特許第6879940号(P6879940)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6879940
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】サービス実装方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20210524BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20210524BHJP
【FI】
   G06Q10/06 340
   G06Q50/10
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-560738(P2017-560738)
(86)(22)【出願日】2016年5月16日
(65)【公表番号】特表2018-519580(P2018-519580A)
(43)【公表日】2018年7月19日
(86)【国際出願番号】CN2016082164
(87)【国際公開番号】WO2016188337
(87)【国際公開日】20161201
【審査請求日】2019年2月22日
(31)【優先権主張番号】201510268578.X
(32)【優先日】2015年5月22日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510330264
【氏名又は名称】アリババ・グループ・ホールディング・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALIBABA GROUP HOLDING LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100141254
【弁理士】
【氏名又は名称】榎原 正巳
(72)【発明者】
【氏名】ツォウ ラン
(72)【発明者】
【氏名】チョン ショアイ
(72)【発明者】
【氏名】リン クーチアン
【審査官】 原 忠
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第102024235(CN,A)
【文献】 特開2013−210756(JP,A)
【文献】 特表2012−501015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス実装方法であって、
オブジェクトプロバイダからのオブジェクト生成要求が受信された際に、前記オブジェクト生成要求に対応するアプリケーションシナリオに従って、応答メッセージを、プロセッサによって前記オブジェクトプロバイダに返すステップであって、前記応答メッセージは、前記アプリケーションシナリオにマッチングする少なくとも一つのフローテンプレートを具備する、ステップと、
前記オブジェクトプロバイダによって送信された選択命令に従って、前記オブジェクト生成要求に対応するターゲットオブジェクトのフローテンプレートを、前記プロセッサによって選択するステップと、
前記ターゲットオブジェクトのやり取り要求がデータプロバイダから受信された際に、前記選択されたフローテンプレートに従って、前記オブジェクトプロバイダと前記データプロバイダとの間における対話型の動作を、前記プロセッサによって実装するステップと、
前記オブジェクトプロバイダ又は前記データプロバイダから受信される前記選択されたフローテンプレートの構成命令に応答して、前記構成命令に従って前記選択されたフローテンプレートを、前記プロセッサによって更新し、且つ、前記更新された選択されたフローテンプレートを、前記プロセッサによって保存するステップと、
を具備し、
前記フローテンプレートは、予め設定された順序において配列された複数のフローノードに個々に対応するノード変数を具備し、且つ、前記オブジェクトプロバイダと前記データプロバイダとの間におけるネゴシエーション結果に基づいて、前記ノード変数に対して値入力構成又は選択構成が実行された場合に、前記フローテンプレートの構成を完了する方法。
【請求項2】
前記ノード変数のそれぞれは、予め設定された規則に従って、前記対応するフローノードに対応したノード変数セットから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フローノードは、
オブジェクト供給ノードであって、前記オブジェクトプロバイダによる前記ターゲットオブジェクトの供給の動作に関係したオブジェクト供給ノードと、
データ供給ノードであって、前記データプロバイダによる前記ターゲットオブジェクトに対応するやり取りデータの供給の動作に関係したデータ供給ノードと、
データやり取りノードであって、前記やり取りデータを前記オブジェクトプロバイダに送信する対話型の動作に関係したデータやり取りノードと、
