特許第6879543号(P6879543)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6879543
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】発光装置及びそれを用いた照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20210524BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20210524BHJP
   F21V 3/02 20060101ALI20210524BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20210524BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20210524BHJP
【FI】
   F21S2/00 230
   F21V3/00 320
   F21V3/02
   F21Y103:10
   F21Y115:10
【請求項の数】2
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-38116(P2017-38116)
(22)【出願日】2017年3月1日
(65)【公開番号】特開2018-147563(P2018-147563A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2020年2月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000127857
【氏名又は名称】株式会社エス・ケー・ジー
(74)【代理人】
【識別番号】100167690
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 直
(72)【発明者】
【氏名】坂本 光秀
(72)【発明者】
【氏名】星野 大地
(72)【発明者】
【氏名】松岡 正
(72)【発明者】
【氏名】川島 竜之
【審査官】 河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0138752(US,A1)
【文献】 特表2016−522554(JP,A)
【文献】 特開2014−099343(JP,A)
【文献】 特開2012−084504(JP,A)
【文献】 独国実用新案第202014101986(DE,U1)
【文献】 韓国登録特許第10−1608256(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 3/00
F21K 9/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子を列状に配列した光源部と、
前記光源部を収容する収容部と、
前記光源部からの光の配光を調整する配光調整部と、
前記配光調整部は、
前記発光素子が列設する長手方向に直交する縦断面視において、前記発光素子の中心の 延長線上に、光が進行する方向に対向して突出した2つの曲面を設け、その曲面の両端が 合わさり前記発光素子の中心に最も近接する先端となる内先端部と、
空気層を伴い前記発光素子からの光を拡散する閉じられた空間を設けた拡散空間部と、を備え、
前記拡散空間部は、前記発光素子のある内側の前記曲面によって形成した第1の拡散空間部と、
外側の前記曲面によって形成した第2の拡散空間部と、を備え、
最も前記光源に近い下部の前記第2の拡散空間部の断面の形状は、前記内先端部と同一の形状とすることを特徴とする発光装置
【請求項2】
最も前記光源に遠い上部の前記第2の前記拡散空間部の断面の形状は、第1の拡散空間部と異なる形状であって、水平状、直角状又は円弧状に形成することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源として複数の発光素子を発光させる発光装置及びその発光装置を利用した照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から消費電力が少なく高輝度の光源としてLEDを使用した発光装置や照明装置が提案されてきている。高輝度LEDを使用した発光装置は、検査装置の照明用としての用途や建築の天井面や壁面等に使用される照明装置として使用されてきている。
