特許第6879820号(P6879820)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6879820ステッピングモータ駆動装置およびステッピングモータ駆動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6879820
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】ステッピングモータ駆動装置およびステッピングモータ駆動方法
(51)【国際特許分類】
   H02P 8/12 20060101AFI20210524BHJP
【FI】
   H02P8/12
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-96688(P2017-96688)
(22)【出願日】2017年5月15日
(65)【公開番号】特開2018-196206(P2018-196206A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2019年11月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】591009705
【氏名又は名称】株式会社 東京ウエルズ
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100103263
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 康
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】安 藤 雄 太
【審査官】 安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−213344(JP,A)
【文献】 米国特許第04905445(US,A)
【文献】 特開2017−046538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステッピングモータの駆動制御用のパルス信号を発生するパルス発生部と、
前記ステッピングモータを基本ステップ角だけ駆動する間に、前記ステッピングモータの第1コイルに供給する第1電流を変化させ、かつ前記ステッピングモータの第2コイルに供給する第2電流を変化させる電流制御部と、
を備え、
前記電流制御部は、
前記第1および第2電流を第1値に変化させる第1動作と、
前記第1電流を前記第1値から第2値へと負方向に変化させ、前記第2電流を前記第1値から第3値へと正方向に変化させる第2動作と、
前記第1および第2電流を第4値に変化させる第3動作と、
前記第1電流を前記第4値から前記第2値へと負方向に変化させ、前記第2電流を前記第4値から前記第3値へと正方向に変化させる第4動作と、
を順番に繰り返し実行する、ステッピングモータ駆動装置。
【請求項2】
前記第1値の絶対値および前記第4値の絶対値は、前記第2値の絶対値および前記第3値の絶対値よりも小さい、請求項に記載のステッピングモータ駆動装置。
【請求項3】
ステッピングモータの駆動制御用のパルス信号を発生するパルス発生部と、
前記ステッピングモータを基本ステップ角だけ駆動する間に、前記ステッピングモータの第1コイルに供給する第1電流を変化させ、かつ前記ステッピングモータの第2コイルに供給する第2電流を変化させる電流制御部と、
を備え
前記電流制御部は、
前記第1電流を正方向に変化させ、前記第2電流を負方向に変化させる第1動作と、
前記第1電流を負方向に変化させ、前記第2電流を負方向に変化させる第2動作と、
前記第1電流を負方向に変化させ、前記第2電流を正方向に変化させる第3動作と、
前記第1電流を正方向に変化させ、前記第2電流を正方向に変化させる第4動作と、
を順番に繰り返し実行する、ステッピングモータ駆動装置。
【請求項4】
ステッピングモータの駆動制御用のパルス信号を発生するパルス発生部と、
前記ステッピングモータを基本ステップ角だけ駆動する間に、前記ステッピングモータの第1コイルに供給する第1電流を変化させ、かつ前記ステッピングモータの第2コイルに供給する第2電流を変化させる電流制御部と、
を備え
前記電流制御部は、
前記第1電流を正方向に変化させ、前記第2電流を負方向および正方向に交互に変化させる第1動作と、
前記第1電流を負方向に変化させ、前記第2電流を負方向に変化させる第2動作と、
前記第1電流を負方向に変化させ、前記第2電流を正方向および負方向に交互に変化させる第3動作と、
前記第1電流を正方向に変化させ、前記第2電流を正方向に変化させる第4動作と、
を順番に繰り返し実行する、ステッピングモータ駆動装置。
【請求項5】
前記電流制御部は、前記ステッピングモータを前記基本ステップ角だけ駆動する間に、前記第1および第2電流の一方を正方向に変化させ、かつ前記第1および第2電流の他方を負方向に変化させる、請求項1から4のいずれか1項に記載のステッピングモータ駆動装置。