のうちの少なくとも一つを具備する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記構成命令は、ネゴシエーションにより、前記オブジェクトプロバイダ及び前記データプロバイダによって判定され、
前記構成命令に従って前記選択されたフローテンプレートを、前記プロセッサによって更新する前記ステップは、
前記構成命令に従って、前記選択されたフローテンプレート内の前記ノード変数に対して前記値入力構成又は前記選択構成を、前記プロセッサによって実行するステップ、
を具備する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記構成命令に従って、前記予め設定された順序、前記選択されたフローテンプレート内に含まれているフローノード、又はそれぞれのフローノードに対応する前記ノード変数という、前記選択されたフローテンプレートの情報のうちの少なくとも一つを、前記プロセッサによって変更するステップ、
を更に具備する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記構成命令に従って、前記選択されたフローテンプレートを、前記プロセッサによって複数のステージのサブフローに分割するステップであって、前記複数のステージの前記サブフローを順番に実行することにより、前記オブジェクトプロバイダと前記データプロバイダとの間における前記対話型の動作が実装されるようにする、ステップ、
を更に具備する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ターゲットオブジェクトは、取引商品であり、前記やり取りデータは、取引金額であり、且つ、前記フローテンプレートは、取引フローの実行テンプレートである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
サービス実装装置であって、
オブジェクトプロバイダからのオブジェクト生成要求が受信された際に、前記オブジェクト生成要求に対応するアプリケーションシナリオに従って、応答メッセージを前記オブジェクトプロバイダに返す応答ユニットであって、前記応答メッセージは、前記アプリケーションシナリオにマッチングする少なくとも一つのフローテンプレートを具備する、応答ユニットと、
前記オブジェクトプロバイダによって送信された選択命令に従って、前記オブジェクト生成要求に対応するターゲットオブジェクトのフローテンプレートを選択する選択ユニットと、
前記ターゲットオブジェクトのやり取り要求がデータプロバイダから受信された際に、前記選択されたフローテンプレートに従って、前記オブジェクトプロバイダと前記データプロバイダとの間における対話型の動作を実装する実行ユニットと、
前記オブジェクトプロバイダ又は前記データプロバイダから受信される前記選択されたフローテンプレートの構成命令に応答して、前記構成命令に従って前記選択されたフローテンプレートを更新し、且つ、前記更新された選択されたフローテンプレートを保存するユニットと、
を具備し、
前記フローテンプレートは、予め設定された順序において配列された複数のフローノードに個々に対応するノード変数を具備し、且つ、前記オブジェクトプロバイダと前記データプロバイダとの間におけるネゴシエーション結果に基づいて、前記ノード変数に対して値入力構成又は選択構成が実行された場合に、前記フローテンプレートの構成を完了する装置。
【請求項9】
前記ノード変数のそれぞれは、予め設定された規則に従って、前記対応するフローノードに対応したノード変数セットから選択される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記フローノードは、
オブジェクト供給ノードであって、前記オブジェクトプロバイダによる前記ターゲットオブジェクトの供給の動作に関係したオブジェクト供給ノードと、
データ供給ノードであって、前記データプロバイダによる前記ターゲットオブジェクトに対応するやり取りデータの供給の動作に関係したデータ供給ノードと、
データやり取りノードであって、前記やり取りデータを前記オブジェクトプロバイダに送信する対話型の動作に関係したデータやり取りノードと、
のうちの少なくとも一つを具備する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記構成命令は、ネゴシエーションにより、前記オブジェクトプロバイダ及び前記データプロバイダによって判定され、
前記構成命令に従って前記選択されたフローテンプレートを更新する前記ユニットは、
前記構成命令に従って、前記選択されたフローテンプレート内の前記ノード変数に対して前記値入力構成又は前記選択構成を実行する構成ユニット、
