特許第6879478号(P6879478)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6879478ロボット掃除機のための経験ベースロードマップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6879478
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】ロボット掃除機のための経験ベースロードマップ
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20210524BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
   G05D1/02 H
   A47L9/28 E
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-522557(P2017-522557)
(86)(22)【出願日】2014年12月16日
(65)【公表番号】特表2018-500636(P2018-500636A)
(43)【公表日】2018年1月11日
(86)【国際出願番号】EP2014077947
(87)【国際公開番号】WO2016095965
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2017年10月6日
【審判番号】不服2020-6932(P2020-6932/J1)
【審判請求日】2020年5月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】516124465
【氏名又は名称】アクチエボラゲット エレクトロルックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヘーゲルマルク、アンデルス
(72)【発明者】
【氏名】リンデ、マグヌス
【合議体】
【審判長】 見目 省二
【審判官】 田々井 正吾
【審判官】 大山 健
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−533797(JP,A)
【文献】 特表2003−505127(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102541056(CN,A)
【文献】 特開2014−200449(JP,A)
【文献】 特開2012−089078(JP,A)
【文献】 特開2005−050105(JP,A)
【文献】 吉田 英一,経路の変形と再探索を併用したオンライン動作再計画,第28回日本ロボット学会学術講演会論文特集号II,日本ロボット学会誌 第29巻第8号,第3章
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00 - 1/12
A47L 9/00 - 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除対象表面上でのロボット掃除機の動作方法であって、
掃除中、位置情報を備えるロードマップノードを、表面上に間隔をおいて登録するステップと、
ロボット掃除機が先に登録されたロードマップノードから現在登録されているロードマップノードまで直接駆動している場合に、前記ロードマップノードを連結してロードマップリンクを形成するステップと、
前記ロボット掃除機が第2のシーケンス部分に沿って移動中に、前記第2のシーケンス部分のロードマップノードのうち複数のロードマップノードのそれぞれについて、前記ロボット掃除機がすでに移動した第1のシーケンス部分の登録されたロードマップノードと前記第2のシーケンス部分の現在登録されているロードマップノードとの間に障害物が検出されない場合に、前記第1のシーケンス部分の前記登録されたロードマップノードと、前記第2のシーケンス部分の前記現在登録されているロードマップノードとの間にショートカットリンクを追加するステップと、
掃除の完了後に、1つの地点から別の地点に前記ロボット掃除機を輸送するべく、または、前記ロボット掃除機に任意の位置から充電器への戻りを誘導するための経路を形成するべく、前記ロードマップリンクおよび前記ショートカットリンクを用いて、前記表面のロードマップ図を形成するステップと
を含み、
前記第1のシーケンス部分および前記第2のシーケンス部分はそれぞれ、ロードマップリンクによって連結される少なくとも2つのロードマップノードを備え、
前記第2のシーケンス部分は、前記第1のシーケンス部分からオフセットして配置される、
前記ロボット掃除機の動作方法。
【請求項2】
前記オフセットが前記ロボット掃除機の寸法のうちの1つより小さい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記オフセットが前記ロボット掃除機の長さおよび幅のより大きい寸法より小さい、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
第1の位置に近い登録されたロードマップノードおよび第2の位置に近い別の登録されたロードマップノードを識別して、次いで、前記第1の位置から前記第2の位置まで通じる連結済の登録されたロードマップノードを最小量備える、輸送シーケンスを計算することによって、前記第1の位置と前記第2の位置との間の最短距離を求めるステップを含み、
前記輸送シーケンスは、1つの地点から別の地点に前記ロボット掃除機を輸送するためのシーケンスである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
第1の位置に近い登録されたロードマップノードおよび第2の位置に近い別の登録されたロードマップノードを識別して、次いで、輸送シーケンスを計算することによって、前記第1の位置と前記第2の位置との間の最短距離を求めるステップを含み、
前記輸送シーケンスは、1つの地点から別の地点に前記ロボット掃除機を輸送するためのシーケンスであり、