【請求項6】
前記ステッピングモータは、複数のポケットが所定角度ごとに設けられたインデックステーブルに接続されており、
前記電流制御部は、前記ステッピングモータを前記基本ステップ角の2倍だけ駆動することで、前記インデックステーブルを1ポケット分だけ駆動する、請求項1からのいずれか1項に記載のステッピングモータ駆動装置。
【請求項7】
ステッピングモータの駆動制御用のパルス信号を発生するパルス発生段階と、
前記ステッピングモータを基本ステップ角だけ駆動する間に、前記ステッピングモータの第1コイルに供給する第1電流を変化させ、かつ前記ステッピングモータの第2コイルに供給する第2電流を変化させる電流制御段階と、
を備え
前記電流制御段階では、
前記第1および第2電流を第1値に変化させる第1動作と、
前記第1電流を前記第1値から第2値へと負方向に変化させ、前記第2電流を前記第1値から第3値へと正方向に変化させる第2動作と、
前記第1および第2電流を第4値に変化させる第3動作と、
前記第1電流を前記第4値から前記第2値へと負方向に変化させ、前記第2電流を前記第4値から前記第3値へと正方向に変化させる第4動作と、
を順番に繰り返し実行する、ステッピングモータ駆動方法。
【請求項8】
前記第1値の絶対値および前記第4値の絶対値は、前記第2値の絶対値および前記第3値の絶対値よりも小さい、請求項7に記載のステッピングモータ駆動方法。
【請求項9】
ステッピングモータの駆動制御用のパルス信号を発生するパルス発生段階と、
前記ステッピングモータを基本ステップ角だけ駆動する間に、前記ステッピングモータの第1コイルに供給する第1電流を変化させ、かつ前記ステッピングモータの第2コイルに供給する第2電流を変化させる電流制御段階と、
を備え
前記電流制御段階では、
前記第1電流を正方向に変化させ、前記第2電流を負方向に変化させる第1動作と、
前記第1電流を負方向に変化させ、前記第2電流を負方向に変化させる第2動作と、
前記第1電流を負方向に変化させ、前記第2電流を正方向に変化させる第3動作と、
前記第1電流を正方向に変化させ、前記第2電流を正方向に変化させる第4動作と、
を順番に繰り返し実行する、ステッピングモータ駆動方法。
【請求項10】
ステッピングモータの駆動制御用のパルス信号を発生するパルス発生段階と、
前記ステッピングモータを基本ステップ角だけ駆動する間に、前記ステッピングモータの第1コイルに供給する第1電流を変化させ、かつ前記ステッピングモータの第2コイルに供給する第2電流を変化させる電流制御段階と、
を備え
前記電流制御段階では、
前記第1電流を正方向に変化させ、前記第2電流を負方向および正方向に交互に変化させる第1動作と、
前記第1電流を負方向に変化させ、前記第2電流を負方向に変化させる第2動作と、
前記第1電流を負方向に変化させ、前記第2電流を正方向および負方向に交互に変化させる第3動作と、
前記第1電流を正方向に変化させ、前記第2電流を正方向に変化させる第4動作と、
を順番に繰り返し実行する、ステッピングモータ駆動方法。
【請求項11】
前記電流制御段階では、前記ステッピングモータを前記基本ステップ角だけ駆動する間に、前記第1および第2電流の一方を正方向に変化させ、かつ前記第1および第2電流の他方を負方向に変化させる、請求項7から10のいずれか1項に記載のステッピングモータ駆動方法。
【請求項12】
前記ステッピングモータは、複数のポケットが所定角度ごとに設けられたインデックステーブルに接続されており、
前記電流制御段階では、前記ステッピングモータを前記基本ステップ角の2倍だけ駆動することで、前記インデックステーブルを1ポケット分だけ駆動する、請求項7から11のいずれか1項に記載のステッピングモータ駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステッピングモータを駆動するステッピングモータ駆動装置およびステッピングモータ駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ステッピングモータは、正確な位置決めに適したモータであり、例えば、インデックステーブル方式のテーピングマシンや部品検査機などで使用されている。この場合、テーピングマシンや部品検査機の生産性を向上させるための方法として、インデックステーブルの動作速度を上げることが考えられる。インデックステーブルは、ステッピングモータの動作角(基本ステップ角)に合わせて部品搬送のポケットを備えているため、テーピングマシンや部品検査機の生産性を向上させるには、ステッピングモータの単位時間当たりの動作頻度を高加減速で増加させる必要がある。
【0003】
そのため、従来は、ステッピングモータに供給する電流を増やす(すなわち、ステッピングモータへの印加電圧を上げる)ことで、ステッピングモータの動作頻度を増加させていた。しかし、この場合には、ステッピングモータの発熱や、ステッピングモータの停止時の振動(ハンチング)が問題となる。よって、印加電圧を無暗に上げることができないことから、ステッピングモータの新たな駆動方法を提供することが望ましい。
