(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本技術の特定の実施例に関する以下の説明は、本技術の範囲を限定するために用いられてはならない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、実例として、本技術を実施する上で想到される最良の態様の1つである以下の説明より当業者には明らかとなろう。理解されるように、本明細書に述べられる技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、他の異なる明らかな態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものとみなされるべきである。
【0012】
本明細書に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものを、本明細書に述べられる他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものと組み合わせることができる点も更に理解されよう。したがって、以下に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して個別に考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な適当な方法が、当業者には直ちに明らかとなろう。かかる改変例及び変形例は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0013】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書において、遠位外科エンドエフェクタを有する外科器具を把持する操作者又は他の操作者に対して定義される。「近位」という用語は、操作者又は他の操作者により近い要素の位置を指し、「遠位」という用語は、外科器具の外科エンドエフェクタにより近く、かつ操作者又は他の操作者からより離れた要素の位置を指す。
【0014】
I.例示的な超音波外科システムの概説
図1は、例示的な外科システム(10)の構成要素を図形的ブロック形態で示したものである。示されるように、システム(10)は、超音波ジェネレータ(12)及び超音波外科器具(20)を備える。以下でより詳細に記載されるように、器具(20)は、超音波振動エネルギーを使用して、実質的に同時に、組織を切開し、組織(例えば、血管など)を封着又は接合するように動作可能である。ジェネレータ(12)及び器具(20)は、ケーブル(14)を介して一緒に結合されている。ケーブル(14)は、複数の導線を備えてもよく、ジェネレータ(12)から器具(20)への一方向の電気的導通、及び/又はジェネレータ(12)と器具(20)との間の双方向の電気的導通を与えることができる。あくまで一実施例として、ケーブル(14)は、外科器具(20)への電力のための「熱」線、アース線、及び外科器具(20)から超音波ジェネレータ(12)に信号を送信するための信号線を備えてもよく、シールドが3本の導線を覆っている。いくつかの変形形態において、別個の起動電圧に対して別個の「熱」線が使用される(例えば、第1の起動電圧に対して1本の「熱」線が使用され、第2の起動電圧に対して別の「熱」線が使用されるか、又はこれらの導線間で要求される出力に比例した可変電圧が使用される、など)。当然のことながら、任意のその他の好適な数又は構成の導線が使用されてもよい。ケーブル(14)が単に省略され得るように、システム(10)のいくつかの変形例が、ジェネレータ(12)を器具(20)内に組み込むことができることも理解されたい。
【0015】
単なる一実施例として、ジェネレータ(12)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により販売されているGEN 04、GEN 11、又はGEN 300を含み得る。更に又は代替として、ジェネレータ(12)は、2011年4月14日公開の「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」と題された米国特許出願公開第2011/0087212号の教示の少なくともいくつかに従って構築され得、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。代替的に、任意の他の好適なジェネレータ(12)が使用されてもよい。以下でより詳細に記載されるように、ジェネレータ(12)は、電力を器具(20)に供給して超音波外科手術を行うように動作可能である。
【0016】
器具(20)は、ハンドルアセンブリ(22)を備え、ハンドルアセンブリ(22)は、外科手術中に操作者の片手(又は両手)に把持されて操作者の片手(又は両手)によって操作されるように構成されている。例えば、いくつかの変形例では、ハンドルアセンブリ(22)は、操作者が鉛筆のように把持してもよい。いくつかの他の変形例では、ハンドルアセンブリ(22)は、操作者がハサミのように把持してもよいハサミグリップを含んでいてもよい。いくつかの他の変形例では、ハンドルアセンブリ(22)は、操作者がピストルのように把持してもよいピストルグリップを含んでいてもよい。当然のことながら、ハンドルアセンブリ(22)は、任意の他の好適な様態で把持されるように構成してもよい。更に、器具(20)のいくつかの変形例では、ハンドルアセンブリ(22)の代わりに、器具(20)を(例えば、リモートコントロールなどを介して)動作させるように構成されたロボット外科システムに結合された本体を代用してもよい。本実施例では、ブレード(24)は、ハンドルアセンブリ(22)から遠位に延在している。ハンドルアセンブリ(22)は、超音波トランスデューサ(26)と、超音波導波管(28)とを含んでおり、超音波導波管(28)は、超音波トランスデューサ(26)をブレード(24)と結合させている。超音波トランスデューサ(26)は、ケーブル(14)を介してジェネレータ(12)から電力を受け取る。超音波トランスデューサ(26)は、その圧電特性により、かかる電力を超音波振動エネルギーに変換するように動作可能である。
【0017】
超音波導波管(28)は、可撓性、半可撓性、剛性のものであってもよいか、又は任意の他の好適な性質を有してもよい。上述のように、超音波トランスデューサ(26)は、超音波導波管(28)を介してブレード(24)と一体結合されている。具体的には、超音波トランスデューサ(26)が超音波周波数で振動するように起動している場合、かかる振動は、超音波導波管(28)を介してブレード(24)に伝達されて、ブレード(24)も超音波周波数で振動することになる。ブレード(24)が起動状態である(すなわち、超音波的に振動している)場合、ブレード(24)は、組織を効果的に切断し、組織を封着するように動作可能である。したがって、超音波トランスデューサ(26)、超音波導波管(28)、及びブレード(24)は、ジェネレータ(12)によって電力供給される際に外科手術を行うための超音波エネルギーを供給する音響アセンブリを一緒に形成する。ハンドルアセンブリ(22)は、操作者を、トランスデューサ(26)、超音波導波管(28)、及びブレード(24)によって形成される音響アセンブリの振動から実質的に隔離するように構成されている。
【0018】
いくつかの変形例において、超音波導波管(28)は、超音波導波管(28)を介してブレード(24)に伝達される機械的振動を増幅してもよい。超音波導波管(28)は、超音波導波管(28)に沿った長手方向振動の利得を制御するための特徴部、及び/又は超音波導波管(28)をシステム(10)の共振周波数と同調させるための特徴部を更に有してもよい。例えば、超音波導波管(28)は、ほぼ均一な断面などの任意の好適な断面寸法/構成を有してもよく、様々な部分で先細になっていてもよく、その全長に沿って先細になっていてもよく、又は任意の他の好適な構成を有してもよい。超音波導波管(28)は、例えば、システムの波長の1/2の整数倍にほぼ等しい長さ(nλ/2)を有してもよい。超音波導波管(28)及びブレード(24)は、チタン合金(すなわち、Ti−6Al−4V)、アルミニウム合金、サファイア、ステンレス鋼、又は任意の他の音響的に適合した材料若しくは材料の組み合わせなどの、超音波エネルギーを効率的に伝搬する材料又は材料の組み合わせから構築されたソリッドコアシャフトから製作されてもよい。
【0019】
本実施例では、ブレード(24)の遠位端は、組織による負荷が音響アセンブリに加えられていないとき、好ましい共振周波数f
oに音響アセンブリを同調させるために、導波管(28)を介して伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに対応する位置に(すなわち、音響アンチノードに)位置する。トランスデューサ(26)が通電されると、ブレード(24)の遠位端は、例えば、ピーク間で約10〜500マイクロメートル、場合によっては、例えば、55.5kHzの所定の振動周波数f
oにて約20〜約200マイクロメートルの範囲で長手方向に移動するように構成されている。本実施例のトランスデューサ(26)が起動しているとき、これらの機械的な振動は、ブレード(24)に到達するように導波管(28)を介して伝達され、それにより共振超音波周波数でブレード(24)の振動をもたらす。このため、ブレード(24)の超音波振動が、組織の切断と隣接した組織細胞内のタンパク質の変性とを同時に行い、それにより比較的少ない熱拡散で凝固効果を提供することができる。いくつかの変形例において、組織を焼灼するために、電流もまたブレード(24)を介して提供されてもよい。
【0020】
あくまで一実施例として、超音波導波管(28)及びブレード(24)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により製品コードSNGHK及びSNGCBとして販売されている構成要素を備えてもよい。あくまで更なる一実施例として、超音波導波管(28)及び/又はブレード(24)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年7月23日発行の「Ultrasonic Surgical Blade with Improved Cutting and Coagulation Features」と題された米国特許第6,423,082号の教示に従って構築されてもよく、動作可能であり得る。別のあくまで例示的な実施例として、超音波導波管(28)及び/又はブレード(24)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1994年6月28日発行の「Ultrasonic Scalpel Blade and Methods of Application」と題された米国特許第5,324,299号の教示に従って構築されてもよく、動作可能であり得る。超音波導波管(28)及びブレード(24)の他の好適な特性及び形態が、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
【0021】
本実施例のハンドルアセンブリ(22)はまた、制御セレクタ(30)と、起動スイッチ(32)とを含んでおり、これらはそれぞれ、回路基板(34)と通信状態にある。あくまで一実施例として、回路基板(34)は、従来の回路基板、フレックス回路、リジッドフレックス回路を備えてもよく、又は任意の他の好適な構造を有してもよい。制御セレクタ(30)及び起動スイッチ(32)は、1つ若しくは2つ以上の導線、回路基板若しくはフレックス回路に形成された配線を介して、及び/又は任意の他の好適な方法で、回路基板(34)と連通することができる。回路基板(34)は、ケーブル(14)と結合されており、ケーブル(14)は、次いで、ジェネレータ(12)内の制御回路(16)と結合されている。起動スイッチ(32)は、超音波トランスデューサ(26)への電源を選択的に起動するように動作可能である。特に、スイッチ(32)が起動すると、かかる起動によってケーブル(14)を介して超音波トランスデューサ(26)に適切な電力が伝達される。あくまで一実施例として、起動スイッチ(32)は、本明細書で引用される様々な参照文献の教示のうちのいずれかに従って構築されてもよい。起動スイッチ(32)がとり得る他の様々な形態は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
【0022】
本実施例では、外科システム(10)は、少なくとも2つの異なるレベル又は種類の超音波エネルギー(例えば、異なる周波数及び/又は振幅など)をブレード(24)において供給するように動作可能である。そのために、制御セレクタ(30)は、操作者が所望のレベル/振幅の超音波エネルギーを選択することができるように動作可能である。あくまで一実施例として、制御セレクタ(30)は、本明細書で引用される様々な参照文献の教示のうちのいずれかに従って構築されてもよい。制御セレクタ(30)がとり得る他の様々な形態は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。いくつかの変形例において、操作者が制御セレクタ(30)によって選択を行う場合、操作者の選択は、ケーブル(14)を介してジェネレータ(12)の制御回路(16)に戻して伝達され、これに従って、次回操作者が起動スイッチ(32)を作動させるときに、制御回路(16)がジェネレータ(12)から伝達される電力を調節する。
