特許第6878862号(P6878862)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6878862
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】タイヤ用支持中子の保持部材
(51)【国際特許分類】
   B60C 17/04 20060101AFI20210524BHJP
【FI】
   B60C17/04 B
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-239095(P2016-239095)
(22)【出願日】2016年12月9日
(65)【公開番号】特開2018-94978(P2018-94978A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2019年12月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】郷原 敬史
【審査官】 赤澤 高之
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭54−122502(JP,A)
【文献】 特開昭62−008801(JP,A)
【文献】 特開2005−170379(JP,A)
【文献】 米国特許第04248286(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 1/00− 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気入りタイヤが嵌合されるリムの外周面と前記空気入りタイヤの内圧低下時に該空気入りタイヤを内側から支持する円環状の中子との間に配設されるゴム製の保持部材であって、前記中子の基端部を受容する凹部を外周面に備えた環状体からなり、該環状体において前記凹部の両外側に位置する厚肉部に前記環状体の外周面に沿って該環状体の幅方向に並んだ複数本の補強材が少なくとも1層の補強層を形成するように埋設されていることを特徴とするタイヤ用支持中子の保持部材。
【請求項2】
前記補強材がスチールコードであることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用支持中子の保持部材。
【請求項3】
前記補強材が有機繊維コードであることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用支持中子の保持部材。
【請求項4】
前記補強材の強力Tが100kgf≦T≦250kgfの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用支持中子の保持部材。
【請求項5】
前記補強材のタイヤ周方向に対する傾斜角度αが0°≦α≦50°の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用支持中子の保持部材。
【請求項6】
前記環状体の外周面における前記厚肉部の幅W1と前記環状体の内周面における前記厚肉部の幅W2とが1.0≦W1/W2≦2.0の関係を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用支持中子の保持部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤが嵌合されるリムの外周面と空気入りタイヤの内圧低下時に該空気入りタイヤを内側から支持する円環状の中子との間に配設されるゴム製の保持部材に関し、更に詳しくは、リム組み作業性を良化させつつ、中子保持性を改善することを可能にしたタイヤ用支持中子の保持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
AGT(Automated Guideway Transit)やモノレールに代表される新交通システムの車両では、車輪に空気入りタイヤが装着されている。このような新交通システムにおいて、空気入りタイヤがパンクして車両が走行不能になると、他の車両が軌道を走行することができず、ダイヤが大幅に乱れることになる。このような不都合を回避するために、空気入りタイヤが嵌合されるリムの外周面には空気入りタイヤの内圧低下時に該空気入りタイヤを内側から支持する円環状の中子が設置されており、空気入りタイヤがパンクした際にも中継地までの必要最小限の走行が可能になっている。
【0003】
従来、この種のタイヤ用支持中子を備えた車輪において、リムの外周面と中子との間に緩衝材としてゴム製の環状体からなるタイヤ用支持中子の保持部材を配設することが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。このような保持部材をリムの外周面と中子との間に挿入することにより、通常走行時における異音の発生を防止すると共に、パンク走行時における振動の発生を低減することができる。