【0004】
一般に、ステッピングモータは、パルス列入力やマイクロステップなどの手法を用いて駆動される。前者の手法では、パルスを入力するタイミングによりステッピングモータの加減速を調整するが、このタイミングの調整が難しい。また、このようなタイミング調整によるインデックス送りの性能向上には限界がある。一方、後者の段階では、ステッピングモータに供給する電流波形の生成に手間がかかる。また、前者の手法を用いて2相励磁を行う際に、マイクロステップでは最大トルクを出すことができない。
【0005】
従来のステッピングモータの例は、特許文献1〜3などに開示されている。特許文献1や特許文献2には、プリンタや複写機などに用いられるステッピングモータをマイクロステップ駆動する駆動回路の例が開示されている。特許文献3には、モータの駆動に応じて最適なデューティ比データを選択するようにしたステッピングモータ制御方式の例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3219601号公報
【特許文献2】特許第3316299号公報
【特許文献3】特許第3368105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、ステッピングモータに供給する電流を増やすことでその動作頻度を増加させ、ステッピングモータの高速駆動を実現する場合には、ステッピングモータの発熱や振動が問題となる。
【0008】
そこで、本発明は、ステッピングモータの発熱や振動を抑制しつつその高速駆動を実現可能なステッピングモータ駆動装置およびステッピングモータ駆動方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によるステッピングモータ駆動装置は、ステッピングモータの駆動制御用のパルス信号を発生するパルス発生部と、前記ステッピングモータを基本ステップ角だけ駆動する間に、前記ステッピングモータの第1コイルに供給する第1電流を変化させ、かつ前記ステッピングモータの第2コイルに供給する第2電流を変化させる電流制御部とを備える。
【0010】
また、本発明の一態様によるステッピングモータ駆動方法は、ステッピングモータの駆動制御用のパルス信号を発生するパルス発生段階と、前記ステッピングモータを基本ステップ角だけ駆動する間に、前記ステッピングモータの第1コイルに供給する第1電流を変化させ、かつ前記ステッピングモータの第2コイルに供給する第2電流を変化させる電流制御段階とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ステッピングモータの発熱や振動を抑制しつつ、その高速駆動を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態のテーピングマシンの構成を示す正面図である。
図2】第1実施形態のインデックステーブル等の構成を示す斜視図である。
図3】第1実施形態のステッピングモータ等の構成を示す模式図である。
図4】第1実施形態のステッピングモータ等の構成を示すブロック図である。
図5】第1実施形態のインデックステーブルの構成を示す斜視図である。
図6】従来の第1電流と第2電流の時間変化を示すグラフである。
図7】第1実施形態の第1電流と第2電流の時間変化を示すグラフである。
図8】第1実施形態の第1電流と第2電流の時間変化を示すグラフである。
図9】第1実施形態のステッピングモータで生成されるトルクについて説明するためのグラフである。
図10】第1実施形態におけるステッピングモータの変位角の時間変化について説明するためのグラフである。
図11】第1実施形態のパルス発生部と電流制御部の構成例を示す模式図である。
図12】第2実施形態の第1電流と第2電流の時間変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のテーピングマシンの構成を示す正面図である。
【0015】
図1のテーピングマシンは、インデックス方式を採用しており、テープ供給リール保持部1と、インデックステーブル2と、パーツフィーダ3と、アイロン部4と、完成テープ保持部5と、トップテープリール保持部6とを備えている。図1のテーピングマシンは、例えばコンデンサ等のチップ型電子部品のテーピング用に使用される。
【0016】
テーピングマシンは、テープ供給リール保持部1からインデックステーブル2を介してテープT1を搬送し、パーツフィーダ3からパーツを搬送する。パーツフィーダ3からのパーツは、インデックステーブル2からのテープT1にアイロン部4で溶着される。その後、テープT1から得られた完成テープT2は完成テープ保持部5に送られ、テープT1に残ったトップテープT3はトップテープリール保持部6に送られる。
【0017】