前記最短距離は、前記輸送シーケンスに含まれるすべてのロードマップリンクおよびショートカットリンクの幾何学的な長さを集計するときの、最短の総距離を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記登録またはロードマップノードの間の間隔が、時間間隔である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記登録またはロードマップノードの間の間隔が、距離間隔である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ロボット掃除機が定義済の上方閾値より多くその移動方向を変えていることが検出された場合、前記登録またはロードマップノードの間の間隔が縮められる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ロボット掃除機が定義済の下方閾値より少なくその移動方向を変えていることが検出された場合、前記登録またはロードマップノードの間の間隔が拡大される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
直線的に連結されたロードマップノードを含む直線シーケンス部分の第1のロードマップノードと最後のロードマップノードとを接続することによって、前記直線的に連結されたロードマップノード間を連結する直線ショートカットリンクを追加するステップを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ロードマップノードが、前記ロードマップノードおよび/または前記ロードマップリンクを登録する時点における前記ロボット掃除機の状態についての追加情報を備える、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
追加した前記情報が、前記登録またはロードマップノードの間の複数の可能性があるロードマップノードのシーケンスの間で、障害物との衝突のリスクを減少させるロードマップノードの任意のシーケンスを選択するために使用される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
本体と、
ロボット掃除機を移動させるために配置される推進システムと、
前記本体に接続され、前記ロボット掃除機が物体と接触しているかどうかを検出するために配置される接触検出部分と、
前記推進システムに動作可能に接続される推測航法センサと、
前記推進システムを制御するために配置される処理ユニットと
を備え、
前記処理ユニットが前記推測航法センサに接続され、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、
ロボット掃除機。
【請求項14】
コンピュータ実行可能命令がロボット掃除機に含まれる処理ユニットで実行されるときに、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法を前記ロボット掃除機に実行させるための前記コンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項15】
コンピュータ可読記憶媒体を備え、前記コンピュータ可読記憶媒体がその中に具現化される、請求項14に記載の前記コンピュータプログラムを有する、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット掃除機、ならびに、駆動時のロードマップノードの登録によるロボット掃除機の動作および移動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの技術分野において、自律行動するロボットを使って、これらが、存在する可能性がある障害物と衝突せずに空間内を自由に移動できるようにすることが望ましい。
【0003】
ロボットバキュームクリーナまたはロボットフロアモップ、さらにロボット掃除機と呼ばれるものが、当該技術分野において知られており、通常、掃除対象表面全体にクリーナを移動させるための1つまたは複数のモータの形態の駆動手段を装備している。ロボット掃除機にはさらに、ロボットバキュームクリーナが自由に動き回り、たとえば部屋の形態の空間を掃除できるようにする自律行動を引き起こすための、マイクロプロセッサおよびナビゲーション手段の形態の知能が装備されてもよい。したがって、これらの先行技術のロボット掃除機は、テーブル、椅子などの家具、ならびに壁および階段などの他の障害物が存在する部屋をほぼ自律的に真空掃除する能力を有する。
【0004】
先行技術で知られているロボット掃除機には基本的に2つのカテゴリがあり、それは、ランダム運動によって掃除するもの、およびさまざまなセンサデータを使用して表面上を進むものである。
【0005】
ランダム運動を使用するロボット掃除機は、充電器もランダムに探す。これらのロボット掃除機は、偶然性の原理によって進み、掃除を行う。このようなロボット掃除機は掃除をするときの衝突を避けるための衝突センサを備えてもよい。通常、それらは、偶然通り過ぎたとき、または、充電器が視界に入ったときに、充電器を検出して、見つけ出す手段を有する。これは明らかに、掃除かつ移動するにはあまり効率的な方法ではなく、特に、より広い表面または複雑なレイアウトではあまり適切に働くことができない。
【0006】
センサデータを使用して進む他の種類の先行技術のロボット掃除機は、障害物と衝突せずに安全に駆動することができる場所をセンサデータから導き出す。それらのロボット掃除機は、ほとんどの場合完全ではないセンサデータに基づいてそれらの環境について推測するため、立ち往生するかまたは迷子になる危険性が高い。さらに、データを抽出し、センサデータから推測することは、追加的に高価な電子部品を必要とする。
【0007】
いくつかの場合において、先行技術のロボット掃除機は、表面を掃除するために前後に一往復ずつ駆動することを意味するストローク方法を使用して掃除を行う。そのような従来のロボット掃除機は、1つの部屋から別の部屋に進むとき、または充電器に戻るとき、ロボット掃除機はセンサデータを使用して進む。その場合、そのようなロボット掃除機もセンサデータに基づいて推測せざるを得ないので、障害物との衝突のリスクは同程度に高い。これによりロボット掃除機が減速することがあり、したがって、掃除の効率は低下する。
【0008】
