(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記メータアセンブリから前記2つ以上の信号を取得するステップは、前記メータアセンブリ内のチューブに取り付けられた少なくとも2つのセンサから2つ以上の信号を取得するステップを含む、請求項1に記載の方法。
更に、前記メータ電子機器内のアナログ回路の温度を測定し、測定された温度を前記信号パラメータオフセットに相関付けるステップを含む、請求項1乃至5の何れかに記載の方法。
前記測定された温度に基づいて前記信号パラメータオフセットを生成するステップは、公称温度における値と2つ以上の信号から割り出された値との間の差を求めるステップを含む、請求項9に記載の方法。
前記メータアセンブリ(10)は、少なくとも1つの流れチューブ(130、130’)と、少なくとも1つの流れチューブ(130、130’)に結合した少なくとも2つのピックオフセンサ(170l、170r、310、320)とからなる、請求項14に記載の装置(300)。
前記メータ電子機器(20)は、更に信号パラメータオフセットで前記時間遅延を補償する前に、公称温度において2つ以上の信号の1つをゼロに較正するように構成される、請求項14又は15に記載の装置(300)。
前記メータ電子機器(20)は、温度測定値(392)を、格納された前記信号パラメータオフセット(225)に相関付けられた格納された温度測定値(224)と比較することによって、前記信号パラメータオフセットをもたらす、請求項14乃至17の何れかに記載の装置(300)。
前記メータ電子機器(20)は更に、メータ電子機器(20)内のストレージシステム(220)に温度測定値(224)を格納するように構成される、請求項14乃至18の何れかに記載の装置(300)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
要約
振動式流量計における信号の温度補償のための方法が提供される。一実施形態によれば、この方法は、振動式流量計のメータアセンブリから1つ以上の信号を取得するステップと、1つ以上の信号を振動式流量計のメータ電子機器へともたらすステップと、1つ以上の信号を信号パラメータオフセットによって補償するステップとを含み、信号パラメータオフセットは、メータ電子機器の温度に基づく。
【0007】
振動式流量計における信号の温度補償のための方法が提供される。一実施形態によれば、この方法は、振動式流量計のメータアセンブリから1つ以上の信号を取得するステップと、1つ以上の信号を振動式流量計のメータ電子機器へともたらすステップと、メータ電子機器の温度を測定するステップと、測定された温度に基づいて信号パラメータオフセットを生成するステップとを含む。
【0008】
振動式流量計における信号の温度補償のための装置が提供される。一実施形態によれば、この装置は、1つ以上の信号をもたらすように構成された振動式流量計内のメータアセンブリと、メータアセンブリに通信可能に結合し、メータアセンブリから1つ以上の信号を受信するように構成されたメータ電子機器と、メータ電子機器と通信し、メータ電子機器の温度を測定して温度測定値をメータ電子機器へともたらすように構成された温度センサとを備える。メータ電子機器は、温度測定値に基づいて信号パラメータオフセットをもたらし、信号パラメータオフセットで1つ以上の信号を補償するように構成される。
【0009】
態様
一態様によれば、振動式流量計における信号の温度補償のための方法が、振動式流量計のメータアセンブリから1つ以上の信号を取得するステップと、1つ以上の信号を振動式流量計のメータ電子機器へともたらすステップと、1つ以上の信号を信号パラメータオフセットによって補償するステップとを含み、信号パラメータオフセットは、メータ電子機器の温度に基づく。
【0010】
好ましくは、メータアセンブリから1つ以上の信号を取得するステップは、メータアセンブリ内のチューブに取り付けられた少なくとも1つのセンサから1つ以上の信号を取得するステップを含む。
好ましくは、1つ以上の信号は、公称温度において前もってゼロに較正された信号を含む。
好ましくは、本方法は、1つ以上の信号のうちの2つの間の時間遅延を割り出し、信号パラメータオフセットで時間遅延を補償するステップ、1つ以上の信号の周波数を割り出し、信号パラメータオフセットで周波数を補償するステップ、及び1つ以上の信号の振幅を割り出し、信号パラメータオフセットで振幅を補償するステップ、のうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0011】
好ましくは、本方法は、メータ電子機器の温度を測定し、測定された温度を格納された測定温度と比較するステップをさらに含む。
好ましくは、本方法は、メータ電子機器の温度を測定し、測定された温度を信号パラメータオフセットに相関付けるステップをさらに含む。
好ましくは、1つ以上の信号は、少なくとも1つのデジタル信号からなる。
好ましくは、信号パラメータオフセットは、1つ以上の信号のうちの少なくとも1つに加えられるデジタル値である。
好ましくは、メータ電子機器の温度は、メータ電子機器内のアナログ回路の温度からなる。
【0012】
一態様によれば、振動式流量計における信号の温度補償のための方法が、振動式流量計のメータアセンブリから1つ以上の信号を取得するステップと、1つ以上の信号を振動式流量計のメータ電子機器へともたらすステップと、メータ電子機器の温度を測定するステップと、測定された温度に基づいて信号パラメータオフセットを生成するステップとを含む。
【0013】
好ましくは、測定された温度に基づいて信号パラメータオフセットを生成するステップは、公称温度値と1つ以上の信号から割り出された値との間の差を求めるステップを含む。
