【実施例】
【0046】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。ここで「質量部」および「質量%」は、乾燥固形分量あるいは実質成分量の各々「質量部」および「質量%」を表す。塗工層の塗工量は乾燥固形分量を表す。
【0047】
(原紙の作製)
<原紙1>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパイン(登録商標)K903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor(登録商標) U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m
2、塩化カルシウムを片面あたり2.5g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙1を作製した。
【0048】
<原紙2>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m
2、硝酸カルシウムを片面あたり2.5g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙2を作製した。
【0049】
<原紙3>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m
2、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン縮合物(ジェットフィックス36N、里田化工社製)を片面あたり2.5g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙3を作製した。
【0050】
<原紙4>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m
2、硫酸マグネシウムを片面あたり2.5g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙4を作製した。
【0051】
<原紙5>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m
2、ジアリルアミン−アクリルアミド共重合体(SumirezResin(登録商標) 1001、田岡化学工業社製)を片面あたり2.5g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙5を作製した。
【0052】
<原紙6>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m
2、ポリエチレンイミン(エポミン(登録商標)、日本触媒社製)を片面あたり2.5g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙6を作製した。
【0053】
<原紙7>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2、蛍光増白染料(イミダゾール系化合物、Uvitex(登録商標) BAC、CIBA−GEIGY社製)を片面あたり0.25g/m
2、塩化カルシウムを片面あたり2.5g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙7を作製した。
【0054】
<原紙8>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.005g/m
2、塩化カルシウムを片面あたり2.5g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙8を作製した。
【0055】
<原紙9>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.5g/m
2、塩化カルシウムを片面あたり2.5g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙9を作製した。
【0056】
<原紙10>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m
2、塩化カルシウムを片面あたり0.05g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙10を作製した。
【0057】
<原紙11>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m
2、塩化カルシウムを片面あたり0.1g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙11を作製した。
【0058】
<原紙12>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m
2、塩化カルシウムを片面あたり4g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙12を作製した。
【0059】
<原紙13>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m
2、塩化カルシウムを片面あたり5g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙13を作製した。
【0060】
<原紙14>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を最終的な含有量が0.5g/m
2となるよう質量部、塩化カルシウムを最終的な含有量が5g/m
2になるよう質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙14を作製した。
【0061】
<原紙15>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を最終的な含有量が0.5g/m
2となるよう質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2、塩化カルシウムを片面あたり2.5g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙15を作製した。
