(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6879986
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】共役ジエン重合体、その製剤および製造方法
(51)【国際特許分類】
C08F 297/04 20060101AFI20210524BHJP
C08F 236/06 20060101ALI20210524BHJP
C08F 212/08 20060101ALI20210524BHJP
C08F 4/48 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
C08F297/04
C08F236/06
C08F212/08
C08F4/48
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-189773(P2018-189773)
(22)【出願日】2018年10月5日
(65)【公開番号】特開2019-73682(P2019-73682A)
(43)【公開日】2019年5月16日
【審査請求日】2018年10月5日
(31)【優先権主張番号】62/569,341
(32)【優先日】2017年10月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517415584
【氏名又は名称】ティエスアールシー・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】TSRC Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】ユ・ジュイン−モン
(72)【発明者】
【氏名】チュウ・チンーウェイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン・クン−イ
(72)【発明者】
【氏名】アデル−ファーハン・ハラサ
【審査官】
西山 義之
(56)【参考文献】
【文献】
特表2014−506951(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第103374101(CN,A)
【文献】
特表2013−528686(JP,A)
【文献】
特表2015−510959(JP,A)
【文献】
特表2016−531963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F293/00−297/08
C08F 10/00−246/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アニオン重合の開始剤を用いる共役ジエンモノマーおよびビニル芳香族モノマーの重合により得られる共役ジエン重合体であって、
共役ジエン重合体が、6を超える連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックおよび4〜6の連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックを含み、6を超える連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量が、共役ジエン重合体の総ビニル芳香族モノマー含量に対して5重量%未満であり、4〜6の連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量が、共役ジエン重合体の総ビニル芳香族モノマー含量に対して20重量%未満であり、共役ジエン重合体の総ビニル芳香族モノマー含量が、25重量%〜45重量%の範囲にあり、かつ共役ジエン重合体の重量平均分子量が、200,000〜110万の範囲にある共役ジエン重合体。
【請求項2】
共役ジエン重合体が、4または4を超える連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックを含み、4または4を超える連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量が、共役ジエン重合体の総ビニル芳香族モノマー含量に対して25重量%未満である、請求項1記載の共役ジエン重合体。
【請求項3】
共役ジエン重合体が、4〜6の連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックを含み、4〜6の連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量が、共役ジエン重合体の総ビニル芳香族モノマー含量に対して15重量%未満である、請求項1記載の共役ジエン重合体。
【請求項4】
共役ジエン重合体が、モノマー転化率が重合中に50%以下である場合に早期相総ビニル芳香族モノマー含量、およびモノマー転化率が重合中に90%以上である場合に後期相総ビニル芳香族モノマー含量を有し、早期相総ビニル芳香族モノマー含量と後期相総ビニル芳香族モノマー含量との間の差は、20重量%未満である、請求項1記載の共役ジエン重合体。
【請求項5】
共役ジエン重合体が、モノマー転化率が重合中に50%以下である場合に早期相総ビニル芳香族モノマー含量、およびモノマー転化率が重合中に90%以上である場合に後期相総ビニル芳香族モノマー含量を有し、早期相総ビニル芳香族モノマー含量と後期相総ビニル芳香族モノマー含量との間の差は、15重量%未満である、請求項1記載の共役ジエン重合体。
