(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6878789
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】車両用シートの取付部構造
(51)【国際特許分類】
B60N 2/005 20060101AFI20210524BHJP
B62D 25/20 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
B60N2/005
B62D25/20 G
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-163836(P2016-163836)
(22)【出願日】2016年8月24日
(65)【公開番号】特開2018-30438(P2018-30438A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2019年6月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(72)【発明者】
【氏名】岸野 清広
(72)【発明者】
【氏名】望月 晋栄
【審査官】
望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−103528(JP,A)
【文献】
実開昭61−044371(JP,U)
【文献】
特開2009−119997(JP,A)
【文献】
特開2001−097098(JP,A)
【文献】
特開2012−011856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/005
B62D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロアパネルの車両幅方向の中間部に設けられるフロアトンネル部と、
前記フロアパネルの上部に設けられ、車両幅方向において前記フロアトンネル部に連結される左右のクロスメンバと、
左右のシートが取付けられるシートレール組立体を前記左右のクロスメンバに取付けるためのシート取付ブラケットと、を備える車両用シートの取付部構造において、
前記シート取付ブラケットが補強部材を介して前記クロスメンバに取付けられていることを特徴とする車両用シートの取付部構造。
【請求項2】
前記シート取付ブラケットは、
前記フロアトンネル部を挟んで車両内側に位置する左右の内側シート取付ブラケットと、前記左右の内側シート取付ブラケットよりも車両幅方向の外側に位置する左右の外側シート取付ブラケットと、を有し、
前記シート取付ブラケットのうち、前記外側シート取付ブラケットが前記補強部材を介して前記クロスメンバに取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用シートの取付部構造。
【請求項3】
前記シート取付ブラケットは、前記補強部材を介して前記クロスメンバの前後面に接合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用シートの取付部構造。
【請求項4】
フロアパネルの車両幅方向の中間部に設けられるフロアトンネル部と、
前記フロアパネルの上部に設けられ、車幅方向において前記フロアトンネル部に連結する左右のクロスメンバと、
左右のシートに取付けられるシートレール組立体を前記左右のクロスメンバに取付けるシート取付ブラケットと、を備える車両用シートの取付部構造において、
前記シート取付ブラケットのうち、前記フロアトンネル部を挟んで車両内側に位置する左右のシート取付ブラケットを連結する連結部材と、
