【文献】
ナリスアップコスメティクス,フェアフルール リンクルCCクリーム,[online] Amazon.co.jp,2014年 2月28日,インターネット<URL:https://www.amazon.co.jp/ナリスアップコスメティクス-フェアフルール-リンクルCCクリーム-30g/dp/B00IP6F9C0>
【文献】
新商品エトヴォス「ミネラルUVセラム」,[online] SankeiBiz,2015年 4月 1日,インターネット<URL:https://www.sankeibiz.jp/business/news/150401/bsf1504010500005-n1.htm>
【文献】
エトヴォス,ミネラルUVセラム,[online] Cosmetic-Info.jp,2015年 4月10日,インターネット<URL:https://www.cosmetic-Info.jp/prod/detail.php?id=37671>
【文献】
サンジェロース処方例「酸化チタン配合クリーム」,[online] 大同化成工業株式会社,2010年11月 8日,インターネット<URL:https://www.daido-chem.co.jp/technologies/index/2>
【文献】
ネオサンベール PW-6030A-20,[online] 池田物産株式会社 化粧品原料検索データベース,インターネット<URL:https://www.Ikedabussan.com/cosme/ikd/detail.php?st=300&o=6id=344>
【文献】
NIKKOL ニコルムスLC,[online] Chemical-navi,インターネット<URL:https://www.chemical-navi.com/product_search/detail521.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
セスキイソステアリン酸ソルビタン、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、及びモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンからなる群から選択される少なくとも一種の糖エステル、及び/又は、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸からなる群から選択される少なくとも一種の液状高級脂肪酸を更に含有する、請求項1又は2に記載の水中油型乳化化粧料。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の水中油型乳化化粧料(以下、単に「乳化化粧料」ともいう)は、疎水性表面を有する紫外線散乱剤(A成分)を含有する。
【0012】
本発明の乳化化粧料における(A)疎水性表面を有する紫外線散乱剤を構成する基材としては、酸化亜鉛又は酸化チタンの粉末が好ましく用いられる。
本発明で用いられる酸化亜鉛及び酸化チタンとしては、紫外線散乱剤として日焼け止め化粧料に通常配合可能なものであればよい。例えば、一次粒子の平均粒子径が0.005μm以上の酸化亜鉛又は酸化チタンが好ましく用いられる。本明細書における平均粒子径は、最終製剤における紫外線散乱剤の一次粒子(各粒子が単独で分散されている場合は当該粒子、塊状の凝集粒子として存在する場合は当該凝集粒子)の平均粒子径を意味する。この平均粒子径は、好ましくは0.01μm〜10μm、さらに好ましくは0.02μm〜1μm、最も好ましくは0.02μm〜0.1μmの範囲である。例えば、平均粒子径が0.02〜0.06μmの微粒子や平均粒子径が0.1〜1μmの顔料級の紫外線散乱剤が好適である。
【0013】
本発明においては、酸化亜鉛又は酸化チタン等の基材表面を疎水化処理した疎水性表面を有する紫外線散乱剤が使用される。
表面疎水化処理の方法としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン処理;パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルコール等によるフッ素処理;N−アシルグルタミン酸等によるアミノ酸処理;レシチン処理;ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸処理;パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ロジン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸処理;アルキルリン酸エステル処理、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシランなどのアルコキシシラン処理、トリフルオロメチルエチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン等のフルオロアルキルシラン処理、デキストリン脂肪酸エステル、コレステロール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステルなどの脂肪酸エステル処理、シリカ処理等が挙げられる。
