(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6879822
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】ワーク外観検査装置およびワーク外観検査方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/95 20060101AFI20210524BHJP
G01N 21/85 20060101ALI20210524BHJP
B07C 5/34 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
G01N21/95 Z
G01N21/85 Z
B07C5/34
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-99291(P2017-99291)
(22)【出願日】2017年5月18日
(65)【公開番号】特開2018-194473(P2018-194473A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2019年11月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】591009705
【氏名又は名称】株式会社 東京ウエルズ
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(72)【発明者】
【氏名】小 寺 克 義
(72)【発明者】
【氏名】後 藤 翼
(72)【発明者】
【氏名】鳥 海 一 馬
【審査官】
越柴 洋哉
(56)【参考文献】
【文献】
実開平01−168852(JP,U)
【文献】
特開2011−156514(JP,A)
【文献】
特開2002−205019(JP,A)
【文献】
特開平08−127424(JP,A)
【文献】
実開平07−008761(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0267680(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
B07C 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
球状ワークの外観を検査するワーク外観検査装置において、
水平方向に回転自在に配置された円形状の透明体からなる搬送テーブルと、
前記搬送テーブル外周に設置され、前記球状ワークを保持するリング状ストッパと、
前記搬送テーブル上に前記球状ワークを供給するワーク供給部と、
前記搬送テーブルを回転方向へ駆動する搬送テーブル駆動機構と、
前記搬送テーブル上の前記球状ワークの量を測定するワーク量測定部と、
前記搬送テーブルの最外周に配置され、前記球状ワークの外観を上方および下方から検査するワーク検査部と、
制御部とを備え、
前記制御部は前記ワーク量測定部からの情報に基づいて、前記球状ワークの量が一定値に達した際、前記ワーク供給部からの前記球状ワークの供給を停止して、前記搬送テーブル駆動機構を作動させて前記搬送テーブルを回転させながら、前記ワーク検査部により前記球状ワークの外観を検査し、
前記ワーク検査部は前記搬送テーブルの半径方向に沿って移動可能となっており、
前記制御部は、前記ワーク検査部が前記搬送テーブル上の前記球状ワークを前記搬送テーブルの一周分検査した後、前記ワーク検査部を前記搬送テーブルの半径方向内方へ移動させる、ワーク外観検査装置。
【請求項2】
前記ワーク供給部は前記球状ワークを収納するワーク収納部と、前記ワーク収納部に接続されたチューブと、このチューブ先端に接続され前記球状ワークを減速させて前記搬送テーブル上に供給する減速部を有する、請求項1記載のワーク外観検査装置。
【請求項3】
前記搬送テーブルに、不良品ワークを回収する不良品ワーク回収部を設けた、請求項1または2記載のワーク外観検査装置。
【請求項4】
前記搬送テーブルに、良品ワークを回収する良品ワーク回収部を設けた、請求項1乃至3のいずれか記載のワーク外観検査装置。
【請求項5】
