特許第6879934号(P6879934)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アーオー テクノロジー アクチエンゲゼルシャフトの特許一覧

特許6879934データ取得手段が設けられた医療装置を組み立てるためのキット
<>
  • 特許6879934-データ取得手段が設けられた医療装置を組み立てるためのキット 図000002
  • 特許6879934-データ取得手段が設けられた医療装置を組み立てるためのキット 図000003
  • 特許6879934-データ取得手段が設けられた医療装置を組み立てるためのキット 図000004
  • 特許6879934-データ取得手段が設けられた医療装置を組み立てるためのキット 図000005
  • 特許6879934-データ取得手段が設けられた医療装置を組み立てるためのキット 図000006
  • 特許6879934-データ取得手段が設けられた医療装置を組み立てるためのキット 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6879934
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】データ取得手段が設けられた医療装置を組み立てるためのキット
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/80 20060101AFI20210524BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20210524BHJP
   A61B 17/72 20060101ALI20210524BHJP
   G16Y 10/60 20200101ALI20210524BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20210524BHJP
【FI】
   A61B17/80
   A61B5/00 102A
   A61B17/72
   G16Y10/60
   G16Y40/20
【請求項の数】50
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-556148(P2017-556148)
(86)(22)【出願日】2015年4月27日
(65)【公表番号】特表2018-522605(P2018-522605A)
(43)【公表日】2018年8月16日
(86)【国際出願番号】CH2015000062
(87)【国際公開番号】WO2016172806
(87)【国際公開日】20161103
【審査請求日】2018年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】591073555
【氏名又は名称】アーオー テクノロジー アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビンドルフ,マルクス
【審査官】 小河 了一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0154265(US,A1)
【文献】 特表2012−529308(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0222050(US,A1)
【文献】 特表2009−505751(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0190654(US,A1)
【文献】 特表2013−502978(JP,A)
【文献】 特表2008−501488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/80
A61B 5/00
A61B 17/72
G16Y 10/60
G16Y 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ取得装置(1)が設けられた移植可能な医療装置(30)を組み立てるためのキットであり、キットは、
医療用インプラント(100)と、
データ取得装置(1)であって、
1つ以上のセンサ(5)と、
1つ以上のセンサ(5)と電気的に接続可能または接続された電子データ処理装置(2)と、
電子データ処理装置(2)と電気的に接続され、データ処理装置(2)から受信したデータを記憶するのに適したデータメモリ(16)と、
データメモリ(16)と電気的に接続されたデータ送信装置(4)と、を備え、
データ取得装置(1)は、少なくともデータ処理装置(2)、データメモリ(16)、およびデータ送信装置(4)を封入する生体適合性除菌可能ハウジング(9)をさらに備え、
ハウジング(9)は、ハウジング(9)をインプラント(100)に解放可能に固定させる手段(10)を備える、データ取得装置(1)と、
を備えるキットであって、
ハウジング(9)をインプラント(100)に解放可能に固定させる手段(10)は、ハウジング(9)と一体のまたはこれに結合された、少なくとも1つの固定タブ(11)を備え、
データ処理装置(2)は、1つ以上のセンサ(5)から受信した測定データに基づいて統計データを計算し、統計データをデータメモリ(16)内に記憶させるように、プログラムされており、
1つ以上のセンサ(5)はハウジング(9)内に配置されているか、または
1つ以上のセンサ(5)は選択可能な位置でインプラント(100)に個別に固定可能であることを特徴とする、キット。
【請求項2】
データ処理装置(2)は選択可能な期間内での連続データ収集のためにプログラムされている、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
データ取得装置(1)は内部クロックをさらに含む、請求項1または2に記載のキット。
【請求項4】
データ処理装置(2)は、最低4時間、好ましくは6時間の評価間隔を用いて、統計データを計算するようにプログラムされている、請求項1から3のいずれか一項に記載のキット。
【請求項5】
データ処理装置(2)は、最大48時間、好ましくは24時間の評価間隔を用いて統計データを計算するようにプログラムされている、請求項1から4のいずれか一項に記載のキット。
【請求項6】
データ処理装置(2)は、選択可能な評価間隔で統計データを自動的に計算するようにプログラムされている、請求項4または5に記載のキット。
【請求項7】
ハウジング(9)は、生体適合性であるが生物分解不可能な金属またはポリマー材料、好ましくはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)またはポリエーテルケトンケトン(PEKK)で作られている、請求項1から6のいずれか一項に記載のキット。
【請求項8】
