(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シート材から成る層板(5,6,18)に少なくとも1つの被着ヘッド(7)を用いて少なくとも1つの接着剤を被着させ、リング状の雌型(21)において前記層板(5,6,18)を積層して層板パケットを形成するようにした、モータおよび発電機のためのロータおよびステータを形成するための層板パケットを製造する方法において、
シート材から成る前記層板(5,6,18)がリング状の構成又はT字状の構成であり、
前記接着剤が前記層板(5,6,18)上へ到達するように、そして前記接着剤が前記層板(5,6)を打ち抜く前または後に被着されるように、前記層板(5,6,18)を軸線(17,22)のまわりに回転させて前記接着剤を被着させ、および/または、前記被着ヘッド(7)を前記層板(5,6)の中心軸線(17)のまわりで移動させ、
前記層板(5,6)がリング状の構成である場合、前記軸線はリング状の前記層板(5,6)の前記中心軸線(17)であり、
前記層板(18)がT字状の構成である場合、前記軸線(22)は、リング状の前記雌型(21)の中心軸線であることを特徴とする方法。
前記被着ヘッド(7)を、生産に依存する所定の回転角にわたって前記層板(5,6)の前記中心軸線(17)のまわりに移動させることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
前記被着ヘッド(7)が定置部分と可動部分(27)とを有し、該定置部分と可動部分のうち可動部分(27)を、生産に依存する所定の回転角にわたって前記層板(5,6)の前記中心軸線(17)のまわりに移動させることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
a)T字状の構成を有する前記層板(18)を、前記シート材から第1の位置(20)で打ち抜き、帯状シート(19)の下方に配置されたリング状の雌型(21)に押し付けること、
b)前記層板(18)を、リング状の前記雌型(21)を前記中心軸線(22)のまわりで回転させることにより第2の位置(24)に搬送し、前記層板(18)を前記シート材としての帯状シート(19)の横に位置させ、そこで前記接着剤を被着させること、
c)次に、前記層板(18)を、リング状の前記雌型(21)を前記中心軸線(22)のまわりで回転させることにより第3の位置(25)へ搬送し、前記接着剤を備えた前記層板(18)を前記帯状シート(19)下方の領域に位置させること、
d)前記第3の位置(25)の高さで前記帯状シート(19)から次の層板(18)を打ち抜き、前記第3の位置(25)で、前記接着剤を備え前記帯状シート(19)下方の領域に位置した前記層板(18)の上に前記次の層板(18)を加圧して設置すること、
e)このようにして生じた部分パケットを、前記雌型(21)をその前記中心軸線(22)のまわりで回転させることにより前記帯状シート(19)の横の第4の位置(26)へ搬送し、前記部分パケットを前記帯状シート(19)の横に位置させ、そこで前記部分パケットに前記接着剤を被着させること、
f)次に、前記部分パケットを、前記雌型(21)をその前記中心軸線(22)のまわりで回転させることにより前記第1の位置(20)へ搬送し、そこで次の層板(18)を前記帯状シート(19)から打ち抜き、前記雌型(21)においてその下にある前記部分パケットの上に加圧のもとで設置し、
g)次に、層板パケットが所望の高さを有するまでa)からf)のステップを繰り返すこすること、
を特徴とする、請求項1に記載の方法。
T字状の前記層板(18)を、前記接着剤を被着する前にクリーニングおよび/または活性化させることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一つに記載の方法。
前記層板(5,6,18)の表面上での前記接着剤の面積が前記層板の全表面積の少なくともほぼ50%になるような量で前記接着剤を被着させることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一つに記載の方法。
T字状の前記層板(18)を、生産に依存する所定の回転角だけリング状の前記雌型(21)によって個々の前記位置(20,24ないし26)の間に搬送することを特徴とする、請求項1,7及び8のいずれか一つに記載の方法。
シート材から層板を打ち抜くための少なくとも1つの打ち抜き工具(4)と、前記層板(5,6,18)を積層して層板パケットを形成するためのリング状の雌型(21)を用いて請求項1から13までのいずれか一つに記載の方法を実施するための設備において、
前記層板(5,6,18)がリング状の構成又はT字状の構成であること、
前記接着剤が前記層板(5,6,18)上へ到達するように、そして前記接着剤が前記層板(5,6)を打ち抜く前または後に被着されるように、前記層板(5,6,18)を軸線(17,22)のまわりに回転させて前記接着剤を被着させ、および/または、前記被着ヘッド(7)を前記層板(5,6)の中心軸線(17)のまわりで移動させること、
前記層板(5,6)がリング状の構成である場合、前記軸線はリング状の前記層板(5,6)の前記中心軸線(17)であること、
前記層板(18)がT字状の構成である場合、前記軸線(22)は、リング状の前記雌型(21)の中心軸線であること、
前記打ち抜き工具(4)の下流側に、前記層板(5,6,18)をクリーニングするための、および/または活性化するための、および/または該層板に接着剤を被着させるための少なくとも1つのステーション(4a,8,9)が設けられていること、
を特徴とする設備。
前記接着剤を被着させるための、および/またはクリーニングのための、および/または活性化するための前記ステーション(4a,8,9)が、少なくとも1つの被着装置(7)を有し、該被着装置(7)がリング状の前記層板(5,6)のための回転ユニット(33,36)の領域に設けられ、該回転ユニットにより前記層板がその中心軸線のまわりに回転可能であることを特徴とする、請求項14または15に記載の設備。
