【実施例1】
【0014】
図1は本発明によるタッチセンサを内蔵した有機EL表示装置1000の平面図である。
図1において、有機EL表示パネルの基板100には表示領域50と端子部150が形成されている。表示領域50はタッチセンサに覆われ、さらに機械的保護のためにタッチセンサの上にカバーフィルム302が設けられている。
【0015】
図1において、端子部150には有機EL表示パネルを駆動するためのメインフレキシブル配線基板210とタッチセンサを駆動するためのタッチセンサ用フレキシブル配線基板220が接続している。メインフレキシブル配線基板210には例えば有機EL表示パネルの映像信号線を駆動するドライバIC60が搭載されている。後述するが、メインフレキシブル配線基板210と、タッチセンサ用フレキシブル配線基板220とは、一体として基板100に実装されても良い。
【0016】
図2は
図1のA−A断面図である。
図2において、基板100の上にTFT回路401が形成されている。TFT回路401は、画素に形成されている選択TFT、駆動TFT、駆動回路に形成されている制御TFT、及びそれらの接続配線等を含む総称である。
図2のTFT回路401はさらに、走査線、映像信号線、電源線等も含む概念である。
【0017】
TFT回路401の上にはOLED層402が形成されている。
図2におけるOLED層402は、画素電極、有機EL層、対向電極(以後カソードという)を含む層である。画素電極はアノードとしての役割を持っている。有機EL層はホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等の複数の層からなっている。有機EL表示パネルをトップエミッション方式とする場合は、カソードは透明電極から形成されており、例えば、ITO、IZO等の金属酸化物導電膜あるいは、金属や合金の薄膜が使用される。
【0018】
OLED層402の上には、封止層403が形成され、有機EL層を保護する。封止層403は、一般には、無機膜と有機膜の積層構造となっている。封止層403の上にはタッチセンサ500が形成されている。タッチセンサ500の構成は後で詳述する。タッチセンサ500の上には円偏光板301が設けられている。円偏光板301の役割は外光の反射防止である。円偏光板301の上には、表示装置全体を保護するための保護フィルム302が設けられている。保護フィルム302は、有機材料で形成される場合が多いが、薄いガラスでもよい。ガラスも厚さが0.15mm以下になるとフレキシブルになり、湾曲可能となる。
【0019】
図3は、有機EL表示パネル600の平面図である。なお、
図1および
図2では、有機EL表示パネル600の上にタッチセンサやカバーフィルムが設けられた状態である。
図3において、表示領域50には走査線10が横方向に延在して縦方向に配列し、映像信号線11が縦方向に延在して横方向に配列している。走査線10と映像信号線11とで囲まれた領域が画素12になっている。
【0020】
表示領域50の両側には走査線駆動回路200が形成されている。
図3において、端子部150には、有機EL表示パネルに信号や電源を供給するメインフレキシブル配線基板210が接続し、メインフレキシブル配線基板210には映像信号線を駆動するドライバIC60が搭載されている。また、有機EL表示パネル600の端子部150にはタッチセンサに信号を供給するためのタッチセンサ用フレキシブル配線基板220も接続している。
【0021】
図4は、
図3で示す有機EL表示パネルの上に連続してタッチセンサ500が形成された状態を示す平面図である。タッチセンサ500は有機EL表示パネルの表示領域に対応して形成されている。タッチセンサ500は横方向に延在する複数の第1タッチ電極21と、縦方向に延在する複数の第2タッチ電極23とから構成されている。
【0022】
第1タッチ電極21も第2タッチ電極23も菱形であり、交差部において幅が小さくなって、絶縁物を介して交差している。第1タッチ電極21と第2タッチ電極23から引出線がタッチセンサ用フレキシブル配線基板220に延在している。問題は、この引出線30に有機EL表示パネルの駆動回路のノイズが重畳し、タッチセンサ500を誤動作させることである。本発明は、この問題を解決するものである。
【0023】
図5乃至
図7はタッチセンサの電極構成を示す詳細図である。
図5において、菱形の第1タッチ電極21が横方向に延在し、菱形の第2タッチ電極23が縦方向に延在している。第1タッチ電極21も第2タッチ電極23も交差部では幅が狭くなっている。第1タッチ電極21は連続であるが、第2タッチ電極23は橋絡電極24によって接続している。
【0024】
図6は交差部の構成の一例である。
図6(A)は
図5のA−A断面図である。