【0014】
本発明の乳化化粧料における(A)疎水性表面を有する紫外線散乱剤の配合量は、2〜40質量%、好ましくは3〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%である。配合量が2質量%未満では十分な紫外線防御能を得るのが難しい。一方、40質量%を超えて配合すると乳化安定性及び使用性が低下する場合がある。
【0015】
なお、(A)紫外線散乱剤の配合量(質量%)及び平均一次粒径(μm)と、後述の(B)水溶性アルキル置換多糖誘導体の配合量(質量%)とが、下記式(1)の関係を満たすように調整すると、化粧料の安定性が更に向上するので好ましい。
【数1】
【0016】
本発明の乳化化粧料は、(B)水溶性アルキル置換多糖誘導体を含有する。
水溶性アルキル置換多糖誘導体(B成分)としては、疎水変性アルキルセルロース、疎水化変性スルホン化多糖誘導体糖等が例示できる。これらの中で、疎水変性アルキルセルロースが特に好ましい。
【0017】
疎水変性アルキルセルロースとしては、炭素数14〜22のアルキル基により疎水変性されたアルキルセルロースが好ましい。より具体的には、水溶性セルロースエーテル誘導体に疎水性基である長鎖アルキル基を導入した化合物であり、下記一般式(I)で表されるものが好ましい。
【0018】
【化1】
[式中、Rは、同一でも異なってもよく、水素原子、炭素原子数が1〜4のアルキル基、基−[CH
2CH(CH
3)O]
m−H(式中、mは、1〜5、好適には1〜3の整数である)、基−CH
2CH
2OH、及び、基−CH
2CH(OH)CH
2OR’(式中、R’は、炭素原子数が14〜22のアルキル基である)から選ばれる1種以上の基であるが、基−CH
2CH(OH)CH
2OR’を必ず含むものとする。また、Aは、基−(CH
2)
q−(qは、1〜3の整数であり、好適には1である)であり、nは、100〜10000、好適には500〜5000の整数である。]
【0019】
前記式(I)の疎水変性アルキルセルロースの製造方法は、概ね、基となる水溶性セルロースエーテル誘導体、具体的には、メチルセルロース(Rが水素原子又はメチル基)、エチルセルロース(Rが水素原子又はエチル基)、プロピルセルロース(Rが水素原子又はプロピル基)、ブチルセルロース(Rが水素原子又はブチル基)、ヒドロキシプロピルセルロース[Rが水素原子又はヒドロキシプロピル基(基−[CH
2CH(CH
3)O]
m−H(式中、mは、1〜5、好適には1〜3の整数である))]、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Rが水素原子、メチル基又はヒドロキシプロピル基(同上))等に対して、炭素数14〜22の長鎖アルキル基導入用化合物、具体的には、下記式(II)の長鎖アルキルグリシジルエーテルを、アルカリ触媒の存在下で接触させて得ることができる。
【0020】
【化2】
[R’は、炭素原子数が14〜22のアルキル基である。]
【0021】
本発明の疎水変性アルキルセルロースに導入される基−CH
2CH(OH)CH
2OR’の含有量は、疎水変性アルキルセルロース全体に対して0.1〜5.0質量%程度であるのが好ましい。このような含有率とするためには、上記水溶性セルロースエステル誘導体と長鎖アルキルグリシジルエーテルの反応の際のモル比や、反応時間、アルカリ触媒の種類等を適宜選択して製造すればよい。上記反応後、反応物の中和・濾過・洗浄・乾燥・篩分等の精製工程を行ってもよい。
【0022】
なお、上記の水溶性セルロースエーテル誘導体のうち、特に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを選択することが好適である(これにより、式(I)におけるRは、水素原子、メチル基、基−[CH
2CH(CH
3)O]
mH、及び、基−CH
2CH(OH)CH
2OR’の4種のいずれかの基となり、基Aのqが1となり、当該Aはメチレン基となる)。
さらに、式(II)の長鎖アルキルグリシジルエーテルにおけるR’は、炭素数14〜22のアルキル基、好ましくは炭素数14〜20のアルキル基、更に好ましくは炭素数18のステアリル基(−C
18H
37)である。アルキル基R’の炭素数が14未満又は23以上では、得られた疎水変性アルキルセルロースによる乳化安定性が十分でなくなる場合がある。
【0023】
疎水変性アルキルセルロースの重量平均分子量は、100,000〜1000,000が好ましく、より好ましくは300,000〜800,000、さらに好ましくは550,000〜750,000である。
【0024】
本発明においては、疎水変性アルキルセルロースとして、ステアロキシヒドロキシプロピルセルロースを用いるのが最も好ましく、市販品を使用することもできる。例えば、サンジェロース90L(表示名:疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース;大同化成工業(株)製)、Natrosol Plus 330cs(Ashland社製)、Polysurf 67cs(Ashland社製)等が挙げられる。