好ましくは、本方法は、周囲環境の温度を変化させることによってメータ電子機器の温度を変化させるステップをさらに含む。
好ましくは、本方法は、信号パラメータオフセット及び温度測定値をメータ電子機器に格納するステップをさらに含む。
好ましくは、本方法は、温度測定値と信号パラメータオフセットとの間の相関をメータ電子機器に格納するステップをさらに含む。
【0014】
一態様によれば、振動式流量計(5)における信号の温度補償のための装置(300)は、1つ以上の信号をもたらすように構成された振動式流量計(5)内のメータアセンブリ(10)と、メータアセンブリ(10)に通信可能に結合し、メータアセンブリ(10)から1つ以上の信号を受信するように構成されたメータ電子機器(20)と、メータ電子機器(20)と通信し、メータ電子機器(20)の温度を測定して温度測定値(392)をメータ電子機器(20)へともたらすように構成された温度センサ(390)とを備える。メータ電子機器(20)は、温度測定値(392)に基づいて信号パラメータオフセットをもたらし、信号パラメータオフセットで1つ以上の信号を補償するように構成される。
【0015】
好ましくは、メータアセンブリ(10)は、少なくとも1つの流れチューブ(130、130’)と、少なくとも1つの流れチューブ(130、130’)に結合した少なくとも1つのピックオフセンサ(170l、170r、310、320)とからなる。
好ましくは、メータ電子機器(20)は、信号パラメータオフセットで1つ以上の信号を補償する前に、1つ以上の信号をゼロに較正するようにさらに構成される。
好ましくは、メータ電子機器(20)は、1つ以上の信号のうちの2つの間の時間遅延を割り出し、信号パラメータオフセットで時間遅延を補償すること、1つ以上の信号の周波数を割り出し、信号パラメータオフセットで周波数を補償すること、及び1つ以上の信号の振幅を割り出し、信号パラメータオフセットで振幅を補償すること、のうちの少なくとも1つを行うようにさらに構成される。
【0016】
好ましくは、メータ電子機器(20)は、温度測定値(392)を、格納された信号パラメータオフセット(225)に相関付けられた格納された温度測定値(224)と比較することによって、信号パラメータオフセットをもたらす。
好ましくは、メータ電子機器(20)は、メータ電子機器(20)内のストレージシステム(220)に温度測定値(224)を格納するようにさらに構成される。
好ましくは、温度センサ(390)は、メータアセンブリ(10)から1つ以上の信号を受信するアナログ回路(330)の温度を測定するようにさらに構成される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1〜
図6及び以下の説明は、振動式流量計における信号の温度補償の実施形態の最良の態様を作成及び使用するやり方を当業者に教示するために、特定の例を示す。本発明の原理を教示する目的において、いくつかの従来の態様は、簡略化され、あるいは省略されている。当業者であれば、本明細書の範囲に含まれるこれらの例からの変形を、理解できるであろう。以下で説明される特徴をさまざまなやり方で組み合わせて、振動式流量計における信号の温度補償の多数の変種を形成できることを、当業者であれば理解できるであろう。結果として、以下で説明される実施形態は、後述される具体的な例に限定されるものではなく、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されるものである。
【0019】
図1が、メータアセンブリ10とメータ電子機器20とを備える振動式流量計5を示している。メータアセンブリ10は、プロセス物質の質量流量及び密度に応答する。メータ電子機器20は、経路26にわたる密度、質量流量、及び温度情報をもたらし、さらには他の情報をもたらすために、リード線100によってメータアセンブリ10に接続される。コリオリ流量計の構造が説明されるが、本発明を、振動チューブ密度計、音叉濃度計、などとして実施できることは、当業者にとって明らかである。
【0020】
メータアセンブリ10は、1対のマニホールド150及び150’と、フランジ首部110及び110’を有するフランジ103及び103’と、1対の平行な流れチューブ130及び130’と、駆動機構180と、抵抗温度検出器(RTD)190と、1対のピックオフセンサ170l及び170rとを備える。流れチューブ130及び130’は、流れチューブ取り付けブロック120及び120’においてお互いに向かって収束する2つの本質的にまっすぐな流入脚部131、131’及び流出脚部134、134’を有する。流れチューブ130、130’は、それらの長さに沿った2つの対称な位置において曲がり、それらの長さの全体にわたって本質的に平行である。ブレースバー140及び140’が、各々の流れチューブ130、130’の振動の中心軸W及びW’を定めるように機能する。
【0021】
流れチューブ130、130’の横脚部131、131’及び134、134’は、流れチューブ取り付けブロック120及び120’に不動に取り付けられ、次いでこれらのブロックは、マニホールド150及び150’に不動に取り付けられる。これは、メータアセンブリ10を通る連続的な閉じた物質経路をもたらす。
穴102及び102’を有するフランジ103及び103’が、入口端104及び出口端104’を介し、測定対象のプロセス物質を運ぶプロセス配管(図示せず)へと接続されると、物質は、フランジ103のオリフィス101を通って計器の入口端104に進入し、マニホールド150を通って表面121を有している流れチューブ取り付けブロック120へと導かれる。マニホールド150において、物質は分割され、流れチューブ130、130’を通って送られる。流れチューブ130、130’を出ると、プロセス物質は、表面121’を有するブロック120’及びマニホールド150’において再び合流して単一の流れとなり、その後に穴102’を有するフランジ103’によってプロセス配管(図示せず)へと接続された出口端104’に送られる。