その他の場合において、ロボット掃除機は、駆動しなければならない距離があまりに遠く、適切に計画されていないので、バッテリ残量がなく、動けなくなることさえある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、確実かつ効率的であるロボット掃除機の動作方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
それに応じてロボット掃除機を動作させるために、方法を実行するように構成される処理ユニットまたは同様のものを備えるロボット掃除機を提供することは有益である。
【0011】
発明者らは、ロボット掃除機が最終的に掃除対象表面全体を移動しているという事実を利用することが可能であることを認識している。ロボット掃除機が最終的に全表面をカバーし、これはその動作寿命の間に何度も行われるので、ロボット掃除機によって実行されるナビゲーションおよび掃除の安全性および効率を高める確実で驚くほど効率的な方法を提供することが可能である。
【0012】
掃除中、表面上に間隔をおいてロードマップノードを登録するステップであって、前記ロードマップノードが位置情報を備えるステップと、ロボット掃除機が先に登録されたロードマップノードから現在登録されているロードマップノードまで直接駆動している場合に、ロードマップノードを連結してロードマップ図にロードマップリンクを形成するステップとを含み、それによって、ロードマップ図のロードマップリンクがロボット掃除機のナビゲーションを容易にしてもよい、掃除対象表面上でのロボット掃除機の動作方法が本明細書に開示される。
【0013】
ロードマップリンクはシーケンスを形成してもよく、それによって、このシーケンスは連続的でもよくまたは連続的でなくてもよい。このようなシーケンスは、たとえば、1つの地点から別の地点に自身を輸送する、または、任意の位置から充電器への戻りを誘導するための、ロボット掃除機が後の段階で再利用してたどることができる経路を形成する。
【0014】
上記の方法は、ロボット掃除機が掃除対象表面全体を進んでいるという事実を利用する。最終的に表面は、一緒に連結されるロードマップノードで仮想的におおわれる。したがって、ロボット掃除機は、障害物と衝突することなく安全に駆動できる場所が正確にわかる。換言すれば、ロボット掃除機がロードマップノードを連続的に登録するので、ロボット掃除機が、その現在位置から以前にあった任意の位置までの障害物のない経路またはシーケンスを見つけ出す可能性は常にある。
【0015】
ロードマップノードは、ロボット掃除機のメモリに登録される仮想ロードマップノードでもよい。
【0016】
上記において、用語「直接駆動が現在登録されているロードマップノードに先に登録されたロードマップノードを形成すること」は、ロボット掃除機が、先に登録されたロードマップノードと現在登録されているロードマップノードとの間で障害物に衝突することなくまたは障害物を検出することなく駆動していることを意味する。
【0017】
障害物が2つのロードマップノードの間に検出された場合、ロボット掃除機はそれを避けて進み、それを行いながらロードマップノードを登録し続ける。
【0018】
好ましい実施形態によると、方法は、ロボット掃除機が衝突の危険性なくそれらの間を駆動することができる問題なく仮定できるように、2つのロードマップノードが十分に近いことがわかる場合に、第1のシーケンスの先に登録されたロードマップノードと、登録されたロードマップノードの第2のシーケンスの現在登録されているロードマップノードとの間にショートカットリンクを追加するステップを含んでもよい。
【0019】
障害物が第1のシーケンスの先に登録されたロードマップノードと、第2のシーケンスの現在登録されているロードマップノードとの間に検出されない場合、たとえば安全な仮定が考慮されてもよく、前記第2のシーケンスは第1のシーケンスからオフセットして配置される。
【0020】
ショートカットリンクはナビゲーションの確実性を増加させる。ロボット掃除機は、ショートカットリンクを使用することによって、シーケンス部分の間で駆動して、進むことが可能である。ショートカットリンクは、本明細書で後に開示されるように、非常に大きく輸送経路を短くすることができる。
【0021】
第1のシーケンスの先に登録されたロードマップノードと、第2のシーケンスの現在登録されているロードマップノードとの間にショートカットを追加するための基準は、オフセットがロボット掃除機の幅より小さいということでもよい。
【0022】
一般に、オフセットは、ロボット掃除機の寸法の1つ、たとえばロボット掃除機の幅または長さより小さいように選択されてもよい。
【0023】
これにより、第1のシーケンス部分の登録されたロードマップノードと、第2のシーケンス部分の現在登録されているロードマップノードとの間に障害物がないことをロボット掃除機が保証することを助けることができる。
【0024】
第1のシーケンス部分および第2のシーケンス部分は、ロードマップリンクによって連結される少なくとも2つのロードマップノードをそれぞれ備えてもよい。
【0025】
ある実施形態において、方法は、第1の位置の近くの登録されたロードマップノードおよび第2の位置の近くの登録されたロードマップノードを識別し、次いで、第1の位置から第2の位置まで通じる最小量の連結済の登録されたロードマップノードを備える輸送シーケンスを計算することによって、好ましくはロードマップ図内の第1の位置と好ましくはロードマップ図内の第2の位置との間の最短距離を決定するステップをさらに含んでもよい。
【0026】
上記の代わりに、ロボット掃除機は、各リンク、したがってロードマップリンクおよびショートカットリンクの幾何学的な長さを測定し、最短の総距離を有する経路またはシーケンスを選択するように構成されてもよく、前記総距離は経路またはシーケンスに含まれるすべてのリンクの幾何学的な長さの合計である。これは、さらに短いシーケンスを提供してもよい。
【0027】
輸送シーケンスは、ロードマップリンクとショートカットリンクとを備えてもよい。
【0028】
連結されたロードマップノードの最小量は一般に、第1の位置から第2の位置までの最短距離を指す。輸送シーケンスは、確立されるロードマップリンクおよびショートカットリンクを使用し、したがって障害物との衝突を避ける。
【0029】
ある実施形態において、間隔は時間間隔でもよい。
【0030】
