【課題を解決するための手段】
【0013】
これらの及び他の目的及び以下の説明から明らかになる利点のうちの少なくとも幾つかは、様々な光沢度を持つ耐磨耗層を本発明の第1の態様に従って製造する方法によって達成される。この方法は、熱可塑性材料を含む耐磨耗層を提供する工程と、プレス後に光沢度が異なる部分を得るように、光沢度が異なる部分を持つプレス装置に耐磨耗層を押し付ける工程とを含む、方法によって達成された。
【0014】
光沢度は、表面が光を整反射方向にどれほど良好に反射するのかを示す光学的特性である。光沢度が高い表面では、大量の光が整反射方向反射される。即ち入射角が反射角とほぼ等しい。艶消しの表面では、光は全ての方向に拡散式に散乱される。光沢度は、公知量の光を表面で輝かせ、反射を測ることによって計測される。光沢度標準に対する比と比較した入射光に対する反射の比を光沢度単位(GU:gross unit)で記録する。光沢度は様々な角度で記録される。60°の角度では、光沢度は、70GUを越える高い光沢度、10−70GUの中程度の光沢度、及び10GUよりも低い低光沢度と定義される。光沢度が異なるということは、GUで様々な光沢度値が計測されるということを意味する。
【0015】
異なる光沢度というのは、好ましくは、第1部分又は第1部分の組の光沢度が、第2部分又は第2部分の組の光沢度と異なるということを意味する。耐磨耗層の第1部分又は第1部分の組の光沢度は、耐磨耗層の第2部分又は第2部分の組よりも高くてもよい。第1部分又は第1部分の組は第1光沢度を有し、第2部分又は第2部分の組は第2光沢度を有し、第2光沢度は第1光沢度よりも高くてもよいし、低くてもよい。プレス装置及び耐磨耗層は、光沢度が高い部分、例えば70GUよりも高い部分と、艶消しの部分、例えば10GUよりも低い部分とを含んでいてもよい。プレス装置及び従って耐磨耗層は、任意の数の異なる光沢度が現れるように二つ以上の光沢度を備えていてもよい。
【0016】
一実施例では、耐磨耗層は実質的に透明である。実質的に透明であるというのは、耐磨耗層の光線透過率が、可視光で、例えば波長が約390−700nmの光で、80%を越え、好ましくは90%を越えるということを意味する。これによって、装飾層や装飾印刷が耐磨耗層を通して見える。好ましくは、耐磨耗層は、耐磨耗層の下に配置された任意の装飾層又は装飾印刷の印象に影響を及ぼさない。耐磨耗層は、顔料着色されていなくてもよい。
【0017】
少なくとも本発明の実施例の利点は、熱可塑性材料でできた異なる光沢度を持つ耐磨耗層が得られるということである。従来、十分な耐擦傷性を確保するため、耐磨耗層にコーティングが付けられていた。これによって、均等な光沢度、即ちコーティングの光沢度が得られた。耐磨耗性を改善した耐磨耗層を提供することによって、例えば耐磨耗層に耐磨耗性粒子を含ませることによって、耐磨耗性を維持しつつ又は改善しつつ、コーティングを除外できる。これによって、耐磨耗層に様々な光沢度を提供できる。
【0018】
耐磨耗層は、追加の層又はコーティングを付ける必要がない。耐磨耗層は、例えば建材パネルの最上層を形成するようになっている。耐磨耗層は、例えば建材パネルの上層を形成するようになっている。耐磨耗層に追加の層又はコーティングを付ける必要がない。
【0019】
耐磨耗層の上面に異なる光沢度を持つ部分が設けられるように、耐磨耗層の上面をプレス装置に押し付けてもよい。
【0020】
耐磨耗層の様々な光沢度は、印刷デザイン等の装飾パターンと位置合わせされるようになっていてもよい。
【0021】
耐磨耗層を、後の作業で、装飾層又はコア等の基材に接着することができる。別の態様では、プレス前に耐磨耗層を基材に接着してもよい。耐磨耗層は、例えば、基材に接着又はプレス(接着剤を用いて又は接着剤なしで)できる。
【0022】
一実施例では、耐磨耗層は、更に、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子を含む。耐磨耗性粒子は、鋼玉石等のアルミニウム酸化物を含んでいてもよい。耐擦傷性粒子及び耐磨耗性粒子は、シリカを含んでいてもよい。熱可塑性材料でできた耐磨耗層に耐磨耗性粒子及び耐擦傷性粒子を含ませることによって、層の耐磨耗性及び/又は耐擦傷性を従来の耐磨耗性ホイルと比較して向上する。耐磨耗層に耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子を含ませることによる利点は、耐磨耗層の材料厚を大きくすることなく、耐磨耗性及び/又は耐擦傷性が得られるということである。耐磨耗層を厚くすることによって耐磨耗性及び/又は耐擦傷性を得ることは、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子を含ませることと比較して費用が掛かり、材料を消費する。
【0023】
耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子は、耐磨耗層に実質的に封入されていてもよい。実質的に封入されるというのは、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の表面積の90%よりも多くが耐磨耗層に封入されているということを意味する。好ましくは、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子は、耐磨耗層の表面の外側に突出していない。例えば、好ましくは粒子の少なくとも95%が実質的に封入されており、随意であるがこれらの粒子の少なくとも99%が実質的に封入されている。突出した粒子は、靴下や靴等に磨耗を生じ、滑り止め表面によって提供されるような、耐磨耗ホイルの粗くざらざらとした表面を提供する。耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の目的は、耐磨耗性を提供することであって、滑り止め性を提供することではない。