【0022】
流れチューブ130、130’は、それぞれの曲げ軸W-W及びW’-W’の周りの質量分布、慣性モーメント、及びヤング率が実質的に同じであるように選択され、流れチューブ取り付けブロック120、120’に適切に取り付けられる。これらの曲げ軸は、ブレースバー140、140’を通過する。流れチューブのヤング率が温度とともに変化し、この変化が流量及び密度の計算に影響を及ぼすため、RTD190が流れチューブ130’に取り付けられ、流れチューブ130’の温度を連続的に測定する。流れチューブ130’の温度、したがってRTD190を通過する所与の電流においてRTD190の両端に現れる電圧は、流れチューブ130’を通過する物質の温度によって支配される。RTD190の両端に現れる温度依存性の電圧は、流れチューブの温度の変化に起因する流れチューブ130、130’の弾性率の変化を補償するために、メータ電子機器20によって周知の方法で使用される。RTD190は、リード線195によってメータ電子機器20へと接続される。
【0023】
流れチューブ130、130の両方は、駆動機構180によって、それぞれの曲げ軸W及びW’を中心にして反対の方向に、いわゆる流量計の第1の位相外れ曲げモードで駆動される。この駆動機構180は、流れチューブ130’に取り付けられた磁石、及び流れチューブ130に取り付けられ、両方の流れチューブ130、130’を振動させるために交流が通される対向するコイルなど、多数の周知の構成のうちの任意の1つを備えることができる。適切な駆動信号が、メータ電子機器20によって、リード線185を介して、駆動機構180に印加される。
【0024】
メータ電子機器20は、リード線195上のRTD温度信号と、リード線165l、165rにそれぞれ現れる左右のセンサ信号とを受信する。メータ電子機器20は、リード線185に現れる駆動信号を生成し、機構180を駆動し、チューブ130、130’を振動させる。メータ電子機器20は、左右のセンサ信号及びRTD信号を処理して、メータアセンブリ10を通過する物質の質量流量及び密度を計算する。左右のセンサ信号及びRTD信号の処理は、左右のセンサ信号間の時間遅延または位相差を割り出すことを含むことができる。また、この処理は、左右のセンサ信号の周波数及び振幅など、他の信号パラメータを割り出すことも含むことができる。これらの情報及び他の情報は、メータ電子機器20によって経路26を経て加えられる。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態によるメータ電子機器20を示している。メータ電子機器20は、インターフェース201及び処理システム210を含むことができる。処理システム210は、ストレージシステム220を含むことができる。ストレージシステム220は、図示のように内部メモリを備えてもよく、あるいは外部メモリを備えてもよい。
インターフェース201は、リード線165r、165l、185を介して駆動機構180及びピックオフセンサ170l、170rからセンサ信号を受信することができる。インターフェース201は、フォーマット、増幅、バッファリング、などの任意のやり方など、任意の必要または所望の信号調整を行うことができる。あるいは、信号調整の一部または全部を、処理システム210で実行することができる。さらに、インターフェース201は、メータ電子機器20と外部の装置との間の通信を可能にすることができる。インターフェース201は、任意のやり方の電子的、光学的、または無線通信が可能であり得る。
【0026】
インターフェース201は、一実施形態では、センサ信号がアナログ信号を含む場合に、デジタイザを含むことができる。デジタイザは、アナログ信号をサンプリングしてデジタル化し、デジタル信号を生成することができる。デジタイザは、必要なデシメーションを実行し、デジタル信号は必要な信号処理の量を減らし、処理時間を短縮するために、大幅に削減することができる。
処理システム210は、汎用コンピュータ、マイクロ処理システム、論理回路、または何らかの他の汎用またはカスタマイズされた処理装置を備えることができる。処理システム210を、複数の処理装置に分散させることができる。処理システム210は、ストレージシステム220など、任意の形式の一体型または独立した電子記憶媒体を含むことができる。
【0027】
メータ電子機器20が、当技術分野で広く知られている種々の他の構成要素及び機能を含むことができることを、理解すべきである。これらの追加の特徴は、簡潔にするために説明及び図面から省略されている。したがって、本発明は、図示及び説明される特定の実施形態に限定されるべきではない。
メータ電子機器20は、格納された駆動信号221を使用して、リード線185を介して駆動機構180へと送られる駆動信号を生成及び供給することができる。例えば、
図1を参照して説明した駆動信号を、格納された駆動信号221からデジタル−アナログ変換器により生成することができる。さらに、メータ電子機器20は、リード線165l、165rを介して受信されるセンサ信号を受信、符号化、及び格納し、格納されたセンサ信号222とすることができる。いくつかの実施形態において、センサ信号222は、駆動機構180から受信される信号を含むことができる。さらに、メータ電子機器20は、流れチューブ130、130’に結合した、RTD190からのRTD信号を受信、符号化、及び格納し、RTD信号223とすることができる。メータ電子機器20は、流れチューブ130、130’を通って流れる物質の流れ特性を求めるために、センサ信号222を処理することができる。
【0028】
