(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示変換は、(i)90度の時計回り又は反時計回りの回転、(ii)180度の時計回り又は反時計回りの回転、(iii)270度の時計回り又は反時計回りの回転、(iv)水平対称軸及び/又は垂直対称軸周りで適用されるミラー変換、(v)向き伝達関数の出力、のうちの1つ又は任意の組み合わせである、請求項3に記載の医用撮像装置。
前記ステップa)において、向き情報インターフェースによって受信される前記向き情報は、前記患者撮像アレンジメントからの傾斜信号及び/又は回転信号を含む、請求項5に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、改良された医用撮像方向付けを提供する技術があることが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題は、独立請求項の主題によって解決され、更なる実施形態は、従属請求項に組み込まれる。
【0007】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に説明される実施形態から明らかとなり、また、当該実施形態を参照して説明される。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、医用撮像装置が提供される。当該医用撮像装置は、患者撮像アレンジメントの画像検出器から医用画像データを受信する撮像インターフェースと、患者撮像アレンジメントの向き情報を受信する向き情報インターフェースと、処理ユニットとを含む。
【0009】
処理ユニットは、向き情報に基づいて、医用画像データの表示変換を決定し、表示変換を使用して、患者撮像アレンジメントからの医用画像データを変換し、変換された医用画像データを提供し、変換された医用画像データを出力する。したがって、患者撮像アレンジメントといった患者撮像アレンジメントの向き情報を使用して、ディスプレイでの患者撮像アレンジメントから受信される医用画像データの向きが自動的に変換される。これは、患者撮像アレンジメントの向きが、医用撮像装置の撮像インターフェースに接続されているディスプレイ上で医用画像が表示される際に、当該医用画像の向きも変更することを意味する。したがって、患者撮像アレンジメントが、X線撮像治療スイート内で移動させられても、例えば医療専門家は、臨床(即ち、診断)目的に使用されない放射X線を患者にあてる必要がない。
【0010】
表示ユニットが、医用撮像装置の出力部に接続されてよい。表示ユニットは、患者撮像アレンジメントから受信した向き情報を使用して、患者撮像アレンジメントの画像検出器によって捕捉された医用画像データを、正しい向きで表示することができる。
【0011】
第1の態様の一実施形態によれば、向き情報インターフェースによって受信される向き情報は、患者撮像アレンジメントからの傾斜信号及び/又は回転信号を含む。
【0012】
したがって、表示変換は、患者撮像アレンジメントから受信される向き情報に基づいて決定される。患者撮像アレンジメントは、通常、患者撮像機器による使用のための傾斜及び回転信号を出力可能である電子制御システムを有する。したがって、医用撮像装置は、患者撮像アレンジメントの傾斜及び回転に基づいて、表示変換を提供する。
【0013】
第1の態様の一実施形態によれば、向き情報インターフェースによって受信される向き情報は、患者撮像アレンジメントのビデオ情報を含む。
【0014】
この実施形態では、患者撮像アレンジメントの場所をモニタリングする外部ビデオカメラが設けられる。ビデオカメラによって得られるビデオ情報に適用されるビデオ処理アルゴリズムを使用して、Cアームガントリの傾斜及び回転、並びに、患者撮像アレンジメントのドリーの方位角を導出することができる。
【0015】
第1の態様の一実施形態によれば、向き情報インターフェースは更に、ビデオカメラから、患者撮像アレンジメントにおける患者のアライメントのビデオ情報を受信する。処理ユニットは更に、ビデオ情報を処理して、患者撮像アレンジメントのアライメントに対する主患者軸からの患者のオフセット量を決定する。処理ユニットは、決定されたオフセット量に更に基づいて、医用撮像データの表示変換を決定する。
