ポリマー支援型送達効果及び/又はアミン支援型送達の効果を提供することもできる。ポリマーアミンの非限定的な例としては、ポリエチレンイミン(PEI)などのポリアルキルイミン、又はポリビニルアミン(PVAm)に基づくポリマーが挙げられる。モノマー(非ポリマー)アミンの非限定的な例としては、ヒドロキシルアミン(例えば、2−アミノエタノール)及びそのアルキル置換誘導体、並びに芳香族アミン(例えば、アントラニレート)が挙げられる。ARPは、香料と予め混合しておいてもよく、リーブオン用途又はリンスオフ用途では別個に添加してもよい。別の態様において、例えば、酸素、リン又はセレンなどの窒素及び/又は硫黄以外のヘテロ原子を含有する材料をアミン化合物の代わりに使用することができる。更に別の態様では、前述の代替化合物をアミン化合物と併用してもよい。更なる別の態様では、1つの分子が、アミン部分と、代替ヘテロ原子部分(例えば、チオール、ホスフィン及びセレノール)のうちの1つ以上とを含んでもよい。その効果としては、香料の送達改善に加えて、香料の放出制御を挙げることができる。好適なARP並びにその製造方法は、米国特許出願第2005/0003980(A1)号及び米国特許第6,413,920(B1)号に見ることができる。
【0165】
臭気制御のために使用され得る組成物の例としては、SPMB、FFE、シクロデキストリン、悪臭調整剤、老化防止剤、クレモフォア、BEEPAのようなオリゴマー、シクロデキストリン(国際公開第200116266号に開示)、及びFirminichから入手可能なHaloscentなどの臭気マスキング技術が挙げられるが、これらに限定されない。
【0166】
以下は、布地フレッシュニング組成物として使用可能な液体組成物の実施例である。
【実施例】
【0167】
(実施例1)
【0168】
【表2】
【0169】
(実施例2)
【0170】
【表3】
【0171】
(実施例3)
【0172】
【表4-1】
【0173】
【表4-2】
【0174】
(実施例4)
【0175】
【表5】
【0176】
布地色調剤
本組成物は、布地色調剤(色合い剤、青味剤、又は白化剤と称される場合もある)を含み得る。典型的には、色調剤は、布地に青又は紫の色合いをもたらす。色調剤は、単独又は組み合わせのいずれかで使用し、特定の色調の色合いを作り出し、かつ/又は異なるタイプの布地に色合いをつけることができる。これは、例えば赤と緑−青の染料とを混合して青又は紫の色合いを生じさせることにより提供され得る。色調剤は、任意の既知の化学クラスの染料から選択されてもよく、これらは、アクリジン、アントラキノン(多環式キノンを含む)、アジン、予め金属化(premetallized)されているアゾを含むアゾ(例えば、モノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)、ベンゾジフラン及びベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ及びニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテン、並びにこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0177】
好適な布地色調剤は、染料、染料−粘土共役体、並びに有機及び無機顔料を含む。好適な染料としては、低分子染料及びポリマー染料が挙げられる。好適な小分子染料は、例えば、ブルー、バイオレット、レッド、グリーン、又はブラックに分類され、単独で又は組み合わせのいずれかで所望の色合いをもたらす、直接染料、塩基性染料、反応染料若しくは加水分解した反応性染料、溶媒染料、又は分散染料の色指数(C.I.)分類に分類される染料からなる群から選択される小分子染料を含む。別の態様では、好適な小分子染料としては、カラーインデックス(染色業者及びカラーリスト協会(Society of Dyers and Colourists,Bradford,UK))番号が、ダイレクトバイオレット染料9、35、48、51、66、及び99等、ダイレクトブルー染料1、71、80、及び279等、アシッドレッド染料17、73、52、88、及び150等、アシッドバイオレット染料15、17、24、43、49、及び50等、アシッドブルー染料15、17、25、29、40、45、75、80、83、90、及び113等、アシッドブラック染料1等、ベーシックバイオレット染料1、3、4、10、及び35等、ベーシックブルー染料3、16、22、47、66、75、及び159等、欧州特許第1794275号又は同第1794276号に記載されるもの等の分散又は溶剤染料、あるいは米国特許第7,208,459(B2)号に開示されている染料、並びにこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。別の態様では、好適な小分子染料としては、C.I.番号が、アシッドバイオレット17、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトブルー1、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー29、アシッドブルー113、又はこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。
【0178】
好適なポリマー染料には、共有結合している(共役していると称されることもある)色原体(色素ポリマー共役体)を含有するポリマー、例えば、ポリマーの主鎖に共重合した色原体を有するポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。ポリマー染料としては、国際公開第WO2011/98355号、同第WO2011/47987号、米国特許出願公開第2012/090102号、国際公開第WO2010/145887号、同第WO2006/055787号、及び同第WO2010/142503号に記載されているものが挙げられる。
【0179】
別の態様では、好適なポリマー染料としては、Liquitint(登録商標)(Milliken、Spartanburg,South Carolina、米国)の名称で販売されている布地直接着色剤、少なくとも1つの反応染料と、ヒドロキシル部分、一級アミン部分、二級アミン部分、チオール部分及びそれらの混合物からなる群から選択される部分を含むポリマーからなる群から選択されるポリマーとから形成される染料−ポリマー複合体からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。更に別の態様では、好適なポリマー染料は、Liquitint(登録商標)バイオレットCT、Megazyme、Wicklow、アイルランドから商品名AZO−CM−CELLULOSE、商品コードS−ACMCで販売されているC.I.リアクティブブルー19と複合されているCMCなどのリアクティブブルー、リアクティブバイオレット又はリアクティブレッドの染料に共有結合しているカルボキシメチルセルロース(CMC)、アルコキシル化トリフェニール−メタンポリマー着色料、アルコキシル化チオフェンポリマー着色料、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料を含む。
