(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を適用したサービス提供システムについて、図面を参照しながら詳細に説明をする。
【0028】
本発明を適用したサービス提供システム1は、例えば
図1に示すような構成により具現化される。このサービス提供システム1は、PC等を始めとしたシステムを利用するユーザ用の電子機器11と、この電子機器11に対して公衆通信網12を介して接続されるサーバ13とを備えている。
【0029】
公衆通信網12は、電子機器11間、サーバ13及び本部システム6を通信回線を介して接続されるインターネット網等である。
【0030】
電子機器11は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等であり、少なくともユーザの操作に基づいて公衆通信網12を介して通信可能なデバイスである。なお、この電子機器11は、後述するサービス提供プログラムを公衆通信網12を介してダウンロードして、インストールする。以下の例では、この電子機器11につき、スマートフォンを適用する場合を例にとり説明をする。
【0031】
図2は、電子機器11の具体的な構成例を示している。この電子機器11は、ROM(Read Only Memory)22と、データの蓄積や展開等に使用する作業領域としてのRAM(Random Access Memory)23と、電子機器11全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)24と、操作ボタンやキーボード等を介して各種制御用の指令を入力するための操作部25と、各種情報の表示を制御するための出力I/F16と、ハードディスク等に代表され、実行すべき検索を行うためのプログラムを格納するための記憶部27と、外部から電子機器11内へデータを入力し、或いは電子機器11において生成されたデータを外部へ出力するためのデータ入出力部29が内部バス21にそれぞれ接続されている。さらに、この内部バス21には、通信I/F28が接続されている。また、出力I/F16には、実際に情報を表示するモニタとしての表示部26が接続されている。
【0032】
ROM22は、電子機器11全体のハードウェア資源を制御するためのプログラムが格納されている。RAM23は、電子機器11全体のハードウェア資源を制御するときの各種命令を一時的に記憶する。
【0033】
CPU24は、内部バス21を介して制御信号を送信することにより、電子機器11内に実装された各構成要素を制御するためのいわゆる中央演算ユニットである。また、このCPU24は、操作部25を介したユーザの操作に応じて各種制御用の指令を内部バス21を介して伝達する。
【0034】
操作部25は、マウスやキーボード、タッチパネル等で具体化され、ユーザが注文したいサービスに関する情報が入力される他、サービス提供プログラムを実行するための実行命令がユーザから入力される。この操作部25は、上記実行命令がユーザにより入力された場合には、これをCPU24に通知する。この通知を受けたCPU24は、上記プログラムを記憶部27から読み出して実行する。
【0035】
出力I/F16は、CPU24による制御に基づいて表示画像を作り出すグラフィックコントローラにより構成されている。この出力I/F16に接続される表示部26は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現される。
【0036】
記憶部27は、ハードディスクで構成される場合において、CPU24による制御に基づき、各アドレスに対して所定の情報が書き込まれるとともに、必要に応じてこれが読み出される。また、この記憶部27には、本発明を実行するためのサービス提供プログラムが格納されている。このプログラムはCPU24により読み出されて実行されることになる。
【0037】
通信I/F28は、公衆通信網12と接続するための回線制御回路や、他の端末装置との間でデータ通信を行うための信号変換回路等が実装されている。通信I/F28は、内部バス21からの各種命令に変換処理を施してこれを公衆通信網12側へ送信するとともに、公衆通信網12からのデータを受信した場合にはこれに所定の変換処理を施して内部バス21、或いはCPU24へ送信する。
【0038】
データ入出力部29は、USB(Universal Serial Bus)メモリや、記録媒体との間でデータを入力するためのインターフェースとして構成されている。
【0039】
音声入力部31は、ユーザから入力された音声を電子データに変換するためのデバイスである。
【0040】
本部システム6は、SNS(ソーシャルネットワーキングサイト)を統括する本部に設置されるシステムである。この本部システム6も、例えばPC等を始めとする電子機器により構成される。この本部システム6の構成は、サービス提供システム1が実装されていてもよく、このサービス提供システム1が行うべき処理動作を本部システム6が代替して行うものであってもよい。