【0016】
(Cアーム撮像システムといった)患者撮像アレンジメントにおける患者のアライメントは、表示される医用撮像データのアライメントにも影響を与える。患者撮像アレンジメントの撮像領域における患者のミスアライメントは、医用画像データの表示変換を変更することが更に必要であることを意味する。この実施形態によれば、ビデオカメラが、患者撮像アレンジメントにおける患者のアライメントのオフセットを更に計算し、ミスアライメントを取り除くために、表示変換を補正する。
【0017】
第1の態様の一実施形態によれば、医用撮像装置は、ユーザインターフェースを更に含む。ユーザインターフェースは更に、手動画像補正信号を受信し、これにより、ユーザによる手動画像補正率の入力が可能にされる。処理ユニットは更に、手動画像補正率を向き情報と組み合わせることによって、表示変換を決定する。
【0018】
したがって、ファイルセーフなアプローチが提供され、これにより、医療専門家が、医用撮像装置のインターフェースを使用して、自動的に決定された向き情報を手動で調整することができる。
【0019】
第1の態様の一実施形態によれば、表示変換は、(i)90度の時計回り又は反時計回りの回転、(ii)180度の時計回り又は反時計回りの回転、(iii)270度の時計回り又は反時計回りの回転、(iv)水平対称軸及び/又は垂直対称軸周りで適用されるミラー変換、(v)向き伝達関数の出力のうちの1つ又は任意の組み合わせである。したがって、本実施形態による医用撮像装置は、患者撮像アレンジメントを使用している医療専門家にとって便利になるように、医用画像データに広範囲の表示変換を適用することができる。
【0020】
本発明の第2の態様によれば、医用撮像ディスプレイの表示向きを調整する方法が提供される。当該方法は、
患者撮像アレンジメントの向き情報を受信するステップa)と、
患者撮像アレンジメントの画像検出器から、医用画像データを受信するステップb)と、
向き情報に基づいて、医用画像データの表示変換を決定するステップc)と、
表示変換を使用して、患者撮像アレンジメントからの医用画像データを変換するステップd)であって、これにより、変換された医用画像及び/又は変換された医用画像シーケンスが提供される、上記ステップd)と、
変換された医用画像データを表示するステップe)とを含む。
【0021】
したがって、第2の態様による方法は、医療専門家にとって便利になるように、医用画像データの自動再方向付けを可能にする。
【0022】
第2の態様の一実施形態によれば、向き情報インターフェースによって受信される向き情報は、患者撮像アレンジメントからの傾斜信号及び/又は回転信号を含む。
【0023】
第2の態様の一実施形態によれば、上記方法は、
ビデオカメラから、患者撮像アレンジメントのビデオ情報を受信するステップa1)を更に含み、ステップd)は更に、
ビデオ信号を使用して、患者撮像アレンジメントのアライメントに対する主患者軸のオフセット量を決定するステップd1)を含み、
ステップc)において、医用画像データの表示変換は、撮像軸に対する主患者軸の決定されたオフセットに更に基づいている。
【0024】
第2の態様の一実施形態によれば、上記方法は、
ユーザインターフェースから、ユーザによる手動画像補正率の手動入力を可能にする手動画像補正信号を受信するステップa2)を更に含み、
ステップe)において、表示変換の決定は更に、手動画像補正角を向き情報と組み合わせるステップを含む。
【0025】
本発明の第3の態様によれば、医用撮像システムが提供される。当該システムは、
患者撮像アレンジメントと、
表示ユニットと、
第1の態様又はその実施形態に従って説明された医用撮像装置とを含む。
【0026】
患者撮像アレンジメントは、医用撮像装置に向き情報を提供する向きセンサ及び医用撮像装置に医用画像データを提供する画像検出器を含む。
【0027】
表示ユニットは、医用撮像装置によって出力される変換された医用画像データを表示する。
【0028】
したがって、患者撮像アレンジメント及び表示ユニットが、(カテーテル検査室といった)患者撮像検査室内を移動させられるにつれて、人間工学的に望ましい表示向きが、患者撮像アレンジメントの向きに基づいて自動的に提供される。