さらに、メータ電子機器20は、メータ電子機器20の温度測定値224を処理することもできる。温度測定値224は、メータ電子機器20の温度に基づく1つ以上の格納された値であってよい。いくつかの実施形態において、温度測定値224は、インターフェース201の温度に基づく。例えば、温度測定値224は、インターフェース201のうち、上述したようにデジタイザ用のリード線165l、165rを介して受信されるセンサ信号を受信して調整する部分の温度であってよい。
【0029】
さらに、メータ電子機器20は、センサ信号222に加えられ得る信号パラメータオフセット225を生成及び提供することもできる。例えば、メータ電子機器20は、センサ信号222を使用して、左側のピックオフセンサ170lと右側のピックオフセンサ170rとの間の時間遅延を割り出すことができる。理解できるとおり、時間遅延は、メータ電子機器20における温度変化に起因する誤差を有する可能性がある。信号パラメータオフセット225を時間遅延に加えて、時間遅延の誤差を低減または排除することができる。振動式流量計における信号の温度補償のためのこれらの方法及び装置ならびに他の方法及び装置を、以下でより詳細に説明する。
【0030】
図3は、振動式流量計における信号の温度補償のための装置300を示している。
図3に示されるように、装置300は、ブロック図として表される。装置300は、左ピックオフ(LPO)センサ310及び右ピックオフ(RPO)センサ320を含む。LPOセンサ310は、第1のLPO信号312a及び第2のLPO信号312bをもたらすものとして示されている。RPOセンサ320は、第1のRPO信号322a及び第2のRPO信号322bをもたらすものとして示されている。信号312a、312b、322a、322bは、アナログ回路330へともたらされる。アナログ回路330は、アナログ−デジタル変換器(ADC)340に通信可能に結合している。ADC340は、2つのデジタル信号342によってデジタル信号プロセッサ(DSP)360に通信可能に結合している。DSP360は、DSP出力362によって処理システム380に通信可能に結合している。さらに、処理システム380は、アナログ回路330に近接して配置された温度センサ390に通信可能に結合するものとして示されている。
【0031】
ピックオフセンサ310、320は、例えば
図1を参照して説明した流れチューブ130、130’の運動を測定する任意のセンサであってよい。装置300は、LPO及びRPOセンサ310、320のみを含むものとして示されているが、別の実施形態においては、他のセンサを使用することができる。例えば、
図1を参照して説明したRTD信号も、装置300によって使用することができる。図示の実施形態において、ピックオフセンサ310、320は、流れチューブ130、130’の速度を測定するセンサである。ピックオフセンサ310、320は2つの流れチューブ130、130’の速度を測定するので、ピックオフセンサ310、320の各々から2つの信号がもたらされる。図示の実施形態において、LPO信号312a、312bは、流れチューブ130、130’が位相外れ曲げモードで振れるがゆえに、互いに約180°位相がずれていてよいが、ねじりモード及び同位相モードなど、他のモードが存在してもよい。同様に、RPO信号322a、322bも、流れチューブ130、130’が位相外れ曲げモードで振れるがゆえに、互いに約180°位相がずれていてよい。信号312a、312b、322a、322bは、アナログ回路330へともたらされる。
【0032】
アナログ回路330は、ADC340によるデジタル化のために信号312a、312b、322a、322bを調整することができる。代案の実施形態において、アナログ回路330は、
図1を参照して説明したRTD信号など、他の信号を調整することができる。
図3に示す実施形態において、LPO信号312a、312bは、第1の演算増幅器332aへともたらされる。RPO信号322a、322bは、第2の演算増幅器332bへともたらされる。アナログ回路330は、2つの演算増幅器332を含むものとして示されているが、代案の実施形態においては、演算増幅器を含まないなど、より多数またはより少数の演算増幅器を使用することができる。代案の実施形態における演算増幅器は、受動部品または他の電子回路の異なる構成など、異なる構成要素を含むことができる。例えば、コンデンサが、第1の演算増幅器332a上の電圧供給端子と接地との間に存在してもよい。変成器やインダクタなど、演算増幅器332以外の構成要素も、アナログ回路330に用いることができる。これに加え、あるいはこれに代えて、アナログ回路330は、マルチプレクサなどのデジタル構成要素をアナログ構成要素とともに含むことができる。
【0033】
図示の実施形態において、演算増幅器332は、ローパスフィルタ構成である。ローパスフィルタ構成のカットオフ周波数、位相シフト、及び他の電気的特性は、抵抗器R及びコンデンサCの値に依存する。演算増幅器332は、典型的には、抵抗器R及びコンデンサCの値が各々の演算増幅器332において同じであるように設計される。しかしながら、抵抗器R及びコンデンサCの公差仕様ゆえに、抵抗器R及びコンデンサCの実際の公称値が、設計公称値から逸脱する可能性がある。加えて、抵抗器R及びコンデンサCの実際の値は、メータ電子機器20の温度の変動に起因して実際の公称値からドリフトする可能性もある。
【0034】
例えば、一実施形態において、コンデンサCの設計公称値は、100pFであり得る。実際の公称値は、第1の演算増幅器332aのコンデンサCについて95pFであり、第2の演算増幅器332bにおいて105pFであり得る。コンデンサCは、例えば室温の場合には、実際の公称値にあるかもしれない。しかしながら、アナログ回路330の温度が振動式流量計5の動作の最中に変動し、コンデンサCの値が実際の公称値からドリフトする可能性がある。結果として、演算増幅器332のカットオフ周波数、位相シフト、及び他の電気的特性が、メータ電子機器20における温度変化のために逸脱する可能性がある。電気的特性の逸脱は、ADC340によって受信される信号をメータ電子機器20における温度変化に起因して変化させる可能性がある。
