特許第6879918号(P6879918)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6879918捩じれ振動ダンパのためのエラストマ条片設計、およびそのエラストマ条片設計を有する捩じれ振動ダンパ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6879918
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】捩じれ振動ダンパのためのエラストマ条片設計、およびそのエラストマ条片設計を有する捩じれ振動ダンパ
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/12 20060101AFI20210524BHJP
   F16H 55/36 20060101ALN20210524BHJP
【FI】
   F16F15/12 S
   F16F15/12 L
   !F16H55/36 H
【請求項の数】18
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-537383(P2017-537383)
(86)(22)【出願日】2016年1月15日
(65)【公表番号】特表2018-505359(P2018-505359A)
(43)【公表日】2018年2月22日
(86)【国際出願番号】US2016013566
(87)【国際公開番号】WO2016115444
(87)【国際公開日】20160721
【審査請求日】2018年12月3日
(31)【優先権主張番号】62/104,358
(32)【優先日】2015年1月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512309299
【氏名又は名称】デイコ アイピー ホールディングス,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】DAYCO IP HOLDINGS,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】スヘイル・マンズール
【審査官】 鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第02898777(US,A)
【文献】 特開平07−042789(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第04020540(DE,A1)
【文献】 特開2014−156092(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第00594072(EP,A1)
【文献】 特開平06−185575(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/126, 15/12
F16H 55/32− 55/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
捩じれ振動ダンパのためのエラストマ部材であって、
非圧縮状態において、
第1の主表面および反対の第2の主表面と、前記第1の主表面と前記第2の主表面とを結合する互いに反対側になる二つの側部と、備え、
前記エラストマ部材は、前記第1の主表面および前記第2の主表面の中間部に延びる中央矢状平面と、前記中央矢状平面に対して垂直な横断平面と、を有し、
前記中央矢状平面および前記横断平面を二等分にする平面における断面形状において、前記エラストマ部材は、前記側部の両方に第1の厚さを、かつ前記横断平面とそろう前記エラストマ部材の中央に第2の厚さを有する、変化する厚さを有し、該変化する厚さは、前記第1の主表面及び第2の主表面の双方に沿って、前記側部の第1の方から前記横断平面へと発散するとともに、該横断平面から前記側部の第2の方に向けて収束し、
前記第2の厚さは前記第1の厚さより大き
前記第1の主表面および前記第2の主表面の各々の長さに沿って材料のバリをさらに備え、前記材料のバリは、前記第1の主表面及び前記第2の主表面の各々の幅方向の中央に形成されている、
エラストマ部材。
【請求項2】
前記横断平面は、前記側部間の中間に配置される、請求項1に記載のエラストマ部材。
【請求項3】
前記第1の厚さと前記第2の厚さとの間の移行は、前記側部のうちの第1の方における前記第1の厚さから前記第2の厚さへと、線形関数として徐々に変化する、請求項1に記載のエラストマ部材。
【請求項4】
前記側部のうちの第1の方における前記第1の厚さから前記第2の厚さへの、前記第1の厚さと前記第2の厚さとの間の移行は、単一の曲線または2つ以上の曲線を表す非線形関数として変化する、請求項1に記載のエラストマ部材。
【請求項5】
前記側部の各々の長さに沿って材料のバリをさらに備える、請求項1に記載のエラストマ部材。
【請求項6】
前記側部は、概して丸められた角を有する、請求項1に記載のエラストマ部材。
【請求項7】
前記横断平面に対する、断面における前記エラストマ部材の各々の対称な半体は、2つの概して平行な側のうちの大きい方が前記横断平面と並べられる台形状に概して形作られる、請求項1に記載のエラストマ部材。
【請求項8】