前記接着剤を被着させるための、および/またはクリーニングのための、および/または活性化するための前記ステーション(4a,8,9)が、少なくとも1つの被着装置(7)を有し、該被着装置(7)が前記層板(5,6,18)に沿って移動可能であることを特徴とする、請求項14または15に記載の設備。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、この種の方法およびこの種の設備を次のように構成すること、すなわち層板パケット内部での層板間の再現可能な固定結合を簡単に達成でき、しかも被着ヘッドの複雑な構成を要することなく達成できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、本発明によれば、この種の方法に関しては、請求項1の特徴ある構成によって解決され、この種の設備に関しては、請求項
14の特徴ある構成によって解決される。
【0006】
請求項1に記載の本発明による方法では、層板はリング状に形成されている
のが有利である。層板は、帯状シートまたはシート板から打抜きまたは他の方法(特にレーザー切断)で製造することができる。接着剤の被着の際、リング状層板は、被着ヘッドの領域で、層板が被着ヘッドの被着領域にあるように位置決めされる。接着剤を被着している間、リング状層板をその軸線のまわりに回転させる。これにより、層板の表面領域全体が被着ヘッドの被着領域へ到達する。従って、被着ヘッドの構造的に簡潔な構成で、リング状層板の表面全体に、すなわち全面に接着剤を具備させることが可能である。リング状層板にその周方向において接着剤を具備させるためには、被着ヘッド内の被着ノズルの数量はわずかで済む。要求に応じては、リング状層板の表面の一部分にのみ接着剤を具備させることも可能である。
【0007】
接着剤の被着は、リング状層板を位置固定したままにして、被着ヘッドまたは被着ヘッドの可動部分がリング状層板の周方向に移動することによっても行うことができ、その結果接着剤を層板の周領域全体にわたってまたは周領域の一部分のみにわたって被着させることができる。また、接着剤を被着させている間、層板と被着ヘッドの双方を層板の軸線のまわりに回転または移動させることも可能である。
【0008】
有利には、層板および/または被着ヘッドを規則的に回転または移動させる。これにより接着剤をリング状層板の周方向に簡単に所望の層板領域上に被着させることができる。加えて、層板および/または被着ヘッドを移動させるための制御が対応的に簡単である。
【0009】
層板を所定の回転角にわたってその軸線のまわりに回転させ、その結果層板のリング状表面の全周にわたって接着剤を具備させることができる。
【0010】
接着剤を層板の全周にわたって該層板の表面に被着させることができるようにするため、有利には被着ヘッドまたは該被着ヘッドの可動部分を所定の回転角にわたってリング状層板の軸線のまわりに移動させる。
【0011】
有利には、層板のリング状の上面および下面を接着剤の被着前にクリーニングおよび/または活性化させる。クリーニングのため、圧縮空気流、CO
2スノージェット流および/またはプラズマ線のような公知のブラスト方法または水性クリーニングを使用でき、これを用いて、層板の表面にある非有機汚染粒子および/または有機汚染粒子が確実に除去される。
【0012】
リング状層板の表面を活性化するため、好ましくは公知の大気圧プラズマ方法を使用することができる。このため、ナノ範囲の化学的/物理学的反応によって電気シートの絶縁層を処理または変性し、これによって正確に定義された高効率表面を保証する。
【0013】
クリーニングおよび/または活性化により、接着剤が確実にリング状層板の表面上に付着することが達成される。
【0014】
接着剤は、層板を打ち抜く前にすでに被着させてよい。このケースでは、打抜くための金型は、接着剤と接触しないように構成されている。
【0015】
しかし、接着剤をリング状層板を打ち抜いた後に初めて被着させることも可能である。この場合、特殊な打ち抜き工具は必要ない。
【0016】
請求項9に記載の本発明による方法は、リング状に形成されていない層板に対し適している。従って、層板は、積層されて部分リングパケットを形成するリング部分として形成されていてよい。この場合、この部分リングパケットはその後継ぎ合わされてリング状パケットを形成する。この方法では、層板を第1の位置で打抜く。次に層板を、帯状シートの横の領域にある第2の位置へ搬送する。この第2の位置で、層板の上面上に接着剤を被着させる。次にこの層板を、帯状シートの下方にある第3の位置へ搬送する。この第3の位置の高さで帯状シートから次の層板を打ち抜き、この位置で当該次の層板を、接着剤を具備した層板の上に加圧して設置する。このようにして、積層している層板が接着剤によって互いに結合されているような部分パケットが生じる。部分パケットを、帯状シートの横の領域にある第4の位置へ搬送し、ここで帯状シート上に接着剤を被着させる。次にこの部分パケットを、同様に帯状シートの下方領域にある第1の位置へ戻し搬送する。第1の位置で次の層板を打ち抜き、その下にあって上面に第4の位置で被着させた接着剤を具備している部分パケットの上に加圧して押し付ける。このようにして層板を順次打抜き、所望の高さを有するまで積層して層板パケットを形成させる。
【0017】
接着剤は、有利には無接触式に層板上に被着させる。
【0018】
もちろん、接着剤を接触式に層板上に被着させてもよい。
【0019】
接着剤は面状に被着させてよいが、しかし線状または点状に被着させてもよい。このためには、対応する被着ノズルを対応的に長くまたは短く開くこと、被着ノズルを、送り速度に対し生産特有の比率で制御部を介して、例えばSPS制御部を介して調整、制御、監視することのみが必要である。
【0020】
本発明による方法を用いると、特に、層板の上面上の接着剤の面積が層板上面の全面積の少なくともほぼ50%であるような量で接着剤を被着させることが可能である。接着剤が占める割合がこのように大きいことにより、層板は層板パケット内部で確実に互いに結合される。接着剤のこの大きな面積占有割合は、被着ヘッドの複雑な構成を生じさせない。
【0021】
有利には、接着剤の面積占有割合は、層板上面の全面積のほぼ60%以上である。
【0022】
請求項9に記載の方法では、層板は例えばT字状に形成されていてよい。
【0023】
この方法では、層板は有利には回転可能な雌型により異なる位置の間へ搬送される。
【0024】
層板をその都度90゜だけ個々の位置の間で搬送するのが有利である。
【0025】