【0062】
<原紙16>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部、塩化カルシウムを最終的な含有量が5g/m
2となるよう質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙16を作製した。
【0063】
<原紙17>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙17を作製した。
【0064】
<原紙18>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2、塩化カルシウムを片面あたり2.5g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙18を作製した。
【0065】
<原紙19>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙19を作製した。
【0066】
<原紙20>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m
2、塩化ナトリウムを片面あたり2.5g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙20を作製した。
【0067】
<原紙21>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.25g/m
2、アニオン性のアクリル樹脂(ボンコート(登録商標)AN−680、DIC社製)を片面あたり2.5g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙21を作製した。
【0068】
<原紙22>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.003g/m
2、塩化カルシウムを片面あたり2.5g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙20を作製した。
【0069】
<原紙23>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム12質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置でリン酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m
2、蛍光増白染料(スチルベン系化合物、Leucophor U liq、クラリアント社製)を片面あたり0.6g/m
2、塩化カルシウムを片面あたり2.5g/m
2を両面に付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m
2の原紙23を作製した。
【0070】
(重質炭酸カルシウムの調製)
<重質炭酸カルシウム1>
天然の石灰石をジョークラッシャー、ハンマークラッシャー、ローラーミルによって平均粒子径30μm程度までに粗粉砕して、これに水と市販のポリアクリル酸系分散剤を加えて攪拌し、約75質量%の予備分散スラリーとした。この予備分散スラリーをアシザワ・ファインテック社製湿式粉砕機(横型、円柱型粉砕室の寸法:直径約0.5m、長さ約1.3m)を用いて処理した。条件は、ビーズにジルコニア製直径約0.2mmを用い、充填率を83体積%、流量を約15リットル/分、パス回数を16回とした。得られた重質炭酸カルシウムは平均粒子径0.20μmであった。また、スラリー濃度は、55質量%であった。
【0071】
<重質炭酸カルシウム2>
天然の石灰石をジョークラッシャー、ハンマークラッシャー、ローラーミルによって平均粒子径30μm程度までに粗粉砕して、これに水と市販のポリアクリル酸系分散剤を加えて攪拌し、約75質量%の予備分散スラリーとした。この予備分散スラリーをアシザワ・ファインテック社製湿式粉砕機(横型、円柱型粉砕室の寸法:直径約0.5m、長さ約1.3m)を用いて処理した。条件は、ビーズにジルコニア製直径約0.2mmを用い、充填率を83体積%、流量を約15リットル/分、パス回数を24回とした。得られた重質炭酸カルシウムは平均粒子径0.12μmであった。また、スラリー濃度は、52質量%であった。
【0072】
<重質炭酸カルシウム3>
天然の石灰石をジョークラッシャー、ハンマークラッシャー、ローラーミルによって平均粒子径30μm程度までに粗粉砕して、これに水と市販のポリアクリル酸系分散剤を加えて攪拌し、約75質量%の予備分散スラリーとした。この予備分散スラリーをアシザワ・ファインテック社製湿式粉砕機(横型、円柱型粉砕室の寸法:直径約0.5m、長さ約1.3m)を用いて処理した。条件は、ビーズにジルコニア製直径約0.2mmを用い、充填率を83体積%、流量を約15リットル/分、パス回数を12回とした。得られた重質炭酸カルシウムは平均粒子径0.28μmであった。また、スラリー濃度は、55質量%であった。
【0073】
<重質炭酸カルシウム4>
天然の石灰石をジョークラッシャー、ハンマークラッシャー、ローラーミルによって平均粒子径30μm程度までに粗粉砕して、これに水と市販のポリアクリル酸系分散剤を加えて攪拌し、約75質量%の予備分散スラリーとした。この予備分散スラリーをアシザワ・ファインテック社製湿式粉砕機(横型、円柱型粉砕室の寸法:直径約0.5m、長さ約1.3m)を用いて処理した。条件は、ビーズにジルコニア製直径約0.2mmを用い、充填率を83体積%、流量を約15リットル/分、パス回数を34回とした。得られた重質炭酸カルシウムは平均粒子径0.07μmであった。また、スラリー濃度は、50質量%であった。
【0074】
<重質炭酸カルシウム5>
天然の石灰石をジョークラッシャー、ハンマークラッシャー、ローラーミルによって平均粒子径30μm程度までに粗粉砕して、これに水と市販のポリアクリル酸系分散剤を加えて攪拌し、約75質量%の予備分散スラリーとした。この予備分散スラリーをアシザワ・ファインテック社製湿式粉砕機(横型、円柱型粉砕室の寸法:直径約0.5m、長さ約1.3m)を用いて処理した。条件は、ビーズにジルコニア製直径約0.2mmを用い、充填率を83体積%、流量を約15リットル/分、パス回数を8回とした。得られた重質炭酸カルシウムは平均粒子径0.40μmであった。また、スラリー濃度は、60質量%であった。