【請求項6】
共役ジエン重合体が、モノマー転化率が重合中に50%以下である場合に早期相総ビニル芳香族モノマー含量、およびモノマー転化率が重合中に90%以上である場合に後期相総ビニル芳香族モノマー含量を有し、早期相総ビニル芳香族モノマー含量と後期相総ビニル芳香族モノマー含量との間の差は、10重量%未満である、請求項1記載の共役ジエン重合体。
【請求項7】
共役ジエン重合体が、6または6未満の連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックを含み、6または6未満の連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量が、共役ジエン重合体の総ビニル芳香族モノマー含量に対して95重量%以上である、請求項1記載の共役ジエン重合体。
【請求項8】
共役ジエン重合体が、初期ガラス転移温度および最終ガラス転移温度を有し、初期ガラス転移温度と最終ガラス転移温度との間の差が5℃〜20℃の範囲にある、請求項1記載の共役ジエン重合体。
【請求項9】
共役ジエン重合体の総ビニル芳香族モノマー含量が、30重量%〜45重量%の範囲にある、請求項1記載の共役ジエン重合体。
【請求項10】
共役ジエン重合体の総ビニル芳香族モノマー含量が、35重量%〜45重量%の範囲にある、請求項1記載の共役ジエン重合体。
【請求項11】
共役ジエン重合体の総共役ジエンモノマー含量が、55重量%〜75重量%の範囲にある、請求項1記載の共役ジエン重合体。
【請求項12】
共役ジエン重合体の総共役ジエンモノマー含量が、55重量%〜70重量%の範囲にある、請求項1記載の共役ジエン重合体。
【請求項13】
共役ジエン重合体の総共役ジエンモノマー含量が、55重量%〜65重量%の範囲にある、請求項1記載の共役ジエン重合体。
【請求項14】
ビニル構造含量が、共役ジエン重合体の総共役ジエンモノマー含量に対して5重量%〜80重量%の範囲にある、請求項1記載の共役ジエン重合体。
【請求項15】
共役ジエン重合体の重量平均分子量が、260,000〜100万の範囲にある、請求項1記載の共役ジエン重合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共役ジエン重合体、特に、少量の長いビニル芳香族ブロックを有する共役ジエン重合体に関する。
【背景技術】
【0002】
溶液スチレン−ブタジエンゴム(SSBR)は、ブタジエンモノマーおよびスチレンモノマーから成る共役ジエン重合体である。溶液スチレン−ブタジエンゴムの工業的生産は、バッチプロセスでの米国フィリップス社および連続プロセスでのファイアストン社によって最初に提案された。この溶液スチレン−ブタジエンゴムが、機械的特性および転がり抵抗において乳化スチレン−ブタジエンゴムより優れているので、溶液スチレン−ブタジエンゴムは自動車産業によって広く用いられ、また、他のゴム製品に広範囲に用いられている。ゴム材料のより良好な性能を達成するために、当該産業は共役ジエン重合体の特性を改善するために努力し続けている。
【0003】
共役ジエン重合体中の高含量の長いスチレンブロックが、ヒステリシスを悪化させることが報告されている。この課題の解決のために、中国特許CN103476815は、開始剤、カリウムアルコキシドおよびジアルキルエーテルの存在下、ブタジエンおよびスチレンモノマーを重合することを含む重合方法を開示する。しかしながら、この方法によって形成された共役ジエン重合体の長いスチレンブロックの含量は、依然として十分に低くない(6を超える連続スチレン単位を有するスチレンブロックの含量は、ポリマー中の総スチレンモノマー含量の約15重量%〜約35重量%である)。米国特許第5916962号は、共役ジエン重合体を生成するための金属アルコキシドおよび二環エーテルの使用を教示し、その長いスチレンブロック含量はかなりには減少しなかった。
【0004】
先行技術における前記課題を解決するための有効でかつ適切な方法は存在しない。例えば、米国特許第3294768号、第6841648号、第7034081号および第6140434号は、共役ジエン重合体を作製するための金属アルコキシドおよびエーテルの使用を教示する。しかしながら、これらの各特許は、長いスチレンブロックの含量に関する分析を欠き、さらに、その教示によって得られた共役ジエン重合体の長いスチレンブロック含量は十分ではない。また、米国特許第3787377号は、非常に低いブロック含量を有する共役ジエン重合体を形成するための連続プロセス(非バッチ)での金属アルコキシドおよびエーテルの使用を教示する。しかしながら、連続プロセスの装置は複雑であり、その連続プロセスは高温反応を必要とし、それは実際的な工業的生産には全く不利である。したがって、必要とされる共役ジエン重合体を形成する新規でかつ画期的な方法を提案することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
前記に徴して、本発明は、先行技術からの共役ジエン重合体よりも少量の長いビニル芳香族ブロックを有する共役ジエン重合体を提供する。本願の共役ジエン重合体は、高い実現可能性を持つ単純方法によって調製される。より詳細には、長いスチレンブロックを形成するのが容易である、共役ジエン重合体が多量の総スチレンモノマーを有する場合でさえ、本発明は、少量の長いスチレンブロックを有する共役ジエン重合体を依然として提供することができる。
【0006】
