(54)【発明の名称】カルボニルストレス及び酸化ストレスに対して活性な、金属及び/又はフリーラジカルキレート化モチーフと会合する近接第1級ジアミン、並びにその使用
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アテローム性動脈硬化症、網膜症、腎症、ニューロパシー、細小血管症及び大血管症、白内障、アミロイド症、リウマチ障害並びに静脈瘤性潰瘍及び動脈性潰瘍の処置及び/又は予防のための、請求項16に記載の医薬。
【実施例】
【0106】
A.合成
I)装置及び方法
様々な反応製品は、Sigma-Aldrich社(Lyons、フランス)から購入し、更に精製せずに使用する。TLCは、Merck 60F254シリカプレートで行い、紫外光(λ=254nm)で観察した後、95%エタノール中のリンモリブデン酸を使用し、続いて最大着色まで加熱して、明らかにした。分取カラムクロマトグラフィーは、Kielselgel60シリカゲル(40〜63μm)(Merck社)でのクロマトグラフィー手法により、又は順相のReveleris(登録商標)(Grace社)フラッシュクロマトグラフィーシステムを使用して、行った。
【0107】
NMR分析は、Bruker AC300、400又は600装置で行った。化学シフトは、内部標準として使用した重水素化溶媒に対する百万分率(ppm)で表す。結合定数(J)は、ヘルツ(Hz)で表し、シグナルの多重度は、以下の記号で表す:s(シングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、q(カルテット)及びm(マルチプレット)。質量スペクトルは、ポジティブエレクトロスプレーイオン化モード(ESI+)において、MSについてはShimadzu LCMS-2020装置で、HRMSについてはMicromass Q-TOF Ultima装置で得た。
【0108】
II)本発明の化合物の合成
1- 出発のジアミンシントンの合成
a)アスパラギン酸及びグルタミン酸からの誘導体(スキーム1)
【0109】
【化21】
【0110】
*化合物1(Bioconjug. Chem.、2007年、18巻、1625〜1636頁)及び化合物2(J. Med. Chem.、2009年、52巻、4650〜4656頁):
アスパラギン酸から出発してメチルエステルを得ることを可能にする合成(スキーム1)の第1工程は、Wojciechowskiら(Bioconjugate Chem.、2007年、18巻、1625〜1636頁)によって以前に開発されたものであり、この場合において、グルタミン酸に置き換えた。
【0111】
*化合物3(WO 2013/030193 A1)及び化合物4(J. Med. Chem.、2009年、52巻、4650〜4656頁):
Ollivierら(Tetrahedron Lett.、2010年、51巻、4147〜4149頁)及びMoreら(J. Med. Chem.、2009年、52巻、4650〜4656頁)は、それぞれ、t-ブチルオキシカルボニル基による、メチルエステル1及びメチルエステル2のアミン基のために使用される保護条件を記載していた。
【0112】
*化合物5及び化合物6(J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1、1999年、2057〜2060頁):
-15℃で撹拌下、Ar下においた化合物3又は化合物4(38.3〜40.4mmol)の無水THF(150mL)の溶液に、無水THF(50mL)に溶解したトリエチルアミン(1.1当量)及びクロロギ酸エチル(1.4当量)を続けて滴下添加する。-15℃で30分間撹拌後、25%アンモニア溶液(2.5〜2.7当量、最終で16mLの最終容積)を、反応媒体に加え、次いで、-15℃、次いで室温で18時間、撹拌下におく。次いで、THFを減圧下蒸発させ、所望の生成物を、酢酸エチルを使用して、抽出する。有機相を、1NのKHSO
4溶液、次いで10%のNaHCO
3溶液及びNaCl飽和溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、最後に、減圧下蒸発させて、誘導体5又は誘導体6をそれぞれ白色粉末の形態で得る(68%又は77%)。
化合物5:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 6.59 (s, 1H); 6.20 (s, 1H); 5.79-5.76 (s, 1H); 4.50-4.49 (m, 1H); 3.65 (s, 3H); 2.91 (dd, J = 16.9 HzおよびJ' = 4.8 Hz, 1H); 2.66 (dd, J = 18.7 HzおよびJ' = 5.7 Hz, 1H); 1.40 (s, 9H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 173.2; 171.9; 155.1; 80.1; 51.7; 49.9; 35.6; 27.9 (3C).
MS (ESI +): m/z = [M + H] 247.1; [M + Na] 269.1; [M + MeCN + Na] 310.1.
HRMS (ESI +): m/z C
10H
18N
2O
5Na [M + Na]の計算値 = 269.1113; 実測値 = 269.1103.