図6(A)において、第1タッチ電極21と第2タッチ電極23の交差部には第2絶縁層22が島状に形成され、第2電極23と接続する橋絡電極24が第1タッチ電極21と交差している。
【0025】
図6(B)は
図5のB−B断面図である。
図6(B)において、第1タッチ電極21と第2タッチ電極23は、第1絶縁層20の上に形成されている。交差部において、島状に形成された第2絶縁層22の上に橋絡電極24が形成され、橋絡電極24は第2絶縁層22に形成されたスルーホールを介して第2タッチ電極23と接続している。
【0026】
図7は
図5に示すタッチパネルの他の例である。
図7(A)は
図5のA−A断面図であり、(B)は
図5のB−B断面図である。
図7が
図6と異なる点は、第2絶縁膜が交差部のみでなく、タッチパネル全体にわたって形成されている点である。
図7の他の構成は
図6と同様である。
図6、
図7においては、第1タッチ電極21、第2タッチ電極23が第2絶縁層22の下層に形成され、橋絡電極24が第2絶縁層22の上層に形成されているが、逆の構成、つまり、第1タッチ電極21、第2タッチ電極23が第2絶縁層22の上層に形成され、橋絡電極24が第2絶縁層22の下層に形成されていても構わない。
【0027】
図8は他のタイプのタッチパネルの電極構成例を示す詳細図である。
図8において、ストライプ状の複数の第1タッチ電極21が横方向に延在して、縦方向に配列している。また、ストライプ状の複数の第2タッチ電極23が縦方向に延在し、横方向に配列している。この縦・横の関係は第1タッチ電極21と第2タッチ電極23との間で逆であっても良い。
【0028】
図9は
図8の交差部を示す断面図であり、
図9(A)は
図8のA−A断面図である。
図9(A)において、第1絶縁層20の上に第1タッチ電極21が紙面と平行方向に延在している。第1タッチ電極21の上には、第2絶縁層22が全面に形成され、その上に第2タッチ電極23が紙面垂直方向に延在している。
【0029】
図9(B)は
図8のB−B断面図である。
図9(B)において、第1絶縁層20の上に第1タッチ電極21が紙面垂直に延在している。第1タッチ電極21の上には、第2絶縁層22が全面に形成され、その上に第2タッチ電極23が紙面と平行方向に延在している。
【0030】
図10は本発明が適用されるタッチパネル付の有機EL表示装置の端子部付近を含む断面図である。
図10において、基板100は、ガラスあるいは、ポリイミド等の樹脂が使用される。ポリイミドであれば、基板の厚さを10μm乃至20μm程度に小さくできるので、フレキシブル表示装置を形成することが出来る。基板100の上には下地膜101が形成される。基板100からの不純物が半導体層102を汚染することを防止する為である。下地膜101は例えば酸化シリコン(以後SiOと呼ぶ)、窒化シリコン(以後SiNと呼ぶ)、SiOの3層で形成される場合が多い。
【0031】
下地膜101の上にはTFTのアクティブ層としての半導体層102が形成される。この半導体層102は例えばPoly−Siであり、当初はa−SiをCVDによって形成した後、エキシマレーザを用いてPoly−Siに変換したものである。半導体層102を覆ってゲート絶縁膜103が形成され、その上にゲート電極104が形成される。
【0032】
ゲート電極104をマスクにしてイオンインプランテーションを行って半導体層102にソース部1021とドレイン部1022を形成する。その後ゲート電極104を覆って層間絶縁膜105を形成する。層間絶縁膜105およびゲート絶縁膜103にスルーホールを形成して、ドレイン電極107とドレイン部1022、ソース電極106とソース部1021を接続する。ソース電極106、ドレイン電極107、層間絶縁膜105を覆って平坦化膜を兼ねた有機パッシベーション膜108を形成する。有機パッシベーション膜108は、透明樹脂である、アクリル等が使用される。
【0033】
有機パッシベーション膜108を覆って例えばSiNによる容量絶縁膜109を形成する。容量絶縁膜109は、有機パッシベーション膜108から放出される水分等の不純物が上層に形成される有機EL層112を汚染することを防止する。なお、多くの場合、容量絶縁膜109の下には電極層が形成され、容量絶縁膜109の上に形成される画素電極110とともに、保持容量を形成するので、容量絶縁膜と呼ばれる。但し、
図10では、該電極層は省略されている。
【0034】
容量絶縁膜109の上には画素電極110が形成される。画素電極110は容量絶縁膜109および有機パッシベーション膜108に形成されたスルーホールを介してソース電極106と接続してアノードを形成する。なお、画素電極110は積層構造となっており、上側がアノードを構成するITO等の金属酸化物導電膜で、下側が金属あるいは合金で形成された反射電極となっている。
