特許第6878501号(P6878501)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッドの特許一覧

特許6878501表示装置およびヘッドマウントディスプレイ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6878501
(24)【登録日】2021年5月6日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】表示装置およびヘッドマウントディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20210517BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20210517BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20210517BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20210517BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20210517BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20210517BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20210517BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20210517BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   G09F9/30 365
   G09F9/30 309
   G09F9/30 349B
   G09F9/00 359
   G09F9/00 313
   G09F9/00 350Z
   G02B27/02 Z
   H01L27/32
   H05B33/14 A
   H05B33/04
   H05B33/02
   H05B33/12 B
   H05B33/22 Z
   H05B33/12 E
【請求項の数】12
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-108687(P2019-108687)
(22)【出願日】2019年6月11日
(65)【公開番号】特開2019-215541(P2019-215541A)
(43)【公開日】2019年12月19日
【審査請求日】2019年6月11日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0067046
(32)【優先日】2018年6月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】林 亨 俊
(72)【発明者】
【氏名】朴 志 娟
(72)【発明者】
【氏名】金 泰 ▲ミン▼
【審査官】 中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−225584(JP,A)
【文献】 特開2012−227122(JP,A)
【文献】 特開2015−026418(JP,A)
【文献】 特開平09−326297(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0006264(US,A1)
【文献】 特開2014−130218(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30
H01L 51/50
H01L 27/32
H05B 33/00 − 33/28
G02B 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
0°よりも大きい角度で光量が最大となる光を発光する複数の画素が配置された基板、および
前記複数の画素を覆うように形成され、四角錐形状または四角錐台形状を有する複数の集光構造物を有する封止膜を含み、
前記複数の画素が、
前記基板上に配置された第1電極、
前記第1電極の端を覆うように形成され、トレンチが設けられたバンク、
前記第1電極及び前記バンク上に配置された有機発光層、および
前記有機発光層上に配置された第2電極を含み、
前記バンクに設けられたトレンチにおいてエアギャップが形成されることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記封止膜、
前記複数の画素を覆うように形成された第1無機膜、
前記第1無機膜上に配置された有機膜、および
前記有機膜を覆うように形成された第2無機膜
を含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記有機膜が、
前記複数の画素の各々で発生した光の一部を集光させる前記複数の集光構造物を有する高屈折有機膜、および
前記高屈折有機膜上に配置された低屈折有機膜
を含む請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記高屈折有機膜が第1屈折率を有し、前記低屈折有機膜は前記第1屈折率よりも小さい第2屈折率を有することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1屈折率が1.7と同じか大きく、前記第2屈折率は1.7よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記複数の集光構造物が、前記複数の画素と一対一に対応するように配置されることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項7】
各集光構造物の高さが前記有機膜の厚さよりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項8】
前記有機発光層が、前記トレンチの側壁および底上に形成されることを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記トレンチが、前記バンクを貫通することを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記有機発光層が、前記複数の画素に共通して形成される白色発光層であることを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記封止膜上に配置されたカラーフィルタをさらに含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
表示パネル、
前記表示パネルに表示される映像を拡大するための複数のレンズを含むレンズアレイ、および
前記表示パネルおよび前記レンズアレイを収納するための収納ケースを含み、
前記表示パネルは、
0°よりも大きい角度で光量が最大となる光を発光する複数の画素が配置された基板、および
前記複数の画素を覆うように形成され、四角錐形状または四角錐台形状を有する複数の集光構造物を有する封止膜を含み、
