(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2工程において、前記押圧部材として先端が尖った部材を用い、前記変形部に開口が形成されるようにし、前記変形部の先端が前記正極芯体露出部又は前記負極芯体露出部に接するようにする請求項1又は2に記載の二次電池の製造方法。
前記正極芯体露出部又は前記負極芯体露出部において、前記集電体が配置された外面とは反対側の外面に集電体受け部品が溶接接続された、請求項1〜4のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
前記正極芯体露出部又は前記負極芯体露出部において前記集電体が配置された外面とは反対側の外面に、第2凹部を有する前記集電体受け部品を、前記第2凹部が前記正極芯体露出部又は前記負極芯体露出部と対向するように配置する工程と、
前記集電体受け部品において前記第2凹部が形成された部分を、前記第2凹部が形成された面とは反対側の面側から押圧部材で押圧し、前記集電体受け部品を変形させ、当該変形させた部分を前記正極芯体露出部又は前記負極芯体露出部に接触させる工程と、を有し、
前記第3工程において、前記集電体及び前記集電体受け部品のそれぞれに抵抗溶接用電極を当接し、前記集電体受け部品の前記変形させた部分において、前記集電体受け部品と前記正極芯体露出部又は前記負極芯体露出部を抵抗溶接する請求項5に記載の二次電池の製造方法。
第2凹部を有し、前記第2凹部の中央には突部が設けられた前記集電体受け部品を、前記正極芯体露出部又は前記負極芯体露出部において前記集電体が配置された外面とは反対側の外面に、前記突部が前記正極芯体露出部又は前記負極芯体露出部と対向するように配置する工程を有し、
前記第3工程において、前記集電体及び前記集電体受け部品のそれぞれに抵抗溶接用電極を当接し、前記集電体受け部品の前記突部において、前記集電体受け部品と前記正極芯体露出部又は前記負極芯体露出部を抵抗溶接する請求項5に記載の二次電池の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明は以下の形態に限定されない。まず、
図1A及び
図1Bを用いて実施形態に係る角形二次電池20の構成を説明する。
【0014】
図1A及び
図1Bに示すように、角形二次電池20は、上方に開口を有する角形外装体1と、当該開口を封口する封口板2を備える。角形外装体1及び封口板2により電池ケースが構成される。角形外装体1及び封口板2は、それぞれ金属製であり、アルミニウム又はアルミニウム合金製であることが好ましい。角形外装体1内には、正極板と負極板とがセパレータ(いずれも図示省略)を介して巻回された扁平状の巻回電極体3が非水電解質と共に収容される。正極板は、金属製の正極芯体上に正極活物質を含む正極活物質合剤層が形成され、長手方向に沿って正極芯体が露出する正極芯体露出部が形成されたものである。また負極板は、金属製の負極芯体上に負極活物質を含む負極活物質合剤層が形成され、長手方向に沿って負極芯体が露出する負極芯体露出部が形成されたものである。なお、正極芯体はアルミニウム又はアルミニウム合金製であり、負極芯体は銅又は銅合金製であることが好ましい。
【0015】
巻回電極体3は巻回軸が延びる方向の一方端側に正極活物質合剤層が形成されていない正極芯体露出部4を有し、巻回軸が延びる方向の他方端側に負極活物質合剤層が形成されていない負極芯体露出部5を有する
。正極芯体露出部4は巻回されることにより複数枚の正極芯体露出部4が積層された状態
となっている。また、負極芯体露出部5は巻回されることにより複数枚の負極芯体露出部5が積層された状態となっている。正極芯体露出部4には、正極集電体6が接続されている。正極集電体6には正極端子7が接続されている。負極芯体露出部5には、負極集電体8が接続されている。負極集電体8には負極端子9が接続されている。
【0016】
正極端子7は、封口板2の電池外部側に配置される鍔部7aと、封口板2に設けられた貫通穴に挿入される挿入部を有する。また、負極端子9は、封口板2の電池外部側に配置される鍔部9aと、封口板2に設けられた貫通穴に挿入される挿入部を有する。