前記エラストマ部材は鉛直方向に圧縮成形され、それによって、前記第1の主表面および前記第2の主表面の各々の長さに沿って材料のバリを有する、請求項6に記載のエラストマ部材。
【請求項9】
捩じれ振動ダンパのためのエラストマ部材を作るための方法であって、
上方プレートおよび下方プレートを有する鉛直方向圧縮型を提供するステップであって、前記上方プレートおよび前記下方プレートの各々が、複数の離間された細長い通路を備え、当該通路は、長手方向軸に対して横断する断面で見たとき、2つの概して平行な側のうちの大きい方が開口を定めた台形状に各々が概して形作られる、前記鉛直方向圧縮型を提供するステップと、
前記下方プレート内にエラストマ材料を置くステップと、
前記上方プレートを前記下方プレートに合わせて、前記上方プレートの前記通路の各々1つを前記下方プレートの前記通路の各々1つと並べることで、複数の空所を形成するステップと、
を含む方法。
【請求項10】
前記上方プレートを前記下方プレートに合わせるステップは、圧力を印加して前記複数の空所内に前記エラストマ材料を分散させるステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
熱および圧力を前記上方プレートと前記下方プレートとに加えて、前記エラストマ材料を硬化させるステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記エラストマ材料を前記下方プレートに置くステップの前に、前記下方プレートを加熱するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記エラストマ材料は、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、ニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、エチレンアクリルエラストマ、水素化ニトリルブタジエンゴム、またはポリクロロプレンゴムのうちの1つまたは複数を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
ハブの周りで同心であって、慣性部材によって前記ハブに押し付けられる、請求項1に記載のエラストマ部材を備える捩じれ振動ダンパ。
【請求項15】
前記第1の厚さは少なくとも15%圧縮され、前記第2の厚さは最大で45%圧縮される、請求項14に記載の捩じれ振動ダンパ。
【請求項16】
捩じれ振動ダンパのためのエラストマ部材であって、
エラストマ輪郭を有するエラストマ材料の環状リングであって、非圧縮状態において、回転の軸と平行な平面における断面で見たとき、第1の主表面および反対の第2の主表面と、前記第1の主表面と前記第2の主表面とを結合する互いに反対側になる二つの側部と、備え、前記エラストマ部材の前記第1の主表面と前記第2の主表面との中間部に延びる中央矢状平面と、前記中央矢状平面に対して垂直な横断平面と、を有し、前記エラストマ輪郭は、前記第1の主表面及び第2の主表面の双方に沿って前記側部の第1の方から前記横断平面へと発散するとともに該横断平面から前記側部の第2の方に向けて収束する変化する厚さを有し、これにより両方の前記側部における第1の厚さと、前記横断平面における第2の厚さと、を規定しており、
前記横断平面は、両方の前記側部の中間に配置され、かつ
前記第2の厚さは前記第1の厚さより大き
前記第1の主表面および前記第2の主表面の各々の長さに沿って材料のバリをさらに備え、前記材料のバリは、前記第1の主表面及び前記第2の主表面の各々の幅方向の中央に形成されている
エラストマ部材。
【請求項17】
前記第1の厚さと前記第2の厚さとの間の移行は、前記側部のうちの第1の方における前記第1の厚さから前記第2の厚さへと、線形関数として徐々に変化する、請求項16に記載のエラストマ部材。
【請求項18】
前記側部のうちの第1の方における前記第1の厚さから前記第2の厚さへの、前記第1の厚さと前記第2の厚さとの間の移行は、単一の曲線または2つ以上の曲線を表す非線形関数として変化する、請求項16に記載のエラストマ部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連技術
本出願は、2015年1月16日に出願された米国仮特許出願第62/104,358号の便益を主張し、その仮特許出願を参照によりその全体において組み込んでいる。
【0002】
本発明は、大まかには、内燃動力伝達系および車両動力伝達系で使用される捩じれ振動ダンパに関し、より詳細には、軸長さを通じて不均一の厚さを有し、最大厚さが概して軸方向中央位置にある、捩じれ振動ダンパで使用するための鉛直方向圧縮成形エラストマ部材に関する。
【背景技術】
【0003】
捩じれ振動ダンパ(TVD:Torsional Vibration Damper)は、限定されることはないが、自動車および非自動車の用途で利用されるクランクシャフト、ドライブシャフト、プロペラシャフト、およびハーフシャフトを含む回転シャフトに固有の捩じれ振動を減衰するために有用である。
【0004】
