(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の加熱調理器の好適な実施の形態について図面を用いて説明する。尚、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図面における各構成部材の大きさ及び形状は、説明のためにわかりやすく表しており、実際の大きさ及び形状と異なる場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の斜視図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の分解斜視図である。加熱調理器1は、本体10と、トッププレート20と、フレーム30を有している。本体10は矩形の形状を有している。トッププレート20は本体10の上方に配設され、フレーム30に保持されている。トッププレート20は矩形の形状を有している。トッププレート20には、第1載置部である前側載置部21と、第2載置部である後側載置部22が形成されている。前側載置部21及び後側載置部22は、それぞれ被加熱物が載置される載置部である。前側載置部21は、トッププレート20の前方側であって左側に形成され、後側載置部22は、トッププレート20の後方側であって右側に形成されている。すなわち、前側載置部21と後側載置部22は、トッププレート20の対角線上に形成されている。
【0011】
フレーム30の前方側の縁部には操作部31が配置されている。操作部31には、前側操作ボタン群32、後側操作ボタン群33、電源ボタン34、及びタイマーボタン群37等が設けられている。前側操作ボタン群32は、前側載置部21における加熱条件等を操作するための複数の操作ボタンからなり、後側操作ボタン群33は、後側載置部22における加熱条件等を操作するための複数の操作ボタンからなっている。電源ボタン34は、加熱調理器1の電源をON及びOFFするための操作ボタンである。タイマーボタン群37により、各載置部の加熱時間を設定することができる。フレーム30の後方側の縁部において、右側の領域に排気口35が形成されている。フレーム30の後方側の縁部には、排気カバー36が排気口35を覆うように取り付けられている。
【0012】
トッププレート20において、前方側の縁部と右側の縁部とが交差する角部に、表示部40が設けられている。すなわち、表示部40は、前側載置部21及び後側載置部22が形成されていない領域に設けられている。タイマーボタン群37の操作に応じて表示される各載置部の加熱残り時間は、表示部40を介して視認される。
【0013】
図3は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の本体の外郭ケースの斜視図である。外郭ケース300は上面が開口している箱形の形状を呈している。外郭ケース300は、矩形の底面301と、前側面302と、後側面303と、右側面304と、左側面305とを有している。前側面302は、底面301の前方側の縁部に沿って上方向に向かって立設されている。後側面303は、底面301の後方側の縁部に沿って上方向に向かって立設されている。右側面304は、底面301の右側の縁部に沿って上方向に向かって立設されている。左側面305は、底面301の左側の縁部に沿って上方向に向かって立設されている。後側面303には後方に延びるフランジ306が形成されている。
【0014】
排気口35は、フランジ306において右半分の領域に形成されている。底面301の右側の後方の領域に吸気口307が形成されている。後側面303において、右半分の領域にスリット308が形成されている。スリット308は複数の長穴で構成されている。スリット308の複数の長穴は、長手方向が上下方向に沿うよう形成されており、横方向に沿って上下に2列配置されている。本実施の形態において、吸気口307、スリット308、及び排気口35は、外郭ケース300の右側の後方の領域に集められて位置決めされている。
【0015】
図4は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の本体の外郭ケースの分解斜視図である。後側面303と右側面304が交差するコーナーにはL字型の補強金具309が取り付けられている。後側面303と左側面305が交差するコーナーにはL字型の補強金具310が取り付けられている。後側面303の後方には後部ケース311が取り付けられている。後部ケース311はスリット308とオーバーラップしている。
【0016】