を具備する、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記構成命令に従って、前記予め設定された順序、前記選択されたフローテンプレート内に含まれているフローノード、又はそれぞれのフローノードに対応する前記ノード変数という、前記選択されたフローテンプレートの情報のうちの少なくとも一つを変更する変更ユニット、
を更に具備する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記構成命令に従って、前記選択されたフローテンプレートを複数のステージのサブフローに分割する分割ユニットであって、前記複数のステージの前記サブフローを順番に実行することにより、前記オブジェクトプロバイダと前記データプロバイダとの間における前記対話型の動作が実装されるようにする、分割ユニット、
を更に具備する、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記ターゲットオブジェクトは、取引商品であり、前記やり取りデータは、取引金額であり、且つ、前記フローテンプレートは、取引フローの実行テンプレートである、請求項8に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年5月22日付けで出願された「SERVICE IMPLEMENTATION METHOD AND APPARATUS」という名称の中国特許出願第201510268578.X号に対する優先権を主張するものであり、この特許文献の内容は、引用により、そのすべてが本明細書に包含される。
【0002】
本出願は、インターネット技術の分野に関し、且つ、更に詳しくは、サービス実装方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術において、ユーザには、対話型のプラットフォームが提供されており、且つ、ユーザは、対話型のプラットフォーム上において、オブジェクト及びデータのやり取りを実行することができる。ユーザの間において対話型の動作を実行する必要がある際には、特定のサービスフローを辿る必要があり、且つ、異なるユーザは、通常、異なる状況において異なるサービスフローの実行要件を有する。
【発明の概要】
【0004】
この観点において、本出願は、構成及びテンプレートのカスタマイズをサービスフローに対して実行し、これにより、相対的に柔軟な対話型の動作を実装するように、サービス実装方法及び装置を提供する。
【0005】
上述の目的を実現するべく、本出願は、以下の技術的解決策を提供する。
【0006】
本出願の第一の態様は、サービス実装方法を提供し、サービス実装方法は、
オブジェクトプロバイダからのオブジェクト生成要求が受信された際に、オブジェクト生成要求に対応するアプリケーションシナリオに従って、応答メッセージをオブジェクトプロバイダに返すステップであって、応答メッセージは、アプリケーションシナリオにマッチングする少なくとも一つのフローテンプレートを含む、ステップと、
オブジェクトプロバイダによって送信された選択命令に従って、オブジェクト生成要求に対応するターゲットオブジェクトのフローテンプレートを選択するステップと、
ターゲットオブジェクトのやり取り要求がデータプロバイダから受信された際に、選択されたフローテンプレートに従って、オブジェクトプロバイダとデータプロバイダとの間における対話型の動作を実装するステップと、
を含む。
【0007】
本出願の第二の態様は、サービス実装装置を提供し、サービス実装装置は、
オブジェクトプロバイダからのオブジェクト生成要求が受信された際に、オブジェクト生成要求に対応するアプリケーションシナリオに従って応答メッセージをオブジェクトプロバイダに返す応答ユニットであって、応答メッセージは、アプリケーションシナリオにマッチングする少なくとも一つのフローテンプレートを含む、応答ユニットと、
オブジェクトプロバイダによって送信された選択命令に従って、オブジェクト生成要求に対応するターゲットオブジェクトのフローテンプレートを選択する選択ユニットと、
ターゲットオブジェクトのやり取り要求がデータプロバイダから受信された際に、選択されたフローテンプレートに従って、オブジェクトプロバイダとデータプロバイダとの間における対話型の動作を実装する実行ユニットと、
を含む。
【0008】
上述の技術的解決策から、本出願においては、サービスフローは、固定されたフローモデルに拘束されることなしに、フローテンプレートを構成することにより、柔軟にカスタマイズできることがわかる。これは、サービスフローを変更する費用及び複雑さの低減と、サービスフローの多様性の改善と、に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本出願の例示用の一実施形態によるサービス実装方法のフローチャートである。