前記搬送テーブルに、外側の周縁部に位置する前記球状ワークを前記搬送テーブルの半径方向内側へ移載する再検査移載ラインを設けた、請求項1乃至4のいずれか記載のワーク外観検査装置。
【請求項6】
球状ワークの外観を検査するワーク外観検査方法において、
水平方向に回転自在に配置された円形状の透明体からなる搬送テーブル上に、ワーク供給部から前記球状ワークを供給する工程と、
前記搬送テーブル上の前記球状ワークを前記搬送テーブル外周に設置されたリング状ストッパにより保持する工程と、
前記搬送テーブル上の前記球状ワークの量をワーク量測定部により測定する工程と、
前記搬送テーブルの最外周に配置されたワーク検査部により前記球状ワークの外観を上方および下方から検査する工程とを備え、
制御部により、前記ワーク量測定部からの情報に基づいて、前記球状ワークの量が一定値に達した際、前記ワーク供給部からの前記球状ワークの供給を停止して、前記搬送テーブルを回転させながら、前記ワーク検査部により前記球状ワークの外観を検査し、
前記ワーク検査部は、前記搬送テーブルの半径方向に沿って、移動可能となっており、 前記制御部は、前記ワーク検査部が前記搬送テーブル上の前記球状ワークを前記搬送テーブルの一周分検査した後、前記ワーク検査部を前記搬送テーブルの半径方向内方へ移動させる、ワーク外観検査方法。
【請求項7】
前記ワーク供給部は前記球状ワークを収納するワーク収納部と、前記ワーク収納部に接続されたチューブと、このチューブ先端に接続され前記球状ワークを減速させて前記搬送テーブル上に供給する減速部とを有する、請求項6記載のワーク外観検査方法。
【請求項8】
前記搬送テーブルに、不良品ワークを回収する不良品ワーク回収部を設けた、請求項6または7記載のワーク外観検査方法。
【請求項9】
前記搬送テーブルに、良品ワークを回収する良品ワーク回収部を設けた、請求項6乃至8のいずれか記載のワーク外観検査方法。
【請求項10】
前記搬送テーブルに、外側の周縁部に位置する前記球状ワークを前記搬送テーブルの半径方向内側へ移載する再検査移載ラインを設けた、請求項6乃至9のいずれか記載のワーク外観検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球状ワークの外観を検査するワーク外観検査装置およびワーク外観検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工業部品あるいは電子部品等の小さな球状ワークの外観を検査するワーク外観検査装置が知られている。
【0003】
このワーク外観検査装置は、周縁に多数の円孔を有する搬送テーブルと、搬送テーブルの円孔に球状ワークを供給するワーク供給部と、円孔内の球状ワークの外観を検査するワーク検査部とを備えている。
【0004】
しかしながら、このようなワーク外観検査装置では、搬送テーブルの円孔内に球状ワークを挿入する際、球状ワークが円孔周縁に当接して傷が付くことがある。
【0005】
また搬送テーブルの円孔の形状は、球状ワークの形状に合わせて設定されているため、球状ワークの形状が変更される毎に搬送テーブル全体を交換する必要がある。
【0006】
さらに球状ワークの外形が小さくなると、搬送テーブルの円孔をこれに合わせて形成することはむずかしい。
【0007】
また、球状ワークは搬送テーブルの分離された円孔内に配置されるため、球状ワーク同士も分離される。このため搬送テーブル上に配置される球状ワークの数が制限され、検査効率が低下している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−156514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、球状ワークに傷を付けることなく、かつ検査効率の向上を図ることができるワーク外観検査装置およびワーク外観検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、球状ワークの外観を検査するワーク外観検査装置において、水平方向に回転自在に配置された円形状の透明体からなる搬送テーブルと、前記搬送テーブル外周に設置され、前記球状ワークを保持するリング状ストッパと、前記搬送テーブル上に前記球状ワークを供給するワーク供給部と、前記搬送テーブルを回転方向へ駆動する搬送テーブル駆動機構と、前記搬送テーブル上の前記球状ワークの量を測定するワーク量測定部と、前記搬送テーブルの最外周に配置され、前記球状ワークの外観を上方および下方から検査するワーク検査部と、制御部とを備え、前記制御部は前記ワーク量測定部からの情報に基づいて、前記球状ワークの量が一定値に達した際、前記ワーク供給部からの前記球状ワークの供給を停止して、前記搬送テーブル駆動機構を作動させて前記搬送テーブルを回転させながら、前記ワーク検査部により前記球状ワークの外観を検査する、ワーク外観検査装置である。
