特許第6879551号(P6879551)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ココリサーチ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6879551-パネルメータ 図000002
  • 特許6879551-パネルメータ 図000003
  • 特許6879551-パネルメータ 図000004
  • 特許6879551-パネルメータ 図000005
  • 特許6879551-パネルメータ 図000006
  • 特許6879551-パネルメータ 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6879551
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】パネルメータ
(51)【国際特許分類】
   G01D 11/24 20060101AFI20210524BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
   G01D11/24 Z
   H05K5/02 H
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-96356(P2017-96356)
(22)【出願日】2017年5月15日
(65)【公開番号】特開2018-194353(P2018-194353A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2020年4月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000105501
【氏名又は名称】ココリサーチ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】星野 彩
(72)【発明者】
【氏名】小滝 明彦
(72)【発明者】
【氏名】山形 康文
【審査官】 清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−187304(JP,U)
【文献】 実開昭53−126406(JP,U)
【文献】 実開昭58−191692(JP,U)
【文献】 実開昭58−054729(JP,U)
【文献】 実開昭63−062358(JP,U)
【文献】 特開平7−072692(JP,A)
【文献】 特開平11−212469(JP,A)
【文献】 特開平8−288664(JP,A)
【文献】 特開平10−297639(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/00 − 13/28
H05K 5/00 − 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面側に表示部を内蔵するパネルを有する筐体と、
前記筐体の後面に設けられているスロット溝に着脱可能に挿入され、前記スロット溝に係止する係止突起が両辺に設けられている文書ケースと
を具備するパネルメータ。
【請求項2】
前記文書ケースは中央で屈曲することで、前記文書ケースより小さく折り畳まれた所定の紙片を収納する、
請求項1に記載のパネルメータ。
【請求項3】
前記筐体は、
前面側に前記パネルを有し、透明性を有する樹脂で構成される筐体前面部と、
前記筐体前面部の後ろ側に嵌まり込む筐体後面部と、
前記筐体後面部の後面に嵌合される後面保護板と
を組み立てることで構成され、
前記スロット溝は前記筐体後面部及び前記後面保護板に設けられている、
請求項2に記載のパネルメータ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意のパネルに取り付けて、様々な物理量を計測し、表示するパネルメータに関する。
【背景技術】
【0002】
出願人は、主に工場等の産業設備において、電圧、電流、周波数、回転数等の様々な信号のアナログ値を数値化してデジタル表示するパネルメータを製造販売している。このパネルメータは、ユーザが自身の設備に容易に組み込むことができるように、ネジを使わない固定機構を有している。
【0003】
特許文献1には、画像形成装置における取扱説明書等の書類を収納する収納容器の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−147709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、電子機器にはユーザが正しく使用するための取扱説明書が添付される。この取扱説明書は、電子機器を使い始めて間もない時期にはユーザにとって非常に重宝されるが、一旦ユーザが電子機器の主要な使用方法や注意点等を把握してしまえば、殆ど利用される機会がなくなる。すると、取扱説明書を紛失してしまう場合があり、電子機器に故障等のトラブルが発生したり、また使用状況を変更したりする場合の必要時に取扱説明書が見つからないことが起こり得る。
【0006】
本発明はかかる課題を解決し、取扱説明書の紛失の可能性を極力低減できるパネルメータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のパネルメータは、前面側に表示部を内蔵するパネルを有する筐体と、筐体の後面に設けられているスロット溝に着脱可能に挿入され、スロット溝に係止する係止突起が両辺に設けられている文書ケースとを具備する。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、取扱説明書の紛失の可能性を極力低減できるパネルメータを提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るパネルメータの、前面斜視図と、後面斜視図である。
図2】パネルメータの上面図と背面図である。
図3】パネルメータから文書ケースを取り外した状態を示す後面斜視図である。
図4】パネルメータの筐体を分解した状態を示す斜視図である。
図5】文書ケースを開いた状態の上面図と斜視図である。
図6】文書ケースに所定の文書を閉じ込める状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1Aは、本発明の実施形態に係るパネルメータ101の、前面斜視図である。図1Bは、パネルメータ101の、後面斜視図である。
図2Aは、パネルメータ101の上面図である。図2Bは、パネルメータ101の背面図である。
図3は、パネルメータ101から文書ケース102を取り外した状態を示す後面斜視図である。
図4は、パネルメータ101の筐体を分解した状態を示す斜視図である。
【0011】