前記複数の画素が、
前記基板上に配置された第1電極、
前記第1電極の端を覆うように形成され、トレンチが設けられたバンク、
前記第1電極及び前記バンク上に配置された有機発光層、および
前記有機発光層上に配置された第2電極を含み、
前記バンクに設けられたトレンチにおいてエアギャップが形成されることを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、映像を表示する表示装置およびヘッドマウントディスプレイに関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報化社会が発展するにつれて、映像を表示するための表示装置への要求が様々な形で高まっている。これにより、最近では液晶表示装置(LCD、Liquid Crystal Display)、プラズマ表示装置(PDP、Plasma Display Panel)、有機発光表示装置(OLED、Organic Light Emitting Display)など複数の表示装置が活用されている。
【0003】
表示装置のうち、有機発光表示装置は自己発光型であって、液晶表示装置(LCD)に比べて視野角、コントラスト比などに優れており、別途のバックライトを必要としないので軽量薄型化が可能であり、消費電力において有利であるという長所がある。また、有機発光表示装置は、直流低電圧駆動が可能であり、応答速度が速く、特に製造コストが安いという長所がある。
【0004】
最近では、このような有機発光表示装置を含むヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display,HMD)が開発されている。ヘッドマウントディスプレイは、眼鏡やヘルメットの形態で着用して、使用者の目の前の近い距離に焦点を形成する仮想現実(Virtual Reality,VR)または拡張現実(Augmented Reality)のメガネ型モニタ装置である。しかし、超高解像度のヘッドマウントディスプレイの場合、密集した画素の間隔によって、各画素で発光する光が隣接する画素のカラーフィルタに進行することにより、混色が発生するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、混色を防止することができる表示装置およびヘッドマウントディスプレイを提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例に係る表示装置は、0°よりも大きい角度で光量が最大となる光を発光する複数の画素が配置された基板、および複数の画素を覆うように形成され、四角錐形状または四角錐台形状の複数の集光構造物を有する封止膜を含む。
【0007】
本発明の他の実施例に係るヘッドマウントディスプレイは、表示パネル、表示パネルに表示される映像を拡大するための複数のレンズを含むレンズアレイ、および表示パネルとレンズアレイを収納するための収納ケースを含む。表示パネルは、0°よりも大きい角度で光量が最大となる光を発光する複数の画素が配置された基板、および複数の画素を覆うように形成され、四角錐形状または四角錐台形状の複数の集光構造物を有する封止膜を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の集光構造物を有する高屈折有機膜および高屈折有機膜上に低屈折有機膜を形成することにより、有機発光層で発光する光の出光角を制限することができる。これにより、本発明は、狭い配光分布を有するようになり、画素間の間隔が小さくなっても混色が発生することを防止することができる。
【0009】
また、本発明はバンクにトレンチを設け、トレンチ内部にエアギャップを形成することにより、高屈折有機膜と低屈折有機膜の界面で反射した光が再び高屈折有機膜に向かうようにすることができる。これにより、本発明は、有機発光層で発生した光が消失することを最小化して光効率を向上させることができる。
【0010】
また、本発明は、封止膜を構成する有機膜に集光構造物を形成しているので、装置の厚さを増加させることなしに、光を集光させることができる。
【0011】
また、本発明は、0°よりも大きい角度で光量が最大になる配光分布を有する光源を適用することにより、集光効果を最大にすることができる。
【0012】
上述した本出願の効果に加えて、本出願の他の特徴および利点は、以下に記述した内容および、そのような記述と説明から、本出願が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例による表示装置を示す斜視図である。
図2図1のI−I’の一例を示す断面図である。
図3図2のA領域の一例を示す拡大図である。
図4図2のA領域の他の例を示す拡大図である。
図5図2のA領域のまた他の例を示す拡大図である。
図6図2の変形された実施例を示す断面図である。
図7A】マイクロキャビティ構造が適用されていない光源の配光分布を示す図である。
図7B】マイクロキャビティ構造が適用された光源の配光分布を示す図である。
図7C】本発明の一実施例に係る光源の配光分布を示す図である。
図8A図7Aの光源のシミュレーション結果を示す図である。
図8B図7Bの光源のシミュレーション結果を示す図である。
図8C図7Cの光源のシミュレーション結果を示す図である。
図9A】集光構造物の一例を示す図である。
図9B】集光構造物の他の例を示す図である。
図10A】半球形状を有する集光構造物のシミュレーション結果を示す図である。
図10B】四角錐形状の集光構造物のシミュレーション結果を示す図である。
図11】本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示すフローチャートである。
図12A】本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示す断面図である。
図12B】本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示す別の断面図である。
図12C】本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示す別の断面図である。
図12D】本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示す別の断面図である。
図12E】本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示す別の断面図である。
図12F】本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示す別の断面図である。
図12G】本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示す別の断面図である。
図12H】本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示す別の断面図である。
図13A】本出願の一例による表示装置を適用したヘッドマウントディスプレイを示す例示図である。