データ送信装置(4)は、好ましくはBluetooth、RFID、またはNFCなど、無線技術規格に基づく無線データ送信機として構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のキット。
【請求項9】
データ送信装置(4)は、外部データ受信機(6)によってデータメモリ(16)に記憶された選択データを送信するように作動可能である、請求項1から8のいずれか一項に記載のキット。
【請求項10】
データ処理装置(2)は外部データ受信機(6)を介してプログラム可能である、請求項1から9のいずれか一項に記載のキット。
【請求項11】
データ取得装置(1)は電源(3)をさらに備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のキット。
【請求項12】
電源(3)は電池、蓄電池、キャパシタ、または燃料電池のうちの1つである、請求項11に記載のキット。
【請求項13】
蓄電池は、誘導によって、または環境発電によって、好ましくは患者の身体からの熱エネルギーまたは患者の身体運動からの運動エネルギーを引き出すことによって、充電可能である、請求項12に記載のキット。
【請求項14】
少なくとも1つの固定タブ(11)は貫通孔(12)を備える、請求項1に記載のキット。
【請求項15】
少なくとも1つの固定タブ(11)は、締結具を受けるための複数の貫通孔(12)を備える、請求項1に記載のキット。
【請求項16】
ハウジング(9)は、第1の末端(18)、第2の末端(19)、2つの長側面(22a、22b)、上面(20)、およびインプラント(100)の表面と接触するのに適した下面(21)を有する楕円形の形状を有し、ハウジング(9)は、インプラント(100)との接触を確立するために下面(21)から突起して、長側面(22a、22b)まで横方向に延在する、少なくとも1つのリッジ(17)をさらに備える、請求項1から15のいずれか一項に記載のキット。
【請求項17】
インプラント(100)にハウジング(9)を解放可能に固定させる手段は、少なくとも1つの締結具(13)または少なくとも1つのクランプを備える、請求項1から16のいずれか一項に記載のキット。
【請求項18】
少なくとも1つのクランプは、ハウジング(9)と一体になっている、請求項17に記載のキット。
【請求項19】
インプラント(100)にハウジング(9)を解放可能に固定させる手段(10)は雄ネジを備える、請求項1から18のいずれか一項に記載のキット。
【請求項20】
少なくとも1つのセンサ(5)は、以下の物理量、すなわちインプラント(100)にかかる負荷、インプラント(100)内のひずみ、およびインプラント部品の相対変位、のうちの少なくとも1つに関する測定データを取得するのに適している、請求項1から19のいずれか一項に記載のキット。
【請求項21】
少なくとも1つのセンサ(5)は、以下の群の測定プローブ、すなわちインダクタンス計、容量計、増分計ひずみゲージ、特に抵抗線ひずみゲージ、ロードセル、圧電圧力センサ、加速度計、ジャイロスコープ、ゴニオメータ、磁力計、温度センサ、から選択される、請求項1から20のいずれか一項に記載のキット。
【請求項22】
イベント警告用のブザーまたはバイブレータをさらに備える、請求項1から21のいずれか一項に記載のキット。
【請求項23】
アクチュエータ、好ましくはディストラクタまたはリトラクタをさらに備える、請求項1から22のいずれか一項に記載のキット。
【請求項24】
アクチュエータは、圧電アクチュエータ、モータ、および熱発生器のうちの1つである、請求項23に記載のキット。
【請求項25】
インプラント(100)は、骨に取り付け可能であり、および/または骨締結具を受けるのに適した少なくとも1つのネジ穴(101)を備える、請求項1から24のいずれか一項に記載のキット。
【請求項26】
インプラント(100)のネジ穴(101)内に固定され、インプラント(100)にハウジング(9)を解放可能に固定するための締結具(13)を受けるのに適している、少なくとも1つのアダプタ(14)をさらに備える、請求項25に記載のキット。
【請求項27】
アダプタ(14)は、締結具(13)を螺合可能に受けるための雌ネジを備える、請求項26に記載のキット。
【請求項28】
インプラント(100)は骨プレートである、請求項1から27のいずれか一項に記載のキット。
【請求項29】
1つ以上のセンサ(5)はハウジング(9)内に封入されている、請求項1から28のいずれか一項に記載のキット。
【請求項30】
1つ以上のセンサ(5)はハウジング(9)の内壁に取り付けられている、請求項29に記載のキット。
【請求項31】
インプラント(100)は、釘先端、釘末端(103)、および釘末端(103)において開放している中央カニューレ(102)を有する髄内釘である、請求項1から27のいずれか一項に記載のキット。
【請求項32】
ハウジング(9)は、髄内釘の釘末端(103)に解放可能に固定可能なエンドキャップとして構成されている、請求項31に記載のキット。
【請求項33】
1つ以上のセンサ(5)は、髄内釘の中央カニューレ(102)内に位置決め可能であり、および/または配線を介してデータ取得装置(1)と電気的に接続されている、請求項31または32に記載のキット。
【請求項34】
1つ以上のセンサ(5)は、髄内釘の中央カニューレ(102)とのプレス嵌めを形成する形状および寸法になっている、請求項31から33のいずれか一項に記載のキット。
【請求項35】
請求項1から34のいずれか一項に記載のキットから組み立てられた医療装置(30)の一部である医療用インプラント(100)を監視および/または制御する方法であって、
A)センサ(5)が測定データを取得するステップと、
B)ステップA)で取得された測定データに対して、データ処理装置(2)がリアルタイム処理を実行するステップと、
C)ステップB)での処理データに基づいて、データ処理装置(2)が統計データを計算するステップと、
D)データ処理装置(2)が統計データをデータメモリ(16)に記憶させるステップと、
E)外部データ受信機(6)がデータメモリ(16)内に記憶された選択データを照会およびダウンロードするステップと、
F)さらなるデータ管理および処理のため、ダウンロードされた選択データを外部データ受信機(6)がコンピュータ(15)に送信するステップと、
を備える方法。
【請求項36】
ステップB)でのリアルタイム処理は、異なる感度閾値を有する1つまたはいくつかのリアルタイム最小−最大検出器およびそれぞれのピークカウンタを採用することで実行される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
ステップC)で計算される統計データは、ステップB)で得られた処理データに基づくリアルタイムの最大値および最小値の合計ならびにピーク数を含む、請求項35または36に記載の方法。
【請求項38】