【0180】
好ましい色相染料として、国際公開第WO 08/87497(A1)号、同第WO2011/011799号、及び同第WO2012/054835号に記載された増白剤が挙げられる。本発明で使用するための好ましい色調剤は、国際公開第2011/011799号の表5の実施例1〜42から選択されるものを含む、これらの参照文献に開示されている染料であってもよい。他の好ましい染料は、米国特許第8,138,222号に開示されている。他の好ましい染料は国際公開第WO2009/069077号に開示されている。
【0181】
好適な染料−粘土結合体としては、少なくとも1つのカチオン性/塩基性染料及びスメクタイト粘土、並びにこれらの混合物を含む群から選択される染料−粘土結合体が挙げられる。別の態様では、好適な染料−粘土複合体は、C.I.ベーシックイエロー1〜108、C.I.ベーシックオレンジ1〜69、C.I.ベーシックレッド1〜118、C.I.ベーシックバイオレット1〜51、C.I.ベーシックブルー1〜164、C.I.ベーシックグリーン1〜14、C.I.ベーシックブラウン1〜23、CIベーシックブラック1〜11からなる群から選択される1つの陽イオン性/塩基性染料と、モンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土、サポナイト粘土、及びそれらの混合物からなる群から選択される粘土とからなる群から選択される、染料粘土複合体を含む。更に別の態様では、好適な染料粘土複合体としては、モンモリロナイトベーシックブルーB7 C.I.42595複合体、モンモリロナイトベーシックブルーB9 C.I.52015複合体、モンモリロナイトベーシックバイオレットV3 C.I.42555複合体、モンモリロナイトベーシックグリーンG1 C.I.42040複合体、モンモリロナイトベーシックレッドR1 C.I.45160複合体、モンモリロナイトC.I.ベーシックブラック2複合体、ヘクトライトベーシックブルーB7 C.I.42595共役体、ヘクトライトベーシックブルーB9 C.I.52015複合体、ヘクトライトベーシックバイオレットV3 C.I.42555複合体、ヘクトライトベーシックグリーンG1 C.I.42040複合体、ヘクトライトベーシックレッドR1 C.I.45160複合体、ヘクトライトC.I.ベーシックブラック2複合体、サポナイトベーシックブルーB7 C.I.42595複合体、サポナイトベーシックブルーB9 C.I.52015複合体、サポナイトベーシックバイオレットV3 C.I.42555複合体、サポナイトベーシックグリーンG1 C.I.42040複合体、サポナイトベーシックレッドR1 C.I.45160複合体、サポナイトC.I.ベーシックブラック2複合体、及びこれらの混合物からなる群から選択される染料粘土複合体が挙げられる。
【0182】
好適な顔料としては、フラバントロン、インダントロン、1〜4個の塩素原子を含有する塩素化インダントロン、ピラントロン、ジクロロピラントロン、モノブロモジクロロピラントロン、ジブロモジクロロピラントロン、テトラブロモピラントロン、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド(イミド基は、非置換であってもよく、又はC1〜C3−アルキル若しくはフェニル若しくは複素環式ラジカルによって置換されていてもよく、当該フェニル及び複素環式ラジカルは、水溶性を付与しない置換基を更に有してもよい)、アントラピリミジンカルボン酸アミド、ビオラントロン、イソビオラントロン、ジオキサジン顔料、1分子あたり最高2個の塩素原子を含有し得る銅フタロシアニン、1分子あたり最高14個の臭素原子を含有するポリクロロ−銅フタロシアニン又はポリブロモクロロ−銅フタロシアニン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。
【0183】
別の態様では、好適な顔料としては、ウルトラマリンブルー(C.I.ピグメントブルー29)、ウルトラマリンバイオレット(C.I.ピグメントバイオレット15)、及びこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。
【0184】
上記の色調剤は、組み合わせて用いることができる(布地色調剤のいずれの混合物も用いることができる)。
【0185】
漂白剤:
組成物は、漂白料及び/又は漂白剤を含んでもよい。好適な漂白剤としては、漂白活性化剤、有効酸素の供給源、予形成過酸、漂白触媒、還元漂白剤、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。存在する場合には、漂白剤、又はその任意の成分(例えば、予形成過酸)は、カプセル化等によりコーティングすることができ、又は尿素若しくはシクロデキストリンを使用する等によりクラスレート化(clathrated)することができる。
【0186】
好適な漂白活性化剤としては、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED);オキシベンゼンスルホネート、例えば、ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)、カプリルアミドノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NACA−OBS)、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネート(Iso−NOBS)、ドデシルオキシベンゼンスルホネート(LOBS)、及びこれらの任意の混合物;カプロラクタム;ペンタアセテートグルコース(PAG);ニトリル第四級アンモニウム;イミド漂白活性化剤、例えば、N−ノナノイル−N−メチルアセトアミド;並びにこれらの任意の混合物が挙げられる。
【0187】