一般的に、TVDは、3つの構成部品、すなわち、(1)振動の問題を伴う回転シャフトにTVDを取り付ける剛体金属ブラケット(ハブ)と、(2)特定の周波数において、振動するシャフトと反対の位相で振動し、それによって結果として生じるシャフト振動の大きさを小さくする能動的慣性部材(リング)と、(3)2つの機能、すなわち、(a)バネダンパを提供することによってTVDを特定周波数に変えることと、(b)ハブおよびリングをTVDにおいて互いに対して位置付けすることと、を伴うエラストマ部材と、から成る。
【0005】
一般的に、ハブおよびリングは、ハブについては構造的な強度要件のため、リング(慣性部材としても知られている)については慣性質量の要件のため、構成が金属である。エラストマ部材は、最初に条片として圧縮成形され、続いて、ハブとリングとの間の圧縮の下で組み立てられ、軸対称のリング状の形を取る。このとき、条片(輪郭)と対合するハブおよびリングの表面は、条片を前述の表面に接着させる下塗剤−接着剤の組み合わせで被覆されている。開示の発明は、接着と非接着との両方のダンパが圧縮成形されたエラストマ条片を用いる限り、それらの両方のダンパに関係する。
【0006】
エラストマ部材で使用されるエラストマは、限定されることはないが、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエン(PBD)、エチレンプロピレンジエンモノマ(EPDM)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、または、それらの任意の可能な組み合わせを含む、いくつかの熱硬化性材料代替品のうちの1つであってもよい。さらに、エラストマは、限定されることはないが、スチレンブロック共重合体(TPE-s)、ポリオレフィン混合物(TPE-o)、エラストマロイ(TPE-vまたはTPV)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性共重合ポリエステル、熱可塑性ポリアミド、または、それらの任意の可能な組み合わせを含む、いくつかの熱可塑性プラスチック材料代替品のうちの1つであってもよい。
【0007】
TVDを利用する主な目的は、増大された大きさであるがシャフト振動(振動影響)と反対の位相で振動することで、慣性リングがシャフト振動と反対に作用する特定の周波数において、結果として生じる振幅を小さくすることによって、振動するシャフトの疲労寿命を延ばすことである。しかしながら、多くのクランクシャフトの用途において、リングは、限定されることはないが、オルタネータ、水ポンプ、ファン、テンショナ、およびアイドラプーリ(耐荷重影響)を含み得るフロントエンド補機駆動(FEAD:Front End Accessory Drive)システムの蛇行ベルトを駆動するためのポリV溝を有する。
【0008】
前述の荷重の状況のため、TVDで使用されるエラストマ部材は、2つの別々の荷重の状態、すなわち、(1)ハブとリングとの間の圧縮の下でエラストマ部材を組み立てることで引き起こされる通常の荷重と、(2)振動影響と耐荷重影響との両方からのTVDの動作によって引き起こされるせん断荷重と、を受ける。
【0009】
エラストマ部材の通常の応力−歪み耐性能力を調節するために、エラストマ部材の圧縮と輪郭形状とは、組立後のエラストマ部材において積み上がる最大主応力および最大主歪みを最小限にするように設計される。
【0010】
エラストマ部材のせん断応力耐性能力を調節するために、ダンパのスリップトルクと呼ばれる閾パラメータが確立される。スリップトルクは、任意のエラストマ金属境界面(エラストマ部材とリングとの間、または、エラストマ部材とハブとの間のいずれかにおける)にわたる永久的な角度の滑りを引き起こす準静的なトルクの最小値として定義される。
【0011】
エラストマ部材の適切な工学技術は、TVDのスリップトルク能力(エラストマ部材の圧縮に正比例する)を最大にすることと、主応力−歪みの積み上げ(エラストマ部材の圧縮に反比例する)を最小にすることと、の間のバランスであることを理解されたい。産業上は、30%から40%の圧縮比が、このようなバランスが得られる基準として現在受け入れられている。
【0012】
さらに、各々の成形熱に必要な時間を短縮する一方で、成形熱あたりで生産されるエラストマ部材の数を同時に増やすことで、生産収率を増加させるために、エラストマ部材製造者による絶え間ない努力がある。
【0013】
この目的は、可能な場合に二次的な作業が回避される成形後にその価値がある。1つのこのような二次的な作業は、組立後に見られるエラストマ部材の表面にある薄い残余のエラストマ部材(バリ)の除去に関する。バリ除去は、エラストマ部材における研削、切断、低温バレル研磨(バリ除去)することによって、または、当業者に知られている他の方法によって、達成できる。この上記のバリは、圧縮成形作業の副産物であり、フロントエンジンシールと接合するハブノーズ領域を汚染し、漏れおよび損傷を引き起こし得るため、見苦しく望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
背景技術で詳述した問題を解決するために、エラストマ部材のための新たな形が、鉛直圧縮成形方法と共に開発された。新たなエラストマ部材/成形方法は、(1)型におけるエラストマ部材の幾何学的配向を変えることで、生産収率を増加し、(2)エラストマ部材におけるバリの位置を変えることで、バリ除去の必要性を排除し、(3)輪郭を通じて積み上がる応力を低減することと、輪郭を通じて積み上がる歪みの位置を変えることとによって、TVDの疲労寿命を向上し、(4)TVDのスリップトルク能力を向上する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