本発明による方法を用いると、通常1mm以下の厚さを有する特に薄い工作物を確実に加工することができる。特に異なる品質、厚さ、特性、被膜の層板を加工することができる。しかも、層板パケット内部では、異なる品質、厚さ、特性、被膜の層板を使用することができる。
【0026】
本発明による設備では、層板を打ち抜く打ち抜き工具の下流側に、少なくとも1つのステーションが接続され、該ステーションで層板をクリーニングおよび/または活性化および/または接着剤を具備させることができる。この場合、設備は各操作のために固有のステーションを有していてよい。しかし、ただ1つのステーションで3つのすべてのプロセス、すなわちクリーニング、活性化、接着剤の被着を実施することも可能である。このステーションは打ち抜き工具内に配置されずに、打ち抜き工具の外側に配置されているので、クリーニング、活性化、接着剤の被着の際に不純物が生じても、打ち抜き工具は不純物に汚染されない。
【0027】
有利な構成では、設備は、層板を打ち抜き工具の内部ではなくその外側で積層して層板パケットが形成されるように構成されている。
【0028】
有利な構成では、接着剤の被着および/またはクリーニングおよび/または活性化を行うためのステーションは、回転ユニットの領域に配置される被着装置を備えている。回転ユニット上に層板があり、層板を回転ユニットによりその軸線のまわりで回転させる。この場合、層板は有利にはリング状に形成されている。層板は、回転ユニットを用いてその軸線のまわりで被着装置の下方で回転させる。これにより層板はその周方向において被着装置の作業領域に位置決めされ、被着装置は対応する作業を実施することができる。
【0029】
他の有利な実施態様では、クリーニングおよび/または活性化および/または接着剤の被着を行っている間、層板は静止している。このケースでは、被着装置は、層板に沿って移動するように構成されている。このケースでも、層板の全周にわたってクリーニングおよび/または活性化および/または接着剤の具備を行うことが可能である。
【0030】
本出願の対象は個々の請求項の対象から明らかになるばかりでなく、図面および以下の説明で開示されるすべての記載および構成要件によっても明らかになる。これらの記載および構成要件は、請求の範囲の対象ではなくても、個々にまたは組み合わせて技術水準に対し新規なものであれば、本発明にとって重要なものとして本出願の対象とする。
【0031】
本発明の更なる構成は他の請求項、以下の説明および図面から明らかである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下では、層板パケット内部に積層される層板を少なくとも1つの接着剤を用いていかに互いに結合させることができるかを、種々の実施形態に関し開示する。この場合、使用する設備および装置類は次のように構成されており、すなわち個々の層板が比較的大きな接着面積成分を有し、該接着面積成分が層板全面積のほぼ60%以上であるように、構成されている。この場合、接着剤は点状、線状、または面状にそれぞれの層板上に被着されていてよい。この大きな面積の接着剤被着に使用する装置は、構造的に非常に簡潔で省スペースの構成を特徴としている。
【0034】
図1は、円形配置の溝打抜き設備の構成を概略的に例示したものである。この設備は、円形シート素
材2を貯留する第1ステーション1を有している。
円形シート素材2は搬送システム10を介して第2ステーション3へ到達し、該第2ステーションで
円形シート素材2を更なる加工のためにアライメントする。アライメントされた
円形シート素材2は、搬送システムを介して第3ステーション4へ到達する。ここで、円形シート素材から、
層板としてのリング状のステータシート5とリング状のロータシート6とを公知の態様で打抜きする。続いて、装置(被着ヘッド)7を用いてシート5,6をクリーニングし、接着剤を被着させる。
【0035】
搬送システムを用いて、外側のステータシート5を第4ステーション8に供給し、ここでステータシート5を積層して
層板パケットとしてのステータパケットを形成させる。積層したステータシート5を接着剤を介してまとめて保持する。個々のリング状のステータシート5は積層の前にアライメントされ、その結果生じるステータパケットはその周方向において均一な軸線方向高さを有する。
【0036】
リング状のロータシート6を搬送システム10を用いて第5ステーション9に供給し、ここでリング状のロータシート6を積層して
層板パケットとしてのロータパケットを形成させる。積層の前にロータシート6はアライメントされ、その結果ロータパケットはその周方向において均一な軸線方向厚さを有する。積層されたロータシートは、ステーション4で被着された接着剤を介して確実にまとめて保持する。
【0037】
この実施形態では、ステーション1,3,4,8,9は搬送システム10のまわりで1つの円上に配置されている。
【0038】
図2の溝打抜き設備も同様に円形配置で構成され、すなわち個々ステーションは中心に配置される搬送システムのまわりで1つの円上に位置している。この溝打抜き設備は前記実施形態と実質的に同一に構成されている。ステーション1で円形シート素材2を貯留保持する。ここから円形シート素材を搬送システム10を用いて第2ステーション3に供給し、ここで円形シート素材2をアライメントする。第3ステーション4で円形シート素材2からリング状のステータシート5とリング状のロータシート6とを打抜きする。
【0039】
搬送システム10を用いてシート5,6を第4ステーション4aに供給し、ここでこれらシートをクリーニングし、その上に接着剤を被着させる。
【0040】
次の第5ステーション8でステータシート5を前述のようにアライメントし、継ぎ合わせてステータパケットを形成させる。次の第6ステーション9でリング状のロータシート6を前述のようにアライメントし、組み合わせてロータパケットを形成させる。
【0041】
図3の溝打抜き設備も同様に円形配置で構成され、すなわち個々のステーションは中央に配置される搬送システム10のまわりで1つの円上にある。この溝打抜き設備は前記実施形態と実質的に同一に構成されている。ステーション1で円形シート素材2を貯留保持する。ここから円形シート素材を搬送システム10を用いて第2ステーション3に供給し、ここで円形シート素材2をアライメントする。第3ステーション4で円形シート素材2からリング状のステータシート5とリング状のロータシート6とを打抜く。