【0029】
第3の態様の一実施形態によれば、向きセンサは、2軸又は3軸加速度計である。
【0030】
したがって、広範囲の動きの変化を追跡することができる。例えば患者撮像アレンジメントの回転及び/又は患者撮像検査室内のその並進を追跡することができる。
【0031】
第3の態様の一実施形態によれば、医用撮像システムは、医用撮像装置に、患者撮像アレンジメントの場所のビデオ情報を提供するビデオカメラを含む。
【0032】
したがって、患者撮像システムと表示ユニットとの相対的位置が視覚的な手段を介して導出される。
【0033】
本発明の第4の態様によれば、処理ユニットによって実行されると、第2の態様又はその実施形態のうちの1つにおいて説明されたステップを行うように適応される、第1の態様又はその実施形態による医用撮像装置を制御するためのコンピュータプログラム要素が提供される。本発明の第5の態様によれば、第4の態様のコンピュータプログラム要素が記憶されたコンピュータ可読媒体が提供される。
【0034】
以下の明細書において、「患者撮像アレンジメント」との用語は、ドリー(又はトローリー)上で移動可能であるように構成されるCアームX線撮像アレンジメントを含む。しかし、当然ながら、広範囲の患者撮像アレンジメントが、本明細書に説明される技術から恩恵を受ける。
【0035】
以下の明細書において、「向き情報」との用語は、患者撮像アレンジメントの現在の配置の特定を可能にする情報を指す。配置には、例えばCアームガントリの回転及び/又は傾斜の変更、又は、患者撮像アレンジメントの水平方向の並進が含まれる。向き情報は、患者撮像アレンジメント内の患者の向きを含んでもよい。
【0036】
Cアーム撮像アレンジメントといった患者撮像アレンジメントは、通常、可動トローリーであるドリー上に配置される。2軸又は3軸加速度計が、ドリー自体又はCアームの要素に配置される。したがって、回転情報が、向き情報として提供される。任意選択的に、傾斜及び回転信号が、患者撮像アレンジメントの電子駆動システムから提供される。任意選択的に、向き情報は、患者撮像アレンジメントの操作領域のビデオ情報として提供される。ビデオ情報は、任意選択的に後処理され、Cアーム傾斜及び回転信号、Cアームドリーの回転若しくは並進状態、又は、患者位置が抽出される。したがって、多くの異なるタイプの向き情報を本態様において使用可能であることが理解できるであろう。
【0037】
したがって、本発明は、患者撮像アレンジメントの向き情報を使用して、患者撮像アレンジメントからの表示情報の向きを変換することを基本概念とする。これにより、患者撮像アレンジメントからの医用画像データのより人間工学的に適した表示が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
医療専門家が、患者撮像ディスプレイ自体から、患者に対する当該ディスプレイの正しい向きを特定することがしばしば難しいため、移動式患者撮像アレンジメントを使用する患者撮像は、医療専門家にとって問題となる場合がある。通常、患者撮像アレンジメントは、しばしば、同じ医療処置中に、当該医療処置の特定の部分でより都合の良いビューを得るために、ドリー(患者撮像アレンジメントを保持する移動式台車)上で動かされる。したがって、撮像処置又は介入処置中に、医療専門家に対して表示される画像の良いアライメントを確実とするために、患者撮像ディスプレイを手動で調整する時間が費やされる。
【0041】
図1は、以下に説明するCアームX線撮像システムを示す。CアームX線撮像システムは、本説明が着目する患者撮像アレンジメントのタイプの一例であるが、本明細書に説明される技術を有利に応用可能である他のタイプの移動式患者撮像アレンジメントも存在する。
【0042】
CアームX線撮像システムは、一般に、介入蛍光透視中に使用される。
図1は、CアームX線撮像システム10を示す。CアームX線撮像システム10は、Cアーム撮像アレンジメント12と、表示ユニット14と、医用撮像装置16とを含む。医用撮像装置16は、表示ユニット内に含まれるものとして示されているが、当然ながら、このユニットは、医用撮像スイート内の多くの場所に配置されることが可能である。
【0043】