例えば、特許文献1には、照明装置としての用途に使用される発光装置が提案されており、その発光装置は、複数のLEDと、LEDがアレイ状に実装される基板と、LEDから放射された光の配光を調整する配光調整部材と、を備え、配光調整部材は、2つ以上のLEDに共通して設けられ、LEDを格納する収容部と、LEDの光導出面上で且つLEDの直上部に設けられた凹条曲面部と、凹条曲面部の両側に設けられ、凹条曲面部と面が滑らかに連続する一対の凸条曲面部と、を有する。LEDから収容部に入射した光の多くは、凹条曲面部で全反射されて、側方方向へ進み、凹条曲面部を屈折して透過することにより、配光調整部材から広い配光で出射される。そして、これら装置は、指向性が低く、光ムラを生じ難くすることができる装置として提案されている。
【0003】
また、特許文献2は、検査装置用の照明装置が提案され、その照明装置は、所定の方向に沿って配置された複数の光源と、光源から発せられる光を集光する第1レンズと、第1レンズから発せられる光を前記所定の方向に拡散させる拡散レンズと、拡散レンズから発せられる光を集光する第2レンズと、を備え、複数の光源から第2レンズに向かう方向において、第1レンズの曲率中心を基準にして、第1レンズの曲率半径の2倍以上の距離だけ離隔した位置に第2レンズが配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−234906号公報
【特許文献2】特開2016−201360号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の発光装置では、レンズ部分の厚みが厚く、拡散した光が透過するも拡散する度合いが少なく、指向性のある強い光を拡散しきれないという問題もあった。
又、照明装置としては、均一な発光を追求するためにレンズ形状等が複雑となり、そのレンズを収める筐体の構造が、複雑化又は大型化となり、更には設置作業も困難であるという問題もあった。
【0006】
本発明は、光源からの光を広範囲に拡散さる発光装置を提供すると共に、拡散部分を持ちながらも形状全体が複雑化しない照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
複数の発光素子を列状に配列した光源部と、前記光源部を収容する収容部と、前記光源部からの光の配光を調整する配光調整部と、前記配光調整部は、前記発光素子が列設する長手方向に直交する縦断面視において、前記発光素子の中心の延長線上に、光が進行する方向に向かって突出した2つの曲面を設け、その曲面の両端が合わさり前記発光素子の中心に最も近接する先端となる内先端部と、前記内先端部から更に前記発光素子の中心の延長線上に、空気層を伴い前記発光素子からの光を拡散させる空間を設けた拡散空間部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上の特徴により、発光素子から発した光が拡散し、発光装置は広角による照射が可能である。また、高輝度の発光素子により見られる粒状が見え難くなり、均一に光る発光装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態の照明装置の全体を正面、左側面、平面から見た斜視図である。
図2】実施形態の発光装置を分解し各々の部品を現した分解斜視図である。
図3】実施形態の発光装置を表した正面、左側面、平面から見た斜視図である。
図4】実施形態の発光装置を表した背面、左側面、平面から見た斜視図である。
図5】実施形態の発光装置を表した側面図である。
図6】実施形態の発光装置の一部及びサイドカバーを拡大して表した拡大図である。
図7】実施形態の照明装置のサイドカバーの内部側を表した斜視図である。
図8】実施形態の照明装置同士を連結する様子を表した概要図である。
図9】実施形態の照明装置同士を連結した様子を表した概要図である。
図10】実施形態の発光装置に設置用金具を装着した様子を表した側面から見た概要図である。
図11】実施形態の発光装置に設置用金具を装着し床面に設置した様子を表す概要図である。
図12】実施形態の発光装置に設置用金具を装着し壁面に設置した様子を表す概要図である。
図13】実施形態の照明装置を天井に設置し、光の照射の様子を表す概要図である。
図14】実施形態の発光装置の発光素子からの光の照射を示す側面から見た説明図である。
図15】他の実施形態の発光装置を表した側面図である。
図16】他の実施形態の発光装置を表した側面図である。