【0113】
*化合物7及び化合物8:
-10℃で撹拌下においた化合物5又は化合物6(26.4〜28.8mmol)のTHF(100mL)の溶液に、トリフルオロ酢酸無水物(1.5当量)及びトリエチルアミン(3当量)を添加する(Synth. Commun.、2009年、39巻、395〜406頁)。次いで、反応媒体を、同温度で2〜4時間撹拌下におく。次いで、THFを減圧下蒸発させ、所望の生成物を酢酸エチルを使用して、抽出する。有機相を、1NのKHSO
4溶液、次いで10%のNaHCO
3溶液及びNaCl飽和溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、最後に、減圧下蒸発させ、CH
2Cl
2/MeOHの98:2混合物を使用するシリカカラムによる精製又はCH
2Cl
2/MeOHの100:0〜90:10勾配を使用する順相のフラッシュクロマトグラフィーによる精製後、誘導体7又は誘導体8をそれぞれ黄色固体の形態で得る(60%又は74%)。
化合物7:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz) δ (ppm): 5.61 (s, 1H); 4.90 (m, 1H); 3.75 (s, 3H); 2.86-2.82 (m, 2H); 1.39 (s, 9H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz) δ (ppm): 159.0; 117.9; 80.3; 52.6; 37.4; 28.4 (3C).
MS (ESI +): m/z = [M + H] 229.2; [M + MeCN + Na] 292.1; [2M + Na + H] 480.2.
HRMS (ESI +): m/z C
10H
16N
2O
4Na [M + Na]の計算値 = 251.1008; 実測値 = 251.1000.
化合物8:
1H NMR (CDCl
3, 600 MHz): δ (ppm) 5.41 (s, 1H); 4.62 (m, 1H); 3.67 (s, 3H); 2.53-2.46 (m, 2H); 2.13-2.10 (m, 2H); 1.41 (s, 9H).
13C NMR (CDCl
3, 150 MHz): δ (ppm) 172.6; 154.5; 118.8; 81.2; 52.0; 41.6; 29.6; 28.2 (3C); 28.2.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 243.1; [M + Na] 265.1; [M + K] 281.0; [M + MeCN + Na] 306.1.
HRMS (ESI +): m/z C
11H
18N
2O
4Na [M + Na]の計算値 = 265.1164; 実測値 = 265.1159.
【0114】
*化合物9及び化合物10:
0℃で撹拌下においた化合物7又は化合物8(15.3〜19.8mmol)のメタノール(150mL)の溶液に、ジ-t-ブチルジカーボネート(2当量)及びNiCl
2.6H
2O(0.1当量)を添加する。次いで、水素化ホウ素ナトリウム(8当量)を、1時間かけて少量ずつ加え、混合物を、室温で3時間、撹拌下におく(Tetrahedron、2003年、59巻、5417〜5423頁)。ジエチレントリアミン(2当量)の添加及び再度の30分〜1時間の撹拌後、メタノールを減圧下蒸発させ、所望の生成物を、酢酸エチルを使用して抽出する。有機相を、NaHCO
3飽和溶液、次いでNaCl飽和溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、最後に、減圧下蒸発させる。次いで、得られた中間体化合物を、THF/H
2Oの1:1混合物(40mL)に溶解し、次いで、4NのLiOH水溶液(4当量)を媒体に加え、1時間〜1時間30分、撹拌下で維持する。THFを減圧下蒸発させ、次いで、混合物を、ジエチルエーテル又は酢酸エチルに入れ、10%のNa
2CO
3溶液でアルカリ化して、有機相中に残ったメチルエステル及びジ-t-ブチルジカーボネートを除去する。次いで、水性相を、6NのHCl溶液を使用して酸性化し、次いで、所望の生成物を、ジエチルエーテル又は酢酸エチルを使用して抽出する。NaCl飽和溶液で洗浄後、有機相を、最後に、Na
2SO
4で乾燥し、減圧下蒸発させて、誘導体9又は誘導体10をそれぞれ白色粉末の形態で得る(50%又は67%)。
化合物9:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 8.70-8.61 (s, 1H); 5.54-5.41 (s, 1H); 5.15 (s, 1H); 4.00-3.98 (m, 1H); 3.37-3.25 (m, 2H); 2.65-2.59 (m, 2H); 1.43 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 174.7; 174.6; 146.2 (2C); 79.9; 79.8; 48.0; 43.4; 36.4; 28.1 (6C).
MS (ESI +): m/z = [M + H] 319.2; [M + Na] 341.2; [M + MeCN + Na] 382.2.
HRMS (ESI +): m/z C
14H
26N
2O
6Na [M + Na]の計算値 = 341.1689; 実測値 = 341.1676.