【0035】
ADC340は、演算増幅器332によってもたらされる信号をデジタル化する。デジタル化の際に、ADC340は、基準電圧を使用して信号312a、312b、322a、322bをサンプリングすることができる。基準電圧も、メータ電子機器20の温度の変動に起因して逸脱することがある。結果として、信号312a、312b、322a、322bのデジタル版も、ADC340における温度の変動に起因して変化する可能性がある。図示の実施形態において、ADC340は2チャネルADCであるが、代案の実施形態においては、より多数またはより少数のチャネルを使用することができる。これに加え、あるいはこれに代えて、代案の実施形態におけるADCは、より多数またはより少数のADCを含むことができる。例えば、代案の実施形態においては、2つの単一チャネルADCを使用することができる。あるいは、3つ以上のチャネルのADCを使用し、チャネルのうちの2つを利用することができる。
図3に示されるように、ADC340は、デジタル信号342をDSP360へともたらす。
【0036】
デジタル信号342は、第1のデジタル信号342aと第2のデジタル信号342bとで構成される。第1及び第2のデジタル信号342a、342bは、第1及び第2の演算増幅器332a、332bによってもたらされる信号にそれぞれ対応する。したがって、デジタル信号342は、演算増幅器332によってもたらされる対応する信号を表す一連のデジタル値であってよい。結果として、デジタル信号342は、メータ電子機器20の温度変化によって引き起こされる変動も含む。デジタル信号342は、例えばチューブ130、130’内の流体の特性を割り出すために、DSP360へともたらされ、DSP360によって処理される。
【0037】
DSP360は、フィルタ処理、デシメーション、遅延、などのさまざまな信号処理機能を実行することができる。図示の実施形態において、DSP360は、例えば、第1のデジタル信号342a及び第2のデジタル信号342bを処理して、時間遅延を割り出すことができる。時間遅延は、流れチューブ130、130’内の流体の質量流量に比例することができる。しかしながら、代案の実施形態において、DSP360は、流れチューブ130、130’内の流体の密度などの他の特性に対応する他の動作を実行することができる。例えば、代案の実施形態においては、デジタル信号の周波数を、音叉密度計によって測定される物質の密度に相関させることができる。図示の実施形態においては、時間遅延または他の特性を、DSP出力362として処理システム380にもたらすことができる。
【0038】
処理システム380は、DSP出力362について温度補償を実行することができる。例えば、処理システム380は、以前に測定されたメータ電子機器20の温度に相関付けられて格納された信号パラメータオフセットを有することができる。信号パラメータオフセットは、例えば、DSP出力362を介してDSP360から受信した時間遅延に加えられる遅延であってよい。単一のDSP出力362が図示されているが、代案の実施形態では、より多くのDSP出力を使用することができる。これに加え、あるいはこれに代えて、別のDSP出力が、時間遅延または質量流量以外の特性に関する情報を運ぶことができる。図示の実施形態ならびに他の実施形態において、処理システム380は、アナログ回路330に近接する温度センサ390から温度測定値392も受信する。
【0039】
図示の実施形態では、温度センサ390は、メータ電子機器20の一部であり、アナログ回路330に物理的に近接している。したがって、温度センサ390は、メータ電子機器20の温度を測定することができる。温度センサ390は、例えば、アナログ回路330の温度を電圧信号に変換することができる。代案の実施形態では、温度センサ390は、メータ電子機器20に物理的に結合していなくてもよい。例えば、温度センサ390は、例えば演算増幅器332からの赤外線放射を測定する赤外線センサであってよい。これらの実施形態及び他の実施形態において、メータ電子機器20の測定温度は、演算増幅器332の温度であってよい。演算増幅器332の温度は、例えば、
図3に示した抵抗器R及びコンデンサCの温度を含むことができる。温度センサ390について、他の構成を採用してもよい。
【0040】
例えば、
図3には単一の温度センサ390が示されているが、代案の実施形態においては、より多数の温度センサが含まれてよい。例えば、温度センサを、各々の演算増幅器332の近くに配置することができる。したがって、各々の演算増幅器332の温度を測定でき、それによって所望の水準の精度で相関信号パラメータオフセットを割り出すために処理することができる2つの温度信号をもたらすことができる。他の実施形態では、他の温度センサを使用して、信号パラメータオフセットをもたらすために使用することができるさらなる温度測定値をもたらすことができる。
【0041】
図2に示した実施形態を参照すると、処理システム380は、温度測定値392を格納された信号パラメータオフセット225に相関させることができる。例えば、処理システム380は、温度測定値392を、格納された信号パラメータオフセット225に相関付けられて格納された温度測定値224と比較することができる。比較において、処理システム380は、格納された温度測定値224が温度測定値392と同じであるかどうかを判定することができる。格納された温度測定値224と温度測定値392とが同じである場合、処理システム380は、格納された温度測定値224に相関付けられて格納された信号パラメータオフセット225を選択することができる。温度測定値392を格納された温度測定値224と比較するプロセスを、格納された温度測定値224が温度測定値392と同じであることが比較によって示されるまで、繰り返し実行することができる。