【0041】
なお、電子機器11における何れか1以上の構成要素、或いはサーバ13は、人工知能により制御されるものであってもよい。本発明への人工知能の具体的な応用方法は、従来における全ての公知の人工知能に関する情報の何れか1以上に基づくものであってもよい。
【0042】
本発明を適用したサービス提供システム1は、電子機器11内や本部システム6内にインストールされたサービス提供プログラムを介して実行される。このとき、ユーザは、電子機器11を操作し、これにインストールされているサービス提供プログラムを通じ、他のユーザにサービスの提供を行っていくこととなる。サービス提供プログラムを実行する場合、電子機器11にインストールして使用する場合に限定されるものではなく、サーバ13に記憶させておき、電子機器11側から、使用の都度、サーバ13にアクセスして使用するようにしてもよいことは勿論である。
【0043】
サーバ13には、所定のデータベースが構築されている。このサーバ13は、電子機器11からの要求に基づいて、この蓄積した情報を公衆通信網12を介して電子機器11へと送信する。また、このサーバ13は、本部システム6からの要求に基づいて、この蓄積した情報を公衆通信網12を介して本部システム6へと送信する。
【0044】
サーバ13には、例えば、各々のユーザの嗜好情報や属性情報等のユーザ情報や、サービスを提供する店舗の店舗情報等、公園等のランドマークにおける住所や緯度経度等に関する位置情報、サービスの評価に関する評価情報、ユーザの嗜好情報又は属性情報と各サービスとの連関性、評価情報と各サービスとの連関性、ユーザの嗜好情報又は属性情報と店舗との連関性、評価情報又は属性情報と等が記憶される。
【0045】
ユーザは、家族、友達、同僚、知人等の他のユーザと特定のユーザグループを作成して、メッセージ、写真、動画等を介して他のユーザとコミュニケーションがとることができるSNS会員として登録される。SNSは、例えばFacebook(登録商標)、Twitter(登録商標)、LINE(登録商標)等が用いられてもよい。ユーザは、ユーザ情報を電子機器11に操作部25を介して手動により入力し、又は音声入力部31を介して音声により入力する。
【0046】
ユーザは、ユーザ情報として、ユーザの氏名、年齢、性別、職業、住所、電話番号、メールアドレス、生年月日、既婚未婚等の属性情報や、趣味、特技、好きなもの、嫌いなもの等の嗜好情報を入力する。また、ユーザ情報には、過去にサービス提供システム1を利用して提供したサービス(奢ったサービス)、提供されたサービス(奢られたサービス)に関する情報等も嗜好情報として蓄積されている。
【0047】
ユーザは、ユーザ情報として、SNS上でサービスと交換できるポイントを蓄積するポイント口座を有している。本サービス提供プログラムでは、このポイント口座を介してサービスの購入を行う。このポイント口座は、SNS管理者によって管理され、予めクレジットカード等により所定の金額分のポイントを蓄積させておく。またユーザは、ユーザ情報として、ユーザの銀行口座に関する情報、ユーザのクレジットカードに関する情報、ユーザ本人と認証するための暗証番号や指紋認証といった認証情報等を入力してもよく、クレジットカード、銀行引落、デビットカード、インターネットバンキング、電子マネー等の購入手段を有していてもよい。また、ユーザは、個人をSNS上で識別するためのユーザIDを入力してもよい。
【0048】
サービスを提供する店舗は、例えば、居酒屋、レストラン、回転寿司屋、ファーストフード店、喫茶店、ラーメン店、フードコート等の飲食店をはじめとして、花屋、おもちゃ屋、煙草屋、衣料品店等のサービスを提供するあらゆる店舗が該当する。
【0049】
店舗は、店舗の名称、電話番号等の店舗情報の他に、住所、緯度経度等の位置情報、店舗が提供するサービスに関するサービスリスト、座席の配置、店舗内の写真、顧客からの評価等の店舗情報を有しており、店舗の店員等がこれら店舗情報を入力する。これにより、店舗は、SNS会員として登録されることとなる。また、店舗情報は、店舗から所定の距離だけ離れた任意の他の店舗の店舗情報が関連付けられる。ここでいう所定の距離とは、例えば、店舗から100m以内等、ユーザ側若しくはシステム側で任意に設定できる事項である。また、店舗が提供するサービスは、例えば、店舗が居酒屋であれば、通常提供しているビール、枝豆等の有形のサービスだけでなく、笑顔、歌、ハグ等の通常提供していない無形のサービスであってもよく、各々のサービスには、代金や上述したポイントが割り当てられている。
【0050】