図1では、Cアーム撮像アレンジメント12が、ドリー18上に担持されている。ドリー18を使用して、Cアーム撮像アレンジメント12全体を前後に動かしたり、垂直軸20の周りを回転させたりすることができる。Cアーム撮像アレンジメント12は、ドリー18上で並進角φ°だけ垂直軸20の周りを回転させられる。
【0044】
軌道駆動手段22が、ドリー18上でCアームガントリ24を担持する。軌道駆動手段22によって、Cアームガントリ24の位置を、傾斜角γ°だけCアームガントリ24の延長弧セグメントに沿って変更することができる。
【0045】
軌道駆動手段22によって更に、Cアームガントリ24の位置を、ドリー18に対する回転という意味で、回転角σ°だけ変更することができる。
【0046】
ガントリの第1の端24は、X線検出器26を担持する。Cアームガントリの第2の端28は、X線源30を担持する。患者が、X線検出器26とX線源30との間に配置される。ドリー角度φ°、傾斜角γ°及び回転角σ°の変化によって、介入処置中に患者の広い範囲のビューが得られる。患者の周りのドリー18の位置の水平方向の移動は、可能である患者のビューの範囲を更に広げる。
【0047】
X線撮像の目的は、不必要な放射X線線量に患者を被ばくさせることを低減することである。幾つかのアプローチは、X線源の強度の低減又はX線検出器の感度の向上に着目している。更に他のアプローチは、画像処理の向上に着目している。
【0048】
図1のCアームシステム12といったX線を使用する患者撮像システムのアライメントは、しばしば、患者撮像システムが操作可能であるときに生じる。Cアームシステム12の向きの変更は、表示ユニット14上の出力画像の向きに混乱するような変更をもたらし、患者がCアーム撮像アレンジメントからのX線に被ばくされている間に、表示ユニット14上の画像の手動による再方向付けが必要となる。
【0049】
「ALARA(「合理的に達成可能な限り低く」)」の原理によれば、取るに足らない診断に利用するこのようなX線被ばくは最小限に抑えられるべきである。
【0050】
本発明の第1の態様によれば、医用撮像装置32が提供される。医用撮像装置32は、患者撮像アレンジメント上の画像検出器から医用画像データ36を受信する撮像インターフェース34と、患者撮像アレンジメントの向き情報40を受信する向き情報インターフェース38と、処理ユニット42とを含む。
【0051】
処理ユニット42は、向き情報40に基づいて医用画像データ36の表示変換を決定し、表示変換を使用して患者撮像アレンジメントからの医用画像データを変換し、したがって、変換された医用画像データ43を提供し、変換された医用画像データ43を出力する。
【0052】
図2は、第1の態様による医用撮像装置32を示す。撮像インターフェース34は、PACSといった一般的な医用撮像規格に従ってデータを受信可能な(イーサネット(登録商標)又はWi−Fi(登録商標)といった)一般的な有線又は無線データ転送手段である。Cアーム撮像アレンジメントのX線検出器からの信号は、例えば撮像インターフェース34によって受信され、通常、スチール又はシーケンスX線画像データを含む。医用画像データが、向き情報インターフェースにおけるフォーマットで直接見られる場合、表示手段上のX線画像の向きは、Cアーム撮像アレンジメントが、ドリー18上で患者の周りで傾斜、回転又は平行移動するに従って変化する。
【0053】
処理ユニット42は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又はデータを処理可能な他の手段として提供される。処理ユニットは、変換された医用撮像データ43を出力する。
【0054】
動作時、処理ユニットは、向き情報インターフェース38から向き情報40を受信する。処理ユニット42は、向き情報を、向き表示状態と比較する。
【0055】
処理ユニット42は、撮像インターフェース34からの医用画像データ36と、向きインターフェース38からの向き情報とを組み合わせる。次に説明されるように、処理ユニット42は、向き情報に基づいて、医用画像データ36の表示変換を決定する。表示変換を決定した後、処理ユニット42は、表示変換を使用して、医用画像データを変換し、変換された医用画像データを提供する。つまり、処理ユニット42は、向き情報の論理条件を決定し、当該論理条件に適した表示変換を選択する。