図2図2は、本出願の例示用の一実施形態によるフローテンプレートを生成するフローチャートである。
図3図3は、本出願の例示用の一実施形態によるフローテンプレートの概略図である。
図4A図4A図4Cは、本出願の例示用の一実施形態によるフローテンプレートの概略インタフェース図である。
図4B図4A図4Cは、本出願の例示用の一実施形態によるフローテンプレートの概略インタフェース図である。
図4C図4A図4Cは、本出願の例示用の一実施形態によるフローテンプレートの概略インタフェース図である。
図5図5は、本出願の例示用の一実施形態による複数のステージを含むフローテンプレートの概略図である。
図6図6は、本出願の例示用の一実施形態による電子装置の概略構造図である。
図7図7は、本出願の例示用の一実施形態によるサービス実装装置のブロックダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
関連技術において、それぞれの対話型のプラットフォームは、固定されたサービスフローを有しており、従って、ユーザは、実際のアプリケーションシナリオに従ってサービスフローを変更することができず、その結果、やり取りのプロセスにおいて、多くの妥協及び不満足が生じている。対話型プラットフォームが設計される際には、サービスフローの柔軟な構成が考慮されていない。その結果、サービスフローの変更又は構成が必要とされる場合には、対話型プラットフォームの全体を再設計及び開発する必要がある。費用が大きくなり、且つ、効率が低いことが明らかである。
【0011】
従って、本出願は、構成及びテンプレートのカスタマイズをサービスフローに対して実行し、これにより、相対的に柔軟な対話型の動作を実装するべく、新しいサービス実装プロセスを使用することにより、関連技術における上述の技術的問題点を解決している。以下の実施形態は、本出願について更に説明するべく、提供されるものである。
【0012】
図1は、本出願の例示用の一実施形態によるサービス実装方法のフローチャートである。図1に示されているように、この方法は、サーバ上において実装されている。サーバは、オブジェクトのやり取り及びデータのやり取りなどの機能を実装するように構成された対話型のプラットフォームをホスティングしている。方法は、以下のステップを含むことができる。
【0013】
ステップ102:オブジェクトプロバイダからオブジェクト生成要求が受信された際に、オブジェクト生成要求に対応するアプリケーションシナリオに従って、応答メッセージをオブジェクトプロバイダに返す。応答メッセージは、アプリケーションシナリオにマッチングする少なくとも一つのフローテンプレートを含んでいる。
【0014】
この実施形態においては、フローテンプレートは、予め設定された順序において配列された複数のフローノードに個々に対応するノード変数を含んでいてもよく、且つ、ノード変数は、予め設定された規則に従って、対応するフローノードに対応したノード変数セットから選択されている。この実施形態においては、フローテンプレートは、フローテンプレートが現時点のアプリケーションシナリオにおいてユーザ(例えば、オブジェクトプロバイダ又はデータプロバイダ)の実際の要件を充足するように、フローノードを組み合わせると共にノード変数を選択することにより、要件に従って構成することができる。
【0015】
この実施形態においては、対話型のプラットフォームは、複数のアプリケーション形態を有することができる。例えば、「ネットワーク取引」というアプリケーション形態の場合には、「サービスフロー」は、取引フローであり、「フローテンプレート」は、「取引フローの実行テンプレート」であり、「オブジェクトプロバイダ」は、販売者であり、且つ、「データプロバイダ」は、購入者であり、これにより、販売者と購入者との両方の実際の要件を充足する取引フローが構成される。これに加えて、それぞれのアプリケーション形態は、複数のアプリケーションシナリオに対応することができる。例えば、「ネットワーク取引」において、異なるタイプの取引商品は、異なるアプリケーションシナリオに対応することができる。例えば、家庭電化製品と建築資材とは、占有空間、送信モード、支払方法、決済方法、及びこれらに類似したものにおいて異なっており、異なるアプリケーションシナリオに属しており、且つ、異なるフローテンプレートを使用する必要がある。
【0016】
この実施形態においては、フローテンプレート内のフローノードは、
オブジェクト供給ノードであって、オブジェクトプロバイダによるターゲットオブジェクトの供給の動作に関係しており、例えば、「ネットワーク取引」のアプリケーションシナリオにおいては、「オブジェクト供給ノード」は、配送ノードであり、且つ、販売者の配送動作を制御するべく、使用される、オブジェクト供給ノードと、