評価情報は、例えば、任意のサービスの評価に関する情報であって、google(登録商標)等の検索エンジンにおける、時間毎、日毎、週毎、月毎等の検索キーワードの件数が増減に基づいて、判断されるものであってもよい。この他、例えばFacebook(登録商標)、Twitter(登録商標)、LINE(登録商標)等のSNSにおける、口コミ等に基づいて判断されるものであってもよい。また、インターネットショッピングサイトのランキング等に基づいて、判断されるものであってもよい。
【0051】
なお、以下の説明では、サービスを提供されるユーザを「享受者A」とし、サービスを提供するユーザを「決済者B」とし、店舗を居酒屋Cとして説明する。この享受者A、決済者B、及び居酒屋Cは、それぞれSNS会員として、各々のユーザ情報、店舗情報等がサーバ13に記憶される。享受者A、決済者B、居酒屋Cの店員のそれぞれの電子機器11、SNS管理者の本部システム6には、サービス提供プログラムが実装されている。
【0052】
サーバ13に記憶された各種情報等を予め取得した後に、実際にサービス提供プログラムを動作することとなる。このサービス提供プログラムの第1実施形態の動作を
図3に示す。
【0053】
サービス提供プログラムでは、先ず、享受者Aが入店した店舗を判別するための店舗判別ステップS11を行う。
【0054】
店舗判別ステップS11では、居酒屋Cに入店した享受者Aに、居酒屋Cの位置情報を含む店舗情報に公衆通信網12を介してアクセスさせることで、享受者Aが入店した居酒屋Cを判別する。居酒屋Cの位置情報を含む店舗情報に公衆通信網12を介してアクセスさせることで、享受者Aが居酒屋Cに入店した情報が居酒屋Cの電子機器11からSNS管理者の本部システム6に通知され、さらに本部システム6から決済者Bの電子機器11に通知されることとなる。このように、享受者Aが入店した居酒屋Cを判別することで、決済者Bは享受者Aが居酒屋Cに入店したことを把握することとなる。
【0055】
なお、店舗判別ステップS11では、居酒屋Cに設置したPC等の店舗用端末に居酒屋Cの位置情報を、例えばQRコード(登録商標)や数字の羅列によって暗号化されたコードとして表示させておき、享受者Aの電子機器11に内蔵されたバーコードリーダー等に読み取らせることで、享受者Aが入店した居酒屋Cを判別してもよい。また、店舗判別ステップS11では、居酒屋Cに設置したタッチパネル式の店舗用端末に居酒屋Cの位置情報を表示させておき、享受者Aに店舗用端末をタッチさせることで、享受者Aが入店した店舗を居酒屋Cとして判別してもよい。この他、店舗判別ステップS11では、例えば、電子機器11に内蔵されたGPS機能等に基づいて、享受者Aが入店した居酒屋Cを判別してもよい。
【0056】
サービス提供プログラムでは、次に、店舗判別ステップS11により判別した居酒屋Cにより提供されるサービスに関するサービスリストを決済者Bに通知し、このサービスリストの中から決済者Bにより選択されたサービスを判別するサービス判別ステップS12を行う。
【0057】
サービスリストは、居酒屋Cにより提供される、例えば「テキーラ」「ビール」「日本酒」等の有形のサービスのみならず、「歌」「笑顔」「ハグ」等の無形のサービスがリスト化され、決済者Bの電子機器11の表示部26に表示される。サービス判別ステップS12では、決済者Bの電子機器11の表示部26に表示されたサービスリストを決済者Bに操作部25を介して操作させることで、このサービスリストの中から決済者Bにより選択されたサービスを判別する。このとき、判別したサービスに関する情報を決済者Bの電子機器11からSNS管理者の本部システム6に通知する。なお、判別したサービスに関する情報をSNS管理者の本部システム6に通知する場合だけでなく、SNS管理者の本部システム6及び居酒屋Cの電子機器11の何れか一方又は両方に通知すればよい。サービス判別ステップS12では、例えば、このサービスリストの中から決済者Bにより選択されたサービス「テキーラ」を判別する。
【0058】
サービス提供プログラムは、次に、サービス判別ステップS12により判別したサービス「テキーラ」を居酒屋Cから享受者Aに提供させると共に、サービスに対する対価を決済者Bに対して請求する決済ステップS13を行う。
【0059】
このとき、SNS管理者の本部システム6から居酒屋Cの電子機器11に、サービス「テキーラ」を享受者Aに提供するように、通知することとなる。
【0060】
例えばサービス「テキーラ」に対する対価が600ポイントであれば、予めクレジットカード等により1000円分を1000ポイントとして蓄積させておいた決済者Bのポイント口座を介して、この600ポイントを決済者Bに請求することで、このサービスを購入することとなる。
【0061】
このように、サービス提供プログラムによれば、居酒屋Cから享受者Aにサービスを提供させるとともに、サービスに対する対価を決済者Bに対して請求することで、居酒屋Cがサービスを売る機会を消失させることなく、確実に消費活動を行うことが可能となる。また、サービス提供プログラムによれば、決済者Bが居酒屋Cにいない場合であっても、居酒屋Cにいる享受者Aにサービスを提供させることが可能となる。