前記フロアトンネル部の内側かつ前記左右のクロスメンバとの間に設けられるブレースと、を備えることを特徴とする車両用シートの取付部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートの取付部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用シートの取付部構造において、シート取付部の高さは、フロアパンの車両幅方向中央部に設けたトンネル状のバックボーン(フロアトンネル)の上面とほぼ同じ高さ位置に設定されている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の取付部構造では、車両用シートの車室中央側(車両幅方向中心側)の固定箇所を支持するシートブラケットをバックボーンの左右両側面などに接合することによって、シート取付部の剛性を確保するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−227029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の車両用シートの取付部構造においては、シート取付部の高さがバックボーンの上面とほぼ同じ高さで、低い位置に設定されているので、着座位置が高いスーパーハイト系車両のシートに適用する場合、シートブラケットがタワー状の倒れやすい構造となる。このため、従来の車両用シートの取付部構造では、シート取付部の剛性が低下し、車両走行中などにおいて、シート振動が発生したり、乗員が不安定感を感じたりするようになる懸念があった。
【0005】
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、従来のシート着座位置よりも高いシート着座位置に設定しながらシート取付部の剛性を効率良く向上させ、車両走行中などに発生するシート振動の低減及び乗員に与える不安定感の解消を図ることが可能な車両用シートの取付部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、フロアパネルの車両幅方向の中間部に
設けられるフロアトンネル部
と、前記フロアパネルの上部に
設けられ、車両幅方向において前記フロアトンネル部
に連結
される左右のクロスメンバ
と、 左右のシート
が取付けられるシートレール組立体
を前記左右のクロスメンバ
に取付けるためのシート取付ブラケット
と、を備える車両用シートの取付部構造において、前記シート取付ブラケット
が補強部材を介して前記クロスメンバに取付けられている。
【発明の効果】
【0007】
上述の如く、本発明に係る車両用シートの取付部構造は、フロアパネルの車両幅方向の中間部に
設けられるフロアトンネル部
と、前記フロアパネルの上部に
設けられ、車両幅方向において前記フロアトンネル部
に連結
される左右のクロスメンバ
と、 左右のシート
が取付けられるシートレール組立体
を前記左右のクロスメンバ
に取付けるためのシート取付ブラケット
と、を備え、前記シート取付ブラケット
が補強部材を介して前記クロスメンバに取付けられているので、次のような効果を得ることができる。
すなわち、本発明の取付部構造においては、上面がフロアトンネル部の上面よりも高く位置し、かつ車両内側に位置する左右のシート取付ブラケットがフロアトンネル部を間に挟んで配置され、フロアトンネル部の上方に設けられた連結部材によって互いに連結されているので、シート取付部の剛性を向上させることができる。したがって、シート着座位置を高く設定するスーパーハイト系車両などに適用しても、シート取付部の変形を抑えるとともに、シート取付ブラケットの横倒れを防止することができる。しかも、車両走行中などに発生するシート振動を低減させ、シートに着座した乗員の不安定感を解消し、安定した乗り心地を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る車両用シートの取付部構造が適用されたシート取付部付近を車両前方から見た斜視図である。
【
図3】
図1におけるシート取付部付近を車両前方から見た正面図である。
【
図4】本発明の第2実施形態に係る車両用シートの取付部構造が適用されたシート取付部を車両前方斜め上から見た斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態の変形例に係る車両用シートの取付部構造が適用されたシート取付部を車両後方斜め上から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜
図5は本発明の実施形態に係る車両用シートの取付部構造を示すものである。なお、図において、矢印Fr方向は車両前方を示し、矢印I方向は車両幅方向内側を示し、矢印U方向は車両上方を示している。
【0010】
[第1実施形態]
図1〜
