特許第6879061号(P6879061)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6879061
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】エアジェット織機
(51)【国際特許分類】
   D03D 47/30 20060101AFI20210524BHJP
【FI】
   D03D47/30
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-110639(P2017-110639)
(22)【出願日】2017年6月5日
(65)【公開番号】特開2018-204143(P2018-204143A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2019年9月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179914
【弁理士】
【氏名又は名称】光永 和宏
(74)【代理人】
【識別番号】100179936
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 明日香
(72)【発明者】
【氏名】木口 祐一郎
(72)【発明者】
【氏名】牧野 洋一
【審査官】 ▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−156162(JP,A)
【文献】 中国実用新案第2789289(CN,Y)
【文献】 特開昭55−163237(JP,A)
【文献】 特開平02−216240(JP,A)
【文献】 特開昭63−288238(JP,A)
【文献】 特開平05−339845(JP,A)
【文献】 特開昭58−004850(JP,A)
【文献】 特開昭56−068137(JP,A)
【文献】 米国特許第04550752(US,A)
【文献】 独国特許出願公開第03145326(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D03D 47/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
緯入れ方向に延びるトンネルが設けられるリードと、
エアジェット噴射により緯糸前記トンネル飛走させて緯入れを行うメインノズルとを備え、
前記メインノズルの加速管は、
上流側から下流側に向かって内径が連続的に大きくなるラバール部と、
前記ラバール部の下流側に接して設けられ、上流側から下流側に亘って一定の内径を有して延びるストレート部とを有し、
前記緯糸の糸速比(q)は、前記緯糸の任意の点の速度(U1)と、前記緯糸の下流側の先端の速度(U2)との速度比(U1/U2)であり、
前記糸速比(q)は、前記加速管の全長(L)と、前記加速管の全長(L)に対する前記ストレート部の長さ(A)の比(A/L)と、前記ラバール部の内側表面の傾斜角度(θ)との関係によって求められるとともに、
前記加速管の下流側の先端から前記リードまでの距離(c1)と、前記加速管の中心軸から前記リードのトンネルまでの最短距離(c2)との関係で前記糸速比(q)が以下の式で求められる前記糸速比(q)の最大値(qmax)より小さくなるように、前記加速管の全長(L)、前記加速管の全長(L)に対する前記ストレート部の長さ(A)の比(A/L)及び前記ラバール部の内側表面の傾斜角度(θ)の値が決められるエアジェット織機。
【数1】
【請求項2】
前記加速管が前記緯糸に与える推進力比(p)は、前記加速管の全長(L)と、前記加速管の全長(L)に対する前記ストレート部の長さ(A)の比(A/L)と、前記ラバール部の内側表面の傾斜角度(θ)との関係によって求められ、
前記推進力比(p)の最小値(pmin)は前記メインノズルに供給される圧縮空気の圧力又は前記メインノズルに圧縮空気を供給するバルブの開度の目標値に応じて決まり、
前記推進力比(p)が前記最小値(pmin)よりも大きくなるように、前記加速管の全長(L)、前記加速管の全長(L)に対する前記ストレート部の長さ(A)の比(A/L)及び前記ラバール部の内側表面の傾斜角度(θ)の値が決められる、請求項1に記載のエアジェット織機。
【請求項3】
前記推進力比(p)及び前記糸速比(q)は、多変量解析によって得られる推定式f(L,A/L,θ)によって求められ、
前記加速管の全長(L)に対する前記ストレート部の長さ(A)の比(A/L)の範囲は、前記推進力比(p)が前記最小値(pmin)よりも大きく、かつ、前記糸速比(q)が前記最大値(qmax)よりも小さくなる範囲に決められる請求項2に記載のエアジェット織機。
【請求項4】