【0062】
なお、上述した形態において、サービス判別ステップS12では、居酒屋Cのサービスリストの中からサービスを決済者Bに選択される際、特段サービスが提案されない場合を例にとり説明したが、居酒屋Cのサービスリストに含まれる各サービスと、ユーザの嗜好情報又は属性情報との連関性を予め取得しておき、ユーザの嗜好情報又は属性情報を新たに取得した場合には、連関性を参照してサービスリストに含まれるサービスを選択してこれをユーザに提案してもよい。サービスの提案は、決済者Bにされてもよいし、享受者Aにされてもよい。
【0063】
サービスの提案は、
図4に示すような各サービスとユーザの嗜好情報又は属性情報との連関性を参照しつつ行う。この連関性は、各サービスが、ユーザの嗜好情報又は属性情報の各々の項目とどの程度連関しているかの度合を示すものであり、いわゆるニューラルネットワークで構成されていてもよい。この連関性は、単に連関しているか否かの2値で定義されていてもよいし、アナログ的な表現方法で定義されていてもよい。連関性のアナログ的な表現方法としては、例えば享受者Aの嗜好情報に関するサービスについて、「テキーラ」であれば60%、「ビール」であれば35%、「日本酒」であれば45%等のように3段階以上の連関度となるように設定されるようにしてもよい。
【0064】
また、享受者Aの嗜好情報のサービスの連関性が高いか否かは、「テキーラ」以外の他のサービス(ビール、日本酒等)の連関度の大小に基づくようにしてもよい。かかる場合には、例えばテキーラ、ビール、日本酒毎に閾値がそれぞれ設定され、全ての閾値を超えた場合に連関性が高い旨を判別するようにしてもよいし、これらのうち何れかが閾値を超えた場合に連関性が高い旨を判別するようにしても良い。
【0065】
また、享受者Aの嗜好情報とサービスとの連関性が高いか否かは、「テキーラ」以外の他のサービス(ビール、日本酒等)の連関度の他のサービスとの関係に基づいて判断するようにしてもよいことは勿論である。かかる場合には、上述した連関性において、享受者Aの嗜好情報は、サービス毎に重み付けが設定されていてもよい。即ち、サービス判別ステップS12では、そのユーザの嗜好情報又は属性情報に該当するかを判断する際において、連関度が高いサービスのウェートをより高く、また連関度が低いサービスのウェートをより低く参照することとなる。
【0066】
そして、サービス判別ステップS12では、ユーザの嗜好情報又は属性情報を新たに取得した場合には、連関性を参照してサービスリストに含まれるサービスを選択してこれを決済者Bに提案する。
【0067】
例えば、享受者Aの嗜好情報に関するサービスについて、「テキーラ」であれば60%、「ビール」であれば35%、「日本酒」であれば45%等のような連関度となるように設定されていたものを、過去に享受者Aが「テキーラ」「ビール」を提供されたことで、「テキーラ」であれば65%、「ビール」であれば50%のように連関度を高くするように更新して、過去に享受者Aに提供されなかった「日本酒」であれば40%のように連関度を低くするように更新して、享受者Aの嗜好情報を新たに取得する。このように、享受者Aの嗜好情報を新たに取得した場合には、その連関性を参照してサービスリストに含まれるサービスを選択してこれを決済者Bに提案することとなる。
【0068】
他のサービス(枝豆、焼き鳥、唐揚げ等)についても同様にユーザの嗜好情報又は属性情報とサービスとの連関性を参照しつつ判断を行う。そして、ユーザの嗜好情報又は属性情報が、いかなるサービスと連関性が高いかを判別する。この連関性が高いか否かの判断は、サービス毎に設定された閾値を超えたか否かに基づいて絶対評価する場合に限定されるものではなく、相対評価するものであってもよい。かかる場合には、例えば各々のサービスの中で、分析したユーザの嗜好情報又は属性情報との連関度が高いものを上から1以上提案するようにしてもよい。
【0069】
このようにしてユーザの嗜好情報又は属性情報を連関度で重み付けすることをサービス毎に行い、例えばそのサービス毎に行った重み付け後の値の総合計を求めて、所定の閾値を超えている場合に、そのサービスに該当するものと判断し、所定の閾値以下の場合にはそのサービスに該当しないものと判断するようにしてもよい。
【0070】
なお、サービス判別ステップS12では、ユーザの嗜好情報又は属性情報と各サービスの連関性を参照したが、評価情報と各サービスとの連関性を参照してもよい。
【0071】
ここでいう評価情報は、例えば本発明を適用したサービス提供プログラムにより提案されたサービスを提供された享受者Aによる感想や口コミ等が反映された情報である。この評価情報は、サービス提供プログラムにより提供されたサービスを享受者Aが、「かなり良かった」「良かった」等の肯定的な評価もあれば、「悪かった」「かなり悪かった」等の否定的な評価も含まれる。
【0072】