図13B図13Aの収納ケースの一例を示す例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本出願の利点と特徴、そしてそれらを達成する方法は添付される図と共に詳細に後述されている例を参照すると明確になるだろう。しかし、本出願は、以下で開示される例に限定されるものではなく、異なる多様な形態で具現されるものであり、単に本例は、本出願の開示が完全になるようにし、本出願が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らしめるために提供するものであり、本出願は、請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0015】
本出願の例を説明するために図で開示した形状、大きさ、比率、角度、数などは例示的なものなので、本出願が示した事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって同一参照符号は同一の構成要素を指す。また、本出願を説明するにおいて、関連する公知技術に対する詳細な説明が本出願の要旨を不必要に曖昧にすると判断された場合、その詳細な説明は省略する。本出願で言及した「含む」、「有する」、「からなる」などが使用されている場合は、「〜だけ」が使用されていない限り、他の部分が追加され得る。構成要素を単数で表現した場合に、特に明示的な記載事項がない限り、複数が含まれる場合を含む。
【0016】
構成要素を解釈するに当たり、別途の明示的な記載がなくても誤差の範囲を含むものと解釈する。
【0017】
位置関係の説明である場合には、例えば、「〜の上に」、「〜の上部に」、「〜の下部に」、「〜の隣に」などで、2つの部分の位置関係が説明されている場合は、「すぐに」または「直接」が使用されていない限り、二つの部分の間に1つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0018】
第1、第2などが多様な構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は、ただ一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下に記載されている第1の構成要素は、本出願の技術的思想内で第2の構成要素であることも可能である。
【0019】
本出願の構成要素を説明するにあたって、第1、第2などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのもので、その用語によって、その構成要素の本質、順序、順番または個数などが限定されない。一構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」すると記載されている場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接に連結したり、または接続することができるが、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」したり、各構成要素が他の構成要素を介して、「連結」、「結合」または「接続」することができると理解されなければならない。
【0020】
本出願のいくつかの例のそれぞれの特徴が、部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能で、技術的に多様な連動およびと駆動が可能であり、それぞれの例が互いに独立して実施可能であり得、関連した関係で一緒に実施することもできる。
【0021】
以下では、本出願による表示装置の例を添付した図を参照して詳細に説明する。各図の構成要素に参照符号を付加するにおいて、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図上に表示されていても、可能な限り同一の符号を有することができる。
【0022】
図1は、本発明の一実施例による表示装置を示す斜視図であり、図2は、図1のI−I’の一例を示す断面図である。図3図4及び図5は、図2のA領域の多様な実施例を示す拡大図であり、図6は、図2の変形された実施例を示す断面図である。
【0023】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施例に係る表示装置100は、基板110、第1電極120、有機発光層130、第2電極140、バンク(B)、封止膜150および、カラーフィルタ160を含む。
【0024】
基板110は、プラスチックフィルム(plastic film)、ガラス基板(glass substrate)、または半導体工程を用いて形成されたシリコンウエハ基板であり得る。基板110は、ゲートライン、データライン、およびトランジスタを含むことができる。ゲートラインとデータラインは、互いに交差するように配置することができる。ゲートラインは、ゲート駆動部に接続してゲート信号の供給を受ける。データラインは、データ駆動部に接続し、データ電圧の供給を受ける。
【0025】
第1電極120、有機発光層130及び第2電極140が順次に積層した領域は、所定の光を発光する画素(Pixel)と定義することができる。画素(P)は、赤色画素(RP)、緑色画素(GP)及び青色画素(BP)を含むことができ、白色画素をさらに含むこともできる。
【0026】
第1電極120は、基板110上に所定の間隔で互いに離れて配置されるので、画素(P)は、第1電極120によって区分され得る。画素(P)には、N(Nは正の整数)個のトランジスタが配置され得、N個のトランジスタは、ゲートラインからのゲート信号が入力する場合、データラインのデータ電圧によって、第1電極120に所定の電圧を供給する。
【0027】
第1電極120は、基板110上に形成される。一例として、第1電極120は、アルミニウムとチタンの積層構造(Ti/Al/Ti)、アルミニウムとITOの積層構造(ITO/Al/ITO)、APC合金、およびAPC合金とITOの積層構造(ITO/APC/ITO)のような反射率の高い金属物質を含んで形成することができる。APC合金は、銀(Ag)、パラジウム(Pb)、および銅(Cu)の合金である。第1電極120は、アノード(Anode)であり得る。
【0028】
バンク(B)は、画素(P)を区画するために、基板110上で第1電極120の端を覆うように形成することができる。バンク(B)は、有機発光層130よりも小さい屈折率、例えば、1.7よりも小さい屈折率を有することができる。有機発光層130で発光する光の一部は、バンク(B)に入射することができる。このような場合、バンク(B)の屈折率が有機発光層130よりも小さいので、バンク(B)に入射した光は、全反射して封止膜150に進行することができる。
【0029】
また、バンク(B)には、エアギャップ(air gap,AG)を形成するためにトレンチ(T)を設けることができる。トレンチ(T)は、バンク(B)の上面から有機発光層130から第1電極120に向かう方向に形成することができる。一例によるトレンチ(T)は、スリット(slit)形態で形成することができるが、これに限定されず、円筒形等の他の形態に形成することもできる。トレンチ(T)は、複数個が互いに離隔するようにバンク(B)に形成することもできる。