【0023】
ブレード(24)において供給される超音波エネルギーのレベル/振幅は、ジェネレータ(12)からケーブル(14)を介して器具(20)に伝達される電力の特性の関数であり得ることを理解されたい。したがって、ジェネレータ(12)の制御回路(16)は、制御セレクタ(30)を通じて選択された超音波エネルギーのレベル/振幅又は種類に関連した特性を有する電力を(ケーブル(14)を介して)供給することができる。したがって、ジェネレータ(12)は、制御セレクタ(30)を介して操作者によって行われる選択に基づいて異なる種類又は程度の電力を超音波トランスデューサ(26)に伝達するように動作可能であり得る。具体的には、かつあくまで一実施例として、ジェネレータ(12)は、印加される信号の電圧及び/又は電流を増大させて、音響アセンブリの長手方向振幅を増大させることができる。あくまで例示的な一実施例として、ジェネレータ(12)は、それぞれ、約50マイクロメートル及び約90マイクロメートルのブレード(24)の振動共振振幅に対応し得る「レベル1」と「レベル5」との間の選択可能性を提供することができる。制御回路(16)が構成され得る様々な方法は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。制御セレクタ(30)及び起動スイッチ(32)の代わりに、2つ又は3つ以上の起動スイッチ(32)が使用され得ることも理解されたい。いくつかのかかる変形例では、ある起動スイッチ(32)は、ある電力レベル/種類でブレード(24)を起動させるように動作可能である一方で、別の起動スイッチ(32)は、別の電力レベル/種類などでブレード(24)を起動させるように動作可能である。
【0024】
いくつかの代替的な変形例では、制御回路(16)は、ハンドルアセンブリ(22)内に配置されている。例えば、いくつかのこのような変形例では、ジェネレータ(12)は、1種類の電力のみ(例えば、利用可能な1種類の電圧及び/又は電流のみ)をハンドルアセンブリ(22)に伝達し、ハンドルアセンブリ(22)内の制御回路(16)は、電力が超音波トランスデューサ(26)に達する前に、制御セレクタ(30)を介して操作者が行った選択に従って、電力(例えば、電力の電圧)を変更するように動作可能である。更に、ジェネレータ(12)を外科システム(10)のすべての他の構成要素と一緒にハンドルアセンブリ(22)内に組み込んでもよい。例えば、1つ若しくは2つ以上の電池(図示せず)又は他の携帯型電力源をハンドルアセンブリ(22)内に設けてもよい。
図1に示される構成要素が再配置されるか、又は他の方法で構成若しくは修正され得る更なる他の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
【0025】
II.例示的な超音波手術器具の概要
以下の説明は、器具(20)の種々の例示的な構成要素及び構成に関する。後述する器具(20)の種々の実施例は、前述したように、外科システム(10)内に容易に組み込まれ得ることを理解されたい。また前述した器具(20)の種々の構成要素及び操作性が、後述する器具(20)の例示的な変形例内に容易に組み込まれ得ることも理解されたい。上記及び下記の教示を組み合わせ得る様々な好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。また、以下の教示が、本明細書で引用される参考文献の様々な教示と容易に組み合わせられ得ることも理解されたい。
【0026】
図2〜
図4は、例示的な超音波手術器具(100)を例示している。器具(100)の少なくとも一部分は、以下の教示の少なくとも一部分に従って構築され、かつ操作可能であり得る:米国特許第5,322,055号、米国特許第5,873,873号、米国特許第5,980,510号、米国特許第6,325,811号、米国特許第6,773,444号、米国特許第6,783,524号、米国特許第8,461,744号、米国特許第8,623,027号、米国特許出願公開第2006/0079874号、米国特許出願公開第2007/0191713号、米国特許出願公開第2007/0282333号、米国特許出願公開第2008/0200940号、米国特許出願公開第2010/0069940号、米国特許出願公開第2012/0112687号、米国特許出願公開第2012/0116265号、米国特許出願公開第2014/0005701号、米国特許出願公開第2014/0114334号、米国特許出願公開第61/410,603号、及び/又は米国特許出願公開第14/028,717号。前述の特許、特許出願公開、及び特許出願の各々の開示が参照により本明細書に組み込まれる。これら文献中に記載され、以下により詳細に記載されるように、器具(100)は、実質的に同時に、組織を切断し、組織(例えば、血管など)を封止又は溶接するように動作可能である。また、器具(100)が、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesとの種々の構造的及び機能的な類似性を有し得ることを理解されたい。更に、器具(100)は、本明細書で引用され、参照により本明細書に組み込まれる他の参考文献のうちのいずれかにおいて教示される装置と、様々な構造的及び機能的な類似性を有し得る。
【0027】
本明細書に引用される参考文献の教示と、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示と、器具(100)に関する以下の教示との間に何らかの重複が存在する範囲で、本明細書のいかなる記述も従来技術として認められたものであるとみなす意図はない。本明細書のいくつかの教示は、事実、本明細書に引用した参考文献、並びにHARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示の範囲を超えるであろう。
【0028】
本実施例の器具(100)は、ハンドルアセンブリ(120)と、シャフトアセンブリ(130)と、エンドエフェクタ(140)と、を備える。ハンドルアセンブリ(120)は、ピストルグリップ(124)と、一対のボタン(126)と、を含む本体(122)を備える。ハンドルアセンブリ(120)は、ピストルグリップ(124)に向かうように、またそれから離れるように枢動可能なトリガ(128)を更に含む。しかしながら、鉛筆グリップ構成又はハサミグリップ構成を含むが、これらに限定されない、種々の他の好適な構成を用いてもよいことを理解されたい。エンドエフェクタ(140)は、超音波ブレード(160)と、枢動クランプアーム(144)と、を含む。クランプアーム(144)はトリガ(128)と結合され、その結果、クランプアーム(144)は、ピストルグリップ(124)に向かうトリガ(128)の枢動に応答して超音波ブレード(160)に向かって枢動可能となり、また、クランプアーム(144)は、ピストルグリップ(124)から離れるようなトリガ(128)の枢動に反応して、超音波ブレード(160)から離れるように枢動可能となる。本明細書の教示を考慮すれば、クランプアーム(144)をトリガ(128)と結合させ得る様々な好適な手段が当業者に明らかであろう。いくつかの変形例では、クランプアーム(144)及び/又はトリガ(128)を
図4に示す開放位置に付勢するために、1つ又は2つ以上の弾性部材が使用される。
【0029】
超音波トランスデューサアセンブリ(112)は、ハンドルアセンブリ(120)の本体(122)から近位に延在する。トランスデューサアセンブリ(112)は、ケーブル(114)を介してジェネレータ(116)に結合される。トランスデューサアセンブリ(112)は、ジェネレータ(116)から電力を受信して、圧電原理によってその電力を超音波振動に変換する。ジェネレータ(116)は、電源と、トランスデューサアセンブリ(112)による超音波振動の生成に特に適した電力プロフィールをトランスデューサアセンブリ(112)に提供するように構成されている制御モジュールとを含み得る。単なる一実施例として、ジェネレータ(116)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により販売されているGEN04、GEN11、又はGEN300を含み得る。更に又は代替として、ジェネレータ(116)は、2011年4月14日公開の「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」と題された米国特許出願公開第2011/0087212号の教示の少なくともいくつかに従って構築され得、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。更に、ジェネレータ(116)の機能の少なくとも一部がハンドルアセンブリ(120)に組み込まれていてもよく、またハンドルアセンブリ(120)は更に電池又は他の搭載された電源を含んで、その結果ケーブル(114)を省略してよいことも理解されたい。ジェネレータ(116)がとり得る更に他の好適な形態、並びにジェネレータ(116)が提供し得る種々の機能及び動作性が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。
【0030】
本実施例のブレード(160)は、特に組織がクランプアーム(144)とブレード(160)との間にクランプされるとき、超音波周波数で振動して組織を効果的に切断し封止するように動作可能である。ブレード(160)は、音響ドライブトレーンの遠位端に位置付けられる。この音響ドライブトレーンは、トランスデューサアセンブリ(112)と、音響導波管(102)と、を含む。トランスデューサアセンブリ(112)は、剛性音響導波管(102)のホーン(図示せず)の近位に位置する、一組の圧電ディスク(図示せず)を含む。圧電ディスクは、電力を超音波振動に変換するように動作可能であり、超音波振動は次に、音響導波管(102)に沿って送信され、音響導波管(102)は、既知の構成及び技術により、シャフトアセンブリ(130)を通ってブレード(160)まで延在している。あくまで一実施例として、音響ドライブトレーンのこの部分は、本明細書に引用される種々の参考文献の種々の教示に従って構成されてもよい。
【0031】
導波管(102)は、導波管(102)及びシャフトアセンブリ(130)を通るピン(133)によってシャフトアセンブリ(130)内に固定される。ピン(133)は、導波管(102)の長さに沿った、導波管(102)を通して伝達される共振超音波振動に関連するノードに対応する位置に位置する。超音波ブレード(160)が作動状態にある(すなわち、超音波振動している)とき、超音波ブレード(160)は組織を効果的に切り開いて封止するように動作可能であり、特に組織がクランプアーム(144)と超音波ブレード(160)との間にクランプされているときにそうである。導波管(102)は、導波管(102)を通して伝達される機械的振動を増幅するように構成され得ることを理解されたい。更に、導波管(102)は、導波管(102)に沿った長手方向の振動の利得を制御するように動作可能な特徴部、及び/又は導波管(102)をシステムの共振周波数に同調させる特徴部を含み得る。
【0032】
本実施例では、ブレード(160)の遠位端は、導波管(102)を通して伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに対応する位置に位置し、音響アセンブリに組織の負荷がかかっていないときの好ましい共振周波数f
oに音響アセンブリを調整する。トランスデューサアセンブリ(112)が通電されると、ブレード(160)の遠位端は、例えば、50kHz又は55.5kHzの所定の振動周波数f
oで、例えば、ピーク間で約10〜500マイクロメートルの範囲、いくつかの実例では約20〜約200マイクロメートルの範囲で、長手方向に運動するように構成されている。本実施例のトランスデューサアセンブリ(112)が作動されると、これらの機械的な振動が導波管(102)を通じて伝達されてブレード(160)に到達し、それによって、共振超音波周波数でブレード(160)の振動が提供される。したがって、組織がブレード(160)とクランプアーム(144)との間に固定されると、ブレード(160)の超音波振動が、組織の切断と、隣接した組織細胞におけるタンパク質の変性と、を同時に行い、それにより比較的小さい熱拡散で凝固効果が提供され得る。いくつかの変形例では、やはり組織を焼灼するために電流がブレード(160)及びクランプアーム(144)を通して更に提供され得る。音響伝達アセンブリ及びトランスデューサアセンブリ(112)のいくつかの構成を説明したが、音響伝達アセンブリ及びトランスデューサアセンブリ(112)の更に他の好適な構成が、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。同様に、本明細書の教示を考慮することで、エンドエフェクタ(140)の他の好適な構成も当業者には明らかになるであろう。
【0033】