【0017】
正極芯体露出部4において正極集電体6が配置される側と反対側の面には正極集電体受け部品が配置されている。また、負極芯体露出部5において負極集電体8が配置される側と反対側の面には負極集電体受け部品30が配置されている。なお、正極集電体受け部品及び負極集電体受け部品30は必須の構成ではなく、省略することもできる。
【0018】
正極集電体6は、正極端子7に接続される端子接続部、端子接続部から巻回電極体3側に延びるリード部6b、リード部6bの先端側に設けられ正極芯体露出部4に接続される芯体接続部6cを有する。正極集電体6はアルミニウム又はアルミニウム合金製であることが好ましい。また、正極集電体6の厚みは0.5〜2mm程度とすることが好ましい。
【0019】
負極集電体8は、負極端子9に接続される端子接続部8a、端子接続部8aから巻回電極体3側に延びるリード部8b、リード部8bの先端側に設けられ負極芯体露出部5に接続される芯体接続部8cを有する。負極集電体8は銅又は銅合金製であることが好ましい。また、負極集電体8の厚みは0.5〜2mm程度とすることが好ましい。
【0020】
正極端子7及び正極集電体6はそれぞれ内部側絶縁部材10、外部側絶縁部材11を介して封口板2に固定される。負極端子9及び負極集電体8はそれぞれ内部側絶縁部材12、外部側絶縁部材13を介して封口板2に固定される。内部側絶縁部材10は封口板2と正極集電体6の間に配置され、外部側絶縁部材11は封口板2と正極端子7の間に配置される。内部側絶縁部材12は封口板2と負極集電体8の間に配置され、外部側絶縁部材13は封口板2と負極端子9の間に配置される。巻回電極体3は絶縁シート14に覆われた状態で角形外装体1内に収容される。封口板2は角形外装体1の開口縁部にレーザー溶接等により溶接接続される。封口板2は電解液注液孔15を有し、この電解液注液孔15は電解液を注液した後、封止栓16により封止される。封口板2には電池内部の圧力が所定値以上となった場合にガスを排出するためのガス排出弁17が形成されている。なお、正極板と正極端子7の間の導電経路、又は負極板と負極端子9の間の導電経路に、電池内圧が所定値以上となった場合に作動し導電経路を切断する電流遮断機構を設けることができる。電流遮断機構を設ける場合、電流遮断機構の作動圧はガス排出弁17の作動圧よりも低い値とする。
【0021】
<巻回電極体の作製>
次に、巻回電極体3の作製方法について説明する。
正極活物質としてのリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、導電剤及び結着剤を含む正極合剤を、正極芯体である厚さ15μmの矩形状のアルミニウム箔の両面に塗布して正極活物質合剤層を形成する。そして、短辺方向の一方側の端部に正極活物質合剤が塗布されていない所定幅の正極芯体露出部を有する正極板を作製する。また。負極活物質としての天然黒鉛粉末及び結着剤を含む負極合剤を、負極芯体である厚さ8μmの矩形状の銅箔の両面に塗布して負極活物質合剤層を形成する。そして、短辺方向の一方側の端部に負極活物質合剤が塗布されていない所定幅の負極芯体露出部を有する負極板を作製する。
【0022】
上述の方法で得られた正極板の正極芯体露出部と負極板の負極芯体露出部とがそれぞれ対向する電極の活物質合剤層と重ならないようにずらして、ポリエチレン製の多孔質セパレータを間に介在させて巻回し、扁平状に成形する。これにより、一方の端部に複数の正極芯体が積層された正極芯体露出部4を有し、他方の端部に複数の負極芯体が積層された負極芯体露出部5を有する扁平状の巻回電極体3とする。
【0023】
<封口体の組み立て>
次に、正極集電体6、正極端子7、負極集電体8及び負極端子9の封口板2への取り付け方法を、負極側を例に説明する。なお、正極側についても負極側と同様の方法で取り付けを行うことができる。
【0024】