図5は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の内部構造を示す平面図である。
図5は、トッププレート20と操作部31を取り外した状態を示している。本体10の外郭ケース300の内部には、第1加熱コイル51と、第2加熱コイル52と、表示ユニット41と、操作基板42と、操作ボタン群43と、駆動回路基板カバー67と、電源回路基板カバー73が設けられている。第1加熱コイル51は、第1加熱手段であり、誘導加熱コイルである。第2加熱コイル52は、第2加熱手段であり、誘導加熱コイルである。駆動回路基板カバー67は、第1基板カバーであり、電源回路基板カバー73は、第2基板カバーである。第1加熱コイル51の最大火力は第2加熱コイル52の最大火力よりも大きい。第1加熱コイル51は、トッププレート20の裏面側において、上述の前側載置部21の下方に配置されている。第2加熱コイル52は、トッププレート20の裏面側において、上述の後側載置部22の下方に配置されている。第1加熱コイル51は、外郭ケース300内の前方側であって左側に配置され、第2加熱コイル52は、外郭ケース300内の後方側であって右側に形成されており、第1加熱コイル51と第2加熱コイル52は、外郭ケース300の対角線上に配置されている。また、電源回路基板カバー73は、外郭ケース300内の後方側であって左側に配置されており、第1加熱コイル51及び第2加熱コイルが配置されていない領域に配置されている。
【0017】
第1加熱コイル51及び操作基板42は、駆動回路基板カバー67の上面に取り付けられている。駆動回路基板カバー67の上面には、遮熱壁68が設けられている。電源回路基板カバー73の上面には風路壁74が設けられている。太矢印Y8は、本体10内における風の流れを示している。駆動回路基板カバー67、遮熱壁68、電源回路基板カバー73、風路壁74、及び太矢印Y8で示される風の流れについては後述する。
【0018】
図6は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の内部構造を示す平面図である。外郭ケース300の底面301の表面において、前側には駆動回路基板取付板60が設けられている。底面301の表面において、後側には電源回路基板取付板70とファン取付板80が設けられている。電源回路基板取付板70は左側に位置し、ファン取付板80は右側に位置している。電源回路基板取付板70とファン取付板80は一体化している。外郭ケース300の上下方向において、ファン取付板80は電源回路基板取付板70よりも、上側に位置している。電源回路基板取付板70とファン取付板80の間には、電源回路基板取付板70からファン取付板80へ向けて上方向に傾斜している斜面部90が形成されている。駆動回路基板取付板60は、第1基板取付板であり、電源回路基板取付板70は、第2基板取付板である。
【0019】
電源回路基板取付板70の上面には電源回路基板71が取り付けられている。電源回路基板71は、加熱調理器1に電源を供給するものである。電源回路基板71にはノイズフィルタ72が実装されている。
図5を参照して上述したように、第1加熱コイル51は、外郭ケース300内の前方側であって左側に配置され、第2加熱コイル52は、外郭ケース300内の後方側であって右側に形成されている。そして、電源回路基板取付板70は外郭ケース300の底面301において、後方側の左側に位置している。従って、ノイズフィルタ72が実装されている電源回路基板71は、本体10内において、第1加熱コイル51及び第2加熱コイル52が配置されていない領域に配置されている。ファン取付板80の上面にはファン搭載部81が取り付けられている。ファン搭載部81には円形の開口部82が形成されている。ファン搭載部81は、開口部82が上述の外郭ケース300の底面301に形成されている吸気口307の上方に位置するよう、配置されている。ファン搭載部81には後述のシロッコファンが搭載される。
【0020】
駆動回路基板取付板60の上面には、駆動回路基板61が取り付けられている。駆動回路基板61は、第1加熱コイル51及び第2加熱コイル52の駆動回路が実装されている駆動回路基板である。駆動回路基板61の上面には、第1電子部品グループ91と第2電子部品グループ92と仕切板66が搭載されている。第1電子部品グループ91は、上述の第1加熱コイル51を周波数駆動するインバーター素子62と、インバーター素子62が発する熱を放熱するための第1放熱フィン群63とを有している。インバーター素子62は第1駆動手段であり、第1放熱フィン群63は第1放熱部材である。第2電子部品グループ92は、上述の第2加熱コイル52を周波数駆動するインバーター素子64と、インバーター素子64が発する熱を放熱するための第2放熱フィン群65とを有している。インバーター素子64は第2駆動手段であり、第2放熱フィン群65は第2放熱部材である。