操作者が、ボタン(126)を作動させて、トランスデューサアセンブリ(112)を選択的に作動させて、ブレード(160)を作動させてもよい。本実施例では、2つのボタン(126)が設けられており、一方はブレード(160)を低パワーで作動させるためのものであり、もう一方はブレード(160)を高パワーで作動させるためのものである。しかしながら、任意の他の好適な数のボタン及び/又は他の何らかの方法で選択可能な電力レベルが提供されてもよいことを理解されたい。例えば、トランスデューサアセンブリ(112)を選択的に起動させるために、フットペダルを提供してもよい。本実施例のボタン(126)は、操作者が片手で器具(100)を容易かつ完全に操作できるように配置されている。例えば、操作者は、親指をピストルグリップ(124)付近に位置付け、中指、薬指、及び/又は小指をトリガ(128)付近に位置付け、人差し指でボタン(126)を操作することができる。当然のことながら、任意の他の好適な技法を用いて器具(100)を把持及び操作してもよく、ボタン(126)は、任意の他の好適な位置に位置してもよい。
【0034】
本実施例のシャフトアセンブリ(130)は、外側シース(132)と、外側シース(132)内に摺動可能に配設された内側チューブ(134)と、内側チューブ(134)内に配設された導波管(102)と、を備える。後でより詳細に説明するように、内側チューブ(134)は、外側シース(132)に対して外側シース(132)内を長手方向に平行移動して、クランプアーム(144)をブレード(160)に向かって、かつそれから離れて選択的に旋回させるように動作可能である。本実施例のシャフトアセンブリ(130)は、回転アセンブリ(150)を更に含んでいる。回転アセンブリ(150)は、全体のシャフトアセンブリ(130)及びエンドエフェクタ(140)を、ハンドルアセンブリ(120)に対してシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸線の周りで回転させるように動作可能である。いくつかの変形例では、回転アセンブリ(150)は、シャフトアセンブリ(130)及びエンドエフェクタ(140)の角度位置を、シャフトアセンブリ(130)の長手方向軸線の周りでハンドルアセンブリ(120)に対して選択的に固定するように動作可能である。例えば、回転アセンブリ(150)の回転ノブ(152)は、第1の長手方向位置(シャフトアセンブリ(130)及びエンドエフェクタ(140)が、ハンドルアセンブリ(120)に対してシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸線の周りで回転可能である)と、第2の長手方向位置(シャフトアセンブリ(130)及びエンドエフェクタ(140)が、ハンドルアセンブリ(120)に対してシャフトアセンブリ(130)の長手方向軸線の周りで回転可能ではない)との間で平行移動可能であってもよい。当然のことながら、シャフトアセンブリ(130)は、上述のもののいずれかに加えて又はその代わりに、様々な他の構成要素、特徴部、及び動作性を有してもよい。シャフトアセンブリ(130)の他の好適な構成が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。
【0035】
図3及び
図4に示すように、エンドエフェクタ(140)は、超音波ブレード(160)と、クランプアーム(144)とを含んでいる。クランプアーム(144)は、クランプアーム(144)の下面に固定されてブレード(160)に面しているクランプパッド(146)を含んでいる。単なる実施例として、クランプパッド(146)は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料及び/又は任意の他の好適な材料(複数可)で形成され得る。単に更なる実施例として、エンドエフェクタ(146)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年6月9日発行の「Combination Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」と題された米国特許第7,544,200号の教示の少なくとも一部に従って、更に構築され、動作可能であり得る。
【0036】
クランプアーム(144)は、ピン(145)を介して、超音波ブレード(160)の上方のシャフトアセンブリ(130)の外側シース(132)の遠位端と旋回可能に結合される。
図4において最も良く分かるように、内側管(134)の遠位端は、ピン(135)を介して、超音波ブレード(160)の下方のクランプアーム(144)の近位端と回転可能に結合されていて、それにより、内側管(134)が長手方向に平行移動すると、クランプアーム(144)がピン(145)の周りで、超音波ブレード(160)に向かって及びそれから離れるように回転するようになっており、それによってクランプアーム(144)と超音波ブレード(160)との間で組織をクランプして、組織を切断及び/又は封止する。特に、外側シース(132)及びハンドルアセンブリ(120)に対する内側チューブ(134)の近位方向への長手方向の平行移動によって、クランプアーム(144)は超音波ブレード(160)に向かって移動し、外側シース(132)及びハンドルアセンブリ(120)に対する内側チューブ(134)の遠位方向への長手方向の平行移動によって、クランプアーム(144)は超音波ブレード(160)から離れる方向に移動する。
【0037】
本実施例では、トリガ(128)は、ハンドルアセンブリ(120)に枢動可能に結合され、内側管(134)に更に結合されている。特に、トリガ(128)がピストルグリップ(124)に向かって枢動することにより、外側シース(132)及びハンドルアセンブリ(120)に対する内側管(134)の近位長手方向の平行移動が生じ、また、トリガ(128)がピストルグリップ(124)から離れるように枢動することにより、外側シース(132)及びハンドルアセンブリ(120)に対する内側管(134)の遠位長手方向の平行移動が生じる。最後に、前述したように、内側チューブ(134)が長手方向に平行移動すると、クランプアーム(144)がブレード(160)に向かって、かつそれから離れて回転するため、トリガ(128)がピストルグリップ(124)に向かって旋回すると、クランプアーム(144)が超音波ブレード(160)に向かって移動することを理解されたい。また、ピストルグリップ(124)から離れてトリガ(128)を旋回させると、クランプアーム(144)を超音波ブレード(160)から離れて移動させることになることを理解されたい。この動作を提供するためにトリガ(128)を内側管(134)に結合するのに使用され得る、種々の好適な構成要素及び特徴部が、本明細書に引用される参考文献のうちのいくつかで開示されている。この動作を提供するためにトリガ(128)を内側管(134)と結合するのに使用され得る、種々の好適な構成要素及び特徴部が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。また、いくつかの変更例において、トリガ(128)は、内側管(134)が静止してとどまる間に、外側シース(132)を長手方向に駆動するように動作可能であることも理解されたい。かかる変形例では、内側管(134)に対する外側シース(132)の平行移動は同様に、クランプアーム(144)の超音波ブレード(160)に向かっての及びそれから離れるような枢動を引き起こす。
【0038】
図5は、ブレード(160)が超音波起動されている状態で組織がクランプアーム(144)とブレード(160)との間にクランプされている間の組織温度(202)を経時的にプロットする、例示的なグラフ(200)を示す。このグラフ(200)の原点は、組織がクランプアーム(144)とブレード(160)との間にクランプされている間にブレード(160)が超音波起動される瞬間を表す。線(204)は、ブレード(160)によって印加される超音波エネルギーに応答して組織が封止し始める温度レベルを表す。同様に、線(206)は、ブレード(160)によって印加された超音波エネルギーに応答して組織が封止し始める時間を表す。線(208)は、組織の封止が完了した時間を表す。したがって、線(206、208)間の距離は、組織がエンドエフェクタ(140)による封止を受けている継続時間を表すことを理解されたい。
【0039】
また、本実施例では、組織の温度は、線(206、208)間の離間距離によって表される継続期間中に上昇し続けることも理解されたい。いくつかの代替の変形例では、エンドエフェクタ(140)は、検知性能を含んでもよく、それにより、エンドエフェクタ(140)は、封止の行為の最中(すなわち、線(206)と線(208)との間に表される継続期間中)に、組織温度(202)を、実質的に線(204)に関連付けられるレベルで維持可能となっている。換言すると、検知性能は、組織が過熱されるのを防止し得る。かかる検知は、本明細書に引用される1つ又は2つ以上の参考文献の教示に従って提供され得る。
【0040】
また、組織の温度が線(206)と線(208)との間に表される継続期間にわたって増加し続けるか又は概して一定にとどまるかにかかわらず、かかる検知を用いて、組織が適切に封止された状態(すなわち、線(208)によって表される瞬間)に達したと判定されると、ブレード(160)を自動的に起動停止してもよいことも理解されたい。再び、かかる検知及び応答は、本明細書に引用される1つ又は2つ以上の参考文献の教示に従って提供され得る。
【0041】
更に又は代替として、操作者は、組織が適切な封止状態に達したことを判定するために、目視及び/又はトリガ(128)を介した触覚フィードバック(例えば、クランプアーム(144)からのクランプ力の違いを感知する)に依存してもよい。次いで、操作者は、起動しているボタン(126)を解除してブレード(160)を起動停止し、解除トリガ(128)を解除してクランプアーム(144)を組織から離れるように枢動させ、それによって線(208)によって表される封止段階の終了を手動で確立し得る。
【0042】
器具(100)の前述の構成要素及び動作性は、単に例示的なものである。本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろうように、器具(100)は様々な他の方法で構成され得る。単なる実施例として、器具(100)の少なくとも一部は、その開示内容がすべて参照により本明細書に組み込まれる、次の特許文献のいずれかの教示の少なくとも一部に従って構築されかつ/又は動作可能であり得る:米国特許第5,322,055号、米国特許第5,873,873号、米国特許第5,980,510号、米国特許第6,325,811号、米国特許第6,783,524号、米国特許出願公開第2006/0079874号、米国特許出願公開第2007/0191713号、米国特許出願公開第2007/0282333号、米国特許出願公開第2008/0200940号、米国特許出願公開第2010/0069940号、米国特許出願公開第2011/0015660号、米国特許出願公開第2012/0112687号、米国特許出願公開第2012/0116265号、米国特許出願公開第2014/0005701号、及び/又は米国特許出願公開第2014/0114334号。器具(100)の更なる単に例示としての変形例を以下でより詳細に説明する。下記で説明する変形は、とりわけ、上記の器具(100)及び本明細書で引用した参考文献のいずれかで言及される任意の器具に容易に適用され得ることを理解されたい。
【0043】
III.超音波性能及び電気外科的性能を組み合わせた例示的なエンドエフェクタ
従来の形態の器具(20、100)が使用されるいくつかの実例においては、組織がクランプアーム(144)とブレード(160)との間にクランプされている間に、ブレード(160)の起動に応答して組織が封止し始める温度に組織が達するのに比較的長い時間がかかり得る。換言すると、再び
図5を参照して、ブレード(160)が起動される瞬間と、線(206)によって表される瞬間との間の継続期間は比較的長くあり得る。したがって、この「予熱」時間を加速させることが望ましくあり得る。下記により詳細に記載されるように、この「予熱」時間が加速され得る1つの方法は、組織にRF電気外科エネルギーを印加することである。同じく下記により詳細に記載されるように、このRF電気外科エネルギーは、組織に超音波エネルギーを印加するのと同じエンドエフェクタを使用して印加され得る。RF電気外科性能及び超音波性能の一般的な組み合わせを提供することに加えて、下記の実施例は、これらの2つの異なるエネルギーモダリティの適用を調節して組織の過熱を回避する制御アルゴリズムを更に提供する。以下の実施例は、したがって、過熱をもたらすことなく、向上した予熱性能を提供する。
【0044】
図6は、組織の過熱をもたらすことなく、向上した組織予熱性能を提供可能であるシステム(250)を形成するために使用され得る、構成要素の配置を示す。このシステム(250)の構成要素及び動作性は、上述のシステム(10)の構成要素及び動作性と容易に組み合わされ得ることを理解されたい。本実施例のシステム(250)は、電源(252)と、制御モジュール(256)と、音響ドライブトレーン(258)と、RF電気外科ドライブトレーン(260)と、センサ(262)とを備える。
【0045】
本実施例の電源(252)は、音響ドライブトレーン(258)及びRF電気外科ドライブトレーン(260)を駆動する電力を供給するように動作可能である。電源(252)はまた、制御モジュール(256)を動作可能にするために必要とされるどのような電力も供給するように動作可能である。単なる実施例として、動力源(252)は、上述のジェネレータ(12、116)などのジェネレータを含み得る。更に上述したように、電源(252)は、システム(250)に関連付けられる手術器具に組み込まれてもよく、又はケーブル(14、114)などのようなケーブルを介して手術器具と結合されてもよい。電源(252)がとり得る種々の好適な形態が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。