【0042】
搬送システム10によりシート5,6を第4ステーション4bに供給し、ここでクリーニングし、接着剤を被着させる。この実施形態では、クリーニングノズルおよび/または活性化ノズルと接着剤塗布弁とは、定置装置ユニット7内にある可動装置ユニット27によってシート5,6のまわりを運動する。
【0043】
次の第5ステーション8でステータシート5を前述のようにアライメントし、つなぎ合わせてステータパケットを形成させる。次の第6ステーション9でリング状のロータシート6を前述のようにアライメントし、組み立ててロータパケットを形成させる。
【0044】
第1実施形態と異なるのは、両シート5,6の打抜きと、クリーニングと、接着剤の被着とを2つのステーション4,4a(第2図)または4,4b(第3図)で行うことである。
図1の実施形態では、打抜き工程とクリーニングと接着剤の被着とはただ1つのステーション4で行う。
【0045】
図4の実施形態では、溝打抜き設備の個々のステーションは直線配置構成であり、すなわち直線搬送システム10に沿って互いに並設されている。この実施形態の場合も、リング状の円形シート素材2はステータシート5およびロータシート6の出発材料として使用される。円形シート素材は、シートからレーザーを用いて切り出されるか、或いは、無端シートから公知の態様で打抜かれる。これは
図1、
図2、
図3の溝打抜き設備で使用される円形シート素材2に対しても適用される。レーザーを用いてシートから円形シート素材を切り出す点、または、無端シートから打抜きを行う点は公知であるので、これ以上詳細に説明しない。
【0046】
第1ステーション1で同様に円形シート素材2を貯留保持する。搬送システム10を用いて円形シート素材2を第2ステーション3に供給し、ここで円形シート素材2のアライメントを行う。続いて、アライメントされた円形シート素材2は搬送システム10により第3ステーション4へ到達し、ここで
図1の実施形態の場合と同様に円形シート素材2からリング状のステータシート5とリング状のロータシート6とを打抜く。次に、両シート5,6を装置7でクリーニングし、接着剤を被着させる。
【0047】
次のステーション8でリング状のステータシート5を積層してステータパケットを形成させる。このために継ぎ合わせユニット12が設けられ、該継ぎ合わせユニットを用いてリング状のステータシート5をアライメントするとともに、積層してステータパケットを形成させる。接着剤は、ステータシート5がステータパケット内部で互いに固定結合される用を成す。積層前にステータシートをアライメントするので、ステータパケットはその周方向において均一な軸線方向高さを有する。
【0048】
リング状のロータシート6を搬送システム10によりステーション9に供給し、ここでロータシート6を継ぎ合わせユニット13により積層してロータパケットを形成させる。ロータシート6を互いに積層する前に、該ロータシートは、生じるロータパケットがその周方向において均一な軸線方向高さを有するようにアライメントされる。ロータパケット内部で積層しているロータシート6を接着剤を介して互いに固定結合させる。
【0049】
図5の溝打抜き設備も同様に直線状に構成されて直線搬送システム10を有し、該直線搬送システムに沿って個々のステーションが直線構成で互いに並設されている。第1ステーション1で円形シート素材2を同様に貯留保持する。搬送システム10を用いて円形シート素材2を第2ステーション3に供給し、ここで円形シート素材2のアライメントを行う。続いて、アライメントされた円形シート素材2を搬送システム10を用いて第3ステーション4に供給し、ここで
図2の実施形態の場合と同様に円形シート素材2からリング状のステータシート5とリング状のロータシート6とを打抜く。続いて、打抜いたシート5,6を搬送システム10を用いてステーション4aに供給し、ここでシート5,6をクリーニングするとともに、活性化させる。続いて接着剤の被着を行う。
【0050】
次のステーション8でリング状のステータシート5を積層してステータパケットを形成させる。このために継ぎ合わせユニット12が設けられ、該継ぎ合わせユニットを用いてリング状のステータシート5をアライメントするとともに、積層してステータパケットを形成させる。接着剤は、ステータパケット内部でステータシート5が互いに固定結合される用を成す。積層する前にステータシート5をアライメントするので、ステータパケットはその周方向において均一な軸線方向高さを有する。
【0051】
リング状のロータシート6を搬送システム10を用いてステーション9に供給し、ここでロータシート6を継ぎ合わせユニット13を用いて積層してロータパケットを形成させる。ロータシート6を積層する前に、該ロータシートは、生じるロータパケットがその周方向において均一な軸線方向高さを有するようにアライメントされる。積層したロータシート6を接着剤を介してロータパケット内部で互いに固定結合させる。
【0052】
図6の溝打抜き設備も直線状に構成されており、個々のステーションは直線搬送システム10に沿って互いに並設されている。第1ステーション1で円形シート素材2を同様に貯留保持する。搬送システム10を用いて円形シート素材2を第2ステーション3に供給し、ここで円形シート素材2のアライメントを行う。続いて、アライメントされた円形シート素材2は搬送システム10により第3ステーション4へ到達し、ここで
図3の実施形態の場合と同様に円形シート素材2からリング状のステータシート5とリング状のロータシート6とを打抜きする。続いて、打抜いたシートを搬送システム10を用いてステーション4bに供給し、ここでこれらシート5,6をクリーニングするとともに、活性化させる。次に接着剤の被着を行う。
【0053】
次のステーション8でリング状のステータシート5を積層してステータパケットを形成させる。このために継ぎ合わせユニット12が設けられ、該継ぎ合わせユニットを用いてリング状のステータシート5をアライメントし、積層してステータパケットを形成させる。接着剤は、ステータシート5がステータパケット内部で互いに固定結合される用を成す。ステータシート5を積層前にアライメントされるので、ステータパケットはその周方向において均一な軸線方向高さを有する。
【0054】