【0011】
本発明は、前記ワーク検査部は前記搬送テーブルの半径方向に沿って移動可能となっており、前記制御部は、前記ワーク検査部が前記搬送テーブル上の前記球状ワークを前記搬送テーブルの一周分検査した後、前記ワーク検査部を前記搬送テーブルの半径方向内方へ移動させる、ワーク外観検査装置である。
【0012】
本発明は、前記ワーク供給部は前記球状ワークを収納するワーク収納部と、前記ワーク収納部に接続されたチューブと、このチューブ先端に接続され前記球状ワークを減速させて前記搬送テーブル上に供給する減速部を有する、ワーク外観検査装置である。
【0013】
本発明は、前記搬送テーブルに、不良品ワークを回収する不良品ワーク回収部を設けた、ワーク外観検査装置である。
【0014】
本発明は、前記搬送テーブルに、良品ワークを回収する良品ワーク回収部を設けた、ワーク外観検査装置である。
【0015】
本発明は、前記搬送テーブルに、外側の周縁部に位置する前記球状ワークを前記搬送テーブルの半径方向内側へ移載する再検査移載ラインを設けた、ワーク外観検査装置である。
【0016】
本発明は、球状ワークの外観を検査するワーク外観検査方法において、水平方向に回転自在に配置された円形状の透明体からなる搬送テーブル上に、ワーク供給部から前記球状ワークを供給する工程と、前記搬送テーブル上の前記球状ワークを前記搬送テーブル外周に設置されたリング状ストッパにより保持する工程と、前記搬送テーブル上の前記球状ワークの量をワーク量測定部により測定する工程と、前記搬送テーブルの最外周に配置されたワーク検査部により前記球状ワークの外観を上方および下方から検査する工程とを備え、制御部により、前記ワーク量測定部からの情報に基づいて、前記球状ワークの量が一定値に達した際、前記ワーク供給部からの前記球状ワークの供給を停止して、前記搬送テーブルを回転させながら、前記ワーク検査部により前記供給ワークの外観を検査するワーク外観検査方法である。
【0017】
本発明は、前記ワーク検査部は前記搬送テーブルの半径方向に沿って、移動可能となっており、前記制御部は、前記ワーク検査部が前記搬送テーブル上の前記球状ワークを前記搬送テーブルの一周分検査した後、前記ワーク検査部を前記搬送テーブルの半径方向内方へ移動させる、ワーク外観検査方法である。
【0018】
本発明は、前記ワーク供給部は前記球状ワークを収納するワーク収納部と、前記ワーク収納部に接続されたチューブと、このチューブ先端に接続され前記球状ワークを減速させて前記搬送テーブル上に供給する減速部とを有する、ワーク外観検査方法である。
【0019】
本発明は、前記搬送テーブルに、不良品ワークを回収する不良品ワーク回収部を設けた、ワーク外観検査方法である。
【0020】
本発明は、前記搬送テーブルに、良品ワークを回収する良品ワーク回収部を設けた、ワーク外観検査方法である。
【0021】
本発明は、前記搬送テーブルに、外側の周縁部に位置する前記球状ワークを前記搬送テーブルの半径方向内側へ移載する再検査移載ラインを設けた、ワーク外観検査方法である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は本発明によるワーク外観検査装置の一実施の形態を示す平面図。
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ここで
図1は本発明によるワーク外観検査装置を示す平面図であり、
図2はワーク外観検査装置を示す側面図である。
【0024】
図1および
図2に示すように、ワーク外観検査装置10は、例えば工業部品あるいは電子部品等の小形の球状ワークWの外観を検査するものである。
【0025】