【0030】
このようなトレンチ(T)は、バンク(B)上に有機発光層130、第2電極140および封止膜150を構成する第1無機膜151が順次に蒸着されながら、図2に示したように、内部にエアギャップ(AG)を形成することができる。
【0031】
一方、図2では、トレンチ(T)がバンク(B)を貫通して形成された例を示したが、これに限定されない。他の一実施例において、トレンチ(T)は、図6に示すようにバンク(B)の一部にくぼみを掘るように形成することもできる。
【0032】
このようなバンク(B)は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成することができる。
【0033】
有機発光層130は、第1電極120およびバンク(B)上に形成される。有機発光層130は、正孔輸送層(hole transporting layer)、発光層(light emitting layer)、および電子輸送層(electron transporting layer)を含むことができる。この場合、第1電極120と第2電極140に電圧が印加されると正孔と電子がそれぞれ正孔輸送層と電子輸送層を介して発光層に移動するようになり、発光層で互いに結合して発光することになる。
【0034】
有機発光層130は、白色光を発光する白色発光層であり得る。この場合、有機発光層130は、画素(P)に共通して形成される共通層であり得る。
【0035】
有機発光層130が白色発光層である場合には、2スタック(stack)以上のタンデム構造で形成することができる。スタックのそれぞれは、正孔輸送層(hole transporting layer)、少なくとも一つの発光層(light emitting layer)、および電子輸送層(electron transporting layer)を含むことができる。
【0036】
また、スタックの間には、電荷発生層が形成され得る。電荷発生層は、下部スタックと隣接して位置するn型電荷発生層とn型電荷発生層上に形成されて上部スタックと隣接して位置するp型電荷発生層を含むことができる。n型電荷発生層は下部スタックに電子(electron)を注入し、p型電荷発生層は上部スタックに正孔(hole)を注入する。n型電荷発生層は、Li、Na、K、またはCsなどのアルカリ金属、またはMg、Sr、Ba、またはRaのようなアルカリ土類金属でドープされた有機層からなり得る。p型電荷発生層は、正孔輸送能力を有する有機物質にドーパントをドーピングして形成することができる。
【0037】
有機発光層130は、バンク(B)に設けられたトレンチ(T)上にも形成することができる。有機発光層130は、蒸着工程または溶液プロセスで形成することができ、蒸着工程で形成する場合、蒸発蒸着法(evaporation)で形成することができる。蒸発蒸着法で形成された膜は、ステップカバレッジ(step coverage)特性が良くない。有機発光層130は、ステップカバレッジ(step coverage)特性が良くないので、有機発光層130は、バンク(B)に設けられたトレンチ(T)によって段差が発生する領域で一定の厚さに形成されない。
【0038】
有機発光層130は、バンク(B)の上面からトレンチ(T)の側面に落ち込むところで厚く形成され得る。より詳細には、バンク(B)の上面およびトレンチ(T)の第1側面の境界部の有機発光層130の厚さは、トレンチ(T)の第1側面または底の有機発光層130の厚さより厚く形成され得る。また、バンク(B)の上面およびトレンチ(T)の第2側面の境界部の有機発光層130の厚さは、トレンチ(T)の第2側面または底の有機発光層130の厚さよりも厚く形成され得る。前記第1側面および前記第2側面は、互いに向き合うことができる。その結果、トレンチ(T)の内部は、下部から上部に行くほど狭くなり、有機発光層130上に第2電極140および封止膜150が形成され、エアギャップ(AG)が形成され得る。
【0039】
また、バンク(B)に設けられたトレンチ(T)の側壁の有機発光層130の厚さは、トレンチ(T)の底の有機発光層130の厚さよりも薄く形成することができる。本発明の実施例は、バンク(B)を貫通し、またはくぼみを掘ったトレンチ(T)を形成することにより、隣接する画素(P)間で有機発光層130を介したリーク電流パスの長さをトレンチ(T)がない場合に比べて長くすることができる。また、本発明の実施例は、トレンチ(T)の側壁の有機発光層130の厚さをトレンチ(T)の底の有機発光層130の厚さよりも薄く形成することができるので、有機発光層130の抵抗を高めることができる。その結果、隣接画素が有機発光層130を介したリーク電流により影響を受けることを最小限に抑えることができる。
【0040】
第2電極140は、有機発光層130上に形成される。第2電極140は、画素(P)に共通して形成される共通層であり得る。このような第2電極140は、光を透過させることができるITO、IZOのような透明な金属物質(TCO、Transparent Conductive Material)、またはマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、またはマグネシウム(Mg)と銀(Ag)の合金のような半透過金属物質(Semi-transmissive Conductive Material)で形成することができる。
【0041】
第2電極140は、バンク(B)に設けられたトレンチ(T)上にも形成することができる。第2電極140は、スパッタリング法(sputtering)のような物理的な気相蒸着法(physics vapor deposition)で形成することができる。スパッタリング法のような物理的気相蒸着法で形成された膜は、ステップカバレッジ(step coverage)特性が優れている。したがって、第2電極140は、バンク(B)に設けられたトレンチ(T)によって段差が発生するにもかかわらず、有機発光層130に比べて均一な厚さでトレンチ(T)の側壁および底上に蒸着することができる。
【0042】
図2及び図3は、第2電極140がトレンチ(T)の側壁および底上に蒸着されることを例示しているが、これに限定されない。他の一実施例において、第2電極140は、図5に示すように、エアギャップ(AG)上のみに形成することもできる。トレンチ(T)上に有機発光層130を最初に形成することができる。ここで、有機発光層130は、ステップカバレッジ(step coverage)特性が良くないので、一定の厚さに形成されず、特に、バンク(B)の上面およびトレンチ(T)の側面の境界部で厚く形成され得る。ここで、トレンチ(T)の内部は、有機発光層130によって下部から上部に行くほど狭くなり、エアギャップ(AG)が形成され得る。このような場合、有機発光層130上に形成される第2電極140は、トレンチ(T)の側壁および底上に蒸着されずに、エアギャップ(AG)上にのみ蒸着され得る。
【0043】
封止膜150は、第2電極140を覆うように形成することができる。封止膜150は、有機発光層130と第2電極140に酸素または水分が浸透することを防止する役割をする。このために封止膜150は、少なくとも一つの無機膜と、少なくとも一つの有機膜を含むことができる。