本発明の1つの態様は、アニオン重合の開始剤を用いる共役ジエンモノマーおよびビニル芳香族モノマーの重合により得られる共役ジエン重合体を提供することであり、その共役ジエン重合体は、6を超える連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックを含み、6を超える連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量は、共役ジエン重合体の総ビニル芳香族モノマー含量に対して5重量%未満である。
【0007】
本発明のもう一つの態様は、アニオン重合の開始剤を用いる共役ジエンモノマーおよびビニル芳香族モノマーの重合により共役ジエン重合体を調製するための製剤を提供することであり、この製剤は、その開始剤、共役ジエンモノマー、ビニル芳香族モノマー、少なくとも1種の単環エーテルおよび少なくとも1種の非環状金属アルコキシドを含む。
【0008】
本発明のさらにもう一つの態様は、(a)共役ジエンモノマー、ビニル芳香族モノマー、単環エーテルおよび非環状金属アルコキシドを溶媒を含有するリアクターに加え;(b)開始剤をリアクターに加えて、重合反応を行い;次いで、(c)重合反応の停止剤としてアルコールを加えることを含む、前記製剤を用いる共役ジエン重合体の調製方法を提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(具体例の詳細な記載)
本発明の好ましい具体例は、本発明および特許請求の範囲が十分に理解されるように、以下に例示される。本発明の内容の不明瞭さを回避するために、以下の記載では、従来成分、関連材料および関連処理技術を省略し得る。
【0010】
分析方法
共役ジエン重合体の総共役ジエンモノマー含量、共役ジエン重合体の総ビニル芳香族モノマー含量、および共役ジエン重合体の総共役ジエンモノマー含量に対するビニル構造含量(ビニル%、結合ジエン中のビニル)は、中国特許CN103476815に記載された関連測定方法を参照して測定し、NMRはBruker AV−500(500MHz)であり、プローブは、自動周波数同調装置を装備した5mmダブルプローブであり、NMRオペレーションソフトウェアはTOPSPINであり、用いられる溶媒は重水素化クロロホルム/テトラメチルシラン(CDCl
3/TMS)である。
【0011】
ポリマーのガラス転移温度ならびに初期ガラス転移温度と最終ガラス転移温度との間の差は、示差走査熱量計(DSC)で測定し、TA装置Q200 DSCを窒素雰囲気下で用い、走査速度は20℃/分であり、走査範囲は−90℃〜100℃である。
【0012】
ポリマーの重量平均分子量および分子量分布は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定し、ポンプはウォーターズ1525バイナリHPLCポンプであり、検出器はウォーターズ2414屈折率検出器であり、溶離液はテトラヒドロフランであって、溶離液流速は1ml/分である。
【0013】
6を超える連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量は、中国特許CN103476815に記載される関連測定方法を参照して測定し、ビニル芳香族モノマーはスチレンによって例示され、重水素化クロロホルム/テトラメチルシラン(CDCl
3/TMS)は、溶媒として用いられ、その分析は
1H−NMR分光法による。6.0ppm〜6.7ppmの特徴的ピーク面積は、6を超える(6を含まない)連続スチレン単位を有する複数のブロックのスチレンモノマー含量を表わす。
【0014】
4〜6の連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量は、中国特許CN103476815に記載された関連測定方法を参照して測定し、ビニル芳香族モノマーはスチレンによって例示され、重水素化クロロホルム/テトラメチルシラン(CDCl
3/TMS)を溶媒として用い、その分析は
1H−NMR分光法による。6.7ppm〜6.9ppmの特徴的ピーク面積は、4〜6の(4、5および6を含む)連続スチレン単位を有する複数のブロックのスチレンモノマー含量を表わす。
【0015】
4未満の連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量は、中国特許CN103476815に記載された関連測定方法を参照して測定し、ビニル芳香族モノマーはスチレンによって例示され、重水素化クロロホルム/テトラメチルシラン(CDCl
3/TMS)を溶媒として用い、その分析は
1H−NMR分光法による。6.9ppm〜7.4ppmの特徴的ピーク面積は、4未満の(4を含まない)連続スチレン単位を有する複数のブロックのスチレンモノマー含量を表わす。
【0016】
4または4を超える連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量は、共役ジエン重合体の総ビニル芳香族モノマー含量から、4未満の連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量を引くことにより算出される。
【0017】
6または6未満の連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量は、共役ジエン重合体の総ビニル芳香族モノマー含量から、6を超える連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量を引くことにより算出される。