【0021】
第1電子部品グループ91及び第2電子部品グループ92は、駆動回路基板61の前後方向の略中央、かつ左右方向のファン搭載部81寄りに位置決めされている。第1電子部品グループ91は、第2電子部品グループ92よりも、ファン搭載部81により近い側に位置している。換言すると、第2電子部品グループ92は、第1電子部品グループ91よりも、ファン搭載部81からより遠い側に位置している。仕切板66は、第1電子部品グループ91と第2電子部品グループ92との間に配置されている。仕切板66は絶縁部材で構成されている。
【0022】
図7は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の内部構造を示す斜視図である。
図7は、
図5に示されている第1加熱コイル51、第2加熱コイル52、表示ユニット41、操作基板42、及び操作ボタン群43を取り外した状態を示している。電源回路基板カバー73は、
図6に示されている電源回路基板取付板70の上に配置されており、
図6に示されている電源回路基板71を覆っている。電源回路基板カバー73と電源回路基板取付板70とで、第2ダクト170が構成されている。電源回路基板カバー73の前側部には風が流入する送入口731が形成され、右側部には風が送り出される送出口732が形成されている。すなわち、第2ダクト170において、送入口731から送り込まれ、送出口732から送り出される風の風路上に、電源回路基板71が位置している。
【0023】
電源回路基板カバー73の上面に立設されている風路壁74は、円弧状の形状を呈している。風路壁74は、一方の端部が電源回路基板カバー73の左側部の略中央に位置し、他方の端部が電源回路基板カバー73の後側部と右側部とが交差する角部に位置しており、外郭ケース300の外側に向けて膨らむように湾曲している。
【0024】
ファン搭載部81には遠心ファンであるシロッコファン83が搭載されている。シロッコファン83は、風が水平方向に送り出されるよう配置されている。また、シロッコファン83は、外郭ケース300に対して、回転方向Rとは逆方向に回転させた姿勢で、ファン搭載部81に取り付けられている。
【0025】
駆動回路基板カバー67は、
図6に示されている駆動回路基板取付板60の上に配置されており、
図6に示されている駆動回路基板61を覆っている。駆動回路基板カバー67と駆動回路基板取付板60とで、第1ダクト160が構成されている。
【0026】
図8は、駆動回路基板カバーの裏面を示す図である。
図9は、駆動回路基板カバー67を裏面から示す斜視図である。
図7、
図8、及び
図9を参照しながら、第1ダクト160及び駆動回路基板カバー67について説明する。駆動回路基板カバー67は、本体凸部671とフランジ672とを有している。本体凸部671は、全体として底部が開口している直方体の形状を呈しており、一対の長辺側面部671A及び長辺側面部671Bと、一対の短辺側面部671C及び短辺側面部671Dとを有している。長辺側面部671Aと長辺側面部671Bは互いに略平行に延びている。短辺側面部671Cと短辺側面部671Dは、互いに略平行に延び、かつ長辺側面部671A及び長辺側面部671Bと交差している。フランジ672は、本体凸部671の長辺側面部671Bと、短辺側面部671Cと、と短辺側面部671Dとに形成されている。駆動回路基板カバー67は、フランジ672が形成されていない長辺側面部671Aが前方に位置するよう、駆動回路基板取付板60に取り付けられている。
【0027】
本体凸部671には風が流入する送入口673と、風が送り出される送出口674とが設けられている。送入口673は、長辺側面部671Aが短辺側面部671Cと交差する角部において、長辺側面部671Aに形成されている。送出口674は、長辺側面部671Aが短辺側面部671Dと交差する角部において、長辺側面部671Aに形成されている。
【0028】
本体凸部671には、開口部である複数の冷却風穴100が形成されている。複数の冷却風穴100は、
図7に示されるように、駆動回路基板カバー67が駆動回路基板61に取り付けられている状態において、第2ダクト170が配置されている側の半分の領域に形成されている。複数の冷却風穴100の大きさは一定ではなく、互いの距離も一定ではない。すなわち、本体凸部671には、大小様々な複数の冷却風穴100が点在している。