評価情報は、例えば店舗により提供されるサービスに関するアンケート調査や、インターネット上のサイトへの書き込み、Twitter(登録商標)、LINE(登録商標)等の書き込み等から公衆通信網12を介して取得するようにしてもよい。アンケート調査に基づく評価情報は、アンケート票に基づいて店員が操作部25を介して入力されることとなり、公衆通信網12からの評価情報は、通信I/F28を介して取得することとなる。
【0073】
サービス判別ステップS12では、予め取得したこのような評価情報を解析する。この解析は、一般的な周知のテキストマイニング技術に基づくものであってもよい。テキストマイニング技術を介して、肯定的な評価か、否定的な評価かを特定することとなる。
【0074】
仮にこの特定した評価情報が肯定的であれば、サービス判別ステップS12により提案したサービスが享受者Aにとって適切であったことが分かる。かかる場合に、サービス判別ステップS12は、この連関性の連関度につき、特に何もしないか、或いは実際にそのサービスを提案するに当たり、当該サービスに帰結する矢印で結ばれる連関度を高くするように更新する。
【0075】
仮にこの特定した評価情報が否定的であれば、サービス判別ステップS12により提案したサービスが享受者Aにとって不適切であったことが分かる。かかる場合に、サービス判別ステップS12では、この連関性の連関度につき、実際にそのサービスを提案するに当たり、当該サービスに帰結する矢印で結ばれる連関度を低くするように更新する。
【0076】
なお、上述した実施形態においては、評価情報が肯定的か、否定的かの2段階によってランク付けされ、これに応じて連関度を変化させる場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものではない。例えば、この評価情報が3段階以上にランク付けされ、その3段階以上のランクに応じて連関性を変化させるようにしてもよい。
【0077】
また一のサービスが複数のユーザの嗜好情報若しくは属性情報又は評価情報との間で連関性が高くなるように設定されていてもよい。このとき、ユーザの嗜好情報若しくは属性情報又は評価情報から2以上を組み合わせて、これらの組み合わせと、各サービスとの連関性を取得するようにしてもよい。これにより、各種の情報を総合的に判断したうえで、ユーザにサービスを提案することが可能となる。
【0078】
例えば、享受者Aの嗜好情報に関するサービスについて、「テキーラ」であれば60%、「ビール」であれば35%、「日本酒」であれば45%等のような連関度となるように設定されていたものを、享受者Aの嗜好情報と享受者Aの属性情報とを組み合わせることで、これらの組み合わせと各サービスとの連関性が、「テキーラ」であれば50%、「ビール」であれば70%、「日本酒」であれば50%等のように連関度を更新して、享受者Aの嗜好情報と享受者Aの属性情報とを新たに取得する。このように、享受者Aの嗜好情報と享受者Aの属性情報とを新たに取得した場合には、これらの組み合わせと各サービスとの連関性を参照して、サービスリストに含まれるサービスを選択してこれを決済者Bに提案することとなる。
【0079】
また、一のユーザの嗜好情報若しくは属性情報、又は評価情報が複数のサービスとの間で連関性が高くなるように設定されていてもよい。
【0080】
なお、今回提案したユーザの嗜好情報若しくは属性情報、又は評価情報と連関性の高いサービスは、1つを提案する場合に限定されるものではなく、2以上提案するものであってもよい。つまり、一回の提案で「テキーラ」、「ビール」の2つが提案される場合もある。
【0081】
なお、サービス判別ステップS12は、人工知能により制御してもよい。このとき、本発明によれば、サービス判別ステップS12を人工知能により制御させる場合には、これら連関度がいわゆる教師あり学習を行う場合における重み付け係数となり、上述した連関性を学習により更新することとなる。このような学習を繰り返し行うことにより、連関性がより享受者Aにとって適切なサービスが選ばれるように適正化させることが可能となる。
【0082】
このように、サービス提供プログラムによれば、居酒屋Cのサービスリストに含まれる各サービスと、ユーザの嗜好情報若しくは属性情報又は評価情報との連関性を予め取得しておき、これらの情報を新たに取得した場合には、連関性を参照してサービスリストに含まれるサービスを選択してこれをユーザに提案することで、ユーザに対して最適なサービスを提供させることが可能となる。また、サービス提供プログラムによれば、居酒屋Cのサービスリストに含まれる各サービスと、ユーザの属性情報との連関性を予め取得しておく場合には、ユーザの嗜好を知らないユーザであっても、ユーザに適したサービスを提案することが可能となる。
【0083】
サービス提供プログラムは、次に、