【0044】
詳細には、封止膜150は、第1無機膜151および有機膜152を含むことができる。一実施例において、封止膜150は、第2無機膜153をさらに含むことができる。
【0045】
第1無機膜151は、第2電極140を覆うように形成される。有機膜152は、第1無機膜151上に形成され、異物(particles)が第1無機膜151を突破して有機発光層130と第2電極140に投入されることを防止するために十分な長さで形成することが好ましい。第2無機膜153は、有機膜152を覆うように形成される。
【0046】
第1無機膜151および第2無機膜153のそれぞれは、シリコン窒化物、窒化アルミニウム、ジルコニウム窒化物、チタン窒化物、ハフニウム窒化物、タンタル窒化物、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物またはチタン酸化物で形成することができる。第1無機膜151および第2無機膜153は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法またはALD(Atomic Layer Deposition)法で蒸着することができるが、これらに限定されない。
【0047】
第1無機膜151は、バンク(B)に設けられたトレンチ(T)の側壁および底上にも形成することができる。第1無機膜151をトレンチ(T)の側壁および底上に形成し、トレンチ(T)の内部にエアギャップ(AG)が形成され得る。
【0048】
図2及び図3は、第1無機膜151がトレンチ(T)の側壁および底上に蒸着されることを例示しているが、これに限定されない。CVD法で第1無機膜151を蒸着する場合、第1無機膜151は、トレンチ(T)の内部で一定の厚さに形成されないことがある。特に、第1無機膜151は、トレンチ(T)の側壁および底の境界部で薄く蒸着されてシーム(seam)が発生し得る。第1無機膜151に発生したシーム(seam)は、第2電極140および、有機発光層130に水分が浸透することができる経路を提供し得る。
【0049】
他の一実施例において、第1無機膜151は、図4及び図5に示すように、エアギャップ(AG)上にのみに形成することもできる。より詳細には、トレンチ(T)上に有機発光層130を最初に形成することができる。ここで、有機発光層130は、ステップカバレッジ(step coverage)特性が良くないので、一定の厚さに形成されず、特に、バンク(B)の上面およびトレンチ(T)の側面の境界部で厚く形成され得る。ここで、トレンチ(T)の内部は、図5に示すように、有機発光層130によって下部から上部に行くほど狭くなり、エアギャップ(AG)が形成され得る。またはトレンチ(T)の内部は、図4に示すように、有機発光層130及び第2電極140によって下部から上部に行くほど狭くなり、エアギャップ(AG)が形成され得る。このような場合、有機発光層130上に形成される第1無機膜151は、トレンチ(T)の側壁および底上に蒸着されず、エアギャップ(AG)上にのみ蒸着され得る。このように形成された第1無機膜151は、トレンチ(T)の内部に蒸着されず、エアギャップ(AG)上にのみ蒸着されるので、シーム(seam)が発生することを防止することができる。
【0050】
一方、本発明の一実施例に係る封止膜150は、各画素(P)で発光する光を集光してカラーフィルタ160に伝達することを特徴とする。このために、封止膜150を構成する有機膜152は、高屈折有機膜152aおよび低屈折有機膜152bを含む。
【0051】
高屈折有機膜152aは、第1無機膜151上に形成され、異物が第1無機膜151を突破して有機発光層130と第2電極140に投入されることを防止するとともに、有機発光層130で発光する光を集光する。
【0052】
このような高屈折有機膜152aは、有機発光層130から入射した光を集光させるために、複数の集光構造物を有する。ここで、複数の集光構造物は、複数の画素(P)と一対一に対応するように配置され、各画素(P)から入射する光を集光する。集光構造物は、四角錐形状または四角錐台形状を有することができる。
【0053】
このような集光構造物を有する高屈折有機膜152aは、低屈折有機膜152bよりも大きい屈折率、例えば、1.7と同じか大きい屈折率を有する有機物質からなり得る。
【0054】
高屈折有機膜152aが低屈折有機膜152bよりも大きい屈折率を有するため、有機発光層130から入射する光は、一部が屈折して、カラーフィルタ160に伝達され得る。より詳細には、有機発光層130から発光する光が高屈折有機膜152aと低屈折有機膜152bの界面に入射することができる。ここで、高屈折有機膜152aと低屈折有機膜152bの界面に入射した光は、入射角が一定の角度と同じか大きいと屈折し得る。屈折した光は、カラーフィルタ160を通過して外部に放出され得る。つまり、有機発光層130から発光する光は、集光構造物を有する有機膜152によって集光され得る。
【0055】
一方、高屈折有機膜152aが低屈折有機膜152bよりも大きい屈折率を有するため、有機発光層130から入射する光は、一部が反射し得る。より詳細には、有機発光層130から発光する光が高屈折有機膜152aと低屈折有機膜152bの界面に入射し得る。ここで、高屈折有機膜152aと低屈折有機膜152bの界面に入射した光は、入射角が一定角度よりも小さいと、反射し得る。高屈折有機膜152aと低屈折有機膜152bの界面で反射した光は、図2に示すように、エアギャップ(AG)に入射し得る。エアギャップ(AG)に入射した光は、反射して再び第1電極120に入射し得る。第1電極120に入射した光は、反射して高屈折有機膜152aと低屈折有機膜152bの界面に再び入射し得る。ここで、入射した光は、屈折して、カラーフィルタ160に伝達され得る。
【0056】
低屈折有機膜152bは、高屈折有機膜152a上に形成することができる。低屈折有機膜152bは、高屈折有機膜152aを覆うように形成することができる。
【0057】
このような低屈折有機膜152bは、高屈折有機膜152aよりも小さい屈折率、例えば、1.7よりも小さい屈折率を有する有機物質からなり得る。例えば、低屈折有機膜152bは、モノマー(monomer)からなり得る。
【0058】
カラーフィルタ160は、封止膜150上に形成することができる。カラーフィルタ160は、画素(P)のそれぞれに対応するように配置される。例えば、赤色カラーフィルタ(RCF)は、赤色画素(RP)に対応するように配置され、緑色カラーフィルタ(GCF)は、緑色画素(GP)に対応するように配置され、青色カラーフィルタ(BCF)は青色画素(BP)に対応するように配置され得る。
【0059】
本発明の一実施例に係る表示装置100は、複数の集光構造物を有する高屈折有機膜152aおよび高屈折有機膜152a上に低屈折有機膜152bを形成することを特徴とする。これにより、本発明の一実施例に係る表示装置100は、有機発光層130で発光する光の出光角を制限することができる。
【0060】
より詳細には、有機発光層130で発光する光は、高屈折有機膜152aと低屈折有機膜152bの界面で屈折または反射する。高屈折有機膜152aと低屈折有機膜152bの界面に入射する光は、入射角が一定角度よりも小さいと反射してカラーフィルタ160に出光されない。
