特許第6879904号(P6879904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6879904透明な、化粧品組成物およびパーソナルケア組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6879904
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】透明な、化粧品組成物およびパーソナルケア組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/19 20060101AFI20210524BHJP
   A61K 8/64 20060101ALI20210524BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20210524BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20210524BHJP
   A61K 8/362 20060101ALI20210524BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20210524BHJP
   A61K 8/65 20060101ALI20210524BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20210524BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20210524BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20210524BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20210524BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20210524BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20210524BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
   A61K8/19
   A61K8/64
   A61K8/60
   A61K8/49
   A61K8/362
   A61K8/81
   A61K8/65
   A61K8/39
   A61K8/86
   A61K8/37
   A61Q5/12
   A61Q1/02
   A61Q19/00
   A61Q5/02
【請求項の数】12
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-512031(P2017-512031)
(86)(22)【出願日】2015年8月28日
(65)【公表番号】特表2017-526692(P2017-526692A)
(43)【公表日】2017年9月14日
(86)【国際出願番号】EP2015069799
(87)【国際公開番号】WO2016034519
(87)【国際公開日】20160310
【審査請求日】2018年6月28日
(31)【優先権主張番号】14183458.0
(32)【優先日】2014年9月3日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590003065
【氏名又は名称】ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【弁理士】
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】カルバート,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】クック,ジョアン・ルイーズ
(72)【発明者】
【氏名】リード,リチャード・マッケンジー
(72)【発明者】
【氏名】サウジー,ハンナ・マリー
(72)【発明者】
【氏名】ワイヤー,ステファン・リー
【審査官】 星 浩臣
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第01733717(EP,A1)
【文献】 特開平06−192049(JP,A)
【文献】 特表平10−503514(JP,A)
【文献】 特表2011−513454(JP,A)
【文献】 特表2007−527877(JP,A)
【文献】 特開平09−118607(JP,A)
【文献】 特表2010−540479(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0081633(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な化粧品組成物またはパーソナルケア組成物であって:
a)ポリマー増粘剤、
b)タンパク質、
c)グルコノラクトン並びにグルコノラクトンと二糖、無機塩および/または二価酸の混合物から選択される活性物質、
d)可溶化剤、
e)pH調整剤、
f)色素
g)水
h)0.01〜5重量%の香料
を含み、
前記可溶化剤が、少なくとも2種の成分を含む混合物を含み、前記混合物が、10から20のHLB値を有する少なくとも1種の高HLB成分と1から10未満のHLB値を有する少なくとも1種の低HLB成分とを含み、
前記色素が、紫、青、赤またはこれらの混合物を含む、組成物。
【請求項2】
前記ポリマー増粘剤が合成ポリマーを含む、請求項1に記載の透明な組成物。
【請求項3】
前記ポリマーがポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸デカジエンクロスポリマーである、請求項2に記載の透明な組成物。
【請求項4】
前記タンパク質が、加水分解ケラチン、加水分解コムギタンパク質、加水分解魚卵、キャビア、加水分解エラスチン、加水分解コラーゲンおよびこれらの混合物から選択される、請求項1から3のいずれかに記載の透明な組成物。
【請求項5】
2から4.5の範囲のpHを有する請求項1から4のいずれかに記載の透明な組成物。
【請求項6】
前記可溶化剤が、コセス−7、PPG−1 PEG−9ラウリルグリコールエーテルおよびPEG−40水素化ヒマシ油の混合物を含む、請求項1から5のいずれかに記載の透明な組成物。
【請求項7】
前記二糖がトレハロースである、請求項1から6のいずれかに記載の透明な組成物。
【請求項8】
前記無機塩が硫酸ナトリウムである、請求項1から7のいずれかに記載の透明な組成物。
【請求項9】
洗い流さないヘアトリートメント組成物である、請求項1から8のいずれかに記載の透明な組成物。
【請求項10】
油、保存料、フレグランス、保湿剤およびこれらの混合物から選択されるさらなる原料を含む、請求項1から9のいずれかに記載の透明な組成物。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項により定義された透明な組成物を基材に適用するステップを含む、前記基材を処理する方法。
【請求項12】
前記基材が皮膚および毛髪から選択される請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明な化粧品組成物またはパーソナルケア組成物、前記組成物により表面を処理する方法、および毛髪のダメージを修復するための透明な化粧品組成物およびパーソナルケア組成物における、添加物、例えば、タンパク質、活性成分および香料の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品組成物およびパーソナルケア組成物は多くの場合、多数の視覚的および機能的属性を有することが要求される。例えば、シャンプーおよびヘアコンディショナー組成物は一般に、毛髪を洗浄および/または整えるこれらの性能に加えて、消費者に訴えるために特性が要求される。
【0003】
澄んだ、透明な組成物は多くの場合、視覚的に望ましいが、シリコーンなどの有益剤を組み込んだ場合、濁りおよび変色などの望ましくない影響を起こさずに製剤化することは困難である。
【0004】
ゲル粒子をヘアトリートメント組成物に組み込み可能であることは公知である。本発明者らの欧州特許第1330228号は、ヘアトリートメント組成物への剪断ゲルの使用を開示している。
【0005】
本発明者らは、タンパク質を透明ゲルに組み込むことにより、経時的なゲルの変色が引き起こされ、香料の組み込みは混濁を引き起こすことを見出した。