図17】実施例1の変形例の発光装置のレンズカバーを表した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明にかかる表示装置について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
【0011】
(実施例1)
図1乃至図7を参照して、照明装置1及び発光装置10の構造を説明する。図1は、実施形態の照明装置1の全体を正面、左側面、平面から見た斜視図である。図2は、実施形態の発光装置10を分解し各々の部品を現した分解斜視図である。図3は、実施形態の発光装置10を表した正面、左側面、平面から見た斜視図である。図4は、実施形態の発光装置10を表した背面、左側面、平面から見た斜視図である。図5は、実施形態の発光装置10を表した側面図である。図6は、実施形態の発光装置10の一部及びサイドカバー40を拡大して表した拡大図である。図7は、実施形態の照明装置1のサイドカバー40の内部側を表した斜視図である。
【0012】
図1乃至図7に示すように照明装置1は、主に発光装置10、サイドカバー40及び設置用金具60(図10)から構成されている。また、発光装置10は、レンズカバー20と、筐体部30及び光源部50とから構成されている。
先ず、発光装置10について説明する。発光装置10は、図3に示す様に、例えば一例を示すが、発光装置10の側面を形成する横(X)及び縦(Y)の寸法は、各々25mmと断面形状が略正方形状を形成している。また、例えば一例を示すが、発光装置10の長手方向の寸法(Z)は、480mmであり、発光装置10全体においてもコンパクトな形状となっている。
【0013】
図1乃至図7に示すように筐体部30は、両辺の角が45度の断面形状が2等辺三角形状に形成したアルミ材を押出し成形した筐体31を形成する。筐体31は、断面形状が2等辺三角形状の長辺の中央に長尺に沿って光源部50を両面テープ等により貼り付けが可能な光源載置部36(図2図4図5)を設けており、その光源載置部36の両側には光源部50を受けることが可能な突起37(図2図4図5)を設けている。
【0014】
また、筐体部30は、上下端に長手方向に沿って側壁34により形成した溝部35が設けられており、その溝部35にレンズカバー20が側方からスライド挿入することが可能な構造となっている。筐体部30は、背面側に向かい合って形成した断面コ字状に上下に突出した挿入部33を設け、そのコ字状により形成された溝状の挿入空間部32が長手方向に沿って延設されている(図4図5)。また、筐体部30は、光源載置部36の背面に、後述する設置用金具60を収納できる空間として装着空間38(図4図5)を長手方向に沿って設けている。更に、筐体部30は、サイドカバー40(図6)を固定するビス49(図6)を挿入する略円形状のビス固定溝39(図4図5)を長手方向に沿って形成している。
これら装着空間38やビス固定溝39を形成することにより放熱面積を多く確保することが可能であり、光源部50の熱を放熱させる機能をも備えている。
【0015】
次に、図1乃至図7を参照し、レンズカバー20を説明する。レンズカバー20は、断面を略3角形状で角を形成したレンズ筐体21を設けている。レンズ筐体21は、筐体部30と長手方向を同じ長さに形成し、乳白色のポリカーボネード等の樹脂材を押出し成形する方法にて製造される。樹脂材は、乳白色のポリカーボネードに限らず光拡散材を混入させた樹脂材であっても良い。
【0016】
レンズ筐体21の内部は、断面を弧状に湾曲したレンズ形状であって、内面側に弧内面23、また外側に弧外面26を形成している。弧内面23が2つ結合した内先端24の延長線上(一点鎖線)に、光源部50の発光素子52のほぼ中心Gが位置している。弧内面23及び弧外面26は略90度の角を形成する内側の垂直内壁面27と結合している。また、更に光源部50の発光素子52のほぼ中心Gの延長線上には外先端29(一点鎖線)が位置しており、発光素子52から最も離れた位置にある。
尚、弧内面23が合流した内先端24は円弧状であっても良く。また、弧外面26が合流する部分も円弧状であっても良いが、内先端24は鋭角にすればする程ほど拡散効果が向上する。
【0017】
レンズ筐体21は、内部に弧外面26及び垂直内壁面27により囲われた空間を形成した散乱空間部22を備えている。散乱空間部22は、発光素子52から発光した光を散乱させる空間となり、長手方向に沿って長く伸びた空間を形成している。