封口板2の電池外部側に外部側絶縁部材13を配置し、封口板2の電池内部側に内部側絶縁部材12及び負極集電体8の端子接続部8aを配置する。そして、負極端子9の挿入部を電池外部側から、外部側絶縁部材13、封口板2、内部側絶縁部材12及び端子接続部8aのそれぞれに設けられた貫通穴に挿入し、挿入部の先端側をカシメる。これにより、負極端子9、外部側絶縁部材13、封口板2、内部側絶縁部材12及び端子接続部8aが一体的に固定される。なお、負極端子9の挿入部の先端のカシメられた部分を負極集電体8の端子接続部8aに溶接することが好ましい。
【0025】
<電極体への集電体の取り付け>
次に、巻回電極体3への正極集電体6及び負極集電体8の取り付け方法について、負極芯体露出部5への負極集電体8の取り付けを例に説明する。なお、正極芯体露出部4への正極集電体6の取り付けについても、負極芯体露出部5への負極集電体8の取り付けと同様の方法で行うことができる。
【0026】
図2は、負極芯体露出部5と負極集電体8の接続部近傍の巻回電極体3の巻回軸が延びる方向に沿った断面図であり、負極芯体露出部5への負極集電体8の取り付け方法を示す図である。
まず、
図2(a)に示すように、積層された負極芯体露出部5の一方の外面側に負極集電体8の芯体接続部8cを配置し、他方の外面側に負極集電体受け部品30を配置する。負極集電体8の芯体接続部8cには、凹部8eが形成されている。負極集電体8の芯体接続部8cを、凹部8eが負極芯体露出部5と対向するように配置する。また、負極集電体受け部品30の本体部30aには凹部30cが形成されている。負極集電体受け部品30の本体部30aを、凹部30cが負極芯体露出部5と対向するように配置する。
なお、負極集電体8の芯体接続部8cにおいて、凹部8eが形成された部分は、その周囲よりも薄肉となっている。このような構成であるため、後述する変形部8fを形成し易くなっている。また、負極集電体受け部品30の本体部30aにおいて、凹部30cが形成された部分は、その周囲よりも薄肉となっている。
【0027】
なお、負極集電体8の芯体接続部8cにおける巻回電極体3の中央側端部にはリブ8dが形成されている。また、負極集電体受け部品30の本体部30aにおける巻回電極体3の中央側端部にはリブ30bが形成されている。但し、リブ8d及びリブ30bは必須の構成ではない。
【0028】
図2(a)に示すように、負極集電体8の芯体接続部8cと負極芯体露出部5の間には絶縁フィルム50が配置されている。また、負極集電体受け部品30の本体部30aと負極芯体露出部5の間には絶縁フィルム50が配置されている。絶縁フィルム50には絶縁フィルム開口50aが設けられている。絶縁フィルム50の絶縁フィルム開口50aは、負極集電体8の芯体接続部8cの凹部8e、負極集電体受け部品30の本体部30aの凹部30cとそれぞれ対向するように配置されている。
【0029】
絶縁フィルム50の表面に接着層を設け、この接着層により絶縁フィルム50を負極集電体8、負極集電体受け部品30、ないし負極芯体露出部5に接着することが好ましい。なお、絶縁フィルム50は必須の構成ではない。
【0030】
図3(a)は、負極集電体8の芯体接続部8cの平面図である。負極集電体8の芯体接続部8cにおいて負極芯体露出部5と対向する面には凹部8eが設けられている。
図3(b)は、絶縁フィルム50が貼り付けられた芯体接続部8cの平面図である。絶縁フィルム50に設けられた絶縁フィルム開口50aの径は、凹部8eの径よりも小さくすることが好ましい。
【0031】
次に
図2(b)に示すように、負極集電体8の芯体接続部8cにおいて凹部8eが形成された部分を、凹部8eが形成された面とは反対側の面から押圧部材60で押圧する。これにより、負極集電体8の芯体接続部8cにおいて、凹部8eが形成された部分が負極芯体露出部5側に変形し、変形部8fが生じる。そして、この変形部8fが負極芯体露出部5と接触する。なお、負極集電体8の芯体接続部8cにおいて凹部8eが形成された部分の面積に比べ、押圧部材60において負極集電体8を押圧する部分(押圧部材60の先端)の面積は小さい。これにより、負極集電体8の芯体接続部8cにおいて凹部8eが形成された部分の一部が負極芯体露出部5に接触する。押圧部材60としては、先端が尖った形状のものを用いることが好ましい。芯体接続部8cにおける変形部8fが、負極芯体露出部5に突き刺さり、負極芯体露出部5に芯体開口5aが形成されることが好ましい。