図1A及び図4に示すように、パネルメータ101の前面には、図示しないLED表示器やLCD表示装置等の表示部が内蔵されるパネル103aが形成されている。このパネル103aは、筐体前面部103の一部を構成する。筐体前面部103は、ポリカーボネートやABS、アクリル等の、硬質かつ透明の樹脂で一体成型され、パネルメータ101の筐体104の前面側を構成する。パネル103aは、筐体前面部103より一回り大きく形成されている。
【0012】
なお、本発明の実施形態に係る筐体前面部103は透明な樹脂で一体成型されているが、前面のパネル103aのみ透明な樹脂で形成し、その他の部分は不透明な樹脂を用いてもよい。すなわち、ユーザがLED表示器等の表示部を視認可能であればよいので、少なくともパネル103aだけは透明の樹脂で形成する必要がある。
【0013】
図1A図1B図2A図3及び図4に示すように、筐体前面部103の上面と図示しない下面には嵌合穴103b、103cが設けられている。この嵌合穴103b、103cには、筐体後面部105のラッチ爪105a、105bが嵌合される。筐体後面部105はポリカーボネートやABS、ポリアセタール等の樹脂で形成され、パネルメータ101の筐体104の後面側を構成する。パネルメータ101の筐体104は、筐体前面部103の後ろ側に筐体後面部105が嵌合されることで構成される。
【0014】
図1B及び図4に示すように、筐体後面部105の後面には、後面保護板106が四隅に設けられた嵌合爪(図示せず)によって嵌合される構成となっている。筐体前面部103の嵌合穴103b、103cと筐体後面部105のラッチ爪105a、105bによって、筐体前面部103と筐体後面部105はネジを使用せずに組み立てることができる。筐体104は、筐体前面部103、筐体後面部105及び後面保護板106より構成される。
筐体104を構成する部品である筐体前面部103、筐体後面部105及び後面保護板106は、ネジを使用せずにラッチ爪105a、105bや嵌合爪を用いて組み立てることから、材料の材質には所定の堅牢性と弾性が求められる。
【0015】
なお、筐体104の両脇には、パネル103aと協働して任意の板等を挟み込む押圧部材107、108が取り付けられる。板に筐体104が通過してパネル103aが通過しない大きさの穴を設けて、押圧部材107、108とパネル103aで板を挟み込むことで、ネジを用いずにパネルメータ101を取り付けることが可能である。また、この押圧部材107、108はレバー107a、108aを用いて容易に取り外しが可能である(特許第6100961号)。
【0016】
図1B図3及び図4に示すように、筐体後面部105及び後面保護板106には、パネルメータ101が任意の外部の電子機器と電気的接続を行うための端子が露出する端子穴105e、106eが設けられている。この端子穴105e、106eの上側には、図1B及び図3に示すように、文書ケース102が着脱可能に挿入されるスロット溝105f、106fが設けられている。
【0017】
図5Aは、文書ケース102を開いた状態の上面図である。図5Bは、文書ケース102を開いた状態の斜視図である。
図6は、文書ケース102に所定の文書を閉じ込める状態を示す斜視図である。
文書ケース102は、ポリプロピレンやポリエチレン等の柔軟性を有する樹脂で一体成型される、薄い長方形の形状を有する。なお、文書ケース102の機能面として、中に収める文書が容易に判別できるように、文書ケース102は透明あるいは半透明であることが好ましい。
【0018】
図5A図5B及び図6に示すように、文書ケース102は中心部分の折り曲げ箇所102aで折り曲げることが可能であり、中心の折り曲げ箇所102aを境に、蓋部102bと底部102cで構成される。蓋部102bの両端には、底部102cの保持爪102dと噛み合う係止爪102eが設けられている。底部102cの両長辺の中心近傍には、係止突起102fが設けられている。
係止突起102fの頂点同士の幅は、スロット溝105f、106fの幅より僅かに大きい。そして、文書ケース102全体が柔軟性を有する材質で形成されていることで、係止突起102fは、パネルメータ101の筐体後面部105に設けられたスロット溝105f、106f上に設けられた穴に弾性変形を伴って係止する。文書ケース102は折り畳んだ状態で、縦51mm、横41mm、厚み2mm程度の薄い直方体形状である。
【0019】
文書ケース102には、例えばパネルメータ101の取扱説明書が印刷された紙片601が収納される。パネルメータ101自体が非常に小型であるため、文書ケース102も前述のように小型である。したがって、文書ケース102に収納される紙片601に記載される取扱説明書の内容としては、最低限の使用方法、そしてパネルメータ101のweb文書のURLがエンコードされた二次元バーコード等が、小さな紙片601に印刷される。紙片601は折り畳んだ状態で、文書ケース102の大きさよりも一回り小さく形成されることが好ましい。また、文書ケース102の容量が許せば、取扱説明書が印刷された紙片601の他にユーザが任意の文書を記載した紙片を収納することも可能である。
【0020】
この文書ケース102は、従来技術として挙げた特許文献1に開示される収納容器と、その着想が類似する。特許文献1には、画像形成装置(多機能コピー機)の筐体脇に貼り付けることができる収納容器が開示されている。すなわち、対象となる電子機器のすぐ側に、取扱説明書を収納する収納容器が存在するので、取扱説明書を紛失する可能性を著しく低減することができる。
【0021】
本発明の実施形態に係るパネルメータ101は、特許文献1の多機能コピー機と比べるとその筐体104の大きさが大幅に小さい。このため、特許文献1に開示されるような収納容器ではなく、薄くて小さい紙の取扱説明書を折り畳んで収納する文書ケース102を作り、この文書ケース102を筐体104の裏側、かつコネクタのすぐ上側に差し込む構成とした。
また、文書ケース102を、柔軟性を有する樹脂で構成すると共に、長辺に係止突起102fを設けることで、文書ケース102がパネルメータ101の筐体104から抜け落ちる事故を防止することができる。
【0022】
本発明の実施形態においては、パネルメータ101を開示した。
本発明の実施形態のパネルメータ101は、筐体104の裏側、かつコネクタのすぐ上側にスロット溝105f、106fを設けた。そして、このスロット溝105f、106fに、柔軟性を有する樹脂で形成される文書ケース102を収納する構成とした。文書ケース102にパネルメータ101の取扱説明書等を収納することで、取扱説明書の紛失事故を防止することができる。
【0023】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
【符号の説明】
【0024】
101…パネルメータ、102…文書ケース、103…筐体前面部、104…筐体、105…筐体後面部、106…後面保護板、107、108…押圧部材、601…紙片
図1
図2
図3
図4
図5
図6