また、レンズ筐体21は、外側の垂直外壁面28により略90度の角である外先端29を形成している。レンズ筐体21は、先端に筐体部30の溝部35と嵌合し、突出した嵌合突出片25を長手方向に沿って設けている。レンズカバー20は、筐体部30の側方から溝部35と嵌合突出片25とを嵌合させて、筐体部30にスライドして挿入することが可能である。
【0018】
尚、図17の破線で示したレンズカバー20dの変形例を示す。図17に示す範囲Rの以外の部分は上述した構造と同じであるため説明を省略する。外先端29dを角ではなく円弧状に形成したレンズカバー20dである。レンズカバー20dの外側の垂直外壁面28d及び内側の垂直内壁面27dは、範囲Rの部分において、垂直外壁面28d及び垂直内壁面27dの各々により円弧状が形成され、外先端29dは角ではなく円弧形状を形成している。
【0019】
次に、光源部50は、筐体部30と同様に長手方向に伸びた形状にLED基板51を形成し、LED基板51の中央に複数の発光素子52を長手方向に沿って列状に設けている。発光素子52は、主に、消費電力が低く高輝度のLEDを採用しているが、有機EL等も採用が可能である。
【0020】
次に、サイドカバー40を説明する。サイドカバー40は、筐体部30及びレンズカバー20の側面を覆う形状に形成された略直方体の形状に形成したサイドカバー筐体41を備えている。サイドカバー筐体41は、照明装置1の側面を覆おう蓋の役割とLED基板51に接続される図示しない電源を供給する配線を接続する接続プラグ48を収納する役割を持っている。
【0021】
サイドカバー筐体41は、表面にビス49を挿入するビス挿入穴43が設けられている。また、その裏面にはビス49のスクリュウ部分が貫通するビス孔46が設けられている。そして、サイドカバー筐体41は、ビス49を筐体部30のビス固定溝39に螺合し、筐体部30に固定される。
サイドカバー筐体41は、裏面に図示しない配線が通過可能な接続プラグ48を収納する略円筒状の端子収納部47が設けられている。サイドカバー筐体41は、表面に接続ソケット70(図8)が挿入できる大きさの穴となる接続端子穴42が設けられている。サイドカバー筐体41は、接続ソケット70(図8)を接続端子穴42に挿入し、接続ソケット70(図8)と接続プラグ48とが電気的に接続できる構造となっている。尚、接続プラグ48を使用せずに接続端子穴42を貫通させて配線を引回し照明装置1同士を接続しても良い。
【0022】
サイドカバー筐体41は、レンズカバー20の弧内面23の形状に沿って形成した裏面の両端に、突出したリブ44を設けている。リブ44は、レンズカバー20と筐体30とのがたつきを防止するために、レンズカバー20の弧内面23に当接し、レンズカバー20を筐体30の側壁34に向かって押し付けている。
【0023】
次に、図8及び図9を参照して照明装置1同士の接続方法について説明する。図8及び図9は、実施形態の照明装置1同士を連結する様子を表した概要図である。図8の1点鎖線にある様にサイドカバー筐体41に設けられた接続端子穴42に接続ソケット70を挿入することで接続プラグ48は、接続部ソケット70の内部にある円筒状の金属製のソケット部71と導通し、電源を供給することが可能である。照明装置1は、接続ソケット70を介して接続することにより、図9に示す様にサイドカバー40を隙間なく連結することが可能である。デザイン性に優れ又連結部分が少ないため、連続した線上の照明として使用が可能である。
【0024】
次に、図10乃至図13を参照して照明装置1の設置方法の一例について説明する。図10は、実施形態の発光装置10に設置用金具60を装着した様子を表した側面から見た概要図である。図11は、実施形態の発光装置10に設置用金具60を装着し床面に設置した様子を表す概要図である。図12は、実施形態の発光装置10に設置用金具60bを装着し壁面に設置した様子を表す概要図である。図13は、実施形態の照明装置1を天井に設置し、光の照射の様子を表す概要図である。
【0025】
図10に示す様に設置用金具60は、ステンレスや鉄等の金属性の材料により断面形状がコ字状に形成している。断面コ字状の設置用金具筐体61は、長手方向に伸びており、複数箇所に設置用ビスB等で固定できる様に貫通した孔が設けられている。また、設置用金具筐体61は、先端に外側に突出した三角形状の三角片62を設けている。この三角片62は、金属の弾性により筐体部30の挿入部33を乗り越えて、挿入部33に嵌合し固定される。設置用金具筐体61の胴体は、挿入部33により上下方向から保持されている。
【0026】