図3は、本発明の第1実施形態に係る車両用シートの取付部構造を示している。
本発明の第1実施形態に係る車両用シートの取付部構造が適用される車両1は、
図1〜
図3に示すように、シート着座位置が高い車両(例えば、スーパーハイト系車両)であり、車室床面を構成するフロアパネル2を備えている。フロアパネル2の車両幅方向の中央部(車両幅方向の中間部)には、車両前後方向に延在するフロアトンネル部21が設けられている。このフロアトンネル部21は、車両上方へ向けて突出した断面略台形状に形成されており、運転席側の床面と助手席の床面とを二分するように、フロアパネル2の面上に設けられている。そして、フロアパネル2の車両幅方向の左右両側には、車両前後方向に延在するサイドシル部22が設けられている。
【0011】
フロアパネル2の上部には、
図1〜
図3に示すように、フロアトンネル部21とサイドシル部22とを連結する左右の前側クロスメンバ3A,3B及び後側クロスメンバ4A,4Bが、車両前後に所定の間隔を空けながら車両幅方向に沿って同じ位置にそれぞれ配置されている。前側クロスメンバ3A,3B及び後側クロスメンバ4A,4Bは、前後左右の端部にフランジ部3a,3b,4a,4bを有する断面略ハット型形状の縦壁であり、これらフランジ部3a,3b,4a,4bをフロアパネル2の上面、フロアトンネル部21の傾斜面及びサイドシル部22の室内側側面にスポット溶接などで接合して取付けることにより、フロアパネル2の上部に立設されている。しかも、左右の前側クロスメンバ3A,3B及び後側クロスメンバ4A,4Bの上面は、フロアトンネル部21の上面21aとほぼ同じ高さ位置に設定されている。
なお、フロアトンネル部21の内側には、左右の前側クロスメンバ3A,3B及び後側クロスメンバ4A,4Bと同じ位置にブレース5が設けられており、該ブレー
ス5によって、当該箇所に位置するフロアトンネル部21の剛性が高められている。
【0012】
一方、本実施形態の車両1の車室内には、
図1及び
図2に示すように、着座位置の高い車両用シート6が搭載されている。車両用シート6は、車室内の車両前方側に設けられる前席シートであり、車両幅方向の左右両側に配置される助手席側の前席シート6A及び運転席側の前席シート6Bから構成されている。これら前席シート6A,6Bの下部は、車両幅方向に一定の間隔を空けて設けられる一対のシートレール組立体7にそれぞれ取付けられている。そして、シートレール組立体7は、車両内側に位置する左右のシート取付ブラケット8A,8Bと、車両外側に位置する左右のシート取付ブラケット8C,8Dを介して、左右の前側クロスメンバ3A,3B及び後側クロスメンバ4A,4Bに取付けられている。
【0013】
本実施形態のシート取付ブラケット8A〜8Dは、
図1〜
図3に示すように、左右の前側クロスメンバ3A,3B及び後側クロスメンバ4A,4Bの上面3Aa,3Ba,4Aa,4Baより車両上方に向かって延びており、シート取付ブラケット8A〜8Dの上面8Aa〜8Daがフロアトンネル部21の上面21aよりも高い位置に配置されている。そのため、シート取付ブラケット8A〜8Dは、上面部が閉じた四角錐形の筒状体であり、起立した状態でそれぞれ設けられている。そして、前側クロスメンバ3A,3B及び後側クロスメンバ4A,4Bの上面3Aa,3Ba,4Aa,4Baからのシート取付ブラケット8A〜8Dの高さは、安定性などを確保する観点から、フロアパネル2からフロアトンネル部21の上面21aまでの高さの約半分に設定されている。
【0014】
また、シート取付ブラケット8A〜8Dのうち、車両内側に位置する左右のシート取付ブラケット8A,8Bは、フロアトンネル部21を挟んで対向して配置されている。しかも、車両内側に位置する左右のシート取付ブラケット8A,8Bは、連結部材9によって連結されており、左右のシート取付ブラケット8A,8Bが連結部材9を介して一体化されている。この連結部材9は、フロアトンネル部21の上方に設けられ、該フロアトンネル部21を跨いで車両幅方向に延在して配置されている。
さらに、連結部材9は、縦方向に所定の幅を有する部材であり、左右両端部が溶接(またはボルト締結)などによって、シート取付ブラケット8A,8Bの前面(もしくは後面)の上部に取付けられる構造を有している。
【0015】