【0004】
タイヤ用支持中子の保持部材を構成するゴム製の環状体は、その外周面に中子の基端部を受容するための凹部を備えている。そして、空気入りタイヤと中子と保持部材をリムに対して組み付ける場合、これら空気入りタイヤと中子と保持部材をリムの一方側からタイヤ軸方向に沿って押し込み、中子の基端部を環状体の凹部に受容した状態で保持部材をタイヤ軸方向に圧縮させることで中子を固定する。これにより、空気入りタイヤの回転時に中子が浮き上がったり、中子自体がリムに対して相対的に回転したりすることが防止される。
【0005】
しかしながら、上述のように空気入りタイヤと中子と保持部材をリムの一方側からタイヤ軸方向に沿って押し込む際には強力な油圧プレスを使用して高い加圧力でリム組み作業を行う必要があり、その作業性が悪いという問題がある。また、リム組み作業での加圧力を低下させるために保持部材の圧縮代を小さくした場合、中子保持性が悪化するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭54−6205号公報
【特許文献2】実公昭64−322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、リム組み作業性を良化させつつ、中子保持性を改善することを可能にしたタイヤ用支持中子の保持部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を解決するための本発明のタイヤ用支持中子の保持部材は、空気入りタイヤが嵌合されるリムの外周面と前記空気入りタイヤの内圧低下時に該空気入りタイヤを内側から支持する円環状の中子との間に配設されるゴム製の保持部材であって、前記中子の基端部を受容する凹部を外周面に備えた環状体からなり、該環状体において前記凹部の両外側に位置する厚肉部に前記環状体の外周面に沿って該環状体の幅方向に並んだ複数本の補強材が少なくとも1層の補強層を形成するように埋設されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明者は、タイヤ用支持中子の保持部材について鋭意研究した結果、ゴム製の環状体において凹部の両外側に位置する厚肉部に環状体の外周面に沿って補強材を埋設した場合、リム組み作業において環状体に対してタイヤ軸方向の加圧力が負荷された際に補強材が厚肉部の径方向の膨らみを抑制し、その加圧力が中子に効率良く伝達されることになるので、低い加圧力でリム組み作業を行った場合であっても中子を強固に保持可能であることを知見し、本発明に至ったのである。
【0010】
即ち、本発明では、タイヤ用支持中子の保持部材が中子の基端部を受容する凹部を外周面に備えた環状体からなり、該環状体において凹部の両外側に位置する厚肉部に環状体の外周面に沿って補強材が埋設されているので、リム組み作業性を良化させつつ、中子保持性を改善することができる。
【0011】
補強材は、スチールコード又は有機繊維コードであることが好ましい。このような補強材を使用することにより、ゴム製の環状体の厚肉部を効果的に補強することができる。特に、補強材の強力Tは100kgf≦T≦250kgfの範囲にあることが好ましい。これにより、厚肉部の径方向の変形を抑制し、中子保持性を効果的に改善することができる。
【0012】
補強材のタイヤ周方向に対する傾斜角度αは0°≦α≦50°の範囲にあることが好ましい。これにより、厚肉部の径方向の変形を抑制し、中子保持性を効果的に改善することができる。
【0013】
環状体の外周面における厚肉部の幅W1と環状体の内周面における厚肉部の幅W2とは1.0≦W1/W2≦2.0の関係を満足することが好ましい。このような幅W1,W2の関係を規定し、環状体の両側面をオーバーハング形状とすることにより、リム組み時に空気入りタイヤを介して与えられる加圧力が中子に効率良く伝達されるので、中子保持性を効果的に改善することができる。
【0014】
本発明のタイヤ用支持中子の保持部材は、AGTやモノレールに代表される新交通システムの車両に装着される車輪に対して適用することが好ましいが、これに限定されるものではなく、タイヤ用支持中子を備えた種々の車輪に対して適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態からなるタイヤ用支持中子の保持部材を備えた車輪を示す子午線断面図である。
図2】本発明の実施形態からなるタイヤ用支持中子の保持部材を展開した状態を示す上面図である。
図3】本発明の実施形態からなるタイヤ用支持中子の保持部材を示す断面図である。
図4】本発明の実施形態からなるタイヤ用支持中子の保持部材のリム組み作業時の変形状態を示す要部断面図である。
図5】従来のタイヤ用支持中子の保持部材のリム組み作業時の変形状態を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなるタイヤ用支持中子の保持部材を備えた車輪を示し、図2及び図3はそのタイヤ用支持中子の保持部材を示すものである。