図11は、床面Fと壁面Wとで形成されるコーナー部分に設置した様子を示している。先ず、照明装置1を設置する際には、床面Fと壁面Wとで形成されるコーナー部分より僅かに上の部分に、設置用ビスBで設置用金具60を固定する。設置用金具60を壁面Wに固定した後、照明装置1を筐体部30の挿入部33間の空間に、設置用金具60が入り込むように押しつけ、設置用金具60の三角片62と挿入部33が嵌合する位置まで押し込み、設置用金具60と筐体部30が嵌合することで固定される。三角片62は、挿入方向から徐々に大きくなる三角形状となっており、金属の弾性によって撓みながら挿入され挿入部33と嵌合する。尚、壁面Wに設置用金具60を取り付けて照明装置1を設置したが、床面Fに設置用金具60を取り付けて照明装置1を設置しても良い。
このように装着空間38内で、設置用金具60と筐体部30の固定が可能であるため、照明装置1は、図11に示すように設置金具60は、床面Fと壁面Wとで形成されるコーナー部分に隙間なく、また嵌め込むだけの簡単な作業で設置用金具60と照明装置1は設置が可能である。
【0027】
次に、図12を参照して照明装置1の設置の別例について説明する。図12は、壁面Wにステンレスや鉄等の金属性の材料により形成した設置用金具60bを使用して設置した様子である。断面が略L字状の設置金具60bは壁面に沿った胴体64を備え、その先端には、挿入部33間にスライドして挿入が可能な差し込み片65が上下方向に伸びて設けられている。
先ず、照明装置1を設置する際には、所望する位置の壁面Wに設置用ビスBで設置用金具60bを複数箇所に亘って固定する。設置用金具60bを壁面Wに固定した後、設置用金具60の差し込み片65に、照明装置1を筐体部30の挿入部33間の空間に合わせてスライドし挿入する。挿入が終わった後は、発光装置10の側面にサイドカバー40をビス49により固定し、スライドカバー40により筐体部30の挿入部33間に蓋をすることで、設置金具60bが照明装置1から外れることを防止する。
【0028】
次に、図13を参照して照明装置1の設置の別例について説明する。図13は、壁面Wと天井面Cとで形成されるコーナーに設置した様子である。構造は、図10及び図11に参照される構造と同じであるため省略する。
照明装置1は、図11及び図13に示すように設置金具60は、床面Fと壁面Wとで形成されるコーナー部分に隙間なく、また嵌め込むだけの簡単な作業で設置用金具60と照明装置1は設置が可能である。
【0029】
次に、本実施例の発光装置10の光学特性について図13及び図14を参照して説明する。図13は、実施形態の照明装置1を天井に設置し、光の照射の様子を表す概要図である。図14は、実施形態の発光装置10の発光素子52からの光の照射を示す側面から見た説明図である。
発光装置10は、図14に示すように発光素子52から発光した光α1〜α8は、レンズ筐体21の弧内面23に入射し、屈折やレンズ筐体21の内部での拡散をする。また弧外面26から出射した光α1〜α8は、垂直内壁面27に入射し、またレンズ筐体21の内部で拡散をし、垂直外面28から外部へと出射する。また、弧外面26及び垂直内壁面27からの光β1〜β12は散乱空間部22内で散乱により拡散し、外部へ出射する光α1〜α8は広角に広がる。
【0030】
以上のように、発光装置10から照射される光は、1/2照度角による数値によれば83.8度と通常の平坦な拡散板を使用した状態よりも広角に照射が可能である。
特に、発光素子52の最も発光が強いほぼ中心部分Gに、レンズ筐体21の中で内先端24が最も発光素子52に近くなっている。そのため、弧内面23又は弧外面26の曲面により拡散効果が高くなり、より拡散がした光を出射する。
また、この発光装発光素子52の最も発光が強い中心部分Gの延長線上に、レンズ筐体21の弧状が合わさる内先端24が位置することで広角に拡散しやすい構造となっている。
更に発光素子52の最も発光が強い中心部分Gの延長線上に、垂直内壁面27同士が直交する外先端29があり、外先端29は、レンズ筐体21の拡散部分の中で最も遠くなっており、これにより発光素子52の光の粒が見え難くなっている。
また、レンズ筐体21の空気層を持つ散乱空間部22を設けることにより、界面が形成され光の散乱が発生しやすく余計に拡散が起こりやすい状態を形成することが可能となった。
図13に示すように、このような構造を持つ発光装置10を備えた照明装置1から照射される光Sは、略90度の広がりを持つように照射される。
【0031】
(他の実施形態の実施例2)