【0056】
簡単な例を挙げると、Cアームドリーが180度の円弧上を動かされたことを、Cアーム撮像ドリーのアンギュレーション情報φ度が示す場合、医用画像データは、ドリーの最初の静止位置に比べて180度オフセットである。したがって、向き情報がそのような状態が存在することを示すと、表示変換は、ドリーの方向とは反対の方向における180度の並進として選択される。このようにすると、Cアームドリーの並進によって医用画像データに適用される並進は、適切な表示変換を選択することによって、反転されることが可能である。
【0057】
もう1つの簡単な例では、向き表示状態は、X線検出器26が患者の上又は患者の下であるように、Cアームガントリが揃っているかどうかをモニタリングする。処理ユニット42が、X線検出器26は患者の下である状況から患者の上である状態まで変化するCアームガントリの回転を検出すると、この例では、表示変換は、ミラー変換として選択される。表示変換を評価するより高度な技術について以下に説明する。
【0058】
図3は、X線検出器ヘッド46を示す、Cアーム撮像アレンジメント44のX線検出器のある端の概略平面図を示す。表示アレンジメント48を、医療専門家の典型的なビュー方向を示す矢印50と共に示す。点線52は、システムの主患者軸を示す。
図3の右側は、表示装置48の正面からのビューを示す。患者の脊柱が、この軸に沿って調整されるだろう。
【0059】
したがって、X線検出器ヘッド46の図示される12時の位置が、表示アレンジメント48の最も近くに提示されていることが見て取れる。Cアーム撮像アレンジメントのガントリに最も近いX線検出器の一部は、6時の位置において、表示アレンジメント48の下部に示される。この例では、X線検出器ヘッド46の9時の位置は、表示アレンジメントの左側と揃い、X線検出器ヘッド46の3時の位置は、表示アレンジメント48の3時の位置と揃っている。
【0060】
任意選択的に、向き情報インターフェース38は、向き検出デバイスからデータ信号を受信する。例えば向き情報インターフェースは、任意選択的に、Cアーム電子ステッパーモータ駆動システムから、傾斜γ°及び回転σ°情報を受信することができる。
【0061】
任意選択的に、又は、組み合わせで、向き情報は、向きセンサから得られるアンギュレーション信号を含んでもよい。向きセンサは、例えばCアームドリーの本体、CアームX線検出器26及び/又はCアームX線源に位置するデジタルコンパス27(2軸又は3軸加速度計)であってよい。
【0062】
任意選択的に、向き情報は、Cアーム撮像アレンジメントのビデオ情報を提供するビデオカメラ15によって提供されてもよい。ビデオカメラ15からのビデオストリームにビデオ後処理が行われ、これにより、Cアーム撮像アレンジメントの傾斜、回転及びアンギュレーションの信号を、向き情報インターフェース38に提供することができる。
【0063】
図4aは、6時側及び3時側を示すCアームガントリの一態様の拡大図を示す。
【0064】
図4bは、
図4aとは反対側からのCアーム撮像アレンジメントガントリのビューを示し、9時面及び6時面が可視である。
【0065】
図4cは、X線検出器ヘッドが患者の下面を見ることができるように、Cアームガントリが全回転されている状況を示す。したがって、
図4cでは、X線検出器ヘッドの6時面及び9時面が可視である。
【0066】
図4dは、X線検出器ヘッドの6時側及び3時側が可視である状態で、(
図4cのように)全回転された位置にあるCアーム撮像アレンジメントを示す。したがって、この表記法を使用して、本発明を説明する。
【0067】
任意選択的に、例えば患者の上方でX線検出器ヘッドにあるビデオカメラを使用して、X線検出器ヘッドに対する患者の長さ軸(主患者軸)を決定することができる。任意選択的に、カメラは赤外線カメラである。
【0068】
図5aは、表示ユニット14が、Cアーム撮像アレンジメント及びガントリ44と同じ患者側に置かれている使用事例を示す。
図5aに示される状況では、表示変換は、表示アレンジメント14上での表示の前に、180度の医用画像データの画像回転を含む。
【0069】