【0029】
本体凸部671の表面には、上述の円弧状の遮熱壁68が立設され、複数の操作基板受け69が設けられている。遮熱壁68は、
図5に示されるように第1加熱コイル51の外周縁の一部に沿うように湾曲している。
図5に示す操作基板42は、操作基板受け69を介して本体凸部671の表面に取り付けられている。
【0030】
再び
図8及び
図9を参照すると、本体凸部671の裏面には、第1仕切壁101と、第2仕切壁102と、第3仕切壁103と、第4仕切壁104が立設されている。第1仕切壁101は、送入口673から流入する風の風路上に配置されている。第1仕切壁101は、直線部101Aと円弧部101Bとを有している。直線部101Aは、短辺側面部671Cと平行に延びている。円弧部101Bは、直線部101Aと連続しており、長辺側面部671Bと短辺側面部671Cが交差する角部に向かって膨らむように湾曲している。
【0031】
第2仕切壁102は、短辺側面部671Cから、本体凸部671の内方に向かう方向へ、長辺側面部671A及び長辺側面部671Bと略平行に延びている。第2仕切壁102は、長辺側面部671Aと長辺側面部671Bとの間において、長辺側面部671Bに近い位置に配置されている。
【0032】
第3仕切壁103は、短辺側面部671Cから、本体凸部671の内方側へ向かって突出している。第3仕切壁103は、短辺側面部671Cの送入口673側の部分との角度が鈍角となり、短辺側面部671Cの長辺側面部671B側の部分との角度が鋭角となるよう、形成されている。
【0033】
第4仕切壁104は、L字型の形状を呈しており、第1直線部104Aと第2直線部104Bとを有している。第1直線部104Aは、送入口673よりも本体凸部671のやや内方に位置し、短辺側面部671Cと略平行に延びている。第2直線部104Bは、長辺側面部671A及び長辺側面部671Bと略平行に延びている。すなわち、第2直線部104Bは、第2仕切壁102と略平行に延びている。
【0034】
第1仕切壁101の直線部101Aは、送入口673から流入し、第4仕切壁104の第1直線部104Aと短辺側面部671Cとにより導かれる風の流れを2分割するよう、当該風の風路上に位置している。また、第1仕切壁101の円弧部101Bは、第4仕切壁104の第2直線部104Bと第2仕切壁102との間に位置している。
【0035】
第1ダクト160の送入口673から流入した風の流れは、第1仕切壁101により2方向に分割される。2方向に分割される風の流れの一方は、第4仕切壁104の第1直線部104Aと第1仕切壁101により導かれ、第4仕切壁104の第2直線部104Bに沿って短辺側面部671Dへ向かう流れである。2方向に分割される風の流れの他方は、第1仕切壁101と第3仕切壁103により導かれ、第2仕切壁102に沿って短辺側面部671Dへ向かう流れである。第4仕切壁104の第2直線部104Bに沿って流れる風は、短辺側面部671Dに当たると、送出口674の方向へ導かれる。同様に、第2仕切壁102に沿って流れる風は、短辺側面部671Dに当たると、送出口674の方向へ導かれる。以上の態様で、第1ダクト160において、送入口673から流入した風は、送出口674から送り出される。
【0036】
図7に示すように、第1ダクト160は、送入口673がシロッコファン83の側に位置し、送出口674が第2ダクト170の側に位置するよう、外郭ケース300内において配置されている。すなわち、第1ダクト160は、シロッコファン83から送出される風を駆動回路基板61に導くダクトである。そして、第2ダクト170は、送入口731が第1ダクト160の送出口674に対向するよう、外郭ケース300内において配置されている。従って、上述の態様で第1ダクト160の送出口674から送り出された風は、第2ダクト170の送入口731に送り込まれる。
【0037】
図10は、駆動回路基板カバーの一部を切り欠いて示す図である。
図10は、太線枠Xで示す部分で駆動回路基板カバー67の一部を切り欠いている。そして、
図10は、駆動回路基板カバー67が駆動回路基板61に取り付けられた状態における、駆動回路基板61に搭載されている部品と駆動回路基板カバー67の本体凸部671の裏面に設けられている部材との相対的位置関係を示している。
図11は、
図10の太線枠X内を拡大して示す図である。
【0038】