【0042】
格納された温度測定値224と温度測定値392との間の比較を、上記においては、値が同じである旨を示す比較に基づくものとして説明したが、比較は、格納された温度測定値224と温度測定値392とが同じでない場合も、格納された信号パラメータオフセット225を相関させることができる。例えば、処理システム380は、温度測定値392を格納された温度測定値224と比較し、温度測定値392が格納された温度測定値224の周囲の或る値の範囲内にある場合に、相関付けられた信号パラメータオフセット225を選択することができる。他の比較方法も使用可能である。
上述のように、信号パラメータオフセット225は、メータ電子機器20の温度に基づくことができる。以下でより詳細に説明されるとおり、信号パラメータオフセット225を使用して、メータ電子機器20にもたらされる信号を補償することができる。
【0043】
信号パラメータオフセットによる信号の補償
図4が、振動式流量計における信号の温度補償のための方法400を示している。方法400を、メータ電子機器20または他の電子回路によって実行することができる。例えば、方法400を、
図3を参照して説明した処理システム380によって実行することができる。方法400は、ステップ410において、
図1を参照して説明したメータアセンブリ10などの振動式流量計のメータアセンブリから1つ以上の信号を取得することによって始まる。ステップ420において、方法400は、
図1〜
図3を参照して説明したメータ電子機器20などの振動式流量計のメータ電子機器へと1つ以上の信号をもたらす。方法400は、ステップ430において、1つ以上の信号を信号パラメータオフセットで補償する。信号パラメータオフセットは、メータ電子機器20の温度に基づいている。
【0044】
ステップ410において、方法400は、例えばピックオフセンサ170l、170rからの電圧を測定することにより、振動式流量計のメータアセンブリから1つ以上の信号を取得することができる。1つ以上の信号を、
図1を参照して説明したリード線100によって取得することができる。1つ以上の信号は、
図3を参照して説明したピックオフセンサ310、320によって取得することもできる。例えば、1つ以上の信号は、
図3に示した信号312a、312b、322a、322bであり得る。代案の実施形態においては、1つ以上の信号を、無線送信などの他の手段によって、マルチプレクサなどを介して取得することができる。これに加え、あるいはこれに代えて、1つ以上の信号を、上述したセンサ以外のセンサから取得することができる。
【0045】
ステップ420において、1つ以上の信号は、例えば
図1〜
図3を参照して説明したメータ電子機器20などのメータ電子機器へともたらされる。1つ以上の信号を、
図2に示したインターフェース201においてメータ電子機器20へともたらすことができる。
図3に示した実施形態を参照すると、1つ以上の信号を、アナログ回路330へともたらすこともできる。アナログ回路330は、1つ以上の信号について信号の調整を行うことができる。例えば、アナログ回路330は、LPO信号312a、312b及びRPO信号322a、322bの比較などの動作を実行することができる。
図3を参照して上述したように、メータ電子機器20の温度変化が、信号312a、312b、322a、322bを変化させる可能性がある。例えば、演算増幅器332の温度変化が、抵抗器R及びコンデンサCの公称値をドリフトさせる可能性がある。結果として、演算増幅器332によってもたらされる信号が、誤差を有する可能性がある。これに加え、あるいはこれに代えて、ADC340の温度変化も、演算増幅器332から得られる信号に変動を生じさせる可能性がある。したがって、1つ以上の信号は、信号パラメータオフセットによって補償される前は、変動を含む可能性がある。
【0046】
ステップ430において、1つ以上の信号を、信号パラメータオフセットで補償することができる。信号パラメータオフセットは、メータ電子機器の温度に基づく。メータ電子機器20の温度は、温度センサ390によって測定することができる。メータ電子機器20の温度は、例えば
図3を参照して説明したアナログ回路330の温度であってよい。他の実施形態において、温度は、演算増幅器332の温度であってよい。メータ電子機器20の温度測定値392を使用して、1つ以上の信号を、さまざまな方法で信号パラメータオフセットによって補償することができる。例示的な方法を、
図5を参照して以下で説明する。
【0047】
図5は、振動式流量計における信号の温度補償のための別の方法500を示している。方法500は、ステップ510において、振動式流量計のメータアセンブリから1つ以上の信号を取得することによって始まる。ステップ520において、方法500は、1つ以上の信号を振動式流量計のメータ電子機器へともたらす。方法500は、ステップ530において、1つ以上の信号のうちの少なくとも2つを比較して、チューブの時間遅延を求める。ステップ540において、方法500は、信号パラメータオフセットによって時間遅延を補償する。方法500によれば、信号パラメータオフセットは、メータ電子機器の温度に基づく。
図4を参照して上述したステップ410及び420と同様に、ステップ510及び520は、振動式流量計のメータアセンブリから1つ以上の信号を取得し、1つ以上の信号を振動式流量計のメータ電子機器へともたらすことができる。ステップ510及び520は、上述した実施形態及び他の実施形態を含むことができる。