次に、図15を参照して発光装置10cを装着した照明装置1cの別例を説明する。照明装置1cは、主に発光装置10c、サイドカバー(図示しない)及び設置用金具60cから構成されている。また、発光装置10cは、レンズカバー20cと、筐体部30c及び光源部50cとから構成されている。
筐体部30cは、略H字状にアルミ材を押出し成形した筐体31cを形成する。筐体31cは、H字状の水平方向部分に光源部50を両面テープ等により貼り付けが可能な光源載置部36cを設けている。
【0032】
また、筐体部30cは、上端に長手方向に沿って側壁34cにより形成した溝部35cが設けられており、その溝部35cにレンズカバー20cが側方からスライド挿入することが可能な構造となっている。
また、筐体部30cは、中央よりやや下方に、設置用金具60cの屈曲片67cにより挟み込んで発光装置10cを保持するための溝状の設置用溝32cを設けている。
更に、筐体部30cは、図示しないサイドカバーを固定するビスを挿入する略円形状のビス固定溝39cを長手方向に沿って形成している。
設置用溝32cやビス固定溝39cを形成することにより放熱面積を多く確保することが可能であり、光源部50cの熱を放熱させる機能をも備えている。
【0033】
次に、レンズカバー20cを説明する。レンズカバー20cは、筐体部30cと長手方向を同じ長さに形成し、乳白色のポリカーボネード等の樹脂材を押出し成形する方法にて製造される。樹脂材は、乳白色のポリカーボネードに限らず光拡散材を混入させた樹脂材であっても良い。
レンズカバー20cは、断面を略三角形状に、発光素子52cの最も発光が強い中心部分Gの延長線上(一点鎖線)に、弧状のレンズ形状となる弧内面23cの先端が合流した内先端24cが位置している。発光素子52cの最も発光が強い中心部分Gに、レンズ筐体21cの中で内先端24cが最も発光素子52cに近くなっている。
【0034】
レンズ筐体21cは、内部に弧外面26c及び垂直内壁面27cにより囲われた空間を形成した散乱空間部22cを備えている。散乱空間部22cは、発光素子52cから発光した光を散乱させる空間となり、長手方向に沿って長く伸びた空間を形成している。
尚、弧内面23cが合流した内先端24cは円弧状であっても良く。また、弧外面26cが合流する部分も円弧状であっても良いが、内先端24cは鋭角にすればする程ほど拡散効果が向上する。
【0035】
中心部分Gの延長線上(一点鎖線)には、空気層を持つ散乱空間部22cを設けることにより、界面が形成され光の散乱が発生しやすく余計に拡散が起こりやすい状態を形成することが可能となっている。
また、その中心部分Gの延長線上(一点鎖線)に、レンズ筐体21cは、散乱空間部22cから散乱した光を出射する外壁面28cを備えている。
以上のように、発光装置10cから照射される光は、1/2照度角による数値によれば71.6度と通常の平坦な拡散板を使用した状態よりも広角に照射が可能である。
この発光装置10cを備えた照明装置1cは、広角な照射範囲を持つ照明装置を備えることができる。
【0036】
次に設置用金具60cを説明する。設置用金具60cは、断面の形状をコ字状にステンレスや鉄等の金属で形成した胴体66cを備えており、胴体66cの先端には、金属の弾性により筐体部30cを挟み込んで把持することが可能な凸状に突出した屈曲片67cが設けられている。照明器具1cを所望する壁面W等に設置する際には、一定の間隔を設けた複数個の設置用金具60cを壁面W等に取り付けた後、筐体部30cの設置用金具60cの設置用溝32cに合わせて発光装置10cを押し込むことにより、簡単に、設置用金具60cに装着することが可能である。
【0037】
(他の実施形態の実施例3)
次に、発光装置10の別例を説明する。図16に示す発光装置10bは、防水にも使用できるものであり、上述した発光装置10と同様に長手方向に480mm程度の長さで長尺状に形成されている。発光装置10bは、周囲全体をポリカーボネート等の樹脂製の乳白色であって、内部が空洞の四角柱状に形成したレンズカバー20bで覆われている。
また、発光装置10bは、内部に光源部50bを備えている。光源部50bは、放熱構造を考慮して断面をH字状のアルミ材を押出成形で製造したでアルミ基板53bが設けられている。アルミ基板53bは、上述した発光装置10と同様に長手方向に480mm程度の長さで形成されている。アルミ基板53bの上に、LED基板51bが、そのアルミ基板53bに沿って設けられている。また、LED基板51bは上述と同様の発光素子52bが複数個列状に設けられている。