図2は、第1実施形態のインデックステーブル2等の構成を示す斜視図である。
【0018】
本実施形態のテーピングマシンは、図1に示す構成部分に加え、インデックステーブル2に接続されたステッピングモータ7を備えている。ステッピングモータ7が駆動されると、これによりインデックステーブル2が駆動され、テープT1が搬送される。
【0019】
図3は、第1実施形態のステッピングモータ7等の構成を示す模式図である。
【0020】
本実施形態のテーピングマシンは、図1図2に示す構成部分に加え、カップリング8と、エンコーダ9とを備えている。ステッピングモータ7は、図3に示すように、ロータ11と、シャフト12とを備えている。シャフト12は、ロータ11を貫通するように設けられており、ロータ11が回転することでシャフト12も回転する。
【0021】
インデックステーブル2は、カップリング8を介してシャフト12の一端に取り付けられている。ステッピングモータ7が駆動されると、ロータ11およびシャフト12が回転することでインデックステーブル2も回転し、これによりテープT1が搬送される。エンコーダ9は、シャフト12の他端に取り付けられており、シャフト12の回転角度を計測してその計測結果を出力する。
【0022】
図4は、第1実施形態のステッピングモータ7等の構成を示すブロック図である。
【0023】
本実施形態のテーピングマシンは、図1から図3に示す構成部分に加え、ステッピングモータ7を駆動するステッピングモータ駆動装置10を備えている。ステッピングモータ駆動装置10は、パルス発生部21と、電流制御部22とを備えている。さらに、ステッピングモータ7は、図4に示すように、A相コイル部13aとA’相コイル部13a’を有する第1コイル13Aと、B相コイル部13bとB’相コイル部13b’を有する第2コイル13Bとを備えている。
【0024】
パルス発生部21は、ステッピングモータ7の駆動制御用のパルス信号を発生する。電流制御部22は、このパルス信号に同期して、第1コイル13Aに供給する第1電流IAと、第2コイル13Bに供給する第2電流IBとを制御する。
【0025】
第1コイル13Aは、A相コイル部13a側の端子P1と、A’相コイル部13a’側の端子P2と、A相コイル部13aとA’相コイル部13a’とに共通の端子P3とを有している。第1電流IAは、A相コイル部13aの端子P1から端子P3に流れるA相励磁電流Iaと、A’相コイル部13a’の端子P2から端子P3に流れるA’相励磁電流Ia’とを含んでいる。
【0026】
第2コイル13Bは、B相コイル部13b側の端子P4と、B’相コイル部13b’側の端子P5と、B相コイル部13bとB’相コイル部13b’とに共通の端子P6とを有している。第2電流IBは、B相コイル部13bの端子P4から端子P6に流れるB相励磁電流Ibと、B’相コイル部13b’の端子P5から端子P6に流れるB’相励磁電流Ib’とを含んでいる。
【0027】
本実施形態のステッピングモータ7は、第1および第2コイル13A、13Bを2相ずつ励磁する2相励磁により駆動される。具体的には、第1および第2電流IA、IBの電流相が、AB相、A’B相、A’B’相、AB’相の順番で繰り返し変化する。これらの各電流相の間に、ステッピングモータ7は基本ステップ角だけ駆動される。本実施形態の基本ステップ角は、1.8度である。
【0028】
図5は、第1実施形態のインデックステーブル2の構成を示す斜視図である。
【0029】
図5は、インデックステーブル2に所定角度ごとに設けられた複数のポケットH1と、テープT1に所定間隔ごとに設けられた複数の開口部H2とを示している。本実施形態では、上記の所定角度が3.6度に設定されており、これは基本ステップ角の2倍である。一方、上記の所定間隔は、互いに隣接するポケットH1間の間隔と同じ間隔に設定されている。
【0030】
インデックステーブル2は、ステッピングモータ7によるインデックス送りにより駆動される。インデックス送りでは、ステッピングモータ7が静止状態のときに、ステッピングモータ7を目的角だけ動作させるための動作指令がステッピングモータ駆動装置10に入力される。ステッピングモータ駆動装置10は、動作指令に応じてステッピングモータ7を目的角だけ動作させる。ステッピングモータ7は、目的角だけ回転した後、再び静止状態になる。インデックス送りでは、このような動作を繰り返すことで、ステッピングモータ7が目的角ずつ回転する。
【0031】
本実施形態の目的角は3.6度であり、これは基本ステップ角の2倍である。よって、ステッピングモータ7は、1回の動作指令により基本ステップ角の2倍である3.6度だけ駆動され、これにより、インデックステーブル2も、1ポケット分である3.6度だけ駆動される。インデックス送りでは、このような動作を繰り返すことで、テープT1が上記の所定間隔ずつ間欠的に搬送される。このようなインデックス送りを2倍送りと呼び、1回分の2倍送りの期間を1サイクルと呼ぶ。
【0032】