【0032】
また、
図2(b)に示すように、負極集電体受け部品30の本体部30aにおいて凹部30cが形成された部分を、凹部30cが形成された面とは反対側の面から押圧部材61で押圧する。これにより、負極集電体受け部品30の本体部30aにおいて、凹部30cが形成された部分が負極芯体露出部5側に変形し、変形部30dが生じる。そして、この変形部30dが負極芯体露出部5と接触する。なお、負極集電体受け部品30の本体部30aにおいて凹部30cが形成された部分の面積に比べ、押圧部材61において負極集電体受け部品30を押圧する部分(押圧部材61の先端)の面積は小さい。これにより、負極集電体受け部品30の本体部30aにおいて凹部30cが形成された部分の一部が負極芯体露出部5に接触する。押圧部材61としては、先端が尖った形状のものを用いることが好ましい。負極集電体受け部品30の本体部30aにおいて変形した部分が、負極芯体露出部5に突き刺さり、負極芯体露出部5に芯体開口5aが形成されることが好ましい。
【0033】
変形部8fにおいて最も外径が大きい部分の外径は、凹部8eの径よりも小さいことが好ましい。例えば、凹部8eの径を2〜10mm程度とし、変形部8fの外径を1〜8mm程度とすることが好ましい。また、凹部8eの径を2〜5mm程度とし、変形部8fの外径を1〜4mm程度とすることがより好ましい。
【0034】
負極集電体8の芯体接続部8cを押圧部材60で押圧する工程と、負極集電体受け部品30の本体部30aを押圧部材61で押圧する工程は、同時に行っても良いし、いずれか一方を先に行ってもよい。
【0035】
次に、
図2(c)に示すように、負極集電体8の芯体接続部8cにおいて凹部8eと反対側の面に抵抗溶接用電極70を当接し、負極集電体受け部品30の本体部30aにおいて凹部30cと反対側の面に抵抗溶接用電極71を当接する。そして、抵抗溶接用電極70と抵抗溶接用電極71で、負極集電体8の芯体接続部8c、負極芯体露出部5、及び負極集電体受け部品30の本体部30aを挟み込んだ状態で、抵抗溶接用電極70と抵抗溶接用電極71に電圧を印加し抵抗溶接電流を流す。
これにより、
図2(d)に示すように、溶接ナゲット90が形成される。
【0036】
上述の方法では、負極芯体露出部5の外面側に負極集電体8の芯体接続部8cを配置した後、芯体接続部8cにおいて凹部8eが形成された部分を押圧部材60で押圧し、芯体接続部8cの変形部8fを負極芯体露出部5に接触させる。このため、芯体接続部8cの変形部8fと負極芯体露出部5の接触状態がより安定した状態となる。そして、このような状態で抵抗溶接を行うため、より大きな溶接ナゲットがより安定的に形成される。また、抵抗溶接時に金属スパッタが生じることを抑制できる。
【0037】
更に、上述の方法によると、
図2(c)に示すように負極集電体8の芯体接続部8cの変形部8fの周囲には、隙間8gが存在する状態で抵抗溶接が行われる。これにより、変形部8fの周囲において、負極集電体8の芯体接続部8cと負極芯体露出部5が直接接することを防止できる。よって、変形部8fと負極芯体露出部5の接触部に抵抗溶接電流が集中するため、より大きな溶接ナゲットがより安定的に形成される。また、抵抗溶接時に金属スパッタが生じることをより抑制できる。また、抵抗溶接時に金属スパッタが発生した場合、この金属スパッタが、凹部8e内において凝固し、金属スパッタが凹部8e外に飛散することを防止できる。なお、抵抗溶接により、より大きな溶接ナゲット90が形成され、隙間8gが消失するようにしてもよい。
【0038】
更に、上述の方法によると、負極集電体8の芯体接続部8cにおいて、凹部8eの周囲と負極芯体露出部5の間には絶縁フィルム50が配置されている。このため、芯体接続部8cにおける凹部8eの周囲と負極芯体露出部5の間に抵抗溶接電流が流れることを抑制できる。このため、より大きな溶接ナゲットがより安定的に形成される。また、抵抗溶接時に金属スパッタが生じることをより抑制できる。なお、絶縁フィルム50を省略することもできる。
【0039】
また、上述の方法によると、負極集電体受け部品30側においても、負極集電体8側と同様の構成となっているため、より効果的である。負極集電体受け部品30側においても、変形部30dが形成され、隙間30eが存在する状態で抵抗溶接が行われる。