【0006】
機能性有益剤を送達することができる、改良された透明な化粧品およびパーソナルケア組成物に対する必要性が依然として存在する。
【0007】
本発明者らは、タンパク質およびフレグランスなどの活性成分を含有する、視覚的完全性を持続したゲルが、少なくとも2種の成分の混合物を含む可溶化剤であって、前記混合物が少なくとも1種の高HLB成分と少なくとも1種の低HLB成分とを含む可溶化剤を使用することによって提供できることを見出した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第1330228号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に従って、第1の態様において、透明な化粧品またはパーソナルケア組成物であって:
a)ポリマー増粘剤、
b)タンパク質、
c)二糖、ラクトン、無機塩、二価酸およびこれらの混合物から選択される活性物質、
d)可溶化剤、
e)pH調整剤、
f)色素
g)水
を含み、
前記可溶化剤が、少なくとも2種の成分を含む混合物を含み、当該混合物が、10から20のHLB値を有する少なくとも1種の高HLB成分と1から10未満のHLB値を有する少なくとも1種の低HLB成分とを含み、
前記色素が紫、青、赤またはこれらの混合物を含む、
組成物が提供される。
【0010】
第2の態様において、本発明は、毛髪に本発明の第1の態様に従った組成物を適用するステップを含む、毛髪を処理する方法を提供する。
【0011】
本発明のさらなる態様は、毛髪のダメージを修復するための、透明な化粧品またはパーソナルケア組成物へのタンパク質、二糖、ラクトン、無機塩、二価酸およびこれらの混合物の使用である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ポリマー系
本発明の化粧品組成物およびパーソナルケア組成物は、全組成物の重量に対して、通常0.1重量%から99重量%、好ましくは0.5重量%から98重量%、最も好ましくは25重量%から85重量%の量で水を含む。
【0013】
本発明の組成物は、組成物のゲル状構造を担う少なくとも1種のポリマー増粘剤をさらに含む。このポリマー増粘剤は、天然のポリマーであっても、合成ポリマーであってもよいが、好ましくは合成ポリマーである。好ましい合成ポリマーとしては、疎水的変性エトキシル化ウレタン(hydrophobically modified ethoxylated urethane)(HEUR)、カルボマー、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋ビニルピロリドンコポリマーおよびビニルメチルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマーが挙げられ、最も好ましくはビニルメチルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマーであり、適切な例としては、例えばAshland Incから入手可能なポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸デカジエンクロスポリマー(PVM/MA無水マレイン酸デカジエンクロスポリマー)である。天然ポリマーとしては、例えば、タンパク質または多糖が挙げられ、好ましくは、カッパ−カラギーナン、ジェラン、ゼラチン、アルギン酸およびこれらの混合物であり、より好ましくは、ジェラン、カッパ−カラギーナンおよびこれらの混合物であり、カッパ−カラギーナンが特に好ましい。
【0014】
ポリマー増粘剤は、単独でゲルを形成してもよく、または例えば、ゲル化発生のために、別のポリマーもしくは金属イオン、例えばアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属などの別の物質の添加を必要としてもよい。ポリマー増粘剤がゲルの形成を引き起こすための条件は、当業者には周知である。
【0015】
本発明のゲル状組成物を形成するためのゲル化は、任意の適切な方法で実施することができる。ゲル化処理は、好ましくは温度処理、化学的ゲル化または結晶化を含む群から選択され、化学的ゲル化が好ましい。任意の所与の事例において選択されるゲル化方法は、最終組成物の原料に依存する。
【0016】
ゲル化ポリマーが、そのゲル形成を温度に依存する場合、温度処理によるゲル化が好ましい。このようなゲル化剤の例としては、Handbook of Hydrocolloids、PhillipsおよびWilliams編、CRC Pressに記載されるように、約40℃未満の温度でゲル化するゼラチン、約45℃未満の温度でゲルを形成する寒天およびゲル化温度がその塩のタイプおよび濃度に依存するカラギーナンまたはジェランが挙げられ、当該文献の内容は参照により本明細書に組み込まれる。熱処理によりゲル化する、またはネットワークを形成するタンパク質もまた、ポリマー系の形成に適切である。
【0017】
ゲル化ポリマーの正確なゲル化温度は、とりわけ、品質、純度、濃度、溶媒特性(添加する溶質および共溶媒など)ならびにpHにより決定されることは理解されると思われる。
【0018】
または、ゲル化ポリマーは、別の成分との相互作用によりゲルを形成することができる。通常、このようなゲル化ポリマーは、液体などの別の相に分散された後で、補助活性成分との相互作用が可能な場合、ゲルを生じる。活性成分は通常金属陽イオンである。
【0019】
または、活性成分は、酸化などの化学反応の結果としてポリマーをゲル化させることがある。このタイプのゲル化ポリマーのさらなる例は、pH変化によりゲル化する種類のポリマー、例えば、それらの等電点未満のpHにおいてゲル化が生じる、または沈殿するポリマーである。
【0020】
ゲル化に金属陽イオンを必要とするポリマーの使用が、通常好ましい。ゲル化は、ゲル化ポリマーと適切な陽イオンを有する塩との組み合わせにより生じさせることができる。陽イオンは、カルシウムおよびカリウムイオンから選択されることが好ましい。カリウムイオンは、例えば,カッパ−カラギーナンのゲル化を引き起こすために使用される。
【0021】
可溶化剤
本発明の化粧品およびパーソナルケア組成物は可溶化剤を含む。可溶化剤は、油を組成物内に組み込み、さらに混濁を低減する。
【0022】
可溶化剤は、少なくとも2種の成分を含む混合物を含み、前記混合物は、10から20のHLB値を有する少なくとも1種の高HLB成分と1から10未満のHLB値を有する少なくとも1種の低HLB成分とを含む。
【0023】
好ましくは、可溶化剤は、2から10、より好ましくは2から4の成分を含み、前記混合物は、10から20のHLB値を有する少なくとも1種の高HLB成分および1から10未満のHLB値を有する少なくとも1種の低HLB成分を含む。
【0024】
高HLB物質は、10から20、好ましくは10から18のHLBを有する。
【0025】
適切な高HLB物質としては、下記が挙げられる:−
PEG−7グリセリルココエート HLB=10
PEG−20アーモンドグリセリド HLB=10
PEG−7グリセリルココエート(HLB10)
コセス−7(HLB 約10)
PEG−25水素化ヒマシ油 HLB 10.8
ステアルアミドMEA HLB=11
ステアリン酸グリセリル(および)ステアリン酸PEG−100 HLB=11
ポリソルベート85 HLB=11
オリーブ油脂肪酸PEG−7 HLB=11
セテアリルグリコシド HLB=11
オレイン酸PEG−8 HLB=11.6
ジステアリン酸ポリグリセリル−3メチルグルコース(Methyglucose)=12
オレス−10 HLB=12.4
オレス−10/ポリオキシ10オレイルエーテルNF HLB=12.4
セテス−10 HLB=12.9
ラウリン酸PEG−8 HLB=13
コカミドMEA HLB=13.5
PEG40水素化ヒマシ油(HLB 14−16)
ポリソルベート60NF HLB=14.9
ポリソルベート60 HLB=14.9
ポリソルベート80 HLB=15
イソステアレス−20 HLB=15
PEG−60アーモンドグリセリド HLB=15
ポリソルベート80NF HLB=15
セスキステアリン酸PEG−20メチルグルコース HLB=15
セテアレス−20 HLB=15.2
オレス−20 HLB=15.3
ステアレス−20 HLB=15.3
ステアレス−21 HLB=15.5
セテス−20 HLB=15.7
イソセテス−20 HLB=15.7
ポリソルベート20 HLB=16.7