次に、第1実施形態の第1および第2電流IA、IBの波形と、従来の第1および第2電流IA、IBの波形とを比較する。
【0033】
図6は、従来の第1電流IAと第2電流IBの時間変化を示すグラフである。
【0034】
図6では、第1電流IAが、第1値I+と第2値I−とに交互に変化し、同様に、第2電流IBも、第1値I+と第2値I−とに交互に変化する。ここで、第1値I+は正の値であり、第2値I−は負の値である。図7では、第1値I+が+2.8A、第2値I−が−2.8Aとなっている。
【0035】
AB相においては、第1電流IAがA相励磁電流Iaとなり、第2電流IBがB相励磁電流Ibとなることで、第1電流IAは第1値I+をとり、第2電流IBも第1値I+をとる。
【0036】
A’B相においては、第1電流IAがA’相励磁電流Ia’となり、第2電流IBがB相励磁電流Ibとなることで、第1電流IAは第2値I−をとり、第2電流IBは第1値I+をとる。
【0037】
A’B’相においては、第1電流IAがA’相励磁電流Ia’となり、第2電流IBがB’相励磁電流Ib’となることで、第1電流IAは第2値I−をとり、第2電流IBも第2値I−をとる。
【0038】
AB’相においては、第1電流IAがA相励磁電流Iaとなり、第2電流IBがB’相励磁電流Ib’となることで、第1電流IAは第1値I+をとり、第2電流IBは第2値I−をとる。
【0039】
図6は、第1および第2電流IA、IBの電流相が、AB相からA’B相に変化して、A’B相からA’B’相に変化する様子を示している。図6では、第1電流IAが、時間tに第1値I+から負方向に変化し始め、時間t+Δtに第2値I−に達している。符号Δtは、第1電流IAが第1値I+から第2値I−に変化するまでの遅延時間を表す。このような遅延時間Δtは、AB相以外の相から次の相への変化が生じる際にも同様に発生する。遅延時間Δtが長くなると、ステッピングモータ7のトルクの立ち上がりや立ち下がりが遅れることが問題となる。
【0040】
図7は、第1実施形態の第1電流IAと第2電流IBの時間変化を示すグラフである。
【0041】
図7では、第1電流IAが第1値I1、第2値I2、および第4値I4に変化し、第2電流IBが第1値I1、第3値I3、および第4値I4に変化する。ここで、第1値I1と第3値I3は正の値であり、第2値I2と第4値I4は負の値である。ただし、第1値I1の絶対値および第4値I4の絶対値は、第2値I2の絶対値および第3値I3の絶対値よりも小さく設定されている。図7では、第1値I1が+1A、第2値I2が−4A、第3値I3が+4A、第4値I4が−1Aとなっている。
【0042】
AB相においては、第1電流IAは第1値I1をとり、第2電流IBも第1値I1をとる。A’B相においては、第1電流IAは第2値I2をとり、第2電流IBは第3値I3をとる。A’B’相においては、第1電流IAは第4値I4をとり、第2電流IBも第4値I4をとる。AB’相においては、第1電流IAは第2値I2をとり、第2電流IBは第3値I3をとる。
【0043】
図7は、第1および第2電流IA、IBの電流相が、AB相からA’B相に変化して、A’B相からA’B’相に変化する様子を示している。図7では、第1電流IAと第2電流IBが、時間tに第1値I1から負方向と正方向にそれぞれ変化し始め、第2電流IBが第3値I3に達した後、第1電流IAが時間t+Δtに第2値I2に達している。符号Δtは、第1電流IAが第1値I1から第2値I2に変化するまでの遅延時間を表す。このような遅延時間Δtは、AB相以外の相から次の相への変化が生じる際にも同様に発生する。
【0044】
ここで、従来の電流波形(図6)では、1回の相変化時に第1電流IAと第2電流IBの一方のみを変化させる。そのため、相変化時に第1電流IAまたは第2電流IBの値が大きく変化する。例えば、AB相からの相変化時には第1電流IAが−5.8A変化し、A’B相からの相変化時には第2電流IBが−5.8A変化する(図6参照)。その結果、遅延時間Δtが長くなり、ステッピングモータ7のトルクの立ち上がりや立ち下がりが遅くなる。
【0045】
一方、本実施形態の電流波形(図7)では、1回の相変化時に第1電流IAと第2電流IBの両方を変化させる。よって、相変化時の第1電流IAと第2電流IBの変化を小さく抑えることが可能となる。例えば、AB相からの相変化時には第1電流IAが−5A、第2電流が+3A変化し、A’B相からの相変化時には第1電流IAが+3A、第2電流が−5A変化する(図7参照)。これにより、遅延時間Δtを短くし、ステッピングモータ7のトルクの立ち上がりや立ち下がりを速くすることが可能となる。
【0046】
また、本実施形態のテーピングマシンは、インデックステーブル2を1ポケット分だけ駆動する際に、第1および第2電流IA、IBの電流相を、AB相からA’B相を介してA’B’相に変化させるか、A’B’相からAB’相を介してAB相に変化させて、ステッピングモータ7を基本ステップ角の2倍だけ駆動する。その結果、ステッピングモータ7が静止状態のときには、電流相はAB相かA’B’相となり、第1電流IAと第2電流IBの値は、第1値I1(+1A)か第4値I4(−1A)となる。