【0018】
モノマー転化率は、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いる反応において残存するモノマー量のモニタリングにより算出され、GCは、50:1の分割比を持つアジレント・テクノロジー7890B GCシステムであり、検出器は、250℃の検出器温度、250℃の注入口温度およびアジレント19091A−115の毛管カラムを持つ水素炎イオン化検出器(FID)である。
【0019】
共役ジエン重合体を調製するための製剤(formulation)
本発明は共役ジエン重合体を調製するための製剤を提供する。共役ジエン重合体は、アニオン重合の開始剤を用いて共役ジエンモノマーおよびビニル芳香族モノマーの重合により得られる。その製剤は、開始剤、共役ジエンモノマー、ビニル芳香族モノマー、少なくとも1つの単環エーテルおよび少なくとも1つの非環状金属アルコキシドを含む。
【0020】
アニオン重合は、開始剤を用いることによる活性炭素陰イオンの形成をいい、モノマーが加えられた後、活性炭素陰イオンとの付加重合反応を行い、鎖末端基にて負電荷を有するポリマーを形成し、次いで、停止剤を加えて、反応を終了し、かくして、ポリマーを得る。有機リチウム化合物、有機ナトリウム化合物および有機マグネシウム化合物のごとき有機アルカリ金属化合物は、開始剤の好ましい選択である。有機ナトリウム化合物の例はナトリウムナフタレンであり、有機マグネシウム化合物の例はジブチルマグネシウムである。有機リチウム化合物は、低分子量の有機リチウム化合物、1分子中に1つのリチウムまたは1分子中に複数のリチウムを有する有機リチウム化合物、有機基およびリチウムを接続する結合にて炭素−リチウム結合、窒素−リチウム結合またはスズ−リチウム結合を有する有機リチウム化合物を含めた、重合開始能力を有するすべての有機リチウム化合物を含む。特定例として、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、トリルリチウムおよびそれらのすべての異性体、ベンジルリチウム、リチウムナフタレンならびにリチウムスチルベン等が挙げられる。例えば、多官能性有機リチウム化合物は、1,4−ジリチウムブタン、sec−ブチルリチウムとジイソプロペニルベンゼンとの反応生成物、1,3,5−トリリチウムベンゼン、n−ブチルリチウムと1,3−ブタジエンおよびジビニルベンゼンとの反応生成物、ならびにn−ブチルリチウムおよびポリアセチレン化合物の反応生成物;リチウムジメチルアミド、リチウムジヘキシルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、およびリチウムヘキサメチレンイミンのごとき窒素−リチウム結合を有する化合物である。前記のうち、n−ブチルリチウムおよびsec−ブチルリチウムが好ましい。例えば、共役ジエンモノマーは、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、イソプレン、1−メチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエンおよびそれらのいずれかの組合せよりなる群から独立して選択される。前記のうち、1,3−ブタジエンが好ましく用いられる。例えば、ビニル芳香族モノマーは、スチレン、メチルスチレンおよびそのすべての異性体、エチルスチレンおよびそのすべての異性体、tert−ブチルスチレンおよびそのすべての異性体、シクロヘキシルスチレン、ビニルビフェニル、1−ビニル−5−ヘキシルナフタレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、5−tert−ブチル−2−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、tert−ブトキシスチレン、N−(4−ビニルベンジル)−N,N−ジメチルアミン、4−ビニルベンジル2−(ジメチルアミノ)エチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、N,N−ジメチルアミノメチルスチレン、ビニルピリジン、ジフェニルエチレン、第三級アミノ基を含有するジフェニルエチレン、例えば、1−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−1−フェニルエチレン、およびそれらのいずれかの組合せよりなる群から独立して選択することができる。前記のうち、スチレンは好ましく用いられる。共役ジエンモノマーとして1,3−ブタジエン、イソプレンまたは2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンを用い、かつビニル芳香族モノマーとしてスチレンを用いることが一般的な選択である。
【0021】