ポリソルベート20NF HLB=16.7
ラウレス−23 HLB=16.9
ステアリン酸PEG−100 HLB=18.8
ステアレス−100 HLB=18.8
ラウリン酸PEG−80ソルビタン HLB=19.1
好ましい高HLB物質としては下記が挙げられる:
好ましくはポリソルベート80(HLB15)およびポリソルベート20(HLB16.7)から選択されるモノラウリン酸ソルビタン(ポリソルベート界面活性剤)のポリオキシエチレン誘導体、;
PEG40水素化ヒマシ油(HLB 14−16)
PEG−7グリセリルココエート(HLB10)
コセス−7(HLB 約10)
低HLB物質は、1から10未満、好ましくは1から9.9、好ましくは2から9のHLBを有する。
【0026】
適切な低HLB物質の例としては、下記が挙げられる:−
ジステアリン酸グリコール HLB=1
トリオレイン酸ソルビタン HLB=1.8
イソステアリン酸プロピレングリコール HLB=2.5
ステアリン酸グリコール HLB=2.9
セスキオレイン酸ソルビタン HLB=3.7
ステアリン酸グリセリル HLB=3.8
レシチン HLB=4
オレイン酸ソルビタン HLB=4.3
モノステアリン酸ソルビタンNF HLB=4.7
ステアリン酸ソルビタン HLB=4.7
イソステアリン酸ソルビタン HLB=4.7
ステアレス−2 HLB=4.9
オレス−2 HLB=4.9
ラウリン酸グリセリル HLB=5.2
セテス−2 HLB=5.3
ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30 HLB=5.5
ステアリン酸グリセリルSE HLB=5.8
PPG−1−PEG−9ラウリルグリコールエーテル(HLB 約6)
ステアリン酸ソルビタン(および)ヤシ脂肪酸スクロース HLB=6
ジラウリン酸PEG−4 HLB=6
セスキステアリン酸メチルグルコース HLB=6.6
レシチン HLB(可変)
ジオレイン酸PEG−8 HLB=8
ラウリン酸ソルビタン HLB=8.6
ソルビタンペルオレート(Sorbitan Peroleate)PEG−40 HLB=9
ラウレス−4 HLB=9.7
PPG−ラウレス−5
好ましい低HLB物質としては、オレイン酸ソルビタン、(HL4.3)、PPG−1−PEG−9ラウリルグリコールエーテル、(HLB約6)およびPPG−ラウレス−5が挙げられる。
【0027】
可溶化剤は、コセス−7、PPG−1−PEG−9ラウリルグリコールエーテルおよびPEG−40水素化ヒマシ油の混合物が最も好ましい。適切な可溶化剤は、BASFから入手可能なEumulgin HPS(登録商標)として販売されている。
【0028】
可溶化剤は、全組成物の重量に対して、好ましくは0.1から10重量%、より好ましくは1.0から5重量%、最も好ましくは1.5から2重量%の量で存在する。
【0029】
タンパク質
本発明の化粧品組成物およびパーソナルケア組成物は、タンパク質またはこれらの混合物を含む。好ましくは、タンパク質は、加水分解ケラチン、加水分解コムギタンパク質、加水分解魚卵、キャビア、加水分解エラスチンおよび加水分解コラーゲンから選択される。
【0030】
タンパク質は、全組成物の重量に対して、好ましくは0.1から10重量%、より好ましくは0.1から5重量%、最も好ましくは0.2から2重量%の総量で存在する。
【0031】
活性物質
本発明の化粧品およびパーソナルケア組成物は、ラクトン、二糖、無機塩、二価酸およびこれらの混合物から選択される活性物質、好ましくはラクトン、二糖、無機塩およびこれらの混合物から選択される活性物質を含む。
【0032】
ラクトン
適切なラクトンの例としては、下記が挙げられる:
(a)アルドン酸ラクトン
アルドン酸は、アルドースのアルデヒド基をカルボン酸基に酸化することにより生じるポリヒドロキシ酸であり、その酸は、下記の一般式で表すことができる:
R(CHOH)CH(OH)COOH
(式中、Rは、Hまたはアルキル基(一般には、H)であり、nは、1から6の整数である。)。
【0033】
アルドン酸は、カルボキシル基と1個のヒドロキシル基との間から水1モルを除去することにより、分子内ラクトンを形成する。
【0034】
下記は、代表的なアルドン酸ラクトンである:
2,3−ジヒドロキシプロパン酸ラクトン(グリセリン酸ラクトン);
2,3,4−トリヒドロキシブタン酸ラクトン(立体異性体:エリスロノラクトン、トレオノラクトン);
2,3,4,5−テトラヒドロキシペンタン酸ラクトン(立体異性体:リボノラクトン、アラビノラクトン、キシロノラクトン、リキソノラクトン);
2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキサン酸ラクトン(立体異性体:アロノラクトン、アルトロノラクトン、グルコノラクトン、マンノラクトン、グロノラクトン、イドノラクトン、ガラクトノラクトン、タロノラクトン)、および
2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロキシヘプタン酸ラクトン(立体異性体:アロヘプトノラクトン、アルトロヘプトノラクトン、グルコヘプトノラクトン、マンノヘプトノラクトン、グロヘプトノラクトン、イドヘプトノラクトン、ガラクトヘプトノラクトン、タロヘプトノラクトン)。
【0035】
(b)アルダル酸ラクトン
アルダル酸は、両末端の炭素原子をカルボキシル基に酸化することにより、アルドースから誘導されるポリヒドロキシジカルボン酸であり、その酸は、下記の一般式で表すことができる:
HOOC(CHOH)CH(OH)COOH
(式中、nは、1から4の整数である。)。
【0036】
アルダル酸は、1個のカルボキシル基と1個のヒドロキシル基との間から水1モルを除去することにより、分子内ラクトンを形成する。
【0037】
下記は、代表的なアルダル酸ラクトンである:
2,3−ジヒドロキシブタン−1,4−二酸ラクトン
2,3,4−トリヒドロキシペンタン−1,5−二酸ラクトン(立体異性体:リバロラクトン、アラバロラクトン、キシラロラクトン、リキサロラクトン);
2,3,4,5−テトラヒドロキシヘキサン−1,6−二酸ラクトン(アラロラクトン、アルトラロラクトン、グルカロラクトン、マンナロラクトン、グルカル酸(gularic acid)およびグラロラクトン、イダロラクトン、ガラクタロラクトン、タラロラクトン);
2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘプタン−1,7−二酸ラクトン(立体異性体:アロヘプタロラクトン、アルトロヘプタロラクトン、グルコヘプタロラクトン、マンノヘプタロラクトン、グロヘプタロラクトン、イドヘプタロラクトン、ガラクトヘプタロラクトン、タロヘプタロラクトン)。
【0038】
(c)アルドウロン酸
アルドウロン酸は、アルドースのアルコール基をカルボン酸基に酸化することにより生じるポリヒドロキシ酸であり、下記の一般式で表すことができる:
HOOC(CHOH)CH(OH)CHO
(式中、nは、1から4の整数である。)。
【0039】
多くのアルドウロン酸は、カルボキシル基と1個のヒドロキシル基との間から水1モルを除去することにより、分子内ラクトンを形成する。
【0040】
下記は、代表的なアルドウロン酸ラクトンである:
リブロノラクトン(riburonolactone)、アラブロノラクトン(araburonolactone)、キシルロノラクトン(xyluronolactone)、リキスロノラクトン(lyxuronolactone)、アルロノラクトン(alluronolactone)、アルトルロノラクトン(altruronolactone)、グルクロノラクトン(glucuronolactone)、マンヌロノラクトン(mannuronolactone)、グルロノラクトン(guluronolactone)、イズロノラクトン(iduronolactone)、ガラクツロノラクトン(galacturonolactone)、タルロノラクトン(taluronolactone)、アロヘプツロノラクトン(allohepturonolactone)、アルトロヘプツロノラクトン(altrohepturonolactone)、グルコヘプツロノラクトン(glucohepturonolactone)、マンノヘプツロノラクトン(mannohepturonolactone)、グロヘプツロノラクトン(gulohepturonolactone)、イドヘプツロノラクトン(idohepturonolactone)、ガラクトヘプツロノラクトン(galactohepturonolactone)およびタロヘプツロノラクトン(talohepturonolactone)。