このようなワーク外観検査装置10は、水平方向に回転自在に配置された円形状の透明体からなる搬送テーブル15と、搬送テーブル15上に球状ワークを供給するワーク供給部11Aと、搬送テーブル15外周に設置され、球状ワークWを保持するリング状ストッパ16と、搬送テーブル15を回転方向へ駆動する搬送テーブル駆動機構26と、搬送テーブル15上の球状ワークWの量を測定するワーク量測定部17と、搬送テーブル15の最外周に配置され、球状ワークWの外観を上方および下方から検査するワーク検査部18とを備えている。
【0026】
このうち搬送テーブル15は円形状の透明体からなり、例えば円形状の青板ガラスからなる。
【0027】
また、ワーク供給部11Aは、多数の球状ワークWを収納するワーク収納部11と、ワーク収納部11内の球状ワークWを排出する供給エジェクタ12と、供給エジェクタ12に接続されて球状ワークWを搬送するチューブ13と、チューブ13の先端に接続され、チューブ13から搬送される球状ワークWの速度を減速させて搬送テーブル15上へ供給する減速部14とを有する。
【0028】
さらにリング状ストッパ16は、搬送テーブル15上へ供給され、搬送テーブル15の回転に伴って遠心力で半径方向外方へ送られる球状ワークWを保持するものであり、例えば、樹脂製または金属製リングからなる。
【0029】
また搬送テーブル15は、モータ駆動の搬送テーブル駆動機構26により時計回り(
図1の矢印A)の回転方向へ駆動される。
【0030】
ところで、搬送テーブル15上へ供給され、搬送テーブル15の回転に伴って遠心力で半径方向外方へ送られる球状ワークWは、リング状ストッパ16により保持されるが、この際搬送テーブル15上の球状ワークWの量(数量)がワーク量測定部17により測定される。
【0031】
このワーク量測定部17は搬送テーブル15上の球状ワークWの数を測定するものであるが、搬送テーブル15上の球状ワークWの重量を測定するものであってもよい。
【0032】
またワーク検査部18は球状ワークWの外観を搬送テーブル15の上方および下方から検査するものであり、例えば一対の撮影カメラからなり、一方の撮影カメラは球状ワークWの外観を搬送テーブル15の上方から検査するようになっており、他方の撮影カメラは球状ワークWの外観を搬送テーブル15の下方から検査するようになっている。
【0033】
このワーク検査部18はワーク検査部駆動機構28により搬送テーブル15の半径方向に沿って移動可能となっている。そして、後述する制御部30は、ワーク検査部18が搬送テーブル15上の球状ワークWを搬送テーブル15の一周分検査した後、ワーク検査部駆動機構28を作動させてワーク検査部18を搬送テーブル15の半径方向内方へ移動させる。
【0034】
さらにまた搬送テーブル15には、搬送テーブル15上の不良品ワークを回収する不良品ワーク回収ノズル(不良品ワーク回収部とも言う)19が配置されている。この不良品ワーク回収ノズル19はチューブ19aを介して減速部20に接続されている。そして不良品ワーク回収ノズル19により回収された不良品ワークはチューブ19aを通り、減速部20でその速度が減速された後、不良品ワーク回収カップ21内に収納される。
【0035】
また搬送テーブル15には、搬送テーブル15上の良品ワークを回収する良品ワーク回収ノズル(良品ワーク回収部とも言う)23が配置されている。この良品ワーク回収ノズル23はチューブ23aを介して減速部24に接続されている。そして良品ワーク回収ノズル23により回収された良品ワークはチューブ23aを通り、減速部24でその速度が減速された後、良品ワーク回収カップ25内に収納される。
【0036】
また搬送テーブル15には、外側の周縁部に位置する球状ワークWを回収するワーク回収ノズル(ワーク回収部とも言う)22が設けられ、ワーク回収ノズル22はチューブ22aを介して減速部14に接続されている。そしてワーク回収ノズル22により回収された最外周の球状ワークWは減速部14で減速され、搬送テーブル15の半径方向内側へ移載される。この場合、ワーク回収ノズル22と、チューブ22aと、減速部14とにより搬送テーブル15の外側の周縁部に位置する球状ワークWを搬送テーブル15の半径方向内側へ移載する再検査移載ライン22Aが構成される。
【0037】
また、上記ワーク外観検査装置10の各構成部材は、制御部30により駆動制御される。