図3に示すように、決済ステップS13により居酒屋Cから享受者Aに提供させたサービスを享受者Aが受け取るか否かを判別する受容判別ステップS14を行ってもよい。このとき、居酒屋Cの店員の電子機器11の表示部26の画面には、サービス「テキーラ」を受け取るか否かの選択情報が表示されており、この電子機器11を店員が享受者Aの座席に持っていき、享受者Aにこの電子機器11の操作部25を介して操作させ、サービスを受け取るか否かを選択させることで、受け取るか否かを判別させる。
【0084】
なお、サービスの受け取り可否は、居酒屋Cの店員の電子機器11で判別する場合を例に取り説明したが、享受者Aの電子機器11で判別してもよい。このとき、享受者Aの電子機器11の表示部26には選択情報が表示されることとなり、享受者Aにこの電子機器11の操作部25を介して操作させることで、受け取るか否かを判別する。これにより、居酒屋Cの店員の電子機器11を享受者Aの座席まで持っていく作業を省略することができる。
【0085】
受容判別ステップS14により受け取りを判別した場合には、居酒屋Cから享受者Aにサービスを提供させて、完了する。
【0086】
受容判別ステップS14により受け取り拒否を判別した場合には、サービスに応じたポイントを享受者A毎に記憶する記憶ステップS15を行う。
【0087】
このとき、決済ステップS13では、享受者Aが決済者Bとしてサービスを選択する場合の対価をポイントに代替させ、又は享受者Aが店舗から別のサービスの提供を受ける際の対価に代替させる。この記憶するポイントについては、例えば、サービス「テキーラ」が600ポイントである場合には、享受者Aのポイント口座に600ポイントとして記憶してもよいし、サービス「テキーラ」のポイントに応じて、例えば10%の所定の換算率を乗じて、享受者Aのポイント口座に60ポイントとして記憶してもよい。
【0088】
このようにサービス提供プログラムによれば、受容判別ステップS14では、居酒屋Cから享受者Aにサービスを提供させるとき、そのサービスの受け取りの可否を判別する。このため、享受者Aにサービス「テキーラ」を提供させるとき、その選択を享受者Aに選択させることが可能となる。また、サービス提供プログラムによれば、決済者Bが居酒屋Cにいない場合であっても、居酒屋Cにいる享受者Aにサービスを提供させることが可能となる。
【0089】
また、サービス提供プログラムによれば、享受者Aがサービスの受け取り拒否を判別したとしても、記憶ステップS15によりサービスに代替されるポイントを享受者Aのポイント口座に記憶し、決済ステップS13により決済者Bのサービスの対価をポイントに代替させることで、決済者Bが享受者Aに対して提供したいという思いを無為にすることなく、確実に享受者Aにポイントとしてそのメリットを提供させることが可能となる。
【0090】
また、サービス提供プログラムによれば、享受者Aがサービスの受け取り拒否を判別したとしても、決済ステップS13により享受者Aが店舗から別のサービスの提供を受ける際の対価に代替させることで、決済者Bが享受者Aに対して提供したいという思いを無為にすることなく、確実に享受者Aにそのメリットを提供させることが可能となる。
【0091】
即ち、サービス提供プログラムによれば、享受者Aが受け取りを拒否した場合であっても、決済者Bから享受者Aに提供する行為がキャンセルされることなく、サービス、又はポイント等を、享受者Aに提供することが可能となり、決済者Bが楽しさや気分の良さといった充実感を確実に受けることが可能となる。また、居酒屋Cにとっても、消費機会が消失することなく、消費機会の拡大につなげることが可能となる。
【0092】
なお、この受容判別ステップS14及び記憶ステップS15は、省略されていてもよい。これにより、サービスの受け取りの可否を判別することなく、居酒屋Cから享受者Aに突如サービスを提供させることとなるため、享受者Aにサプライズ感を演出することが可能となる。
【0093】
なお、上述した形態では、居酒屋Cで普段提供される「テキーラ」等を例示して説明したが、居酒屋Cが通常提供していない「歌」等をサービスリストに登録しているため、例えば、享受者Aが誕生日であったとき、享受者Aに「歌」を提供することもできる。このように、居酒屋Cが普段提供していないサービスをサービスリストに登録することで、通常では発生し得ない消費活動を発生させることで、消費機会を拡大させることが可能となる。
【0094】
上述した形態において、店舗判別ステップS11では、享受者Aが入店した居酒屋Cを判別する例を説明したが、
図5に示すように、享受者Aが入店した居酒屋Cとは異なる花屋Dも判別してもよい。このとき、サービス提供プログラムでは、店舗判別ステップS11により判別した居酒屋Cとは異なる花屋Dにより提供されるサービスに関するサービスリストを決済者Bに通知し、このサービスリストの中から決済者Bにより選択されたサービスを判別するサービス判別ステップS12を行う。そして、サービス提供プログラムでは、サービス判別ステップS12により判別したサービス「花」を花屋Dから居酒屋Cにいる享受者Aに提供させると共に、サービス「花」に対する対価を決済者Bに対して請求する決済ステップS13を行う。このように、本発明によれば、実際に享受者Aがいる居酒屋Cとは異なる花屋Dのサービスを、享受者Aに提供することが可能となる。必要に応じて、受容判別ステップS14及び記憶ステップS15を行ってもよい。