図5bでは、Cアーム撮像アレンジメントは、Cアームガントリ44が、主患者軸52と平行にアラインされるように配置されている。したがって、この場合、表示変換は、スクリーン14上での表示の前に、Cアーム撮像アレンジメントのX線検出器ヘッドからの医用画像データの90度の画像回転を含む。
【0070】
図5cは、表示ユニット14が、主患者軸52
に垂直に配置され、Cアーム撮像アレンジメントのガントリ44が、主患者軸52に垂直に配置される状況を示す。この場合、医用撮像装置32によって、180度の画像回転を含む表示変換が行われる。
【0071】
図5dは、Cアーム撮像アレンジメントのX線検出器26が、X線源30の下に配置されている状況を示す。この状況では、X線検出器26は、従来とは反対側から患者を観察する。したがって、
図5dでは、医用撮像装置32によって、180度の画像回転及び水平ミラーリング操作の表示変換が行われる。
【0072】
図5eは、X線検出器26が、X線管30の下に配置されている状況を示す。表示装置14は、主患者軸52と平行に示されている。Cアーム撮像アレンジメントのガントリは、主患者軸52と平行に配置されている。この場合、90度の画像回転及び水平ミラーリング操作が、Cアーム撮像アレンジメントから受信される医用画像データに適用される表示変換として行われる。
【0073】
当然ながら、正しい画像の向きは、常に自動的に決定することができるわけではない。任意選択的に、処理ユニット42は、表示変換と組み合わせるために、手動アップデートを受信する。手動アップデートは、ユーザによって、例えばシステムのグラフィカルユーザインターフェースを介して又はハードウェア手動調整ノブによって適用される。
【0074】
任意選択的に、医用撮像装置32は、患者撮像アレンジメント12の表示ユニット14を保持するトローリー内に置かれてもよい。この場合、表示ユニット14の医用撮像装置32への接続が容易にされる。
【0075】
任意選択的に、医用撮像装置32は、(Cアーム撮像アレンジメントといった)患者撮像アレンジメント12上に置かれてもよい。この場合、医用撮像装置32は、変換された医用画像データを、表示ユニット14に有線又は無線通信によって送信してよい。
【0076】
任意選択的に、医用撮像装置32は、Cアームドリー18及び表示ユニット14のトローリーの両方から遠隔に置かれてもよく、代わりに、患者撮像検査室の別の部分に置かれてもよい。この場合、向き情報信号及び撮像インターフェース信号は、表示ユニットとCアーム撮像アレンジメントとの間で、当業者に知られている様々な有線及び無線通信技術を使用して送信されてよい。
【0077】
図6は、本発明の第2の態様による方法を示す。
【0078】
本発明の第2の態様によれば、医用撮像ディスプレイの表示向きを調整する方法が提供される。当該方法は、
a)患者撮像アレンジメントの向き情報40を受信するステップ60と、
b)患者撮像アレンジメント上の画像検出器から、医用画像データ36を受信するステップ62と、
c)向き情報に基づいて、医用画像データの表示変換を決定するステップ64と、
d)表示変換を使用して、患者撮像アレンジメントからの医用画像データを変換するステップ66であって、これにより、変換された医用画像及び/又は変換された医用画像シーケンスが提供される、当該ステップ66と、
e)変換された医用画像データ43を表示するステップ68と、
を含む。
【0079】
任意選択的に、第2の態様の方法は、a)において、向き情報インターフェース38によって受信される向き情報40は、患者撮像アレンジメントからの傾斜及び/又は回転信号を含むということを含む。
【0080】
任意選択的に、第2の態様の方法は更に、
a1)ビデオカメラから、患者撮像アレンジメントのビデオ情報を受信するステップを含み、d)は更に、
d1)ビデオ信号を使用して、患者撮像アレンジメントのアライメントに対する主患者軸52のオフセット量を決定するステップを含み、
c)において、医用画像データの表示変換は、撮像軸に対する主患者軸の決定されたオフセットに更に基づいている。
【0081】
任意選択的に、第2の態様の方法は更に、
a2)ユーザインターフェース31から、ユーザによる手動画像補正率の手動入力を可能にする手動画像補正信号を受信するステップを含み、