【0017】
図1に示すように、この車輪は、円環状をなすリム1と、リム1に取り付けられたバルブ2と、リム1に嵌合された空気入りタイヤ3と、空気入りタイヤ3の内圧低下時に該空気入りタイヤ3を内側から支持する円環状の中子4と、リム1の外周面と中子4との間に配設されたゴム製の保持部材5とを備えている。
【0018】
リム1は、一方のリムフランジを備えたリム本体11と、他方のリムフランジを備えたサイドリング12と、該サイドリング12をリム本体11に対して固定するためのロックリング13とから構成されている。中子4は、リム1のセンター部で中子4の周方向に延長するウエブ41と、ウエブ41の内周側に連設された内側フランジ42と、ウエブ41の外周側に連設された外側フランジ43と、ウエブ41と内側フランジ42と外側フランジ43とで囲まれた領域において中子4の幅方向に延在する複数枚の補強板44とから構成されている。これら補強板44は中子4の周方向に沿って間欠的に配置されている。また、中子4のウエブ41の近傍には内側フランジ42を貫通する通気穴45が形成されている。
【0019】
図1図3に示すように、保持部材5は、内周面50A及び外周面50Bを有する環状体50から構成されている。環状体50はリム1の外周面上に配置された状態で空気入りタイヤ3の両側のビード部に当接し、これらビード部の位置をリム1に対して固定するようになっている。環状体50の外周面50Bには、中子4の基端部(内側フランジ42)を受容する凹部51が環状体50の周方向に沿って形成されている。環状体50の凹部51に対応する位置には、環状体50をその厚さ方向に貫通する少なくとも1つの通気穴52が形成されている。通気穴52は中子4の通気穴45と連通するように配置されている。また、環状体50を凹部51の直下に位置するベース部53と凹部51の両外側に位置する厚肉部54とに区分したとき、厚肉部54には環状体50の外周面50Bに沿って複数本の補強材55が少なくとも1層の補強層を形成するように埋設されている。
【0020】
上述したタイヤ用支持中子の保持部材5を備えた車輪についてリム組み作業を行う場合、リム本体11からサイドリング12及びロックリング13を取り外した状態で、空気入りタイヤ3と中子4と保持部材5を同軸的に配置してリム1の一方側(即ち、サイドリング12が装着される側)からタイヤ軸方向に沿ってリム本体11の外周上に押し込み、中子4の基端部を環状体50の凹部51に受容した状態で保持部材5をタイヤ軸方向に圧縮させることで中子4を固定する。そして、リム本体11に対してサイドリング12及びロックリング13を装着することでリム組み作業を完了する。
【0021】
上記リム組み作業では、ゴム製の環状体50において凹部51の両外側に位置する厚肉部54に環状体50の外周面50Bに沿って補強材55が埋設されているので、環状体50に対してタイヤ軸方向の加圧力が負荷された際に補強材55が厚肉部54の径方向の膨らみを抑制し、その加圧力が中子4に効率良く伝達されることになる。つまり、図4に示すように、空気入りタイヤ3のビード部を介して環状体50にタイヤ軸方向の加圧力Fが負荷されると、厚肉部54のビード部に当接する部分が圧縮されて圧縮部A(圧縮代)となる。これに伴って、厚肉部54の他の部分が膨出しようとするが、補強材55が厚肉部54の径方向の膨らみを抑制するため、環状体50の外周面50B上の膨出部Bが小さくなる一方で、厚肉部54の中子4に当接する部分が膨らんで大きな膨出部Cを形成する。この場合、リム組み作業の加圧力を低下させても中子4を強固に保持することが可能になる。そのため、リム組み作業性を良化させつつ、中子保持性を改善することができる。
【0022】
上記タイヤ用支持中子の保持部材5において、補強材55は環状体50の外周面50Bに近接した位置に配置されることが好ましい。そのような配置により、厚肉部54の径方向の膨らみを最小限に抑制する一方で、厚肉部54の中子4に当接する部分を最大限に膨出させることができる。例えば、環状体50の外周面50Bから凹部51の深さの50%の位置までの領域内に補強材55を配置すると良い。
【0023】
上記タイヤ用支持中子の保持部材5において、補強材55としてスチールコード又は有機繊維コードを使用すると良い。補強材55としてスチールコード又は有機繊維コードを使用することにより、ゴム製の環状体50の厚肉部54を効果的に補強することができる。有機繊維コードとしては、アラミド繊維コードに代表される高弾性有機繊維コードが最適であるが、ポリエチレンテレフタレート繊維コードやナイロン繊維コード等も適用可能である。
【0024】
各補強材55の強力Tは100kgf(9.8kN)≦T≦250kgf(2.45kN)の範囲にあると良い。これにより、厚肉部54の径方向の変形を抑制し、中子保持性を効果的に改善することができる。補強材55の強力Tが下限値を下回ると厚肉部54の径方向への変形を十分に抑制できず中子保持性の改善効果が低下し、逆に上限値を上回ると環状体50の周方向の伸縮性が小さくなるためリム組み作業性が悪くなる。なお、強力TはJIS G3510−1992に準拠して測定される。