【0038】
発光素子52の最も発光が強い中心部分Gの延長線上(一点鎖線)に、弧状のレンズ形状となる弧内面23bの先端が合流した内先端24bが位置している。発光素子52bの最も発光が強い中心部分Gに、レンズ筐体21bの中で内先端24bが最も発光素子52bに近くなっている。
レンズ筐体21bは、内部に弧外面26b及び垂直内壁面27bにより囲われた空間を形成した散乱空間部22bを備えている。散乱空間部22bは、発光素子52bから発光した光を散乱させる空間となり、長手方向に沿って長く伸びた空間を形成している。
尚、弧内面23bが合流した内先端24bは円弧状であっても良く。また、弧外面26bが合流する部分も円弧状であっても良いが、内先端24bは鋭角にすればする程ほど拡散効果が向上する。
【0039】
また、その中心部分Gの延長線上(一点鎖線)には、空気層を持つ散乱空間部22bを設けることにより、界面が形成され光の散乱が発生しやすく余計に拡散が起こりやすい状態を形成することが可能となっている。
また、その中心部分Gの延長線上(一点鎖線)に、レンズ筐体21bは、散乱空間部22bから散乱した光を出射する外壁面28bを備えている。
以上のように、発光装置10bから照射される光は、1/2照度角による数値によれば71.6度と通常の平坦な拡散板を使用した状態よりも広角に照射が可能である。
この発光装置10bを備えた照明装置1は、広角な照射範囲を持つ照明装置を備えることができる。
【0040】
(技術的特徴)
以下に本実施形態の技術的特徴点の一例を括弧に内に示すが、特に限定するものでもなく例示しているものであり、これら特徴から考えられる効果についても記載する。
【0041】
<第1の特徴点>
複数の発光素子(発光素子52、52b、52c)を列状に配列した光源部(例えば、主に光源部50、50b、50c)と、前記光源部を収容する収容部(例えば、主に筐体部30、レンズカバー20b、筐体部30c)と、前記光源部からの光の配光を調整する配光調整部(例えば、主にレンズカバー20、20b、20c)と、前記配光調整部は、前記発光素子が列設する長手方向に直交する縦断面視において、前記発光素子の中心(例えば、主にほぼ中心G)の延長線上に、光が進行する方向に向かって突出した2つの曲面(例えば、主に弧内面23、23b、23c及び弧外面26、26b、26cで形成する曲面)を設け、その曲面の両端が合わさり前記発光素子の中心に最も近接する先端となる内先端部(例えば、主に内先端24、24b、24c)と、前記内先端部から更に前記発光素子の中心の延長線上に、空気層を伴い前記発光素子からの光を拡散させる空間を設けた拡散空間部(散乱空間部22、22b、22c)と、を備えたことを特徴とする。
【0042】
以上の特徴により、発光素子から発した光が拡散し、発光装置は広角による照射が可能である。また、高輝度の発光素子により見られる粒状が見え難くなり、均一に光る発光装置が実現できる。
【0043】
<第2の特徴点>
前記配光調整部は、前記発光素子が列設する長手方向に直交する縦断面視において、二等辺三角形状を形成し、前記二等辺三角形状の等しい2辺の頂点となる前記外先端と前記内先端部とを結んだ延長線上に、前記発光素子の中心(例えば、主にほぼ中心G)が位置するよう前記光源部を前記収容部に配置したことを特徴とする。
以上の特徴により、いずれも辺が交差した箇所に発光素子の延長線上となるために高輝度の発光素子により見られる粒状が見え難くなり、均一に光る発光装置が実現できる。また、発光素子からの光は、交差した箇所により拡散しやすくなるため、発光装置は広角による照射が可能である。
【0044】
<第3の特徴点>
前記配光調整部は、略90度の角度で直交した角を形成した前記外先端部を備えたことを特徴とする。
以上の特徴により、外先端が角を形成することにより、高輝度の発光素子により見られる粒状が見え難くなり、均一に光る発光装置が実現できる。また、直交した箇所により拡散しやすくなるため、発光装置は広角による照射が可能である。
【0045】
<第4の特徴点>
前記配光調整部は、乳白色の樹脂により形成したことを特徴とする。
以上の特徴によって、乳白色の樹脂により拡散効果が増し、発光素子からの光はより拡散しやすくなるため、発光装置は広角による照射が可能である。
【0046】
<第5の特徴点>
前記配光調整部は、前記拡散空間部を形成する壁面が交差する先端が前記発光素子の中心の延長線上から最も離れている外先端部(例えば、主に外先端29)を備えたことを特徴とする。