【0047】
よって、本実施形態によれば、静止状態の第1電流IAと第2電流IBの値を低減することができ、これによりステッピングモータの発熱を抑制することができる。また、本実施形態によれば、ステッピングモータ7の動作時に第1電流IAと第2電流IBをそれぞれ第2値I2(−4A)と第3値I3(+4A)にオーバードライブすることで、ステッピングモータ7の動作を高速化することができる。また、本実施形態によれば、静止状態の第1電流IAと第2電流IBの値を低減することで、上記のようにステッピングモータ7のトルクの特性を改善することができ、これによりステッピングモータ7の停止時の振動を抑制することができる。本実施形態では、第1電流IAと第2電流IBを上記のようにオーバードライブしてもなお、相変化時の第1電流IAと第2電流IBの変化が小さいことに留意されたい。
【0048】
よって、本実施形態によれば、ステッピングモータ7の発熱や振動を抑制しつつ、その高速駆動を実現することが可能となる。
【0049】
図8は、第1実施形態の第1電流IAと第2電流IBの時間変化を示すグラフである。
【0050】
図8は、4サイクル分、すなわち、インデックステーブル2を4ポケット分駆動する場合の電流波形を示している。図8はさらに、AB相に対応する第1期間R1と、A’B相に対応する第2期間R2と、A’B’相に対応する第3期間R3と、AB’相に対応する第4期間R4とを示している。
【0051】
本実施形態の電流波形では、1回の相変化時に第1電流IAと第2電流IBの両方を変化させている。具体的には、第1および第2電流IA、IBの一方を正方向に変化(すなわち増加)させ、第1および第2電流IA、IBの他方を負方向に変化(すなわち減少)させている。ここで、電流の増加・減少とは、電流の絶対値が増加・減少するという意味ではなく、正負の符号を含めた電流の値が増加・減少するという意味で用いている点に留意されたい。例えば、電流の値が+1Aから−4Aに変化することは、電流の減少に相当する。
【0052】
ここで、第1期間R1では、第1および第2電流IA、IBが共に第1値I1に変化しており、具体的には、第1電流IAが第2値I2から第1値I1に増加し、第2電流IBが第3値I3から第1値I1に減少している(第1動作)。
【0053】
第2期間R2では、第1電流IAが第1値I1から第2値I2に減少し、第2電流IBが第1値I1から第3値I3に増加している(第2動作)。
【0054】
さらに、第3期間R3では、第1および第2電流IA、IBが共に第4値I4に変化しており、具体的には、第1電流IAが第2値I2から第4値I4に増加し、第2電流IBが第3値I3から第4値I4に減少している(第3動作)。
【0055】
第4期間R4では、第1電流IAが第4値I4から第2値I2に減少し、第2電流IBが第4値I4から第3値I3に増加している(第4動作)。
【0056】
ステッピングモータ7は、第1から第4動作を順番に繰り返し実行することで、インデックステーブル2を回転させる。図8は、第1から第4動作を2回繰り返すことで、2倍送りのインデックス送りを4サイクル分実行する様子を示している。第1から第4動作の各々は、一般的なステッピングモータ7の1ステップ分の動作に対応している。
【0057】
なお、第2期間R2と第4期間R4では、第1電流IAと第2電流IBが同時に変化し始め、これらの一方が第2値I2または第3値I3に達した後、他方が第2値I2または第3値I3に達している。この変化に要する時間が、上記の遅延時間Δtに相当する。
【0058】
また、第1期間R1と第3期間R3では、第1電流IAと第2電流IBの一方が変化し始めた後に他方が変化し始め、第1電流IAと第2電流IBが同時に第1値I1または第4値I4に達している。この変化に要する時間が、上記の遅延時間Δtに相当する。
【0059】
ただし、第1電流IAと第2電流IBの変化開始や変化終了のタイミングは、これに限定されるものではない。例えば、第2期間R2と第4期間R4の第1電流IAと第2電流IBは、順番に変化し始めてもよいし、第1期間R1と第3期間R3の第1電流IAと第2電流IBは、同時に変化し始めてもよい。
【0060】
図9は、第1実施形態のステッピングモータ7で生成されるトルクについて説明するためのグラフである。
【0061】
図9は、本実施形態で仮に2倍送りを適用せずに基本ステップ角を3.6度とする場合に、AB相で生成されるトルクF1と、A’B相で生成されるトルクF2と、A’B’相で生成されるトルクF3と、AB’相で生成されるトルクF4とを示している。図9はさらに、本実施形態で上記のように2倍送りを適用して基本ステップ角を1.8度とする場合に、A’B相で生成されるトルクFを示している。
【0062】