データ供給ノードであって、データプロバイダによるターゲットオブジェクトに対応するやり取りデータの供給の動作に関係しており、例えば、「ネットワーク取引」のアプリケーションシナリオにおいては、「データ供給ノード」は、支払ノードであり、且つ、購入者の支払動作を制御するべく使用される、データ供給ノードと、
データやり取りノードであって、やり取りデータをオブジェクトプロバイダに送信する対話型の動作に関係しており、例えば、「ネットワーク取引」のアプリケーションシナリオにおいては、「データやり取りノード」は、決済ノードであり、且つ、購入者によって支払われた金額を販売者に送信するプロセスを制御するべく使用される、データやり取りノードと、
のうちの少なくとも一つを含む。
【0017】
ステップ104:オブジェクトプロバイダによって送信された選択命令に従って、オブジェクト生成要求に対応するターゲットオブジェクトのフローテンプレートを送信する。
【0018】
ステップ106:ターゲットオブジェクトのやり取り要求がデータプロバイダから受信された際に、選択されたフローテンプレートに従って、オブジェクトプロバイダとデータプロバイダとの間における対話型の動作を実装する。
【0019】
上述の技術的解決策から、本出願においては、サービスフローは、固定されたフローモデルに拘束されることなしに、フローテンプレートを構成することにより、柔軟にカスタマイズできることがわかる。これは、サービフローを変更する費用及び複雑の低減と、サービスフローの多様性の改善と、に有用である。
【0020】
1.フローテンプレートの生成
図2は、本出願の例示用の一実施形態によるフローテンプレートを生成するフローチャートである。図2に示されているように、このフローは、サーバによって実装され、且つ、以下のステップを含むことができる。
【0021】
ステップ202:サービスモデルを抽象化する。
【0022】
この実施形態においては、それぞれのサービスは、対応するサービスモデルに準拠することによって実装される必要があり、且つ、対話型のプラットフォームも、対応するサービスモデルを有する。従って、サービスモデルを抽象化し、これにより、サービスモデルの対話型の特性を分離することにより、複雑なサービスモデルを抽象的な単純化されたサービスノードとして抽出することができる。対話型のプラットフォームのサービスモデルは、「オブジェクト供給ノード」、「データ供給ノード」、及び「データやり取りノード」として、抽象化及び単純化されてもよい。
【0023】
ステップ204:フローノード及び変数セットを抽出する。
【0024】
この実施形態においては、「オブジェクト供給ノード」は、ターゲットオブジェクトに対してオブジェクトプロバイダによって実行される供給動作に関係しており、「データ供給ノード」は、ターゲットオブジェクトに対応するやり取りデータに対してデータプロバイダによって実行される供給動作に関係しており、且つ、「データやり取りノード」は、やり取りデータをオブジェクトプロバイダに送信する対話型の動作に関係している。
【0025】
例えば、「ネットワーク取引」のアプリケーションシナリオにおいては、「オブジェクト供給ノード」は、配送ノードであり、且つ、販売者の配送動作を制御するべく使用され、「データ供給ノード」は、支払ノードであり、且つ、購入者の支払動作を制御するべく使用され、且つ、「データやり取りノード」は、決済ノードであり、且つ、購入者によって販売者に支払われた金額を送信するプロセスを制御するべく使用される。
【0026】
【表1】
【0027】
「ネットワーク取引」のアプリケーションシナリオの場合に、表1は、それぞれのフローノードに対応するノード変数セット内に存在し得るノード変数を示している。例えば、「供給ノード」に対応するノード変数セットは、「配送バッチ」、「量の許容範囲」、「急送」、「物品の所有権の移転」、及び「配送タイムアウト」などのノード変数を含むことができる。それぞれのノード変数は、複数の選択肢及び値を有する。例えば、「配送バッチ」は、一括又は複数回であってもよく、「量の許容範囲」は、量のオーバーフロー(適切な数値範囲内において、配送量が、合意された量をわずかに上回っている)又は量の不足(適切な数値範囲内において、配送量が、合意された量をわずかに下回っている)であってもよい。
【0028】
ステップ206:フローモードを組み合わせることにより、フローテンプレートを取得する。
【0029】
この実施形態においては、一例として「ネットワーク取引」を使用することにより、ネゴシエーションにより、対応するネットワーク取引フローを取得し、これにより、取引フローの高度に柔軟な構成を実装するべく、ネットワーク取引プロセスにおける配送プロセス、支払プロセス、及び決済プロセスが組み合わせられると共に構成されている。
【0030】