【0025】
本発明の乳化化粧料における水溶性アルキル置換多糖誘導体(B成分)の配合量は、0.01〜1質量%、好ましくは0.05〜0.5質量%、より好ましくは0.1〜0.3質量%である。0.01質量%未満では十分な乳化安定性が得られず、1質量%を超えて配合しても効果の更なる増大は得られ難い。
【0026】
(C)高級アルコール
本発明の日焼け止め化粧料で使用する高級アルコール(C成分)としては、化粧品、医薬品、医薬部外品等の分野において使用できる炭素数6以上の高級アルコールであれば特に限定されず、飽和直鎖一価アルコール及び不飽和一価アルコール等を包含する。
【0027】
飽和直鎖一価アルコールとしては、ドデカノール(ラウリルアルコール)、トリドデカノール、テトラドデカノール(ミリスチルアルコール)、ペンタデカノール、ヘキサデカノール(セチルアルコール)、ヘプタデカノール、オクタデカノール(ステアリルアルコール)、ノナデカノール、イコサノール(アラキルアルコール)、ヘンイコサノール、ドコサノール(ベヘニルアルコール)、トリコサノール、テトラコサノール(カルナービルアルコール)、ペンタコサノール、ヘキサコサノール(セリルアルコール)等が挙げられる。
不飽和一価アルコールとしては、エライジルアルコール等が挙げられる。本発明では経時安定性の点から飽和直鎖一価アルコールが好ましい。
【0028】
本発明における高級アルコールは、上記の1種または2種以上の組み合わせを用いることができる。本発明では2種以上の脂肪族アルコールの混合物を用いるのが好ましく、その混合物の融点が60℃以上となるような組み合わせの混合物が安定性の点で特に好ましい。例えば、ステアリルアルコールとベヘニルアルコールとの組み合わせが特に好ましい組み合わせとして挙げられる。
【0029】
高級アルコール(C成分)の配合量は、化粧料全量に対して、0.1〜10質量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜5質量%である。(C)高級アルコールの配合量が0.1質量%未満又は10質量%を超えると十分な乳化安定性が得られない場合がある。
【0030】
(D)非イオン性界面活性剤
本発明の水中油型乳化化粧料に使用される非イオン性界面活性剤(D成分)は、特に限定されるものではない。具体例としては、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、マルチトールヒドロキシ脂肪族アルキルエーテル、アルキル化多糖、アルキルグルコシド、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油グリセリル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体、テトラポリオキシエチレン・テトラポリオキシプロピレン−エチレンジアミン縮合物、ポリオキシエチレン−ミツロウ・ラノリン誘導体、アルカノールアミド、ポリオキシエチレン−プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−アルキルアミン、ポリオキシエチレン−脂肪酸アミド、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸などが挙げられる。本発明の化粧料では、HLBが8以上の親水性の非イオン性界面活性剤、例えば、ベヘネス−20、ポリソルベート60、ステアリン酸PEG−40等が特に好ましい例として挙げられる。非イオン性界面活性剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
【0031】
(D)非イオン性界面活性剤の配合量は、化粧料全量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、さらに好ましくは0.3〜5質量%である。(D)非イオン性界面活性剤の配合量が0.1質量%未満又は20質量%を超えると十分な乳化安定性が得られない場合がある。
【0032】
(E)水
本発明の乳化化粧料は水中油型乳化物であり、外相に水(E成分)を含む。
本発明では、前記(C)高級アルコールは、前記(D)非イオン性界面活性剤及び(E)水とともにラメラ液晶構造を有する会合体(「αゲル」ともいう)を形成する。
【0033】
(F)油分
本発明の日焼け止め化粧料の内相に含まれる油分(F成分)は、(f1)油性紫外線吸収剤及び(f2)紫外線吸収剤以外の油性成分を含む。
【0034】
油性紫外線吸収剤(f1成分)としては、一般に化粧料に用いられる高極性の油性紫外線吸収剤を広く挙げることができる。例えば、安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ケイ皮酸誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、β,β−ジフェニルアクリラート誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンジリデンショウノウ誘導体、フェニルベンゾイミダゾール誘導体、トリアジン誘導体、フェニルベンゾトリアゾール誘導体、アントラニル誘導体、イミダゾリン誘導体、ベンザルマロナート誘導体、4,4−ジアリールブタジエン誘導体等が例示される。以下に具体例及び商品名などを列挙するが、これらに限定されるものではない。