好適な有効酸素(AvOx)の供給源は、過炭酸塩及び/又は過ホウ酸塩等の過酸化水素の供給源、例えば、過炭酸ナトリウムである。過酸素の供給源は、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、ホウケイ酸、又はこれらの混合塩を含むこれらの任意の混合物等のコーティング成分によって、少なくとも部分的にコーティングしてもよく、又は更には完全にコーティングしてもよい。好適な過炭酸塩は、流動床プロセスによって、又は結晶化プロセスによって調製することができる。好適な過ホウ酸塩としては、過ホウ酸ナトリウム一水和物(PB1)、過ホウ酸ナトリウム四水和物(PB4)、及び発泡性過ホウ酸ナトリウムとしても既知の無水過ホウ酸ナトリウムが挙げられる。他の好適なAvOxの供給源としては、オキソン等の過硫酸塩が挙げられる。別の好適なAvOxの供給源は、過酸化水素である。
【0188】
好適な予形成過酸は、N,N−フタロイルアミノ過酸化カプロン酸(PAP)である。
【0189】
好適な漂白触媒としては、オキサジリジニウム系漂白触媒、遷移金属漂白触媒、及び漂白酵素が挙げられる。
【0190】
好適なオキサジリジニウム系漂白触媒は、式(IX)を有する:
【0191】
【化8】
[式中、R
1は、H、3〜24個の炭素原子を含む分枝状アルキル基、及び1〜24個の炭素原子を含む直鎖アルキル基からなる群から選択され;R
1は、6〜18個の炭素原子を含む分枝状アルキル基、又は5〜18個の炭素原子を含む直鎖アルキル基であり、R1は、2−プロピルヘプチル、2−ブチルオクチル、2−ペンチルノニル、2−ヘキシルデシル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、イソ−ノニル、イソ−デシル、イソ−トリデシル、及びイソ−ペンタデシルからなる群から選択されることができ;R
2は、独立して、H、3〜12個の炭素原子を含む分枝状アルキル基、及び1〜12個の炭素原子を含む直鎖アルキル基からなる群から選択され;任意選択的に、R2は、独立して、H及びメチル基から選択され;nは0〜1の整数である]。
【0192】
組成物は、典型的には、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、及び/又はマンガンのカチオンを含む、遷移金属漂白触媒を含んでよい。好適な遷移金属漂白触媒は、マンガン系遷移金属漂白触媒である。
【0193】
本組成物には、還元漂白剤を含有させ得る。しかしながら、組成物は還元漂白剤を実質的に含まなくてもよい。実質的に含まないとは「意図的に添加されない」ことを意味する。好適な還元漂白剤としては、亜硫酸ナトリウム及び/又は二酸化チオ尿素(TDO)が挙げられる。
【0194】
本組成物には、共漂白剤粒子を含有させ得る。典型的には、共漂白剤粒子は、漂白活性化剤、及び過酸化物の供給源を含む。過酸化水素の供給源に対して大量の漂白活性化剤が共漂白剤粒子中に存在することが、非常に好適であり得る。共漂白剤粒子中に存在する、過酸化水素の供給源に対する漂白活性化剤の重量比は、少なくとも0.3:1、又は少なくとも0.6:1、又は少なくとも0.7:1、又は少なくとも0.8:1、又は少なくとも0.9:1、又は少なくとも1.0:1.0、又は更には少なくとも1.2:1以上であってよい。共漂白剤粒子は、(i)TAED等の漂白活性化剤、及び(ii)過炭酸ナトリウム等の過酸化水素の供給源、を含み得る。漂白活性化剤は、少なくとも部分的に、又は更には完全に、過酸化水素の供給源を封入することができる。共漂白剤粒子は、結合剤を含み得る。好適な結合剤は、ポリアクリレートポリマー等のカルボキシレートポリマー、並びに/又は直鎖C
11〜C
13アルキルベンゼンスルホネート等の非イオン性洗浄性界面活性剤及び/又はアニオン性洗浄性界面活性剤を含む界面活性剤である。共漂白剤粒子は、オキサジリジニウム系漂白触媒等の漂白触媒を含み得る。
【0195】
本発明の組成物はまた、光漂白剤及び/又は触媒(catylist)を含んでもよい。例えば、米国特許第6,232,281号、米国特許出願公開第2005028294号、米国特許出願公開第2009285768号、欧州特許第2213947号、及び国際公開第2004105874号は、これらの例を開示している。他の実施例は、1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、1,1’−ビフェニル−4−アミン、ベンゾフェノン、1,1’−ビフェニル−4,4’−ジオール、1,1’−ビフェニル−4−アミン、1,1’−ビフェニル−4−オール、1,1’:2’,1’’−テルフェニル、1,1’:3’,1’’−テルフェニル、1,1’:4’,1’’:4’’,1’’’−クアテルフェニル、1,1’:4’,1’’−テルフェニル、1,10−フェナントロリン、1,1’−ビフェニル、1,2,3,4−ジベンズアントラセン、1,2−ベンゼンジカルボニトリル、1,3−イソベンゾフランジオン、1,4−ナフトキノン、1,5−ナフタレンジオール、10H−フェノチアジン、10H−フェノキサジン、10−メチルアクリドン、1−アセトナフトン、1−クロロアントラキノン、1−ヒドロキシアントラキノン、1−ナフタレンカルボニトリル、1−ナフタレンカルボキシアルデヒド、1−ナフタレンスルホン酸、1−ナフタレノール、2(1H)−キノリノン、2,2’−ビキノリン、2,3−ナフタレンジオール、2,6−ジクロロベンズアルデヒド、21H,23H−ポルフィン、2−アミノアントラキノン、2−ベンゾイルチオフェン、2−クロロベンズアルデヒド、2−クロロチオキサントン、2−エチルアントラキノン、2H−1−ベンゾピラン−2−オン、2−メトキシチオキサントン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2−メチル−9(10−メチル)−アクリジノン、2−メチルアントラキノン、2−メチルベンゾフェノン、2−ナフタレンアミン、2−ナフタレンカルボン酸、2−ナフタレノール、2−ニトロ−9(10−メチル)−アクリジノン、9(10−エチル)−アクリジノン、3,6−アクリジンジアミン(qcridinediamine)、3,9−ジブロモペリレン、3,9−ジシアノフェナントレン、3−ベンゾイルクマリン、3−メトキシ−9−シアノフェナントレン、3−メトキシチオキサントン、3’−メチルアセトフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4’−フルオロアセトフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、4’−メチルアセトフェノン、4−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、6−メチルクロマノン、7−(ジエチルアミノ)クマリン、7H−ベンズ[de]アントラセン−7−オン、7H−ベンゾ[c]キサンテン−7−オン、7H−フロ[3,2−g][1]ベンゾピラン−7−オン、9(10H)−アクリジノン、9(10H)−アントラセノン、9(10−メチル)−アクリジノン、9(10