【0041】
(d)アルドビオン酸
アルドビオン酸は、ビオン酸としても知られ、通常、エーテル結合を介してアルドン酸に化学結合された単糖を1個含む。アルドビオン酸は、ラクトースから生じるラクトビオン酸のように、二糖または二量体炭水化物の酸化形態として記載することもできる。
【0042】
ほとんどのアルドビオン酸において、単糖の1位にある炭素は、アルドン酸の異なる位置にあるヒドロキシル基に化学結合されている。したがって、2つのそれぞれ同一の単糖およびアルドン酸から異なるアルドビオン酸または立体異性体を形成することができる。
【0043】
上記の酸(a)から(c)と同様、アルドビオン酸は、炭素鎖に結合した複数のヒドロキシル基を有する。
【0044】
アルドビオン酸は、下記の一般式により表すことができる:
H(CHOH)(CHOR)(CHOH)COOH
(式中、mおよびnは、0から7の独立した整数であり、Rは単糖である。)。
【0045】
アルドビオン酸は、カルボキシル基と1個のヒドロキシル基との間から水1モルを除去することにより、分子内ラクトンを形成することができる。
【0046】
下記は、代表的なアルドビオン酸ラクトンである:
ラクトビオノラクトン(lactobionolactone)およびイソラクトビオノラクトン(isolactobionolactone)、マルトビオノラクトン(maltobionolactone)、イソマルトビオン酸イソマルトビオノラクトン(isomaltobionic acid isomaltobionolactone)、セロビオノラクトン(cellobionolactone)、ゲンチオビオノラクトン(gentiobionolactone)、コウジビオノラクトン(kojibionolactone)、ラミナリビオノラクトン(laminaribionolactone)、メリビオノラクトン(melibionolactone)、ニゲロビオノラクトン(nigerobionolactone)、ルチノビオノラクトン(rutinobionolactone)およびソホロビオノラクトン(sophorobionolactone)。
【0047】
好ましくは、ラクトンはデルタラクトンである。より好ましくは、ラクトンは、グルコノラクトン、ガラクトノラクトン、グルクロノラクトン、ガラクツロノラクトン、グロノラクトン、リボノラクトン、糖酸ラクトン、パントイルラクトン、グルコヘプトノラクトン、マンノノラクトンおよびガラクトヘプトノラクトンから選択される。最も好ましくは、ラクトンはグルコノラクトンである。
【0048】
上記の炭水化物誘導酸のいずれの混合物も、本発明の組成物に使用することができる。
【0049】
本発明のヘアトリートメント組成物におけるラクトンの総量は、概して、組成物の総量に基づくラクトンの総重量で、0.01から20%、好ましくは、0.01から2%、より好ましくは、0.05から0.8%の範囲である。
【0050】
二糖
適切な二糖は、好ましくは五炭糖または六炭糖で構成され、より好ましくは2つの六炭糖ユニットで構成される。
【0051】
二糖は、還元糖または非還元糖のいずれであってもよい。非還元糖が好ましい。
【0052】
D(+)型の二糖が好ましい。トレハロースおよびセロビオースまたはこれらの混合物が特に好ましい。トレハロースが、最も好ましい二糖である。
【0053】
全配合物中に存在する二糖のレベルは、全組成物の0.001から8重量%、好ましくは、0.005重量%から5重量%、より好ましくは、0.01から3重量%、最も好ましくは、0.05重量%から2重量%である。
【0054】
無機塩
好ましくは、本発明に従った組成物は、無機塩を含む。
【0055】
好ましい一実施形態において、無機塩はアルカリ金属塩であり、好ましくはアルカリ金属塩は、硫酸塩であり、より好ましくは硫酸ナトリウムである。
【0056】
無機塩は、全組成物の0.001重量%以上、好ましくは、0.05重量%以上、最も好ましくは、0.01重量%以上のレベルで存在する。塩の最大レベルは、10重量%未満、好ましくは7重量%未満、より好ましくは、5重量%未満である。
【0057】
第2の代替的な好ましい実施形態において、無機塩はアンモニウムイオンの供与源であり、好ましくは、無機塩は炭酸アンモニウムである。
【0058】
この第2の好ましい無機塩は、好ましくは、全組成物の0.01重量%以上、より好ましくは、0.05重量%以上のレベルで存在する。炭酸アンモニウムの最大レベルは、好ましくは、10重量%未満、より好ましくは、5重量%未満、最も好ましくは、1重量%未満である。炭酸アンモニウムのレベルが、全組成物の0.01から2.0重量%であれば、さらに好ましい。
【0059】
二価酸
本発明の組成物中に二価酸が、存在してもよい。下記の式を有する二価酸が特に適切である:
HOOC−(CH−COOH
[式中、nは2から8の整数であり、より好ましくは、nは2または4に等しい(それぞれ、コハク酸およびアジピン酸)]。
【0060】
二価酸は、全組成物の0.01重量%から5重量%、より好ましくは0.01重量%から2重量%のレベルで全配合物中に使用することが最良である。
【0061】
存在する場合、二価酸対二糖の重量比は、1:10から20:1、より好ましくは1:5から5:1である。
【0062】
加えて、酸は、二価酸:二糖が0.1:1から10:1の間、好ましくは0.1:1から2:1の間のモル比で使用することが最良である。
【0063】
pH調整剤
本発明の組成物のpHは、2から4.5、好ましくは3から4.5である。
【0064】
本発明者らは、pHがゲルの流動特性(濃さ)を操作していることを見出した。pHは繊維性活性物質の送達にも重要である。
【0065】
組成物のpHはpH調整剤からなる。適切な例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、クエン酸、乳酸およびグリコール酸が挙げられる。
【0066】
色素
色素は、紫、青、赤またはこれらの混合物を含む。この色素は、タンパク質を含むことによる黄変を中和する。
【0067】
他の原料
本発明の組成物は、毛髪または皮膚の有益剤を含んでもよい。
【0068】
毛髪または皮膚の有益剤は、単一化合物もしくは物質、または異なる化合物もしくは物質の混合物であってよい。混合物または個別の有益剤は、毛髪または皮膚のトリートメント製品に使用した場合、有益特性を付与することができる。利益としては、例えば、ヘアコンディショニング、ヘアカラーリング、ヘアスタイリングおよびフケ予防の利益が挙げられる。ヘアコンディショニング利益は特に好ましい。皮膚にとっては、好ましい利益は、皮膚美白、皮膚の浸潤および軟化である。
【0069】
有益剤は、親水性であっても、疎水性であってもよい。
【0070】
1または複数の毛髪用有益剤は、意図される機能を実施するために十分な量、通常、組成物の重量に対して約0.1%から約30%の量で存在する。
【0071】
適切な有益剤の例としては、限定するものではないが、毛髪および皮膚のコンディショナー、毛髪および皮膚の洗浄剤、毛髪固定剤(毛髪スタイリングポリマーを含む)、染毛剤、毛髪成長促進剤、防臭剤、スキンケア化合物、パーネントウェーブ化合物、ヘアーリラクサー、縮毛矯正剤、抗菌化合物、抗真菌化合物、抗炎症化合物、局所麻酔薬、日焼け止め剤ならびに他の化粧品および薬用局所有効化合物が挙げられる。好ましくは、皮膚用組成物はシリコーンエラストマーを含む。
【0072】
炭化水素油、8から30個の炭素原子を含有するエステルおよび特にシリコーン油などの疎水性油は、好ましい毛髪有益剤である。他の適切な油は、コンディショニング油、好ましくはココナッツ油である。
【0073】
好ましい任意選択原料としては、コンディショニング油、保存料、フレグランス、保湿剤およびこれらの混合物が挙げられる。
【0074】
好ましい保湿剤はプロピレングリコールである。
【0075】
組成物
本発明の組成物は、毛髪および/または皮膚に使用するための化粧品またはパーソナルケア組成物である。例としては、石けんおよびシャワーゲルなどのパーソナル洗浄組成物が挙げられる。好ましくは、本組成物は、セラム、トニック、ゲル、洗い流さないコンディショナーまたはムース、洗い流さないトリートメント、マスク、洗い流すトリートメントまたはローションなどのヘアトリートメント組成物である。
【0076】
毛髪用組成物
本発明のヘアトリートメント組成物としては、例えば、シャンプー、コンディショナー、ヘアスタイリング製品、トニックおよびローションが挙げられる。
【0077】