エラストマ部材は、第1の主表面および反対の第2の主表面と、第1の主表面を第2の主表面に結合する互いに反対側になる二つの側部を有し、第1の主表面および第2の主表面の中間部に延びる中央矢状平面と、中央矢状平面に対して垂直な横断平面とを有する。中央矢状平面および横断平面を二等分にする平面における断面形状において、エラストマ部材の厚さは、第1の厚さが側部の両方にあり、第2の厚さが横断平面にある状態で、横断平面に平行な方向において中央矢状平面に沿って変化し、第2の厚さは第1の厚さより大きい。エラストマ部材は、鉛直方向圧縮型が使用されるか水平方向圧縮型が使用されるかに依存して、第1の主表面および第2の主表面の各々の長さに沿って、または側部の各々の長さに沿って、材料のバリを備える。
【0016】
一態様では、横断平面は、側部間の途中に配置される。第1の厚さと第2の厚さとの間の違いは、側部のうちの第1の方における第1の厚さから、第2の厚さへと、線形関数として、または単一の曲線または2つ以上の曲線を表す非線形関数として、徐々に変化する。
【0017】
一態様では、側部は、概して丸められた角を有し、エラストマ部材は鉛直方向に圧縮成形され、これによって第1の主表面および第2の主表面の各々の長さに沿って材料のバリを形成する。
【0018】
別の態様では、横断平面に対する、断面におけるエラストマ部材の各々の対称な半体は、2つの概して平行な側のうちの大きい方が横断平面と並べられる台形状に概して形作られる。
【0019】
前述したエラストマ部材、または本明細書に記載したエラストマ部材を作るための方法が開示される。方法は、上方プレートおよび下方プレートを有する鉛直方向圧縮型を提供するステップであって、上方プレートおよび下方プレートの各々が、長手方向軸に対して横断する断面で見たとき、2つの概して平行な側のうちの大きい方が開口を定める台形状に各々が概して形作られる複数の離間された細長い通路を備える、ステップを含む。次に、下方プレートにおいてエラストマ材料を置くステップと、上方プレートの通路の各々1つを下方プレートの通路の各々1つと並べることで複数の空所を形成するために、上方プレートを下方プレートに対合するステップと、がある。上方プレートを下方プレートに合わせるステップは、複数の空所内にエラストマ材料を分散するために、圧力の印加を含む。また、方法は、エラストマ材料を硬化させるために、熱および圧力を上方プレートと下方プレートとに加えるステップを含むか、ならびに/またはエラストマ材料を下方プレートに置くステップの前に、下方プレートを加熱するステップを含んでもよい。
【0020】
すべての態様において、エラストマ部材のためのエラストマ材料は、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、ニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、エチレンアクリルエラストマ、水素化ニトリルブタジエンゴム、またはポリクロロプレンゴムのうちの1つまたは複数を含む。
【0021】
ハブの周りで同心であって、慣性部材によってハブに押し付けられる、前述したエラストマ部材、または本明細書に記載したエラストマ部材を含む捩じれ振動ダンパも、開示されている。組み立てられた状態で、エラストマ部材は、第1の厚さが少なくとも15%圧縮され、第2の厚さが最大で45%圧縮されるように、圧縮される。
【0022】
特許または出願ファイルは、色付きで実行された少なくとも1つの図面を含んでいる。色付きの図面を伴うこの特許または特許出願公報のコピーは、要求および必要な料金の支払いに応じて、当局によって提供されることになる。
【0023】
開示した発明は、以下の図面を参照して容易に理解され得る。図面は必ずしも一定の縮尺ではなく、本発明の原理を示している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】TVD組立体の断面の等角斜視図である。
図2】複数のエラストマ部材が型にある状態での従来(先行技術)の圧縮型の横断断面図である。
図3】複数のエラストマ部材が型にある状態での、開示した鉛直方向圧縮型の一実施形態の横断断面図である。
図4】複数のエラストマ部材が型にある状態での、開示した水平方向圧縮型の一実施形態の横断断面図である。
図5図2の従来の圧縮型によって生産されたエラストマ部材の横断断面図である。
図6図3の鉛直方向圧縮型によって生産された開示したエラストマ部材の横断断面図である。
図7図4の水平方向圧縮型によって生産された開示したエラストマ部材の横断断面図である。
図8図5の鉛直方向圧縮型によって生産された開示したエラストマ部材の側方の斜視図である。
図9】捩じれ振動ダンパにおける組立の後の、図4の水平方向圧縮型によって生産されたエラストマ部材の横断断面図である。
図10】捩じれ振動ダンパにおける組立の後の、図3の鉛直方向圧縮型によって生産された開示したエラストマ部材の横断断面図である。