【0024】
粒子は、耐磨耗層に封入されることにより、耐磨耗層の表面から突出した滑り止め粒子の場合におけるように粗い表面を形成することなく、耐磨耗性及び耐擦傷性を高める。更に、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子が耐磨耗層に封入されているため、プレスプレート等の磨耗が減少する。
【0025】
耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の平均粒径は、200μmよりも小さく、好ましくは100μmよりも小さくてもよい。耐磨耗層の透明性を確保するため、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の平均粒径は、好ましくは、200μmよりも小さい。
【0026】
耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の平均粒径は、耐磨耗層の厚さよりも小さくてもよい。耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の平均粒径は、耐磨耗層の厚さよりも大きくてもよい。しかしながら、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子は耐磨耗層の厚さを越える平均粒径を持つけれども、プレス中、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子は、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子がプレス後に耐磨耗層の上面を越えて突出しないように、第1ホイルに押し込まれる。
【0027】
熱可塑性材料は、熱可塑性芳香族又は脂肪族ポリウレタン等の熱可塑性ポリウレタン(PU)、又はその混合物で形成されていてもよい。耐磨耗層は、熱可塑性ポリウレタン(PU)ホイルで形成されていてもよい。ポリウレタンは、高い耐薬品性を提供する。耐擦傷性及び耐微小擦傷性もまた向上する。更に、ポリウレタンを含む耐磨耗層によって、ブラックヒールマーク性もまた改善される。好ましくは、少なくとも耐磨耗層の上部分が熱可塑性ポリウレタンでできている。
【0028】
熱可塑性材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)を含んでいてもよい。
【0029】
熱可塑性材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリエチレン(PE)、ポリエステル、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルアセテート(PVAc)、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリアクリレート、メタクリレート、及び/又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。熱可塑性材料は、イオノマー、例えばポリエチレンのイオノマーを含んでいてもよい。熱可塑性材料は、注型用樹脂又はホットメルトであってもよい。
【0030】
一実施例では、耐磨耗層は顔料を含む。
【0031】
一実施例では、耐磨耗層は印刷されている。
【0032】
プレス装置は金属面を含んでいてもよく、光沢度が異なる前記部分は、金属面に形成されている。異なる光沢度の部分は、エングレービング、砥粒ブラスティング、エッチング、電解研磨等の研磨加工によって形成されてもよい。金属面の基材にデジタル印刷することによって様々な光沢度が形成されてもよい。デジタル印刷は、装飾パターンと位置合わせできる。金属面は、プレス中、耐磨耗層と直接接触してもよい。
【0033】
一実施例では、プレス装置は熱硬化性樹脂プレスプレートを含み、光沢度が異なる前記部分は、プレスプレートの熱硬化性樹脂表面に形成される。
【0034】
プレス装置は、プレスシリンダ、プレスベルト、又はプレスプレートを含んでいてもよく、プレスシリンダ、プレスベルト、又はプレスプレートは、光沢度が異なる部分を有する。プレスシリンダ、プレスベルト、又はプレスプレートの表面は、プレス中、耐磨耗層と直接接触してもよい。
【0035】
プレス装置は
構造体ホイル(構造体を構成するホイル、以下同様)を含んでいてもよく、
構造体ホイルには、光沢度が異なる部分が設けられている。光沢度が異なる部分は、
構造体ホイルの基材に物質をデジタル印刷することによって得ることができる。光沢度が異なる部分は、ホイルに付けたコーティングをエングレーブドローラーに押し付け、コーティングを硬化することによって得てもよい。別の態様では、様々な光沢度を持つアルミニウムホイルを使用してもよい。デジタル印刷を装飾パターンと位置合わせできる。
【0036】
構造体ホイルは紙ホイル、プラスチックホイル、又はアルミニウムホイル等の金属ホイルであってもよい。
【0037】
耐磨耗層の様々な光沢度は、最大深さが30μmの部分を含む耐磨耗層の微小構造によって形成されてもよい。