【0061】
一方、高屈折有機膜152aと低屈折有機膜152bの界面に入射する光は、入射角が一定の角度と同じか大きいと屈折して、カラーフィルタ160に伝達される。つまり、有機発光層130で発光する光の一部は、集光されてカラーフィルタ160を通過して外部に放出され得る。
【0062】
その結果、本発明の一実施例に係る表示装置100は、狭い配光分布を有するようになるので、画素(P)間の間隔が小さくなっても混色が発生することを防止することができる。
【0063】
また、本発明の一実施例に係る表示装置100は、バンク(B)にトレンチ(T)を設け、トレンチ(T)の内部にエアギャップ(AG)を形成することを他の技術的特徴とする。本発明の一実施例に係る表示装置100は、トレンチ(T)の内部に形成されたエアギャップ(AG)を介して高屈折有機膜152aと低屈折有機膜152bの界面で反射した光が再び高屈折有機膜152aに向かうようにすることができる。本発明の一実施例に係る表示装置100は、有機発光層130で発光した光が消失することを最小化して光効率を向上させることができる。
【0064】
また、本発明の一実施例に係る表示装置100は、封止膜150を構成する有機膜152に集光構造物を形成しているので、装置の厚さを増加させることなく、光を集光することができる。
【0065】
図7Aは、マイクロキャビティ構造が適用されていない光源の配光分布を示す図であり、図7Bは、マイクロキャビティ構造が適用された光源の配光分布を示す図であり、図7Cは、本発明の一実施例に係る光源の配光分布を示す図である。
【0066】
マイクロキャビティ(micro cavity)構造が適用されていない光源およびマイクロキャビティ構造が適用された光源は、図7A及び図7Bに示すように、0°から光量が最大になる。
【0067】
一方、本発明の一実施例に係る光源は、マイクロキャビティ構造が適用されず、図7Cに示すように0°よりも大きい角度で光量が最大になることを特徴とする。一実施例において、配光分布は、有機発光層130の厚さを調節して得ることができる。有機発光層130の厚さは、赤色画素(RP)、緑色画素(GP)及び青色画素(BP)それぞれのマイクロキャビティが最大化されない共振距離を考慮して、互いに異なって形成することができる。ここで、赤色画素(RP)、緑色画素(GP)及び青色画素(BP)は、有機発光層130の厚さが互いに異なり得る。
【0068】
他の実施例において、配光分布は、第1電極120の厚さを調節して得ることができる。第1電極120の厚さは、赤色画素(RP)、緑色画素(GP)及び青色画素(BP)それぞれのマイクロキャビティが最大化されない共振距離を考慮して、互いに異なって形成することができる。ここで、赤色画素(RP)、緑色画素(GP)及び青色画素(BP)は、第1電極120の厚さが互いに異なり得る。
【0069】
図8Aは、図7Aの光源に対するシミュレーション結果を示す図であり、図8Bは、図7Bの光源のシミュレーション結果を示す図であり、図8Cは、図7Cの光源のシミュレーション結果を示す図である。
【0070】
図8Aには、本発明の一実施例に係る集光構造物を有する有機膜152の下に図7Aの光源を適用してシミュレーションした結果を示す。シミュレーションの結果、検出装置(D)には、光量が3.75mW/cm2が検出された。
【0071】
図8Bには、本発明の一実施例に係る集光構造物を有する有機膜152の下に図7Bの光源を適用してシミュレーションした結果を示す。シミュレーションの結果、検出装置(D)には、光量が4.12mW/cm2が検出された。
【0072】
図8Cには、本発明の一実施例に係る集光構造物を有する有機膜152の下に図7Cの光源を適用してシミュレーションした結果を示す。シミュレーションの結果、検出装置(D)には、光量が4.91mW/cm2が検出された。
【0073】
すなわち、本発明の一実施例に係る表示装置100は、図7Cに示すように0°よりも大きい角度で光量が最大になる配光分布を示す光源を適用することにより、集光効果を最大にすることができる。
【0074】
図9A及び図9Bは、集光構造物の例を示す図である。図10Aは半球形状を有する集光構造物に対するシミュレーション結果を示す図であり、図10Bは、四角錐形状を有する集光構造物のシミュレーション結果を示す図である。
【0075】
集光構造物は、図9Aに示すような四角錐形状または図9Bに示すような四角錐台形状を有することができる。集光構造物の高さ(h)は、製品の設計時に決定された有機膜152の厚さによって変わり得る。集光構造物の高さ(h)は、有機膜152の厚さと同じか小さいことが可能である。集光構造物は、高さ(h)が大きいほど集光効率が向上し得る。このような点では、集光構造物の高さ(h)を有機膜152の厚さと同一に形成すれば、集光効率を最大に向上させることができる。ただし、製造工程の誤差によって集光構造物の一部が低屈折有機膜152bに覆われないで突出することがあり得、このような場合には、集光効率が低下して、モアレ(Moire)が発生し得る。これを防止するために、集光構造物の高さ(h)は、有機膜152の厚さよりも小さく設計することができる。つまり、集光構造物を有する高屈折有機膜152aが低屈折有機膜152bによって覆われるように設計することができる。これにより、集光効率を最適化させ、モアレが発生することを防止することができる。
【0076】
また、集光構造物の底面の幅(W4)は、製品の設計時に決定された画素(P)の幅によって異なり得る。集光構造物の底面の幅(W4)は、画素(P)の幅と同じか大きく設計することができる。これにより、集光構造物が各画素(P)で発光する光を失わずに集光させることができるようになる。
【0077】
本発明の一実施例に係る集光構造物は、四角錐または四角錐台形状を有することにより、優れた集光効果を有する。図10Aには、半球形状を有する集光構造物に対するシミュレーション結果を示す。シミュレーションの結果、検出装置(D)には、光量が4.35mW/cm2が検出された。図10Bには、四角錐形状の集光構造物のシミュレーション結果を示す。シミュレーションの結果、検出装置(D)には、光量が4.91mW/cm2が検出された。つまり、四角錐形状である集光構造物が半球形状である集光構造物と比較して、優れた集光効果を有する。
【0078】
図11は、本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示すフローチャートである。図12A図12Hは、本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を示す断面図である。
【0079】
まず、図12Aに示すように、基板110上にトランジスタ(未図示)及び第1電極120を形成する(S1101)。
【0080】
詳細には、基板110上にトランジスタそれぞれのアクティブ層を形成する。アクティブ層はシリコン系半導体物質または酸化物系半導体物質料で形成することができる。
【0081】
そして、アクティブ層上にゲート絶縁膜を形成する。ゲート絶縁膜は、無機膜、例えば、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、またはそれらの多重膜で形成することができる。