【0038】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用、すなわちワーク外観検査方法について説明する。
【0039】
まずワーク収納部11内に収納された球状ワークWは、制御部30により駆動される供給エジェクタ12により空気とともにチューブ13を通り、減速部14に送られて球状ワークWの速度が減速される。次に減速された球状ワークWは減速部14から搬送テーブル15上へ連続的に供給される。
【0040】
この際、球状ワークWは搬送テーブル15上において、その中心と最外周との間、すなわち最外周より内側へ寄った位置に供給される。
【0041】
この間、搬送テーブル15は制御部30により駆動される搬送テーブル駆動機構26により回転している。
【0042】
このため、搬送テーブル15上へ供給された球状ワークWは、遠心力により搬送テーブル15外周へ向って転がっていく。そして搬送テーブル15上の球状ワークWはリング状ストッパ16により停止して保持される。
【0043】
搬送テーブル15上に供給される球状ワークWは、上述のように減速部14から連続的に供給される。またリング状ストッパ16により保持された球状ワークWは、搬送テーブル15の外側の周縁部に隙間なく並べられる。この間、ワーク量測定部17により、搬送テーブル15上の球状ワークWの数量が測定される。ワーク量測定部17からの測定結果は制御部30へ送られる。
【0044】
制御部30はワーク量測定部17からの情報に基づいて、搬送テーブル15上の球状ワークWの数量が一定値に達した場合、例えば搬送テーブル15上において搬送テーブル15の外側の周縁部に3列に渡って球状ワークWが並べられた場合に、ワーク供給部11Aを制御して、減速部14からの球状ワークWの供給を停止する。
【0045】
次に制御部30は、搬送テーブル15を引き続いて回転させながら、ワーク検査部18を制御して、搬送テーブル15上の外側の周縁部に位置する球状ワークWの外観を搬送テーブル15の上方および下方から検査する。
【0046】
このようにして搬送テーブル15上の外側の周縁部に位置する球状ワークWを搬送テーブル15の一周分だけ検査する。
【0047】
ワーク検査部18からの検査結果は制御部30へ送られ、制御部30はワーク検査部18からの検査結果に基づいて、不良品として認定された不良品ワークWを不良品ワーク回収ノズル19から回収する。不良品ワーク回収ノズル19で回収された不良品ワークWは、次にチューブ19aを介して減速部20へ送られ、その速度が減速されて不良品ワーク回収カップ21内へ送られる。
【0048】
このようにして搬送テーブル15上の外側の周縁部に位置する球状ワークWのうち、搬送テーブル15の一周分の球状ワークWに対する検査が終了した後、制御部30は搬送テーブル15を回転させたまま、ワーク検査部駆動機構28を作動させ、ワーク検査部18を半径方向内方へ移動させる。
【0049】
次に制御部30は、搬送テーブル15の最外周より内方へ移動した位置にある球状ワークWに対して搬送テーブル15を回転させた状態で、上述と同様にしてワーク検査部18により球状ワークWの外観を搬送テーブル15の上方および下方から検査する。次に制御部30は、ワーク検査部18からの検査結果に基づいて、不良品と認定された不良品ワークWを不良品ワーク回収ノズル19から回収する、不良品ワーク回収ノズル19で回収された不良品ワークWは、次にチューブ19aを介して減速部20に送られ、その速度が減速されて不良品ワーク回収カップ21内へ送られる。
【0050】
このようにして制御部30は搬送テーブル15上の、例えば3列に並ぶすべての球状ワークWに対してその外観を搬送テーブル15の上方および下方から検査する。
【0051】
このように搬送テーブル15上のすべての球状ワークWに対してその外観を上方および下方から検査した後、制御部30は搬送テーブル15を回転させたまま、再検査移載ライン22Aを作動させ、搬送テーブル15上の球状ワークWを外側の周縁部から再検査移載ライン22Aの減速部14を介して搬送テーブル15の半径方向内側へ再検査のため移載する。
【0052】
搬送テーブル15上の半径方向内側へ移載された球状ワークWは、搬送テーブル15の回転に伴なって遠心力によりリング状ストッパ16まで転がり、このリング状ストッパ16により保持される。