θ=0.1,L=240mm,qmax=1.15,pmin=1.2の時、0.13<A/L≦0.76である請求項3に記載のエアジェット織機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エアジェット織機に関する。
【背景技術】
【0002】
エアジェット織機のメインノズルは、圧縮空気を用いて緯糸を飛ばし緯入れを行うものであり、緯糸を加速させて飛ばすための加速管を有している。
特許文献1には、加速管として、流体入口から流体出口に向かって連続的に拡大するテーパ部を内面に有するラバールノズル形状のパイプが記載されている。ここで、特許文献1の段落[0006]に記載されているように、緯入れ開始の際に緯糸の先端が暴れてしまい、織布に織物欠点である緯節が発生しやすいという問題があった。特許文献1に記載されるエアジェット織機のメインノズルでは、パイプの長さを150mm以下にすることで緯節の発生を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−156162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のエアジェット織機のメインノズルでは、加速管の長さが150mm以下に制限されているため、緯糸搬送力を大きくすることができないという問題があった。
【0005】
この発明は、このような問題を解決するためになされ、緯節の発生を防止するとともに、高い緯糸搬送力を維持することができるエアジェット織機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、この発明に係るエアジェット織機は、緯入れ方向に延びるトンネルが設けられるリードと、エアジェット噴射により緯糸前記トンネル飛走させて緯入れを行うメインノズルとを備え、メインノズルの加速管は、上流側から下流側に向かって内径が連続的に大きくなるラバール部と、ラバール部の下流側に接して設けられ、上流側から下流側に亘って一定の内径を有して延びるストレート部とを有し、緯糸の糸速比(q)は、緯糸の任意の点の速度(U1)と、緯糸の下流側の先端の速度(U2)との速度比(U1/U2)であり、糸速比(q)は、加速管の全長(L)と、加速管の全長(L)に対するストレート部の長さ(A)の比(A/L)と、ラバール部の内側表面の傾斜角度(θ)との関係によって求められるとともに、加速管の下流側の先端からリードまでの距離(c1)と、加速管の中心軸からリードのトンネルまでの最短距離(c2)との関係で、糸速比(q)が以下の式で求められる糸速比(q)の最大値(qmax)より小さくなるように、加速管の全長(L)、加速管の全長(L)に対するストレート部の長さ(A)の比(A/L)及びラバール部の内側表面の傾斜角度(θ)の値が決められる。
【数1】
【0007】
また、この発明に係るエアジェット織機の加速管が緯糸に与える推進力比(p)は、加速管の全長(L)と、加速管の全長(L)に対するストレート部の長さ(A)の比(A/L)と、ラバール部の内側表面の傾斜角度(θ)との関係によって求められ、推進力比(p)の最小値(pmin)は前記メインノズルに供給される圧縮空気の圧力又は前記メインノズルに圧縮空気を供給するバルブの開度の目標値に応じて決まり、推進力比(p)が最小値(pmin)よりも大きくなるように、加速管の全長(L)、加速管の全長(L)に対するストレート部の長さ(A)の比(A/L)及びラバール部の内側表面の傾斜角度(θ)の値が決められてもよい。
【0008】
さらに、推進力比(p)及び糸速比(q)は、多変量解析によって得られる推定式f(L,A/L,θ)によって求められ、加速管の全長(L)に対するストレート部の長さ(A)の比(A/L)の範囲は、推進力比(p)が最小値(pmin)よりも大きく、かつ、糸速比(q)が最大値(qmax)よりも小さくなる範囲に決められてもよい。
【0009】
さらに、θ=0.1,L=240mm,qmax=1.15,pmin=1.2の時、0.13<A/L≦0.76であってよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係るエアジェット織機によれば、緯節の発生を防止するとともに、高い緯糸搬送力を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明の実施の形態1に係るエアジェット織機のメインノズルの加速管の模式的な断面図である。
図2図1に示すエアジェット織機のメインノズルの加速管の先端部及びリードを示す模式的な斜視図である。
図3図2に示すエアジェット織機のメインノズルの加速管の先端部とリードとの位置関係を示す模式的な側面図である。
図4図2に示すエアジェット織機のメインノズルの加速管とリードを切断線IV−IVで切断した断面図であり、リードと加速管の中心軸との位置関係を模式的に示すものである。
図5図5(i)は、図1に示すエアジェット織機のメインノズルの加速管による緯入れ開始時の緯糸の状態を模式的に示し、図5(ii)は、緯糸の先端部がリードのトンネル入口に到達した時の緯糸の状態を模式的に示す図である。