例えば、図3は、フローノードを組み合わせると共に構成した後に得られるフローテンプレートを示している。フローテンプレートに対応するフローは、オブジェクト供給比率(「オブジェクト供給ノード」に属する)→データ供給比率(「データ供給ノード」に属する)→オブジェクト権限移転比率(「データ供給ノード」に属する)→データ供給方法及び比率(「データ供給ノード」に属する)というものであり、且つ、決済時点(「データやり取りノード」に属する)は、それぞれ、フローの第2ステップ内の「データ供給比率」と、フローの第4ステップ内の「データ供給方法及び比率」と、の後であり、且つ、これらに対応している。
【0031】
このケースにおいては、図3に示されているフローテンプレートが「ネットワーク取引」のアプリケーションシナリオに適用された際に、販売者は、図4Aに示されているインタフェース上においてフローテンプレートをチェックすることができる(図4Aは、説明のための一例を提供するべく、図3のフローテンプレートの一部分のみを示している)。
【0032】
2.フローテンプレートの構成
サーバは、選択されたフローテンプレートの構成命令を受信し、且つ、構成命令に従って、選択されたフローテンプレート内のノード変数に対して量子化構成又は選択構成を実行するが、この場合に、構成命令は、ネゴシエーションにより、オブジェクトプロバイダ及びデータプロバイダによって判定されている。
【0033】
換言すれば、フローテンプレート内のそれぞれのフローノードは、(フローノードに対応するノード変数セットから選択された)一つ以上のノード変数を有する。例えば、図4Aに示されている「配送」ノードは、「配送比率」及び「受領確認タイムアウト」という二つのノード変数を含む。オブジェクトプロバイダ及びデータプロバイダ(販売者及び購入者)は、ノード変数についてネゴシエートすることが可能であり、且つ、次いで、ノード変数を構成することができる、即ち、フローテンプレートを構成することができる。
【0034】
図4Aに示されているように、それぞれのノード変数ごとに、特定の値が入力されてもよく、或いは、複数の選択肢が提供されてもよい。このケースにおいては、オブジェクトプロバイダとデータプロバイダとの間におけるネゴシエーション結果に基づいて、値が入力されるか(即ち、量子化構成が実行されるか)又は選択肢が選択された(即ち、選択構成が実行された)場合に、対応するノード変数の構成を完了することができる。例えば、図4Bに示されている構成結果を取得するには、「配送比率」が、20%になるように構成され、「受領確認タイムアウト」が、丸7日となるように構成され、且つ、「複数回」選択肢が、「決済方法」について選択される。オブジェクトプロバイダ又はデータプロバイダは、構成結果を対応する構成命令として生成し、且つ、次いで、構成命令をサーバに送信する。サーバは、オブジェクトプロバイダ及びデータプロバイダによって必要とされているサービスフローを生成するように、フローテンプレートの構成を完了させる。
【0035】
以下のことに留意されたい。
【0036】
(1)オブジェクトプロバイダ及びデータプロバイダは、フローテンプレート内の複数のフローノードが配列される予め設定された順序などの、フローテンプレート内のコンテンツを変更してもよく、例えば、図4Aとの比較において、図4Cに示されているフローテンプレートにおいては、「配送」ノード及び「支払」ノードが、その順序において相互交換されてもよく、例えば、選択されたフローテンプレート内において含まれているフローノードなどの、フローノードが、削除又は追加されてもよく、或いは、例えば、図4Aとの比較において、図4Cに示されている下部のテンプレート内においては、ノード変数「配送の前の許容範囲を許容する」などの、それぞれのフローノードに対応するノード変数が、「配送」ノードにおいて追加されている。
【0037】
実際には、サーバが、オブジェクトプロバイダ及びデータプロバイダの実際の要件を正確に充足するすべてのフローテンプレートを提供しない場合がある。従って、オブジェクトプロバイダ及びデータプロバイダは、サーバによって提供されるフローテンプレートを変更及び構成することができる。これに加えて、サーバは、後から同一のオブジェクトプロバイダ又はデータプロバイダが使用するように、或いは、別のオブジェクトプロバイダ又はデータプロバイダと共有されるように、変更済みのフローテンプレートを更に抽出及び保存することもできる。
【0038】
(2)サービフローは、一つのステージのみを含んでいてもよく、或いは、図5に示されているように、サービスが相対的に複雑である際には、サービスフローは、複数のステージを含むこともできる。オブジェクトプロバイダ及びデータプロバイダは、それぞれのステージごとに、編集及び構成などの動作を実行することができる。複数のステージは、予め設定された順序において順番に実行される。ステージのサブフローは、相対的に独立している。例えば、構成済みのステージのサブフローは、別の後続のステージの構成を待つ必要なしに、まず、実行されてもよい。例えば、ステージ2のサブフローが実行されている際には、サーバは、ステージ3又はステージ4の構成が完了しているかどうかを考慮する必要はない。