【0048】
ステップ530において、時間遅延は、例えばLPO信号312a、312b及びRPO信号322a、322bのゼロ交差点を引き算することによって、1つ以上の信号のうちの少なくとも2つから求められる。時間遅延を、種々の他の方法で求めることができる。例えば、位相遅延を、2つ以上の信号から割り出して、1つ以上の信号のうちの1つの信号の周波数で除算することができる。時間遅延を、例えばADC340によって1つ以上の信号をデジタル化した後に割り出すことができる。
図3に示した実施形態では、DSP360によって時間遅延を割り出すことができる。他の実施形態は、時間遅延または他の特性を割り出すことができる他のプロセッサまたは電子回路を含むことができる。
【0049】
ステップ540において、時間遅延は、例えば信号パラメータオフセットを時間遅延に加算することにより、信号パラメータオフセットによって補償される。
図3を参照して上述したように、時間遅延は、メータ電子機器20の温度変化に起因して変化する可能性がある。時間遅延は、
図1を参照して説明した流れチューブ130、130’内の流体の流速に比例する正のスカラー値であり得る。信号パラメータオフセットは、時間遅延に加算されたときに時間遅延における誤差を低減または排除する負のスカラー値であり得る。しかしながら、時間遅延及び操作の任意の適切な表現を、これらの実施形態及び他の実施形態において採用することができる。
【0050】
時間遅延を、処理システム380において補償することができる。例えば、処理システム380は、温度センサ390から温度測定値392を受信することができる。
図3を参照して上述したように、温度センサ390は、信号パラメータオフセット225によって時間遅延を補償することができる。例えば、処理システム380は、温度測定値392を格納された温度測定値224と比較して、相関付けられた信号パラメータオフセット225を選択することができる。選択された信号パラメータオフセット225を、時間遅延に加算することができる。
【0051】
方法500は、時間遅延に加算される信号パラメータオフセット225を説明しているが、信号パラメータオフセット225を、信号の他のパラメータへと加えることが可能である。例えば、信号パラメータオフセット225を、信号の周波数または振幅へと加えることができる。一実施形態では、信号パラメータオフセット225を、密度の測定において周波数へと加えることができる。上述の実施形態は、1つ以上の信号を信号パラメータオフセットによって補償する例示的な方法を示している。以下で、どのように信号パラメータオフセットを生成でき、いくつかの実施形態においてメータ電子機器20に格納できるのかを説明する。
【0052】
信号パラメータオフセットの生成
図6が、振動式流量計における信号の温度補償のための別の方法600を示している。方法600は、ステップ610において、振動式流量計のメータアセンブリから1つ以上の信号を取得することによって始まる。ステップ620において、方法600は、1つ以上の信号を振動式流量計のメータ電子機器へともたらす。さらに、方法600は、ステップ630において、メータ電子機器の温度を測定する。ステップ640において、方法600は、測定された温度に基づいて信号パラメータオフセットを生成する。
【0053】
図4を参照して上述したステップ410及び420と同様に、ステップ610及び620は、振動式流量計のメータアセンブリから1つ以上の信号を取得し、1つ以上の信号を振動式流量計のメータ電子機器へともたらすことができる。ステップ610及び620は、上述した実施形態及び他の実施形態を含むことができる。
【0054】
ステップ630において、方法600は、メータ電子機器の温度を測定する。メータ電子機器は、先に説明したメータ電子機器20であってよい。メータ電子機器の温度は、
図3を参照して説明した温度センサ390または異なる温度センサによって測定することができる。例えば、メータ電子機器20の温度を、メータ電子機器20の一部ではない温度センサによって測定することができる。あるいは、温度を、振動式流量計5を較正する試験機器の一部である温度センサによって測定することができる。
【0055】
例えば、振動式流量計5、またはメータ電子機器20などの振動式流量計5の一部を、環境試験室に配置することができる。環境試験室は、メータ電子機器20に取り付けられた熱電対で温度を測定しながら、メータ電子機器20の温度を増減させることができる。メータ電子機器20の温度を、環境試験室内の周囲環境の温度を変化させることによって増減させることができる。また、環境試験室は、メータ電子機器20と通信し、メータ電子機器20の温度測定値をメータ電子機器20へともたらすこともできる。これに加え、あるいはこれに代えて、メータ電子機器20は、
図3に示した温度センサ390から温度測定値を取得することができる。
【0056】
ステップ640において、方法600は、測定された温度に基づいて信号パラメータオフセットを生成することができる。例えば、方法600は、上述した流れチューブ130、130’を振動させ、DSP出力362を使用して信号パラメータオフセットを決定することができる。一実施形態において、ピックオフセンサ310、320の間の位相差の公称値を、流量ゼロに対応するように、室温などの公称温度において決定することができる。メータ電子機器20の温度を、チューブ130、130’を振動させ、環境試験室で温度を循環させながら測定することができる。環境試験室で温度を循環させながら、位相差を測定することができる。
【0057】