【0040】
図4A〜
図4Cは、負極集電体8の芯体接続部8cにおいて凹部8eが形成された部分を、凹部8eが形成された面とは反対側の面から押圧部材60で押圧した状態を示す図である。
図4A、
図4B及び
図4Cにおいては、それぞれ押圧部材60の先端部の形状が異なる。
図4Aに示すように、押圧部材60の先端が平坦なものであってもよい。但し、
図4Bに示すように、押圧部材60として先端が尖ったものを用い、負極集電体8の変形部8fが負極芯体露出部5に食い込むようにすることが好ましい。このような構成とすると、負極集電体8の変形部8fと負極芯体露出部5の接触状態がより良好な状態となる。これにより、より大きな溶接ナゲットがより安定的に形成される。また、抵抗溶接時に金属スパッタが生じることをより抑制できる。なお、負極集電体8の変形部8fが負極芯体露出部5に食い込み、負極芯体露出部5に芯体開口5aが形成されることがより好ましい。
更に、
図4Cに示すように、押圧部材60として先端が尖ったものを用い、負極集電体8の変形部8fに集電体開口8xが形成されるようにすることが好ましい。このような構成とすると、負極集電体8の変形部8fと負極芯体露出部5の接触状態がより良好な状態となる。これにより、より大きな溶接ナゲットがより安定的に形成される。また、抵抗溶接時に金属スパッタが生じることをより抑制できる。なお、負極集電体8の変形部8fが負極芯体露出部5に食い込んだ状態となることが好ましい。また、負極芯体露出部5に芯体開口5aが形成されることがより好ましい。
図4Cに示す形態では、押圧部材60の先端が、負極芯体露出部5に直接食い込んでいる。
【0041】
[変形例1]
図5は、変形例1に係る負極芯体露出部5と負極集電体8の接続部近傍の巻回電極体3の巻回軸が延びる方向に沿った断面図であり、負極芯体露出部5への負極集電体8の取り付け方法を示す図である。
変形例1では、負極集電体受け部品の形状、及び負極集電体受け部品と負極芯体露出部の接続方法を除いては、上述の実施形態と同様である。
【0042】
変形例1において、負極集電体受け部品130は、本体部130aと、本体部130aにおける巻回電極体3の中央側端部に形成されたリブ130bを有する。負極集電体受け部品130には、上述の実施形態における負極集電体受け部品30に設けられた凹部30cは形成されていない。
【0043】
図5(a)に示すように、積層された負極芯体露出部5の一方の外面側に負極集電体8の芯体接続部8cを配置し、他方の外面側に負極集電体受け部品130が配置する。負極集電体8の芯体接続部8cには、凹部8eが形成されている。負極集電体8の芯体接続部8cを、凹部8eが負極芯体露出部5と対向するように配置する。
【0044】
なお、
図5(a)に示すように、負極集電体8の芯体接続部8cと負極芯体露出部5の間には絶縁フィルム50が配置されている。また、負極集電体受け部品130の本体部130aと負極芯体露出部5の間には絶縁フィルム50が配置されている。絶縁フィルム50には絶縁フィルム開口50aが設けられている。絶縁フィルム50の絶縁フィルム開口50aは、負極集電体8の芯体接続部8cと負極芯体露出部5の溶接予定部、負極集電体受け部品130の本体部130aと負極芯体露出部5の溶接予定部と対向する位置に配置されている。即ち、絶縁フィルム50の絶縁フィルム開口50aを通じて、溶接ナゲット90が形成されるようにする。
【0045】
次に
図5(b)に示すように、負極集電体8の芯体接続部8cにおいて凹部8eが形成された部分を、凹部8eが形成された面とは反対側の面から押圧部材60で押圧する。これにより、負極集電体8の芯体接続部8cにおいて、凹部8eが形成された部分が負極芯体露出部5側に変形し、変形部8fが生じる。そして、この変形部8fが負極芯体露出部5と接触する。なお、芯体接続部8cにおける変形部8fが、負極芯体露出部5に突き刺さり、負極芯体露出部5に芯体開口5aが形成されることが好ましい。
【0046】
次に、