e)において、表示変換の決定は更に、手動画像補正角を向き情報と組み合わせるステップを含む。
【0082】
第3の態様によれば、
患者撮像アレンジメント24、26、28、30と、
表示ユニット14と、
第1の態様又はその実施形態において説明された医用撮像装置16、32と、
を含む医用撮像システム12が提供される。
【0083】
患者撮像アレンジメントは、医用撮像装置に向き情報を提供する向きセンサ27と、医用撮像装置16、32に医用画像データを提供する画像検出器26とを含み、表示ユニット14は、医用撮像装置によって出力される変換された医用画像データを表示する。
【0084】
図1は更に、本発明の第3の態様によるシステムも示す。
図1は、第1の態様に関連して説明の上記一部においてすでに説明されている。
【0085】
任意選択的に、表示ユニット14は、第2の向きセンサを含む。第2の向きセンサは、表示ユニットアンギュレーション情報を提供する。表示ユニットアンギュレーション情報も、向き情報に含まれる。このオプションによれば、処理ユニット42は、患者撮像アレンジメントにある向きセンサ27からの向き情報に加えて、第2の向きセンサからの表示ユニットアンギュレーション情報を使用して表示変換を計算する。
【0086】
本発明の実施形態によれば、表示変換情報が提供される。表示変換は、(i)90度の時計回り又は反時計回りの回転、(ii)180度の時計回り又は反時計回りの回転、(iii)270度の時計回り又は反時計回りの回転、(iv)水平対称軸及び/又は垂直対称軸周りで適用されるミラー変換、(v)向き伝達関数の出力のうちの1つ又は任意の組み合わせである。
【0087】
(v)における向き伝達関数は、向き情報と、患者撮像アレンジメントからの画像に適用される表示変換とのマッピングである。
【0088】
一実施形態によれば、向き伝達関数は、極限関数を含む。したがって、2次元又は3次元コンパスの範囲の限界における極端な動きは、表示変換に小さな影響しかないが、コンパスの範囲の真ん中におけるより小さい動きは、表示変換に著しい影響を有する。
【0089】
一実施形態によれば、向き伝達関数は、ヒステリシスを含む。したがって、例えば第1の方向における患者撮像機器の動きは、患者撮像アレンジメントからの画像に適用される表示変換に相応する変化をもたらす。しかし、反対の方向における表示変換に相応する変化をもたらすためには、第2の方向においてより極端な動きが必要となる。
【0090】
一実施形態によれば、患者撮像アレンジメントは、CアームX線撮像アレンジメントである。
【0091】
任意選択的に、1つの設定によれば、向き情報が、患者撮像アレンジメント(Cアーム撮像アレンジメント)が、少なくとも90度(時計回り又は反時計回り)の角度で変化したことを示す場合、表示変換情報も、少なくとも90度(反時計回り又は時計回り)の角度を有する。
【0092】
任意選択的に、別の設定によれば、向き情報が、患者撮像アレンジメント(Cアーム撮像アレンジメント)が、特定の角度で変化したことを示す場合、表示変換情報は、少なくとも当該特定の角度の負の角度として提供される。
【0093】
任意選択的に、別の設定によれば、患者撮像アレンジメント(Cアーム撮像アレンジメント)が特定の角度で変化したことを、向き情報が示す場合、ヒステリシスを有する表示変換情報が提供され、したがって、表示変換情報において相応する負の変化を得るためには、患者撮像アレンジメントの向きにより大きい反対の変化をもたらさなければならない。
【0094】
任意選択的に、表示変換情報は、向き情報の伝達関数の出力として提供される。例えば表示変換情報は、向き情報の一次関数として、向き情報の向きの二次関数として、又は、向き情報の区分的関数としてスケーリングされてよい。
【0095】
なお、上記ステップは、異なる順番で実行されてもよい。例えばCアーム撮像の向きが受信される前に、医用画像データがCアーム撮像アレンジメントの画像検出器から受信されてもよい。
【0096】
本発明の別の態様では、適切なシステム上で、上記実施形態の何れかにしたがって説明されたように、第2の態様の方法又はその実施形態の方法ステップを実行するように適応されていることを特徴とするコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム要素が提供される。