−フェニル)−アクリジノン、9,10−アントラセンジオン、9−アクリジンアミン、9−シアノフェナントレン、9−フルオレノン、9H−カルバゾール、9H−フルオレン−2−アミン、9H−フルオレン、9H−チオキサンテン−9−オール、9H−チオキサンテン−9−オン、9H−チオキサンテン−2,9−ジオール、9H−キサンテン−9−オン、アセトフェノン、アクリデン、アクリジン、アクリドン、アントラセン、アントラキノン、アントロン、α−テトラロン、ベンズ[a]アントラセン、ベンズアルデヒド、ベンズアミド、ベンゾ[a]コロネン、ベンゾ[a]ピレン、ベンゾ[f]キノリン、ベンゾ[ghi]ペリレン、ベンゾ[rst]ペンタフェン、ベンゾフェノン、ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラメチル、クリセン、コロネン、ジベンズ[a,h]アントラセン、ジベンゾ[b,def]クリセン、ジベンゾ[c,g]フェナントレン、ジベンゾ[def,mno]クリセン、ジベンゾ[def,p]クリセン、DL−トリプトファン、フルオランテン、フルオレン−9−オン、フルオレノン、イソキノリン、メトキシクマリン、メチルアクリドン、ミヒラーケトン、ナフタセン、ナフト[1,2−g]クリセン、N−メチルアクリドン、p−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラクロロ、ペンタセン、フェナントレン、フェナントレンキノン、フェナントリジン、フェナントロ[3,4−c]フェナントレン、フェナジン、フェノチアジン、p−メトキシアセトフェノン、ピラントレン、ピレン、キノリン、キノキサリン、リボフラビン5’−(二水素ホスフェート)、チオキサントン、チミジン、キサンテン−9−オン、キサントン、これらの誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものなどの光活性化部分を含み得る。
【0196】
光活性化部分は、キサントン、キサンテン、チオキサントン、チオキサンテン、フェノチアジン、フルオレセイン、ベンゾフェノン、アロキサジン、イソアロキサジン、フラビン、これらの誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択するのが好ましい。好ましい一実施形態では、光活性化部分はチオキサントンである。
【0197】
本発明の消費者製品組成物に好適な他の水溶性光活性化剤としては、フルオレセイン及びその誘導体;好ましくは、ハロゲン置換フルオレセイン;より好ましくは、ブロモ−及びヨード−フルオレセイン、例えばジブロモフルオレセイン、ジヨード(diodo)フルオレセイン、ローズベンガル、エリトロシン、エオシン(例えばEosin Y)が挙げられる。
【0198】
毛玉−ケアザイム
本方法及び装置はまた、布地の毛玉を防止する及び/又は布地から毛玉を除去するのを支援するために使用され得る。本発明と共に使用することができる組成物としては、約0.25%〜約50%、約0.5%〜約25%、約0.75%〜約15%、又は約1%〜約10%の可溶化剤を含む組成物が挙げられるが、これらに限定されない。可溶化剤は、溶媒、乳化剤、界面活性剤、布地柔軟活性物質、及びその混合物からなる群から選択され得る。好ましくは、溶媒は、0.25%〜50%、1%〜20%、又は2%〜10%の範囲内で存在する。好ましくは、乳化剤は、0.1%〜10%、0.5%〜5%、0.1〜35%、1%〜25%、又は1.5%〜20%の範囲内で存在する。好ましくは、活性物質は、1%〜35%、2%〜20%、又は3%〜10%の範囲内で存在する。
【0199】
色復元:
本発明の方法及び装置はまた、布地及び硬質表面などの表面の色を復元するために使用され得る。色復元のために使用可能な組成物の例としては、以下の特許に記載されている組成物:米国特許出願公開第200924562号、国際公開第2010025097号、米国特許出願公開第20080242584号、米国特許出願公開第20110177994号、米国特許出願公開第2008/0242584A1号、米国特許出願公開第00906906号、米国特許出願公開第200906907号、米国特許出願公開第2009088363号、米国特許出願公開第2009209445号、米国特許第8,003,589号、米国特許第8,188,026号、米国特許第8,236,745号、米国特許第8,357,648号、米国特許出願公開第2009249562号、米国特許第8,097,047号、米国特許出願公開第2012246840号、米国特許出願公開第200917811号、米国特許出願公開第200917812号、国際公開第8084460号、国際公開第8084461号、米国特許出願公開第2010056419号、米国特許出願公開第201005642号、米国特許出願公開第2010056421号、米国特許出願公開第201129661号、米国特許第8,193,141号、米国特許第8,372,795号、米国特許第8,193,141号、米国特許第8,969,281号、及び以下の実施例に記載されている組成物が挙げられる。
【0200】
【表6】
1アルキルエトキシレートサルフェート、3モルのエトキシル化、The Procter & Gamble Companyから入手可能。
2アルキルエトキシレート、The Procter & Gamble Companyから入手可能。
3直鎖アルキルベンゼンスルホネート、The Procter & Gamble Companyから入手可能。
4非イオン性界面活性剤、Huntsman Corp.から入手可能。
5ジアリルジメチルアンモニウムクロリドのホモポリマー、ポリマー分子量約100,000〜約150,000。
6ジアリルジメチルアンモニウムクロリドのホモポリマー、ポリマー分子量約5,000〜約15,000。
7ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸のコポリマー、分子量約450,000〜550,000ダルトン。
8ラウリルアミドプロピルベタイン又はC12〜C16ココアミドプロピルベタイン(Inolexから商品名Lexaine(登録商標)CG30で供給)。
9分散剤、エトキシル化タローアミン、BASFから入手可能。
【0201】
しわ抑制:
本方法及び装置はまた、しわ抑制組成物を付着させるために使用され得る。しわ抑制組成物の例は、米国特許第6,908,962号、同第6,491,840号、同第6,815,411号、同第7,465,699号、同第6.645,392号、同第7,341,674(B1)号により詳細に記載されている。しわ抑制組成物の更なる例を以下の実施例5及び6に記載する。
【0202】
(実施例5)
【0203】
【表7】