図6図6(i)は、緯糸の先端部の折れ曲がりの状態を示す図であり、図6(ii)は、緯糸の先端部の折れ曲がり長さが最大となった状態を示す図である。
図7】多変量解析によって得られる推定式f(L,A/L,θ)によって得られたA/Lと推進力比pとの関係を示すグラフである。
図8】多変量解析によって得られる推定式f(L,A/L,θ)によって得られたA/Lと糸速比qとの関係を示すグラフである。
図9】A/Lと評価関数D0との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、エアジェット織機100はメインノズル10を有している。メインノズル10は、加速管1と、加速管1を支持する第一メインノズルブラケット3と、第一メインノズルブラケット3の上流側に設けられ、スリーブ4を介して加速管1を支持する第二メインノズルブラケット5とを有する。また、第二メインノズルブラケット5にはスレッドガイド2が設けられており、スレッドガイド2は、スリーブ4を介して加速管1に連通される。スレッドガイド2は、緯糸が加速管1の中心軸Tに合わせて搬送されるように緯糸を案内するものである。
【0013】
図1に示すように、加速管1はラバール部1aとストレート部1bとを有している。ラバール部1aは上流側から下流側に向かって連続的に内径が大きくなるように形成されている。なお、ラバール部1aの内側表面の傾斜角度はθであるものとする。また、ストレート部1bはラバール部1aの下流側に接し、上流側から下流側にわたって同一の径を有するよう、直線的な形状に形成されている。加速管1は下流側の先端部1cから緯糸をエアジェット噴射させる。
なお、ストレート部1bの長さはAであり、加速管1の全長はLである。
【0014】
また、図2に示すように、エアジェット織機100はリード7を有する。リード7には緯入れ方向Yに延びるトンネル7aが形成される。そして、加速管1の先端部1cからは緯糸20がエアジェット噴射され、加速管1の中心軸Tに沿ってトンネル7aに飛走されて緯入れされる。
【0015】
さらに、図3に示すように、加速管1の先端部1cとリード7のトンネル7aの入り口との間隔はc1である。また、図4に示すように、リード7のトンネル7aと加速管1の中心軸Tとの最短距離はc2である。なお、図4に示す破線の円Eは加速管1の位置を示している。
【0016】
次に、図5〜9を用いて、加速管1のストレート部1bの長さAの範囲の決め方について説明する。
まず、図5に示すように、緯糸20を2質点P1,P2で単純化したモデルで示す。そして、緯糸20の任意の点P1の糸速をU1とし、緯糸20の下流側の先端P2の糸速をU2とする。ここで、緯入れの開始時は、点P1の糸速U1は点P2の糸速U2よりも速い。そして、図5(i)に示すように、緯入れ開始時に緯糸20の先端P2が加速管1の先端部1cと同じ位置にある時、緯糸20の2質点P1,P2の間隔はD1であるものとする。さらに次に、図5(ii)に示すように、緯糸20の先端P2がリード7のトンネル7aの入り口に到達した時には、緯糸20の2質点P1,P2の間隔はD1からD2に縮まる。そのために、緯糸20の下流側の先端付近にはたわみが生じる。
【0017】
このように緯糸20にたわみが発生することにより、図6(i)に示すように、緯糸20には折れ曲がりが発生する。図6(i)に示すように、折れ曲がった分の緯糸20の長さを、折れ曲がり長さSをとする。また、加速管1の中心軸Tから緯糸20の先端P2までの距離を、折れ曲がり距離hとする。そして、図6(ii)に示すように、折り曲がり距離hが折れ曲がり長さSとほぼ同一の長さとなった時、すなわち、糸が直角に折れ曲がり、質点P1とP2との接近量が折れ曲がり長さSとほぼ同一となった時に、折り曲がり距離hは最大値hmaxをとるものとする。なお、このような折れ曲がりの発生は、主にエアジェット織機100による緯入れ開始直後、すなわち圧力の立ち上がりの初期段階における現象である。
【0018】
ここで、糸速比q=U1/U2と定義すると、以下の関係式が成り立つ。
なお、緯糸20の先端P2がリード7のトンネル7aの入り口に到達するまでの時間をt2とする。また、糸速U1/U2は例えば、D1=20mmを進む間に空気がなす仕事、すなわちエネルギに対する糸の運動エネルギの増分の比から求められる。
【数2】
【0019】
ここで、折れ曲がった緯糸20の先端P2がリード7のトンネル7aの壁に触れた場合に、織布に緯節が発生する可能性が高くなる。従って、折れ曲がった緯糸20の先端P2がリード7のトンネル7aの壁に触れない条件は以下の関係式で表される。
【数3】
【0020】
これを糸速比qについて変形すると、以下の関係が成り立つ。
【数4】