また、本実施形態の取付部構造において、左右の前側クロスメンバ3A,3B及び後側クロスメンバ4A,4Bの両端部の内側には、
図3に示すように、シート取付ブラケット8A〜8Dの取付部の剛性を高める補強部材10A〜10Dがそれぞれ設けられている。補強部材10A〜10Dは、配置される左右の前側クロスメンバ3A,3B及び後側クロスメンバ4A,4Bの端部及びフロアトンネル部21の側面と対応する外形及び断面形状を有し、クロスメンバ3A,3B,4A,4Bの端部及びフロアトンネル部21の側面に沿って配置した状態で、取付けられるようになっている。そして、シート取付ブラケット8A〜8Dは、補強部材10A〜10Dと、左右の前側クロスメンバ3A,3B及び後側クロスメンバ4A,4Bとを挟んだ位置で、これら左右の前側クロスメンバ3A,3B及び後側クロスメンバ4A,4Bの上面3Aa,3Ba,4Aa,4Baに設けられている。
そのため、シート取付ブラケット8A〜8Dの下部開口周縁の前後部分は、下方へ延設した前後フランジ部8Ab〜8Dbを前側クロスメンバ3A,3B及び後側クロスメンバ4A,4Bの前後面に補強部材10A〜10Dを介して接合されて取付けられている。また、シート取付ブラケット8A〜8Dの下部開口周縁の左右両側部分は、車両幅方向へ延設した左右フランジ部8Ac〜8Dcを前側クロスメンバ3A,3B及び後側クロスメンバ4A,4Bの上面3Aa,3Ba,4Aa,4Baに補強部材10A〜10Dを介して接合されて取付けられている。
【0016】
このように、本発明の第1実施形態に係る車両用シート6の取付部構造では、フロアトンネル部21とサイドシル部22とを連結するクロスメンバ3A,3B,4A,4Bが車両幅方向に沿ってフロアパネル2の上部に配置され、車両用シート6の前席シート6A,6Bがシートレール組立体7に取付けられ、シートレール組立体7がシート取付ブラケット8A〜8Dを介して左右のクロスメンバ3A,3B,4A,4Bに取付けられ、シート取付ブラケット8A〜8Dは、クロスメンバ3A,3Bの上面より車両上方に延びている。さらに、シート取付ブラケット8A〜8Dの上面8Aa〜8Daは、フロアトンネル部21の上面21aよりも高い位置に配置され、車両内側に位置する左右のシート取付ブラケット8A,8Bは、フロアトンネル部21を間に挟んで配置され、かつ左右のシート取付ブラケット8A,8Bを連結する連結部材9がフロアトンネル部21の上方に設けられている。
そのため、第1実施形態の取付部構造においては、上面8Aa〜8Daがフロアトンネル部21の上面21aよりも高く位置し、かつ車両内側に位置する左右のシート取付ブラケット8A,8Bがフロアトンネル部21を間に挟んで配置され、フロアトンネル部21の上方に設けられた連結部材9によって連結され、一体化した構造となっているので、シート取付部の剛性を向上させることができる。したがって、第1実施形態の取付部構造によれば、シート着座位置の高いスーパーハイト系車両などに適用した場合でも、シート取付部に加わる荷重を連結部材9で支えることが可能となり、シート取付部の変形を抑えることができるとともに、シート取付ブラケット8A,8Bの横倒れを効果的に防止できる。しかも、車両1の走行中などに発生するシート振動を低減させることが可能になるので、車両用シート6の前席シート6A,6Bに着座した乗員の不安定感を解消でき、安定した乗り心地を確保することができる。
【0017】
また、第1実施形態の取付部構造においては、左右の前側クロスメンバ3A,3B及び後側クロスメンバ4A,4Bの両端部の内側に補強部材10A〜10Dがそれぞれ設けられ、シート取付ブラケット8A〜8Dが、補強部材10A〜10Dと、左右の前側クロスメンバ3A,3B及び後側クロスメンバ4A,4Bとを挟んだ位置で、これら左右の前側クロスメンバ3A,3B及び後側クロスメンバ4A,4Bの上面3Aa,3Ba,4Aa,4Baに設けられている。
そのため、第1実施形態の取付部構造においては、シート取付ブラケット8A〜8Dの取付部の剛性が補強部材10A〜10Dによって高められることになる。したがって、第1実施形態の取付部構造によれば、荷重が当該シート取付ブラケット8A〜8Dの取付部に加わった際に生じる可能性がある左右の前側クロスメンバ3A,3B及び後側クロスメンバ4A,4Bの変形を低減させることができるとともに、シート取付ブラケット8A〜8Dの変形を小さくすることができる。