図11】先行技術と本発明との間での、組立後のエラストマ部材によって取られる形における応力積み上げを比較する有限要素分析(FEA:Finite Element Analysis)最大主応力プロットである(赤色は最大レベルの応力を示し、青色は最小レベルの応力を示す)。
図12】先行技術と本発明との間での、組立後のエラストマ部材によって取られる形における歪み積み上げを比較するFEA最大主歪みプロットである(赤色は最大レベルの歪みを示し、青色は最小レベルの歪みを示す)。
図13】先行技術と本発明との間での、組立後のエラストマ部材によって取られる形における接触圧力積み上げを比較するFEA接触圧力プロットである(赤色は最大レベルの圧力を示し、青色は最小レベルの圧力を示す)。
図14】厚さについての線形関数または非線形関数を有するエラストマ部材の収束部または発散部の様々な実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
ここで、図に示されている実施形態の説明を詳細に参照する。いくつかの実施形態がこれらの図と共に記載されているが、本明細書で開示されている実施形態に開示を限定する意図はない。むしろ、すべての代替、変更、および均等を網羅することを意図している。
【0026】
図1図7、および図8において符号100によって概して指示されているTVDは、ICエンジンのクランクシャフトなどの振動するシャフトを受け入れる内部円筒面204を有する概して中心に位置付けられたボア201と、フロントエンジンシールを受け入れる外部円筒面202と、を定めているハブ200を備えている。ハブ200は、板材205によってボア201から径方向外向きに離間された最外径方向面203も備えている。板材205は、図1に見られているように、1つまたは複数の開口または開放窓209を定めており、単一の方向において軸方向に延びるボア201を定めるハブ200の一部を有しており、この一部はTVD100の前面FFを定めている。板材205の反対の側はTVD100の後面BFを定めている。ハブ200は、知られている技術、または以後において開発される技術を用いて、鋳造、高速回転、鍛造、機械加工、または成形され得る。ハブにとって適切な材料には、複合材料を含め、鉄、鋼鉄、アルミニウム、他の適切な金属、プラスチック、またはそれらの組み合わせがある。
【0027】
ハブ200の最外径方向面203は起伏ありとされてもよいし、起伏なしとされてもよい。ハブ200の最外径方向面203から径方向外向きに離間され、ハブ200の周りに同心であるのは、リングまたは慣性部材300である。リング300の最内径方向面302は、ハブ200の最外径方向面203を向いており、エラストマ部材400が間で圧縮された状態でハブ200の最外径方向面203と対合するための起伏のある面または起伏のない面を有する。エラストマ部材400が着座される隙間210が、ハブ200とリング300との間に定められている。図1では、最外径方向面203は頂部208が概して中央に配置され、ボア201から径方向外向きに離れるように延びている状態で、図示されているように起伏ありとされている。起伏は、正弦波または他の周期的な関数にならってモデル化されてもよい。起伏のない実施形態では、径方向面203および302は、図7および図8において示した断面に図示しているように、軸方向と径方向との両方で、概して滑らかな環状の面であってもよい。
【0028】
図1では、ハブ200の最外径方向面203は、頂部208と、2つの反対の隣接する谷部とを備えており、これらは、ここではハブ曲線輪郭と集合的に称される。図1におけるリング300は、ハブ200の最外径方向面203の曲線輪郭と鏡像の曲線輪郭を有する起伏のある最内径方向面302を有しており、その曲線輪郭は、ここではリング曲線輪郭と称される。ハブ曲線輪郭およびリング曲線輪郭は、エラストマ部材400の均一な圧縮のために、一般的に互いに平行に保持される。エラストマ部材400は、例えば谷部、頂部、側壁、またはそれらの間の傾斜部など、ハブ曲線輪郭とリング曲線輪郭とによって定められる複数の表面によって受け入れられ、エラストマ部材400が組み立ておよび動作の間にハブ200およびリング300を互いに対して所定位置で十分に保持する一方で、同時に、圧縮されたエラストマ部材400の輪郭形状内で受け入れ可能なレベルの応力、歪み、およびスリップトルクを維持することを確保するために、その元の圧縮されていない厚さの約30%から約40%までの間で、エラストマ部材400の軸方向長さを通じて均一に、通常は圧縮される。
【0029】
リング300は外側ベルト係合面301を備え、外側ベルト係合面301は、平坦とされ得るか、丸いベルトを受け入れるための起伏ありとされ得るか、V字リブベルトのV字リブと対合するためのV字溝を有し得るか、または任意の他の種類の無端ベルトと対合するための他の必要とされる起伏のある溝を有し得る。図1では、外側ベルト係合面301は、FEADを駆動するために蛇行ベルトを受け入れるための複数のV溝として図示されているが、それに限定されることはない。
【0030】