【0046】
本実施例の制御モジュール(256)は、制御ロジックを実行するように構成されているマイクロプロセッサ及び/又は種々の他のハードウェア構成要素を含み得る。特に、制御モジュール(256)は、制御ロジックを介して提供される1つ又は2つ以上の制御アルゴリズムに従って、電源(252)から音響ドライブトレーン(258)及びRF電気外科ドライブトレーン(260)に選択的に電力を供給するように動作可能である。センサ(262)が存在する変形例では、制御モジュール(256)は、センサ(262)からデータを受信し、それによって、制御ロジックを実行する際にかかるデータを考慮に入れるように動作可能である。いくつかの変形例では、制御モジュール(256)は、電源(252)(例えば、システム(250)に関連付けられる手術器具とは別個のジェネレータ(12、116))に組み込まれる。いくつかの他の変形例では、制御モジュール(256)は、システム(250)に関連付けられる手術器具に組み込まれる。制御モジュール(256)がとり得る種々の好適な形態が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。
【0047】
本実施例の音響ドライブトレーン(258)は、制御モジュール(256)によって調節される、電源(252)からの電力に応答して、超音波振動を生成し、伝達するように動作可能である。単なる実施例として、音響ドライブトレーン(258)は、上述のように、超音波トランスデューサ(26、112)、導波管(28)、及び超音波ブレード(24、160)を含み得る。内視鏡(258)がとり得る他の好適な形態が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。
【0048】
本実施例のRF電気外科ドライブトレーン(260)は、制御モジュール(256)によって調節される、電源(252)からの電力に応答して、組織にRF電気外科エネルギーを印加するように動作可能である。単なる実施例として、RF電気外科ドライブトレーン(260)は、制御モジュール(256)に結合されている一対の電極及び対応する一対の電気導管(例えば、ワイヤ、トレースなど)を含み得る。下記により詳細に記載されるように、RF電気外科ドライブトレーン(260)の電極は、音響ドライブトレーン(258)の超音波ブレードと同じエンドエフェクタに組み込まれ得る。例えば、クランプアーム(144)などのクランプアームは、双極エネルギーの印加のために各々が異なる極を提供する2つの電極を含み得る。別の単なる例示的な実施例として、クランプアーム(144)などのクランプアームが、一方の極を提供するための単一電極を含み得る一方で、ブレード(24、160)などの超音波ブレードは、双極エネルギーの印加のために他方の極を提供するための別の電極として機能し得る。更に別の単なる例示的な実施例として、エンドエフェクタは、電極を(例えば、クランプアーム(144)などのクランプアームにおいて、又はブレード(24、160)などの超音波ブレードにおいて)1つだけ含み得、エンドエフェクタが組織に単極エネルギーを印加するように動作可能であるように、従来の接地パッドが、別の電極を提供するために患者に固定され得る。RF電気外科ドライブトレーン(260)がとり得る他の好適な形状が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。
【0049】
本実施例のセンサ(262)は、システム(250)に関連付けられる器具のエンドエフェクタによって係合されている組織の状態を検知するように動作可能である。特に、センサ(262)は、
図5に示すように、組織が線(204)に関連付けられる適切な封止温度に達したことを示す1つ又は2つ以上の組織状態を検知するように動作可能である。単なる実施例として、センサ(262)は、従来の温度センサを含み得る。別の単なる例示的な実施例として、センサ(262)は、インピーダンスセンサ(例えば、組織のインピーダンスが、組織が適切な温度に達したか、あるいは封止状態に達したことを示す限り)を含み得る。更に別の単なる例示的な実施例として、センサ(262)は、正の温度係数(positive temperature coefficient、PTC)サーミスタを含み得る。センサ(262)がとり得る他の好適な形態が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。また、センサ(262)が、エンドエフェクタによって係合されている組織に直接接触し得るように、センサ(262)は、システム(250)に関連付けられる器具のエンドエフェクタ(例えば、クランプアーム(144)などのクランプアーム内)に組み込まれ得ることも理解されたい。システム(250)のいくつかの変形例では、センサ(262)は省略される。
【0050】
以下の実施例は、システム(250)に組み込まれ得る種々のエンドエフェクタ構成、及びシステム(250)を介して実行され得る種々の制御アルゴリズムを含む。下記の特徴、構成、及び機能性を有することに加えて、以下の実施例はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年3月4日発行の「Ultrasonic Electrosurgical Instruments」と題された米国特許第8,663,220号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年5月21日公開の「Ultrasonic Surgical Instrument with Electrosurgical Feature」と題された米国特許出願公開第2015/0141981号、及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年12月11日出願の「End Effector for Instrument with Ultrasonic and Electrosurgical Features」と題された米国特許出願公開第62/265,611号に教示される種々の特徴、構成、及び/又は機能性のうちのいずれかを有してもよい。以下の教示がこれらの参考文献の教示と組み合わされ(及び/又は本明細書に引用されるその他の参考文献の教示と組み合わされ)得る種々の好適な方法が、当業者には明らかとなろう。
【0051】
A.クランプアームが電極対を有する例示的なエンドエフェクタ
図7〜
図8は、上述のシステム(250)の機能性を提供するためにエンドエフェクタ(140)の代わりに器具(100)に組み込まれ得る、例示的なエンドエフェクタ(300)を示す。エンドエフェクタ(340)は、クランプアーム(330)と、超音波ブレード(320)とを備える。エンドエフェクタ(340)は、シャフトアセンブリ(310)の遠位端に位置する。シャフトアセンブリ(310)は、外側管(312)と、内側管(314)とを含む。クランプアーム(330)は、外側管(312)と、そして内側管(314)とも枢動可能に結合され、これによりクランプアーム(330)は、管(312、314)間の相対移動に応答して、ブレード(320)に向かって及びそれから離れるように枢動するように構成されている。クランプアーム(330)は、したがって、上述のクランプアーム(144)と同様に枢動可能である。いくつかの変形例では、外側管(312)は、クランプアーム(330)の枢動移動を提供するために、内側管(314)が静止してとどまる間に平行移動する。いくつかの他の変形例では、内側管(314)は、クランプアーム(330)の枢動移動を提供するために、外側管(312)が静止してとどまる間に平行移動する。また、クランプアーム(330)と管(312、314)との間の接続は、主枢軸が外側管(312)の代わりに内側管(314)上にあるように、逆にしてもよいことも理解されたい。
【0052】
本実施例のブレード(320)は、上述のブレード(24、160)と同様に構成され、動作可能である。代替的に、ブレード(320)は、任意の他の好適な構成を有してもよい。上述のシステム(250)の関連において、ブレード(320)は音響ドライブトレーン(258)の一部として機能することを理解されたい。
【0053】
本実施例のクランプアーム(330)は、上述のクランプアーム(144)と実質的に同様である。特に、クランプアーム(330)は、クランプアーム本体(332)と、レール(350)によってクランプアーム本体(332)に固定されているクランプパッド(334)とを備える。単なる実施例として、クランプパッド(334)は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料及び/又は任意の他の好適な材料(複数可)で形成され得る。クランプアーム(144)とは異なり、本実施例のクランプアーム(330)は、一対の電極(336、338)と、センサ(340)とを更に含む。本実施例では、電極(336、338)は、電極(336、338)に接触する組織に双極RF電気外科エネルギーを印加するために反対の極を提供するように構成されている。いくつかの他の変形例では、両電極(336、338)が一方の極を提供する一方で、ブレード(320)は、電極(336、338)及びブレード(320)に接触する組織に双極RF電気外科エネルギーを印加するための別の極を提供する。いずれの場合も、クランプパッド(334)を形成する材料は、電極(336、338)間の短絡を防止する電気絶縁特性を有し得ることを理解されたい。また、上述のシステムの関連において、電極(336、338)は、RF電気外科ドライブトレーン(260)の一部として機能することも理解されたい。
【0054】
本実施例では、電極(336、338)は、クランプパッド(334)の全長に沿って延在し、クランプパッド(334)の横方向に最も外側の領域に位置付けられている。いくつかの代替の変形例では、電極(336、338)の一方又は両方が、
図7〜
図8に示す位置から横方向に内側に位置付けられ、結果的にクランプパッド(334)の一部分は、電極(336、338)から横方向に外側に位置付けられている。また、3つ又は4つ以上の電極が、クランプパッド(334)上に設けられ得ることも理解されたい。いくつかの変形例では、中心電極は、クランプパッド(334)の長さの少なくとも一部に沿って長手方向に延在し、クランプパッド(334)に対して横方向にセンタリングされ、クランプパッド(334)の組織接触面に対して凹設される。かかる電極の位置決めは、電極がブレード(320)に接触不可能でありながら組織に接触することを可能にし得る。かかる電極の凹設はまた、クランプパッド(334)内の1つよりも多くの電極に適用されてもよく、必ずしも単一の中心電極に限定されていない。電極(336、338)の他の好適な構成及び配置が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。
【0055】
本実施例のセンサ(340)は、エンドエフェクタ(300)の遠位端に位置し、電極(336、338)間に横方向に位置付けられている。この位置は、単なる1つの例示的な実施例にすぎない。センサ(340)の他の好適な位置が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。また、エンドエフェクタ(300)は、所望であれば2つ又は3つ以上のセンサ(340)を含んでよいことも理解されたい。
【0056】
本実施例のセンサ(340)は、クランプパッド(334)によって係合されている組織の状態を検知するように動作可能である。特に、センサ(340)は、
図5に示すように、組織が線(204)に関連付けられる適切な封止温度に達したことを示す1つ又は2つ以上の組織状態を検知するように動作可能である。単なる実施例として、センサ(340)は、従来の温度センサを含み得る。別の単なる例示的な実施例として、センサ(340)は、インピーダンスセンサ(例えば、組織のインピーダンスが、組織が適切な温度に達したか、あるいは封止状態に達したことを示す限り)を含み得る。更に別の単なる例示的な実施例として、センサ(340)は、正の温度係数(PTC)サーミスタを含み得る。更に別の単なる例示的な実施例として、センサ(340)は、組織の光検知に基づいて組織の状態を判定可能である光学センサを含み得る。センサ(340)がとり得る他の好適な形態が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。上述のシステム(250)の関連において、センサ(340)は、センサ(262)の目的を果たすことを理解されたい。
【0057】
図8に示すように、エンドエフェクタ(300)を使用して、組織(T
1、T
2)をクランプアーム(330)とブレード(320)との間にクランプしてもよい。エンドエフェクタ(300)は2層の組織(T
1、T
2)をクランプしているように示されるが、エンドエフェクタ(300)のいくつかの使用例は、1層のみの組織(T
1、T
2)をクランプすることを含み得ることを理解されたい。いずれの場合も、エンドエフェクタ(300)は、組織(T
1、T
2)を単に封止するか、又は組織(T
1、T