(1)主にモノエステルからなり、約20モルのエチレンオキシドと縮合された、ソルビトール及び無水ソルビトールのステアレートエステルの混合物。
(2)主に約250℃未満の沸点を有する成分を含有する香料。
(3)主に約250℃以上の沸点を有する成分を含有する香料。
(4)主に約3.0以下のClogPを有する成分を含有する香料。
【0204】
(実施例6)
【0205】
【表8】
(a)ビニルアセテート/クロトン酸コポリマー。
(b)ビニルアセテート/ビニルプロピオネート/クロトン酸コポリマー。
(c)ポリビニルピロリドン/アクリル酸コポリマー。
(d)エチルアクリレート/アクリル酸/N−t−ブチルアクリルアミドコポリマー。
(e)エチルアクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート/アクリル酸コポリマー。
(f)ポリアクリレート分散体。
【0206】
更に他の実施例を以下に記載する。
【0207】
【表9】
(1)Akzo Nobel Chemical(Arnhem,Netherlands)から入手可能
(2)Presperse Inc.(Somerset,New Jersey)から入手可能
(3)Air producets and Chemicals,Inc.(Allentown,Pennsylvania)から入手可能
【0208】
布地回復:
本方法及び装置はまた、しわ抑制組成物を付着させるために使用され得る。布地回復組成物の例としては、布地の孔又は裂け目を封じ込める組成物が挙げられる。例えば、組成物は、布地材料の孔又は裂け目の部位に塗布された後に硬化して、孔又は裂け目が更に目立って大きくなるのを防止するのに十分な程度に布地の糸を結合させることができる。そのような組成物は、例えばストッキング又はタイツなどの靴下類の物品のほつれ又は孔が更に「伝線」するのを防止するのに特に有用である。この目的のために使用可能な組成物の例としては、結着剤、例えば、ニトロセルロース、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロース、スクロースアセテートイソブチレート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂及び/又はポリメチルメタクリレートなどと、有機溶媒とを有する組成物が挙げられるが、これらに限定されない。布地回復組成物の更なる例は、英国特許第2251437号により詳細に記載されている。
【0209】
他の実施形態では、組成物は、処置プロセス中に布地上に付着させるための水溶性又は水分散性再構築剤を含み得る。プロセスの間に、物質は化学変化を起こし、この変化によって、布地に対する物質の親和性が高められ得る。化学変化により、共有結合する1つ以上の基が失われ又は修飾され、エステル結合を介して再構築剤のポリマー主鎖にぶら下がり的に結合され得る。エステル結合基は、モノカルボン酸のエステルから選択される。加えて、組成物は、セルロースの水溶性沈殿添加剤(特に、上記エステル化セルロースのエステル分解添加剤)の存在下で水分散性の置換セルロース(特に、水分散性の部分エステル化セルロース)を含み得る。更に他の組成物は、仏国特許第2784391号により詳細に記載されている。
【0210】
更に他の布地回復組成物は、1種以上のキトサン、キチン、及びゼラチン、又はオルガノシリコン化合物を含んでもよい。キトサン及び/又はキチンは、繊維の表面に付着して非水溶性の被膜を形成することができる。被膜は、乾燥すると硬くて透明になり、取り付けられたはめ込み細工(inlay)、イオン結合、及び分子間力に物理的作用を加えて、繊維が互いに結合するのを助けることができる。組成物はまた、非常に高い耐擦性、及び改善された堅牢度を生じさせることにより、布地の耐久性を改善させることができる。有機ケイ素化合物は繊維の内部に入ることができ、布地を嵩高で柔軟にし、布地は移動可能で弾力的な、繊維の皮膜形成面となり、布地は、布地の滑らかな表面を形成する。これら及び他の布地回復組成物は、中国特許第103556464号に開示されている。
【0211】
布地を修復するための他の組成物としては、アカシアガム粉末を含む組成物が挙げられ、米国特許出願公開第2014/0047686号により詳細に開示されている。
【0212】
布地柔軟化:
本発明の方法及び装置は、布地柔軟化組成物を適用するために使用され得る。このため、組成物は、布地柔軟化活性物質(「FSA」)を含み得る。好適な布地柔軟化活性物質には、四級アンモニウム化合物(クォート)、アミン、脂肪酸エステル、ショ糖エステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、粘土、多糖、脂肪酸、ソフトニングオイル、ポリマーラテックス、及びこれらの混合物からなる群から選択される物質が挙げられるが、これらに限定されない。水不溶性布地ケア有益剤の非限定的な例としては、分散性ポリエチレン及びポリマーラテックスが挙げられる。
【0213】
好適なクォートとしては、エステル第四級アンモニウム化合物、アミド第四級アンモニウム化合物、イミダゾリン第四級アンモニウム化合物、アルキル第四級アンモニウム化合物、アミドエステル(amdioester)第四級アンモニウム化合物、及びこれらの混合物からなる群から選択される物質が挙げられるが、これらに限定されない。好適なエステル第四級アンモニウム化合物としては、モノエステル第四級アンモニウム化合物、ジエステル第四級アンモニウム化合物、トリエステル第四級アンモニウム化合物及びこれらの混合物から成る群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。一態様では、好適なエステル第四級アンモニウム化合物は、脂肪酸部分のアミン部分に対するモル比が1.85〜1.99であり、脂肪酸部分の平均鎖長が炭素原子16〜18個であり、遊離脂肪酸について計算された脂肪酸部分のヨウ素価が0.5〜60又は15〜50である、ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルアンモニウムメチルスルフェート脂肪酸エステルである。一態様では、ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルアンモニウムメチルスルフェート脂肪酸エステルの不飽和脂肪酸部分の二重結合のシス−トランス比は、それぞれ55:45〜75:25である。好適なアミド第四級アンモニウム化合物としては、モノアミド第四級アンモニウム化合物、ジアミド第四級アンモニウム化合物及びこれらの混合物から成る群から選択される物質が挙げられるが、これらに限定されない。好適なアルキル第四級アンモニウム化合物としては、モノアルキル第四級アンモニウム化合物、ジアルキル第四級アンモニウム化合物、トリアルキル第四級アンモニウム化合物、テトラアルキル第四級アンモニウム化合物、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0214】