単環エーテルは、テトラヒドロフラン(THF)、オキソール、テトラヒドロピラン(THP)、2−メチル−テトラヒドロピラン、3−メチル−テトラヒドロピラン、クラウンエーテル、例えば、12−クラウン−4エーテル、15−クラウン−5エーテルもしくは18−クラウン−6エーテル、またはジオキサン(1,4−ジオキサンとして知られている)等から好ましくは選択される。有効な開始剤に対する単環エーテルのモル比は、5〜500、より好ましくは10〜400、特に好ましくは65〜300である。非環状金属アルコキシドは、3,7−ジメチル−3−オクチレート(KDMO)、カリウムtert−アミラート(K−アミラート)およびナトリウムtert−アミラート(Na−アミラート)、カリウムtert−ブトキシドまたはナトリウムtert−ブトキシド等から好ましくは選択される。非環状金属アルコキシドが単環エーテルの組合せに用いられる好ましい具体例において、有効な開始剤に対する非環状金属アルコキシドのモル比は、好ましくは0.16〜10、より好ましくは0.2〜7、特に好ましくは0.3〜5である。本発明の「有効な開始剤」なる用語は、モノマーと反応する開始剤の比率として定義される。有効な開始剤のモルは、モノマーの合計量をポリマーの初期分子量で割ることにより算出され、初期分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって分析される。
【0022】
前記の単環エーテルおよび非環状金属アルコキシドに加えて、直鎖エーテルまたは二環エーテルを必要に応じて加え得る。直鎖エーテルは、ジアルキルエーテル、例えば、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチル−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−アミルエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)またはエチル−tert−ブチルエーテル(ETBE)から好ましくは選択される。有効な開始剤に対する直鎖エーテルのモル比は、好ましくは0.1〜100、より好ましくは1.0〜80、または特に好ましくは5.0〜60である。二環エーテルは、好ましくは2,2−ジ(2−テトラヒドロフリル)プロパン(DTHFP)であり得、有効な開始剤に対する二環エーテルのモル比は、好ましくは0.001〜30、より好ましくは0.005〜20、または特に好ましくは0.01〜10である。有効な開始剤に対する単環エーテルおよび直鎖エーテルの合計のモル比は、好ましくは5〜500、より好ましくは10〜400、特に好ましくは20〜300である。有効な開始剤に対する単環エーテルおよび二環エーテルの合計のモル比は、好ましくは5〜500、より好ましくは10〜400、特に好ましくは20〜300である。非環状金属アルコキシドおよび単環エーテルが直鎖エーテルまたは二環エーテルと組み合わせて用いられる好ましい具体例において、有効な開始剤に対する非環状金属アルコキシドのモル比は、好ましくは0.001〜10、より好ましくは0.01〜7、特に好ましくは0.05〜5である。
【0023】
共役ジエン重合体の調製方法
本発明は、前記された製剤を用いる共役ジエン重合体の調製方法を提供する。方法は:(a)共役ジエンモノマー、ビニル芳香族モノマー、単環エーテルおよび非環状金属アルコキシドを溶媒を含むリアクターに加え;(b)開始剤をリアクターに加えて、重合反応を行い;次いで、(c)重合反応の停止剤としてアルコールを加えることを含む。工程(b)における重合反応の温度は好ましくは110℃未満である。本発明の方法は好ましくは断熱バッチプロセスを用いる。
【0024】
工程(a)に関して、例えば、適切な溶媒は、重合反応に加わらない不活性有機溶媒である。かかる溶媒は、ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、イソヘキサン、n−ヘキサン、イソヘプタン、n−ヘプタン、イソオクタンもしくはn−オクタンのような脂肪族炭化水素;またはシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロペンタン、シクロヘプタンもしくはメチルシクロペンタンのようなシクロアルカン;またはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼンもしくはプロピルベンゼンのような芳香族炭化水素を含む。本発明で使用するのに適するものは、好ましくはシクロヘキサンである。
【0025】
工程(b)に関して、重合の初期温度は、好ましくは10℃〜80℃であり、最終温度は好ましくは30℃〜110℃である。温度制御方法は、好ましくは断熱反応方法であるが、定温制御または部分的冷却方法も用い得る。
【0026】
工程(c)に関して、メタノールまたは他の適切なアルコールを重合停止剤として用いることができる。また、共役ジエン重合体は、その停止剤の添加前に、シロキサン等のごとき適切な変性剤を加えることにより変性させ得る。前記された完成した共役ジエン重合体(変性または未変性)は、必要に応じて、蒸気、電熱、熱風等を用いることにより、溶媒を除去し、次いで、よく知られた乾燥方法によって乾燥し得る。
【0027】
共役ジエン重合体の特性
本発明の様々な具体例によれば、共役ジエン重合体の重量平均分子量は、好ましくは150,000〜120万、より好ましくは200,000〜110万、または特により好ましくは、260,000〜100万である。共役ジエン重合体の分子量分布(MWD)は、好ましくは1.0〜1.5、より好ましくは1.0〜1.3、特に好ましくは1.0〜1.2である。
【0028】
本発明の様々な具体例によれば、共役ジエン重合体は、6を超える連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックを含み、6を超える連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量は、共役ジエン重合体の総ビニル芳香族モノマー含量に対して5重量%未満である。
【0029】