2)を切断及び封止するかのいずれのためにも起動され得る。エンドエフェクタ(300)が起動されてRF電気外科エネルギーを印加するとき、RF電気外科エネルギーは、電極(336、338)間に位置付けられている組織(T
1、T
2)を通して流れ得る。更に又は代替として、エンドエフェクタ(300)が起動されてRF電気外科エネルギーを印加するとき、RF電気外科エネルギーは、電極(336、338)とブレード(320)との間に位置付けられている組織(T
1、T
2)を通して流れ得る。エンドエフェクタ(300)が起動されて超音波エネルギーを印加するとき、ブレード(320)は、クランプアーム(330)とブレード(320)との間にクランプされた組織の領域に超音波エネルギーを印加する。下記により詳細に記載されるように、エンドエフェクタ(300)は、RF電気外科エネルギー及び超音波エネルギーを別個に順次に、又は一緒に同時に印加してよい。いずれの場合も、制御モジュール(256)は、RF電気外科エネルギー及び/又は超音波エネルギーを印加するために適切なアルゴリズムを決定し得る。
【0058】
エンドエフェクタ(300)が組織(T
1、T
2)にRF電気外科エネルギー及び/又は超音波エネルギーを印加する間、センサ(340)は、組織(T
1、T
2)に関連付けられる1つ又は2つ以上の状態を継続的に検出し、データを制御モジュール(256)に提供し得る。制御モジュール(256)は、このデータを制御アルゴリズムの係数として処理し得、これを用いて、組織(T
1、T
2)にRF電気外科エネルギー及び/又は超音波エネルギーを印加すべきか、並びにどのように印加すべきかを決定する。制御アルゴリズムの種々の実施例が下記により詳細に記載される一方で、制御アルゴリズムの他の実施例が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。
【0059】
いくつかの変形例では、電極(336、338)はPTC材料を含む。いくつかのかかる変形例では、電極(336、338)は、組織(T
1、T
2)の温度が上昇するにつれて上昇する抵抗値を提供する。いくつかのかかる変形例では、組織(T
1、T
2)の温度の上昇に応じて電極(336、338)の抵抗性が上昇するにつれて、電極(336、338)によって提供されるRF電気外科エネルギーは減少し、ことによると更には、組織(T
1、T
2)の温度が閾値を超えると停止する。したがって、PTC材料は組織(T
1、T
2)の状態に感度があるため、ある意味で、電極(336、338)のPTC材料は、電極として機能することに加えてセンサ(340)として機能し得、組織(T
1、T
2)の状態に基づいて組織(T
1、T
2)へのRF電気外科エネルギーの送達を効果的に変化させる。当然のことながら、電極(336、338)は、所望であれば、必ずしもPTC材料を含む必要はない。
【0060】
例えば、いくつかの他の変形例では、電極(336、338)はPTC材料を含まないが、センサ(340)にはPTC材料が用いられる。かかる変形例では、センサ(340)を形成するPTC材料の抵抗値は、組織(T
1、T
2)温度の上昇に応じて依然として変化し得、制御モジュール(256)は、センサ(340)を形成するPTC材料の抵抗値の上昇に応じて、電極(336、338)を介して送達されるRFエネルギーを低減する制御アルゴリズムを実行してもよい。別の単なる例示的な実施例として、エンドエフェクタ(300)は、各々がPTC材料を含む2つの個別的な離間したセンサ(340)を含み得る。いくつかのかかる変形例では、制御モジュール(256)は、一方のセンサ(340)から他方のセンサ(340)まで、センサ(340)が接触している組織を通してのPTC材料の抵抗値を監視し得る。2つのセンサ(340)がこの様式で使用される、更に別の単なる例示的な変更例として、一方のセンサ(340)はPTC材料を含み得る一方で、他方のセンサ(340)は、エンドエフェクタ(300)の正常な動作中に直面する温度に影響されない導電性の非PTC材料を含み得る。その他の好適な変形形態が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかであろう。
【0061】
B.クランプアームが単一電極を有する例示的なエンドエフェクタ
図9〜
図10は、上述のシステム(250)の機能性を提供するためにエンドエフェクタ(140)の代わりに器具(100)に組み込まれ得る、別の例示的なエンドエフェクタ(400)を示す。エンドエフェクタ(440)は、クランプアーム(430)と、超音波ブレード(420)とを備える。エンドエフェクタ(440)は、シャフトアセンブリ(410)の遠位端に位置する。シャフトアセンブリ(410)は、外側管(412)と、内側管(414)とを含む。クランプアーム(430)は、外側管(412)と、そして内側管(414)とも枢動可能に結合され、これによりクランプアーム(430)は、管(412、414)間の相対移動に応答して、ブレード(420)に向かって及びそれから離れるように枢動するように構成されている。クランプアーム(430)は、したがって、上述のクランプアーム(144)と同様に枢動可能である。いくつかの変形例では、外側管(412)は、クランプアーム(430)の枢動移動を提供するために、内側管(414)が静止してとどまる間に平行移動する。いくつかの他の変形例では、内側管(414)は、クランプアーム(430)の枢動移動を提供するために、外側管(412)が静止してとどまる間に平行移動する。
【0062】
本実施例のブレード(420)は、上述のブレード(24、160)と同様に構成され、動作可能である。代替的に、ブレード(420)は、任意の他の好適な構成を有してもよい。上述のシステム(250)の関連において、ブレード(420)は音響ドライブトレーン(258)の一部として機能することを理解されたい。
【0063】
本実施例のクランプアーム(430)は、上述のクランプアーム(144)と実質的に同様である。特に、クランプアーム(430)は、クランプアーム本体(432)と、レール(450)によってクランプアーム本体(432)に固定されているクランプパッド(434)とを備える。単なる実施例として、クランプパッド(434)は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料及び/又は任意の他の好適な材料(複数可)で形成され得る。クランプアーム(144)とは異なり、本実施例のクランプアーム(430)は、電極(436)と、センサ(440)とを更に含む。本実施例では、電極(436)は、双極RF電気外科エネルギーを印加するための一方の極を提供するように構成されている一方で、ブレード(420)は、電極(436)及びブレード(420)に接触する組織に双極RF電気外科エネルギーを印加するための別の極を提供する。上述のシステムの関連において、電極(436)及びブレード(420)は一緒に、RF電気外科ドライブトレーン(260)の一部として機能することも理解されたい。
【0064】
本実施例では、電極(436)は「U」字型を画成し、クランプパッド(434)の全長の実質的な部分に沿って延在する。更に、電極(436)は、クランプパッド(434)の最外側領域から内側に位置付けられている。いくつかの代替の変形例では、電極(436)は、クランプパッド(434)の最外側領域に沿って延在する。別の単なる例示の実施例として、電極(436)は、クランプパッド(434)の全幅にわたって延在してもよい。電極(436)の他の好適な構成及び配置が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。
【0065】
本実施例のセンサ(440)は、エンドエフェクタ(400)の遠位端に位置し、電極(436)にちょうど遠位に位置する。この位置は、単なる1つの例示的な実施例にすぎない。センサ(440)の他の好適な位置が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。また、エンドエフェクタ(400)は、所望であれば2つ又は3つ以上のセンサ(440)を含んでもよいことも理解されたい。
【0066】
本実施例のセンサ(440)は、クランプパッド(434)によって係合されている組織の状態を検知するように動作可能である。特に、センサ(440)は、
図5に示すように、組織が線(204)に関連付けられる適切な封止温度に達したことを示す1つ又は2つ以上の組織状態を検知するように動作可能である。単なる実施例として、センサ(440)は、従来の温度センサを含み得る。別の単なる例示的な実施例として、センサ(440)は、インピーダンスセンサ(例えば、組織のインピーダンスが、組織が適切な温度に達したか、あるいは封止状態に達したことを示す限り)を含み得る。更に別の単なる例示的な実施例として、センサ(440)は、正の温度係数(PTC)サーミスタを含み得る。センサ(440)がとり得る他の好適な形態が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。上述のシステム(250)の関連において、センサ(440)は、センサ(262)の目的を果たすことを理解されたい。
【0067】
図10に示すように、エンドエフェクタ(400)を使用して、組織(T
1、T
2)をクランプアーム(430)とブレード(420)との間にクランプしてもよい。エンドエフェクタ(400)は2層の組織(T
1、T
2)をクランプしているように示されるが、エンドエフェクタ(400)のいくつかの使用例は、1層のみの組織(T
1、T
2)をクランプすることを含み得ることを理解されたい。いずれの場合も、エンドエフェクタ(400)は、組織(T
1、T
2)を単に封止するか、又は組織(T
1、T
2)を切断及び封止するかのいずれのためにも起動され得る。エンドエフェクタ(400)が起動されてRF電気外科エネルギーを印加するとき、RF電気外科エネルギーは、電極(436)とブレード(420)との間に位置付けられている組織(T
1、T
2)を通して流れ得る。エンドエフェクタ(400)が起動されて超音波エネルギーを印加するとき、ブレード(420)は、クランプアーム(430)とブレード(420)との間にクランプされた組織の領域に超音波エネルギーを印加する。下記により詳細に記載されるように、エンドエフェクタ(400)は、RF電気外科エネルギー及び超音波エネルギーを別個に順次に、又は一緒に同時に印加してよい。いずれの場合も、制御モジュール(256)は、RF電気外科エネルギー及び/又は超音波エネルギーを印加するために適切なアルゴリズムを決定し得る。
【0068】
エンドエフェクタ(400)が組織(T
1、T
2)にRF電気外科エネルギー及び/又は超音波エネルギーを印加する間、センサ(440)は、組織(T
1、T
2)に関連付けられる1つ又は2つ以上の状態を継続的に検出し、データを制御モジュール(256)に提供し得る。制御モジュール(256)は、このデータを制御アルゴリズムの係数として処理し得、これを用いて、組織(T
1、T
2)にRF電気外科エネルギー及び/又は超音波エネルギーを印加すべきか、並びにどのように印加すべきかを決定する。制御アルゴリズムの種々の実施例が下記により詳細に記載される一方で、制御アルゴリズムの他の実施例が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。
【0069】
いくつかの変形例では、電極(436)はPTC材料を含む。いくつかのかかる変形例では、電極(436)は、組織(T
1、T
2)の温度が上昇するにつれて上昇する抵抗値を提供する。いくつかのかかる変形例では、組織(T
1、T
2)の温度の上昇に応じて電極(436)の抵抗性が上昇するにつれて、電極(436)によって提供されるRF電気外科エネルギーは減少し、ことによると更には、組織(T
1、T
2)の温度が閾値を超えると停止する。したがって、PTC材料は組織(T
1、T
2)の状態に感度があるため、ある意味で、電極(436)のPTC材料は、電極として機能することに加えてセンサ(440)として機能し得、組織(T
1、T
2)の状態に基づいて組織(T
1、T
2)へのRF電気外科エネルギーの送達を効果的に変化させる。当然のことながら、電極(436)は、所望であれば、必ずしもPTC材料を含む必要はない。
【0070】
例えば、いくつかの他の変形例では、電極(436)はPTC材料を含まないが、センサ(440)にはPTC材料が用いられる。かかる変形例では、センサ(440)を形成するPTC材料の抵抗値は、組織(T
1、T
2)温度の上昇に応じて依然として変化し得、制御モジュール(256)は、センサ(440)を形成するPTC材料の抵抗値の上昇に応じて、電極(436)及びブレード(420)を介して送達されるRFエネルギーを低減する制御アルゴリズムを実行してもよい。別の単なる例示的な実施例として、エンドエフェクタ(400)は、各々がPTC材料を含む2つの個別的な離間したセンサ(440)を含み得る。いくつかのかかる変形例では、制御モジュール(256)は、一方のセンサ(440)から他方のセンサ(440)まで、センサ(440)が接触している組織を通してのPTC材料の抵抗値を監視し得る。2つのセンサ(440)がこの様式で使用される、更に別の単なる例示的な変更例として、一方のセンサ(440)はPTC材料を含み得る一方で、他方のセンサ(440)は、エンドエフェクタ(400)の正常な動作中に直面する温度に影響されない導電性の非PTC材料を含み得る。その他の好適な変形形態が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかであろう。