【0035】
安息香酸誘導体としては、パラ−アミノ安息香酸(PABA)エチル、エチル−ジヒドロキシプロピルPABA、エチルヘキシル−ジメチルPABA( 例えば「エスカロール507」;ISP社)、グリセリルPABA、PEG−25−PABA(例えば「ユビナールP25」;BASF社)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(例えば「ユビナールAプラス」)などが例示される。
【0036】
サリチル酸誘導体としては、ホモサレート(「ユーソレックス(Eusolex)HMS」;ロナ/EMインダストリーズ社)、エチルヘキシルサリチレート(例えば「ネオ・ヘリオパン(NeoHeliopan)OS」; ハーマン・アンド・レイマー社)、ジプロピレングリコールサリチレート(例えば「ディピサル(Dipsal)」;スケル社)、TEAサリチラート(例えば「ネオ・ヘリオパンTS」;ハーマン・アンド・レイマー社)などが例示される。
【0037】
ケイ皮酸誘導体としては、オクチルメトキシシンナメート又はメトキシケイ皮酸エチルヘキシル(例えば「パルソールMCX」;ホフマン−ラ・ロシュ社)、メトキシケイ皮酸イソプロピル、メトキシケイ皮酸イソアミル(例えば「ネオ・ヘリオパンE1000」;ハーマン・アンド・レイマー社)、シンノキセート、DEAメトキシシンナメート、メチルケイ皮酸ジイソプロピル、グリセリル−エチルヘキサノエート−ジメトキシシンナメート、ジ−(2−エチルヘキシル)−4’−メトキシベンザルマロネートなどが例示される。
【0038】
ジベンゾイルメタン誘導体としては、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(例えば「パルソール1789」)などが例示される。
【0039】
β,β−ジフェニルアクリレート誘導体としては、オクトクリレン(例えば「ユビナールN539」; BASF社)などが例示される。
【0040】
ベンゾフェノン誘導体としては、ベンゾフェノン−1(例えば「ユビナール400」;BASF社)、ベンゾフェノン−2(例えば「ユビナールD50」;BASF社)、ベンゾフェノン−3またはオキシベンゾン(例えば「ユビナールM40」;BASF社)、ベンゾフェノン−4(例えば「ユビナールMS40」;BASF社)、ベンゾフェノン−5、ベンゾフェノン−6(例えば「ヘリソーブ(Helisorb)11」;ノルクアイ社)、ベンゾフェノン−8(例えば「スペクトラ−ソーブ(Spectra−Sorb)UV−24」;アメリカン・シアナミド社)、ベンゾフェノン−9(例えば「ユビナールDS−49」;BASF社)、ベンゾフェノン−12などが例示される。
【0041】
ベンジリデンショウノウ誘導体としては、3−ベンジリデンショウノウ(例えば「メギゾリル(Mexoryl)SD」;シメックス社)、4−メチルベンジリデンショウノウ、ベンジリデンショウノウスルホン酸(例えば「メギゾリルSL」;シメックス社)、メト硫酸ショウノウベンザルコニウム(例えば「メギゾリルSO」;シメックス社)、テレフタリリデンジショウノウスルホン酸(例えば「メギゾリルSX」;シメックス社)、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンショウノウ(例えば「メギゾリルSW」;シメックス社)などが例示される。
【0042】
フェニルベンゾイミダゾール誘導体としては、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸(例えば「ユーソレックス232」;メルク社)、フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム(例えば「ネオ・ヘリオパンAP」;ハーマン・アンド・レイマー社)などが例示される。
【0043】
トリアジン誘導体としては、アニソトリアジン(例えば「チノソーブ(Tinosorb)S」;チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社)、エチルヘキシルトリアゾン(例えば「ユビナールT150」;BASF社)、ジエチヘキシルブタミドトリアゾン(例えば「ユバソーブ(Uvasorb)HEB」;シグマ3 V社)、2,4,6−トリス(ジイソブチル−4’−アミノベンザルマロナート)−s−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジンなどが例示される。
【0044】
フェニルベンゾトリアゾール誘導体としては、ドロメトリゾールトリシロキサン(例えば「シラトリゾール(Silatrizole)」; ローディア・シミー社)、メチレンビス(ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)(例えば「チノソーブM」(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社))などが例示される。