【0039】
(3)オブジェクトプロバイダ及びデータプロバイダは、例えば、オブジェクトプロバイダによって提供され得る保証サービス(例えば、「ネットワーク取引」における「24時間以内の配送」)、やり取り後のフォローアップサービス(例えば、「ネットワーク取引」における販売後サービス)、又は業界の慣習(例えば、「ネットワーク取引」における「送料無料」)などの、その権限及び義務について更にネゴシエートすることができる。
【0040】
これに加えて、サーバは、「定式」方式により、フローテンプレートを維持することもできる。「ネットワーク取引」を一例として利用すれば、「A」が「支払」(即ち、「データ供給ノード」)を表し、「B」が「配送」(即ち、「オブジェクト供給ノード」)を表し、且つ、「T」が「決済」(即ち、データやり取りノード)を表していると仮定しよう。「支払は、単独で存在し得る」、「決済は、単独で存在してはならない」、又は「配送には、支払が伴わなければならない」などの、予め定義された意味解析規則に基づいて、A(支払ノードをのみを含む)、AB(支払ノード→配送ノード)、BA(配送ノード→支払ノード)、AT(支払ノード→決済ノード)、ABT(支払ノード→配送ノード→決済ノード)、BAT(配送ノード→支払ノード→決済ノード)、及びこれらに類似したものという、それぞれの状態において存在し得るサブフロー形態を取得することができる。単一のステージが、完全なサービスフローとして使用されてもよく、且つ、相対的に複雑なサービスフローを得るべく、複数のステージが組み合わせられてもよい。
【0041】
図6は、本出願の例示用の実施形態による電子装置の概略構造図である。図6を参照すれば、ハードウェアレベルにおいて、電子装置は、プロセッサと、内部バスと、ネットワークインタフェースと、メモリと、不揮発性メモリと、を含んでおり、且つ、当然のことながら、その他のサービスによって必要とされるハードウェアを更に含むこともできる。プロセッサは、対応するコンピュータプログラムを不揮発性メモリからメモリ内に読み込み、且つ、論理レベルにおいてサービス実装装置を形成するべく、コンピュータプログラムを実行する。当然のことながら、ソフトウェア実装形態に加えて、本出願は、論理コンポーネントやソフトウェアとハードウェアとの組合せなどの、別の実装形態を排除するものではない。即ち、以下の処理フローの実行本体は、それぞれの論理ユニットに限定されるものではなく、且つ、ハードウェア又は論理コンポーネントであってもよい。
【0042】
図7を参照すれば、ソフトウェア実装形態において、サービス実装装置は、応答ユニットと、選択ユニットと、実行ユニットと、を含むことができる。
【0043】
応答ユニットは、オブジェクトプロバイダからのオブジェクト生成要求が受信された際に、オブジェクト生成要求に対応するアプリケーションシナリオに従って、応答メッセージをオブジェクトプロバイダに返し、応答メッセージは、アプリケーションシナリオにマッチングする少なくとも一つのフローテンプレートを含む。
【0044】
選択ユニットは、オブジェクトプロバイダによって送信された選択命令に従って、オブジェクト生成要求に対応するターゲットオブジェクトのフローテンプレートを選択する。
【0045】
実行ユニットは、ターゲットオブジェクトのやり取り要求がデータプロバイダから受信された際に、選択されたフローテンプレートに従って、オブジェクトプロバイダとデータプロバイダとの間における対話型の動作を実装する。
【0046】
任意選択により、フローテンプレートは、予め設定された順序において配列された複数のフローノードに個々に対応するノード変数を含んでおり、且つ、ノード変数は、予め設定された規則に従って、対応するフローノードに対応したノード変数セットから選択される。
【0047】
任意選択により、フローノードは、
オブジェクト供給ノードであって、オブジェクトプロバイダによるターゲットオブジェクトの供給の動作に関係したオブジェクト供給ノードと、
データ供給ノードであって、データプロバイダによるターゲットオブジェクトに対応するやり取りデータの供給の動作に関係したデータ供給ノードと、
データやり取りノードであって、オブジェクトプロバイダに対するやり取りデータの送信の対話型の動作に関係したデータやり取りノードと、
のうちの少なくとも一つを含む。
【0048】
任意選択により、サービス実装装置は、
選択されたフローテンプレートの構成命令を受信する受信ユニットであって、構成命令は、ネゴシエーションにより、オブジェクトプロバイダ及びデータプロバイダによって判定される、受信ユニットと、