リング状のロータシート6を搬送システム10を用いてステーション9に供給し、ここでロータシート6を継ぎ合わせユニット13を用いて積層してロータパケットを形成させる。ロータシート6を積層する前に、ロータシートは、生じるロータパケットがその周方向において均一な軸線方向高さを有するようにアライメントされる。積層したロータシート6を接着剤を介してロータパケット内部で互いに固定結合させる。
【0055】
図7は、作業室内部での高速プレス構想を例示した概略図である。この作業室は第1のステーション4bを有し、ここで電気バンド19を第1ステーション4b内の被着装置7を用いてクリーニングし、活性化し、接着剤をバンド19上に被着させる。次の第2ステーション4でシートから円形のシート5,6を打抜く。打抜きプロセスは公知であるので、詳細に説明しない。
【0056】
次のステーション8でリング状のステータシート5を積層してステータパケットを形成させる。このために継ぎ合わせユニット12が設けられ、該継ぎ合わせユニットを用いてステータシート5をアライメントし、積層してステータパケットを形成させる。接着剤は、ステータシート5がステータパケット内部で互いに固定結合される用を成す。ステータシートは積層前にアライメントされるので、スタパケットはその周方向において均一な軸線方向高さを有する。
【0057】
リング状のロータシート6を搬送装置10を用いてステーション9に供給し、ここでロータシート6を継ぎ合わせユニット13を用いて積層したロータパケットを形成させる。ロータシート6を積層する前に、該ロータシートは、生じるロータパケットがその周方向において均一な軸線方向高さを有するように、アライメントされる。積層したロータシート6を接着剤を介してロータパケット内部で互いに固定結合させる。
【0058】
搬送システム10は電気バンド19の搬送方向に対し垂直に配置されている。ステーション4,8,9は搬送システム10に沿って位置している。
【0059】
図8の高速プレス設備も同様に作業室内部での高速プレス構想を例示した概略図である。この作業室は第1ステーション4を有し、そこで電気バンド19からシート5,6を打抜く。第2ステーション4aでシート5,6を被着装置7を用いてクリーニングし、活性化するとともに接着剤をシート5,6上に塗布する。次のステーション8でリング状のステータシート5を積層してステータパケットを形成させる。このために継ぎ合わせユニット12が設けられ、該継ぎ合わせユニットによりリング状のステータシート5をアライメントし、積層してステータパケットを形成させる。接着剤は、ステータシート5がステータパケット内部で互いに固定結合される用を成す。ステータシートが積層前にアライメントされるので、ステータパケットはその周方向において均一な軸線方向高さを有している。
【0060】
次のステーション9でリング状のロータシート6を継ぎ合わせユニット13を用いて積層してロータパケットを形成させる。発生するロータパケットがその周方向において均一な軸線方向高さを有するようにするため、ロータシートは組み立ての前にアライメントする。積層しているロータシート6を接着剤によって互いに固定結合させる。
【0061】
ステーション4,4a,8,9は直線状に互いに相前後しており、その結果シート5,6を直線搬送システム10を用いてこれらのステーションに供給できる。本実施形態に対応して、電気バンド19を搬送システム10の搬送方向に対し垂直に供給する。
【0062】
図9の高速プレス設備も同様に作業室内部での高速プレス構想を例示した概略図である。この作業室は第1ステーション4を有し、そこで電気バンド19からシート5,6を打抜く。次の第2ステーション4aでシート5,6を被着装置7を用いてクリーニングし、活性化するとともに接着剤をシート5,6上に塗布する。次のステーション8でリング状のステータシート5を積層してステータパケットを形成させる。このために継ぎ合わせユニット12が設けられ、該継ぎ合わせユニットによりリング状のステータシート5をアライメントし、積層してステータパケットを形成させる。接着剤は、ステータシート5がステータパケット内部で互いに固定結合される用を成す。ステータシートが積層前にアライメントされるので、ステータパケットはその周方向において均一な軸線方向高さを有している。
【0063】
リング状のロータシート6を搬送システム10を用いてステーション9に供給し、そこでロータシート6を継ぎ合わせユニット13を用いて積層してロータパケットを形成させる。ロータシート6を積層する前に、発生するロータパケットがその周方向において均一な軸線方向高さを有するようにロータシートをアライメントする。積層しているロータシート6を接着剤を介してロータパケット内部で互いに固定結合する。
【0064】
この実施形態でもステーション4,4a,8,9は直線状に互いに相前後して位置している。搬送システム10の搬送方向は電気バンド19の搬送方向に対し垂直である。
【0065】
図10は、接着剤をステータシート5とロータシート6上に被着させるための装置7を示している。この装置7は、
図1と
図4の実施形態ではステーション4で使用され、
図2、
図3、
図5、
図6、
図7、
図8、
図9の実施形態ではステーション4aまたは4bで使用される。
【0066】
装置7は少なくとも1つのクリーニングノズル14を有し、該クリーニングノズルは、それから出るクリーニング剤がステータシート5またはロータシート6の上面に当たるように配置されている。本実施形態では、互いに間隔をもって並設されているこのようなクリーニングノズルが2つ設けられている。
【0067】
さらに、装置7は少なくとも1つの活性化ノズル15を備えている。この活性化ノズルから大気圧プラズマが放出する。本実施形態では、このような活性化ノズル15が2つ設けられ、これらの活性化ノズルはシート5,6の表面に対し配向されている。これら2つの活性化ノズル15も同様に互いに間隔をもって並設され、且つクリーニングノズル14の横に間隔をもって配置されている。
【0068】
最後に、装置7は少なくとも1つの被着ノズル16を備えている。この被着ノズルを介して接着剤がシート5,6上へ被着される。図示した実施形態では、このような被着ノズル16が2つ設けられ、これらの被着ノズルは互いに間隔をもって並設されている。さらに、被着ノズル16は活性化ノズル15に対し間隔をもって位置している。
【0069】
クリーニング、活性化、接着剤被着を行うため、シー