ステップD)で、統計データは、一日のサイクルにわたる所定の時点でまたは手動要求で、自動的にデータメモリ(16)内に記憶される、請求項35から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
ステップA)で、測定データは選択可能な期間の間、好ましくは10から30Hzのサンプリング周波数で連続的に収集される、請求項35から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
ステップC)で、統計データは最低4時間、好ましくは6時間の評価間隔を用いて計算される、請求項35から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
ステップC)で、統計データは最大48時間、好ましくは24時間の評価間隔を用いて計算される、請求項35から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
ステップC)で、統計データは選択可能な評価間隔で自動的に計算される、請求項35から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
ステップE)で、選択データを照会およびダウンロードする期間はユーザによって自由に選択可能である、請求項35から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
外部データ受信機(6)は、データ取得装置(1)からデータを照会およびダウンロードするように適切にプログラムされたスマートフォンである、請求項35から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
外部コンピュータは、データ収集用データベースを有するウェブサーバとして構成されている、請求項35から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
ステップA)の前に較正手順をさらに備え、較正手順は、
i)患者を秤または歩行板の上に立たせるステップと、
ii)秤または歩行板に印加される負荷を記録するステップと、
iii)センサ(5)の実出力を読み出すステップと、
iv)ステップii)で記録された負荷およびステップiii)で読み出されたセンサ(5)の実出力を用いて線形較正係数を計算するステップと、
v)線形較正係数を記憶するステップと、
を備える、請求項35から45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
請求項35から46のいずれか一項に記載の方法を実行するための遠隔測定インプラントシステム内の、請求項1から34のいずれか一項に記載のキットから組み立てられた医療装置(30)のデータ収集のための使用であって、遠隔測定インプラントシステムは、外部データ受信機(6)および外部コンピュータ(15)をさらに備える、使用。
【請求項48】
外部データ受信機(6)は無線インターネット接続を備える、請求項47に記載の使用。
【請求項49】
外部データ受信機(6)はスマートフォンである、請求項47または48に記載の使用。
【請求項50】
外部コンピュータ(15)は、データ収集用データベースおよび個人化データアクセスを有するウェブサーバとして構成される、請求項47から49のいずれか一項に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載のデータ取得装置が設けられた医療装置を組み立てるためのキット、ならびに請求項36のプリアンブルに記載の医療用インプラントを監視および/または制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨折固定用の医療用インプラント挙動を監視および制御することは、ますます重要になってきた。ひずみ、変位、および伝達力などのインプラントパラメータの測定は、骨治癒のプロセスに関する貴重な情報を提供する。現在の無線技術では、限られた情報を提供する短期間の測定を可能にするだけであり、あるいは埋め込まれた測定装置から外部受信機へ大量のデータを送信する必要がある。
【0003】
MORGANらによる米国特許第8,486,070号明細書より、インプラント全体にかかる機械的負荷の測定を可能にするセンサを含む遠隔測定整形外科用インプラントが知られている。この既知のインプラントはさらに、マイクロプロセッサ、1つ以上の記憶装置、電源、およびデータ通信コンポーネントを備える。センサおよび関連する電子コンポーネントは、インプラントの表面上にある1つ以上の陥凹の中に位置しており、その中で生体適合性注封材料によって覆われている。電子コンポーネントは、センサから受信したデータを、有線または無線通信のいずれかによって外部データ受信機に送信し、この外部データ受信機は有線または無線によって外部計算装置に接続される。この既知の装置の不都合は、センサおよび電子コンポーネントが、インプラントに一体化されるので、様々な異なるインプラントが異なる所望のセンサ位置を考慮される必要があることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第8,486,070号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2013/0190654号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、インプラントの監視および/または制御に適しており、移植されたデータ取得装置のエネルギー消費量および必要とされる空間を最小限に抑えながら、関連パラメータの長期間測定およびデータ送信を得られるようにする、データ取得装置が設けられた、移植可能な医療装置を組み立てるためのキットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項1の特徴を備えるデータ取得装置が設けられた医療装置を組み立てるためのキット、ならびに請求項36の特徴を備える医療用インプラントを監視および/または制御する方法により、提起された問題を解決する。
【0007】
本発明によるキットの利点としては、基本的に以下の通りである:
【0008】
インプラント、センサ、およびデータ取得装置間の開放可能な接続により、標準的なインプラントが使用可能である。インプラントの製造プロセスは、一体化されたデータ取得装置の使用に適応する必要がない。
【0009】
執刀医は、センサおよび/またはデータ取得装置が移植されるべきか否かを手術中自然に決定することができる。
【0010】
センサは、解剖的構造および/または骨折を考慮して位置決めされることが可能である。
【0011】
センサおよび/またはデータ取得装置が異なる位置にある類似のインプラントを製造する必要がない。
【0012】
データ取得装置および/またはセンサは、インプラントを外植することなく、刺切創を通じて除去されることが可能である。
【0013】