図9に示すように、トルクFの波形は、上下対称となっており、かつ立ち上がりと立ち下がりが急峻になっている。よって、このようなトルクFによれば、ステッピングモータ7を基本ステップ角だけ回転させた後にすみやかに停止させることや、ステッピングモータ7の振動を抑制することが可能となる。
【0063】
図10は、第1実施形態におけるステッピングモータ7の変位角の時間変化について説明するためのグラフである。
【0064】
曲線D1、D2は、従来の第1電流IAと第2電流IBの電流波形(図6)を採用した場合の変位角の時間変化を示している。ただし、曲線D1では、本実施形態のような2倍送りを適用せずに、基本ステップ角を3.6度としている。一方、曲線D2では、本実施形態と同様に2倍送りを適用して、基本ステップ角を1.8度としている。曲線D3は、本実施形態の第1電流IAと第2電流IBの電流波形(図7)を採用した場合の変位角の時間変化を示している。曲線D3の場合の基本ステップ角は、1.8度である。
【0065】
符号t1、t2、t3はそれぞれ、曲線D1、D2、D3の変位角が3.6度に達する時間を示している。曲線D1、D2の結果によれば、本実施形態のような2倍送りによりステッピングモータ7の動作を高速化できることが分かる。さらに、曲線D1、D3の結果によれば、本実施形態の電流波形(図7)によりステッピングモータ7の動作を従来の2倍近くまで高速化できることが分かる。
【0066】
図11は、第1実施形態のパルス発生部21と電流制御部22の構成例を示す模式図である。図11(a)は、パルス発生部21の構成例を示し、図11(b)は、電流制御部22の構成例を示している。
【0067】
電流制御部22は、第1コイル13A用の第1から第4スイッチング素子31a〜34aおよび第1電流計測部35aと、第2コイル13B用の第5から第8スイッチング素子31b〜34bおよび第2電流計測部35bとを備えている。
【0068】
第1および第3スイッチング素子31a、33aのペアと、第2および第4スイッチング素子32a、34aのペアと、第5および第7スイッチング素子31b、33bのペアと、第6および第8スイッチング素子31b、33bのペアは、電源とグラウンドとの間に並列接続されている。第1コイル13Aは、第1および第3スイッチング素子31a、33aの間のノードと、第2および第4スイッチング素子32a、34aの間のノードとの間に配置されている。第2コイル13Bは、第5および第7スイッチング素子31b、33bの間のノードと、第6および第8スイッチング素子32b、34bの間のノードとの間に配置されている。
【0069】
第1コイル13Aを通過した第1電流IAは、第3スイッチング素子33aまたは第4スイッチング素子34aを介して第1電流計測部35aに流入し、第1電流計測部35aで計測される。第1電流IAの計測結果を示す第1信号Saは、第1電流計測部35aからパルス発生部21に出力される。
【0070】
第2コイル13Bを通過した第2電流IBは、第7スイッチング素子33bまたは第8スイッチング素子34bを介して第2電流計測部35bに流入し、第2電流計測部35bで計測される。第2電流IBの計測結果を示す第2信号Sbは、第2電流計測部35bからパルス発生部21に出力される。
【0071】
パルス発生部21は、第1信号Sa、第2信号Sb、上述の動作指令、エンコーダ9の計測結果を示す信号等に応じて、パルス信号A1、A2、B1、B2を発生する。パルス信号A1は、第1および第4スイッチング素子31a、34aを制御するための信号である。パルス信号A2は、第2および第3スイッチング素子32a、33aを制御するための信号である。パルス信号B1は、第5および第8スイッチング素子31b、34bを制御するための信号である。パルス信号B2は、第6および第7スイッチング素子32b、33bを制御するための信号である。
【0072】
例えば、パルス信号A1により第1および第4スイッチング素子31a、34aがオンになると、第1コイル13Aに正の電流が流れる。また、パルス信号A2により第2および第3スイッチング素子32a、33aがオンになると、第1コイル13Aに負の電流が流れる。第1から第4スイッチング素子31a〜34aがいずれもオンの場合には、上記の正の電流と負の電流との差に相当する電流が第1コイル13Aに流れる。これは、第2コイル13Bにおいても同様である。このような制御により、図7の電流波形を実現することができる。
【0073】
以上のように、本実施形態では、ステッピングモータ7を基本ステップ角だけ駆動する間に、第1コイル13Aに供給する第1電流IAと、第2コイル13Bに供給する第2電流IBの両方を変化させる(図7参照)。よって、本実施形態によれば、ステッピングモータ7の発熱や振動を抑制しつつ、その高速駆動を実現することが可能となる。
【0074】
(第2実施形態)
図12は、第2実施形態の第1電流IAおよび第2電流IBの時間変化を示すグラフである。本実施形態では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態との共通点の詳細な説明は省略する。