第1仕切壁101は、仕切板66及び第1電子部品グループ91よりも、第1ダクト160の送入口673に近い側に位置するよう、上述の本体凸部671の裏面に位置づけられている。第1ダクト160に流入した風が当たる方向において、第1仕切壁101の円弧部101Bの仕切板66側の端部と、仕切板66の第1仕切壁101の円弧部101B側の端部とが重なり合っており、互いに当接している。円弧部101Bの仕切板66側の端部は、仕切板66の円弧部101B側の端部よりも、第1ダクト160の送入口673に近い位置に位置している。
【0039】
第2仕切壁102は、仕切板66と平行に延びるよう、本体凸部671の裏面に設けられている。また、第2仕切壁102は、仕切板66及び第1電子部品グループ91よりも第1ダクト160の送入口673から遠い位置に位置するよう、本体凸部671の裏面に位置づけられている。
【0040】
以上の構成により、第1ダクト160内において、送入口673から流入した風の一部は、第1仕切壁101に導かれ、次いで仕切板66に導かれ、第1電子部品グループ91に導かれる。また、送入口673から流入した風の一部は、第1仕切壁101、第2仕切壁102、及び第3仕切壁103により、第2電子部品グループ92に導かれる。
【0041】
図12は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の内部構造を示す平面図である。
図12は、トッププレート20とフレーム30と駆動回路基板カバー67と電源回路基板カバー73を取り外した状態を示している。
図13は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の内部構造を示す斜視図である。
図13は、
図7と同様の斜視図であり、加熱調理器1の本体10内における冷却風の流れを示している。ここで、
図5、
図12及び
図13を参照しながら、加熱調理器1の本体10内における冷却風の流れについて説明する。
図13において、点線の太矢印Y1、Y2、及びY3は、第1ダクト160内の冷却風の流れを示している。
図13において、点線の太矢印Y4は、第2ダクト170内の冷却風の流れを示している。
【0042】
図12及び
図13に示されるように、シロッコファン83を細矢印で示す回転方向Rに回転させると、シロッコファン83は、
図6に示す吸気口307から外気を吸気し、冷却風を送出する。上述のように、シロッコファン83は、外郭ケース300に対して、回転方向Rとは逆方向に回転させた姿勢でファン搭載部81に取り付けられている。この構成により、シロッコファン83が回転方向Rに回転することにより発生する冷却風は、太矢印Y1で示すように、第1ダクト160の送入口673に向かって送出される。
【0043】
第1ダクトと160の送入口673に流入した冷却風は、
図8及び
図9を参照して説明したように、太矢印Y2で示されるように、駆動回路基板カバー67の短辺側面部671Dに向かう方向へ導かれる。すなわち、送入口673に流入した冷却風は、シロッコファン83の冷却風の送出方向と交差する方向であって、本体10の内方へ向かう方向に導かれる。そして、シロッコファン83の回転方向Rは、送入口673に流入した冷却風が、シロッコファン83の冷却風の送出方向と交差する方向であって、本体10の内方へ向かう曲がりの方向と同一となっている。
【0044】
次いで、短辺側面部671Dに向かう方向へ導かれた冷却風の一部は、
図8及び
図9を参照して説明したように、短辺側面部671Dに当たり、太矢印Y3で示すように送出口674の方向へ導かれる。すなわち、冷却風は、シロッコファン83の冷却風の送出方向の逆方向に導かれる。
【0045】
次いで、第1ダクト160の送出口674から送り出された冷却風は、第2ダクト170の送入口731に流入する。送入口731に流入した冷却風は、電源回路基板カバー73の後側面に当たり、太矢印Y4で示されるように、送出口732からシロッコファン83が位置する方向へ送り出される。
【0046】
次いで、送出口732から送り出された冷却風は、太矢印Y5で示されるように、斜面部90によりシロッコファン83へ導かれる。シロッコファン83へ導かれた冷却風は、太矢印Y6で示されるように、スリット308を通過し、太矢印Y7で示されるように、排気口35から外方へ排出される。
【0047】