【0038】
方法は、更に、好ましくは深さが100μmを越えるエンボス部分を耐磨耗層に形成する工程を含んでいてもよい。エンボスは、建材パネルの装飾パターンと位置合わせされていてもよい。エンボス部分は、異なる光沢度及び装飾パターンを持つ部分と位置合わせできる。光沢度が異なる部分の形成前又はその後に、エンボス部分の形成を異なる光沢度の部分の形成と一緒に行ってもよい。
【0039】
方法は、プレス前に耐磨耗層を基材に付ける工程を更に含んでいてもよい。
【0040】
基材は、装飾層を含んでいてもよい。装飾層はコアに配置されていてもよい。装飾パターン例えば印刷デザインによって装飾層の装飾性を提供してもよい。装飾層は、熱可塑性材料を含んでいてもよい。
【0041】
耐磨耗層は、表面上に、好ましくは異なる光沢度が設けられた表面とは反対側の表面上に印刷デザインを備えていてもよい。
【0042】
基材はコアであってもよい。コアの表面には、装飾パターン、例えば印刷デザインが設けられていてもよい。
【0043】
基材は、熱可塑性材料を含んでいてもよい。
【0044】
本発明の第2の態様によれば、様々な光沢度を持つ建材パネルの製造方法が提供される。この方法は、基材を提供する工程と、熱可塑性材料を含む耐磨耗層を基材に付ける工程と、基材及び耐磨耗層を互いにプレスし、これによって建材パネルを形成する工程とを含み、プレス後に耐磨耗層が光沢度が異なる部分を得るように、光沢度が異なる部分を持つプレス装置に耐磨耗層を押し付ける。
【0045】
建材パネルを形成するために基材及び耐磨耗層を互いにプレスするとき、光沢度が異なる部分を持つプレス装置に耐磨耗層を押し付けてもよく、又は建材パネルを形成するために基材及び耐磨耗層を互いにプレスする工程の前又は後に分離してもよい。
【0046】
光沢度は、表面が光を整反射方向にどれほど良好に反射するのかを示す光学的特性である。光沢度が高い表面では、大量の光が整反射方向反射される。即ち入射角が反射角とほぼ等しい。艶消しの表面では、光は全ての方向に拡散式に散乱される。光沢度は、公知量の光を表面で輝かせ、反射を測ることによって計測される。光沢度標準に対する比と比較した入射光に対する反射の比を光沢度単位(GU)で記録する。光沢度は様々な角度で記録される。60°の角度では、光沢度は、70GUを越える高い光沢度、10−70GUの中程度の光沢度、及び10GUよりも低い低光沢度と定義される。光沢度が異なるということは、GUで様々な光沢度値が計測されるということを意味する。
【0047】
異なる光沢度というのは、好ましくは、第1部分又は第1部分の組の光沢度が、第2部分又は第2部分の組の光沢度と異なるということを意味する。耐磨耗層の第1部分又は第1部分の組の光沢度は、耐磨耗層の第2部分又は第2部分の組よりも高くてもよい。第1部分又は第1部分の組は第1光沢度を有し、第2部分又は第2部分の組は第2光沢度を有し、第2光沢度は第1光沢度よりも高くてもよいし、低くてもよい。プレス装置及び耐磨耗層は、光沢度が高い部分、例えば70GUよりも高い部分と、艶消しの部分、例えば10GUよりも低い部分とを含んでいてもよい。プレス装置及び従って耐磨耗層は、任意の数の異なる光沢度が現れるように二つ以上の光沢度を備えていてもよい。
【0048】
一実施例では、耐磨耗層は実質的に透明である。実質的に透明であるというのは、耐磨耗層の光線透過率が、可視光で、例えば波長が約390−700nmの光で、80%を越え、好ましくは90%を越えるということを意味する。これによって、任意の装飾層又は装飾印刷が耐磨耗層を通して見える。好ましくは、耐磨耗層は、耐磨耗層の下に配置された任意の装飾層又は装飾印刷の印象に影響を及ぼさない。耐磨耗層は、顔料着色されていなくてもよい。
【0049】
少なくとも本発明の実施例の利点は、熱可塑性材料でできた異なる光沢度を持つ耐磨耗層が得られるということである。従来、耐磨耗層にコーティングが付けられ、均等な光沢度が得られた。耐磨耗性を改善した耐磨耗層を提供することによって、例えば耐磨耗層に耐磨耗性粒子を含ませることによって、耐磨耗性を維持しつつ又は改善しつつ、コーティングを除外できる。これによって、耐磨耗層に異なる光沢度を提供できる。
【0050】
従って、これによって、様々な光沢度を持つ建材パネルを得ることができる。建材パネルは、追加の層又はコーティングを付ける必要がない。耐磨耗層は、建材パネルの最上層を形成する。耐磨耗層は、建材パネルの上層を形成する。耐磨耗層には追加の層又はコーティングが付けられない。
【0051】
耐磨耗層の様々な光沢度は、印刷デザイン等の装飾パターンと位置合わせされるようになっている。
【0052】
耐磨耗層の上面に光沢度が異なる部分が設けられるように、耐磨耗層の上面をプレス装置に押し付けてもよい。
【0053】
耐磨耗層は、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子を含んでいてもよい。耐磨耗性粒子及び耐擦傷性粒子は、鋼玉石等のアルミニウム酸化物を含んでいてもよい。耐擦傷性粒子及び耐磨耗性粒子は、シリカを含んでいてもよい。熱可塑性材料でできた耐磨耗層に耐磨耗性粒子及び耐擦傷性粒子を含ませることによって、層の耐磨耗性及び/又は耐擦傷性が従来の耐磨耗性ホイルと比較して向上する。耐磨耗層に耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子を含ませることによる利点は、耐磨耗層の材料厚を大きくすることなく、耐磨耗性及び/又は耐擦傷性が得られるということである。耐磨耗層を厚くすることによって耐磨耗性及び/又は耐擦傷性を得ることは、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子を含ませることと比較して費用が掛かり、材料を消費する。