構成命令に従って選択されたフローテンプレート内のノード変数に対して量子化構成又は選択構成を実行する構成ユニットと、
を更に含む。
【0049】
任意選択により、サービス実装装置は、
構成命令に従って、予め設定された順序、選択されたフローテンプレート内に含まれているフローノード、又はそれぞれのフローノードに対応するノード変数という、選択されたフローテンプレートの情報のうちの少なくとも一つを変更する変更ユニット、
を更に含む。
【0050】
任意選択により、サービス実装装置は、
複数のステージのサブフローを順番に実行することにより、オブジェクトプロバイダとデータプロバイダとの間の対話型の動作が実装されるように、構成命令に従って、選択されたフローテンプレートを複数のステージのサブフローに分割する分割ユニット、
を更に含む。
【0051】
任意選択により、ターゲットオブジェクトは、取引商品であり、やり取りデータは、取引金額であり、且つ、フローテンプレートは、取引フローの実行テンプレートである。
【0052】
通常の構成においては、演算装置は、一つ以上のプロセッサ(CPU)と、入出力インタフェースと、ネットワークインタフェースと、メモリと、を含む。
【0053】
メモリは、揮発性メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、並びに/或いは、例えば、読み出し専用メモリ(ROM:Read-Only Memory)又はフラッシュメモリ(flash RAM)などの、コンピュータ可読媒体内の不揮発性メモリを含むことができる。メモリは、コンピュータ可読媒体の一例である。
【0054】
コンピュータ可読媒体は、不揮発性、揮発性、着脱自在、及び非着脱自在の媒体を含み、且つ、任意の方法又は技術を使用することにより、情報の保存を実装することができる。情報は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又はその他のデータであってもよい。コンピュータストレージ媒体の例は、限定を伴うことなしに、相変化メモリ(PRAM:phase-change memory)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:Static Random Access Memory)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:Dynamic Random Access Memory)、別のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(RAM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM:Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、又はその他のタイプのメモリ、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM:Compact Disc Read-Only Memory)、デジタルバーサタイルディスク(DVD:Digital Versatile Disc)、別の光学メモリ、テープカセット、ディスクメモリ、別の磁気ストレージ装置、又は任意のその他の一時的ではない媒体を含む。コンピュータストレージ媒体は、演算装置によってアクセスされ得る情報を保存するように構成することができる。本明細書において定義されているコンピュータ可読媒体は、例えば、変調されたデジタル信号又は搬送波などの、一時的な媒体を含んではいない。
【0055】
更には、「含む(包含する)(include)」及び「有する(備える、具備する)(comprise)」という用語、並びに、これらの任意の変形は、非排他的包含を包含するべく意図されていることに留意されたい。従って、一連の要素を含むプロセス、方法、物品、又は装置は、そのような要素を含むのみならず、明示的に規定されてはいないその他の要素をも含み、或いは、プロセス、方法、物品、又は装置の固有の要素を含むこともできる。そうでない旨が規定されていない限り、「一つの〜を含む(include a/an...)」によって限定されている要素は、その要素を含むプロセス、方法、物品、又は装置内において存在するその他の同一の要素を排除するものではない。
【0056】
上述の説明は、本出願の好適な実施形態であるに過ぎず、本出願を限定するべく意図されたものではない。本出願の精神及び原理を逸脱することなしに実施されるすべての変更、等価な置換、又は改善は、本出願の保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7