信号パラメータオフセットは、公称温度として決定された値と、メータ電子機器20の温度を循環させながら得られた1つ以上の信号から割り出された値との差を求めることによって、生成することができる。例えば、信号パラメータオフセットを、測定された位相差と公称温度の位相差との間の差を計算することによって決定することができる。これに加え、あるいはこれに代えて、信号パラメータオフセットを、例えば、密度測定における測定周波数と公称温度周波数との間の差を計算することによって決定することができる。振幅などの他の信号パラメータを使用することも可能である。
【0058】
さらに、信号パラメータオフセットを、例えば信号パラメータオフセットを測定された温度とともにデータベーステーブルに格納することによって、種々の非公称の温度における温度測定値に相関付けることもできる。例えば、信号パラメータオフセット225を、温度測定値224とともに、データベーステーブルの単一のレコードにてストレージシステム220に格納することができる。動作時に、例えば、方法400は、適切に選択された信号パラメータオフセット225を読み出し、方法600によって生成された信号パラメータオフセットで1つ以上の信号を補償することができる。
【0059】
信号パラメータオフセットの生成は、既存の較正ルーチンの一部として行うことができ、あるいは別途実行されるルーチンとして行うことができる。例えば、振動式流量計5を、流れチューブ130、130’内の物質の特性、RTD190を有するチューブへの温度の影響、などを考慮して、室温においてゼロに較正することができる。したがって、1つ以上の信号は、公称温度において前もってゼロに較正された信号を含むことができる。続いて、メータ電子機器20の周りの周囲温度を上述のように循環させつつ、メータ電子機器20の温度を測定することができる。したがって、メータ電子機器20の温度以外の影響を考慮して振動式流量計5をゼロに較正した後に、温度補償を決定することができる。
【0060】
いくつかの実施形態においては、信号パラメータオフセットを、例えばメータ電子機器20に格納することができる。
図2を参照して説明した実施形態では、信号パラメータオフセット225を、ストレージシステム220に格納することができる。信号パラメータオフセット225を、相関付けられた温度測定値224とほぼ同時に格納することができる。例えば、メータ電子機器20の温度が測定されたときに、信号パラメータオフセット225を決定して温度測定値224とともに格納することができる。他の実施形態においては、信号パラメータオフセット225を、10℃刻みなどの増分による温度測定の範囲に対して生成することができる。例えば、92℃という温度測定値及び96℃という温度測定値を、同じ信号パラメータオフセット225に相関させることができる。
【0061】
方法600は、方法400、500の前に実行されてよい。例えば、方法600を、振動式流量計5の製造時に実行することができる。したがって、温度測定値224及び信号パラメータオフセット225を、振動式流量計5が顧客の場所に設置された後の方法400、500による使用のために、メータ電子機器20に前もって格納することができる。方法400、500は、格納された温度測定値224及び信号パラメータオフセット225を使用して、振動式流量計5内の信号に対するメータ電子機器20の温度の影響を補償することができる。
【0062】
上述の実施形態は、振動式流量計5における信号の温度補償のための装置300及び方法400〜600を提供する。上述したように、例えば、メータ電子機器20は、メータ電子機器20における温度の変化に起因して1つ以上の信号を変動させる可能性がある。1つ以上の信号を信号パラメータオフセットで補償することにより、1つ以上の信号の変動を低減または排除することができ、したがって或る温度範囲にわたってより正確な測定値を得ることができる。結果として、メータ電子機器20の温度変化によって引き起こされる変動を低減または排除しつつ、同じ振動式流量計5を、例えば北極の気候の石油掘削用施設に設置し、次いで後に砂漠の気候に設置することができる。
【0063】
いくつかの実施形態においては、1つ以上の信号を、ピックオフセンサ170l、170r、310、320のうちの2つの間の時間遅延を割り出すために使用することができる。したがって、メータ電子機器20の温度変化は、時間遅延も変動させる可能性がある。上述のように、時間遅延は、1つ以上の信号のうちの2つの間の差に比例することができる。これらの2つの信号は、例えば、個別部品を有する2つの異なる演算増幅器332によって調整され得る。したがって、コンデンサCなどの個別部品の値の変動が、1つ以上の信号のそれぞれの変動よりも大きい時間遅延の変動を引き起こす可能性がある。したがって、時間遅延に信号パラメータオフセットを加えることにより、やはり時間遅延の変動を低減または排除することができ、低減は、1つ以上の信号のそれぞれにおける変動の低減よりも大きくなり得る。
【0064】
以上の実施形態の詳細な説明は、本発明の発明者が本明細書の範囲内であると考えるすべての実施形態を述べ尽くすものではない。実際、当業者であれば、上述の実施形態の特定の要素をさまざまに組み合わせ、あるいは取り除いて、さらなる実施形態を生み出すことが可能であり、そのようなさらなる実施形態が、本明細書の範囲及び教示に包含されることを、理解できるであろう。また、上述の実施形態を全体的または部分的に組み合わせて、本明細書の範囲及び教示の範囲内のさらなる実施形態を生成できることも、当業者にとって明らかであろう。
【0065】
このように、特定の実施形態を本明細書において例示の目的で説明したが、当業者であれば理解できるとおり、本明細書の範囲内で種々の均等な変更が可能である。本明細書において提示した教示は、上述及び添付の図面に図示された実施形態だけでなく、振動式流量計における信号の他の温度補償にも適用可能である。したがって、上述の実施形態の範囲は、以下の特許請求の範囲から決定されなければならない。