【0054】
耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子は、耐磨耗層に実質的に封入されていてもよい。実質的に封入されるというのは、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の表面積の90%よりも多くが耐磨耗層に封入されているということを意味する。好ましくは、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子は、耐磨耗層の表面の外側に突出していない。例えば、好ましくは粒子の少なくとも95%が実質的に封入されており、随意であるがこれらの粒子の少なくとも99%が実質的に封入されている。突出した粒子は、靴下や靴等に磨耗を生じ、滑り止め表面によって提供されるような、耐磨耗ホイルの粗くざらざらとした表面を提供する。耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の目的は、耐磨耗性を提供することであって、滑り止め性を提供することではない。
【0055】
粒子は、耐磨耗層に封入されることにより、耐磨耗層の表面から突出した滑り止め粒子の場合におけるように粗い表面を形成することなく、耐磨耗性及び耐擦傷性を高める。更に、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子が耐磨耗層に封入されているため、プレスプレート等の磨耗が減少する。
【0056】
耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の平均粒径は、200μmよりも小さく、好ましくは100μmよりも小さくてもよい。耐磨耗層の透明性を確保するため、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の平均粒径は、好ましくは、100μmよりも小さい。
【0057】
耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の平均粒径は、耐磨耗層の厚さよりも小さくてもよい。耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の平均粒径は、耐磨耗層の厚さよりも大きくてもよい。しかしながら、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子は耐磨耗層の厚さを越える平均粒径を持つけれども、プレス中、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子は、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子がプレス後に耐磨耗層の上面を越えて突出しないように、第1ホイルに押し込まれる。
【0058】
熱可塑性材料は、熱可塑性芳香族又は脂肪族ポリウレタン等の熱可塑性ポリウレタン(PU)、又はその混合物で形成されていてもよい。耐磨耗層は、熱可塑性ポリウレタン(PU)ホイルで形成されていてもよい。ポリウレタンは、高い耐薬品性を提供する。耐擦傷性及び耐微小擦傷性もまた向上する。更に、ポリウレタンを含む耐磨耗層によって、ブラックヒールマーク性もまた改善される。好ましくは、少なくとも耐磨耗層の上部分が熱可塑性ポリウレタンでできている。
【0059】
耐磨耗層の熱可塑性材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)を含んでいてもよい。
【0060】
熱可塑性材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリエチレン(PE)、ポリエステル、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルアセテート(PVAc)、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリアクリレート、メタクリレート、及び/又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。熱可塑性材料は、イオノマー、例えばポリエチレンのイオノマーを含んでいてもよい。熱可塑性材料は、注型用樹脂又はホットメルトであってもよい。
【0061】
一実施例では、耐磨耗層は顔料を含む。
【0062】
一実施例では、耐磨耗層は印刷されている。
【0063】
プレス装置は金属面を含んでいてもよく、光沢度が異なる前記部分は、金属面に形成されている。異なる光沢度の部分は、エングレービング、砥粒ブラスティング、エッチング、電解研磨等の研磨加工によって形成されてもよい。金属面の基材にデジタル印刷することによって様々な光沢度を形成してもよい。デジタル印刷は、装飾パターンと位置合わせできる。金属面は、プレス中、耐磨耗層と直接接触してもよい。
【0064】
一実施例では、プレス装置は熱硬化性樹脂プレスプレートを含み、光沢度が異なる前記部分は、プレスプレートの熱硬化性樹脂表面に形成される。
【0065】