ト5,6を装置7の下側を通過するように回転させる。シート5,6は、適当な回転ユニットを用いて中心軸
線17のまわりを矢印方向に、すなわち時計方向に回転させる。装置7のノズル14ないし16は、シート5,6の回転の際に常に媒体を該シートに誘導するように配置されている。装置7とシート5,6用の回転ユニットとは、シート5,6の回転の際にノズル14ないし16が常にシート5,6の領域にあるように、互いに相対配置されている。これに対応して、ノズル14ないし16は、これらノズルから出る媒体が回転しているシート5,6にその全周にわたって当たるように、装置7に設けられている。図示した実施形態では、ノズル14ないし16はそれぞれ一列で互いに並設および重設され、その際これらノズルはそれぞれ互いに間隔を有している。
【0070】
ノズルの配置は、シート5,6の回転の際に、まずクリーニングノズル14から出るクリーニング剤がシート5,6の上面をクリーニングするように行われている。クリーニング剤としては、例えばCO
2スノージェット流を使用することができる。
【0071】
クリーニングに引き続いて、ノズル15を介して更なるクリーニングと、シート5,6の上面のクリーニングの活性化とを行い、これによって次に被着される接着剤がシート5,6上に確実に付着する。クリーニング剤および活性剤としては、例えば大気圧プラズマが考えられる。本実施形態で二重のクリーニングを行うのは、これに引き続いて行われる活性化がシート5,6の上面を申し分なく清浄し、シート5,6上での接着剤の好適な付着が保証されるように活性化するためである。従って、ノズル16から出る接着剤は、シート5,6の回転の際に、接着剤が確実に付着するクリーニング・活性化表面へ到達する。
【0072】
シート5,6は装置7またはそのノズル14ないし16の下を通過するように回転するので、シート5,6にその全周にわたって十分な量の接着剤を備えさせるには、ごくわずかのノズルで十分である。接着剤面積が層板5,6の全表面積のたとえば60%以上になるような面積にわたって接着剤を被着させることは難なく可能である。このようにして、それぞれの層板パケット内部でシート5,6を接着剤を用いて非常に堅固に互いに固定させる。接着剤はシート5,6の回転の際に連続的に被着させることができ、その結果シート5,6の表面全体を接着剤で湿潤させることが簡単に可能である。本実施形態では、このために2つのノズル16しか必要としないので、接着剤を面被着させるための技術コストは少ない。特に、接着剤を合目的にシート5,6上へ被着させるために2つの弁、好ましくはピエゾ弁しか必要としない。
【0073】
接着剤は、シート5,6の上へ全周にわたって面被着させる必要はない。シート5,6の上面上のいくつかの部分にのみ接着剤を面被着させてよい。接着剤を被着させるために設けられる弁は、所望の接着剤被着が行われるように適当な制御部によって制御される。
【0074】
ノズル16は、接着剤がシート5,6の上面に面状に当たるのではなく、例えば点状または線状に当たるように構成されていてもよい。
【0075】
シート5,6の下面および上面をクリーニングおよび活性化させるためにノズル14と15から出る媒体は、有利にはシート5,6の下面および上面の前面にわたって被着され、その結果シート5,6の上面全体は次の接着剤被着のために申し分なくクリーニングおよび活性化されている。
【0076】
図16は、広い面積にわたる接着剤の被着を、リング状のシートで行うばかりでなく、層板としてのT字状のシートセグメント18でも行えることを示している。T字状のシートセグメントは帯状シート19から公知の態様で打抜かれる。第1のステーション20でセグメント18を帯状シート19から打抜き、その時セグメント18は回転可能な雌型21内にある。回転可能な雌型21は、帯状シート19を平面図で見て該帯状シート19の半分の幅の位置を通って延びる
中心軸線22のまわりに回転可能である。回転可能な雌型21は、打抜きプレスの構成部材である金型下部分23内にある。
【0077】
打抜き工程後、本実施形態では、雌型21を時計方向に90゜回転させ、これによってT字状セグメント18は、帯状シート19の横の領域にある第2ステーション24内へ到達する。シート表面は、位置20から24へおよび/または位置25から26へ回転している間に、組み込まれているクリーニングノズルおよび/または活性化ノズル14,16によって移動せしめられ、これによってクリーニングおよび変性される。シート表面は
図16では概略的に示してある。従って、打抜かれて雌型21内にあるセグメント18は、帯状シート19の外側にある。ステーション24では接着剤をセグメント18上へ被着させる。このために、
図16には簡単のために図示していない装置7を使用することができる。セグメントはT字状の形状を持っているので、本実施形態では、対応するノズルは装置7に次のように設けられており、すなわちセグメント18がその上面をクリーニングされるように、場合によっては活性化され、
図10の実施形態を例にして説明したように面状、点状または線状に被着されてよい接着剤を備えさせることができるように、装置7に設けられている。
【0078】
ステーション24で接着剤を打ち抜いたセグメント18上に被着させている間、これと同時に第1ステーション20では次のセグメント18が帯状シート19から打抜かれる。
【0079】
次に、雌型21をその
中心軸線22のまわりで時計方向に再び90゜回転させる。これによって、上面に接着剤を備えているセグメントは帯状シート19の下方で第3ステーション25へ到達する。第3ステーションで帯状シート19から次のセグメント18を打ち抜く。このセグメント18は、第1ステーションで帯状シート19から打抜いたセグメント18に対し180゜回転した位置にある。雌型21をその都度90゜回転させるので、接着剤を備えたセグメント18は、帯状シート19を平面図で見て、ステーション25で打抜いたセグメント18の下方で合同状態にある。これによって、雌型21内で、接着剤を備えているセグメント18へ到達する。
【0080】
この時点で雌型21を新たに時計方向に90゜回転させ、これによって、積層して接着剤によって互いに結合されている両セグメント18は、第4ステーション26の領域へ到達する。このケースでは、積層している両セグメント18は、対向するステーション24にあるセグメントの位置に対して180゜回転した位置にある。ステーション26では、セグメント18は再び帯状シート19の横の領域にある。ステーション26で上部セグメント18に同様に接着剤を被着し、例えば全面または一部分に線状または点状に被着する。