送信されるデータは、装置の構成に応じて4ヶ月から12ヶ月の電池寿命の間、たとえば200kBの量まで著しく減少する可能性がある。省電力モードが適用可能で、日中のデータ収集を4から6時間に短縮できる。このため、患者の体内のサイズ制限を考慮して(たとえば、50mAhの能力を有する3Vの丸形セルなどの電池を用いて)少なくとも4ヶ月間の間、装置の自律動作が実現可能なように、通常は装置のエネルギー要求の大部分となるデータ送信でのエネルギー消費量が低減可能である。
【0014】
送信されるデータの減少のため、エネルギー消費量が低く抑えられて、スマートフォンなどの市販受信機が外部データ受信機として使用可能となり専用の電子装置が必要とならないように、たとえばBluetooth(登録商標) Low Energyなどの低エネルギー無線技術規格が使用可能である。さらに、遠隔データ監視が可能であり、患者はデータ照会およびダウンロードのために診療所に行く必要がない。ダウンロードの時点の選択は重要ではない。
【0015】
骨治癒に関する情報の取得に最も関連のある長期間測定は、生理的負荷/負荷除去の間にセンサ応答からピークを検出し、振幅を合計し、その合計、サイクル数、および現在のセンサ値のみを患者の外部の無線受信機に送信することによって、実行可能である。長期間測定は、生理的負荷の自然なばらつきをさらに排除して、米国特許出願公開第2013/0190654号明細書より知られるような地面反力評価または第2の基準センサなどの基準測定を不要にする。さらに、なされた歩数に関して一日のサイクルにわたる患者の活動および負荷強度に関するその分布を評価することが、可能になる。また、長期間測定は、不偏で自然な移動運動を、歩行計測室内での人工的な活動とは対照的な、患者の慣れた環境で行われるものとして、捕捉できるようにする。
【0016】
本発明のさらに有利な実施形態は、以下のように述べられる:
【0017】
特別な実施形態において、データ処理装置は、選択可能な期間の間に測定データが連続的に得られるという利点を可能にするように、選択可能な期間内で連続データ収集するためにプログラムされている。別の実施形態において、データ取得装置は内部クロックをさらに含む。これにより、エネルギーを節約するために、たとえば日中4時間のみのデータ捕捉、あるいは夜間4から8時間の睡眠時間を除外するなど、データ捕捉の時点が一日のサイクルと同期できるという利点が達成可能である。
【0018】
さらなる実施形態において、データ処理装置は、最低4時間、好ましくは最低6時間の評価間隔を用いて、統計データを計算するようにプログラムされている。
【0019】
さらなる実施形態において、データ処理装置は、最大48時間、好ましくは最大24時間の評価間隔を用いて統計データを計算するようにプログラムされている。評価間隔の上記範囲のため、送信されるデータは最小限に抑えられる。
【0020】
さらなる実施形態において、データ処理装置は、選択可能な評価間隔で統計データを自動的に計算するようにプログラムされている。
【0021】
別の実施形態において、ハウジングは、生体適合性であるが生物分解不可能な金属またはポリマー材料、好ましくはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)またはポリエーテルケトンケトン(PEKK)で作られている。
【0022】
別の実施形態において、データ送信装置は、好ましくはBluetooth、RFID、またはNFCなど、無線技術規格に基づく無線データ送信機として構成されている。BluetoothまたはNFC規格が使用される場合、外部データ受信機は、市販のスマートフォンであってもよい。既知の装置とは対照的に、無線インターネット接続を含む患者の個人用スマートフォンが使用可能なので、専用の通信システムは不要である。
【0023】
再び別の実施形態において、データ送信装置は、外部データ受信機によってデータメモリに記憶された選択データを送信するように作動可能である。
【0024】
さらなる実施形態において、データ処理装置は外部データ受信機を介してプログラム可能である。
【0025】
さらなる実施形態において、データ取得装置は電源をさらに備える。好ましくは、電源は電池、蓄電池、キャパシタ、または燃料電池のうちの1つである。蓄電池は、外部誘導電源を用いて誘導によって充電可能である。キャパシタは、たとえばいわゆるスーパーキャパシタすなわち電気二重層キャパシタ(EDLC)または「ゴールドキャパシタ」であってもよい。
【0026】
再びさらなる実施形態において、蓄電池は、誘導によって、または環境発電によって、好ましくは患者の身体からの熱エネルギーまたは患者の身体運動からの運動エネルギーを引き出すことによって、充電可能である。
【0027】
別の実施形態において、インプラントにハウジングを解放可能に固定させる手段は、ハウジングと一体のまたはこれに結合された、少なくとも1つの固定タブを備える。これにより、ハウジングがデータ処理装置、データメモリ、およびデータ送信装置の気密封止を備えることができるように、固定タブはネジ穴を含むことができるという利点が達成可能である。
【0028】
別の実施形態において、少なくとも1つの固定タブは貫通孔を備える。
【0029】
さらなる実施形態において、少なくとも1つの固定タブは、締結具を受けるための複数の貫通孔を備える。この構成は、異なる貫通孔構成が異なる孔パターンを有する異なるインプラントファミリーに役立つという利点を可能にする。
【0030】
再び別の実施形態において、ハウジングは、第1の末端、第2の末端、2つの長側面、上面、およびインプラントの表面と接触するのに適した下面を有する楕円形の形状を有し、ハウジングは、インプラントとの接触を確立するために下面から突起して、長側面まで横方向に延在する、少なくとも1つのリッジをさらに備える。これにより、ハウジングをインプラントに締結することによって、予張力がハウジングおよびセンサに印加され、これにより記録信号の品質を向上させるという利点が達成可能である。
【0031】
さらなる実施形態において、インプラントにハウジングを解放可能に固定させる手段は、少なくとも1つの締結具または少なくとも1つのクランプを備える。
【0032】
さらなる実施形態において、少なくとも1つのクランプは、ハウジングと一体になっている。
【0033】
別の実施形態において、インプラントにハウジングを解放可能に固定させる手段は雄ネジを備える。こうしてハウジングは、髄内釘用のエンドキャップとして構成可能であり、エンドキャップは、髄内釘の後部の雌ネジと螺合するのに適した雄ネジが設けられた部分を備える。
【0034】
別の実施形態において、少なくとも1つのセンサは以下の物理量、すなわちインプラントにかかる負荷、インプラント内のひずみ、およびインプラント部品の相対変位、のうちの少なくとも1つに関する測定データを取得するのに適している。
【0035】