プレス装置は、プレスシリンダ、プレスベルト、又はプレスプレートを含んでいてもよく、プレスシリンダ、プレスベルト、又はプレスプレートは、光沢度が異なる部分を有する。プレスシリンダ、プレスベルト、又はプレスプレートの表面は、プレス中、耐磨耗層と直接接触してもよい。
【0066】
プレス装置は
構造体ホイルを含んでいてもよく、
構造体ホイルには、光沢度が異なる部分が設けられている。光沢度が異なる部分は、
構造体ホイルの基材に物質をデジタル印刷することによって得ることができる。光沢度が異なる部分は、ホイルに付けたコーティングをエングレーブドローラーに押し付け、コーティングを硬化することによって得てもよい。別の態様では、様々な光沢度を持つアルミニウムホイルを使用してもよい。デジタル印刷を装飾パターンと位置合わせできる。
【0067】
構造体ホイルは紙ホイル、プラスチックホイル、又はアルミニウムホイル等の金属ホイルであってもよい。
【0068】
耐磨耗層を付ける工程は、粉体形態の熱可塑性材料を基材に付ける工程を含んでいてもよい。
【0069】
耐磨耗層を設ける工程は、粉体形態の熱可塑性材料及び耐磨耗性粒子を含む混合物を付ける工程を含んでいてもよい。
【0070】
耐磨耗層を設ける工程は、熱可塑性材料を含む第1層を付ける工程、耐磨耗性粒子を第1層に付ける工程、及び熱可塑性材料を含む第2層を耐磨耗性粒子に付ける工程を含んでいてもよい。
【0071】
第1層は、ポリ塩化ビニル(PVC)を含んでいてもよく、第2層はポリウレタン(PU)を含んでいてもよい。
【0072】
耐磨耗層は、熱可塑性ホイルであってもよい。
【0073】
耐磨耗層は、基材にコーティングを付けることによって形成されてもよい。コーティングは、放射線硬化コーティング、好ましくは紫外線硬化コーティングであってもよい。コーティングは、アクリレート又はメタクリレートのモノマー又はオリゴマーであってもよい。コーティングは、プレス前又はプレス後に硬化してもよい。
【0074】
耐磨耗層の様々な光沢度は、最大深さが30μmの部分を含む微小構造によって形成されてもよい。
【0075】
方法は、更に、好ましくは深さが100μmを越えるエンボス部分を耐磨耗層に形成する工程を含んでいてもよい。エンボスは、装飾パターンと位置合わせされていてもよい。エンボス部分は、異なる光沢度及び装飾パターンを持つ部分と位置合わせできる。光沢度が異なる部分の形成前又はその後に、エンボス部分の形成を異なる光沢度の部分の形成と一緒に行ってもよい。
【0076】
基材は、熱可塑性材料を含んでいてもよい。
【0077】
基材の熱可塑性材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリエチレン(PE)、ポリエステル、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルアセテート(PVAc)、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリアクリレート、メタクリレート、及び/又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。熱可塑性材料は、イオノマー、例えばポリエチレンのイオノマーを含んでいてもよい。熱可塑性材料は、注型用樹脂又はホットメルトであってもよい。
【0078】
基材は装飾層を含んでいてもよい。装飾層はコア上に配置されていてもよい。装飾層の装飾性は、装飾パターン、例えば印刷デザインによって提供されてもよい。装飾層は、熱可塑性材料でできていてもよい。
【0079】
基材はコアであってもよい。コアの表面には、装飾パターン、例えば印刷デザインが設けられていてもよい。
【0080】
別の態様では、耐磨耗層は、表面上に、好ましくは様々な光沢度が設けられた表面とは反対側の表面上に印刷デザインを備えていてもよい。
【0081】
本発明の第3の態様によれば、建材パネルが提供される。建材パネルは、基材と、基材に配置された様々な光沢度を持つ熱可塑性材料製の耐磨耗層とを含む。
【0082】
光沢度は、表面が光を整反射方向にどれほど良好に反射するのかを示す光学的特性である。光沢度が高い表面では、大量の光が整反射方向反射される。即ち入射角が反射角とほぼ等しい。艶消しの表面では、光は全ての方向に拡散式に散乱される。光沢度は、公知量の光を表面で輝かせ、反射を測ることによって計測される。光沢度標準に対する比と比較した入射光に対する反射の比を光沢度単位(GU)で記録する。光沢度は様々な角度で記録される。60°の角度では、光沢度は、70GUを越える高い光沢度、10−70GUの中程度の光沢度、及び10GUよりも低い低光沢度と定義される。光沢度が異なるということは、GUで様々な光沢度値が計測されるということを意味する。
【0083】
異なる光沢度というのは、好ましくは、第1部分又は第1部分の組の光沢度が、第2部分又は第2部分の組の光沢度と異なるということを意味する。耐磨耗層の第1部分又は第1部分の組の光沢度は、耐磨耗層の第2部分又は第2部分の組よりも高くてもよい。第1部分又は第1部分の組は第1光沢度を有し、第2部分又は第2部分の組は第2光沢度を有し、第2光沢度は第1光沢度よりも高くてもよいし、低くてもよい。耐磨耗層は、光沢度が高い部分と、艶消しの部分とを含んでいてもよい。耐磨耗層は、任意の数の異なる光沢度が現れるように二つ以上の光沢度を備えていてもよい。
【0084】