【0081】
この最後のステーション26でセグメント18を積層して層板パケットを形成させる。この場合、前述したように、常に2つの、積層されて接着剤によって互いに結合されたセグメントが、ステーション26内ですでに形成されている層板パケット上に設置される。このようにして、ステーション26では、セグメント18が接着剤を用いて互いに固定結合されているセグメントパケットまたは層板パケットが生じる。
【0082】
図16の設備では、上述した操作を4つのすべてのステーションで同時に行う。帯状シート19の互いに対向しあっている側にある2つのステーション24,26では、接着剤を被着させる装置がそれぞれセグメント18の上方にある。これによって、接着剤/被着ユニットはそれぞれの金型の前方にあるような、従来の設備に比べて非常にコンパクトな構成の設備が得られる。
【0083】
図17は、金型内の接着剤を被着装置28内部の回転要素27を用いてリング状シート5,6に被着させる可能性を示している。この被着装置28は金型下部部分23の横にある。シートは公知の態様で帯状シート19から打抜かれる。接着剤を電気帯状シートの上に被着させ、且つ事前のクリーニングと活性化とを保証するため、回転要素27を用いて接着剤をその下にある電気バンドの上に被着させる。この場合回転要素27は、帯状シート19を平面図で見て、帯状シートの幅の半分の位置で該帯状シートに対し垂直に延びている回転軸線29のまわりに回転する。リング状シート5,6を公知の態様で帯状シート19から打抜いてパケット化する。被着装置28は、
図10の装置を用いて説明したように少なくとも1つの被着ノズル16を有し、該被着ノズルから、回転要素27が回転している間に接着剤が放出される。ノズル16は、接着剤がリング状シートの上面の全体に、一部分の面に、線状または点状等に被着されるように、制御部を介して操作される。
図10の装置とは異なり、装置28の場合には、回転要素27は回転駆動され、他方リング状シート5,6は静止したままである。可動装置部分27は、好ましくはくさびベルト32を介して、制御されるモータ33によって駆動することができる。
【0084】
図11と
図12を用いて、異なる接着剤被着方法を説明する。
【0085】
図11の方法では、リング状シート5,6は、
図10を説明したように装置7の下方にしてその内部で回転する。接着剤の被着は点線30によって象徴的に示した。点線30は直線状の接着剤被着と理解されるべきではなく、接着剤がシート5,6の360゜回転によって被着されることを明確にするためのものである。この接着剤の被着は全面で、一部の面のみ、線状に、点状等であってよい。この場合、シート5,6の上面への異なる種類の接着剤被着方法は組み合わせで行ってもよい。例えば、一部の面での接着剤の被着をシート5,6の周部に沿って間隔をおいて行い、これら一部の面を、線状に被着させた接着剤によって互いに結合させることができる。このようにして接着剤の被着をその都度の要件に対し非常に簡単に整合させることができる。
【0086】
図12は、リング状シート5,6を移動させるのではなく、その代わりに装置7をシート5,6の周方向に移動させる可能性を示している。この場合、接着剤はそれぞれのシート5,6の周方向に被着され、このことを点線30によってわかりやすく示した。すでに
図11に対し説明したように、点線30は接着剤が線状に被着されることを意味しているのではない。接着剤は、種々の実施形態を用いて説明したように、適用例に応じて全面に、一部の面に、線状または点状に、或いは、リング状シート5,6の上面への異なる接着剤被着態様の組み合わせで被着される。
【0087】
図13は、
図3、
図6、
図7、
図9の被着装置28を使用する場合の接着剤被着工程を示すものである。この場合、リング状シート5,6と電気バンド19とは好ましくは静止しており、他方回転要素27は360゜以下の回転を実施する。接着剤はリング状シート5,6の周方向に被着される。接着剤の被着を同様に点線30によって図示した。接着剤の被着は全面に、一部の面に、線状、点状、または、これら異なる被着技術の組み合わせで行うこともできる。回転要素27は、
図10を例に挙げて説明したように、リング状シート5,6をクリーニングし、場合によっては活性化するため、および、接着剤を被着させるため、ノズル14ないし16を有していてよい。これらのノズルは弁制御され、その際弁は、これら弁を所望通りに操作することのできる制御部に接続されている。
【0088】
リング状シート5,6の半径方向幅によっては、それぞれ1つのノズル14,15,16のみを設けてもよい。同様に、クリーニングノズル14、活性化ノズル15、被着ノズル16を2つ以上使用してもよい。また、異なる数量の異なるノズル14,15,16を設けることも可能である。異なるノズル14ないし16は制御部によって互いに独立に操作される。各種ノズルが2つまたはそれ以上設けられている場合も、同じ種類のノズルを制御部によって互いに独立に操作するのが有利である。これによって、リング状シート5,6の上面上の目的の領域をクリーニングおよび/または活性化および/または接着剤の具備を行うことが可能である。
【0089】
変形実施形態では、それぞれのシートパケットを雌型21内で継ぎ合わせる。この雌型は、パケットに制動力を作用させる制動部を公知の態様で有している。その大きさは、それぞれ最後のシート5,6または最後のセグメント18をパケットのすでに形成された部分に押圧させる際に、その下にあるシート5,6,18の確実な接着を保証するように選定されている。このため、シート部分5,6,18を、雄型により、すでに積層されているシート部分に対し押圧させる。制動部は例えば部分リングによって形成されていてよく、その内径は打抜かれたシート5,6の外径よりもわずかに小さい。T字状のセグメント18が積層されると、これらのセグメントのための受容空間は次のように形成され、すなわちその外径が同様にT字状セグメント18の外径よりもわずかに小さいように形成され、これにより同様にそれぞれ形成されるセグメントパケットが制動される。
【0090】