本発明のシャンプー組成物は、1重量%から50重量%、好ましくは1重量%から30重量%、より好ましくは5重量%から30重量%の、1または複数種の界面活性剤を含む。
【0078】
ヘアコンディショニング組成物とも呼ばれるコンディショナーは、0.1重量%から30重量%、好ましくは1重量%から20重量%、より好ましくは2重量%から15重量%の、1または複数種のヘアコンディショニング剤を含む。
【0079】
ヘアスタイリング組成物は、0.1重量%から10重量%、好ましくは1重量%から10重量%、より好ましくは2重量%から8重量%の、1または複数種のヘアスタイリングポリマーを含む。
【0080】
本発明の組成物は、洗い流さない組成物であっても、または洗い流す組成物であってもよいが、好ましくは洗い流さない組成物である。洗い流す組成物は、使用後毛髪をすすぐことが意図されるが、少なくとも一部の粒子を含む該組成物の少量がすすいだ後に毛髪に残るものである。洗い流さない製品は、毛髪に適用され、適用後に毛髪から洗い流す必要がない。
【0081】
調製工程
本発明の組成物は、下記のステップを含む下記の工程によって調製することができる:
・ポリマー増粘剤を水に加え、完全に分散されるまで混合する。
【0082】
・タンパク質および他の水溶性成分、例えば活性物質(例えば、二糖またはラクトン)を、次いで混合物に加える。
【0083】
・副容器において、フレグランスなどの油系物質を混合されるまで可溶化剤とブレンドする。この混合物を、次いでメインバッチに加え、透明溶液が得られるまで混合する。
【0084】
・副容器において、(1または複数の)色素成分を水に加え、完全に溶解されるまで混合する。得られた色素混合物を、完全に混合されるまでメインの容器に加える。
【0085】
・最後に、pH調整剤を、適正なpHが得られる時間までこの混合物に加える。
【0086】
皮膚および毛髪トリートメント組成物
本発明の洗い流す組成物の例は、シャンプー組成物およびヘアコンディショニング組成物である。
【0087】
本発明のシャンプー組成物は、粒子に加えて、洗浄利益を提供する少なくとも1種の界面活性剤を含む。洗浄剤界面活性剤は、好ましくは陰イオン性、非イオン性、両性および双性イオン性の界面活性剤ならびにこれらの混合物から選択される。
【0088】
適切な陰イオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルカリールスルホン酸塩、アルカノイルイセチオン酸塩、アルキルコハク酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、N−アルコイル(alkoyl)サルコシネート、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、およびアルファ−オレフィンスルホン酸塩、特に、それらのナトリウム、マグネシウムアンモニウムおよびモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン塩が挙げられる。
【0089】
最も好ましい陰イオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、モノラウリルリン酸トリエタノールアミン、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム1EO、2EOおよび3EO、ラウリル硫酸アンモニウムならびにラウリルエーテル硫酸アンモニウム1EO、2EOおよび3EOである。
【0090】
本発明の組成物への使用に適切な非イオン性界面活性剤としては、脂肪族(C−C18)の第1級または第2級の直鎖または分枝鎖の、アルキレンオキシド、通常エチレンオキシドを含むアルコールまたはフェノールの縮合生成物を挙げることができ、これらは概して6から30個のエチレンオキシド基を有する。他の適切な非イオン性界面活性剤としては、モノ−またはジ−アルキルアルカノールアミドが挙げられる。例としては、ココモノ−またはジ−エタノールアミドおよびココモノ−イソプロパノールアミドが挙げられる。
【0091】
本発明のシャンプーに含有可能なさらなる非イオン性界面活性剤はアルキルポリグリコシド(APG)である。一般に、APGは、1または複数のグリコシル基のブロックに(連結基を介していてもよい)連結されたアルキル基を含む。好ましいAPGは下記の式により定義される:
RO−(G)
(式中、Rは、飽和または不飽和であってもよい分枝状または直鎖状アルキル基であり、Gは、糖基である。)。本発明への使用に適切なアルキルポリグリコシドは市販されており、例えば、Oramix NS10、Seppicから入手可能;Plantaren 1200およびPlantaren 2000、Henkelから入手可能、と称される物質が挙げられる。
【0092】
本発明の組成物への使用に適切な両性または双性イオン性界面活性剤としては、アルキルおよびアシル基が8から19個の炭素原子を有する、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン(sultaine))、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルアンホグリシネート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アシルタウレートおよびアシルグルタメートが挙げられる。例としては、ラウリルアミンオキシド、ココジメチルスルホプロピルベタインが挙げられ、好ましくは、ラウリルベタイン、コカアミドプロピルベタインおよびナトリウムココアンホプロピオネート(cocamphopropionate)が挙げられる。
【0093】
これらの界面活性剤は、組成物の重量に対して1から50重量%、好ましくは1から30重量%、より好ましくは5から30重量%の量で本発明のシャンプー組成物中に存在する。
【0094】
本発明に従った組成物はヘアコンディショニング組成物の形態を取ることができ、洗い流すタイプまたは洗い流さないタイプのヘアコンディショニング組成物またはシャンプーとコンディショナーとを含有する、いわゆる2イン1組成物であってもよい。コンディショニング組成物は、好ましくは、粒子に加えて1または複数種の陽イオン性界面活性剤を含む。陽イオン性界面活性剤は毛髪にコンディショニング利益を提供可能なので、これらの原料の使用は特に好ましい。
【0095】
陽イオン性界面活性剤の例としては、親水性相の任意選択成分として前述の第4級アンモニウム化合物が挙げられる。これらの陽イオン界面活性剤としては、第4級アンモニウムヒドロオキシド、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド、アルキル基が約8から22個の炭素原子を有するアルキルトリメチルアンモニウムヒドロオキシド、例えば、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロオキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロオキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロオキシド、セチルトリメチルアンモニウムヒドロオキシド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムヒドロオキシド、デシルジメチル−ベンジルアンモニウムヒドロオキシド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムヒドロオキシド、ジドデシルジメチルアンモニウムヒドロオキシド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムヒドロオキシド、獣脂トリメチルアンモニウムヒドロオキシド、ココトリメチルアンモニウムヒドロオキシドおよびヒドロオキシド以外の陰イオン、例えば、塩化物を含有するこれらの対応する塩、セチルピリジニウムヒドロオキシドまたはこの塩(例えば、塩化物)、Quaternium−5、Quaternium−31、Quaternium−18ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0096】
本発明に従ったヘアコンディショニング組成物において、陽イオン性界面活性剤のレベルは、組成物の重量に対して、好ましくは0.01から10%、より好ましくは0.05から5%、最も好ましくは0.1から2%である。
【0097】