時間間隔は、1〜30秒、好ましくは3〜20秒、より好ましくは5〜15秒の範囲でもよい。
【0031】
ロボット掃除機は、ロードマップノードのみ登録し、同時に、掃除対象表面上を移動するように構成されてもよい。
【0032】
別の実施形態において、登録されたロードマップノードの間の間隔は、距離間隔でもよい。
【0033】
距離間隔は、1〜20cm、好ましくは5〜15cm、より好ましくは7〜13cmの範囲でもよい。
【0034】
あるいは、距離間隔は、ロボット掃除機で最大寸法の1%〜100%、より好ましくはロボット掃除機の最大寸法の20%〜50%の範囲でもよい。
【0035】
距離間隔は、処理ユニットに接続される位置センサで測定されてもよい。
【0036】
有利なことには、ロボット掃除機が定義済の上方閾値より多くその移動方向を変えていることが検出された場合、間隔は縮められてもよい。
【0037】
これにより、ロボット掃除機が複雑な領域で進んでいるときの精度を向上させることができ、前記領域はたとえば多くの障害物または複雑なレイアウトを有する。
【0038】
上方閾値はたとえば、時間あたりのロボット掃除機の方向変化量、または、距離あたりのロボット掃除機の方向変化量として測定されてもよい。
【0039】
別の実施形態において、ロボット掃除機が定義済の下方閾値より少なくその移動方向を変えていることが検出された場合、間隔は拡大されてもよい。
【0040】
これにより、ロードマップノード、したがって発生するデータの量を減少させることができる。
【0041】
下方閾値もたとえば、時間あたりのロボット掃除機の方向変化量、または、距離あたりのロボット掃除機の方向変化量として測定されてもよい。
【0042】
別の実施形態において、方法は、直線のシーケンスセグメントの第1のロードマップノードと最後のロードマップノードとを接続することによって、直線的に連結されたロードマップノードの間に直線ショートカットリンクを追加するステップをさらに含んでもよい。
【0043】
直線ショートカットリンクはロードマップ図を簡略化することができる。
【0044】
間に配置されるロードマップノードは、第1のシーケンス部分と第2のシーケンス部分との間のショートカットリンクに必要とされることがあるので、直線的に連結されたロードマップノードの第1のロードマップノードと最後のロードマップノードとの間に配置される当初登録されたロードマップノードを削除しないことが有利であることがある。
【0045】
ロボット掃除機が細長い通路または同様のものを通って進むとき、直線ショートカットリンクが有利であることがある。
【0046】
別の実施形態において、ロードマップノードは、ロードマップノードおよび/またはロードマップリンクを登録する時点で、ロボット掃除機の状態についての追加情報を備えてもよい。
【0047】
追加情報は、複数の可能性があるロードマップノードの間で、障害物との衝突のリスクを減少させるロードマップノードの任意のシーケンスを選択するために使用されてもよい。
【0048】
追加情報はたとえば、ナビゲーションの安全性を改善するために、このような物体または障害物に遭遇した場合に「カーペット縁」、「壁」、「敷居」などのタグを備えてもよい。
【0049】
また、本体と、ロボット掃除機を移動させるために配置される推進システムと、本体に接続され、ロボット掃除機が物体と接触しているかどうかを検出するために配置される接触検出部分と、推進システムに動作可能に接続される推測航法センサとを備えるロボット掃除機が本明細書に開示される。ロボット掃除機は、推進システムを制御するために配置される処理ユニットをさらに備えてもよく、それによって、処理ユニットは、推測航法センサに接続されてもよく、上記のステップおよび/または機能のうちの任意のものを含む方法を実行するように構成されてもよい。
【0050】
コンピュータ実行可能命令がロボット掃除機に含まれる処理ユニットで実行されるときに、上記のステップおよび/または機能のうちの任意のものを含む方法をロボット掃除機に実行させるためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラムが本明細書にさらに開示される。
【0051】
コンピュータ可読記憶媒体を備えるコンピュータプログラム製品がさらに開示され、コンピュータ可読記憶媒体はその中に具現化される上記によるコンピュータプログラムを有する。
【0052】
一般に、特許請求の範囲で使用されているすべての用語は、本明細書中で明確に別段の定義がなされていないかぎり、その技術分野における通常の意味に従って解釈されるものとする。「ある/その要素、機器、構成部品、手段、装置、ステップ等」というすべての記述は、明確な別段の断りがないかぎり、その要素、機器、構成部品、手段、装置、ステップ等の少なくとも一例を指すものとして包括的に解釈されるものとする。本明細書で開示されているあらゆる方法のステップは、その旨明記されていないかぎり、開示されている順序のとおりに実行されなくてもよい。
【0053】
ここで、例として以下のような添付の図面を参照しながら本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】本発明によるロボット掃除機の実施形態の平面図を概略的に示す。
図2】本発明の実施形態によるロボット掃除機の正面図を概略的に示す。
図3】本発明の方法によってロードマップノード登録し、ロードマップリンクを形成するステップを概略的に示す。
図4】ロードマップノードの間にショートカットを追加するステップを概略的に示す。
図5】直線的に接続されたロードマップノードの間に直線ショートカットを追加するステップを概略的に示す。
図6】ロボット掃除機による掃除の完了後の、掃除環境のロードマップ図を概略的に示す。
図7図6のロードマップ図の第1の位置と第2の位置との間の最短距離を決定し、計算するステップを概略的に示す。
図8】本発明による方法のステップを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