以上のように、本実施の形態において、シロッコファン83から送出される冷却風は、駆動回路基板カバー67と駆動回路基板61とで形成される第1ダクト160により、駆動回路基板カバー67の送出口674へ導かれる。そして、駆動回路基板カバー67の送出口674から送り出された冷却風は、電源回路基板カバー73と電源回路基板71とで形成される第2ダクト170により、シロッコファン83へ送出される。すなわち、第1ダクト160により、シロッコファン83から送出される冷却風をシロッコファン83の送出方向と交差する方向であって本体10の内方へ向かう方向に導き、冷却風をシロッコファン83の送出方向の逆方向に導く風路が形成されている。そして、シロッコファン83の送出方向の逆方向に導かれた冷却風をシロッコファン83が設けられている方向へ送出する風路が、第2ダクト170により形成されている。そして、第1ダクト160及び第2ダクト170が形成している風路では、第1ダクト160において駆動回路基板61が位置し、第2ダクト170において電源回路基板71が位置している。これにより、駆動回路基板61に実装されている第1電子部品グループ91と第2電子部品グループ92、及び電源回路基板71の実装部品が冷却される。
【0048】
一方、短辺側面部671Dに向かう方向へ導かれた冷却風の一部は、駆動回路基板カバー67の本体凸部671に設けられた複数の冷却風穴100を介して駆動回路基板カバー67の上方へ流れ出る。上述のように、第1加熱コイル51は駆動回路基板カバー67の表面に取り付けられている。これにより第1加熱コイル51の底面が冷却される。駆動回路基板カバー67の上方へ流れ出た冷却風は、
図5において太矢印Y8で示されるように、風路壁74に導かれて、第2加熱コイル52へ導かれる。これにより、第2加熱コイル52の底面が冷却される。この風路には、第1加熱コイル51と第2加熱コイル52が位置している。そして、第2加熱コイル52の底面を冷却した冷却風は、太矢印Y6で示されるように、スリット308を通過し、太矢印Y7で示されるように、排気口35から外方へ排出される。
【0049】
以上のように、本実施の形態1によれば、第1電子部品グループ91は、仕切板66よりもシロッコファン83から送出される風が流入する第1ダクト160の送入口673に近い側に配置されている。そして、駆動回路基板カバー67の本体凸部671の裏面に立設された第1仕切壁101と仕切板66とにより、第1ダクト160に流入した風の一部が第1電子部品グループ91に導かれるよう構成されている。従って、仕切板66の反対側における電子部品の実装の有無にかかわらず、第1電子部品グループ91に冷却風を導くことができ、第1電子部品グループ91の冷却効率を維持することができる。その結果、複数の加熱手段のうちの一方である第2加熱コイル52が仮に他のタイプの加熱手段であったとしても、第1加熱コイル51の冷却のための構成を変える必要はない。
【0050】
本実施の形態1によれば、駆動回路基板カバー67の本体凸部671の裏面に第2仕切壁102が立設されている。そして、第1仕切壁101と第2仕切壁102とにより、第1ダクト160に流入した冷却風の一部が、仕切板66を挟んで第1電子部品グループ91が配設されている側の反対側に導かれる。従って、仕切板66の両側にそれぞれ冷却風を導くことができる。その結果、仕切板66の反対側における電子部品の実装の有無にかかわらず、第1電子部品グループ91に冷却風を導くことができ、第1電子部品グループ91の冷却効率を維持することができる。
【0051】
第1ダクト160に流入した風が当たる方向において、第1仕切壁101の円弧部101Bの仕切板66側の端部と、仕切板66の第1仕切壁101の円弧部101B側の端部とが重なり合っており、互いに当接している。従って、第1ダクト160に流入し、第1電子部品グループ91へ導かれる冷却風の一部が、仕切板66の反対側に漏れることが防止される。その結果、第1電子部品グループ91の冷却効率を維持することができる。
【0052】
さらに、第1仕切壁101の円弧部101Bの仕切板66側の端部は、仕切板66の円弧部101B側の端部よりも、第1ダクト160の送入口673に近い位置に位置している。従って、第1ダクト160に流入し、第1電子部品グループ91へ導かれる冷却風の風圧が大きくなっても、円弧部101Bの仕切板66側の端部が送入口673から遠ざかる方向へ変位することが、仕切板66により防止される。その結果、第1電子部品グループ91の冷却効率を維持することができる。
【0053】
第1加熱コイル51の最大火力は第2加熱コイル52の最大火力よりも大きい。従って、第1電子部品グループ91の冷却効率が維持されることにより、第1電子部品グループ91のインバーター素子62の寿命を延ばすことができる。
【0054】
実施の形態2.