本発明のヘアコンディショニングおよびシャンプー組成物は双方とも、好ましくはシリコーン、タンパク質加水分解物および4級化タンパク質加水分解物ならびに所望のヘアコンディショニング特性を有することが当分野において公知である他の物質から選択される1または複数のさらなるコンディショニング剤を含有することができる。
【0098】
シリコーンは最も好ましいコンディショニング剤である。シリコーンは、好ましくは組成物の重量に対して0.01重量%から5重量%、より好ましくは0.1重量%から5重量%の量で通常本発明の組成物中に分散された液滴の形態であることが好ましい。
【0099】
適切なシリコーンとしては、揮発性および非揮発性のシリコーン、例えば、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、シロキサンガムおよび樹脂、シクロメチコン、アミノ官能性シリコーン、第4級シリコーンおよびこれらの混合物などが挙げられる。シリコーン油は特に好ましい毛髪用コンディショニング剤である。シリコーンは、高粘度油またはガムを溶液中に含有する低粘度油の形態であってよい。または、高粘度物質は、水中エマルジョンの形態であってもよい。エマルジョンは、高粘度油のエマルジョンであっても、低粘度油中ガム溶液のエマルジョンであってもよい。油相の粒径は、平均径が30ナノメートルから最大20ミクロンの範囲のいずれであってもよい。
【0100】
シリコーン油は、20ミクロン未満、好ましくは2ミクロン未満の平均粒径を有するポリジメチルシロキサンが適切であると思われる。粒径が小さいことにより、シリコーンコンディショニング剤は、同じ濃度のシリコーンに対して組成物中により均一に分布することができる。100万−2000万cstの範囲の粘度を有するシリコーンを使用することが有利である。シリコーンは架橋されてもよい。
【0101】
好ましいシリコーンとしては、ポリジメチルシロキサン(CTFA名称ジメチコン)およびヒドロキシル化ポリジメチルシロキサン(CTFA名称ジメチコノール)が挙げられる。上記のタイプのシリコーンは広く市販されており、例えばDC−1784およびDCX2−1391として双方ともDow Corningから入手可能である。
【0102】
適切なタンパク質加水分解物としては、商標LAMEQUAT Lで市販されているラウリルジモニウムヒドロキシプロピルアミノ加水分解動物タンパク質および商標CROQUAT WKPとして市販されている含硫アミノ酸を含有する加水分解ケラチンが挙げられる。
【0103】
本発明に従って、ヘアシャンプーおよび/またはコンディショナー組成物は、ポリマー状水溶性陽イオン性ポリマーをコンディショニング剤として含むことができる。
【0104】
陽イオン性ポリマーは、0.01から5重量%、好ましくは約0.05から重量1%、より好ましくは約0.08重量%から約0.5重量%のレベルで存在してよい。
【0105】
4級化窒素原子を有する合成または天然由来のポリマーが有用である。ポリマーの分子量(g/mol)は概して、5,000から10,000,000の間、通常少なくとも10,000、好ましくは100,000から約2,000,000の範囲である。
【0106】
代表的合成4級化ポリマーとしては、例えば、1−ビニル−2−ピロリジンおよび1−ビニル−3−メチル−イミダゾリウム塩(例えば塩化物塩)の陽イオン性コポリマー(米国化粧品トイレタリー香水協会、「CTFA」により業界ではポリクオタニウム−16と称される);1−ビニル−2−ピロリジンおよびジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(CTFAにより業界ではポリクオタニウム−11と称される);陽イオン性ジアリル第4級アンモニウム含有ポリマー、これには例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマー(業界(CTFA)ではポリクオタニウム6と称される)が含まれる;米国特許第4,009,256号に記載の3から5の炭素原子を有する不飽和カルボン酸のホモおよびコポリマーのアミノアルキルエステルの鉱酸塩ならびにWO95/22311に記載の陽イオン性ポリアクリルアミドが挙げられる。
【0107】
代表的天然由来4級化ポリマーとしては、4級化セルロース化合物および陽イオン性グアーガム誘導体、例えばグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドが挙げられる。例としては、JAGUAR(商標)シリーズでMeyhallから市販されている、JAGUAR C−13S、JAGUAR C−15およびJAGUAR−C17である。
【0108】
適切な陽イオン性ポリアクリルアミドがWO95/22311に記載されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0109】
組成物は、0.1から5%の懸濁剤をさらに含み得る。例としては、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、疎水性モノマーを含むアクリル酸のコポリマー、カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとのコポリマー、アクリル酸とアクリル酸エステルとの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガムおよび結晶長鎖アシル誘導体である。長鎖アシル誘導体は、エチレンステアリン酸グリコール、16から22個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドおよびこれらの混合物から選択されることが望ましい。ポリアクリル酸は、Carbopol420、Carbopol488またはCarbopol493として市販されている。多官能化剤により架橋させたアクリル酸のポリマーもまた使用可能であり、Carbopol910、Carbopol934、Carbopol940、Carbopol941およびCarbopol980として市販されている。モノマーを含有するカルボン酸とアクリル酸エステルとの適切なコポリマーの例は、Carbopol1342である。Carbopolはすべて、Goodrichから入手可能であり、Carbopolは商標である。さらに適切な懸濁剤は、二水素化(dihydrogenated)獣脂フタル酸アミド(商標Stepan TAB−2でStepanから入手可能)である。
【0110】
アクリル酸とアクリル酸エステルとの適切な架橋ポリマーはPemulen TR1またはPemulen TR2である。適切なヘテロ多糖ガムは、例えばKelzan muとして入手可能なキサンタンガムである。
【0111】
本発明のシャンプーおよび/またはコンディショニング組成物に有利に組み込むことができる別の原料は、脂肪アルコールである。これらの物質の使用は、本発明のコンディショニング組成物、特に1または複数種の陽イオン性界面活性剤を含むコンディショニング組成物において特に好ましい。コンディショニング組成物への脂肪アルコールおよび陽イオン性界面活性剤の併用は、陽イオン性界面活性剤が分散されたラメラ相の形成をもたらすので、特に有利であると考えられる。
【0112】
好ましい脂肪アルコールは、8から22個の炭素原子、より好ましくは16から20個の炭素原子を含む。好ましい脂肪アルコールの例は、セチルアルコールおよびステアリルアルコールである。本発明の組成物のコンディショニング特性全体に寄与するという点で、これらの物質の使用もまた有利である。
【0113】
脂肪アルコールのレベルは、組成物の0.01から10重量%、好ましくは、0.1から5重量%が都合がよい。陽イオン性界面活性剤対脂肪アルコールの重量比は、好ましくは10:1から1:10、より好ましくは4:1から1:8、最も好ましくは1:1から1:4である。
【0114】
シャンプーおよび/またはコンディショニング組成物に含まれることが望ましいと思われるさらなる原料は、真珠光沢剤である。適切な真珠光沢剤としては、エチレンジステアリン酸グリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、グアニンおよび二酸化チタンコーティング雲母、オキシ塩化ビスマスおよびステアリン酸モノエタノールアミドが挙げられる。本組成物中に存在する真珠光沢剤のレベルは、概して組成物の0.1重量%から5重量%、好ましくは0.3重量%から3重量%である。
【0115】
抗菌剤
本発明の組成物は、抗菌剤を含んでいてもよい。抗菌剤は、単一の化合物であっても、または2以上の化合物の混合物であってもよい。抗菌剤は、例えば、本発明の組成物において、固体微粒子形態であっても、または溶解されていてもよい。