ここで、本発明を、本発明の特定の実施形態が示されている添付の図面を参照しながら、以下により詳しく説明する。しかしながら、本発明は多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるように解釈すべきでない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全になるように、および本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように、例として提供される。説明全体を通じて、同様の番号は同様の要素を指す。
【0056】
本発明は、ロボット掃除機または、換言すれば、表面を掃除するための自動自走式機械、たとえばロボットバキュームクリーナ、ロボットスイーパーまたはロボットフロアウォッシャに関する。本発明によるロボット掃除機10は、電源に接続して使用する、コードを備えるものであっても、バッテリ式であっても、または他のあらゆる種類の適当なエネルギー源、たとえば太陽エネルギーを使用するものであってもよい。
【0057】
図1は、本発明の実施形態によるロボット掃除機10を底面図で示しており、すなわち、ロボット掃除機10の底面が示されている。矢印は、ロボット掃除機の前方向を示す。ロボット掃除機10は本体11を備え、それには、ロボット掃除機10が掃除対象表面上で移動できるようにするために駆動輪12、13の移動を可能にするための2つの電気ホイールモータ15a、15bの形態の駆動手段を備える推進システムなどの構成部品が収容されている。各ホイールモータ15a、15bはそれぞれの駆動輪12、13を、相互に独立して回転させ、掃除対象表面上でロボット掃除機10を移動させるように制御できる。多数の異なる駆動輪構成、ならびにさまざまなホイールモータ構成を想定することができる。ロボット掃除機10は任意の適切な形状であってもよく、例示されるような円形の本体11、または三角形の本体を有してもよいことに注目すべきである。
【0058】
上記の推進システムの代替案として、軌道推進システム、さらにはホバークラフト推進システムさえ使用できる。
【0059】
推進システムは、図1に示されるように、各駆動輪12、13に1つずつ割り振られた、2つの推測航法センサ30、30'にさらに接続される。推測航法センサ30、30'は、たとえば部屋の中にロボット掃除機10を位置付けることを支援するために、駆動輪12、13それぞれの移動および方向転換を観察することによって、ロボット掃除機10が移動する距離を独立して測定するように構成される。
【0060】
図1に示されるロボット掃除機10の実施形態は、2つの推測航法センサ30、30'を備える。しかしながら、1つだけの推測航法センサ30、30'を備えるロボット掃除機を想定することが可能である。
【0061】
処理ユニット16などの制御装置は、ホイールモータ15a、15bを、壁、フロアランプ、テーブルの脚の形態の、ロボット掃除機がそれを避けて進まなければならない障害物を検出するための障害物検出装置(図2に示される)から受け取った情報に鑑みて、必要に応じて駆動輪12、13を回転させるように制御する。図1に示されるように、推測航法センサ30、30'は、たとえば電気ホイールモータ15a、15b、を介して処理ユニット16に接続される。
【0062】
障害物検出装置は、障害物を検出して、検出されたすべての障害物に関する情報を処理ユニット16に伝えるための、たとえば3Dカメラ、カメラとレーザとの組合せ、レーザスキャナ等によって実装される、その周囲状況を記録するための赤外線(IR)センサおよび/または超音波センサ、マイクロ波レーダ、3Dセンサシステムの形態で具現化されてもよい。処理ユニット16は、ホイールモータ15a、15bと通信して、障害物検出装置により提供される情報に従って車輪12、13の運動を制御する。
【0063】
図1において、ロボット掃除機10の幅Wがさらに示される。本体11が円形状を有するので、幅Wは本体の直径に対応する。一般論として、順方向Mで測定されるように、幅Wはロボット掃除機10の最も広い部分または最も大きい寸法として定義されてもよい。
【0064】
本体11には任意選択的に、ごみおよびほこりを掃除対象表面から取り除く、ロボットクリーナ10の底部の開口18に配置された回転可能なブラシロールの形態の掃除部材17が設けられてもよい。それゆえ、回転可能ブラシロール17は、開口18の水平軸に沿って配置され、掃除機10の集塵特性を向上させる。ブラシロール17を回転させるために、ブラシロールモータ19がブラシロールに動作可能に接続されて、その回転を処理ユニット16から受け取った命令に従って制御する。
【0065】
さらに、ロボットクリーナ10の本体11は、ごみを本体11の底面の開口18を通じて、本体に収容された集塵バッグまたはサイクロン装置(図示せず)の中に送るための空気流を発生させる吸込みファン20を含む。吸込みファン20は、処理ユニット16に接続されたファンモータ21によって駆動され、ファンモータ21はそこから吸込みファン20を制御するための命令を受け取る。ごみを集塵バッグへ送るための回転可能なブラシロール17および吸込みファン20のうちのいずれか1つを有するロボット掃除機10が想定されてもよいことに留意されたい。しかしながら、2つの組合せは、ロボット掃除機10のごみ除去能力を高めるであろう。
【0066】
あるいは、ロボット掃除機10は、モップ(図示せず)および/または回転フロアブラシ(図示せず)を備えてもよい。
【0067】
図1をさらに参照すると、処理ユニット16は、マイクロプロセッサに関連付けられた適当な記憶媒体26、たとえばランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、またはハードディスクドライブにダウンロードされたコンピュータプログラム25を実行するように配置される1つまたは複数のマイクロプロセッサの形態で具現化されてもよい。処理ユニット16は、コンピュータ実行可能命令を含む適当なコンピュータプログラム25が記憶媒体26にダウンロードされ、処理ユニット16により実行されたときに、本発明の実施形態による方法を実行するように構成される。記憶媒体26はまた、コンピュータプログラム25を含むコンピュータプログラム製品であってもよい。代替案として、コンピュータプログラム25は、適当なコンピュータプログラム製品、たとえばデジタル多用途ディスク(DVD)、コンパクトディスク(CD)、またはメモリスティックによって記憶媒体26に転送されてもよい。また別の代替案として、コンピュータプログラム25は、ネットワークを通じて記憶媒体26にダウンロードされてもよい。処理ユニット16は、あるいは、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)等の形態で具現化されてもよい。