布地柔軟化活性物質は、すすぎ工程での布地の柔軟化に好適な四級アンモニウム化合物であってもよい。一実施形態では、布地柔軟化活性物質は、脂肪酸とアミノアルコールとの反応生成物から形成され、これによって、モノ−、ジ−及び一実施形態ではトリエステル化合物の混合物が得られる。別の実施形態において、布地柔軟化活性物質は、モノアルキル四級アンモニウム化合物、ジアルキル四級アンモニウム化合物、ジアミド四級化合物、ジエステル四級アンモニウム化合物、又はこれらの組み合わせなどであるがこれらに限定されない、1つ以上の柔軟剤四級アンモニウム化合物を含む。
【0215】
布地柔軟化活性物質は、ジエステル第四級アンモニウム又はプロトン化ジエステルアンモニウム(以下「DQA」)化合物組成物を含んでもよい。本発明の特定の実施形態では、DQA化合物の組成物は、また、ジアミド布地柔軟化活性物質と、混合アミド及びエステル結合並びに上述のジエステル結合を有する布地柔軟化活性物質とを包含し、これらを全て本明細書ではDQAと称する。
【0216】
布地用柔軟剤は、以下のうちの少なくとも1つから選択される:ジタローオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、二水素添加タローオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、ジタロージメチルアンモニウムクロリド、二水素添加タロージメチルアンモニウムクロリド、ジタローオイルオキシエチルメチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、二水素添加タローオイルオキシエチルメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、又はこれらの組合せ。上に開示した柔軟剤活性物質の組合せが、本発明において使用するのに好適であることが理解されるであろう。
【0217】
本発明の組成物はシリコーンを含んでもよい。シリコーンの好適な濃度は、当該組成物の約0.1重量%〜約70重量%、あるいは約0.3重量%〜約40重量%、あるいは約0.5重量%〜約30重量%、あるいは約1重量%〜約20重量%を含み得る。有用なシリコーンは、任意のシリコーン含有化合物であり得る。一実施形態において、シリコーンポリマーは、環状シリコーン、ポリジメチルシロキサン、アミノシリコーン、カチオン性シリコーン、シリコーンポリエーテル、シリコーン樹脂、シリコーンウレタン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。一実施形態では、シリコーンは、ポリジアルキルシリコーン、あるいはポリジメチルシリコーン(ポリジメチルシロキサン又は「PDMS」)、又はこれらの誘導体である。別の実施形態では、シリコーンは、アミノ官能性シリコーン、アミノ−ポリエーテルシリコーン、アルキルオキシ化シリコーン、カチオン性シリコーン、エトキシ化シリコーン、プロポキシ化シリコーン、エトキシ化/プロポキシ化シリコーン、四級シリコーン又はこれらの組合せから選択される。
【0218】
シリコーンは、次式を有するランダム又はブロック状有機シリコーンポリマーから選択され得る:
[R
1R
2R
3SiO
1/2]
(j+2)[(R
4Si(X−Z)O
2/2]
k[R
4R
4SiO
2/2]
m[R
4SiO
3/2]
j
(式中、
jは、0〜約98の整数であり;一態様では、jは、0〜約48の整数であり;一態様では、jは、0であり;
kは、0〜約200の整数であり、一態様では、kは、0〜約50の整数であり、k=0であるとき、R
1、R
2又はR
3のうちの少なくとも1つは、−X−Zであり;
mは、4〜約5,000の整数であり;一態様では、mは、約10〜約4,000の整数であり;別の態様では、mは、約50〜約2,000の整数であり;
R
1、R
2及びR
3は、それぞれ独立して、H、OH、C
1〜C
32アルキル、C
1〜C
32置換アルキル、C
5〜C
32又はC
6〜C
32アリール、C
5〜C
32又はC
6〜C
32置換アリール、C
6〜C
32アルキルアリール、C
6〜C
32置換アルキルアリール、C
1〜C
32アルコキシ、C
1〜C
32置換アルコキシ及びX−Zからなる群から選択され;
各R
4は、独立して、H、OH、C
1〜C
32アルキル、C
1〜C
32置換アルキル、C
5〜C
32又はC
6〜C
32アリール、C
5〜C
32又はC
6〜C
32置換アリール、C
6〜C
32アルキルアリール、C
6〜C
32置換アルキルアリール、C
1〜C
32アルコキシ及びC
1〜C
32置換アルコキシからなる群から選択され;
当該アルキルシロキサンポリマーにおける各Xは、2〜12個の炭素原子を含む置換又は非置換二価アルキレンラジカルを含み、一態様では、各二価アルキレンラジカルは、独立して、−(CH
2)
s−からなる群から選択され、sは、約2〜約8、約2〜約4の整数であり;一態様では、当該アルキルシロキサンポリマーにおける各Xは、:−CH
2−CH(OH)−CH
2;−CH
2−CH
2−CH(OH)−;及び
【0219】
【化9】
から成る群から選択される置換二価アルキレンラジカルを含み;
各Zは、独立して、
【0220】
【化10】
からなる群から選択されるが、ただし、Zが第四級アンモニウム化合物であるとき、Qは、アミド、イミン又は尿素部分ではあり得ず、Qが、アミド、イミン又は尿素部分であるとき、当該アミド、イミン又は尿素部分と同じ窒素に結合している任意の追加のQは、H又はC
1〜C
6アルキルでなければならず、一態様ではこの追加のQは、Hであり;Zについては、A
n−は、好適な電荷平衡アニオンである。一態様では、A
n−は、Cl
−、Br
−、I
−、硫酸メチル、スルホン酸トルエン、カルボン酸及びリン酸から成る群から選択され;当該オルガノシリコーンにおける少なくとも1つのQは、独立して、
−CH
2−CH(OH)−CH
2−R
5;
【0221】
【化11】
から選択され、当該オルガノシリコーンにおける各追加のQは、独立して、H、C
1〜C
32アルキル、C
1〜C
32置換アルキル、C
5〜C
32又はC
6〜C
32アリール、C
5〜C
32又はC
6〜C
32置換アリール、C
6〜C
32アルキルアリール、C
6〜C
32置換アルキルアリール、−CH
2−CH(OH)−CH
2−R
5;
【0222】
【化12】
から選択され、
式中、各R
5は、独立して、H、C
1〜C
32アルキル、C
1〜C
32置換アルキル、C
5〜C
32又はC
6〜C