【0097】
したがって、コンピュータプログラム要素は、コンピュータユニットに記憶されていてもよい。当該コンピュータユニットも、本発明の一実施形態の一部であってよい。当該コンピュータユニットは、上記方法のステップを行うか又はステップの実行を誘導する。更に、コンピュータユニットは、上記装置のコンポーネントを動作させる。コンピュータユニットは、自動的に動作するか及び/又はユーザの命令を実行する。コンピュータプログラムが、データプロセッサの作業メモリにロードされてよい。したがって、データプロセッサは、第2の態様の方法を実行する能力を備えている。
【0098】
本発明のこの例示的な実施形態は、最初から本発明を使用するコンピュータプログラムと、例えばアップデートによって、既存のプログラムを、本発明を使用するプログラムに変えるコンピュータプログラムとの両方を対象とする。
【0099】
したがって、コンピュータプログラム要素は、上記第2の態様により必要とされる手順を満たすすべての必要なステップを提供することができる。
【0100】
本発明の更なる例示的な実施形態によれば、CD−ROMといったコンピュータ可読媒体が提示される。コンピュータ可読媒体に、コンピュータプログラム要素が記憶され、コンピュータプログラム要素は上記セクションに説明されている。
【0101】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に又は他のハードウェアの一部として供給される光学記憶媒体又は固体媒体といった適切な媒体上に記憶される及び/又は分散配置されてよい。コンピュータ可読媒体は更に、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システムを介した形態といった他の形態で分配されてもよい。
【0102】
コンピュータプログラムは更に、ワールドワイドウェブといったネットワークを介して提示され、当該ネットワークからデータプロセッサの作業メモリにダウンロードされてもよい。本発明の態様の更なる例示的な実施形態によれば、ダウンロード用にコンピュータプログラム要素を利用可能にする媒体が提供され、当該コンピュータプログラム要素は、本発明の上記実施形態のうちの1つによる方法を行うように構成される。
【0103】
なお、本発明の実施形態は、様々な主題を参照して説明されている。具体的には、方法タイプのクレームを参照して説明される実施形態もあれば、デバイスタイプのクレームを参照して説明される実施形態もある。当業者であれば、上記及び下記の説明から、特に明記されない限り、1つのタイプの主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、様々な主題に関連する特徴の任意の組み合わせも、本願によって開示されていると見なされると理解できるであろう。すべての特徴は、特徴の単なる足し合わせ以上である相乗効果を提供するように組み合わされることが可能である。
【0104】
本発明は、図面及び上記説明において詳細に例示され、説明されたが、当該例示及び説明は、例示的に見なされるべきであり、限定的に見なされるべきではない。本発明は、開示される実施形態に限定されない。開示された実施形態の他の変形態様は、図面、開示内容及び従属請求項の検討から、請求項に係る発明を実施する当業者によって理解され、実施される。
【0105】
請求項において、「含む」との用語は、他の要素又はステップを排除するものではない。「a」又は「an」との不定冠詞も、複数形を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、請求項に引用される幾つかのアイテムの機能を果たしてもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されることだけで、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを示すものではない。
【0106】
請求項における任意の参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。