一実施例では、耐磨耗層は実質的に透明である。実質的に透明であるというのは、耐磨耗層の光線透過率が、可視光で、例えば波長が約390−700nmの光で、80%を越え、好ましくは90%を越えるということを意味する。これによって、任意の装飾層又は装飾印刷が耐磨耗層を通して見える。好ましくは、耐磨耗層は、耐磨耗層の下に配置された任意の装飾層又は装飾印刷の印象に影響を及ぼさない。耐磨耗層は、顔料着色されていなくてもよい。
【0085】
本発明の第3の態様の実施例の利点は、異なる光沢度を持つ部分を備えた耐磨耗層を含む建材パネルが提供されるということである。耐磨耗層にコーティングが施されていないため、異なる光沢度の部分を持つ耐磨耗層を提供できる。耐磨耗層は、建材パネルの最上層を形成する。耐磨耗層は、建材パネルの上層を形成する。耐磨耗層には追加の層又はコーティングが付けられていない。
【0086】
耐磨耗層の上面には、異なる光沢度の部分が設けられている。
【0087】
光沢度が異なる部分を建材パネルに形成でき、光沢度が異なるこれらの部分は、建材パネルの装飾パターン又は印刷デザインと位置合わせされる。更に、建材パネルにエンボス部分を形成でき、これらのエンボス部分は建材パネルの装飾パターン又は印刷デザインと位置合わせできる。
【0088】
基材は、装飾層を含んでいてもよい。装飾層はコアに配置されていてもよい。装飾パターン例えば印刷デザインによって装飾層の装飾性を提供してもよい。装飾層は、熱可塑性材料を含んでいてもよい。装飾層は、木材ベニヤ層、コルク層、又は装飾紙であってもよい。
【0089】
基材はコアであってもよい。コアの表面には、装飾パターン、例えば印刷デザインが設けられていてもよい。
【0090】
別の態様では、耐磨耗層は、表面上に、好ましくは様々な光沢度が設けられた表面とは反対側の表面上に印刷デザインを備えていてもよい。
【0091】
耐磨耗層の光沢度が異なる部分は、装飾パターン又は印刷デザインと位置合わせして形成されていてもよい。
【0092】
耐磨耗層は、装飾パターンと位置合わせしてエンボスが設けられていてもよい。
【0093】
異なる光沢度の部分が、装飾パターン又は印刷デザインと位置合わせして、及び耐磨耗層のエンボスと位置合わせして形成されていてもよい。光沢度が高い部分を耐磨耗層の低いエンボス部分とコーディネートしてもよい。光沢度が低い部分を耐磨耗層の比較的高くに配置された部分とコーディネートしてもよい。建材パネルの設計及び所望の外観に応じてこの逆にしてもよい。
【0094】
最大深さが30μmの部分を含む微小構造によって異なる光沢度を形成してもよい。
【0095】
耐磨耗層は、好ましくは100μmを越える深さの耐磨耗層のエンボス部分を更に含んでいてもよい。
【0096】
一実施例では、耐磨耗層は顔料を含む。
【0097】
一実施例では、耐磨耗層は印刷されている。
【0098】
耐磨耗層の熱可塑性材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリエチレン(PE)、ポリエステル、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルアセテート(PVAc)、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリアクリレート、メタクリレート、及び/又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。熱可塑性材料は、イオノマー、例えばポリエチレンのイオノマーを含んでいてもよい。熱可塑性材料は、注型用樹脂又はホットメルトであってもよい。
【0099】
耐磨耗層は、更に、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子、例えば鋼玉石等のアルミニウム酸化物を含んでいてもよい。耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子は鋼玉石等のアルミニウム酸化物を含んでいてもよい。耐擦傷性粒子及び耐磨耗性粒子は、シリカを含んでいてもよい。耐磨耗層に耐磨耗性粒子及び耐擦傷性粒子を含ませることによって、耐磨耗層の材料厚を大きくすることなく、耐磨耗性及び/又は耐擦傷性が向上する。耐磨耗層を厚くすることによって耐磨耗性及び/又は耐擦傷性を得ることは、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子を含ませることと比較して費用が掛かり、材料を消費する。
【0100】
耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子は、耐磨耗層に実質的に封入されていてもよい。実質的に封入されるというのは、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の表面積の90%よりも多くが耐磨耗層に封入されているということを意味する。好ましくは、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子は、耐磨耗層の表面の外側に突出していない。例えば、好ましくは粒子の少なくとも95%が実質的に封入されており、随意であるがこれらの粒子の少なくとも99%が実質的に封入されている。突出した粒子は、靴下や靴等に磨耗を生じ、滑り止め表面によって提供されるような、耐磨耗ホイルの粗くざらざらとした表面を提供する。耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の目的は、耐磨耗性を提供することであって、滑り止め性を提供することではない。
【0101】
