【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、丸編み機であって、この丸編み機がニードルシリンダとダイヤルを有し、前記ニードルシリンダの内において、シリンダニードルが長手方向に位置移動可能
に支承されており、
前記ダイヤルの内において、ダイヤルニードルが半径方向に位置移動可能に支承されている様式の上記丸編み機において、
前記シリンダニードルに所属して設けられた、シンカとして形成された補助エレメント、および、
前記ダイヤルニードルに所属して設けられた、シンカとして形成された補助エレメント、並びに、
前記シリンダニードル、および、前記ダイヤルニードルへの、別個の糸供給部、が設けられていること、および、
前記シリンダニードルと、前記ダイヤルニードルとでもって、同時に、別個の丸編み地−製品帯状体が製造可能であり、
その際、前記ダイヤルニードルによって形成された前記丸編み地−製品帯状体が、前記シリンダニードルによって形成されたこの丸編み地−製品帯状体の内側に位置していること、および、
編み目形成における、前記ダイヤルニードルの送出し移動の際に、所属する、シンカとして形成された前記補助エレメントが、引戻し移動を行うこと、および、
編み目形成における、前記ダイヤルニードルの引戻し移動の際に、所属する前記補助エレメントが、送出し移動を行うことを特徴とする丸編み機によって解決される。
【発明の効果】
【0005】
本発明に従う丸編み機でもって、同時に、シリンダの上で、および、ダイヤルの上で、丸編み地が製造され得、このことによって、生産性は、従来の編み機と比較して、2倍になる。本発明に従う編み機は、速度ファクター SF=3000を有する従来の機械に相応する。
両方の丸編み地は、その際、同一に、または、異なって、例えば、異なる色において、編まれ得る。糸供給部は、複数のアイレットを有する1つの共通の糸ガイドによって、または、複数の別個の糸ガイドによって形成され得る。
【0006】
本発明に従う丸編み機でもって、両方の丸編み地を、シリンダの上で、および、ダイヤルの上で、順々に製造することは、しかしながら、同様に可能である。
【0007】
このことは、特に、シリンダニードルと、ダイヤルニードルとでもって、異なる編み地、特に、異なる繊度の編み地が製造可能であるべきである場合に、有利である。
同様に、両方の丸編み地を順々に編む場合でも、従来の機械に対する生産性の利点が与えられる。何故ならば、丸編み地の両方の品質は、この機械のその間の装置変え無しに、順々に、且つ、適宜の交番において、編まれ得るからである。
【0008】
それに加えて、ニードルシリンダよりも小さな直径を有するダイヤルを使用することは可能であり、従って、機械の上で、異なる直径の2つの編み地が製造され得る。
【0009】
もちろん、本発明に従う丸編み機が、同様に、ただシリンダの上だけで1つの丸編み地を製造する、従来の機械としても、作動可能である。同様に、専らダイヤルの上での1つの編み地の製造も、可能である。
【0010】
生産
(形成)された製品帯状体の引き出しは、種々の方法で実現可能である。
【0011】
従って、シリンダニードル、および、ダイヤルニードルによって形成(製造)された丸編み地は、共に1つの引出し装置から、または、別個の引出し装置から引き出し可能であり得る。
【0012】
同時に、ニードルシリンダ、および、ダイヤルで生産された編組物帯状体は、互いの中に位置している。このために、共通の1つの引出し装置が設けられており、この引出し装置が、1つのスプレッダ(Breithalter)、および、両側で、1つずつの切断装置を備えていることは可能である。
これら生産された編み地は、次いで、平らに置かれた状態の4つの帯状体として、共に、ダブルワインダーに巻き取られ得る。
【0013】
選択的に、1つの共通の引出し装置が設けられており、この引出し装置が、一方の側で、1つの切断装置、および、1つの開反装置(Entdoubliereinrichtung)を有していることは可能である。
両方の、互いの中に位置する丸編み地は、一方の側で、切り開かれ、且つ、広げられる。引き続いて、これら丸編み地は、幅広の、平らに置かれた状態の、2つの製品帯状体として、引出し巻取りローラによって巻き取られ得る。
【0014】
丸編み機は、しかしながら、同様に、1つの開反装置を有する1つの引出し装置と、開反装置の無い1つの引出し装置とを有していることも可能である。
従って、一方の丸編み地を、直接的に巻き取ること、および、他方の丸編み地を、切り開くこと、広げること、および、平らに置かれた状態の製品帯状体として巻き取ることは可能である。
【0015】
丸編み機の更に別の構成において、それに対して、生産された丸編み地のための、1つ、または、2つのヤールたたみ機(Legeeinrichtungen)が設けられている。
4つの織物帯状体が、丸編み地の両側の切り開きにより生産される場合、同様に、4つのヤールたたみ機も設けられ得る。
【0016】
ニードルシリンダ、および、ダイヤルにおける編み目形成プロセスのために、全ての、丸編み機において公知の技術は、使用され得る。
【0017】