【0075】
第1実施形態では、第1および第2コイル13A、13Bを2相励磁により駆動しているのに対し、本実施形態では、第1および第2コイル13A、13Bを1相励磁により駆動している。
【0076】
図12では、第1電流IAが第1値I1、第3値I3、およびゼロに変化し、第2電流IBが第2値I2、第4値I4、およびゼロに変化する。ここで、第1値I1と第4値I4は正の値であり、第2値I2と第3値I3は負の値である。ただし、第2値I2の絶対値および第4値I4の絶対値は、第1値I1の絶対値および第3値I3の絶対値よりも小さく設定されている。本実施形態の目的角も3.6度であり、これは基本ステップ角である1.8度の2倍である。
【0077】
本実施形態の電流波形では、第1実施形態と同様に、1回の相変化時に第1電流IAと第2電流IBの両方を変化させている。
【0078】
例えば、第1期間R1では、第1電流IAがゼロから第1値I1に増加し、第2電流IBが第4値I4からゼロに減少している(第1動作)。第2期間R2では、第1電流IAが第1値I1からゼロに減少し、第2電流IBがゼロから第2値I2に減少している(第2動作)。
【0079】
さらに、第3期間R3では、第1電流IAがゼロから第3値I3に減少し、第2電流IBが第2値I2からゼロに増加している(第3動作)。第4期間R4では、第1電流IAが第3値I3からゼロに増加し、第2電流IBがゼロから第4値I4に増加している(第4動作)。
【0080】
ステッピングモータ7は、第1から第4動作を順番に繰り返し実行することで、インデックステーブル2を回転させる。図12は、第1から第4動作を1回実行することで、2倍送りのインデックス送りを2サイクル分実行する様子を示している。第1から第4動作の各々は、一般的なステッピングモータ7の1ステップ分の動作に対応している。
【0081】
また、本実施形態のテーピングマシンは、インデックステーブル2を1ポケット分だけ駆動する際に、第4期間R4から第1期間R1を介して第2期間R2に移行するか、第2期間R2から第3期間R3を介して第4期間R4に移行する。その結果、ステッピングモータ7が静止状態のときには、第1電流IAはゼロとなり、第2電流IBは第2値I2か第4値I4となる。
【0082】
よって、本実施形態では、第2値I2と第4値I4を小さく設定することで、ステッピングモータ7の発熱を低減することが可能となる。第2値I2と第4値I4は例えば、保持必要トルクを確保するための最小限の値に近付けることが望ましい。また、第2値I2と第4値I4を小さく設定することで、第1期間R1や第3期間R3におけるステッピングモータ7の加速を高めることが可能となる。
【0083】
なお、第2電流IBの波形は、変形例として示した第2電流IB’の波形に置き換えてもよい。第2電流IB’は、第1期間R1において交互に減少および増加した後、ゼロに達している。また、第2電流IB’は、第3期間R3において交互に増加および減少した後、ゼロに達している。これにより、ステッピングモータ7の加減速を第2電流IB’により補助することが可能となる。
【0084】
以上のように、本実施形態では、ステッピングモータ7を基本ステップ角だけ駆動する間に、第1コイル13Aに供給する第1電流IAと、第2コイル13Bに供給する第2電流IBの両方を変化させる(図12参照)。よって、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、ステッピングモータ7の発熱や振動を抑制しつつ、その高速駆動を実現することが可能となる。
【0085】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態のみに限定されるものではない。これらの実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の変更を加えて実施することができる。本発明の範囲には、このような変更を加えた形態も含まれる。
【符号の説明】
【0086】
1:テープ供給リール保持部 2:インデックステーブル
3:パーツフィーダ 4:アイロン部
5:完成テープ保持部 6:トップテープリール保持部
7:ステッピングモータ 8:カップリング
9:エンコーダ 10:ステッピングモータ駆動装置
11:ロータ 12:シャフト
13A:第1コイル 13B:第2コイル
13a:A相コイル部 13a’:A’相コイル部
13b:B相コイル部 13b’:B’相コイル部
21:パルス発生部 22:電流制御部
31a:第1スイッチング素子 31b:第5スイッチング素子
32a:第2スイッチング素子 32b:第6スイッチング素子
33a:第3スイッチング素子 33b:第7スイッチング素子
34a:第4スイッチング素子 34b:第8スイッチング素子
35a:第1電流計測部 35b:第2電流計測部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12