粒子は、耐磨耗層に封入されることにより、耐磨耗層の表面から突出した滑り止め粒子の場合におけるように粗い表面を形成することなく、耐磨耗性及び耐擦傷性を高める。更に、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子が耐磨耗層に封入されているため、プレスプレート等の磨耗が減少する。
【0102】
耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の平均粒径は、200μmよりも小さく、好ましくは100μmよりも小さくてもよい。耐磨耗層の透明性を確保するため、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の平均粒径は、好ましくは、100μmよりも小さい。
【0103】
耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の平均粒径は、耐磨耗層の厚さよりも小さくてもよい。耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の平均粒径は、耐磨耗層の厚さよりも大きくてもよい。しかしながら、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子は耐磨耗層の厚さを越える平均粒径を持つけれども、プレス中、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子は、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子がプレス後に耐磨耗層の上面を越えて突出しないように、第1ホイルに押し込まれる。
【0104】
本発明の第4の態様によれば、様々な光沢度を持つ耐磨耗層が提供される。耐磨耗層は熱可塑性材料でできており、耐磨耗層には光沢度が異なる部分が設けられている。
【0105】
光沢度は、表面が光を整反射方向にどれほど良好に反射するのかを示す光学的特性である。光沢度が高い表面では、大量の光が整反射方向反射される。即ち入射角が反射角とほぼ等しい。艶消しの表面では、光は全ての方向に拡散式に散乱される。光沢度は、公知量の光を表面で輝かせ、反射を測ることによって計測される。光沢度標準に対する比と比較した入射光に対する反射の比を光沢度単位(GU)で記録する。光沢度は様々な角度で記録される。60°の角度では、光沢度は、70GUを越える高い光沢度、10−70GUの中程度の光沢度、及び10GUよりも低い低光沢度と定義される。光沢度が異なるということは、GUで様々な光沢度値が計測されるということを意味する。
【0106】
異なる光沢度というのは、好ましくは、第1部分又は第1部分の組の光沢度が、第2部分又は第2部分の組の光沢度と異なるということを意味する。耐磨耗層の第1部分又は第1部分の組の光沢度は、耐磨耗層の第2部分又は第2部分の組よりも高くてもよい。第1部分又は第1部分の組は第1光沢度を有し、第2部分又は第2部分の組は第2光沢度を有し、第2光沢度は第1光沢度よりも高くてもよいし、低くてもよい。耐磨耗層は、光沢度が高い部分及び艶消し部分を含んでいてもよい。耐磨耗層は、任意の数の異なる光沢度が現れるように二つ以上の光沢度を備えていてもよい。
【0107】
耐磨耗層の上面には、光沢度が異なる部分が設けられている。
【0108】
一実施例では、耐磨耗層は実質的に透明である。実質的に透明であるというのは、耐磨耗層の光線透過率が、可視光で、例えば波長が約390−700nmの光で、80%を越え、好ましくは90%を越えるということを意味する。これによって、任意の装飾層又は装飾印刷が耐磨耗層を通して見える。好ましくは、耐磨耗層は、耐磨耗層の下に配置された任意の装飾層又は装飾印刷の印象に影響を及ぼさない。耐磨耗層は、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子、例えば鋼玉石等のアルミニウム酸化物を含んでいてもよい。
【0109】
耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子は、耐磨耗層に実質的に封入されていてもよい。実質的に封入されるというのは、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の表面積の90%よりも多くが耐磨耗層に封入されているということを意味する。好ましくは、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子は、耐磨耗層の表面の外側に突出していない。好ましくは、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子は、耐磨耗層の表面の外側に突出していない。例えば、好ましくは粒子の少なくとも95%が実質的に封入されており、随意であるがこれらの粒子の少なくとも99%が実質的に封入されている。突出した粒子は、靴下や靴等に磨耗を生じ、滑り止め表面によって提供されるような、耐磨耗ホイルの粗くざらざらとした表面を提供する。耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の目的は、耐磨耗性を提供することであって、滑り止め性を提供することではない。
【0110】
耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の平均粒径は、200μmよりも小さく、好ましくは100μmよりも小さくてもよい。耐磨耗層の透明性を確保するため、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の平均粒径は、好ましくは、200μmよりも小さい。