【0071】
C.例示的な制御回路
以下の実施例は、システム(250)の制御モジュール(256)内に常在する制御ロジックを介して実行され得る種々の制御アルゴリズムを含む。また、上述のエンドエフェクタ(300、400)のいずれかが、これらの制御アルゴリズムの実行に使用され得ることも理解されたい。更に又は代替として、米国特許第8,663,220号及び/又は米国特許出願公開第2015/0141981号に記載のエンドエフェクタなどのエンドエフェクタが、これらの制御アルゴリズムの実行に使用されてもよい。これらの制御アルゴリズムの実行において使用され得る他の好適なエンドエフェクタが、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。下記のアルゴリズムの各々は、操作者が、エンドエフェクタ(300、400)により組織(T
1、T
2)をクランプしながらボタン(126)を作動させるとすぐに開始し得ることを理解されたい。
【0072】
図11は、エンドエフェクタ(300、400)が組織(T
1、T
2)にRF電気外科エネルギー及び超音波エネルギーを特定の順序及び組み合わせで印加し得るアルゴリズムを示す、グラフ(500)を示す。
図12は、グラフ(500)に示すアルゴリズムの実行中に、組織がクランプアーム(330、430)とブレード(320、420)との間にクランプされる間に、組織温度(602)を経時的にプロットするグラフ(600)を示す。本実施例のアルゴリズムを実行する際、制御モジュール(256)はまず、エンドエフェクタ(300、400)を起動して、組織にRF電気外科エネルギーを印加する。グラフ(500)において、RF電気外科エネルギーは、離間した円の付いた線(502)によって表される。
図12に示すように、このRF電気外科エネルギーは、組織温度(602)の急速な上昇を提供し、結果として、組織(T
1、T
2)は、制御アルゴリズムが最初に実行されてから比較的すぐに封止し始める。線(612)は、組織(T
1、T
2)が封止し始める温度レベルを表す。同様に、線(606)は、組織(T
1、T
2)が封止し始める時間を表す。
図5のグラフ(200)と
図12のグラフ(600)との間の比較から、組織(T
1、T
2)は、RF電気外科エネルギーが本過程の最初に使用される場合、はるかにより迅速に封止し始めることを理解されたい。
【0073】
本実施例では、制御アルゴリズムは、制御モジュール(256)がエンドエフェクタ(300、400)を起動してRF電気外科エネルギー及び超音波エネルギーを同時に印加する重複期間を含む。
図11のグラフ(500)において、これは線(506)によって表される瞬間に生じる。グラフ(500)において、超音波エネルギーは、離間したxの付いた線(504)によって表される。
図12のグラフ(600)において、これは線(604)によって表される瞬間に生じる。したがって、線(506、604)は同じ瞬間を表すことを理解されたい。この瞬間は、組織(T
1、T
2)が、封止が実際に始まる温度レベル(612)をちょうど下回る温度レベル(610)に達していることに関連付けられる。封止が実際に始まると、制御モジュール(256)は、エンドエフェクタ(300、400)を介したRF電気外科エネルギーの印加を停止し、それによりエンドエフェクタ(300、400)が超音波エネルギーのみを印加するようにする。この移行は、
図11のグラフ(500)において線(508)によって表される瞬間に生じる。したがって、線(508、606)は同じ瞬間を表すことを理解されたい。
【0074】
線(506、604)によって表される瞬間と線(508、606)によって表される瞬間との間のパワーモード重複期間中、RF電気外科エネルギーのパワーレベルは、徐々にゼロに低下されてもよい。代替的に、RF電気外科エネルギーのパワーレベルは、線(506、604)によって表される瞬間と線(508、606)によって表される瞬間との間のパワーモード重複期間中に一定であってもよい。RF電気外科エネルギーのパワーレベルが、線(506、604)によって表される瞬間と線(508、606)によって表される瞬間との間のパワーモード重複期間中に一定にとどまるか又は変化するかにかかわらず、超音波エネルギーのパワーレベルは、徐々に上昇してもよいし、又は所定のパワーレベルで即座に起動されてもよい。制御モジュール(256)がエンドエフェクタ(300、400)を介したRF電気外科用エネルギーの印加を停止するとき、組織(T
1、T
2)の温度は、エンドエフェクタ(300、400)を介して組織(T
1、T
2)に付与されている超音波エネルギーの量に応じる速度で、上昇し続けてもよい。
【0075】
組織(T
1、T
2)は、線(606、608)によって表される瞬間の間の時間枠中、能動的に封止されることを理解されたい。
図12に示すように、組織温度(602)は、線(606、608)間によって表される継続期間中、上昇し続ける。しかしながら、この継続期間中の上昇速度は、線(604)によって表される瞬間以前に生じる、予熱段階で直面する上昇速度よりも低い。換言すると、組織加熱は、線(606、608)間の間隔によって表される継続期間中、線(604)によって表される瞬間以前に直面する組織加熱よりも緩やかである。いくつかの他の変形例では、組織温度(602)は、線(606、608)間の間隔によって表される時間枠中、封止に関連付けられるレベル(612)で実質的に一定にとどまる。いくつかのかかる変形例では、制御モジュール(256)は、この期間中、組織温度(602)の実質的な定常性を提供するために、ブレード(320、420)を介した超音波パワーの送達を調節し得る。いくつかの変形例では、制御モジュール(256)は、組織温度(602)の実質的な定常性を提供するためにブレード(320、420)を介した超音波パワーの送達を調節するために、センサ(340、440)からのフィードバックに依存する。
【0076】
組織(T
1、T
2)が適切に封止されると、制御モジュール(256)は、超音波パワーを起動停止してもよく、これが組織温度(602)の低下をもたらし得る。超音波パワーが起動停止される瞬間は、
図12において線(608)によって表される。いくつかの変形例では、この超音波パワーの起動停止は、制御モジュール(256)によって自動的に提供される。単なる実施例として、制御モジュール(256)は、センサ(340、440)からのデータに応答して超音波パワーを自動的に起動停止してもよい。更に又は代替として、制御モジュール(256)は、タイマー及び/又は何らかの他の構成要素からのデータに応答して、超音波パワーを自動的に起動停止してもよい。更に別の単なる例示的な代替例として、超音波パワーは、起動ボタン(126)を解除するなどして、操作者によって手動で起動停止されてもよい。
【0077】
また、制御モジュール(256)は、センサ(340、440)からのデータに応答して、線(506、508)によって表される瞬間においてパワーモードの移行を自動的に提供し得ることも理解されたい。例えば、センサ(340、440)が、組織温度(602)が第1の閾値(610)を超えたことを検出すると、制御モジュール(256)は、RF電気外科エネルギーの起動を維持しながら、超音波エネルギーを自動的に起動することによって応答し得る。センサ(340、440)が、組織温度(602)が組織封止に関連付けられるレベル(612)に達したことを検出すると、制御モジュール(256)は、超音波エネルギーの起動を維持しながら、RF電気外科エネルギーを自動的に起動停止することによって応答し得る。電極(336、338、436)がPTC材料を含む変形例では、PTC材料によって提供される抵抗性の変化が、エンドエフェクタ(300、400)を介したRF電気外科エネルギーの起動停止をもたらし得る。かかる変形例では、制御モジュール(256)は、RF電気外科エネルギーを起動停止するためのいかなる種類の切り替えも提供する必要がない。
【0078】
センサ(340、440)からのデータに基づくことに加えて又はその代わりに、制御モジュール(256)によって提供されるパワーモードの移行は、時間の経過に基づいてもよい。例えば、制御モジュール(256)は、エンドエフェクタ(300、400)を介して、ある特定の所定継続期間にわたって組織にRFエネルギーのみを提供し、続いて、エンドエフェクタ(300、400)を介して組織にRFエネルギー及び超音波エネルギーの組み合わせを、続いて、エンドエフェクタ(300、400)を介して組織に超音波エネルギーのみを提供する、制御アルゴリズムを実行してもよい。別の単なる例示的な実施例として、制御モジュール(256)は、エンドエフェクタ(300、400)を介して、ある特定の所定継続期間にわたって組織にRFエネルギーのみを提供し、続いて、エンドエフェクタ(300、400)を介して組織に超音波エネルギーのみを提供する、制御アルゴリズムを実行してもよい。したがって、いくつかの変形例では、センサ(340、440)は省略され得ることを理解されたい。更に別の単なる例示的な変更例として、制御モジュール(256)は、エンドエフェクタ(300、400)を介したパワーモードの移行を提供するための制御アルゴリズムの実行の係数として、組織状態及び時間状態を組み合わせるために、センサ(340、440)からのデータ及びタイマーからのデータの組み合わせに依存してもよい。
【0079】
上述のパワーモードの移行は、操作者がボタン(126)を起動し続けている間に生じてもよく、それにより操作者は、これらのパワーモードの移行を提供するためにいかなる別々の行為も行う必要がなくなる。いくつかの変形例では、制御モジュール(256)は、エンドエフェクタ(300、400)がパワーモードの移行を提供していることを操作者に示すための1つ又は2つ以上の形態の可聴フィードバック及び/又は視覚フィードバックをトリガし得る。操作者がこのフィードバックを受け取り得る種々の好適な方法が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。
【0080】
図13は、エンドエフェクタ(300、400)が組織(T
1、T
2)にRF電気外科エネルギー及び超音波エネルギーを特定の順序及び組み合わせで印加し得る、別のアルゴリズムを示すグラフ(700)を示す。本実施例のアルゴリズムを実行する際、制御モジュール(256)はまず、エンドエフェクタ(300、400)を起動して、組織にRF電気外科エネルギーを印加する。グラフ(700)において、RF電気外科エネルギーは、離間した円の付いた線(702)によって表される。上述のように、そして
図12に示すように、このRF電気外科エネルギーは、組織温度(602)の急速な上昇を提供し、結果として、組織(T
1、T
2)は、制御アルゴリズムが最初に実行されてから比較的すぐに封止し始める。したがって、ここでも、組織(T
1、T
2)は、RF電気外科エネルギーが本過程の最初に使用される場合、超音波エネルギーのみと比較して、はるかにより迅速に封止し始める。
【0081】
図11のグラフ(500)に示すアルゴリズムとは異なり、グラフ(700)に示すアルゴリズムは、RF電気外科エネルギーから超音波エネルギーへのトグルを提供し、それにより、RF電気外科エネルギー及び超音波エネルギーが同時に印加される重複期間が存在しなくなる。グラフ(700)において、超音波エネルギーは、離間したxの付いた線(704)によって表される。このパワーモードの移行が生じる瞬間は、
図13のグラフ(700)において線(706)によって表される。いくつかの変形例では、
図13のグラフ(700)における線(706)によって表されるこの瞬間は、
図12のグラフ(600)における線(604)によって表される瞬間と一致していてもよい。換言すると、制御モジュール(256)は、組織温度(602)が、組織封止が実際に始まるレベル(612)をちょうど下回る第1の閾値(610)を超えると、RF電気外科エネルギーのみから超音波エネルギーのみにトグルで切り替え得る。いくつかの他の変形例では、
図13のグラフ(700)における線(706)によって表される瞬間は、
図12のグラフ(600)における線(606)によって表される瞬間と一致していてもよい。換言すると、制御モジュール(256)は、組織温度(602)が、組織封止が実際に始まるレベル(612)に達すると、RF電気外科エネルギーのみから超音波エネルギーのみにトグルし得る。
【0082】
図14は、エンドエフェクタ(300、400)が組織(T
1、T
2)にRF電気外科エネルギー及び超音波エネルギーを特定の順序及び組み合わせで印加し得る、別のアルゴリズムを示すグラフ(800)を示す。本実施例のアルゴリズムを実行する際、制御モジュール(256)はまず、エンドエフェクタ(300、400)を起動して、組織にRF電気外科エネルギーを印加する。グラフ(800)において、RF電気外科エネルギーは、離間した円の付いた線(802)によって表される。上述のように、そして
図12に示すように、このRF電気外科エネルギーは、組織温度(602)の急速な上昇を提供し、結果として、組織(T
1、T
2)は、制御アルゴリズムが最初に実行されてから比較的すぐに封止し始める。したがって、ここでも、組織(T
1、T
2)は、RF電気外科エネルギーが本過程の最初に使用される場合、超音波エネルギーのみと比較して、はるかにより迅速に封止し始める。