本発明に従う丸編み機の有利な実施形態において、編み目形成における、シリンダニードルの送出し移動(Austriebsbewegung)の際に、所属する、シンカとして形成された補助エレメントが、引戻し移動(Rueckzugsbewegung)を行い、且つ、編み目形成における、シリンダニードルの引戻し移動(Abzugsbewegung)の際に、送出し移動を行う。
ニードルと補助エレメントとの間の、この相対的な移動によって、極めて高い編み速度が達成され得る、何故ならば、これらニードルは、機械と比較して、固定状態の、または、これらニードルと共に同じ方向において帯同するシンカでもって、ただ、ほぼ半分の往復移動だけを行わなければならないからである。
【0018】
この技術は、原則的に、同様にダイヤルにおいても使用可能である。
従って、編み目形成における、ダイヤルニードルの送出し移動の際に、所属する、シンカとして形成された補助エレメントが、引戻し移動を行い、且つ、編み目形成における、ダイヤルニードルの引戻し移動の際に、所属する前記補助エレメントが、送出し移動を行う。
【0019】
ニードルと補助エレメントとの間の、この相対的な移動を、ニードルシリンダ、および、ダイヤルに設けることは、言うまでも無く、特に有利である。この機械は、その場合に、最大の回転数でもって作動され得る。
【0020】
補助エレメントが、有利には、シンカとして形成されるのに対して、ニードルとして、ラッチニードル、コンパウンドニードル、または、ベアードニードルが使用され得る。
【0021】
更なる利点は、シリンダカムセグメントが設けられており、このシリンダカムセグメントが、シリンダニードルの送出し移動および引戻し移動の制御のためのニードルカムと、シンカカムとを有し、これらシンカカムでもってシリンダニードルのための補助エレメントが垂直方向に移動させ得る及び/または水平方向の軸線を中心として旋回運動させ得る場合に、達成され得る。
これら補助エレメントは、このことによって、ノックオーバ−およびホールドダウンシンカ(Einschliess− und Niederhalteplatinen)として作用し、且つ、しかもそのうえ、確実な編み目形成のために作用する。
【0022】
類似の方法において、ダイヤルカムセグメントが設けられており、このダイヤルカムセグメントが、ダイヤルニードルの送出し移動および引戻し移動の制御のためのニードルカムと、シンカカムとを有し、これらシンカカムでもってダイヤルニードルのための補助エレメントが半径方向に移動させ得る及び/または水平方向の軸線を中心として旋回運動させ得る。
このダイヤルカムセグメントの構成が、少なくとも、ダイヤルニードルの必要な半径方向の移動であるという理由で、明確に、シリンダカムセグメントの構成よりも、より要件を十分に満たす。このことは、ダイヤルの直径が小さくなればなるほど、それだけいっそう多く言えることである。
【0023】
有利には、同様に、補助エレメントは、それぞれに、ニードルシリンダ内において、および、ダイヤル内において支承されている。
これら補助エレメントは、従って、ニードルと共に、相応するシリンダカムセグメント、及び/または、ダイヤルカムセグメントによって制御され得る。これら補助エレメントは、しかしながら、同様に、シンカリングのような、別個の装置内において支承されていることは可能である。
このダイヤルカムセグメントによる、ダイヤル内における、補助エレメントの移動の制御は、
その際、特別の挑戦である。これら補助エレメントは、半径方向に移動、および、旋回されねばならない。
【0024】
この機械の選択的な構成において、前記補助エレメントは、同様に固定状態のノックオーバ部片(Abschlagsstege)である。この補助エレメントの移動のための、カム部材、または、他の駆動装置を、この構成の場合、設けなくて良い。
【0025】
更に、シリンダニードル、及び/または、ダイヤルニードルが、ベアードニードルとして、および、所属する補助エレメントが、ベアードクロージングエレメントとして形成されていることは可能である。
相応して形成されたシリンダニードルを有する丸編み機は、特許文献1および、特許文献2から公知である。
【0026】
丸編み機の更に有利な構成において、ダイヤルが、高さ調節可能であり、且つ、補助エレメント、および、ダイヤルニードルへの糸供給部、または、シリンダニードルへの糸供給部が、無機能にされ得ることは可能であり、従って、このシリンダニードルと、このダイヤルニードルとでもって、共に、ダブルフェイス丸編み地(ファインリブ丸編み地)(Rechts/Rechts−Schlauchgestrick)が製造可能である。
【0027】
この機械のこの様式の構成において、2重にされたシングルフェイス丸編み地(Einfach−Schlauchgestricke)、または、ダブルフェイス丸編み地のような、ダブルフェイス編み地(doppelflaechige Gestricke)でもって、製造され得る。異なる作動様式への、この機械の切換えは、その際、大きな手間暇無しに可能である。顧客は、従って、高い生産性を有するシングルフェイス製品の製造、または、ダブルフェイス製品の間の選択を有する。
【0028】
以下で、本発明に従う丸編み機の可能な1つの実施例を、図を参照して詳しく説明する。