【0068】
図1に、接触検出部分32がさらに示される。接触検出部分32は、移動方向において見られるように、ロボット掃除機10の前端に配置される。接触検出部分32は、現代の車の駐車距離センサと同じように、ロボット掃除機10の前部全体にわたって延在してもよい。あるいは、接触検出部分32は、図1に示されるように、ロボット掃除機10の前端にのみ延在してもよい。接触検出部分32は、ロボット掃除機10が物体または目印と接触しているかどうかを検出するために配置される。これは、障害物との衝突を避けなければならないときに有用であることがある。
【0069】
図2は、実施形態によるロボット掃除機10の正面図を示し、3Dカメラシステム22の形態の前述の障害物検出装置を示しており、これは少なくとも1つのカメラ23と、水平向きまたは垂直向きのラインレーザであってもよい第1および第2の構造化された光源27、28とを備える。さらに、図1に関して前述した、処理ユニット16と、本体11と、駆動輪12、13と、回転可能ブラシロール17とが示される。処理ユニット16は、ロボット掃除機10の付近の画像を記録するためのカメラ23に動作可能に連結される。第1および第2の構造化された光源27、28は好ましくは、垂直ラインレーザでもよく、カメラ23の横に配置され、ロボット掃除機10の高さおよび幅より大きい高さおよび幅を照らし出すように構成される。カメラ23は、処理ユニット16によって制御されて、1秒間に複数の画像を撮影し、記録する。画像からのデータは処理ユニット16によって抽出され、データは一般にコンピュータプログラム25とともに記憶媒体26に保存される。
【0070】
第1および第2の構造化された光源27、28は、好ましくは垂直方向に、ロボット掃除機10の付近を一般的にはロボット掃除機10の移動方向に走査するように構成される。第1および第2の構造化された光源27、28は、レーザビームを送信するように構成され、これは家または部屋の家具、壁、およびその他の障害物を照明する。カメラ23は処理ユニット16によって制御され、ロボット掃除機10は掃除対象表面上を移動している間に、画像を捕捉、記録し、そこから処理ユニット16は、画像から特徴を抽出し、ロボット掃除機10が移動する距離を測定することによってロボット掃除機10が動作している周囲状況の表現またはレイアウトを作成する。したがって、処理ユニット16は、記録された画像から掃除対象表面に関するロボット掃除機10の位置データを導き出し、周囲状況の特に障害物の3D表現を生成してもよい。
【0071】
したがって、3Dカメラシステム22により記録された画像から生成された3D表現は、ロボット掃除機10がそれを避けて進まなければならない壁、フロアランプ、テーブルの脚など、ならびに、ロボット掃除機10が横断しなければならない敷物、カーペット、ドアステップなどの形態の障害物の検出を容易にする。
【0072】
図2に関して、例示のために、3Dカメラシステム22はロボット掃除機10の本体11から分離されている。しかしながら、実際の実施形態では、3Dカメラシステム22はロボット掃除機10の本体11と一体化される可能性が高く、ロボット掃除機10の高さが最小化され、それはたとえばソファ等の障害物の下に入り込むことができる。
【0073】
ここで、3Dカメラ23と、第1および第2の構造化された光源27、28とを有する障害物検出装置を備えるロボット掃除機10が説明されるが、これにより、ロボット掃除機の効率的で、かなり迅速なナビゲーションが提供される。しかしながら、その最も単純な形態では、この接触検出部分32によりロボット掃除機10が検出障害物を避けて進むことができるので、ロボット掃除機10は接触検出部分32のみ備えてもよい。本明細書に示される方法に関して、ロボット掃除機10は接触検出部分32を備えることで十分であり、障害物検出装置は本明細書に説明される方法を実行するのに必須ではない。
【0074】
図3〜5は、本発明による方法のステップを示す。以下において、用語「ロードマップノード34」、「ロードマップリンク36」、および「ロードマップ図38」(図6および7参照)は以下のとおりである。
ロードマップノード34:時間内の特定の点におけるロボット掃除機10の位置。それによって、ロードマップノードはたとえば記憶媒体26に保存される仮想点であり、前記仮想点は最終的にロードマップ図を構築する。
ロードマップリンク36:記憶媒体26上にも保存されてもよく、ロボット掃除機が任意の障害物と衝突することなく直接駆動する可能性がある2つ以上のロードマップノード34、34'、34''を接続するレコード。
ロードマップ図38:たとえば記憶媒体26上に保存される、ロードマップノード34およびロードマップリンク36の少なくともいくつかを備える掃除対象表面の仮想マップ。
【0075】
ロードマップ図38は、本明細書で後述される追加の機能を備えてもよい。
【0076】
図3は、ロボット掃除機10がどのように方向Mに移動し、同時に、間隔をおいてロードマップノード34、34'を登録S01するかを示す。ロボット掃除機10が先に登録されたロードマップノード34'から現在登録されているロードマップノード34まで直接駆動または移動する可能性があることが検出されたとき、2つのロードマップノード34'、34はロードマップリンク36によって連結S02される。図3に示されるように、ロボット掃除機10は、任意の障害物と衝突することなく、5つのロードマップノード34、34'のシーケンスについてまっすぐに駆動しており、したがって、これらのロードマップノード34'、34はすべて、ロードマップリンク36によって一緒に連結される。これは、これらのロードマップリンク36に沿って駆動することは安全であり、彼のものはたとえば輸送(図7参照)のために必要に応じて再び行われてもよいことをロボット掃除機10に示す。
【0077】
連結されたロードマップノード34、34'はシーケンス54を形成してもよい。ロボット掃除機10が駆動し、掃除するので、たとえば図6および7に示されるように、このシーケンス54は連続的に延長される。しかしながら、シーケンス54は連続的である必要はなく、遮られてもよいことは留意すべきである。