従って、糸速比qが最大値qmax=(c2/c1)+1より小さければ、折れ曲がった緯糸20の先端P2がリード7のトンネル7aの壁に触れないことになる。すなわち、折れ曲った緯糸20の先端P2がリード7に触れない糸速比qの条件、すなわち、糸速比qの最大値qmaxは、リード7と加速管1の先端部1cとの位置関係に帰着する。
【0021】
次に、図7には、多変量解析によって得られる推定式f(L,A/L,θ)によるA/Lと推進力比pとの関係がグラフ化されている。ここで、推進力比pは、ラバール部1aの内側表面が傾斜して傾斜角度θが形成された時に単位長さあたりの緯糸20が噴射流体から受ける推進力を、傾斜角度θ=0である時と比較した推進力の比である。推進力比pの最小値pminは、メインノズル10に供給される圧縮空気の圧力又はメインノズル10に圧縮空気を供給するバルブの開度の目標値に応じて決定される。図7のグラフによると、加速管1の推進力比pが最小値pmin=1.2を取る時、A/Lは0.76である。
【0022】
また、図8には、多変量解析によって得られる推定式f(L,A/L,θ)によるA/Lと糸速比qとの関係がグラフ化される。ここで、糸速比qが、距離c1=20mm,距離c2=3mmである場合の最大値qmax=1.15を取る時、A/Lは0.13である。
【0023】
さらに、図9には、L=240mm、θ=0.10の時のA/Lの評価関数D0がグラフ化されて表されている。A/Lの評価関数D0は0〜1の無次元数であり、以下の式で表される。なお、推進力比pの評価関数D1は、推進力比pの任意の充分大きい値に対する比であり、推進力比pが最小値pminよりも小さい時、D1=0であるものとする。また、糸速比q=U1/U2の評価関数D2は、糸速比qの任意の充分大きい値に対する比であり、糸速比qが最大値qmaxよりも大きい時、D2=0である。
【数5】
従って、図9より、L=240で、θ=0.10の時、A/Lは0.13<A/L≦0.76の範囲の値をとる。
【0024】
以上より、この実施の形態に係るエアジェット織機100の加速管1は、ラバール部1aと、ラバール部1aの下流側に接して設けられるストレート部1bとを有する。ここで、緯糸の糸速比qは、加速管1の全長Lと、加速管1の全長Lに対するストレート部1bの長さAの比A/Lと、ラバール部1aの内側表面の傾斜角度θとの関係によって求められる。また、L、A/L及びθの値は、糸速比qの最大値qmaxが加速管1の下流側の先端からリード7までの距離c1と、加速管1の中心軸Tからリード7のトンネル7aまでの最短距離c2との関係で以下の式を充足するような値に決められる。
【数6】
【0025】
また、加速管1が緯糸に与える推進力比pは、糸速比qと同様に、加速管1の全長Lと、加速管1の全長Lに対するストレート部1bの長さAの比A/Lと、ラバール部1aの内側表面の傾斜角度θとの関係によって求められる。そして、L、A/L及びθの値は、推進力比pが、メインノズル10に供給される圧縮空気の圧力又はメインノズル10に圧縮空気を供給するバルブの開度の目標値に応じて決まる最小値pminよりも大きくなるように決められる。ここで、ラバール部1aの内側表面が傾斜して傾斜角度θが形成されることにより推進力比pが向上するので、その分メインノズル10に供給される圧縮空気の圧力やメインノズル10に圧縮空気を供給するバルブの開度が低減され、これにより省エネを図ることができる。
【0026】
さらにより詳細には、推進力比p及び糸速比qは、多変量解析によって得られる推定式f(L,A/L,θ)によって求められる。そして、加速管1の全長Lに対するストレート部1bの長さAの比A/Lの範囲は、推進力比pが最小値pminよりも大きく、かつ、糸速比qが最大値qmaxよりも小さくなる範囲に決められる。このように決められる具体的なA/Lの範囲の一例として、 θ=0.1,L=240mm,qmax=1.15,pmin=1.2の時、加速管1の全長Lに対するストレート部1bの長さAの比A/Lの範囲は、0.13<A/L≦0.76となる。
【0027】
このように加速管1のストレート部1bの長さAの範囲を適切に定めることにより、緯糸の先端の暴れによる緯節の発生を防止することができるとともに、メインノズル10は、高い緯糸搬送力を維持することができる
【0028】
なお、加速管1とスリーブ4は一体的に形成されていてもよい。これにより、エアジェット織機100の部品点数を削減することができる。
さらに、加速管1のストレート部1bには継手部材を介してストレート形状の第二の加速管が接続されてもよい。これにより、加速管の全長Lを長くすることができ、緯糸搬送力をさらに向上させることができる。
【符号の説明】
【0029】
1 加速管、1a ラバール部、1b ストレート部、7 リード、7a トンネル、10 メインノズル、100 エアジェット織機、T 加速管の中心軸、Y 緯入れ方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9