【0111】
耐磨耗層の熱可塑性材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリエチレン(PE)、ポリエステル、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルアセテート(PVAc)、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリアクリレート、メタクリレート、及び/又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。熱可塑性材料は、熱可塑性ポリウレタン(PU)、好ましくは、熱可塑性芳香族又は脂肪族ポリウレタン又はその混合物で形成されていてもよい。熱可塑性材料は、イオノマー、例えばポリエチレンのイオノマーを含んでいてもよい。熱可塑性材料は、注型用樹脂又はホットメルトであってもよい。
【0112】
本発明の第4の態様の実施例は、上文中に論じた本発明の第1の態様の全ての利点を備えており、これにより以上の議論は耐磨耗層にも適用できる。
【0113】
第5の態様によれば、様々な光沢度を持つ上面を持つ耐磨耗層を製造する方法が提供される。この方法は、熱可塑性材料でできた、研磨された部分及び研磨されていない部分を含む上面を持つ耐磨耗層を提供する。研磨された部分及び研磨されていない部分は、光沢度が異なる。
【0114】
第6の態様によれば、様々な光沢度を持つ建材パネルを製造する方法が提供される。この方法は、基材を提供する工程と、熱可塑性材料でできた耐磨耗層を基材に付ける工程と、基材及び耐磨耗層を互いにプレスし、これによって建材パネルを形成する工程と、研磨された部分の光沢度が研磨されていない耐磨耗層の上面の部分と比較して異なるように耐磨耗層の上面の部分を研磨する工程とを含む。
【0115】
第5及び第6の態様の実施例は、上文中に論じた本発明の第1及び第2の態様の全ての利点を備えており、従って、上文中の議論は、第5及び第6の態様にも適用できる。
【0116】
第5及び第6の態様では、
【0117】
一実施例では、方法は、耐磨耗層の上面にエンボス構造が得られるように、耐磨耗層の上面をエンボスを持つプレス装置に押し付け、突出部分の光沢度が、耐磨耗層の上面のエンボス部分の光沢度と比較して異なるように、エンボス構造の突出部分を研磨する。
【0118】
一実施例では、好ましくはプレス後、耐磨耗層の上面の部分をマスクし、耐磨耗層の上面のマスクされていない部分の光沢度が、マスクされた部分の光沢度と比較して異なるように、マスクされていない部分を研磨する。
【0119】
耐磨耗層は、上文中に説明したように実質的に透明であってもよい。これは上文中に説明した意味を有する。耐磨耗層は、顔料着色されていなくてもよい。
【0120】
耐磨耗層の異なる光沢度は、印刷デザイン等の装飾パターンと位置合わせされるようになっていてもよい。
【0121】
耐磨耗層は、更に、耐磨耗性粒子及び耐擦傷性粒子を含む。
【0122】
耐磨耗性粒子及び耐擦傷性粒子は、耐磨耗層に実質的に封入されていてもよい。
【0123】
耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の平均粒径は、200μmよりも小さく、好ましくは100μmよりも小さくてもよい。耐磨耗層の透明性を確保するため、耐磨耗性粒子及び/又は耐擦傷性粒子の平均粒径は、好ましくは、200μmよりも小さい。
【0124】
熱可塑性材料は、熱可塑性芳香族又は脂肪族ポリウレタン等の熱可塑性ポリウレタン(PU)又はこれらの混合物を含んでいてもよい。耐磨耗層は、熱可塑性ポリウレタン(PU)ホイルでできていてもよい。
【0125】
熱可塑性材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリエチレン(PE)、ポリエステル、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルアセテート(PVAc)、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリアクリレート、メタクリレート、及び/又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。熱可塑性材料は、イオノマー、例えばポリエチレンのイオノマーを含んでいてもよい。熱可塑性材料は、注型用樹脂又はホットメルトであってもよい。
【0126】
耐磨耗層は、顔料を含んでいてもよい。
【0127】
耐磨耗層は、印刷されてもよい。
【0128】
エンボス構造は、建材パネルの装飾パターンと位置合わせされていてもよい。
【0129】
基材は装飾層を含んでいてもよい。装飾層は、コアに配置されていてもよい。装飾層の装飾製は、装飾パターン、例えば印刷デザイン等によって提供されてもよい。装飾層は、熱可塑性材料でできていてもよい。
【0130】
耐磨耗層は、表面上、好ましくは様々な光沢度が形成された表面の反対側の表面上に印刷デザインを備えていてもよい。
【0131】
基材はコアであってもよい。コアの表面には、装飾パターン例えば印刷デザインが設けられていてもよい。基材は、熱可塑性材料でできていてもよい。
【0132】
本発明を、例として、本発明の実施例を示す添付の概略図を参照して更に詳細に説明する。