【0095】
また、上述した形態においては、サービス判別ステップS12により判別したサービスを、居酒屋Cから享受者Aに提供させる形態を説明したが、当該サービスを決済者Bに選択させることなく、上述した連関性の高いサービスを自動的に選択させるように設定しておいてもよい。このとき、サービス判別ステップS12では、上述した連関性を参照してサービスリストに含まれるサービスを自動的に選択し、選択したサービスを判別することとなる。このとき、店舗判別ステップS11から決済ステップS13までを自動的に行うこととなり、いわばサービスの提供を予約することが可能となる。もちろん、必要に応じて、受容判別ステップS14及び記憶ステップS15を自動的に行ってもよい。サービスを自動的に選択する場合には、決済者Bのポイント口座のポイントを超えないように自動的に選択してもよいし、予め決済者Bにより設定されたポイントの範囲内で自動的に選択してもよい。
【0096】
通常サービスを提供する行為は、享受者Aと決済者Bとが知人同士等で行われるが、本発明によれば、享受者Aとは知人ではない他のユーザに関するユーザ情報を登録しておくことで、この他のユーザであっても享受者Aにサービスを提供することが可能となる。また、本発明によれば、決済者Bとは知人ではない他のユーザに関するユーザ情報を登録しておくことで、決済者Bがこの他のユーザに対してサービスを提供することが可能となる。
【0097】
本発明によれば、ユーザの嗜好情報若しくは属性情報と各サービスとの連関性、又は評価情報と各サービスとの連関性をSNS管理者が把握することが可能となる。例えば、「男性」の中で「アルコール」が好きな人といったように、ある特定の属性情報における嗜好情報から事前にターゲットを絞った上で、例えば、「アルコール」に関して「飲酒頻度」「普段飲んでいる銘柄」「味に対する評価」等のアンケート調査を実施することも可能となる。そして、このアンケート結果を収集することにより、サービス提供システム1を将来の製品開発に応用したり、販売前の販売数量の調整や販売場所等の選定に役立てたりすることで、効果的なマーケティング活動を行うことが可能となる。
【0098】
図6は、サービス提供プログラムの第2実施形態のフローチャートを示す図である。
図7は、公園にいる享受者Aにサービスを提供する例を示す図である。このサービス提供プログラムでは、先ず、享受者Aの現在地を判別するための現在地判別ステップS21を行う。
【0099】
現在地判別ステップS21では、
図6に示すように、サービスを提供しない例えば公園Eにいる享受者Aに、例えば公園Eの位置情報に公衆通信網12を介してアクセスさせることで、享受者Aの現在地を判別する。
図7に示すように、決済者Bの電子機器11が享受者Aの現在地を判別することで、決済者Bは享受者Aが公園Eにいることを把握することとなる。
【0100】
サービス提供プログラムでは、次に、現在地判別ステップS21により判別した現在地から所定の距離だけ離れた1以上の店舗を抽出して、抽出した1以上の店舗から決済者Bに選択された店舗を判別するための店舗判別ステップS11とを行う。
【0101】
この所定の距離とは、例えば100m以内等、ユーザ側、又はシステム側で任意に設定できるものである。このとき、決済者Bにより選択された店舗が花屋Dであるとする。
【0102】
そして、店舗判別ステップS11により抽出した花屋Dにより提供されるサービスに関するサービスリストを決済者Bに通知し、このサービスリストの中から決済者Bにより選択されたサービスを判別するサービス判別ステップS12を行い、サービス判別ステップS12により判別したサービスを花屋Dから享受者Aに提供させると共に、上記サービスに対する対価を決済者Bに対して請求する決済ステップS13を行う。必要に応じて、受容判別ステップS14及び記憶ステップS15を行ってもよい。
【0103】
本実施形態によれば、
図7に示すように、享受者Aがサービスを提供する店舗にいることなく、享受者Aがサービスを提供しない公園Eにいても、公園Eから所定の距離だけ離れた花屋Dから享受者Aにサービスを提供させることが可能となる。
【0104】
また、店舗判別ステップS11では、抽出された1以上の店舗と、ユーザの嗜好情報又は属性情報との連関性を予め取得しておき、ユーザの嗜好情報又は属性情報を新たに取得した場合には、連関性を参照して店舗を選択してこれをユーザに提案してもよい。店舗の提案は、決済者Bにされてもよいし、享受者Aにされてもよい。
【0105】
店舗の提案は、