さらなる実施形態において、少なくとも1つのセンサは、以下の群の測定プローブ、すなわちインダクタンス計、容量計、増分計ひずみゲージ、特に抵抗ひずみゲージ、ロードセル、圧電圧力センサ、加速度計、ジャイロスコープ、ゴニオメータ、磁力計、温度センサ、から選択される。温度センサはたとえば、患者の体内の感染症を特定するために使用可能である。
【0036】
再びさらなる実施形態において、データ取得装置は、イベント警告用のブザーまたはバイブレータをさらに備える。ブザーまたはバイブレータは、リアルタイム過負荷警告装置として使用可能である。
【0037】
別の実施形態において、データ取得装置はアクチュエータ、好ましくはディストラクタまたはリトラクタを、さらに備える。
【0038】
別の実施形態において、アクチュエータは、圧電アクチュエータ、モータ、および熱発生器のうちの1つである。熱発生器はたとえば、形状記憶効果をトリガするために使用可能である。
【0039】
別の実施形態において、インプラントは、骨に取り付け可能であり、好ましくは骨締結具を受けるのに適した少なくとも1つのネジ穴を備える。これにより、骨プレートの選択可能なプレート穴の中にネジが固定可能となるように、データ取得装置全体が骨プレートに沿った所望の位置でたとえば骨プレートに取り付け可能であるという利点が達成可能である。
【0040】
さらなる実施形態において、キットは、インプラントのネジ穴内に固定され、インプラントにハウジングを解放可能に固定するための締結具を受けるのに適している、少なくとも1つのアダプタをさらに備える。
【0041】
さらなる実施形態において、アダプタは、締結具を螺合可能に受けるための雌ネジを備える。
【0042】
再びさらなる実施形態において、インプラントは骨プレートである。
【0043】
別の実施形態において、1つ以上のセンサはハウジング内に封入されている。
【0044】
別の実施形態において、1つ以上のセンサはハウジングの内壁に取り付けられている。
【0045】
さらなる実施形態において、インプラントは、釘先端、釘末端、および釘末端において開放している中央カニューレを有する髄内釘である。
【0046】
さらなる実施形態において、ハウジングは、髄内釘の釘末端に解放可能に固定可能なエンドキャップとして構成されている。
【0047】
別の実施形態において、1つ以上のセンサは、髄内釘の中央カニューレ内に位置決め可能であり、好ましくは配線を介してデータ取得装置と電気的に接続されている。
【0048】
別の実施形態において、1つ以上のセンサは、髄内釘の中央カニューレとのプレス嵌めを形成する形状および寸法になっている。
【0049】
方法の特別な実施形態において、ステップB)でのリアルタイム処理は、異なる感度閾値を有する1つまたはいくつかのリアルタイム最小−最大検出器およびそれぞれのピークカウンタを採用することで実行される。
【0050】
方法のさらなる実施形態において、ステップC)で計算される統計データは、ステップB)で得られた処理データに基づくリアルタイムの最大値および最小値の合計ならびにピーク数を含む。
【0051】
方法のさらなる実施形態において、ステップD)で、統計データは、一日のサイクルにわたる所定の時点でまたは手動要求で、自動的にデータメモリ内に記憶される。
【0052】
方法の別の実施形態において、ステップA)で、測定データは選択可能な期間の間、好ましくは10から30Hzのサンプリング周波数で、連続的に収集される。
【0053】
データ取得はエネルギーを節約するために、たとえば夜間4から8時間など患者が眠っているときに中断してもよい。
【0054】
データの連続記録はさらに、活動ヒストグラムを生成するようにたとえば時間あたりの歩数および歩行の強度分布など、患者の活動を決定できるようにする。これにより、患者への積極的な影響の行使を可能にするように、医師および患者のために骨折のひずみに関する局所的フィードバックが得られる。
【0055】
方法のさらなる実施形態において、ステップC)で、統計データは最低4時間、好ましくは最低6時間の評価間隔を用いて計算される。
【0056】
方法のさらなる実施形態において、ステップC)で、統計データは最大48時間、好ましくは最大24時間の評価間隔を用いて計算される。
【0057】
再び方法のさらなる実施形態において、ステップC)で、統計データは選択可能な評価間隔で自動的に計算される。
【0058】
方法の別の実施形態において、ステップE)で、選択データを照会およびダウンロードする期間はユーザによって自由に選択可能である。これにより、患者がいつでもデータを照会およびダウンロードすることができ、しかも数週間データの照会をしなくてもデータを喪失しないという利点が達成可能である。データの照会は、たとえば週に一度スマートフォンの自動リンク取得を通じて、受動的に実行されてもよい。これにより、患者は診療所から独立する。
【0059】
方法の別の実施形態において、外部データ受信機は、データ取得装置からデータを照会およびダウンロードするように適切にプログラムされたスマートフォンである。スマートフォンの使用は、外部データ受信機すなわちスマートフォンが、外部コンピュータにデータを送信するための無線インターネット接続を備えるという利点を可能にする。
【0060】
方法の別の実施形態において、外部コンピュータは、データ収集用データベースを有するウェブサーバとして構成されている。
【0061】
さらなる実施形態において、方法はステップA)の前に較正手順をさらに備え、較正手順は:i)患者を秤または歩行板の上に立たせるステップと、ii)秤または歩行板に印加される負荷を記録するステップと、iii)センサの実出力を読み出すステップと、iv)ステップii)で記録された負荷およびステップiii)で読み出されたセンサの実出力を用いて線形較正係数を計算するステップと、v)線形較正係数を記憶するステップとを備える。較正手順は、絶対値でのセンサデータの解釈に必要である。センサ出力は、インプラント上のセンサの位置、インプラントのネジ構成、インプラントのタイプ、インプラント材料などによって変化する。
【0062】
具体的には、本発明によるキットから組み立てられた医療装置は、骨接合における骨治癒の監視および/または制御に使用可能である。
【0063】
あるいは、または付加的に、本発明によるキットから組み立てられた医療装置は、骨延長インプラントを監視および/または制御するために使用可能である。
【0064】
本発明によるキットから組み立てられた医療装置の別の用途は、本発明による方法を実行するための遠隔測定インプラントシステム内への適用であり、遠隔測定インプラントシステムは、外部データ受信機および外部コンピュータをさらに備えてもよい。
【0065】
好ましくは、外部データ受信機は無線インターネット接続を備える。さらに、外部データ受信機はスマートフォンであってもよく、外部コンピュータは好ましくは、データ収集用データベースおよび個人化データアクセスを有するウェブサーバとして構成される。
【0066】