【0045】
アントラニル誘導体としては、アントラニル酸メンチル(例えば「ネオ・ヘリオパンMA」;ハーマン・アンド・レイマー社)などが例示される。
イミダゾリン誘導体としては、エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオナートなどが例示される。
【0046】
ベンザルマロナート誘導体としては、ベンザルマロナート官能基を有するポリオルガノシロキサン(例えば、ポリシリコーン−15;「パルソールSLX」;DSMニュートリション ジャパン社)などが例示される。
4,4−ジアリールブタジエン誘導体としては、1,1−ジカルボキシ(2,2’−ジメチルプロピル)−4,4−ジフェニルブタジエンなどが例示される。
【0047】
紫外線吸収剤(f1成分)は、一種でも二種以上を組み合わせて配合してもよい。例えば、オクチルメトキシシンナメート、オクトクリレン及びオキシベンゾンの組み合わせ、あるいは、オクチルメトキシシンナメート、オクトクリレン、ポリシリコーン−15及び2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジンの組み合わせ等が例示できる。
【0048】
(f2)紫外線吸収剤以外の油性成分としては、化粧料に通常配合されうる油分でよく、比誘電率が約5以上の極性油、並びに、比誘電率が約5未満の非極性油を包含する。本発明においては、極性油及び非極性油のいずれか一方又は両方を用いることができ、一種又は二種以上の油分を組み合わせて配合できる。
【0049】
極性油の代表例としてはエステル油が挙げられる。本発明に好適なエステル油の具体例には、ジネオペンタン酸トリプロピレングリコール、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、トリエチルヘキサノイン(トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン)、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が含まれる。
【0050】
本発明の乳化化粧料に配合される非極性油は、特に限定されないが、揮発性又は非揮発性のシリコーン油及び炭化水素油から選択するのが好ましい。
具体例としては、ポリジメチルシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどの鎖状シリコーン油、およびオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどの環状シリコーン油、デカン、ドデカン、イソドデカン、イソヘキサデカン、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、パラフィン等の炭化水素油等が挙げられる。
【0051】
本発明の乳化化粧料における油分(F成分)の配合量は、5〜75質量%、好ましくは25〜50質量%である。
【0052】
本発明の乳化化粧料に、(G)液状高級脂肪酸及び/又はカルボキシル基を構造中に有する糖エステルを配合すると、紫外線散乱剤の分散性が向上し、安定性が更に良好になるので好ましい。
【0053】
(g1)液状高級脂肪酸
本発明の乳化化粧料に使用される液状高級脂肪酸(g1成分)としては、例えば、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。特に好ましくはイソステアリン酸である。
【0054】
液状高級脂肪酸(g1成分)の配合量は、化粧料全量に対して0.01〜5質量%が好ましく、さらに好ましくは0.02〜3質量%であり、最も好ましくは0.05〜2質量%である。液状高級脂肪酸の配合量が0.01質量%未満又は5質量%を超えると(A)紫外線散乱剤を均一かつ安定に分散させることができない場合がある。
【0055】
(g2)カルボキシル基を構造中に有する糖エステル
本発明の乳化化粧料に使用されるカルボキシル基を構造中に有する糖エステル(g2成分)は、水中油型乳化化粧料の内相(油相)を構成し、当該油相に上記(A)紫外線散乱剤を均一に分散させることができる。
【0056】
カルボキシル基を構造中に有する糖エステル(g2成分)としては、例えば、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどが挙げられる。特に好ましくはセスキイソステアリン酸ソルビタンである。
【0057】
カルボキシル基を構造中に有する糖エステル(g2成分)の配合量は、化粧料全量に対して0.1〜5質量%が好ましく、さらに好ましくは0.2〜3質量%であり、最も好ましくは0.3〜2質量%である。カルボキシル基を構造中に有する糖エステルの配合量が0.1質量%未満又は5質量%を超えると、紫外線散乱剤を均一かつ安定に分散させることができない場合がある。
【0058】