図2は、複数のエラストマ部材400が中にあって閉じられている従来の圧縮型600の実施形態を表している。圧縮型600は上方プレート601と下方プレート602とを備えており、それらプレートの各々は、閉じた位置で一緒に並べられるとき、複数の空所608を定める複数の丸められた細長い矩形の通路604、606をそれぞれ有しており、各々の空所は、個別のエラストマ部材400を形成する。空所608は、図2に示しているように、示された図に対して直角に各々のエラストマ部材400(延いては、空所)の長さを有し、上方プレート601と下方プレート602との間で水平に配向されている。したがって、各々のエラストマ条片400の幅Wは水平であり、ゲージGは、示された図において鉛直である。エラストマ部材400は、条片を形成するために、上プレート601と下プレート602との間で圧縮されることになる測定された重量に切断された未硬化のゴムの単一の塊(プレフォーム)として始まる。空所が完全に充填された後、過剰なエラストマが各々の空所から流れ出し、条片の側部同士において条片の長さに沿って延びるバリ401を形成する。背景技術において先に説明したように、この位置におけるバリ401は、後で除去するステップを必要とするため、概して望ましくない。しかしながら、ここで開示されている改善されたエラストマ部材は、なおも水平の圧縮成形技術を用いて製造できる。
【0031】
エラストマ部材のためのより優れた成形方法は、図3に示されている。この方法は、生産の増加と、バリを除去する必要性の排除と、のおかげでより優れていると考えられる。ここで、鉛直方向圧縮型700は上方プレート701と下方プレート702とを備えており、それらプレートの各々は、閉じた位置で一緒に並べられるとき、複数の空所708を定める複数の丸められた台形の通路704、706(図3に示しているような横断する断面で見たとき)をそれぞれ有しており、各々の空所は、個別のエラストマ部材500を形成する。空所708は、図3に示しているように、図に対して直角に、各々のエラストマ部材500(延いては、空所)の長さを有し、上方プレート701と下方プレート702との間に鉛直に配向されている。したがって、各々のエラストマ条片500の幅Wは鉛直であり、ゲージGは、図示した図において水平である。各々のエラストマ部材500は、それぞれの空所708を充填するために上プレート701と下プレート702との間で圧縮される測定された重量に切断された未硬化のゴムの単一の塊(プレフォーム)として始まる。過剰なエラストマは、空所が充填された後、流れ出てバリ501を形成する。
【0032】
注目されるのは、図3の鉛直方向圧縮型700は、等しい長さの図2の従来の圧縮型600と比較して、より多くの空所708を定めている。したがって、生産工程あたりの生産が、水平(従来)から鉛直の型へと移行することで、大幅に高められることを理解されたい。提示した例では、この生産は、成形熱あたりで、4個のエラストマ部材から14個のエラストマ部材へと増加する。
【0033】
ここではエラストマ部材の鉛直方向圧縮成形に便益があるが、図4は、水平方向圧縮成形も可能であることを示している。ここで、水平方向圧縮型900は上方プレート901と下方プレート902とを備えており、それらプレートの各々は、閉じた位置で一緒に並べられるとき、複数の空所908を定める複数の通路904、906をそれぞれ有しており、各々の空所は、概して図7に示しているようなエラストマ輪郭、または図14において半体として示しているようなエラストマ輪郭を有する個別のエラストマ部材800を形成する。空所908は、図4に示しているように、示された図に対して直角に、各々のエラストマ部材800(延いては、空所)の長さを有し、上方プレート901と下方プレート902との間で水平に配向されている。したがって、各々のエラストマ条片800の幅Wは水平であり、ゲージGは、示された図において鉛直である。各々のエラストマ部材800は、それぞれの空所908を充填するために上プレート901と下プレート902との間で圧縮される測定された重量に切断された未硬化のゴムの単一の塊(プレフォーム)として始まる。過剰なエラストマは、空所が充填された後、流れ出てバリ801を形成する。
【0034】
図5は、図2における従来の圧縮型から製作された、その長手方向軸に対して横断する断面での従来のエラストマ部材400を示している。この図における線形寸法が、幅402と、均一な軸方向厚さ403(またはゲージG)と、によって定められ得る。バリ401は、均一な軸方向厚さ403を定める側部に沿って存在する。
【0035】
図6は、断面における本発明のエラストマ部材500を示しており、その断面は、図8に示した条片500’の長さに対して横断しており、エラストマ部材500の中央矢状平面520と横断平面522とを二等分にする平面でもある。図6および図8に示しているようなエラストマ部材500は、第1の主表面510および第2の主表面512におけるバリ501の位置によって証明されるように、図3の鉛直方向圧縮型によって製作されている。エラストマ部材の線形寸法は、幅502と、長さ505(図6)と、変化する厚さ(またはゲージ)と、によって定められ得る。エラストマ部材500の変化する厚さは、反対の第1の主表面510および第2の主表面512に対して概して垂直であるエラストマ部材500の側部506、508によって定められる第1の厚さ503と、横断平面522と概して並べられる、エラストマ部材の概して中心における第2の厚さ504と、を有し、第2の厚さ504は第1の厚さ503より大きい。
【0036】