以下、本発明の特別な実施形態は、例示を用いて以下の添付図面を参照して、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】本発明によるキットの一実施形態から組み立てられた例示的な医療装置の斜視図である。
図2図1による例示的な医療装置の斜視図である。
図3図1および図2による医療装置の一部である医療用インプラントの監視および/または制御用の遠隔測定インプラントシステムの概略図である。
図4】本発明によるキットの一実施形態から組み立てられたさらなる例示的な医療装置の斜視図である。
図5】本発明によるキットの一実施形態から組み立てられた別の例示的な医療装置の斜視図である。
図6】本発明によるキットの一実施形態から組み立てられた医療装置のさらに別の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
図1および図2は、本発明によるキットの一実施形態から組み立てられた医療装置30を示し、組み立てられた医療装置30は、これに限定するものではないが例示的に骨プレートとして構成されたインプラント100と、インプラント100に対して作用する1つ以上の物理量に関する測定データの取得用のセンサ5を含むデータ取得装置1と、を備える。
【0069】
データ取得装置1は、患者の体内に埋め込み可能であり、基本的にセンサ5、センサ5と電気的に接続可能な電子データ処理装置2、データメモリ16、データ送信装置4、および生体適合性除菌可能ハウジング9を含む。これに限定するものではないが例示的に、データ取得装置1は、一日のサイクルにデータ捕捉の時点を同期させるためのクロックをさらに含む。データメモリ16は、データ処理装置2と電気的に接続されており、データ処理装置2から受信したデータを記憶するのに適しており、データ送信装置4はデータメモリ16と電気的に接続されている。図1に示される実施形態において、ハウジング9は、少なくともセンサ5、データ処理装置2、データメモリ16、およびデータ送信装置4を封入するように構成されている。さらに、ハウジング9は、ハウジング9をインプラント100に解放可能に固定させる手段10を備える。好ましくは、ハウジング9は生体適合性であるが生物分解不可能な金属またはポリマー材料、好ましくはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)またはポリエーテルケトンケトン(PEKK)で作られている。さらに、ハウジング9は、第1および第2の末端18、19を有する楕円形の形状を有しており、ハウジング9はインプラント100、すなわち骨プレートに、ハウジング9の2つの長側面22a、22bをインプラント100の縦軸103に沿って延在させた状態で取り付けられている。
【0070】
図1に示されるように、ハウジング9をインプラント100に解放可能に固定させる手段10は、これに限定するものではないが例示的に、ハウジング9と一体であってもよい2つの固定タブ11を備え、固定タブ11の各々は第1および第2の末端18、19のうちの1つに配置されている。あるいは、固定タブ11は、ハウジング9に結合された個別の部品であってもよい。固定タブ11の各々は、ハウジング9をインプラント100に解放可能に固定させるために、たとえばネジの形態の締結具13を受けるための貫通孔12を含む。この構成のため、ハウジング9は、センサ5、データ処理装置2、データメモリ16、およびデータ送信装置4の気密封止として構成可能である。図1および図2に示される本発明によるキットの一実施形態から組み立てられた医療装置30のインプラント100は、骨プレートを骨に取り付けるために骨ネジを受けるためのいくつかのネジ穴101を備える骨プレートである。
【0071】
さらに、医療用インプラント100は、ハウジング9に配置された固定タブ11内の貫通孔12と整列されたインプラント100のネジ穴101内に挿入される、少なくとも1つのアダプタ14を備える。アダプタ14は基本的に中空の円筒形状を有し、各アダプタ14は、たとえばプレス嵌めまたは螺合によって、インプラント100のネジ穴101のうちの1つの中に固定されるように構成されている。これに限定するものではないが例示的に、各アダプタ14は、ハウジング9をインプラント100、すなわち骨プレートに解放可能に固定させるように締結具13と螺合するための雌ネジを備える。
【0072】
完全なデータ取得装置1を備えるハウジング9は、骨プレートに沿った所望の位置でインプラント100,すなわち骨プレートに取り付け可能である。アダプタ14は、ハウジング9をインプラント100に固定させるための締結具13が、インプラント100を骨に締結するためには使用されない骨プレートの選択可能なプレート穴の中に固定可能なように、インプラント100の選択可能なネジ穴101の中に挿入可能である。これに限定するものではないが例示的に、データ取得装置2は、無線技術規格、好ましくはBluetoothまたはNFCに基づく無線データ送信機として構成された、データ送信装置4を含む。BluetoothまたはNFC規格が使用される場合、外部データ受信機6は、図3に示されるように市販のスマートフォンであってもよい。
【0073】
あるいは、プロセスは外部から誘導によって供給されるので、内部エネルギーが必要でない無線周波数識別装置(RFID)が使用されてもよい。RFIDによって送信される典型的なデータ量は、数バイトから1kBの範囲である。さらに、トランスポンダに必要な空間は最小限であり、送信プロセスは高速で簡単である。
【0074】
さらに、データ送信装置4は、データメモリ16内に記憶された選択データを送信するために外部データ受信機6によって作動されることが可能であり、データ処理装置2は外部データ受信機6を介してプログラム可能である。
【0075】
データ取得装置1は、電池、蓄電池、キャパシタ、または燃料電池であってもよい電源3をさらに備え、蓄電池はたとえば、外部誘導電源を用いて誘導によって充電されるように構成されてもよい。あるいは蓄電池は環境発電によって、たとえば患者の身体から熱エネルギーを、または患者の身体運動から運動エネルギーを引き出すことによって、充電可能に構成されてもよい。
【0076】
図1に示されるように、データ取得装置1はセンサ5を備え、このセンサは、これに限定するものではないが例示的に、インプラント100に印加される負荷および/またはインプラントのひずみに関する測定データを取得するのに適している。この場合、センサ5はひずみゲージ、具体的には生体適合性ハウジング9の内壁に取り付け可能、たとえば接着可能な、抵抗線ひずみゲージであってもよい。
【0077】
医療用インプラントの用途に応じて、たとえばインダクタンス計、増分計、容量計、ロードセル、圧電圧力センサ、
加速度計、ジャイロスコープ、ゴニオメータ、磁力計、温度センサなど、他のタイプのセンサ5が使用されてもよい。
【0078】