【0083】
図11のグラフ(500)に示すアルゴリズムとは異なり、グラフ(800)に示すアルゴリズムは、RF電気外科エネルギー及び超音波エネルギーの組み合わせを持続的に提供する。グラフ(800)において、超音波エネルギーは、離間したxの付いた線(804)によって表される。このパワーモードの移行が生じる瞬間は、
図14のグラフ(800)において線(806)によって表される。いくつかの変形例では、
図14のグラフ(800)における線(806)によって表されるこの瞬間は、
図12のグラフ(600)における線(604)によって表される瞬間と一致していてもよい。換言すると、制御モジュール(256)は、組織温度(602)が、組織封止が実際に始まるレベル(612)をちょうど下回る第1の閾値(610)を超えると、RF電気外科エネルギーのみからRF電気外科エネルギー及び超音波エネルギーの組み合わせにトグルし得る。いくつかの他の変形例では、
図14のグラフ(800)における線(806)によって表される瞬間は、
図12のグラフ(600)における線(606)によって表される瞬間と一致していてもよい。換言すると、制御モジュール(256)は、組織温度(602)が、組織封止が実際に始まるレベル(612)に達すると、RF電気外科エネルギーのみからRF電気外科エネルギー及び超音波エネルギーの組み合わせにトグルし得る。
【0084】
上述のように、組織(T
1、T
2)は、線(606、608)によって表される瞬間の間の時間枠中、能動的に封止される。同じく上述のように、そして
図12に示すように、組織温度(602)は、この時間枠中、封止に関連付けられるレベル(612)で実質的に一定にとどまる。いくつかの変形例では、制御モジュール(256)は、この期間中、組織温度(602)の定常性を提供するために、エンドエフェクタ(300、400)を介したRF電気外科エネルギー及び超音波パワーの組み合わせた送達を調節し得る。いくつかの変形例では、制御モジュール(256)は、組織温度(602)の定常性を提供するためにエンドエフェクタ(300、400)を介したRF電気外科エネルギー及び超音波パワーの組み合わせた送達を調節するために、センサ(340、440)からのフィードバックに依存する。単なる実施例として、制御モジュール(256)は、組織温度(602)の定常性を提供するために、センサ(340、440)からのデータに基づいて、線(606、608)によって表される瞬間の間の時間枠中、RF電気外科エネルギーのパワーレベルを上昇若しくは低下させ、かつ/又は超音波パワーレベルを上昇若しくは低下させ得る。別の単なる例示的な実施例として、制御モジュール(256)は、センサ(340、440)からのデータに基づいて、RF電気外科エネルギー又は超音波エネルギーが線(606、608)によって表される瞬間の間の時間枠中の特定の瞬間にわたって最も適切なパワーモードであるかどうかを判定し、これらのパワーモードの間で適宜切り替え得る。
【0085】
IV.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得るいずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではない点は理解されるべきである。一切の放棄を意図するものではない。以下の実施例は単なる例示の目的で与えられるものにすぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用が可能であると企図される。また、いくつかの変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してもよいことも企図される。したがって、本発明者によって、又は本発明者の利益となる継承者によって、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、これらの更なる特徴は、特許性に関連するいずれの理由によって追加されたものとしても仮定されるべきではない。
【実施例】
【0086】
(実施例1)
(a)本体と、(b)シャフトアセンブリであって、本体から遠位に延在し、音響導波管を備え、導波管は、超音波トランスデューサと音響的に結合するように構成されている、シャフトアセンブリと、(c)エンドエフェクタであって、(i)音響導波管と音響的に連通している超音波ブレード、(ii)組織を超音波ブレードに対して圧迫するように動作可能であるクランプアーム、(iii)組織に高周波(RF)電気外科エネルギーを印加するように動作可能である電極、及び(iv)エンドエフェクタが接触した組織の状態を検知するように動作可能であるセンサを備える、エンドエフェクタと、(d)センサからのデータに基づいて、エンドエフェクタを通した超音波パワー及びRF電気外科エネルギーの送達を制御するように動作可能である、制御モジュールと、を備える、装置。
【0087】
(実施例2)
制御モジュールが、(i)第1に、エンドエフェクタを起動して、クランプアームと超音波ブレードとの間に捕捉された組織にRF電気外科エネルギーのみを印加することと、(ii)第2に、RF電気外科エネルギーが印加された後に、エンドエフェクタを起動して、クランプアームと超音波ブレードとの間に捕捉された組織に超音波エネルギーを印加することと、を行うように構成されている、実施例1に記載の装置。
【0088】
(実施例3)
制御モジュールが、センサからのデータに基づいて、エンドエフェクタを起動して、組織にRF電気外科エネルギーのみを印加することから、エンドエフェクタを起動して、組織に超音波エネルギーを印加することへと自動的に移行するように構成されている、実施例2に記載の装置。
【0089】
(実施例4)
制御モジュールは、組織がある特定の温度に達したことを示すセンサからのデータに基づいて、エンドエフェクタを起動して、組織にRF電気外科エネルギーのみを印加することから、エンドエフェクタを起動して、組織に超音波エネルギーを印加することへと自動的に移行するように構成されている、実施例3に記載の装置。
【0090】
(実施例5)
制御モジュールは、制御モジュールがエンドエフェクタを起動して組織に超音波エネルギーを印加するとき、組織にRF電気外科エネルギーのみを印加するエンドエフェクタの起動を自動的に停止するように構成され、それによりエンドエフェクタが、組織にRF電気外科エネルギーのみを印加した後に、組織に超音波エネルギーのみを印加するようになっている、実施例2〜4のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0091】
(実施例6)
制御モジュールが、(i)第1に、エンドエフェクタを起動して、クランプアームと超音波ブレードとの間に捕捉された組織にRF電気外科エネルギーのみを印加することと、(ii)第2に、RF電気外科エネルギーが印加された後に、エンドエフェクタを起動して、クランプアームと超音波ブレードとの間に捕捉された組織にRF電気外科エネルギー及び超音波エネルギーの組み合わせを印加することと、を行うように構成されている、実施例1に記載の装置。
【0092】
(実施例7)
制御モジュールが、センサからのデータに基づいて、エンドエフェクタを起動して、組織にRF電気外科エネルギーのみを印加することから、エンドエフェクタを起動して、組織にRF電気外科エネルギー及び超音波エネルギーの組み合わせを印加することへと自動的に移行するように構成されている、実施例6に記載の装置。
【0093】
(実施例8)
制御モジュールが、第3に、RF電気外科エネルギー及び超音波エネルギーの組み合わせが印加された後に、クランプアームと超音波ブレードとの間に捕捉された組織に超音波エネルギーのみを印加するように更に構成されている、実施例6〜7のいずれか1つ又は2つに記載の装置。
【0094】
(実施例9)
制御モジュールが、実質的に一定の組織温度を提供するために、超音波エネルギーを印加することとRF電気外科エネルギーを印加することとの間で調節するように更に構成されている、実施例8に記載の装置。
【0095】
(実施例10)
電極がクランプアームに組み込まれている、実施例1〜9のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0096】
(実施例11)
電極及び超音波ブレードが、協働して、組織に双極RF電気外科エネルギーを印加するように構成されている、実施例1〜10のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0097】
(実施例12)
センサがクランプアームに組み込まれている、実施例1〜11のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0098】
(実施例13)
センサが温度センサを含む、実施例1〜12のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0099】
(実施例14)
センサがインピーダンスセンサを含む、実施例1〜13のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0100】
(実施例15)
センサが正の温度係数(PTC)サーミスタを含む、実施例1〜14のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0101】
(実施例16)
(a)本体と、(b)シャフトアセンブリであって、本体から遠位に延在し、音響導波管を備え、導波管は、超音波トランスデューサと音響的に結合するように構成されている、シャフトアセンブリと、(c)エンドエフェクタであって、(i)音響導波管と音響的に連通している超音波ブレード、及び(ii)超音波ブレードに対して組織を圧迫するように動作可能であるクランプアームを備え、クランプアーム及び超音波ブレードが、協働して、組織に双極高周波(RF)電気外科エネルギーを印加するように動作可能である、エンドエフェクタと、(d)エンドエフェクタが接触した組織の状態を検知するように動作可能であるセンサと、(e)制御モジュールであって、(i)エンドエフェクタを起動して、予熱段階において組織をRF電気外科エネルギーで予熱することと、(ii)エンドエフェクタを起動して、封止段階において組織を超音波エネルギーで封止することと、(iii)センサからのデータに基づいて予熱段階から封止段階へと自動的に移行することと、を行うように動作可能な制御モジュールと、を備える、装置。
【0102】
(実施例17)
組織を封止する方法であって、(a)組織に高周波(RF)電気外科エネルギーを印加し、それによって組織を予熱することと、(b)組織にRF電気外科エネルギーを印加する行為を行いながら、組織の温度に関連付けられる状態を検知することと、(c)組織の温度が所定のレベルに達したことを示す状態を検出することと、(d)組織に超音波エネルギーを印加して組織を封止することと、を含み、組織に超音波エネルギーを印加する行為は、組織の温度が所定のレベルに達したことを示す状態を検出する行為に基づいて開始される、方法。
【0103】
(実施例18)
組織の温度が所定のレベルに達したことを示す状態を検出する行為に応答して、組織に高周波(RF)電気外科エネルギーを印加する行為を停止することを更に含む、実施例17に記載の方法。
【0104】
(実施例19)
高周波(RF)電気外科エネルギーを印加する行為が、組織に超音波エネルギーを印加して組織を封止する行為を行う最中に継続して行われる、実施例17に記載の方法。
【0105】
(実施例20)
高周波(RF)電気外科エネルギーを印加する行為が、組織に超音波エネルギーを印加して組織を封止する行為を行う最中の第1の期間に継続して行われ、高周波(RF)電気外科エネルギーを印加する行為が、組織に超音波エネルギーを印加して組織を封止する行為を行う最中の第2の期間中に停止する、実施例17に記載の方法。
【0106】
(実施例21)
組織を封止する方法であって、(a)組織に高周波(RF)電気外科エネルギーを印加し、それによって組織を予熱することと、(b)エンドエフェクタを介して予熱された組織に超音波エネルギーを自動的に印加し、それによって予熱された組織を封止することと、を含み、エンドエフェクタを介して予熱された組織に超音波エネルギーを自動的に印加する行為は、RF電気外科エネルギーを印加する行為が開始されてから所定の期間が経過すると開始される、方法。
【0107】
(実施例22)
所定の期間が経過すると、組織にRF電気外科エネルギーを印加する行為を停止することを更に含む、実施例21に記載の方法。
【0108】
V.その他
明細書に記載される器具のいずれの変形形態も、上述されるものに加えて、又はそれらの代わりに、様々なその他の特徴を含んでもよいことを理解されたい。あくまで一実施例として、本明細書で説明する器具のいずれもが、参照により本明細書に組み込まれる様々な参考文献のいずれかで開示されている様々な特徴のうちの1つ又は2つ以上を含むこともできる。本明細書の教示は、本明細書で引用される他の参考文献のいずれかに記載される器具のいずれにも容易に適用され得るため、本明細書の教示は、本明細書で引用される参考文献のいずれかの教示と多くの方法で容易に組み合わせることができることも理解されたい。本明細書の教示が組み込まれ得る他の種類の器具が、当業者には明らかとなるであろう。
【0109】