図5(c)に示すように、負極集電体8の芯体接続部8cにおいて凹部8eと反対側の面に抵抗溶接用電極70を当接する。また、負極集電体受け部品130の本体部130aの外面に抵抗溶接用電極71を当接する。そして、抵抗溶接用電極70と抵抗溶接用電極71で、負極集電体8の芯体接続部8c、負極芯体露出部5、及び負極集電体受け部品130の本体部130aを挟み込んだ状態で、抵抗溶接用電極70と抵抗溶接用電極71に電圧を印加し抵抗溶接電流を流す。
【0047】
これにより、
図5(d)に示すように、溶接ナゲット90が形成される。
【0048】
上述の方法によると、より大きな溶接ナゲット90がより安定的に形成される。また、抵抗溶接時に金属スパッタが発生することを抑制できる。
【0049】
[変形例2]
図6は、変形例2に係る負極芯体露出部5と負極集電体8の接続部近傍の巻回電極体3の巻回軸が延びる方向に沿った断面図であり、負極芯体露出部5への負極集電体8の取り付け方法を示す図である。変形例2では、負極集電体受け部品の形状、及び負極集電体受け部品と負極芯体露出部の接続方法を除いては、上述の実施形態と同様である。
【0050】
図6(a)及び
図7に示すように、変形例2において、負極集電体受け部品230は、本体部230aと、本体部230aにおける巻回電極体3の中央側端部に形成されたリブ230bを有する。負極集電体受け部品230の本体部230aには凹部230cが形成され、凹部230cの中央には突部230dが形成されている。
【0051】
図6(a)に示すように、積層された負極芯体露出部5の一方の外面側に負極集電体8の芯体接続部8cを配置し、他方の外面側に負極集電体受け部品230が配置する。負極集電体8の芯体接続部8cには、凹部8eが形成されている。負極集電体8の芯体接続部8cを、凹部8eが負極芯体露出部5と対向するように配置する。また、負極集電体受け部品230の本体部230aを、凹部230cが形成された面が負極芯体露出部5と対向するように配置する。
【0052】
なお、
図6(a)に示すように、負極集電体8の芯体接続部8cと負極芯体露出部5の間には絶縁フィルム50が配置されている。また、負極集電体受け部品230の本体部230aと負極芯体露出部5の間には絶縁フィルム50が配置されている。絶縁フィルム50には絶縁フィルム開口50aが設けられている。絶縁フィルム50の絶縁フィルム開口50aは、負極集電体8の芯体接続部8cと負極芯体露出部5の溶接予定部、負極集電体受け部品230の本体部230aと負極芯体露出部5の溶接予定部と対向する位置に配置されている。即ち、絶縁フィルム50の絶縁フィルム開口50aを通じて、溶接ナゲット90が形成されるようにする。
【0053】
次に
図6(b)に示すように、負極集電体8の芯体接続部8cにおいて凹部8eが形成された部分を、凹部8eが形成された面とは反対側の面から押圧部材60で押圧する。これにより、負極集電体8の芯体接続部8cにおいて、凹部8eが形成された部分が負極芯体露出部5側に変形し、この変形部8fが負極芯体露出部5と接触する。なお、芯体接続部8cにおける変形部8fが、負極芯体露出部5に突き刺さり、負極芯体露出部5に芯体開口5aが形成されることが好ましい。なお、変形部8fが、負極芯体露出部5を介して負極集電体受け部品230の突部230dと対向する位置に形成されることが好ましい。
【0054】
次に、
図6(c)に示すように、負極集電体8の芯体接続部8cにおいて凹部8eと反対側の面に抵抗溶接用電極70を当接する。また、負極集電体受け部品230の本体部230aの外面に抵抗溶接用電極71を当接する。そして、抵抗溶接用電極70と抵抗溶接用電極71で、負極集電体8の芯体接続部8c、負極芯体露出部5、及び負極集電体受け部品230の本体部230aを挟み込んだ状態で、抵抗溶接用電極70と抵抗溶接用電極71に電圧を印加し抵抗溶接電流を流す。
【0055】
これにより、
図6(d)に示すように、溶接ナゲット90が形成される。
【0056】
上述の方法によると、より大きな溶接ナゲット90がより安定的に形成される。また、抵抗溶接時に金属スパッタが発生することを抑制できる。
【0057】