【0018】
さらに、第1実施形態の取付部構造においては、連結部材9が縦方向に所定の幅を有する部材であり、シート取付ブラケット8A,8Bの前面もしくは後面に取付けられる構造を有している。したがって、第1実施形態の取付部構造によれば、シート取付ブラケット8A,8Bの左右方向への倒れによる変形に対し連結部材9を効果的に働かせることができ、左右のシート取付ブラケット8A,8Bの変形を確実に抑制することができる。
【0019】
[第2実施形態]
図4は本発明の第2実施形態に係る車両用シートの取付部構造を示すものである。
本発明の第2実施形態に係る取付部構造が第1実施形態の取付部構造と異なる点は、
図4に示すように、フロアトンネル部21を間に挟んで配置される左右のシート取付ブラケット8A,8Bと、フロアトンネル部21を跨いで車両幅方向に延在する連結部材9とが一体に形成された鞍型の構造を有しており、一体型シート取付ブラケット80として構成されていることである。一体型シート取付ブラケット80は、左右のシート取付ブラケット8A,8Bを形成する左右のブラケット部80A,80Bと、連結部材9を形成する部分であって、左右のブラケット部80A,80Bを連結する連結部90とを有している。また、この連結部90は、フロアトンネル部21の上面21aに接地された状態で、当該フロアトンネル部21の上面21aを覆うように固定されている。そのため、連結部90の車両幅方向の中央部分は、左右のブラケット部80A,80Bの上面80Aa,80Baよりも低く、車両下方に凹んだ形状に形成されており、下部側がフロアトンネル部21の上面21aと対応した形状を有している。その他の構成は上記第1実施形態と同様であり、これと同一の部材及び部分は同一の符号で示している。
【0020】
本発明の第2実施形態に係る車両用シートの取付部構造では、フロアトンネル部21を間に挟んで配置される左右のシート取付ブラケット8A,8Bと、連結部材9とが一体に形成され、左右のシート取付ブラケット8A,8Bを連結する連結部90が、フロアトンネル部21の上面21aに接地された状態で固定され、連結部90の車両幅方向の中央部分が、左右のシート取付ブラケット8A,8Bの上面よりも低く、車両下方に凹んだ形状に形成されている。すなわち、左右のブラケット部80A,80Bと、左右のブラケット部80A,80Bを連結する連結部90とが一体化した一体型シート取付ブラケット80として構成されている。したがって、第1実施形態の取付部構造によれば、シート取付部の剛性を高めることができるとともに、荷重入力時におけるシート取付ブラケット80や左右前後のクロスメンバ3A,3B,4A,4Bなどの変形をより一層低減させることができる。その他の効果は、上記第1実施形態と同様に得ることができる。
【0021】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
【0022】
例えば、既述の第1実施形態における連結部材9は、縦方向に所定の幅を有する部材であり、左右両端部がシート取付ブラケット8A,8Bの前面(もしくは後面)に取付けられる構造を有しているが、
図5に示すような断面L字形状の連結部材9A,9Bを用いることも可能である。この場合、前方側の連結部材9Aはシート取付ブラケット8A,8Bの上面8Aa,8Ba及び前面にボルト締結で取付けられ、後方側の連結部材9Bはシート取付ブラケット8A,8Bの上面8Aa,8Ba及び後面にボルト締結で取付けられている。しかも、シート取付ブラケット8A,8Bの上面8Aa,8Baでは、シートレール組立体7と連結部材9A,9Bとが共締めされる構造となっている。
【符号の説明】
【0023】
1 車両
2 フロアパネル
3A,3B 前側クロスメンバ
3Aa,3Ba 上面
3a,3bフランジ部
4A,4B 後側クロスメンバ
4Aa,4Ba 上面
4a,4b フランジ部
6 車両用シート
6A 助手席側の前席シート
6B 運転席側の前席シート
8A〜8D シート取付ブラケット
8Aa〜8Da 上面
8Ab〜8Db 前後フランジ部
8Ac〜8Dc 左右フランジ部
9,9A,9B 連結部材
10A〜10D 補強部材
21 フロアトンネル部
21a 上面
22 サイドシル部
80 一体型シート取付ブラケット
80A,80B 左右のブラケット部
90 連結部