【0025】
上記タイヤ用支持中子の保持部材5において、補強材55のタイヤ周方向に対する傾斜角度αは0°≦α≦50°の範囲にあると良い。このように周方向の強力を確保することで厚肉部54の径方向の変形を抑制し、中子保持性を効果的に改善すると共に、リム組み性を良化させることができる。補強材55の傾斜角度αが上限値を超えると周方向の強力が低下し、厚肉部54の径方向の変形を抑制する効果が低下する。特に、傾斜角度αは0°≦α≦40°の範囲にあることが望ましく、0°≦α≦10°の範囲にあることが更に望ましい。この傾斜角度αは絶対値の角度である。
【0026】
上記タイヤ用支持中子の保持部材5において、図3に示すように、環状体50の外周面50Bにおける厚肉部54の幅W1と環状体50の内周面50Aにおける厚肉部54の幅W2とは1.0≦W1/W2≦2.0の関係を満足するのが良い。このような幅W1,W2の関係を規定し、環状体50の両側面をオーバーハング形状とすることにより、リム組み時に空気入りタイヤ3を介して与えられる加圧力が中子4に効率良く伝達されるので、中子保持性を効果的に改善することができる。比W1/W2が上記範囲から外れるとリム組み作業時の加圧力が空気入りタイヤ3を介して適切に中子4へ伝達されなくなるため中子保持性が悪化する。
【0027】
以下、本発明との対比のために、従来のタイヤ用支持中子の保持部材について説明する。図5は従来のタイヤ用支持中子の保持部材のリム組み作業時の変形状態を示すものである。図5に示すように、従来のタイヤ用支持中子の保持部材を構成する環状体50では、厚肉部54に補強材55が埋設されていない。そのため、空気入りタイヤ3のビード部を介して環状体50にタイヤ軸方向の加圧力Fが負荷されると、厚肉部54のビード部に当接する部分が圧縮されて圧縮部A(圧縮代)となり、これに伴って、環状体50の外周面50B上の膨出部Bが大きくなる。この場合、リム組み作業の加圧力を増大させても、その加圧力が中子4に伝達され難いのである。
【実施例】
【0028】
円環状をなすリムと、リムに取り付けられたバルブと、リムに嵌合された空気入りタイヤ(タイヤサイズ:315/70R20)と、空気入りタイヤの内圧低下時に該空気入りタイヤを内側から支持する円環状の中子と、リムの外周面と中子との間に配設されたゴム製の保持部材を備えた車輪において、保持部材の構成を種々異ならせた従来例及び実施例1〜11の車輪を製作した。
【0029】
従来例においては、保持部材を構成する環状体の外周面に中子の基端部を受容する凹部を形成し、環状体において凹部の両外側に位置する厚肉部に補強材を埋設しない構成とした。
【0030】
実施例1〜11においては、保持部材を構成する環状体の外周面に中子の基端部を受容する凹部を形成し、環状体において凹部の両外側に位置する厚肉部に環状体の外周面に沿って補強材を埋設した。補強材の材質、補強材のタイヤ周方向に対する傾斜角度α、補強材の強力T、環状体の外周面における厚肉部の幅W1と環状体の内周面における厚肉部の幅W2との比W1/W2は表1及び表2のように設定した。補強材の材質について、「スチール」はスチールコードを意味し、「アラミド」はアラミド繊維コードを意味し、「PET」はポリエチレンテレフタレート繊維コードを意味する。
【0031】
上述した従来例及び実施例1〜11の車輪について、下記の評価方法により、中子保持性及びリム組み作業性を評価した。その結果を表1及び表2に併せて示す。
【0032】
中子保持性:
各車輪について、保持部材を構成する環状体の厚肉部と中子との間に接触圧計を設置し、リム組み後に1050kPaの内圧を充填した状態における環状体の厚肉部と中子との間の接触圧を測定した。評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど中子保持性が良好であることを意味する。
【0033】
リム組み作業性:
油圧プレス機を用いて空気入りタイヤと中子と保持部材をリムに対して組み付ける作業を行い、その作業時間を計測した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどリム組み作業性が良好であることを意味する。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
表1及び表2に示すように、実施例1〜11のタイヤ用支持中子の保持部材を備えた車輪では、環状体において凹部の両外側に位置する厚肉部に環状体の外周面に沿って補強材が埋設されているので、従来例との対比において、リム組み作業性を良化させつつ、中子保持性を改善することができた。
【符号の説明】
【0037】
1 リム
2 バルブ
3 空気入りタイヤ
4 中子
5 保持部材
50 環状体
50A 内周面
50B 外周面
51 凹部
52 通気穴
53 ベース部
54 厚肉部
55 補強材
図1
図2
図3
図4
図5