本発明の様々な具体例によれば、共役ジエン重合体は、4または4を超える連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックを含み、4または4を超える連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量は、共役ジエン重合体の総ビニル芳香族モノマー含量に対して40重量%未満、より好ましくは30重量%未満、または特に好ましくは25重量%未満である。
【0030】
本発明の様々な具体例によれば、共役ジエン重合体は、4〜6の連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックを含み、4〜6の連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量は、共役ジエン重合体の総ビニル芳香族モノマー含量に対して25重量%未満、より好ましくは20重量%未満、または特に好ましくは15重量%未満である。
【0031】
本発明の様々な具体例によれば、共役ジエン重合体は、モノマー転化率が重合中に50%以下である場合の早期相(early-phased)総ビニル芳香族モノマー含量(重量%)、およびモノマー転化率が重合中に90%以上である場合の後期相(late-phased)総ビニル芳香族モノマー含量(重量%)を有し、早期相総ビニル芳香族モノマー含量(重量%)と後期相総ビニル芳香族モノマー含量(重量%)との間の差は、20重量%未満、より好ましくは15重量%未満、特に好ましくは10重量%未満である。
【0032】
本発明の様々な具体例によれば、共役ジエン重合体は、6または6未満の連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックを含み、6または6未満の連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量は、共役ジエン重合体の総ビニル芳香族モノマー含量に対して95重量%以上である。
【0033】
本発明の様々な具体例によれば、共役ジエン重合体は、初期ガラス転移温度および最終ガラス転移温度を有し、初期ガラス転移温度と最終ガラス転移温度との間の差は、好ましくは5℃〜20℃ある。
【0034】
本発明の様々な具体例によれば、共役ジエン重合体の総ビニル芳香族モノマー含量は、好ましくは10重量%〜55重量%、より好ましくは20重量%〜50重量%、特に好ましくは25重量%〜45重量%、より特に好ましくは30重量%〜45重量%、さらにより特に好ましくは35重量%〜45重量%である。好ましい具体例において、共役ジエン重合体の総ビニル芳香族モノマー含量が、25重量%以上である場合、本発明の共役ジエン重合体は依然として少量の長鎖(long)ビニル芳香族ブロックに達することができる。
【0035】
本発明の様々な具体例によれば、共役ジエン重合体の総共役ジエンモノマー含量は、好ましくは45重量%〜90重量%、より好ましくは50重量%〜80重量%、特に好ましくは55重量%〜75重量%、より特に好ましくは55重量%〜70重量%、さらにより特に好ましくは55重量%〜65重量%である。
【0036】
本発明の様々な具体例によれば、ビニル構造含量は、共役ジエン重合体の総共役ジエンモノマー含量に対して5重量%〜80重量%の範囲にある。
【0037】
実施例1
1.44kgのシクロヘキサンを窒素充填の3Lのステンレス鋼リアクターに注入し、次いで、2.31gのテトラヒドロフラン(以下、THFという)(単環エーテル)、2重量%のカリウム3,7−ジメチル−3−オクチレート(以下、KDMOという)(非環状金属アルコキシド)を含む1.5gのシクロヘキサン溶液、96gの1,3−ブタジエンおよび64gのスチレンを加えた。そして、系を60℃に徐々に暖めた。系が安定した場合、5重量%のn−ブチルリチウムを含む1.5gのシクロヘキサン溶液を加えた。モノマー転化率が99%を超えた場合、メタノールを停止剤としてさらに加えた。実施例1において、表1に示したように、重合期間中に異なるモノマー転化率を持つ異なる時点で得られた総共役ジエン(1,3−ブタジエン)モノマー含量(重量%)および総ビニル芳香族(スチレン)モノマー含量(重量%)を分析した。モノマー転化率が、その時点で得られた共役ジエン重合体に対して50%以下である期間中のいずれかの時点において測定した総ビニル芳香族モノマー含量(重量%)を、「早期相」総ビニル芳香族モノマー含量(重量%)といい;モノマー転化率が、その時点で得られた共役ジエン重合体に対して90%以上である期間中のいずれかの時点において測定した総ビニル芳香族モノマー含量(重量%)を、「後期相」総ビニル芳香族モノマー含量(重量%)という。この実施例において、早期相総ビニル芳香族モノマー含量(重量%)と後期相総ビニル芳香族モノマー含量(重量%)との間の差は、以下の3つのデータを有し、それは、(36.52−32.41)重量%=4.11重量%、(36.70−32.41)重量%=4.29重量%、および(36.69−32.41)重量%=4.28重量%である。
【0039】
実施例2
実施例2と実施例1との間の主要な差異は、実施例2において、エチレングリコールジエチルエーテル(以下、EGDEEという)(直鎖エーテル)をさらに加えたことである。詳細は以下のとおりである。44.4kgのシクロヘキサンを窒素充填の100Lのステンレス鋼リアクターに注入し、次いで、8.9gのエチレングリコールジエチルエーテル(直鎖エーテル)、197gのテトラヒドロフラン(単環エーテル)、4.9重量%のカリウム3,7−ジメチル−3−オクチレート(非環状金属アルコキシド)を含む1.6gのシクロヘキサン溶液、2.64kgの1,3−ブタジエン、および1.76kgのスチレンを加えた。そして、系を60℃に徐々に暖めた。系が安定した場合、5重量%のn−ブチルリチウムを含む22.5gのシクロヘキサン溶液を加えた。モノマー転化率が99%を超えた場合、メタノールを停止剤としてさらに加えた。