【0082】
そして、ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する。
【0083】
そして、アクティブ層とゲート電極上に絶縁膜を形成する。第1絶縁膜は、無機膜、例えば、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、またはそれらの多重膜で形成することができる。
【0084】
そして、第1絶縁膜を貫通して、アクティブ層に接続する第1及び第2コンタクトホールを形成する。第1絶縁膜上に第1コンタクトホールを介してアクティブ層に接続するソース電極、及び第2コンタクトホールを介してアクティブ層と接続するドレイン電極を形成する。
【0085】
そして、ソース電極とドレイン電極上に第1絶縁膜を追加で形成する。追加で形成された第1絶縁膜を貫通してドレイン電極に接続する第3コンタクトホールを形成する。追加で形成された第1絶縁膜上に第3コンタクトホールを介してドレイン電極に接続するM3金属層を形成する。
【0086】
そして、M3金属層上に第2絶縁膜を形成する。第2絶縁膜は、無機膜、例えば、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、またはそれらの多重膜で形成することができる。
【0087】
そして、第2絶縁膜を貫通してM3金属層に接続する第4コンタクトホールを形成する。第2絶縁膜上に第4コンタクトホールを介してM3金属層に接続するM4金属層を形成する。
【0088】
そして、M4金属層上に第2絶縁膜を追加で形成する。追加で形成された第2絶縁膜を貫通してM4金属層に接続する第5コンタクトホールを形成する。前記M3金属層、前記M4金属層および前記第2絶縁膜は省略することができる。
【0089】
そして、第2絶縁膜上に第1電極120を形成する。より詳細には、第2絶縁膜上に第1電極膜を形成する。第1電極膜は、アルミニウムとチタンの積層構造(Ti/Al/Ti)、アルミニウムとITOの積層構造(ITO/Al/ITO)、APC合金、およびAPC合金とITOの積層構造(ITO/APC/ITO)のような反射率の高い金属物質を含んで形成することができる。APC合金は、銀(Ag)、パラジウム(Pb)、および銅(Cu)の合金である。
【0090】
そして、第1電極膜上にフォトレジストパターンを形成する。フォトレジストパターンは、画素(P)が形成される位置に形成することができる。フォトレジストパターンによって覆われていない第1電極膜をドライエッチングして図12Aのように、第1電極120を形成し、フォトレジストパターンを除去する。
【0091】
次に、図12Bに示すように、第1電極120の端を覆うようにバンク(B)を形成する(S1102)。
【0092】
詳細には、第1電極120上に充填物質を形成する。充填物質は、有機物質、例えば、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)またはポリイミド樹脂(polyimide resin)であり得る。
【0093】
そして、ドライエッチング(dry etch)してバンク(B)を形成する。ドライエッチング物質は、充填物質をエッチングすることができるが、第1電極120をエッチングすることができない物質を選択することが好ましい。
【0094】
そして、バンク(B)にトレンチ(T)を形成する。トレンチ(T)が形成される領域を除いた残りの領域にフォトレジストパターンを形成する。フォトレジストパターンによって覆われないで露出したバンク(B)をエッチングしてトレンチ(T)を形成し、フォトレジストパターンを除去する。
【0095】
次に、図12Cに示すように、有機発光層130及び第2電極140を順に形成する。
【0096】
詳細には、第1電極120とバンク(B)上に有機発光層130を形成する。有機発光層130は、蒸着工程または溶液工程で形成することができる。有機発光層130が蒸着工程で形成される場合には、蒸発蒸着法(Evaporation)を利用して形成することができる。
【0097】
有機発光層130は、白色光を発光する白色発光層であり得る。この場合、有機発光層130は、画素(P)に共通して形成される共通層であり得る。
【0098】
有機発光層130が白色発光層である場合には、2スタック(stack)以上のタンデム構造で形成することができる。スタックのそれぞれは、正孔輸送層(hole transporting layer)、少なくとも一つの発光層(light emitting layer)、および電子輸送層(electron transporting layer)を含むことができる。
【0099】
また、スタックの間には、電荷発生層を形成することができる。電荷発生層は、下部スタックと隣接して位置するn型電荷発生層とn型電荷発生層上に形成されて上部スタックと隣接して位置するp型電荷発生層を含むことができる。n型電荷発生層は、下部スタックに電子(electron)を注入し、p型電荷発生層は、上部スタックに正孔(hole)を注入する。n型電荷発生層は、Li、Na、K、またはCsなどのアルカリ金属、またはMg、Sr、Ba、またはRaのようなアルカリ土類金属でドープされた有機層からなり得る。p型電荷発生層は、正孔輸送能力を有する有機物質にドーパントをドーピングして形成することができる。
【0100】
有機発光層130は、蒸発蒸着法(Evaporation)で形成されるので、ステップカバレッジ特性が良くない。従って、有機発光層130は、バンク(B)に設けられたトレンチ(T)によって段差が発生する領域で一定の厚さに形成されない。
【0101】
有機発光層130は、バンク(B)の上面からトレンチ(T)の側面に落ち込むところで厚く形成され得る。より詳細には、バンク(B)の上面とトレンチ(T)の第1側面の境界部の有機発光層130の厚さは、トレンチ(T)の第1側面または底の有機発光層130の厚さより厚く形成され得る。また、バンク(B)の上面およびトレンチ(T)の第2側面の境界部の有機発光層130の厚さは、トレンチ(T)の第2側面または底の有機発光層130の厚さよりも厚く形成され得る。前記第1側面および前記第2側面は、互いに向き合うことができる。その結果、トレンチ(T)の内部は、下部から上部に行くほど狭くなり得る。
【0102】
また、有機発光層130は、バンク(B)に設けられたトレンチ(T)の側壁の有機発光層130の厚さは、トレンチ(T)の底の有機発光層130の厚さよりも薄く形成され得る。
【0103】
そして、有機発光層130上に第2電極140を形成する。第2電極140は、画素(P)に共通して形成される共通層であり得る。第2電極140は、光を透過させることができるITO、IZOのような透明な金属物質(TCO,Transparent Conductive Material)、またはマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、またはマグネシウム(Mg)と銀(Ag)の合金のような半透過金属物質(Semi-transmissive Conductive Material)で形成することができる。
【0104】