【0075】
<重質炭酸カルシウムの平均粒子径の測定>
上記の重質炭酸カルシウムの平均粒子径は以下の方法で求めた。塗工層に配合した重質炭酸カルシウムの粒度分布を、日機装社製レーザー回折・散乱式粒度分布測定器Microtrac MT3300EXIIを用い、以下の測定条件で求めた。
溶媒 :水
粒子屈折率 :1.65
粒子形状 :非球形
粒度分布結果から、白色顔料の粒子径に関する体積を基準とした粒度分布曲線を作成し、測定器に付属する解析手段によって平均粒子径を求めた。
【0076】
<最外塗工層塗工液の調製>
最外塗工層塗工液は、下記の内容により調製した。
炭酸カルシウム 種類および配合部数は表1に記載
その他の白色顔料 種類および配合部数は表1に記載
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス 10質量部
ポリビニルアルコール 5質量部
着色剤 種類および配合部数は表1に記載
上記の内容で配合し、水で混合・分散して、固形分濃度48質量%に調整した。
【0077】
【表1】
【0078】
表1に示した重質炭酸カルシウム以外の白色顔料は、以下の通りである。
軽質炭酸カルシウム1(Brilliant(登録商標)−15、白石カルシウム社製、平均粒子径0.15μm)
軽質炭酸カルシウム2(Socal(登録商標) P2、イメリス社製、平均粒子径0.29μm)
軽質炭酸カルシウム3(白艶華(登録商標)CCR、白石カルシウム社製、平均粒子径0.08μm)
カオリンA(HG90、ヒューバー社製、平均粒子径0.19μm)
カオリンB(カオファイン90、白石カルシウム社製、平均粒子径1.10μm)
【0079】
また、表1に示した着色剤は、以下の通りである。
紫色顔料(TB−2505 Violet 3R、大日精化工業社製)
青色顔料(TB−1525 Blue G、大日精化工業社製)
紫色染料(Kayafect(登録商標) Violet P Liquid、日本化薬社製)
青色染料(Kayafect Blue F Liquid400、日本化薬社製)
黒色顔料(TB−510 Black TR、大日精化工業社製)
黄色顔料(TB−500 Yellow R、大日精化工業社製)
【0080】
<印刷用塗工紙>
印刷用塗工紙を以下の手順にて作製した。
原紙に最外塗工層塗工液をブレードコーターにて両面塗工し、その後に乾燥した。さらに乾燥後に、カレンダー処理を施した。最外塗工量は、片面あたり15g/m
2とした。
【0081】
<発色性の評価>
SCREENグラフィックソリューションズ社製のインクジェット印刷機Truepress Jet520を用い、水性染料インクにて印刷速度:64m/分の条件で6000m、評価画像を印刷した。評価画像は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色およびブラックを除く他の3色インクによる2重色(レッド、グリーン、ブルー)の計7色のベタ画像部パターンを、3cm×3cm四方で横一列に隙間なく配置する画像とした。発色性は、各色ベタ部画像の印刷部分を目視にて観察し、下記の基準にて評価した。本発明において、3〜5の評価であれば、印刷用塗工紙は発色性を有するものとする。
5:色濃度および色鮮やかさが共に良好である。
4:色濃度または色鮮やかさが「5」より劣るけれど概ね良好である。
3:色濃度および色鮮やかさが実用的に問題ない。
2:色濃度または色鮮やかさが「3」より劣り、実用上問題である。
1:色濃度および色鮮やかさが共に劣り、実用上問題である。
【0082】
<裏抜け抑制性の評価>
SCREENグラフィックソリューションズ社製のインクジェット印刷機Truepress Jet520を用い、水性染料インクにて印刷速度:64m/分の条件で6000m、ブラックの10cm×10cm四方のベタ部画像を任意に配置した評価画像を印刷した。ベタ部画像の印刷部の反対面側からJIS P 8148で規定された白色度測定方法を用いて白色度の測定を行い、「印刷のない白色部の白色度(光学%)」−「ブラックベタ部画像の印刷部の白色度(光学%)」で、印刷用塗工紙のインクの裏抜けを下記の基準にて評価した。白色度の測定は、日本電色工業社製の分光白色度・色差計PF−10を用いて、標準板の上にサンプルを一枚乗せ、UVカットの条件で行った。本発明において、3〜5の評価であれば、印刷用塗工紙は裏抜け抑制性を有するものとする。
5:10光学%未満。
4:10光学%以上、13光学%未満。
3:13光学%以上、16光学%未満。
2:16光学%以上、19光学%未満。
1:19光学%以上。
【0083】
<耐黄変性の評価>
印刷用塗工紙を、キセノン光照射試験機(アトラス社製Ci−4000)にて、温度40℃湿度50%RH条件下、放射強度0.5W/m
2で24時間照射した。照射前後について印刷用塗工紙のb
*値の測定を行った。耐黄変性は、照射前後のb
*値の差(Δb
*)を求め、下記の基準にて評価した。b
*値の測定は、日本電色工業社製の分光白色度・色差計PF−10を用いて、UVインの条件で行った。本発明において、3〜5の評価であれば、印刷用塗工紙は耐黄変性を有するものとする。
5:Δb
* 0.5未満。
4:Δb
* 0.5以上、1.0未満。
3:Δb
* 1.0以上、1.5未満。
2:Δb
* 1.5以上、3.0未満。
1:Δb
* 3.0以上。
【0084】
評価結果を表1に示す。
【0085】
表1から、本発明に該当する実施例1〜34は、発色性、裏抜け抑制性および耐黄変性を有する、ことが分かる。一方、本発明の構成を満足しない比較例1〜19は、これら効果の少なくとも1つを有することができない、ことが分かる。
主に、実施例1〜3と実施例4および5との対比、並びに実施例16と実施例18との対比から、最外塗工層の平均粒子径0.1μm以上0.3μm以下である炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウムが好ましいと分かる。
主に、実施例1と実施例25、33および34との対比から、最外塗工層の着色剤は、紫色顔料および青色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましいと分かる。