【0116】
抗菌剤は通常、0.01重量%から5重量%、好ましくは0.1重量%から2重量%の量で本発明の組成物中に存在する。
【0117】
好ましくは、可溶性抗菌剤は、クリンバゾール、ケトコナゾール、オクトピロックス(octapirox)およびこれらの混合物から選択される。より好ましくは、抗菌剤はクリンバゾールである。これらの抗菌剤は通常、本発明の組成物中の溶液である。
【0118】
好ましい固体抗菌剤は、水性系への相対的不溶性のために、微粒子分散としてヘアトリートメント組成物に一般に使用される、金属ピリチオン、特にジンクピリチオン(ZnPTO)である。ジンクピリチオンは、例えば、板状および針状などの結晶形態ならびに非晶質、規則的もしくは不規則な形状の粒子を含む、任意の粒子形態で使用することができる。ジンクピリチオンが組成物中に存在する場合、懸濁剤を使用して、組成物の外側に粒子が沈降することを防止または阻害することが好ましい。ジンクピリチオン粒子の平均粒径(すなわち、それらの最大寸法)は、通常、約0.2から約50μm、好ましくは約0.4から約10μmである。粒径は、Malvern Mastersizer(Malvern Instruments、Malvern、UK)を使用して測定可能である。
【0119】
抗菌剤は、通常、マラセジア属(Malassezia)に対して約50mg/ml以下の最小発育阻止濃度を示す。
【0120】
本発明のシャンプーおよび/またはコンディショナー組成物は、好ましくは水性系である。該組成物は、全組成物の重量に対して約20から約99%の量で水を適切に含む。
【0121】
本発明のシャンプーおよびコンディショナー組成物は、希釈剤、捕捉剤、増粘剤、キャリア、酸化防止剤、タンパク質、ポリペプチド、保存料、保湿剤、溶媒、香料、酵素およびポリマーなどの当分野において一般に使用される他の原料も含有してよい。
【0122】
−本発明の組成物のさまざまなキャリア成分を乳化するための乳化剤 適切な乳化剤タイプとしては、ポリエチレングリコール20ソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20)、ポリエチレングリコール5ダイズステロール、ステアレス−20、セテアレス−20、PPG−2ジステアリン酸メチルグルコースエーテル、セテス−10、ポリソルベート80、セチルリン酸、セチルリン酸カリウム、リン酸ジエタノールアミンセチル、ポリソルベート60、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸PEG−100およびこれらの混合物が挙げられる。乳化剤は、個別にまたは2以上の混合物として使用することができ、組成物の全重量に基づき約0.1重量%から約10重量%、より好ましくは約1重量%から約7重量%および最も好ましくは約1重量%から約5重量%を含むことができる。
【0123】
−ビタミンおよびこれらの誘導体(例えば、アスコルビン酸、ビタミンE、酢酸トコフェロール、レチノイン酸、レチノール、レチノイドなど)。
【0124】
−陽イオン性ポリマー(例えば、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドおよびヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドなどの陽イオン性グアーガム誘導体、Jaguar(登録商標)シリーズとしてRhone−Poulencから入手可能)。
【0125】
−保存料、酸化防止剤、キレート剤および捕捉剤ならびにフレグランス、着色剤、毛髪栄養剤およびエッセンシャルオイルなどの美的成分。
【0126】
香料
本発明の組成物は、プロフレグランスを含む香料(本明細書においてフレグランスとも呼ばれる)を含むことが好ましい。
【0127】
プロフレグランスは、例えば食品脂質であってよい。食品脂質は、通常、明白な疎水性を有する構造単位を含む。主な脂質は脂肪酸に由来する。これらの「アシル」脂質において、脂肪酸は主にエステルとして存在し、モノ−、ジ−、トリアシルグリセロール、リン脂質、糖脂質、ジオール脂質、ワックス、ステロールエステルおよびトコフェロールが挙げられる。これらの天然状態において、植物脂質は酸化防止剤を含み、これらの酸化を防止する。これらは植物から油を取り出す際に少なくとも一部は除去されるが、一部の酸化防止剤は残留する。これらの酸化防止剤は、プロフレグランスであり得る。特に、カロテノイドおよびビタミンA、レチノール、レチナール、レチノイン酸およびプロビタミンAを含む関連化合物は、イオノン、ダマスコンおよびダマセノン(damscenones)を含む芳香種に変換され得る。好ましいプロフレグランス食品油脂としては、オリーブ油、パーム油、キャノーラ油、スクアレン、ヒマワリ種子油、コムギ胚芽油、アーモンド油、ココナッツ油、ブドウ種子油、ナタネ油、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、サフラワー油、落花生油、ケシ油、パーム核油、コメヌカ油、ゴマ油、ダイズ油、パンプキンシード油、ホホバ油およびカラシ油が挙げられる。臭気物質である香料成分を、以下にさらに詳細に記載する。
【0128】
香料は、通常組成物の総重量に対して0.01から5%、好ましくは組成物の総重量に対して0.1から2%の量で存在する。香料は、適切には分子量50から500ダルトンを有する。プロフレグランスは、より大きな分子量、通常1から10kDであってよい。
【0129】
香料の有用成分は、天然および合成起源の両方の物質を含む。それらは単一化合物および混合物を含む。このような成分の特定の例は、現在の文献、例えばFenaroli’s Handbook of Flavour Ingredients,1975、CRC Press;Synthetic Food Adjuncts,1947、M. B.Jacobs、Van Nostrand編;またはPerfume and Flavour Chemicals 、S. Arctander 1969、Montclair,N.J.(USA)に見出すことができる。これらの物質は、消費者製品に付香する、香味付けるおよび/または芳香を与える、すなわち伝統的に付香または香味付けされる消費者製品に臭気および/または香味または味を付与する、または前記消費者製品の臭気および/または味を改変することが当業者には周知である。
【0130】
この文脈において、香料は、完全に配合されたフレグランス製品のみを意味するのではなく、そのフレグランスの選択された成分、特にいわゆる「トップノート」などの消失しやすい成分も意味する。
【0131】
トップノートは、Poucher(Journal of the Society of Cosmetic Chemists 6(2):80[1955])により定義されている。周知のトップノートの例としては、かんきつ油、リナロール、酢酸リナリル、ラベンダー、ジヒドロミルセノール、ローズオキシドおよびシス−3−ヘキサノールが挙げられる。トップノートは通常、香料組成物の15−25重量%であり、より高いレベルのトップノートを含有する本発明の実施形態において、少なくとも20重量%が粒子内に存在することが想定される。
【0132】
本発明の実施形態に用いることが有利である代表的香料成分としては、比較的低沸点、好ましくは300未満、好ましくは100−250℃の沸点を有する成分が挙げられる。
【0133】
また、低LogP(すなわち、水中に分配されるであろう成分)、好ましくは3.0未満のLogPを有する香料成分を含むことが有利である。比較的低沸点および比較的低LogPであるこれらの物質は、「遅延ブルーミング(delayed blooming)」香料原料と呼ばれており、下記の物質が挙げられる:
カプロン酸アリル、酢酸アミル、プロピオン酸アミル、アニスアルデヒド、アニソール、ベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、ベンジルアセトン、ベンジルアルコール、ギ酸ベンジル、イソ吉草酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、ベータガンマヘキセノール、樟脳ガム、ラエボ−カルボン(Laevo−Carvone)、d−カルボン、桂皮アルコール、ギ酸シナミル(Cinamyl Formate)、Cis−ジャスモン、酢酸cis−3−ヘキセニル、クミンアルコール、シクラルC、ジメチルベンジルカルビノール、ジメチルベンジルカルビノールアセテート、酢酸エチル、アセト酢酸エチル、エチルアミルケトン、エチルベンゾエート、酪酸エチル、エチルヘキシルケトン、フェニル酢酸エチル、ユーカリプトール、オイゲノール、酢酸フェンキル、酢酸フロール(Flor Acetate)(トリシクロデセニルアセテート)、フルテン(トリシクロデセニルプロピオネート)、ゲラニオール、ヘキセノール、酢酸ヘキセニル、酢酸ヘキシル、ギ酸ヘキシル、ヒドロアトロパアルコール、ヒドロキシシトロネラール、インドン(Indone)、イソアミルアルコール、イソメントン、酢酸イソプレギル、イソキノロン、リグストラール、リナロール、リナロールオキシド、ギ酸リナリル、メントン、メチルアセトフェノン(Menthyl Acetphenone)、メチルアミルケトン、アントラニル酸メチル、安息香酸メチル、メチルベンジルアセテート(Methyl Benyl Acetate)、メチルオイゲノール、メチルヘプテノン、メチルヘプチンカーボネート、メチルへブチルケトン、メチルヘキシルケトン、酢酸メチルフェニルカービニル、サリチル酸メチル、N−メチルアントラニル酸メチル、ネロール、オクタラクトン、オクチルアルコール、p−クレゾール、p−クレゾールメチルエーテル、p−メトキシアセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、フェノキシエタノール、フェニルアセトアルデヒド、酢酸フェニルエチル、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルジメチルカルビノール、酢酸プレニル、プロピルボルネート(Propyl Bornate)、プレゴン、ローズオキシド、サフロール、4−テルピネノール(Terpinenol)、アルファ−テルピネノール、および/またはビリジン。配合物中に複数の香料成分、例えば4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上、さらに7以上の異なる香料成分が存在することはごく一般的である。
【0134】
前述の制約を条件として、個別のフレグランスは、任意の香料成分または好ましくは成分の混合物を含むことができる。各フレグランスは一般に、少なくとも6種の成分、特に少なくとも12種の成分および多くの場合少なくとも20種の成分を含む。
【0135】
本明細書において香料成分油は概して、少なくとも0.1、多くの場合少なくとも0.5のClogP値を有する。
【0136】
圧力1barにおいて250℃未満の沸点を有する代表的フレグランス油としては下記の物質が挙げられる:アネトール、メチルへプチンカーボネート、アセト酢酸エチル、パラシメン、ネロール、デシルアルデヒド、パラクレゾ−ル、酢酸メチルフェニルカービニル、イオノンアルファ、イオノンベータ、ウンデシレンアルデヒド、ウンデシルアルデヒド、2,6−ノナジエナール、ノニルアルデヒド、オクチルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、アニスアルデヒド、ベンジルアセトン、2−メチル酪酸エチル、ダマセノン、ダマスコンアルファ、ダマスコンベータ、酢酸フロール、フルテン(frutene)、フラクトン、ハーバベール(herbavert)イソシクロシトラール、メチルイソブテニルテトラヒドロピラン、イソプロピルキノリン、2,6−ノナジエン−1−オール、2−メトキシ−3−(2−メチルプロピル)−ピラジン、メチルオクチンカーボネート、2−トリデセンニトリル(thdecene−2−nithle)、アリルアミルグリコレート、シクロガルバネート(cyclogalbanate)、シクラルC、メロナール、ガンマノナラクトン、cis1,3−オキサチアン−2−メチル−4−プロピル、ベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、樟脳、カルボン、ボルネオール、酢酸ボルニル、デシルアルコール、ユーカリプトール、リナロール、酢酸ヘキシル、酢酸イソアミル、チモール、カルバクロール、リモネン、メントール、イソアミルアルコール、フェニルエチルアルコール、アルファピネン、アルファテルピネオール、シトロネロール、アルファツジョン、ベンジルアルコール、ベータガンマヘキサノール、ジメチルベンジルカルビノール、フェニルエチルジメチルカルビノール、アドキサール、アリルシクロヘキサンプロピオネート、ベータピネン、シトラール、酢酸シトロネリル、シトロネラールニトリル、ジヒドロミルセノール、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、ゲラニルニトリル、ヒドロキノンジメチルエーテル、ヒドロキシシトロネラール、酢酸リナリル、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、フェニルプロピルアルコール、酢酸プレニル、トリプラール、テトラヒドロリナロール、ヴェルドックスおよび酢酸cis−3−ヘキセニル。
【0137】
圧力1barにおいて少なくとも250℃の沸点を有する代表的フレグランス油としては下記の物質が挙げられる:メチルフェニルグリシッド酸エチル、エチルバニリン、ヘリオトロピン、インドール、アントラニル酸メチル、バニリン、サリチル酸アミル、クマリン、アンブロックス、バクダノール(bacdanol)、サリチル酸ベンジル、アントラニル酸ブチル、セタロックス(cetalox)、エバノール、サリチル酸cis−3−ヘキセニル、リリアール、ガンマウンデカラクトン、ガンマドデカラクトン、ガンマデカラクトン、カロン、シマール(cymal)、ジヒドロイソジャスモネート、イソオイゲノール、リラール、メチルベータナフチルケトン、ベータナフトールメチルエーテル、パラヒドロキシフェニルブタノン、8−シクロヘキサデセン−1−オン、オキソシクロヘキサデセン−2−オン/ハバノリド、フロールヒドラール(florhydral)、イントレレベンアルデヒドオイゲノール(intreleven aldehyde eugenol)、アミルシンナムアルデヒド、ヘキシルシンナムアルデヒド、サリチル酸ヘキシル、メチルジヒドロジャスモネート、サンダローレ(sandalore)、ベロウトン(veloutone)、ウンデカベルロール(undecavertol)、エグザルトリッド/シクロペンタデカノリド、ジンゲロン、メチルセドリロン、サンデラ(sandela)、ジメチルベンジルカルビニールブチレート、ジメチルベンジルカルビニールイソブチレート、クエン酸トリエチル、カシュメラン、フェノキシエチルイソブチレート、酢酸イソオイゲノール、ヘリオナール、イソEスーパー、イオノンガンマメチル、ペンタリッド、ガラクソリド、フェノキシエチルプロピオネート。本明細書に用いるフレグランスは、天然物質から抽出されるか、または合成で作り出されたいずれかのあらかじめ形成されたブレンドを含んでもよい。このようなあらかじめ形成されたブレンドの代表としては、ベルガモット、シダーアトラス、シダーウッド、クローブ、ゼラニウム、パロサントの心材、ジャスミン、ラベンダー、レモングラス、スズラン、ライム、ネロリ、ジャコウ、オレンジの花、パチョリ、桃の花、プチグレイン(petitgrainまたはpetotgrain)、ピメント、ローズ、ローズマリーおよびタイム由来の油が挙げられる。
【0138】
[実施例]
本発明を、下記の限定されない実施例により以下で説明する。実施例および本明細書を通じて、すべての百分率は、特に示されない限り全組成物に基づく重量による。
【0139】
[実施例1]
本発明に従った組成物T1および比較組成物TA
組成物T1およびTAを下記の方法を使用して製造した:
・ポリマー増粘剤を水に加え、完全に分散されるまで混合した。
【0140】
・次いで、前記混合物に、加水分解タンパク質、トレハロース、硫酸ナトリウム、アジピン酸、グルコノラクトンおよび他の水溶性材料を加えた。
【0141】
・別の容器で、フレグランスおよび他の油溶性材料を、可溶化剤とブレンドした。
【0142】
・次いで、この混合物をメインバッチに加え、透明溶液が得られるまで混合した。
【0143】
・副容器において、(1または複数の)色素成分を水に加え、完全に溶解されるまで混合した。得られた色素混合物をメイン容器に加え、完全に混合した。
【0144】
・最後に、水酸化ナトリウムを用いてpHを3から4.5の間に調整した。
【0145】
組成を表1に示す。
【表1】
【0146】
[実施例2]
組成物T1およびTAの色調安定性
組成物T1およびTAを、温度範囲(5℃、25℃、37℃および45℃)において4週間の間保存した。この間、TAが次第に混濁し、時間と共に黄変したことと比較して、T1は依然として透明であり、黄変がなかった。