32アリール、C
5〜C
32又はC
6〜C
32置換アリール、C
6〜C
32アルキルアリール、C
6〜C
32置換アルキルアリール、−(CHR
6−CHR
6−O−)
w−L及びシロキシル残基からなる群から選択され;
各R
6は、独立して、H、C
1〜C
18アルキルから選択され;
各Lは、独立して、−C(O)−R
7又は
R
7から選択され;
wは、0〜約500の整数であり、一態様では、wは、1〜約200の整数であり;一態様では、wは、約1〜約50の整数であり;
各R
7は、独立して、H、C
1〜C
32アルキル;C
1〜C
32置換アルキル、C
5〜C
32又はC
6〜C
32アリール、C
5〜C
32又はC
6〜C
32置換アリール、C
6〜C
32アルキルアリール、C
6〜C
32置換アルキルアリール及びシロキシル残基からなる群から選択され;
各Tは、独立して、H、及び
【0223】
【化13】
から選択され;
式中、当該オルガノシリコーンにおける各vは、1〜約10の整数であり、一態様では、vは、1〜約5の整数であり、当該オルガノシリコーンにおける各Qの全ての添え字vの合計は、1〜約30、又は1〜約20、又は更には1〜約10の整数である)。
【0224】
シリコーンは、以下の式を有するランダム又はブロック状オルガノシリコーンポリマーから選択され得る:
[R
1R
2R
3SiO
1/2]
(j+2)[(R
4Si(X−Z)O
2/2]
k[R
4R
4SiO
2/2]
m[R
4SiO
3/2]
j
(式中、
jは、0〜約98の整数であり;一態様では、jは、0〜約48の整数であり;一態様では、jは、0であり;
kは、0〜約200の整数であり、k=0であるとき、R
1、R
2又はR
3のうちの少なくとも1つは、−X−Zであり;一態様では、kは、0〜約50の整数であり;
mは、4〜約5,000の整数であり;一態様では、mは、約10〜約4,000の整数であり;別の態様では、mは、約50〜約2,000の整数であり;
R
1、R
2及びR
3は、それぞれ独立して、H、OH、C
1〜C
32アルキル、C
1〜C
32置換アルキル、C
5〜C
32又はC
6〜C
32アリール、C
5〜C
32又はC
6〜C
32置換アリール、C
6〜C
32アルキルアリール、C
6〜C
32置換アルキルアリール、C
1〜C
32アルコキシ、C
1〜C
32置換アルコキシ及びX−Zからなる群から選択され;
各R
4は、独立して、H、OH、C
1〜C
32アルキル、C
1〜C
32置換アルキル、C
5〜C
32又はC
6〜C
32アリール、C
5〜C
32又はC
6〜C
32置換アリール、C
6〜C
32アルキルアリール、C
6〜C
32置換アルキルアリール、C
1〜C
32アルコキシ及びC
1〜C
32置換アルコキシからなる群から選択され;
各Xは、2〜12個の炭素原子を含む置換又は非置換二価アルキレンラジカルを含み;一態様では、各Xは、独立して、−(CH
2)
s−O−;−CH
2−CH(OH)−CH
2−O−;
【0225】
【化14】
からなる群から選択され、
式中、各sは、独立して、約2〜約8の整数であり、一態様では、sは、約2〜約4の整数であり;
当該オルガノシロキサンにおける少なくとも1つのZは、R
5;
【0226】
【化15】
から成る群から選択されるが、ただし、Xが
【0227】
【化16】
であるとき、Z=−OR
5又
【0228】
【化17】
であり;
A
−は、好適な電荷平衡アニオンである。一態様では、A
−は、Cl
−、Br
−、
I
−、硫酸メチル、スルホン酸トルエン、炭酸及びリン酸から成る群から選択され、
当該オルガノシリコーンにおける各追加のZは、独立して、H、C
1〜C
32アルキル、C
1〜C
32置換アルキル、C
5〜C
32又はC
6〜C
32アリール、C
5〜C
32又はC
6〜C
32置換アリール、C
6〜C
32アルキルアリール、C
6〜C
32置換アルキルアリール、R
5、
【0229】
【化18】
を含む群から選択されるが、ただし、Xが
【0230】
【化19】
であるとき、Z=−OR
5又は
【0231】
【化20】
であり;
各R
5は、独立して、H;C
1〜C
32アルキル;C
1〜C
32置換アルキル、C
5〜C
32又はC
6〜C
32アリール、C
5〜C
32又はC
6〜C
32置換アリール、又はC
6〜C
32アルキルアリール、又はC
6〜C
32置換アルキルアリール、−(CHR
6−CHR
6−O−)
w−CHR
6−CHR
6−L及びシロキシル残基からなる群から選択され、式中、各Lは、独立して、−C(O)−R
7又は−O−R
7、
【0232】
【化21】
から選択され;
wは、0〜約500の整数であり、一態様では、wは、0〜約200の整数であり、一態様では、wは、0〜約50の整数であり;
各R
6は、独立して、H又はC
1〜C
18アルキルから選択され;
各R
7は、独立して、H;C
1〜C
32アルキル;C
1〜C
32置換アルキル、C
5〜C
32又はC
6〜C
32アリール、C
5〜C
32又はC
6〜C
32置換アリール、C
6〜C
32アルキルアリール、及びC
6〜C
32置換アルキルアリール、及びシロキシル残基からなる群から選択され;
各Tは、独立して、H;
【0233】
【化22】
から選択され、
当該オルガノシリコーンにおける各vは、1〜約10の整数であり、一態様では、vは、1〜約5の整数であり、当該オルガノシリコーンにおける各Zの全ての添え字vの合計は、1〜約30、又は1〜約20、又は更には1〜約10の整数である)。
【0234】
シリコーンは、比較的大きな分子量を有し得る。シリコーンの分子量を記載するための好適な方法としては、その粘度を記載することが挙げられる。高分子量シリコーンは、約10mm
2/s〜約3,000,000mm
2/s、又は約100mm
2/s〜約1,000,000mm
2/s、又は約1,000mm
2/s〜約600,000mm
2/s、又は更には約6,000mm
2/s〜約300,000mm
2/s(約10cSt〜約3,000,000cSt、又は約100cSt〜約1,000,000cSt、又は約1,000cSt〜約600,000cSt、又は更には約6,000cSt〜約300,000cSt)の粘度を有するものである。
【0235】
一実施形態において、シリコーンは、次式を有するブロック状カチオン性オルガノポリシロキサンを含む。
M
wD
xT
yQ
z
[式中、
M=[SiR
1R
2R
3O
1/2]、[SiR
1R
2G
1O
1/2]、[SiR
1G
1G
2O
1/2]、[SiG
1G
2G
3O
1/2]、又はこれらの組み合わせであり;
D=[SiR
1R
2O
2/2]、[SiR
1G
1O
2/2]、[SiG
1G
2O
2/2]、又はこれらの組み合わせであり;