図7は、断面における本発明のエラストマ部材800を示しており、断面は、型がその条片を作る場合、条片の長さに対して横断しているか、または型がその環状リング(図示略)を作る場合、回転の軸に対して平行な平面における断面であり、中央矢状平面と横断平面とを有し、エラストマ部材800の中央矢状平面820と横断平面822とを二等分にする平面でもある。エラストマ部材800は、水平方向圧縮成形によって製作されているか、または環状リングに形作られた型で移送成形もしくは射出成形されてもよい。水平方向圧縮成形が使用されるとき、バリ801は側部806、808にある。エラストマ部材の線形寸法は、幅802と、長さまたは直径(図示略)と、変化する厚さ(またはゲージ)と、によって定められ得る。エラストマ部材800の変化する厚さは、反対の第1の主表面810および第2の主表面812に対して概して垂直である側部806、808によって定められる第1の厚さ803と、横断平面822と概して並べられる、エラストマ部材の概して中心における第2の厚さ804とを伴い、第2の厚さ804が第1の厚さ803より大きく、エラストマ部材500と同じまたは同様である。
【0037】
一実施形態では、変化する厚さは、第1の側806から横断平面822へと徐々に発散し、次に、横断平面822から側部808へと徐々に収束する。エラストマ部材の発散する部分および収束する部分は、図14の左側の図に示しているように、線形関数に基づく形状を各々有し得る。別の実施形態では、厚さは、発散する部分および収束する部分のうちの1つまたは複数において、例えば図14の真ん中の図に示しているような単一の曲線の関数として、または図14の右側の図に示しているような2つ以上の連続して配置される曲線の関数を含むものなど、より複雑な非線形の関数として、非線形に変化してもよい。側部における第1の厚さと、第1の厚さより大きい横断平面に概して近接する第2の厚さとをすべてもたらす非限定的な例がある。厚さのこのような構成は、エラストマ部材を、概して対称に圧縮させるが輪郭の軸方向長さを通じて不均一に圧縮させることができる。このような圧縮の最小値は15%であり(軸方向周辺において)、このような圧縮の最大値は45%である(軸方向中心位置において)。
【0038】
図9および図10は、それぞれ設置位置にあるハブ200と、リング300と、エラストマ部材800、500と、を伴う軸対称の断面におけるTVD100を示している。バリ801の存在は、エラストマ部材が図4の水平方向圧縮型を用いて形成されているため、図9の設置位置において露出されるエラストマの表面にあり、バリを除去するための追加的な製造ステップを必要とする可能性がある。バリ501(図6および図8)は、ハブ200とリング300とによって覆われるため、図10の組み立てられた図において見ることができず、それによってバリを除去する追加的なステップのための必要性を排除している。図9および図10におけるTVD100は、リング300の内側径方向面について、およびハブ200の最外径方向面について、起伏のない輪郭を有しているが、本発明はそれに限定されない。しかしながら、起伏のない輪郭は、エラストマ部材500、800の形状がシステムの性能に有している違いを示すための、図11図13に提示された比較分析のために使用されている。
【0039】
図11は、エラストマ部材がハブとリングとの間で圧縮されている状態で、輪郭として軸方向に見るとき、つまり、TVDの回転の軸と平行に取られる組み立てられた断面で見るときの、エラストマ部材における最大主応力の積み上げを比較する半軸対称のFEAプロットである。上部は、輪郭の軸方向周辺を示しており、下部は、輪郭の軸方向中心点(横断平面522における)を示している。最大主応力の最大値(引っ張り)と最大主応力の最小値(圧縮)との間の差は、「応力デルタ」と呼ばれる量を生み出し、応力デルタは、動作時のエラストマ部材の疲労寿命を見積もるための優れた基準尺度として受け入れられる。この図では、先行技術を表しているエラストマ部材(上の図)は、軸方向輪郭長さを通じて30%の一定の圧縮が与えられており、一方、本発明は、20%(軸方向輪郭周辺において)から40%(軸方向輪郭中心点において)までの間の線形で対称な圧縮が与えられている。応力デルタにおける34.5%の向上がこの例では示されており、これは、TVDの疲労寿命における向上を意味している。画像における色の位置によって示される応力の分布における違いにも注目されたい。
【0040】
図12は、軸方向において輪郭における最大主歪みの積み上げを比較する半軸対称のFEAプロットである。上部は輪郭の軸方向周辺を示しており、下部は輪郭の軸方向中心点を示している。軸方向位置に沿っての最大主歪みの最大値は、動作時のエラストマ部材の疲労寿命を見積もるための優れた基準尺度として受け入れられる。この図では、先行技術を表しているエラストマ部材(上の図)は、軸方向輪郭長さを通じて30%の一定の圧縮が与えられており、一方、本発明は、20%(軸方向輪郭周辺において)から40%(軸方向輪郭中心点において)までの間の線形で対称な圧縮が与えられている。先行技術は、計算上、より優れた歪み応答を示しているが、最大主歪み(矢印で指示された赤色領域)は、耐久性試験の間に塊になる欠陥をより受けやすい領域であった軸方向輪郭周辺の近くに位置付けられる。エラストマ部材500(下の図)は、最大主歪みの位置を、塊になる欠陥などの疲労損傷と一般的に関係付けられない領域である軸方向輪郭中心線に向かって移動し、それによって塊になる欠陥の可能性を低減する。