第2電極140は、スパッタリング法(sputtering)のような物理的な気相蒸着法(physics vapor deposition)で形成することができる。スパッタリング法のような物理的気相蒸着法で形成された膜はステップカバレッジ(step coverage)特性が優れている。したがって、第2電極140は、バンク(B)に設けられたトレンチ(T)によって段差が発生するにもかかわらず、有機発光層130に比べて均一な厚さでトレンチ(T)の側壁および底上に蒸着され得る。
【0105】
その後、第2電極140上に封止膜150を形成する(S1103)。
【0106】
詳細には、図12Dに示すように、第1電極(140)上に第1無機膜151を形成する。第1無機膜151は、シリコン窒化物、窒化アルミニウム、ジルコニウム窒化物、チタン窒化物、ハフニウム窒化物、タンタル窒化物、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物またはチタン酸化物で形成され得る。第1無機膜151は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法またはALD(Atomic Layer Deposition)法で蒸着することができるが、これらに限定されるものではない。
【0107】
そして、第1無機膜151上に高屈折有機膜152aを形成する。詳細には、図12Eに示すように、第1無機膜151上に屈折率が大きい、例えば、1.7と同じか大きい屈折率を有する高屈折有機物質を形成する。そして、高屈折有機物質上にハードマスク(HM)を配置し、等方性エッチング(isotropic etching)して、図12Fのように集光構造物を有する高屈折有機膜152aを形成する。そして、ハードマスク(HM)を除去する。
【0108】
そして、図12Gのように高屈折有機膜152a上に低屈折有機膜152bを形成する。低屈折有機膜152bは、高屈折有機膜152aよりも小さい屈折率は、例えば、1.7よりも小さい屈折率を有する有機物質からなり得る。例えば、低屈折有機膜152bは、モノマー(monomer)からなり得る。
【0109】
そして、低屈折有機膜152bの上に第2無機膜153を形成する。第2無機膜153は、シリコン窒化物、窒化アルミニウム、ジルコニウム窒化物、チタン窒化物、ハフニウム窒化物、タンタル窒化物、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物またはチタン酸化物で形成され得る。第2無機膜153は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法またはALD(Atomic Layer Deposition)法で蒸着され得るが、これらに限定されるものではない。
【0110】
次に、図12Hに示すように封止膜150上にカラーフィルタ160を形成する。カラーフィルタ160は、画素(P)のそれぞれに対応するように配置される。例えば、赤色カラーフィルタ(RCF)は、赤色画素(RP)に対応するように配置され、緑色カラーフィルタ(GCF)は、緑色画素(GP)に対応するように配置され、青色カラーフィルタ(BCF)は青色画素(BP)に対応するように配置され得る。図に示していないが、カラーフィルタ160上には封止フィルムを付着することができる。
【0111】
図13Aは、本出願の一例による表示装置が適用されたヘッドマウントディスプレイを示す例示図であり、図13Bは、図13Aの収納ケースの一例を示す例示図である。
【0112】
図13A及び図13Bを参照すると、本出願の一例による表示装置が適用されたヘッドマウントディスプレイ1は、収納ケース11、左眼レンズ20aと右眼レンズ20b、レンズアレイ12、およびヘッド装着バンド13を含むことができる。
【0113】
収納ケース11は、表示パネル2を収納し、左眼レンズ20aと右眼レンズ20bに表示パネル2の映像を提供する。表示パネルは、本発明の一実施例に係る表示装置であり得る。
【0114】
収納ケース11は、図13Bに示すように左眼レンズ20aの前に配置される左眼用表示パネル2aと右眼レンズ20bの前に配置される右眼用表示パネル2bを含むことができる。
【0115】
左眼用表示パネル2aと右眼用表示パネル2bは、同じ映像を表示することができ、この場合、使用者は、2D映像を視聴することができる。または、左眼用表示パネル2aは、左眼映像を表示して右眼用表示パネル2bは、右眼映像を表示することができ、この場合、使用者は、立体映像を視聴することができる。
【0116】
左眼用表示パネル2aと右眼用表示パネル2bのそれぞれは、有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display)であり得る。
【0117】
一方、収納ケース11は、図13Bに示すように左眼用表示パネル2aと左眼レンズ20aとの間と、右眼用表示パネル2bと右眼レンズ20bとの間にそれぞれ配置されるレンズアレイ(Lens array)12をさらに含むことができる。レンズアレイ12は、マイクロレンズアレイ(Micro Lens array)であり得る。レンズアレイ12は、ピンホールアレイ(Pin Hole array)に置き換えることができる。レンズアレイ12により、左眼用表示パネル2aまたは右眼用表示パネル2bに表示される映像は、使用者に拡大して見え得る。
【0118】
左眼レンズ20aには使用者の左眼(LE)が配置し、右眼レンズ20bには使用者の右眼(RE)が位置することができる。つまり、左眼レンズ20aと右眼レンズ20bは、表示パネル2の前方に配置される接眼レンズに該当する。
【0119】
ヘッド装着バンド13は、収納ケース11に固定される。ヘッド装着バンド13は、使用者の頭の上面と両側面を囲むように形成されたものを例示したが、これに限定されない。ヘッド装着バンド13は、使用者の頭にヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display,HMD)を固定するためのものであり、メガネ形態またはヘルメット形態に形成することもできる。
【0120】
以上で説明した本出願は、前述した実施例及び添付した図に限定されるものではなく、本出願の技術的思想を逸脱しない範囲内で、複数の置換、変形及び変更が可能であることが、本出願が属する技術分野で通常の知識を有する者にとって明らかであろう。したがって、本出願の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲そしてその等価概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本出願の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0121】
110:基板
120:第1電極
130:有機発光層
140:第2電極
B:バンク
150:封止膜
151:第1無機膜
152a:高屈折有機膜
152b:低屈折有機膜
153:第2無機膜
160:カラーフィルタ
AG:エアギャップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図12G
図12H
図13A
図13B