所望のパケット高さが達成されていれば、接着剤の供給を中断し、すなわちそれぞれの被着ノズル16の弁を閉じ、その結果それぞれのリング状シート5,6またはセグメント18に接着剤は被着されない。従って、これらのシート部分5,6,18は先行するシートに付着せず、或いは、設備の構成によっては次のシートに付着しない。このようにして所望のパケット高さが特定される。
【0091】
リング状シート5,6の場合、ステーション8(
図1ないし
図4)および
図3の実施形態におけるステーション9において、リング状シート5,6のアライメント工程を行う。この場合、リング状シート5,6をその長手軸線のまわりに回転させて、雌型内に形成されるパケットがその周方向に一定の高さを有するようにする。このアライメント工程のために、制動部を備えた雌型を例えばホイール・ベルト駆動部を用いてその長手軸線のまわりに回転させ、これによって、雌型内にあるパケットを対応する角度だけ回転させる。この回転は、次のリング状シート5,6が雌型内の制動部内にある部分パケットに押圧される前に行う。積層しているシート部分5,6の間の結合は接着剤のみを介して行うので、雌型の回転角を、製造すべきシートパケットの使用例に対し最適に整合させることができる。この場合、シート部分をいかに組み合わせるかのような物理的制限がないので、どの回転角も可能である。
【0092】
図16の実施形態の場合、セグメント18から成る部分パケットまたは全パケットの厚さは、帯状シート16の両側にあるステーション24,26で測定することができる。これらのステーションでは、それぞれ形成される部分パケットの高さを直接検出できるので、非常に正確なパケット高さ特定が可能である。公知の方法では、パケット高さを間接的に特定するため、シート厚さまたは部分パケット内にあるセグメントの数量を検出し、これはパケット高さの不正確な測定にならざるをえないが、
図16の実施形態では、それぞれのパケット高さが直接(ダイレクト)に測定される。これによりパケット高さの非常に正確な特定が可能になる。
【0093】
シート部分5,6,18の上面上での接着剤の割合は、これらシート部分の表面積の半分よりも大きいので、パケット内で積層しているシート部分5,6は申し分なく互いに固定結合される。これにより、これらパケットは、こう回転数で作動するモータまたは発電機でも使用することができる。
【0094】
上述し、図示した実施形態では、ステータシート5とロータシート6とは一体のリングから形成されている。しかし、リング状のステータシートまたはロータシート6をいくつかのセグメントから組み立てることも可能である。このケースでは、これらいくつかのセグメント自体を打ち抜き、積層してパケットを形成させ、このときパケットは継ぎ合わされてリング状のステータパケットまたはロータパケットを形成する。
【0095】
図1ないし
図5の実施形態では、
図11ないし
図13で例示して説明したように、リング状のシート部分5,6または装置7が共通の回転軸線のまわりに回転している間に接着剤が被着される。
【0096】
接着剤を被着させるためには、該接着剤をシート部分5,6,18上に被着させることができる弁システムであればどのようなものでも使用できる。有利には、ピエゾ技術をベースにした弁システムが使用される。ピエゾバルブを用いると、正確な接着剤被着を保証することができる。
【0097】
接着剤はそれぞれのシート部分5,6,18の上面に無接触式に被着させることができるが、しかし接触式で被着させることができる。
【0098】
有利な実施形態では、異なるノズル14ないし16が1つの共通の装置7に設けられている(
図10)。これによって、この装置7の特に簡潔でコンパクトな構成が得られる。さらに、例えば被着ノズル16を、ノズル14と15とは空間的に切り離して設備に配置されている別個の装置に設けることも可能である。このとき、クリーニング剤および/または活性剤によって接着剤の被着が阻害されるのが確実に阻止される。従って、例えば、このように切り離されて少なくとも1つの被着ノズル16のみを有している装置を、ノズル14,15のみを有している装置に対し90゜または180゜で配置することが可能である。この場合リング状シート部分5,6を、これらシート5,6の周方向に所望の接着剤被着が意図どおりに行われるように回転させる。
【0099】
図14はこのような別個の装置7を例示したものである。装置7はクリーニングノズル14と、活性化ノズル15と、被着ノズル16とを有し、これらノズルはそれぞれ対を成して設けられている。この装置7の構成は、
図10を用いて説明した構成に対応している。ノズルはそれぞれ対を成して列をなして並設され、および相前後して配置されている。装置7は台架34を有し、該台架からアーム35が突出し、該アームにノズル14ないし16が配置されている。
【0100】
ノズル14ないし16は下方へ配向され、すなわちシート5,6のほうへ配向され、シートは駆動ユニット33を用いて鉛直軸線のまわりを回転可能である。シート5,6は丸テーブル36上にあり、丸テーブルは駆動ユニット33を用いてその軸線のまわりに回転駆動される。ノズル14ないし16は、シート5,6の回転の際に接着剤をシートの周方向に被着できるように、配置されている。
【0101】
有利には、ノズル14ないし16とシート5,6との間の間隔を調整可能に構成することが可能である。これは、たとえば、ノズル14ないし16自体をアーム35に対し相対的に位置調整することで、或いは、アーム35をノズル14ないし16とともに位置調整することで可能である。
【0102】
図15は、リング状シート5,6を回転させるのではなく、装置7を鉛直軸線のまわりに回転させるようにした実施形態の概略図である。装置7は、丸テーブル36の上方に間隔をもって位置している担持機構37を有し、該担持機構の中央から駆動ユニット33が丸テーブル36の方向へ突出している。駆動ユニット33はアーム38を担持し、該アーム38は半径方向に駆動ユニット33から突出し、自由端に回転要素27を担持している。回転要素にはノズル14ないし16が設けられている。回転要素27は駆動ユニット33によって周回するように駆動されて、丸テーブル36上にあるリング状シート5,6を前述のようにしてクリーニング、活性化させ、および接着剤を具備させることができる。この実施形態においても、ノズルの位置調整または回転要素27の位置調整のいずれかによってノズル14ないし16とシート5,6との間の間隔を調整できるようにすれば有利である。