【0040】
実施例3
実施例3と実施例1との間の主要な差異は、実施例3において、2,2−ジ(2−テトラヒドロフリル)プロパン(以下、DTHFPという、二環エーテル)をさらに加えたことである。詳細は以下のとおりである。2.88kgのシクロヘキサンを窒素充填の5Lのステンレス鋼リアクターに注入し、次いで、4.61gのテトラヒドロフラン(単環エーテル)、0.86gの1重量% DTHFP、1重量%のカリウム3,7−ジメチル−3−オクチレート(非環状金属アルコキシド)を含む0.91gのシクロヘキサン溶液、192gの1,3−ブタジエン、および128gのスチレンを加え、次いで、系を60℃に徐々に暖めた。系が安定した場合、5重量%のn−ブチルリチウムを含む2gのシクロヘキサン溶液を加えた。モノマー転化率が99%を超えた場合、メタノールを停止剤としてさらに加えた。
【0041】
実施例4
実施例4と実施例1との間の主要な差異は、実施例4において、ナトリウムtert−アミラート(以下、Na−アミラートという、非環状金属アルコキシド)を用いて、カリウム3,7−ジメチル−3−オクチレート(非環状金属アルコキシド)を置き換えたことである。詳細は以下のとおりである。1.44kgのシクロヘキサンを窒素充填の3Lのステンレス鋼リアクターに注入し、次いで、2.3gのテトラヒドロフラン(単環エーテル)、0.98重量%のナトリウムtert−アミラート(非環状金属アルコキシド)を含む8gのシクロヘキサン溶液、96gの1,3−ブタジエン、および64gのスチレンを加え、次いで、系を60℃に徐々に暖めた。系が安定した場合、2.94重量%のn−ブチルリチウムを含む3.01gのシクロヘキサン溶液を加えた。モノマー転化率が99%を超えた場合、メタノールを停止剤としてさらに加えた。
【0042】
実施例5
実施例5と実施例1との間の主要な差異は、実施例5において、ナトリウムtert−アミラート(非環状金属アルコキシド)を用いて、カリウム3,7−ジメチル−3−オクチレート(非環状金属アルコキシド)を置き換え、エチレングリコールジエチルエーテル(直鎖エーテル)はさらに加えたことである。詳細は以下のとおりである。2.83kgのシクロヘキサンを窒素充填の5Lのステンレス鋼リアクターに注入し、5.46gのエチレングリコールジエチルエーテル(直鎖エーテル)、23.4gのテトラヒドロフラン(単環エーテル)、2.5重量%のナトリウムtert−アミラート(非環状金属アルコキシド)を含む1.5gのシクロヘキサン溶液、210gの1,3−ブタジエン、および140gのスチレンを加え、次いで、系を60℃に徐々に暖めた。系が安定した場合、5重量%のn−ブチルリチウムを含む7.3gのシクロヘキサン溶液を加えた。モノマー転化率が99%を超えた場合、メタノールを停止剤としてさらに加えた。
【0043】
表2は、実施例1〜5において調製した共役ジエン重合体の様々な特性を示す。また、実施例1と比較して、エチレングリコールジエチルエーテル(直鎖エーテル)をさらに加えた実施例2により、6を超える連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量が、5重量%未満である共役ジエン重合体を得た。実施例1と比較して、2,2−ジ(2−テトラヒドロフリル)プロパンをさらに加えた実施例3により、6を超える連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量が、5重量%未満である共役ジエン重合体を得た。実施例1と比較して、ナトリウムtert−アミラート(非環状金属アルコキシド)を用いて、カリウム3,7−ジメチル−3−オクチレート(非環状金属アルコキシド)を置き換えた実施例4により、6を超える連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量が、さらに少ない共役ジエン重合体を得た。実施例2と比較して、ナトリウムtert−アミラート(非環状金属アルコキシド)を用いて、カリウム3,7−ジメチル−3−オクチレート(非環状金属アルコキシド)を置き換えた実施例5により、6を超える連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量が、さらに少ない共役ジエン重合体を得た。実施例1〜5の各共役ジエン重合体は、25重量%またはそれを超えるまでの総ビニル芳香族モノマー含量を有し、6を超える連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量は、5重量%未満である。
【0045】
比較例1
比較例1と実施例1との間の主要な差異は、比較例1がテトラヒドロフラン(単環エーテル)を用いなかったことである。詳細は以下のとおりである。1.44kgのシクロヘキサンを窒素充填の3Lのステンレス鋼リアクターに注入し、2重量%のカリウム3,7−ジメチル−3−オクチレート(非環状金属アルコキシド)を含む2.42gのシクロヘキサン溶液、96gの1,3−ブタジエンおよび64gのスチレンを加え、次いで、系を60℃に徐々に暖めた。系が安定した場合、5重量%のn−ブチルリチウムを含む2.18gのシクロヘキサン溶液を加えた。モノマー転化率が99%を超えた場合、メタノールを停止剤としてさらに加えた。