【0035】
容量絶縁膜109及び画素電極110を覆ってアクリル等によって有機絶縁膜を形成し、この有機絶縁膜に対して開口部を形成する。開口部以外の部分はバンク111となる。バンク111は、画素電極110端部の段差を覆うことで、開口部に形成される有機EL膜112に段切れが生ずることを防止する。さらに、画素と画素を隔絶する役割も有する。
【0036】
隣り合う二つのバンク111の間(以後開口部という)は、画素電極110すなわちアノードが露出された状態になっている。このアノード110の上に赤発光有機EL層112R、緑発光有機EL層112G又は青発光有機EL層112Bを形成する。以後、112R、112G、112Bを総称して有機EL層112という。有機EL層112はホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等の複数の層からなっている。有機EL層112に段切れが生ずるとアノード110と対向電極(カソード)113がショートする。バンク111によってこの段切れを防止している。
【0037】
有機EL層112を覆ってカソード113を形成する。カソード113は透明電極である、ITO、IZO等の金属酸化物導電膜か銀等の薄い金属あるいは合金で形成される。カソード113は各画素共通に形成される。すなわち、バンク111の上にも形成される。このような構成によって画素は一応発光させることが出来る。
【0038】
しかし、有機EL層112は水分に弱く、また、厚さも小さいので機械的な強度も弱い。そこで、カソード113を覆って保護膜を形成する。保護膜は、一般には無機膜と有機膜の積層構造である。
図10では、保護膜は3層構造になっており、第1保護膜114は無機膜であるSiN、第2保護膜115は有機膜であるアクリル樹脂、第3保護膜116は無機膜であるSiN等で形成される。
【0039】
図10において、第3保護膜116の上にタッチセンサの下地膜用としての第1絶縁層20が形成される。第1絶縁層20はポリイミド、アクリル等の有機材料でもよいし、SiN等の無機材料でもよい。さらに、SiN等で形成された第3保護膜116が第1絶縁層を兼用してもよい。
【0040】
第1絶縁層20の上に第1タッチ電極21と第2タッチ電極23が形成される。
図10では第1タッチ電極21と第2タッチ電極23がいずれも第1絶縁層20上に形成されているので、
図5乃至
図8で説明したタッチセンサの電極構造となっている。
図10において、第1タッチ電極21と第2タッチ電極23を覆って第2絶縁層22が形成されている。第1タッチ電極21と第2タッチ電極23に対する引出線30は
図5乃至
図7で説明した橋絡電極24と同じ層に形成されている。
【0041】
その後、タッチセンサを覆って円偏光板301と保護フィルム302を粘着材300によって貼り付ける。粘着材300は、タッチパネルの保護膜としての役割も有する。円偏光板301は、反射電極で反射した外光がコントラストを劣化させることを防止する。保護フィルム302は、タッチパネル付有機EL表示装置全体を保護する。
【0042】
端子部150には、有機ELパネルへの信号や電源の入出力を行う端子配線201が形成されると共に、引出線30によってタッチ電極と接続されるタッチセンサ用端子配線が形成される。端子配線201には、メインフレキシブル配線基板210が接続され、引出線30には、タッチセンサ用フレキシブル配線基板220が接続される。
図10において、引出線30は、第1保護膜114、第2保護膜115、第3保護膜116の端部よりも外側でタッチセンサ用フレキシブル配線基板220と接続されているが、第1保護膜114及び第3保護膜116の端部には段差ができるため、そこを横切る配線に段切れが生ずる場合がある。よって、引出線30が当該段差を横切らないように、第1保護膜114及び第3保護膜116が引出線30の下まで延在していても良い。
【0043】
図11は実施例1の特徴を示す有機EL表示パネルの平面図である。
図11は、有機EL表示パネルにおいて、カソード115の形成範囲を記載した平面図である。
図11に表示領域50の両側に走査線駆動回路200が配置している。走査線駆動回路200から引出し線が端子部に延在するので、走査線駆動回路200等で発生するゲート電圧等のパルスは端子部150の引出し線からも放射され、これがタッチセンサに対するノイズになる。本明細書では、走査線駆動回路200等からの引出し配線も周辺駆動回路に含めて定義している。
【0044】
図11では、カソード113が表示領域50を超えて走査線駆動回路等の周辺回路200およびこれと接続する配線を覆っている。これによって、周辺回路200からのノイズがタッチセンサに影響を与えることを防止することが出来る。
図11のその他の構成は