【0078】
登録されるロードマップノード34、34'の間隔は、時間間隔または距離間隔でもよい。したがって、ロードマップノード34、34'は、たとえば1〜30秒、好ましくは3〜20秒、より好ましくは5〜15秒の時間間隔で、または、たとえば1〜20cm、好ましくは5〜15cm、より好ましくは7〜13cmの範囲の距離間隔で落下または登録されてもよい。
【0079】
あるいは、距離間隔は、ロボット掃除機10で最大寸法の1%〜100%、より好ましくはロボット掃除機10の最大寸法の20%〜50%の範囲にあってもよく、それは示される事例においては直径または幅Wであるが、その他の場合においてはロボット掃除機の長さまたは幅でもよい。
【0080】
図4は、第1のシーケンス部分42の登録されたロードマップノードと、第2のシーケンス部分44の現在登録されているロードマップノード34との間に障害物が検出されない場合に、第1のシーケンス部分42の登録されたロードマップノード34''または登録されたロードマップノードのシーケンス54の第1のシーケンスと、第2のシーケンス部分44の現在登録されているロードマップノード34または登録されたロードマップノードのシーケンス54の第2のシーケンスとの間に、ロボット掃除機10がどのようにショートカットリンク40を追加S03するかを図3とともに示すステップをさらに示す。図4に示されるように、第2のシーケンス部分44は、第1のシーケンス部分42からオフセットDして配置される。
【0081】
2つのシーケンス部分42、44をより容易に識別するために、第1のシーケンス部分42は、例示的な目的のために図4において破線として示される。さらに、ロボット掃除機10は、第2のシーケンス部分44に沿って駆動し、同時に、示されるショートカットリンク40を追加することを示すために、破線形状で示される。ロボット掃除機はさらに、現在のロードマップノード34の登録S01を示すために、透過的に示される。
【0082】
したがって、処理ユニット16が先に登録されたロードマップノード34''に遭遇したことを検出するとすぐに、ロボット掃除機10は先に登録されたロードマップノード34''をたどるように構成され、それは通常、たとえば図6および7に示される事例である。換言すれば、先に登録されたロードマップノード34'、34''のために、これらの領域を検出し、したがって認識するので、ロボット掃除機10は以前どこにあったか気がつくことが可能である。
【0083】
したがって、障害物が検出されない場合、ショートカットリンク40は、第1のシーケンス部分42および第2のシーケンス部分44と少なくとも略平行に接続する。可能性があるまたは定義された距離または時間間隔で単に連続的である場合はいつでも、ショートカットリンク40は連続的に追加されてもよい。
【0084】
第2のシーケンス部分44と第1のシーケンス部分42との間のオフセットDは、ロボット掃除機10の幅W(図1参照)より小さくなければならず、そのときのみ、障害物が第2のシーケンス部分44の現在登録されているロードマップノード34と第1のシーケンス部分42の先に登録されたロードマップノード34''との間に配置されていないと考えて問題ない。オフセットDはさらに、吸込みファン20の開口18の幅(図に示されない)より小さいように選択されてもよい。処理ユニット16は、先に登録されたロードマップノード34''に遭遇したとき、ロボット掃除機10の幅Wより小さいオフセットDでそれに応じてロボット掃除機10を誘導するように構成されてもよい。
【0085】
図5は、直線ショートカットリンク46、46'、46''を、直線シーケンス部分43を形成する直線的に連結されたロードマップノード34'''、34a、34bの間にどのように追加S04できるかを示す。ロボット掃除機10がロードマップノード34a、34'''、34bのシーケンスについて少なくとも略直線に駆動していたことを、処理ユニット16が検出したとき、それは、ロードマップノード34a、34b、34'''の直線シーケンスの第1のロードマップノード34aと最後のロードマップノード34bとの間に直線ショートカットリンク46、46'、46''を追加S04してもよい。後でショートカットリンク40(図4参照)を追加するために、したがって、遭遇したときに、図5に示されるロードマップノード34'''、34a、34bのシーケンスをたどる(図に示されない)とき、第1のロードマップノード34aと最後のロードマップノード34bとの間のロードマップノード34は削除されない。したがって、図4を参照して示されて、説明されるように、ショートカットリンク36が別のシーケンス部分42、44のロードマップノード34に後で追加される必要がある場合、ロボット掃除機10はそれらの中間ロードマップノード34'''に戻ってもよい。
【0086】
ロボット掃除機10が第2のシーケンス部分の現在登録されているロードマップノードと第1のシーケンス部分の先に登録されたロードマップノード34との間に障害物を検出する(図に示されない)場合、ロボット掃除機10は、接触検出部分32および任意選択的に障害物検出装置を使用して、それを避けて進み、同時に、ショートカットリンク40の追加S03に好適な先に登録されたロードマップノード34''に再び遭遇するまで、ロードマップノードを登録S01および連結S02する。
【0087】
簡単にするために、ロボット掃除機10は図5に示されない。しかしながら、その現在位置は、現在登録されているロードマップノード34である。
【0088】
さらに、たとえば図5に概略的に示されるようなロードマップ図38'が確立されてもよく、同時に、ロボット掃除機10が壁または同様のものをたどっていたことに言及されるべきである。
【0089】