図8に示すような各店舗とユーザの嗜好情報又は属性情報との連関性を参照しつつ行う。この連関性は、各店舗が、ユーザの嗜好情報又は属性情報との各々の項目とどの程度連関しているかの度合を示すものであり、いわゆるニューラルネットワークで構成されていてもよい。この連関性は、単に連関しているか否かの2値で定義されていてもよいし、アナログ的な表現方法で定義されていてもよい。連関性のアナログ的な表現方法としては、例えば享受者Aの嗜好情報に関する店舗について、「居酒屋C」であれば60%、「花屋D」であれば70%等のように3段階以上の連関度となるように設定されるようにしてもよい。
【0106】
また、享受者Aの嗜好情報の店舗の連関性が高いか否かは、「居酒屋C」以外の他の店舗(喫茶店等)の連関度の大小に基づくようにしてもよい。かかる場合には、例えば居酒屋C、花屋D毎に閾値がそれぞれ設定され、全ての閾値を超えた場合に連関性が高い旨を判別するようにしてもよいし、これらのうち何れかが閾値を超えた場合に連関性が高い旨を判別するようにしても良い。
【0107】
また、享受者Aの嗜好情報と店舗との連関性が高いか否かは、「居酒屋C」以外の他の花屋D等の連関度の他のサービスとの関係に基づいて判断するようにしてもよいことは勿論である。かかる場合には、上述した連関性において、享受者Aの嗜好情報は、店舗毎に重み付けが設定されていてもよい。即ち、店舗判別ステップS11では、そのユーザの嗜好情報又は属性情報に該当するかを判断する際において、連関度が高い店舗のウェートをより高く、また連関度が低い店舗のウェートをより低く参照することとなる。
【0108】
そして、店舗判別ステップS11では、ユーザの嗜好情報又は属性情報を新たに取得した場合には、連関性を参照して店舗を選択してこれを決済者Bに提案する。
【0109】
例えば、享受者Aの嗜好情報に関する店舗について、「居酒屋C」であれば60%、「花屋D」であれば70%等のような連関度となるように設定されていたものを、過去に享受者Aが花を提供されたことで、「花屋D」であれば80%のように連関度を高くするように更新して、過去に享受者Aに提供されたことがないアルコールであれば50%のように連関度を低くするように更新して、享受者Aの嗜好情報を新たに取得する。このように、享受者Aの嗜好情報を新たに取得した場合には、その連関性を参照して店舗を選択してこれを決済者Bに提案することとなる。
【0110】
他の店舗(喫茶店等)についても同様にユーザの嗜好情報又は属性情報とサービスとの連関性を参照しつつ判断を行う。そして、ユーザの嗜好情報又は属性情報が、いかなる店舗と連関性が高いかを判別する。この連関性が高いか否かの判断は、店舗毎に設定された閾値を超えたか否かに基づいて絶対評価する場合に限定されるものではなく、相対評価するものであってもよい。かかる場合には、例えば各々の店舗の中で、分析したユーザの嗜好情報又は属性情報との連関度が高いものを上から1以上提案するようにしてもよい。
【0111】
このようにしてユーザの嗜好情報又は属性情報を連関度で重み付けすることを店舗毎に行い、例えばその店舗毎に行った重み付け後の値の総合計を求めて、所定の閾値を超えている場合に、その店舗に該当するものと判断し、所定の閾値以下の場合にはそのサービスに該当しないものと判断するようにしてもよい。
【0112】
なお、店舗判別ステップS11では、ユーザの嗜好情報又は属性情報と各店舗の連関性を参照したが、評価情報と各店舗との連関性を参照してもよい。
【0113】
また一の店舗が複数のユーザの嗜好情報若しくは属性情報又は評価情報との間で連関性が高くなるように設定されていてもよい。このとき、ユーザの嗜好情報若しくは属性情報又は評価情報から2以上を組み合わせて、これらの組み合わせと、各店舗との連関性を取得するようにしてもよい。これにより、各種の情報を総合的に判断したうえで、ユーザに店舗を提案することが可能となる。
【0114】
また、上述した形態においては、店舗判別ステップS11により判別した店舗を、当該店舗を決済者Bに選択させることなく、上述した連関性の高い店舗を自動的に選択するように設定しておいてもよい。このとき、店舗判別ステップS11及びサービス判別ステップS12では、上述した連関性を参照して抽出した1以上の店舗から1つの店舗を自動的に選択し、さらにサービスリストに含まれるサービスを自動的に選択し、選択したサービスを判別することとなる。このように、店舗判別ステップS11から決済ステップS13までを自動的に行うこととなり、いわばサービスの提供を予約することが可能となる。もちろん、必要に応じて、受容判別ステップS14及び記憶ステップS15を自動的に行ってもよい。サービスを自動的に選択する場合には、決済者Bのポイント口座のポイントを超えないように自動的に選択してもよいし、予め決済者Bにより設定されたポイントの範囲内で自動的に選択してもよい。また、店舗を自動的に選択する場合には、上述した連関性を参照することなく、ランダム的に選択してもよい。