T=[SiR
1O
3/2]、[SiG
1O
3/2]、又はこれらの組み合わせであり;
Q=[SiO
4/2]であり;
w=1〜(2+y+2z)の整数であり;
x=5〜15,000の整数であり;
y=0〜98の整数であり;
z=0〜98の整数であり;
R
1、R
2及びR
3は、H、OH、C
1〜C
32アルキル、C
1〜C
32置換アルキル、C
5〜C
32又はC
6〜C
32アリール、C
5〜C
32又はC
6〜C
32置換アリール、C
6〜C
32アルキルアリール、C
6〜C
32置換アルキルアリール、C
1〜C
32アルコキシ、C
1〜C
32置換アルコキシ、C
1〜C
32アルキルアミノ、並びにC
1〜C
32置換アルキルアミノからなる群から各々独立して選択され;
M、D、又はTの少なくとも1つは、少なくとも1つのG
1、G
2、又はG
3部分を組み込んでおり;並びにG
1、G
2、又はG
3は、各々独立して、次式から各々独立して選択され:
【0236】
【化23】
(式中、
Xは、C
1〜C
32アルキレン、C
1〜C
32置換アルキレン、C
5〜C
32又はC
6〜C
32アリーレン、C
5〜C
32又はC
6〜C
32置換アリーレン、C
6〜C
32アリールアルキレン、C
6〜C
32置換アリールアルキレン、C
1〜C
32アルコキシ、C
1〜C
32置換アルコキシ、C
1〜C
32アルキレンアミノ、C
1〜C
32置換アルキレンアミノ、開環エポキシド及び開環グリシジルからなる群から選択される二価ラジカルを含むが、但し、Xが、繰り返しアルキレンオキシド部分を含まない場合には、Xは、P、N及びOからなる群から選択されるヘテロ原子を更に含むことができることを条件とし;各R
4は、H、C
1〜C
32アルキル、C
1〜C
32置換アルキル、C
5〜C
32又はC
6〜C
32アリール、C
5〜C
32又はC
6〜C
32置換アリール、C
6〜C
32アルキルアリール、及びC
6〜C
32置換アルキルアリールからなる群から独立して選択される、同一の又は異なる一価ラジカルを含み;Eは、C
1〜C
32アルキレン、C
1〜C
32置換アルキレン、C
5〜C
32又はC
6〜C
32アリーレン、C
5〜C
32又はC
6〜C
32置換アリーレン、C
6〜C
32アリールアルキレン、C
6〜C
32置換アリールアルキレン、C
1〜C
32アルコキシ、C
1〜C
32置換アルコキシ、C
1〜C
32アルキレンアミノ、C
1〜C
32置換アルキレンアミノ、開環エポキシド及び開環グリシジルからなる群から選択される二価ラジカルを含むが、但し、Eが、繰り返しアルキレンオキシド部分を含まない場合には、Eは、P、N及びOからなる群から選択されるヘテロ原子を更に含むことができることを条件とし;E’は、C
1〜C
32アルキレン、C
1〜C
32置換アルキレン、C
5〜C
32又はC
6〜C
32アリーレン、C
5〜C
32又はC
6〜C
32置換アリーレン、C
6〜C
32アリールアルキレン、C
6〜C
32置換アリールアルキレン、C
1〜C
32アルコキシ、C
1〜C
32置換アルコキシ、C
1〜C
32アルキレンアミノ、C
1〜C
32置換アルキレンアミノ、開環エポキシド及び開環グリシジルからなる群から選択される二価ラジカルを含むが、但し、E’が、繰り返しアルキレンオキシド部分を含まない場合には、E’は、P、N及びOからなる群から選択されるヘテロ原子を更に含むことができることを条件とし;pは、1〜50から独立して選択される整数であり;nは、1又は2から独立して選択される整数であり;G
1、G
2又はG
3のうちの少なくとも1つが、正電荷を有するとき、A
−tは、好適な電荷平衡アニオン(単数又は複数)であり、したがって、電荷平衡アニオン(単数又は複数)の全電荷であるkは、G
1、G
2又はG
3部分の正味電荷と大きさが等しく、かつ符号が反対であり;tは1、2、又は3から独立して選択される整数であり;k≦(p
*2/t)+1であり;したがって、カチオン電荷の総数は、オルガノポリシロキサン分子中のアニオン電荷の総数と釣り合い;少なくとも1つのEはエチレン部分を含まない]。
【0237】
1つの代表的な布地柔軟化組成物は米国特許第6,652,766号に記載されている。
【0238】
アイロン助剤:
本発明の方法及び装置はアイロン助剤を含んでもよい。アイロン助剤組成物の例は、米国特許第6,491,840号、米国特許第6,495,058号、及び米国特許出願公開第2003/0071075(A1)号に記載されている。
【0239】
表面の保護:
本発明の方法及び装置は、表面を保護することができる組成物を塗布するために使用され得る。例えば、ファイバー材料をダメージから保護する、印刷されたデザインを保護する、表面を変性させて撥水性にする又はより親水性にする組成物が塗布され得る。組成物はまた、石、コンクリート、プラスチック、木材等などの固体表面上に保護被覆を提供して、濡れ損、汚れ、物体が表面にぶつかることによって生じる損傷、光による損傷、及び化学物質による損傷等を防ぐのに役立ち得る。保護剤として使用するのに適した物質としては、油、テフロンコーティング材料、シリコーン、ダスティング材料、ワックス、ポリマー、エポキシ材料、UVブロッカー、被膜生成材料、及びこれらの組合せ、並びに表面を保護することが知られている又は見出されている他の材料を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0240】
他の使用:
本発明の方法及び装置は、硬質表面及び可撓性表面を処理するために、他の種類の組成物を塗布するために使用され得る。例えば、以下の特許は、洗浄を支援する、布地及び他の表面に所望の特性を与えるのを支援する、及び、布地を洗濯する、ないしは別の方法で処理する際に、材料及びエネルギーを節約するを支援するために使用することができる組成物を開示している:米国特許第6,503,413号、米国特許出願公開第2005/060811号、及び米国特許出願公開第2005/098759号。
【0241】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0242】
相互参照される又は関連する特許又は出願等の、本願に引用される全ての文書は、明示的に除外される、又は別途限定されない限り、参照によりその全体が本願に援用される。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0243】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、他の様々な変更及び修正を行うことができることは当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。