【0053】
この場合、搬送テーブル15上の球状ワークWはリング状のストッパ16に保持され、搬送テーブル15上で隙間なく並べられる。この状態は、再検査移載ライン22Aによる移載が行われる前と同じである。しかし、移載およびその後の搬送テーブル15の回転に伴う遠心力によるリング状ストッパ16までの移動の間に、球状ワークWはランダムに回転する。このためリング状ストッパ16に保持されたときの球状ワークWの表面のうち、搬送テーブル15の上側を向く範囲および下側を向く範囲が再検査のための移載後に変化する。
【0054】
次に上述と同様にして搬送テーブル15上の球状ワークWに対して最外周側から内側の列に向って順次外観検査が行なわれ、不良品ワークWは不良品ワーク回収ノズル19により回収される。この移載後の外観検査において、ワーク検査部18により検査される球状ワークWの表面の範囲は移載前と異なっている。その理由は、上述のようにリング状ストッパ16に保持されたときの球状ワークWの表面のうち、搬送テーブル15の上側を向く範囲および下側を向く範囲が再検査のための移載後に変化しているためである。
【0055】
次に制御部30は、再検査移載ライン22Aを用いた再検査のための移載作業およびワーク検査部18による外観検査を複数回実施する。
【0056】
このようにして搬送テーブル15上の不良品ワークWを不良品ワーク回収ノズル19により複数回、回収した後、制御部30は搬送テーブル15上の不良品ワークW以外のすべての球状ワークWを良品ワークWとみなして良品ワーク回収ノズル23から回収する。
【0057】
良品ワーク回収ノズル23により回収された良品ワークWは、その後チューブ23aを介して減速部24に送られて減速され、その後に良品ワーク回収カップ25へ送られる。
【0058】
制御部30は上述した作業を、ワーク収納部11内の球状ワークWが空になるまで続ける。
【0059】
以上のように本実施の形態によれば、搬送テーブル15を回転させながら遠心力により外周側へ移動する球状ワークWをリング状ストッパ16により保持することができる。このため、搬送テーブル15に円孔を形成し、この円孔内に球状ワークWを挿入する場合に比べて、球状ワークWに傷が付くことを未然に防止することができる。また球状ワークの形状に合わせて円孔を有する搬送テーブルをその都度作る必要はない。また、搬送テーブル15上に隙間なく球状ワークWを並べることができるため、搬送テーブル15の円孔に球状ワークWを挿入する場合より多くの球状ワークWを搬送テーブル15上に並べることができ、検査効率を高めることができる。
【0060】
さらにまた、再検査移載ライン22Aにより、搬送テーブル15の外側の周縁部に位置する球状ワークWを半径方向内側へ再検査のため移載し、この球状ワークWを再度外周側へ転がした後、球状ワークWの外観検査を行なうため球状ワークWの外観を多方向から検査することができる。
【0061】
なお、上記実施の形態において、ワーク検査部18が半径方向に移動可能となる例を示したが、これに限らずワーク検査部18は半径方向に対して固定していても良い。
【0062】
また再検査移載ライン22Aにより、搬送テーブル15の外側の周縁部に位置する球状ワークWを搬送テーブル15の半径方向内側へ再検査のため移載した例を示したが、この再検査移載ライン22Aは必ずしも設置をしなくても良い。
【0063】
さらに再検査移載ライン22Aの減速部として、ワーク供給部11Aの減速部14を兼用した例を示したが、再検査移載ライン22Aの減速部を、ワーク供給部11Aの減速部14と別個独立して設けても良い。
【符号の説明】
【0064】
10 ワーク外観検査装置
11 ワーク収納部
11A ワーク供給部
12 供給エジェクタ
13 チューブ
14 減速部
15 搬送テーブル
16 リング状ストッパ
17 ワーク量測定部
18 ワーク検査部
19 不良品ワーク回収ノズル
19a チューブ
20 減速部
21 不良品ワーク回収カップ
22 ワーク回収ノズル
22A 再検査移載ライン
22a チューブ
23 良品ワーク回収ノズル
23a チューブ
24 減速部
25 良品ワーク回収カップ
26 搬送テーブル駆動機構
28 ワーク検査部駆動機構
30 制御部
W 球状ワーク