以上の特徴により、発光素子から発した光が拡散し、発光装置は広角による照射が可能である。また、発光が強い箇所が、配光調整部から最も離れることにより高輝度の発光素子により見られる粒状が見え難くなり、均一に光る発光装置が実現できる。
【0047】
<第6の特徴点>
前記収容部及び前記配光調整部は、前記発光素子が列設する長手方向に直交する縦断面視において、三角形状を形成した前記収容部の収容筐体部(例えば、主に筐体31)及び前記配光調整部の配光筐体部(例えば、主にレンズ筐体21)を備え、前記収容筐体部及び前記配光筐体部を組み合わせ、記発光素子が列設する長手方向に直交する縦断面視において、前記発光装置(例えば、主に発光装置10)全体を四角形状に形成したことを特徴とする。
以上の特徴によって、複雑化した形状ではなく設置がし易い形状の照明装置となっている。
【0048】
<第7の特徴点>
前記収容筐体部は、前記三角形状の内部に、前記発光装置を設置する設置金具(例えば、主に設置用金具60)と前記収容筐体部とを固定する固定空間部(例えば、主に装着空間38)を備えたことを特徴とする。
以上の特徴により、固定空間部内で、設置金具と筐体部30の収容筐体部の固定が可能であるため、照明装置は、例えば床面と壁面と又は天井面と壁面とで形成されるコーナー部分に隙間なく設置が可能である。
【0049】
<第8の特徴点>
前記設置金具は断面形状がコ字状に形成し、コ字状の開いた先端に、挿入方向から徐々に傾斜して開いていく突出片(例えば、主に三角片62)を備え、前記突出片と前記収容筐体部とを嵌め合わせ、前記設置金具と前記収容筐体部を固定する固定部(例えば、主に挿入部33)を備えたことを特徴とする。
以上の特徴により、照明装置の収容筐体部を設置金具に押し込んで固定するだけの簡単な作業により固定が実現できるため、設置がし易い構造となっている。
【0050】
<第9の特徴点>
前記光源部に電源を供給する配線と接続される接続プラグ(例えば、主に接続プラグ48)を備えた前記発光装置の側面を覆う側面カバー(例えば、主にサイドカバー40)と、
前記側面カバーは、前記接続プラグと電気的に接続可能なソケット(例えば、主に接続部ソケット70)を設け、前記ソケットを挿入し収納可能な穴を形成した挿入穴を設け、
互いの前記挿入穴に前記ソケットを挿入し、前記発光装置の前記側面カバーが互いに密着し前記発光装置同士を連結する連結手段(例えば、主に図9に見られる照明装置1同士の連結)を備えたことを特徴とする。
以上の特徴により、照明装置は、デザイン性に優れ又連結部分が少ないため、連続した線上の照明として使用可能である。
【0051】
<第10の特徴点>
前記光源部に電源を供給する配線と接続される接続プラグを備え、前記収容筐体部に固定される前記発光装置の側面を覆う側面カバー(例えば、主にサイドカバー40)を設け、前記側面カバーは、前記配光筐体部に当接するリブ(例えば、主にリブ44)を備えたことを特徴とする。
以上のように、前記配光筐体部と前記収容筐体部とのがたつきを防止することができ、前記収容筐体部ががたつくことがないため設置がし易くなる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
屋外や屋内の商業施設の照明措置や検査用の照明装置や冷凍庫用や装飾用のショーケースの照明装置や図書館や美術館等の照明装置として利用が可能である。
【符号の説明】
【0053】
1、1c…照明装置、10・10b・10c…発光装置、
20・20b・20c…レンズカバー、21・21b・21c…レンズカバー筐体、
22・22b・22c…散乱空間部、23・23b・23c…弧内面、
24・24b・24c…内先端、26・26b・26c…弧外面、
27・27b.27c…内壁面、28・28b・28c…外壁面、
29…外先端、30…筐体部、31…筐体、32・32c…挿入空間部、33…挿入部、
34・34c…側壁、35・35c…溝部、36…光源載置部、37…突起、
38…装着空間、39・39c…ビス固定溝、40…サイドカバー、
41…サイドカバー筐体、42…接続端子穴、43…ビス挿入穴、44…リブ、
50・50b・50c…光源部、51・51b・51c…LED基板、
52・52b・52c…発光素子、53b…アルミ基板、
60・60b・60c…設置用金具、62…三角片、70…接続ソケット、
71…ソケット部、C…天井面、F…床面、G…中心、W…壁面。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17