【0046】
比較例2
比較例2と実施例2との間の主要な差異は、比較例2がテトラヒドロフラン(単環エーテル)を用いなかったことである。詳細は以下のとおりである。1.44kgのシクロヘキサンを窒素充填の3Lのステンレス鋼リアクターに注入し、7.2gのエチレングリコールジエチルエーテル(直鎖エーテル)、2重量%のカリウム3,7−ジメチル−3−オクチレート(非環状金属アルコキシド)を含む1.2gのシクロヘキサン溶液、96gの1,3−ブタジエンおよび64gのスチレンを加え、次いで、系を60℃に徐々に暖めた。系が安定した場合、5重量%のn−ブチルリチウムを含む1.75gのシクロヘキサン溶液を加えた。モノマー転化率が99%を超えた場合、メタノールを停止剤としてさらに加えた。
【0047】
比較例3
比較例3と実施例2との間の主要な差異は、比較例3がカリウム3,7−ジメチル−3−オクチレート(非環状金属アルコキシド)を用いなかったことである。詳細は以下のとおりである。1.44kgのシクロヘキサンを窒素充填の3Lのステンレス鋼リアクターに注入し、0.29gのエチレングリコールジエチルエーテル(直鎖エーテル)、2.3gのテトラヒドロフラン(単環エーテル)、96gの1,3−ブタジエンおよび64gのスチレンを加えた。次いで、系を60℃に徐々に暖めた。系が安定した場合、5重量%のn−ブチルリチウムを含む2.05gのシクロヘキサン溶液を加えた。モノマー転化率が99%を超えた場合、メタノールを停止剤としてさらに加えた。
【0048】
比較例4
比較例4と実施例1との間の主要な差異は、比較例4がカリウム3,7−ジメチル−3−オクチレート(非環状金属アルコキシド)を用いなかったことである。詳細は以下のとおりである。1.44kgのシクロヘキサンを窒素充填の3Lのステンレス鋼リアクターに注入し、2.4gのテトラヒドロフラン(単環エーテル)、96gの1,3−ブタジエンおよび64gのスチレンを加えた。次いで、系を60℃に徐々に暖めた。系が安定した場合、5重量%のn−ブチルリチウムを含む2gのシクロヘキサン溶液を加えた。モノマー転化率が99%を超えた場合、メタノールを停止剤としてさらに加えた。
【0049】
表3は、比較例1〜4において調製した、共役ジエン重合体の様々な特性を示す。比較例1および2は、6を超える連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量が、5重量%未満に低下しないようにテトラヒドロフラン(単環エーテル)を用いなかった。比較例3および4は、6を超える連続ビニル芳香族単位を有する複数のブロックのビニル芳香族モノマー含量が、5重量%未満に低下しないようにカリウム3,7−ジメチル−3−オクチレート(非環状金属アルコキシド)を用いなかった。
【0051】
共役ジエン重合体の適用
本発明の共役ジエン重合体は他の成分と混合して、ゴム組成物を得ることもできる。他の成分の特定例として、天然ゴム、本発明と異なる他の共役ジエン重合体、エチレン−プロピレン共重合体およびエチレン−オクテン共重合体が挙げられる。前記組成物は2種以上のタイプの混合適用であり得る。ゴム組成物の組成につき、共役ジエン重合体の含量は、すべての成分の合計量が100重量部である場合、好ましくは少なくとも10重量部、より好ましくは少なくとも20重量部でである。
【0052】
さらに、ゴム組成物も添加剤を含み得る。添加剤の特定例として、イオウのごとき加硫剤;チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤またはスルフェンアミド系加硫促進剤のごとき加硫促進剤;ステアリン酸または酸化亜鉛のごとき加硫活性剤;有機過酸化物;シリカ化合物またはカーボンブラックのごとき補強剤;炭酸カルシウムまたはタルクのごとき充填剤;シランカップリング剤;充填油(filling oil);加工助剤;酸化防止剤;および滑沢剤等が挙げられる。
【0053】
本発明のゴム組成物の混合方法は、例えば、様々な成分を混練するためのローラー、バンバリーミキサーまたはインターナルミキサーのごとき通常の混合機を用いることができる。混合条件に関して、加硫剤または加硫促進剤に加えて、添加剤、充填剤、シリカ化合物および/または他の補強剤が混合される場合、処理温度は、2〜3段階の混合で、通常、50℃〜200℃、好ましくは、80℃〜150℃であり、処理時間は、通常、30秒〜20分間、好ましくは1分間〜10分間である。加硫剤または加硫促進剤が混合される場合、処理温度は、通常、100℃以下、好ましくは室温〜90℃である。加硫剤または加硫促進剤が混合された組成物は、プレス加硫のごとき加硫処理により調製することができる。加硫処理の温度は、通常120℃〜200℃、好ましくは140℃〜180℃である。
【0054】
本発明の共役ジエン重合体およびそのゴム組成物は、タイヤ、ソール、フローリング材、振動遮断材等に用いることができ、タイヤトレッドの低転がり抵抗を改善し、かつウエットスキッド抵抗性を促進し、結果的に操縦安定性および信頼性をもたらすためにタイヤでの使用に特に適する。
【0055】
前記の記載は単に本発明の好ましい具体例に過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するように意図するものではない。本発明の精神から逸脱することなくなされる他のすべての等価な変更または修飾は、以下の特許請求の範囲に含まれる。