また、本明細書で言及する値の一切の範囲はかかる範囲の上下限を含むと読み取るべきであることも理解されたい。例えば、「ほぼ2.54センチメートル(1.0インチ)〜ほぼ3.8センチメートル(1.5インチ)」の範囲であると表される範囲は、上記の上下限間の値を含むことに加えて、ほぼ2.54センチメートル(1.0インチ)及びほぼ3.8センチメートル(1.5インチ)を含むと読み取るべきである。
【0110】
参照により本明細書に組み込まれると言及されたいかなる特許、刊行物、又は他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれた内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載された他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることを認識されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれるものとするが、既存の定義、記載、又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾する任意の文献、又はそれらの部分は、組み込まれる文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれるものとする。
【0111】
上述の装置の変形例は、医療専門家によって行われる従来の治療及び処置での用途だけでなく、ロボット支援された治療及び処置での用途も有することができる。単なる実施例として、本明細書の様々な教示は、ロボット外科システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムに容易に組み込まれ得る。同様に、当業者には明らかとなることであるが、本明細書の様々な教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2004年8月31日公開の「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題された米国特許第6,783,524号の様々な教示と容易に組み合わされ得る。
【0112】
上述の変形形態は、1回の使用後に廃棄されるように設計されてもよいし、又は複数回使用されるように設計されることもできる。いずれか又は両方の場合において、変形例は、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、装置のいくつかの変形例は分解することができ、また、装置の任意の数の特定の部材又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換するか又は取り外してもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、デバイスのいくつかの変形形態は、再調整用の施設で、又は手技の直前に操作者によって、その後の使用のために再組立され得る。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を使用できる点を認識するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、すべて本出願の範囲内にある。
【0113】
単なる例として、本明細書に記載される変形例は、手術の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌法では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなどの閉鎖及び密封された容器に入れる。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置くことができる。放射線は、装置の表面及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器中で保管することができる。デバイスはまた、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の別の技術を用いて滅菌され得る。
【0114】
以上、本発明の様々な実施形態を図示及び説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な改変により、本明細書に記載される方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上記で論じた実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の「特許請求の範囲」の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され、説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解されたい。
【0115】
〔実施の態様〕
(1) (a)本体と、
(b)シャフトアセンブリであって、前記本体から遠位に延在し、音響導波管を備え、前記導波管が、超音波トランスデューサと音響的に結合するように構成されている、シャフトアセンブリと、
(c)エンドエフェクタであって、
(i)前記導波管と音響的に連通している超音波ブレード、
(ii)前記超音波ブレードに対して組織を圧迫するように動作可能であるクランプアーム、
(iii)組織に高周波(RF)電気外科エネルギーを印加するように動作可能である電極、及び
(iv)前記エンドエフェクタが接触した組織の状態を検知するように動作可能であるセンサを備える、エンドエフェクタと、
(d)前記センサからのデータに基づいて、前記エンドエフェクタを通した超音波パワー及びRF電気外科エネルギーの送達を制御するように動作可能である、制御モジュールと、を備える、装置。
(2) 前記制御モジュールが、
(i)第1に、前記エンドエフェクタを起動して、前記クランプアームと前記超音波ブレードとの間に捕捉された組織にRF電気外科エネルギーのみを印加することと、
(ii)第2に、前記RF電気外科エネルギーが印加された後に、前記エンドエフェクタを起動して、前記クランプアームと前記超音波ブレードとの間に捕捉された組織に超音波エネルギーを印加することと、を行うように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記制御モジュールが、前記センサからのデータに基づいて、前記エンドエフェクタを起動して、組織にRF電気外科エネルギーのみを印加することから、前記エンドエフェクタを起動して、組織に超音波エネルギーを印加することへと自動的に移行するように構成されている、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記制御モジュールは、前記組織がある特定の温度に達したことを示す前記センサからのデータに基づいて、前記エンドエフェクタを起動して、組織にRF電気外科エネルギーのみを印加することから、前記エンドエフェクタを起動して、組織に超音波エネルギーを印加することへと自動的に移行するように構成されている、実施態様3に記載の装置。
(5) 前記制御モジュールは、前記制御モジュールが前記エンドエフェクタを起動して組織に超音波エネルギーを印加するとき、組織にRF電気外科エネルギーのみを印加する前記エンドエフェクタの起動を自動的に停止するように構成され、それにより前記エンドエフェクタが、組織にRF電気外科エネルギーのみを印加した後に、組織に超音波エネルギーのみを印加するようになっている、実施態様2に記載の装置。
【0116】
(6) 前記制御モジュールが、
(i)第1に、前記エンドエフェクタを起動して、前記クランプアームと前記超音波ブレードとの間に捕捉された組織にRF電気外科エネルギーのみを印加することと、
(ii)第2に、前記RF電気外科エネルギーが印加された後に、前記エンドエフェクタを起動して、前記クランプアームと前記超音波ブレードとの間に捕捉された組織にRF電気外科エネルギー及び超音波エネルギーの組み合わせを印加することと、を行うように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記制御モジュールが、前記センサからのデータに基づいて、前記エンドエフェクタを起動して、組織にRF電気外科エネルギーのみを印加することから、前記エンドエフェクタを起動して、組織にRF電気外科エネルギー及び超音波エネルギーの組み合わせを印加することへと自動的に移行するように構成されている、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記制御モジュールが、第3に、前記RF電気外科エネルギー及び超音波エネルギーの組み合わせが印加された後に、前記クランプアームと前記超音波ブレードとの間に捕捉された組織に超音波エネルギーのみを印加するように更に構成されている、実施態様6に記載の装置。
(9) 前記制御モジュールが、実質的に一定の組織温度を提供するために、超音波エネルギーを印加することとRF電気外科エネルギーを印加することとの間で調節するように更に構成されている、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記電極が、前記クランプアームに組み込まれている、実施態様1に記載の装置。
【0117】
(11) 前記電極及び前記超音波ブレードが、協働して、組織に双極RF電気外科エネルギーを印加するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記センサが、前記クランプアームに組み込まれている、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記センサが温度センサを含む、実施態様1に記載の装置。
(14) 前記センサがインピーダンスセンサを含む、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記センサが正温度係数(PTC)サーミスタを含む、実施態様1に記載の装置。
【0118】
(16) (a)本体と、
(b)シャフトアセンブリであって、前記本体から遠位に延在し、音響導波管を備え、前記導波管が、超音波トランスデューサと音響的に結合するように構成されている、シャフトアセンブリと、
(c)エンドエフェクタであって、
(i)前記導波管と音響的に連通している超音波ブレード、及び
(ii)前記超音波ブレードに対して組織を圧迫するように動作可能である、クランプアームを備え、前記クランプアーム及び前記超音波ブレードが、協働して、組織に双極高周波(RF)電気外科エネルギーを印加するように動作可能である、エンドエフェクタと、
(d)前記エンドエフェクタが接触した組織の状態を検知するように動作可能であるセンサと、
(e)制御モジュールであって、
(i)前記エンドエフェクタを起動して、予熱段階において組織をRF電気外科エネルギーで予熱することと、
(ii)前記エンドエフェクタを起動して、封止段階において組織を超音波エネルギーで封止することと、
(iii)前記センサからのデータに基づいて、前記予熱段階から前記封止段階へと自動的に移行することと、を行うように動作可能な制御モジュールと、を備える、装置。
(17) 組織を封止する方法であって、
(a)組織に高周波(RF)電気外科エネルギーを印加し、それによって前記組織を予熱することと、
(b)前記組織にRF電気外科エネルギーを印加する行為を行いながら、前記組織の温度に関連付けられる状態を検知することと、
(c)前記組織の温度が所定のレベルに達したことを示す状態を検出することと、
(d)前記組織に超音波エネルギーを印加して前記組織を封止することと、を含み、前記組織に超音波エネルギーを印加する前記行為は、前記組織の温度が前記所定のレベルに達したことを示す前記状態を検出する前記行為に基づいて開始される、方法。
(18) 前記組織の温度が前記所定のレベルに達したことを示す前記状態を検出する前記行為に応答して、組織に高周波(RF)電気外科エネルギーを印加する前記行為を停止することを更に含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 高周波(RF)電気外科エネルギーを印加する前記行為が、前記組織に超音波エネルギーを印加して前記組織を封止する前記行為を行う最中に継続して行われる、実施態様17に記載の方法。
(20) 高周波(RF)電気外科エネルギーを印加する前記行為が、前記組織に超音波エネルギーを印加して前記組織を封止する前記行為を行う最中の第1の期間に継続して行われ、高周波(RF)電気外科エネルギーを印加する前記行為が、前記組織に超音波エネルギーを印加して前記組織を封止する前記行為を行う最中の第2の期間中に停止する、実施態様17に記載の方法。
【0119】
(21) 組織を封止する方法であって、
(a)エンドエフェクタを介して組織に高周波(RF)電気外科エネルギーを印加し、それによって前記組織を予熱することと、
(b)前記エンドエフェクタを介して前記予熱された組織に超音波エネルギーを自動的に印加し、それによって前記予熱された組織を封止することと、を含み、前記エンドエフェクタを介して前記予熱された組織に超音波エネルギーを自動的に印加する前記行為は、RF電気外科エネルギーを印加する前記行為が開始されてから所定の期間が経過すると開始される、方法。
(22) 前記所定の期間が経過すると、前記組織にRF電気外科エネルギーを印加する前記行為を停止することを更に含む、実施態様21に記載の方法。