図2に示されるように、ハウジング9は、第1の末端18、第2の末端19、2つの長側面22a、22b、上面20、および下面21を有する楕円形の形状を有しており、ハウジング9は、ハウジング9の2つの長側面22a、22bをインプラント100の縦軸103の方向に延在させた状態で、インプラント100、すなわち骨プレートに取り付けられている。これに限定するものではないが例示的に、ハウジング9は、下面21から突起して長側面22a、22bまで横方向に延在する、1つのリッジ17をさらに備える。リッジ17は、インプラント100の上面と接触しており、これに限定するものではないが例示的に、第1および第2の末端18、19の間でハウジング9の中央に配置されている。ハウジング9をインプラント100に締結することにより、第1および第2の末端18、19はインプラント100の上面に対して押圧され、リッジ17によってハウジング9およびセンサ5に印加される予張力を生じる。ひずみゲージとしてのセンサ5の特定の構成において、わずかな伸長の場合であっても記録信号の品質が向上する。
【0079】
加えて、データ取得装置1は、たとえばリアルタイム過負荷警告装置として使用されるイベント警告のためのブザーまたはバイブレータを備えてもよい。さらに、データ取得装置1は、これに限定するものではないが例示的にディストラクタまたはリトラクタなど、アクチュエータを備えてもよい。アクチュエータは、圧電アクチュエータ、モータ、および熱発生器のうちの1つであってもよく、熱発生器はたとえば記憶合金で作られたインプラントの形状記憶効果をトリガするために使用可能である。
【0080】
データ処理装置2は、データメモリ16から取り出された測定データに基づいて統計データを計算し、統計データをデータメモリ16内に記憶させるように、特にプログラムされている。インプラント100を監視および/または制御するためにデータ取得装置2を使用するため、データ処理装置2によって計算された統計データは、これに限定するものではないが例示的に、測定値の合計、測定値の数、平均値、最小値、および最大値を備える。
【0081】
さらに、データ処理装置2は選択可能な期間内での連続データ収集のためにプログラムされている。日中に最大4時間のデータ捕捉までエネルギーを節約する、または夜間にたとえば4から8時間の睡眠時間を除外する、異なるモードがあってもよい。必要とされる統計データは、これに限定するものではないが例示的に4時間から24時間の間の選択可能な平均間隔を用いて、データ処理装置2によって計算される。好ましくは、データ処理装置2は、選択された平均間隔で統計データを自動的に計算するようにプログラムされている。
【0082】
図3は、図1の医療装置30、外部データ受信機6、および外部コンピュータ15を含む遠隔測定インプラントシステムを示しており、図3のシステムは、本発明による方法の一実施形態を実行することによって医療装置30のインプラント100を監視および/または制御するように構成されている。これに限定するものではないが例示的に、外部データ受信機6は無線インターネット接続を備えるスマートフォンであり、外部コンピュータ15はデータ収集用データベースおよび個人化データアクセスを有するウェブサーバとして構成されている。図3の遠隔測定インプラントシステムは、遠隔の場所で測定データの連続取得、および中央集中データベースを提供するために測定データに関するデータの外部コンピュータ15への送信を可能にする。
【0083】
インプラント100を監視および/または制御する方法の好適な実施形態は、以下のステップを備える:A)センサ5によって測定データを取得するステップと、B)たとえば異なる感度閾値を有する1つまたはいくつかのリアルタイム最小−最大検出器およびそれぞれのピークカウンタを採用することによって、ステップA)で取得された測定データに対してリアルタイム処理を実行するステップと、C)ステップB)での処理データに基づいて、最大値および最小値の合計ならびにピーク数などの統計パラメータをリアルタイムで計算するステップと、D)一日のサイクルにわたる所定の時点でまたは手動要求で、統計パラメータをデータメモリ16内に自動的に記憶させるステップと、E)外部データ受信機6によってデータメモリ16内に記憶された選択データを照会およびダウンロードするステップと、F)さらなるデータ管理および処理のため、ダウンロードされた選択データを外部データ受信機6から外部コンピュータ15に送信するステップ。患者データは、これに限定するものではないが例示的に、データの解釈を改善するための統計基準グラフを効率的に作成するため、中央コンピュータ15内で記録および解析されてもよい。たとえば時間あたりの歩数および歩行の強度分布など、患者の活動の決定を対象とする場合、連続的に記録されたデータに基づいて活動ヒストグラムが生成されてもよい。これにより、患者への積極的な影響の行使を可能にするように、医師および患者のために骨折のひずみに関する局所的フィードバックが得られる。このためステップA)において、測定データは好ましくは選択可能な期間の間、好ましくは10から30Hzのサンプリング周波数で、連続的に収集される。
【0084】
データ処理装置2によって必要とされる統計データを計算するための4時間から24時間の間の選択された評価間隔のため、データ送信装置4を介して外部データ受信機6に送信されるデータは著しく減少する可能性がある。これにより、少なくとも4ヶ月の間、データ取得装置1の自律動作が実現可能となるように、通常はデータ取得装置2のエネルギー消費量の大部分であるデータ送信のエネルギー要求が削減される。
【0085】
患者はいつでもデータを照会およびダウンロードすることができ、しかも数週間データの照会をしなくてもデータを喪失しない。外部データ受信機6は、データ取得装置1からデータを照会およびダウンロードするように適切にプログラムされたスマートフォンであってもよい。データの照会は、患者が診療所から独立できるように、たとえば週に一度スマートフォンの自動リンク取得を通じて、受動的に実行されてもよい。したがって、ステップE)において、選択データを照会およびダウンロードする期間はユーザによって自由に選択可能である。
【0086】
これに限定するものではないが例示的に、外部データ処理は以下のように実行可能である:
データは、外部コンピュータ上にダウンロードおよび記憶されるか、またはたとえばスマートフォンなどのデータ受信装置6内で直接処理されてもよい。センサ応答の合計は、所定のまたは患者固有の倍率を利用した線形アプローチを用いて、実際の単位に較正される。先の時点の値を現在の値から減じると、現在の期間に関する情報が求められる。サンプル数をサンプル周波数で割ると、実行時間がわかる。ピーク検出からの累積振幅を生理的負荷サイクル数で割ったものは、負荷サイクルあたりのセンサ応答の測定値を表す。
【0087】
結果の意味および提示:
言及された評価は、時間に対する測定値および処理値を絶対的または相対的にプロットすることによって視覚化されてもよい(センサ応答をセンサの初期の術後応答に合わせて正規化する)。たとえば、治癒プロセスは、時間に対するピークバレー検出からの平均振幅を減少させて視覚化されてもよい。閾値は、インプラント除去に最適な時点を決定するように設定可能である。初期段階で変形治癒が確認されるかもしれず、異なるダイナミゼーションプロトコールが評価されてもよい。多数のピークバレー検出器から取得された異なる強度の生理的負荷サイクル数の進行は、時間に対する患者の活動に関する情報、ひいては骨の刺激に関する情報を、提供する。延長インプラントを監視するため、現在のセンサ値は、延長プロセスの進行に関する貴重な情報を提供する。
【0088】
図4は、本発明によるキットの別の実施形態のデータ取得装置1のハウジング9を示しているが、図4のハウジング9は、上記実装済みセンサ5に改良された機械的状態を提供するために(4点曲げの場合に見られるように)両方のリッジ17との間に一定の曲げモーメントを発生させるための2つの平行なリッジ17を備える点、ならびにハウジング9の第1および第2の末端18、19に配置された貫通孔12が孔の組合せとして構成されている点のみにおいて、図1から図3の実施形態のハウジング9と異なっている。2つのリッジ17は下面21から突起しており、ハウジング9の長側面22a、22bまで横方向に延在している。これに限定するものではないが例示的に、貫通孔12は、様々なインプラント上にハウジング9の固定を可能にするためにクローバーの葉のような断面領域を形成するように、3つの重複するボアホールを備える。
【0089】
図5には、本発明によるキットの別の実施形態のデータ取得装置1が示されているが、図1のデータ取得装置1は、データ取得装置1が骨プレートすなわちインプラント100の一端に配置可能なようにハウジング9が階段構成を有するという点のみにおいて、図1から図3の実施形態のデータ取得装置1と異なっている。この階段構成のため、ハウジング9は、たとえば止め骨ネジを使用する場合など、インプラント100の端子ネジ穴101がハウジング9をインプラント100に固定させるために使用できない場合、骨プレートすなわちインプラント100の端面に対して押圧されることが可能なショルダを形成する、陥凹を有する。これに加えて、第1の末端18の範囲内のハウジング9の第1の部分はインプラント100の上面の上に突起する高さが低く、第2の末端19の範囲内のハウジング9の第2の部分は、第1の部分およびインプラント100の高さの合計と一致する、より大きい高さを有する。ハウジング9の第2の部分は、インプラント100の末端から延在し、これに限定するものではないが例示的に、データ処理装置2、データ送信装置4、データメモリ16、および電源3を封入する。センサ5は、インプラント100の末端部を覆うハウジング9の第1の部分に配置されている。さらに、貫通孔12は、上述のように締結具13がインプラント100のネジ穴101の中に挿入可能なように、ハウジング9の第1の部分に配置されている。好ましくは、インプラント100の端子ネジ穴101は、骨ネジ(図示せず)の挿入のために使用される。これに加えて、ハウジング9の第1の部分は、第1の部分を貫通する開口を備える。
【0090】
図6は、本発明によるキットの別の実施形態から組み立てられた医療装置30を示すが、これはインプラント100が、釘先端、釘末端104、髄内釘すなわちインプラント100の後部にある横孔105、および釘末端104で開放している中央カニューレ102を有する、髄内釘である点のみにおいて、図1から図5の実施形態と異なっている。ハウジング9は、髄内釘の釘末端104と解放可能に固定可能な、エンドキャップとして構成されている。
【0091】
これに限定するものではないが例示的に、インプラント100にハウジング9を解放可能に固定させる手段10は、髄内釘の後部に雌ネジを螺号させるように、エンドキャップの前部に雄ネジを備える。センサ5は、髄内釘の中央カニューレ102内の執刀医が選択した位置に位置決め可能であり、センサ5と中央カニューレ102との間でプレス嵌めによりインプラント100に固定される。さらに、センサ5は、配線を介してデータ取得装置1と電気的に接続される。これに限定するものではないが例示的に、髄内釘すなわちインプラント100は、配線7と止めネジまたはヒップスクリューとの間の干渉を防止するため止めネジまたはヒップスクリューが横孔105内に挿入されたときに配線7を受けるように、横孔105の周壁に入り込む溝106を備える。
【0092】
本発明による医療装置の用途例は以下の通りである:
1)二次治癒の原理に従った骨接合における骨治癒の監視。ひずみゲージによって測定された標準的な骨プレートまたは髄内釘のひずみは、データ取得装置1を用いて取得および処理されることが可能である。ひずみの減少は、骨の負荷分担の強化および骨強化の進行として解釈されることが可能である。治癒の進行に関する知識は、早い段階で変形治癒を検出するため、またはインプラント除去の最適な時点を決定するための、貴重な情報である。
骨の機械的刺激は、骨形成を促進するものとして知られている。新たに提案された動的インプラントのダイナミゼーションおよびその進行を経時的に監視するためのツールもまた、データ取得装置1の応用分野である。既知の技術によって行われていたような短期測定の繰り返しではなく、これはむしろ長期データを取得する機会を提供する。
【0093】
2)延長インプラントの監視。骨を延長する方法は、重大なサイズ欠損または骨延長のための新しい骨組織の生成に用いられる。最適化された骨生成について知るために、髄内延長釘のようなインプラントの正確な伸縮は不可欠である。データ取得装置1は、インプラントの現在の延長、ならびに時間に対する延長の進行も送信するために、使用可能である。
【0094】
付加的なまたは代替の用途例は以下の通りである:
− 血糖およびインスリンの制御放出による拮抗作用の測定。血糖値は特定の期間にわたって監視および処理され、薬剤の送達を制御するために使用される。これは、体内の自律制御ループとして実現可能である。値はプロセスを制御するために外部受信機に転送されなければならない。
− 動脈内血液ガス監視(O、CO、血圧)
− 乳酸濃度
【0095】
本発明はその具体的実施形態と併せて記載されてきたが、多くの代替例、修正例、および変形例が当業者の目に明らかとなることは、自明である。したがって、添付請求項の範囲に含まれるこのような代替例、修正例、および変形例のすべてを包含することが意図される。
【0096】
明確さのため個別の実施形態の文脈で記載された本発明の特定の特徴が、単一の実施形態で組み合わせられてもよいことは、理解される。反対に、簡略化のため単一の実施形態の文脈で記載された本発明の様々な特徴は、個別に、またはいずれか適切なサブコンビネーションで、または本発明のその他の記載された実施形態において適宜に、提供されてもよい。様々な実施形態の文脈で記載された特定の特徴は、その要素がなければ実施形態が機能しない場合を除き、これらの実施形態に必須の特徴とは見なされない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6