本発明の乳化化粧料は、通常の化粧料や医薬部外品に配合可能な他の任意成分を、本発明の効果を阻害しない範囲で配合することができる。
他の任意成分としては、限定されないが、例えば、粉末成分(A成分を除く)、保湿剤、水性増粘剤、分散剤、防腐剤、香料、各種薬剤等が挙げられる。
【0059】
粉末成分としては、タルク、マイカ、カオリン等の体質顔料、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ナイロン粉末等のポリマー粉末等が挙げられる。
【0060】
保湿剤としては、例えば、ダイナマイトグリセリン,1,3−ブチレングリコール,ジプロピレングリコール,プロピレングリコール等の多価アルコール、ヒアルロン酸,コンドロイチン硫酸等の水溶性高分子等が挙げられる。
水性増粘剤としては、例えば、サクシノグリカン、(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマー、セルロースガム、キサンタンガム、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー等が挙げられる。
【0061】
本発明の日焼け止め化粧料は、30℃においてB型粘度計で測定した粘度が12,000mPa・s以下の低粘度であるのが好ましい。本発明の乳化化粧料の粘度としては、例えば、9,000mPa・s以下、8,000mPa・s以下等を包含する。このような低粘度に調整することで、高い紫外線防御能を発揮するにも拘らず、スキンケア乳液のようなみずみずしく爽やかな使用感触となる。
【0062】
本発明の日焼け止め化粧料は、水中油型乳化化粧料の常法に従って製造することができる。乳液状、液状、低粘度のクリーム状等の様々な剤形の日焼け止め化粧料として提供することが可能である。
【0063】
本発明の乳化化粧料は、水中油型乳化物に特有のみずみずしい使用感触があり、更に水溶性アルキル置換多糖誘導体の配合で、みずみずしい感触が増強されている。しかも、αゲル構造の導入により油相中に紫外線散乱剤を安定に配合できるので、UVAからUVB領域に渡る広い波長領域で優れた紫外線防御効果を発揮する。
【実施例】
【0064】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される組成物全量に対する質量%で示す。
【0065】
以下の表1〜表3に掲げた処方で水中油型乳化化粧料を調製した。各例の化粧料(試料)について、調整した翌日の粘度(B型粘度計、30℃)を測定し、以下の項目(1)〜(4)について、下記の基準に従って評価した。
【0066】
(1)安定性
評価基準:
A+:極めて安定に乳化でき、経時的な変化が全くみられなかった。
A:安定に乳化でき、経時的な分離や凝集がみられなかった
B:乳化は可能だが、経時的に分離や凝集がみられた
C:乳化できなかった
【0067】
(3)使用感(みずみずしさ、なじみのよさ、べたつきのなさ)
専門パネルにより実使用試験を実施し、上記の観点から使用感を以下の基準で評価した。
A:優れている
B:普通
C:劣っている
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
表1及び表2に示すように、αゲルを形成する高級アルコール(C成分)と非イオン性界面活性剤(D成分)を含み、更に水溶性アルキル置換多糖誘導体(疎水変性アルキルセルロース:サンジェロース90L:大同化成工業(株)製)を配合した実施例1〜9は、12000mPa・s以下という低粘度であるが紫外線散乱剤(酸化亜鉛)を安定に保持し、使用感触がみずみずしく、肌へのなじみが良好で、べたつきを全く感じさせなかった。
【0072】
一方、水溶性アルキル置換多糖誘導体を含まない比較例1〜3はみずみずしい感触が得られず、安定性に劣るもの(比較例2)もあった。また、αゲルを形成する高級アルコール及び非イオン性界面活性剤を含まない比較例4は紫外線散乱剤を安定に配合することができず、保湿剤(ポリエチレングリコール400)を添加して水相を増粘した比較例5及び6は、乳化安定性は改善されたが高粘度となり、いずれも肌なじみが不良であった。
【0073】
以下に、本発明に係る水中油型乳化化粧料の別の処方例を示す。
下記処方例1の日中用乳液は、上記の評価において安定性=「A+」、使用感=全て「A」と評価された。
【0074】
(処方例1)
日中用乳液
水 全体を100とする量
エタノール 5
グリセリン 6
キサンタンガム 0.05
疎水変性アルキルセルロース 0.1
ポリオキシエチレンベヘニルエーテル 1
PEG/PPG−14/7ジメチルエーテル 2
ベヘニルアルコール 1.5
ステアリルアルコール 0.5
カプリリルメチコン 5
メチルポリシロキサン 2
デカメチルテトラシロキサン 10
イソステアリン酸 0.1
ポリオキシブチレンポリオキシプロピレングリコール 2
オクチルメトキシシンナメート 5
ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニル
トリアジン 2
タルク 6
クエン酸 適量
クエン酸ナトリウム 適量
エデト酸 適量
疎水化処理酸化亜鉛(20〜30nm) 5