【0041】
図13は、軸方向において輪郭における接触圧力の積み上げを比較する半軸対称のFEAプロットである。上部は輪郭の軸方向周辺を示しており、下部は輪郭の軸方向中心点を示している。接触圧力の平均値は、動作時におけるダンパのスリップトルク能力を見積もるための優れた基準尺度である。この図では、先行技術を表しているエラストマ部材は、軸方向輪郭長さを通じて30%の一定の圧縮が与えられており、一方、本発明は、20%(軸方向輪郭周辺において)から40%(軸方向輪郭中心点において)までの間の線形で対称な圧縮が与えられている。スリップトルク能力における14.8%の向上が、この例では示されている。
【0042】
上記の試験の各々の結果は、別々および集約的に、本明細書で開示したエラストマ部材の優れた結果を示している。
【0043】
図3の鉛直方向圧縮型700を用いる場合、捩じれ振動ダンパのためのエラストマ部材を作るための方法は、第1の主表面510および第2の主表面512の各々の長さに沿って材料のバリ501を伴う、図6および図8のエラストマ部材500をもたらす可能性がある。図3を参照すると、方法は、上方プレート701と下方プレート702とを有する鉛直方向圧縮型700を提供するステップを含んでいる。上方プレート701および下方プレート702の各々は、上方および下方のプレートの長手方向軸に対して横断する断面で見たとき、2つの概して平行な側のうちの大きい方が開口を定める台形状に各々が概して形作られる複数の離間された細長い通路704、706を備える。方法は、下方プレート702においてエラストマ材料を置くステップと、上方プレート701の通路704の各々1つを下方プレート702の通路706の各々1つと並べることで複数の空所708を形成するために、上方プレート701を下方プレート702に合わせるステップと、を含む。
【0044】
上方プレート701を下方プレート702に合わせるとき、空所708内にエラストマ材料を分散するために、典型的には型700に圧力が加えられる。方法は、エラストマ材料を硬化させるために、熱および圧力を上方プレート701および下方プレート702の1つまたは複数に加えるステップも含み得る。一実施形態では、熱を加えることは、エラストマ材料を下方プレート702に置くステップの前に、下方プレート702を加熱するステップ、および/またはエラストマ材料を下方プレート702に置くステップの前に、上方プレート701を加熱するステップ、を含み得る。
【0045】
これらの同じステップは、型からエラストマ部材800を取り出した後にバリを除去する選択肢を伴う、水平方向圧縮型900を用いる図4および図7のエラストマ部材800を作るためにも適している。
【0046】
エラストマ材料は、限定されることはないが、捩じれ振動ダンパ100が搭載される回転シャフトによって発生される捩じれ振動を吸収および/または減衰するための任意の適切なエラストマを含み得る。エラストマ材料は、好ましくは、自動車エンジンの用途に適したもの、つまり、エンジンにおいて受ける温度、路面の温度および条件に耐えるのに適したものである。一実施形態では、エラストマ材料は、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、ニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、エチレンアクリルエラストマ、水素化ニトリルブタジエンゴム、およびポリクロロプレンゴムのうちの1つまたは複数を含む。エチレンアクリルエラストマの一例は、E. I. du Pont de Nemours and CompanyによるVAMAC(登録商標)エチレンアクリルエラストマである。エラストマ材料は、内部に分散された複数の繊維を選択的に含む複合材料であってもよい。繊維は、TECHNORA(登録商標)繊維の名前で販売されている繊維など、連続的または断片的(刻まれた)アラミド繊維であってもよい。
【0047】
本発明は特定の実施形態に関して図示および記載されているが、本明細書を読んで理解すれば、当業者が変更を思いつくことは明白であり、本発明は、そのような変更をすべて含んでいる。
【符号の説明】
【0048】
100 TVD
200 ハブ
300 リング
500 エラストマ部材、エラストマ条片
500’ 条片
501 バリ
502 幅
503 第1の厚さ
504 第2の厚さ
505 長さ
506、508 側部
510 第1の主表面
512 第2の主表面
520 中央矢状平面
522 横断平面
700 鉛直方向圧縮型
701 上方プレート、上プレート
702 下方プレート、下プレート
704、706 台形の通路
708 空所
800 エラストマ部材、エラストマ条片
801 バリ
802 幅
803 第1の厚さ
804 第2の厚さ
806、808 側部
810 第1の主表面
812 第2の主表面
820 中央矢状平面
822 横断平面
900 水平方向圧縮型
901 上方プレート、上プレート
902 下方プレート、下プレート
904、906 通路
908 空所
G ゲージ
W 幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14