図3等で説明したのと同様である。
【0045】
図12は
図11のC−C断面を示す断面図である。
図12は発明をわかりやすくするために、各構成をブロック化した模式断面図となっている。
図12において、基板100の上の表示領域に対応する部分に画素回路250が形成されている。画素回路250は、画素に形成されるTFT、TFT間の配線、走査線、映像信号線等を含む概念である。画素回路250の外側に走査線駆動回路等を含む周辺回路200が形成されている。
【0046】
図12において、画素回路250の上に有機EL層402が形成されている。有機EL層402の上にカソード113が形成されている。
図12の特徴は、カソード113が有機EL層402の上のみでなく、周辺回路200をも覆って形成されていることである。カソード113を覆って封止層403が形成されている。
図12で示した封止層403は、例えば
図10における第1保護膜114、第2保護膜115、第3保護膜116、第1絶縁層20等が含まれる。封止層403の上にタッチパネル用のタッチ電極501が配置されている。タッチパネル用のタッチ電極501は表示領域に形成されているが、タッチパネルからの引出線30は有機EL表示パネルの周辺回路200の上側に延在する。ここでは、タッチ電極501については、橋絡電極等を省略して記載しているが、これらの積層に関しては
図5乃至
図7で説明した通りであり、引出線30は、タッチ電極50又は橋絡配線を形成する内、上層側を用いて形成される。
【0047】
図12に示すように、本発明では、カソード113が周辺回路200とタッチパネルの引出線30との間に存在しているので、周辺回路200からのノイズはカソード113によってシールドされる。これによって、周辺回路200からのノイズがタッチパネルの引出線30に入り込むことを防止し、タッチパネルの誤動作を防ぐことが出来る。
【0048】
図13は
図11のD−D断面図である。
図13も発明をわかりやすくするために、各構成をブロック化した模式断面図となっている。
図13において、基板100の上に画素回路250が形成され、その外側に周辺回路200が形成され、画素回路250の上に有機EL層402が形成されていることは
図12と同様である。
【0049】
図13において、有機EL層402の上に形成されたカソード113は、表示領域のみでなく、周辺回路200を覆うように延在している。画素回路250、すなわち表示領域においては、カソード113を覆ってSiN等の無機材料で形成された第1保護膜114、有機材料で形成された第2保護膜115、SiN等の無機材料で形成された第3保護膜116の3層の封止膜が形成されている。この3層の封止膜が
図12の封止層403に該当する。
【0050】
図13において、タッチセンサからの引出線30が第3保護膜116の上で周辺回路200の上方に延在し、第3保護膜116の上でタッチセンサ用フレキシブル配線基板220と接続している。なお、
図13の例では、第3保護膜116がタッチセンサの第1絶縁層を兼ねている。タッチセンサ用フレキシブル配線基板220が接続する部分では有機材料で形成された第2保護膜115は存在していない。フレキシブル配線基板220の接続工程を容易にするためである。
【0051】
図13の特徴は、周辺回路200を覆って形成されたカソード113が
形成されていることである。言い換えると、タッチセンサからの引出し線30と周辺回路200の間にカソード113が存在している。カソード113はシールドとして働き、周辺回路200で発生するノイズがタッチセンサの引出線30に入り込み、タッチセンサを誤動作させることを防止することが出来る。
【0052】
このように、本発明では、周辺回路200とタッチセンサからの引出線30との間にカソード113が形成されているので、周辺回路200からのノイズがタッチセンサに入り込んでタッチセンサを誤動作させることを防止することが出来る。本実施例におけるカソード113は周辺回路200とタッチセンサからの引出線30との間に存在していればよく、必ずしも、周辺回路200の全領域を覆う必要はない。しかし、周辺回路200からのノイズをより確実にシールドするには、周辺回路200の全域をカソード113で覆うことが望ましい。
【実施例2】
【0053】
図14は実施例2が対象とする有機EL表示装置1000の平面図である。
図14が
図1と異なる点は、タッチセンサへの信号の授受は、タッチセンサ用フレキシブル配線基板を使用せず、メインフレキシブル配線基板210で兼用させている点である。このためには、タッチセンサからの引出線を有機EL表示装置の端子部150にまで引き回さなくてはならないために、タッチセンサの引出線がノイズを受けやすくなる。
図15のその他の構成は
図1と同様である。
【0054】