図14は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の内部構造を示す平面図である。
図14において、実施の形態1と同様の部材には同一の符号が付されている。本実施の形態2では、第2加熱手段として電熱ヒーター53が設けられている。その他の構成は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0055】
図15は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の内部構造を示す斜視図である。
図15は、第1加熱コイル51、電熱ヒーター53、操作基板42、操作ボタン群43、駆動回路基板カバー67、及び電源回路基板カバー73を取り外した状態が示されている。
図16は、駆動回路基板カバー67の一部を切り欠いて示す図である。
図16は、太線枠Yで示す部分で駆動回路基板カバー67の一部を切り欠いている。そして、
図16は、駆動回路基板カバー67が駆動回路基板61に取り付けられた状態における、駆動回路基板61に搭載されている部品と駆動回路基板カバー67の本体凸部671の裏面に設けられている部材との相対的位置関係を示している。
【0056】
図15及び
図16において、実施の形態1と同様の部材には同一の符号が付されている。本実施の形態2において、第2加熱手段は電熱ヒーターであるため、駆動回路基板61には、実施の形態1の第2電子部品グループ92に相当する部材は実装されていない。すなわち、仕切板66において、第1電子部品グループ91が配置されている側の反対側には、電子部品が実装されていない。
図15及び
図16には、電子部品グループを取り付けるための受部57が露出した状態が示されている。
【0057】
図16に示されるように、本実施の形態2において、駆動回路基板61には、電熱ヒーター53を駆動するトライアック54と、トライアック54が発する熱を放熱するための放熱部材55が設けられている。トライアック54は第2駆動手段であり、放熱部材55は第2放熱部材である。トライアック54及び放熱部材55は、駆動回路基板61において、第2仕切壁102よりも仕切板66から遠い位置に配置されている。
【0058】
また、駆動回路基板61には、遮蔽板56が設けられている。遮蔽板56は、第1ダクト160に流入した冷却風が、仕切板66を挟んで第1電子部品グループ91が配設されている側の反対側へ導かれるのを防止するためのものである。遮蔽板56は、仕切板66と第2仕切壁102とにより形成されている風路上において、仕切板66の第1仕切壁101側の端部の側に配置されている。その他の構成は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0059】
本実施の形態2によれば、実施の形態1と同様、第1電子部品グループ91に導かれるは、仕切板66よりもシロッコファン83から送出される風が流入する第1ダクト160の送入口673に近い側に配置されている。そして、駆動回路基板カバー67の本体凸部671の裏面に立設された第1仕切壁101と仕切板66とにより、第1ダクト160に流入した風の一部が第1電子部品グループ91に導かれるよう構成されている。従って、仕切板66の反対側における電子部品の実装の有無にかかわらず、第1電子部品グループ91に冷却風を導くことができ、第1電子部品グループ91の冷却効率を維持することができる。その結果、複数の加熱手段のうちの一方である電熱ヒーター53が仮に他のタイプの加熱手段であったとしても、第1加熱コイル51の冷却のための構成を変える必要がなくなる。
【0060】
本実施の形態2では、仕切板66を挟んで第1電子部品グループ91が配設されている側の反対側において電子部品が未実装であり、風が流れやすくなっている。しかしながら、本実施の形態2では、遮蔽板56が設けられている。従って、冷却風が仕切板66を挟んで第1電子部品グループ91が配設されている側に流れることが防止される。その結果、第1電子部品グループ91の冷却効率を維持することができる。
【0061】
また、遮蔽板56は、仕切板66と第2仕切壁102とにより形成されている風路上において、仕切板66の第1仕切壁101側の端部の側に配置されている。従って、仕切板66を挟んで第1電子部品グループ91が配設されている側への冷却風の流れを、より効率的に防止することができる。その結果、第1電子部品グループ91の冷却効率をより確実に維持することができる。
【0062】
第1加熱コイル51の最大火力は電熱ヒーター53の最大火力よりも大きい。従って、第1電子部品グループ91の冷却効率が維持されることにより、第1電子部品グループ91のインバーター素子62の寿命を延ばすことができる。