更に、上述の方法によると、負極集電体受け部品230の凹部230cの中央に形成された突部230dにおいて、負極集電体受け部品230と負極芯体露出部5が抵抗溶接される。このため、抵抗溶接の際、溶接予定部により確実に抵抗溶接電流を集中させることができる。よって、より大きな溶接ナゲット90がより安定的に形成される。また、抵抗溶接時に金属スパッタが発生することをより抑制することができる。
【0058】
[変形例3]
図8は、変形例3に係る負極芯体露出部5と負極集電体8の接続部近傍の巻回電極体3の巻回軸が延びる方向に沿った断面図であり、負極芯体露出部5への負極集電体180の
取り付け方法を示す図である。変形例3では、負極集電体の芯体接続部の形状、負極集電体受け部品及び絶縁フィルム50を用いないことを除いては、上述の実施形態と同様である。
【0059】
図8(a)に示すように、変形例3において負極集電体180の芯体接続部180cには凹部180eが設けられている。なお、芯体接続部180cにはリブが形成されていない。
【0060】
図8(a)に示すように、積層された負極芯体露出部5の一方の外面側に、凹部180eが形成された面が負極芯体露出部5と対向するように、負極集電体180の芯体接続部180cを配置する。
【0061】
次に
図8(b)に示すように、負極集電体180の芯体接続部180cにおいて凹部180eが形成された部分を、凹部180eが形成された面とは反対側の面から押圧部材60で押圧する。これにより、負極集電体180の芯体接続部180cにおいて、凹部180eが形成された部分が負極芯体露出部5側に変形し、変形部180fが生じる。そして、この変形部180fが負極芯体露出部5と接触する。なお、芯体接続部180cにおける変形部180fが、負極芯体露出部5に突き刺さり、負極芯体露出部5に芯体開口5aが形成されることが好ましい。
【0062】
次に、
図8(c)に示すように、負極集電体180の芯体接続部180cにおいて凹部180eと反対側の面に抵抗溶接用電極70を当接する。また、積層された負極芯体露出部5において、負極集電体180の芯体接続部180cが配置される側とは反対側の外面に抵抗溶接用電極71を当接する。そして、抵抗溶接用電極70と抵抗溶接用電極71で、負極集電体180の芯体接続部180c、及び負極芯体露出部5を挟み込んだ状態で、抵抗溶接用電極70と抵抗溶接用電極71に電圧を印加し抵抗溶接電流を流す。なお、抵抗溶接を行う前の状態で、変形部180fの周囲であって、負極集電体180の芯体接続部180cと負極芯体露出部5の間に隙間180gが形成されている。
【0063】
これにより、
図8(d)に示すように、溶接ナゲット90が形成される。
【0064】
上述の方法によると、より大きな溶接ナゲット90がより安定的に形成される。また、抵抗溶接時に金属スパッタが発生することを抑制できる。
【0065】
[その他]
上述の実施形態及び変形例においては、負極側を例にして説明を行ったが、正極側に適用することも可能である。即ち、本発明は、正極側及び負極側の少なくとも一方に適用されていればよい。
【0066】
上述の実施形態及び変形例においては、巻回電極体を用いる例を示したが、複数枚の正極板と複数枚の負極板を含む積層型電極体に適用することも可能性である。
【0067】
積層された正極芯体露出部又は積層された負極芯体露出部の外面側に、凹部を有する集電体を、凹部が正極芯体露出部又は負極芯体露出部と対向するように配置する際、積層された正極芯体露出部上又は積層された負極芯体露出部上に直接集電体を配置してもよい。また、積層された正極芯体露出部上又は積層された負極芯体露出部上に、絶縁フィルム等を介して集電体を配置してもよい。但し、集電体の凹部が形成された部分において変形部が形成される部分は、積層された正極芯体露出部又は積層された負極芯体露出部と直接対向するようにすることが好ましい。
【0068】
絶縁フィルムは、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、ポリエステル、又はポリエチレンナフタレート等からなることが好ましい。また、絶縁フィルムの表面に設ける接着層は、ゴム系接着剤、アクリル系接着剤、又はポリエチレン系接着剤等からなるものとすることが好ましい。