図15は本発明の実施例2が適用されるタッチセンサ付の有機EL表示装置の端子部付近を含む断面図である。
図15が
図10と異なる点は、タッチセンサからの引出線30が表示パネルにおいて、表示パネルに形成された端子配線201と接続している点である。そして、第1端子において、メインフレキシブル配線基板210と接続し、メインフレキシブル配線基板210からタッチセンサ用の信号の授受が行われる。
図15における端子配線201は1本の線ではなく、複数の配線の総称である。
【0055】
図15におけるタッチセンサの引出線30と端子配線201とを接続する第2端子の端子構造は、メインフレキシブル配線基板210のための第1端子と同じ構成である。同じプロセスを使用することが出来るからである。
図15における第2端子は保護膜を兼ねた粘着材300に覆われている。
【0056】
その他の構成は
図10と同じである。
図15の構成においても、周辺回路200の直上に有機パッシベーション膜108と容量絶縁膜109を介してタッチセンサからの引出線30が延在している。したがって、周辺回路200からのノイズがタッチセンサの引出し線30に入り込み、タッチセンサの誤動作を引き起こす。
【0057】
図16は、本実施例における第1の態様を示す平面図である。
図16もカソード113が表示領域50の外側にまで延在して形成されている。
図16は、タッチセンサ用フレキシブル配線基板が存在せず、メインフレキシブル配線基板210のみが端子部150に接続されている点を除いて
図11と同様である。但し
図16ではタッチセンサの引出線30が記載されている。また、図が複雑化するのを防止するために周辺回路200が省略されている。
図16では、タッチ電極から延びる引出線30をメインフレキシブル配線基板210と接続するために、引出線30はより長く延在させなければならない点が実施例1と異なる。
【0058】
図17は、
図16のE−E断面図である。
図17が実施例1における
図13と異なる点は、カソード113の形成範囲を超えてタッチセンサの引出線30が外側に延在して端子配線201と接続している点である。
図17の特徴は、このように、タッチセンサの引出線30がカソード113よりも外側に延在する場合、周辺回路200はカソード113の延在範囲を超える範囲には形成しないことである。これによって、周辺回路200からのノイズがタッチセンサの引出線30に入り込んでタッチセンサに誤動作が生ずることを防止することが出来る。
【0059】
図18は、実施例2の第2の態様を示す平面図である。
図18の特徴は、タッチパネルの周辺部において、シールドのためのシールド配線31が形成されていることである。このシールド配線31はタッチセンサの第1絶縁膜20の上に形成される第1タッチ電極21と同じ層に、第1タッチ電極21と同じ材料で形成される。そしてこのシールド配線31には、例えばカソード電位のような一定の電位が形成される。
【0060】
図18において、シールド配線31はタッチセンサ500の端部にまで形成されている。レイアウトの都合上、カソード113を、周辺回路200を完全に覆う範囲にまで形成できない場合、シールド配線31をシールドとして使用することができる。
図18において、シールド配線31は平面で視てカソード113と一部オーバーラップしている。このオーバーラップ量wは、タッチセンサに形成されるシールド配線31とカソード113とのマスクの合わせずれ量と同じかそれよりも大きければ良い。
【0061】
図19は
図18のF−F断面図である。
図19でも第3封止膜116がタッチセンサの第1絶縁膜20を兼ねている。タッチセンサの周辺の、第1絶縁膜(第3封止膜116)の上にシールド配線31が形成されている。
図19において、周辺回路200はカソード113よりも外側にまで形成されている。しかし、この部分はシールド配線31によって覆われているので、タッチセンサの第2絶縁膜22の上に形成された引出線30はシールド配線31によってシールドされ、周辺回路200からのノイズの影響を防止することが出来る。その他の
図19の構成は
図17で説明したのと同様である。
【0062】
図18ではシールド線31はタッチセンサ500の全周にわたって形成されているが、全周に限る必要はない。例えば、端子部150に対応する辺においては、タッチセンサ用の引出線30を有機EL表示パネルの端子部150にまで延在する必要があるので、カソード113で覆われていない周辺回路200の上部にまで、引出線30が延在する可能性が高い。したがって、シールド配線31は、タッチセンサ500の、有機EL表示パネルの端子部150に隣接する辺にのみ形成するということも可能である。この場合、タッチセンサ500の他の辺においては、実施例1のように、周辺回路200はカソード113によって覆えばよい。