ここで図6を参照すると、掃除の完了後、したがってロードマップノード34の登録後の掃除対象表面のロードマップ図38が示される。ロードマップノード34、34'、34''、34''''、34'''''、34a、34b、ロードマップリンク36、およびショートカットリンク40が示され、前記ロードマップノード34、34'、34''、34''''、34'''''、34a、34b、ロードマップリンク36、ショートカットリンク40が完全かつ確実なロードマップ図38を形成する。ロードマップ図38は、2つの障害物48、50についての位置情報を備え、したがって、これらの領域で駆動できないことをロボット掃除機10に教示する。ロードマップノード34の掃除および登録の開始点S、ならびに、ロボット掃除機10の現在位置Cも図6で見ることができる。図6は、より早いシーケンス部分42の先に登録されたロードマップノード34''に遭遇するたびに、ロボット掃除機10および処理ユニット16が、それぞれ、どのようにショートカットリンク40を追加するかをはっきりと示す。
【0090】
図示のために、図5に示される潜在的な直線ショートカット46、46'、46''は図6に示されないが、それらは存在してもよい。
【0091】
図7は、図6のロードマップ図38を、第1の位置Aから第2の位置Bへの最短距離を求めるS05ためにどのように使用できるかを概略的に示す。位置AからBへの最短距離は、第1の位置Aに近い登録されたロードマップノード34''''および第2の位置に近い別の登録されたロードマップノードクローズ34'''''を識別することによって、次いで、輸送シーケンス52を計算することによって、求められてもよい。輸送シーケンス52は、第1の位置Aから第2の位置Bまで通じる最小量の連結済の登録されたロードマップノード34、34''''、34'''''を備えるシーケンスとして選択されてもよい。これとともに、連結済の登録されたロードマップノード34、34''''、34'''''は、ロードマップリンク36、ショートカットリンク40、および/または直線ショートカットリンク46(図7に示されない)によって連結されている登録されたロードマップノード34、34''''、34'''''として理解されるべきである。
【0092】
第1の位置Aに近い登録されたロードマップノード34''''および第2の位置Bに近い別の登録されたロードマップノード34'''''を識別することによって、次いで、輸送シーケンス52を計算することによって第1の位置Aと第2の位置Bとの間の最短距離を求めるS05ことは、輸送シーケンス(図示せず)の計算を代わりに含んでもよく、それは、輸送シーケンスに含まれるすべてのロードマップリンク36およびショートカットリンク40の幾何学的な長さを集計するときに、最短の総距離を含む。いくつかの場合において、たとえば、多くのロードマップノードが含まれるとき、これは、第1の位置Aから第2の位置Bまで通じる最小量の連結されたロードマップノード34、34''''、34'''''の計算より短い輸送シーケンス52をもたらすことができる。
【0093】
図6および7は、ロードマップリンク36によって連結されるロードマップノード34、34'、34''''、34'''''の別のシーケンス54'をさらに示す。このシーケンス54'は連続的に示されるが、前述のように、これが必ずしも事例であるというわけではない。
【0094】
シーケンス54'はさらに、前述のとおり、複数のシーケンス部分42、43、44を備える。
【0095】
したがって、ロボット掃除機10は、安全にかつ道に迷うリスクが小さく進むことが可能である。さらに、たとえ新しい障害物が、部屋または表面の第1の掃除セッションと同じ部屋または表面の第2の掃除セッションとの間の掃除環境に追加されても、登録されたロードマップノード34a、34b、34'、34''、34'''、34''''、34'''''、ロードマップリンク36、ショートカットリンク40、および直線ショートカットリンク46、46'、46''は、各掃除セッションの完了後に削除されるので、ロボット掃除機10は安全に進むことができる。したがって、ロードマップ図38は常に最新であり、経験をベースとしてロボット掃除機10に、ナビゲーションのための信頼性が高く、確実な方法をもたらす。
【0096】
ロードマップノード34a、34b、34'、34''、34'''、34''''、34'''''は、ロードマップノード34a、34b、34'、34''、34'''、34''''、34'''''および/またはロードマップリンク36を登録する時点で、位置情報およびロボット掃除機10の状態についての追加情報を備えてもよい。たとえば追加情報は、障害物との衝突のリスクを低下させるロードマップノードの任意のシーケンスを決定するために使用されてもよい。
【0097】
換言すれば、ロボット掃除機10がたとえば、カーペットの縁を定期的に横切ることを検出した場合、処理ユニット16は、掃除、および特に可能な輸送シーケンス52を計画するように構成し、それに応じて、カーペット縁を横切る必要があることを可能であれば避けてもよい。したがって、登録されたロードマップノード34a、34b、34'、34''、34'''、34''''、34'''''は、ロボット掃除機10および処理ユニット16それぞれに、掃除対象表面についての追加情報を提供してもよい。
【0098】
さらに、追加情報は、表面の特定の領域がでこぼこである、すなわち駆動が困難であることを意味する「でこぼこ」などのタグを備えてもよく、それはロボット掃除機10および処理ユニット16それぞれに教示され、このシーケンスをより安全でより確実にするために、シーケンスを計画するときに、この領域が避けられる。
【0099】
上記の時間または距離間隔は、標準的または連続的でなくてもよく、それらは、特定の時間の間、ロボット掃除機10の方向変化量に応じて変化してもよい。これらの方向変化は、推測航法センサ30、30'によって容易に検出することができる。
【0100】
図8は、本発明によるステップを示す。障害物が検出された場合(図示せず)、たとえば、ショートカットリンク40を追加しようとするとき、ロボット掃除機10は、ショートカットリンク40を追加せず、第1のステップに戻って、ロードマップノード34を登録S01かつ連結S02し、同時に、前のシーケンス部分の先に登録されたロードマップノードに再び遭遇するまで、障害物の縁をたどる。
【0101】
以上、本発明を主としていくつかの実施形態に関連して説明した。しかしながら、当業者であれば容易にわかるように、付属の特許請求の範囲で定義された本発明の範囲内において、上で開示されたもの以外の実施形態も同様に可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8