化合物10:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 8.35-8.28 (s, 1H); 5.06 (s, 1H); 4.99-4.96 (s, 1H); 3.72-3.66 (m, 1H); 3.18-3.16 (m, 2H); 2.43-2.37 (m, 2H); 1.87-1.76 (m, 2H); 1.43 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 177.4; 156.8; 156.5; 79.6 (2C); 51.0; 44.6; 30.5; 28.3 (6C), 27.7.
MS (ESI +): m/z = [M + Na] 355.9; [M + MeCN + Na] 396.2.
HRMS (ESI +): m/z C
15H
28N
2O
6Na [M + Na]の計算値 = 355.1845; 実測値 = 355.1855.
【0115】
b)オルニチン及びリジンの誘導体(スキーム2)
【0116】
【化22】
【0117】
*化合物11及び12(市販品)
*化合物13(WO 07/011623 A1)及び化合物14(WO 00/64865 A1):
-10℃で撹拌下においた化合物11又は化合物12(1当量)(13.7〜24.5mmol)のTHF(50〜150mL)の溶液に、N-メチルモルホリン(1.1当量)及びクロロギ酸エチル(1.1当量)を続けて添加する。-10℃で20分間撹拌後、25%アンモニア溶液(2.5当量、最終で16mLの最終容積)を、反応媒体に加え、次いで、4時間、保管下におく。次いで、THFを減圧下蒸発させ、所望の生成物を、酢酸エチルを使用して、抽出する。有機相を、1NのKHSO
4溶液、次いで10%のNaHCO
3溶液及びNaCl飽和溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、最後に、減圧下蒸発させて、AcOEt/シクロヘキサンの20:80混合物を使用する再結晶後、誘導体13又は誘導体14をそれぞれ白色粉末の形態で得る(91%又は80%)。
【0118】
*化合物15及び化合物16(WO 2000/64865 A1):
-10℃で撹拌下におかれた化合物13又は化合物14(8.1〜10mmol)のTHF(60〜70mL)の溶液に、トリフルオロ酢酸無水物(1.5当量)及びピリジン(3当量)を添加する。次いで、反応媒体を、同温度で2時間撹拌下におく。次いで、THFを減圧下蒸発させ、所望の生成物を、酢酸エチルを使用して、抽出する。有機相を、1NのKHSO
4溶液、次いで10%のNaHCO
3溶液及びNaCl飽和溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、最後に、減圧下蒸発させて、AcOEt/シクロヘキサンの20:80混合物を使用する再結晶後、誘導体15又は誘導体16をそれぞれ白色粉末の形態で得る(99%又は95%)。
化合物15:
1H NMR (CDCl
3, 600 MHz): δ (ppm) 7.36-7.29 (m, 5H); 5.11 (s, 1H); 5.08 (s, 2H); 4.96 (s, 1H); 4.55 (m, 1H); 3.24-3.23 (m, 2H); 1.81-1.79 (m, 2H); 1.68-1.65 (m, 2H); 1.44 (s, 9H).
13C NMR (CDCl
3, 150 MHz): δ (ppm) 156.6 (2C); 136.4; 128.5 (2C); 128.2; 128.1 (2C); 118.7; 79.1; 66.8; 42.0; 40.0; 29.6; 28.2 (3C); 26.1.
MS (ESI +): m/z = [M + Na] 370.2; [2M + Na] 717.3.
HRMS (ESI +): m/z C
18H
25N
3O
4Na [M + Na]の計算値 = 370.1743; 実測値 = 370.1749.
【0119】
*化合物17及び化合物18:
0℃で撹拌下においた化合物15又は化合物16(8〜10mmol)のメタノール(60〜80mL)の溶液に、ジ-t-ブチルジカーボネート(2当量)及びNiCl
2.6H
2O(0.1当量)を添加する。次いで、水素化ホウ素ナトリウム(7当量)を、30分〜1時間かけて少量ずつ加え、混合物を、室温で1時間、撹拌下におく。ジエチレントリアミン(1当量)の添加及び再度の30分〜1時間の撹拌後、メタノールを減圧下蒸発させ、所望の生成物を、酢酸エチルを使用して抽出する。有機相を、NaHCO
3飽和溶液、次いでNaCl飽和溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、最後に、減圧下蒸発させて、誘導体17又は誘導体18をそれぞれ白色粉末の形態で得る(92%又は89%)。
化合物17:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 7.34-7.31 (m, 5H); 5.06 (s, 2H); 5.06 (s, 1H); 4.94 (s, 1H); 4.80-4.77 (s, 1H); 3.58 (m, 1H); 3.21-3.12 (m, 4H); 1.56-1.52 (m, 2H); 1.45-1.44 (m, 2H); 1.43 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 172.0; 156.9 (2C); 136.9; 128.8 (2C); 127.4 (3C); 79.7 (2C); 67.0; 51.5; 44.8; 41.1; 30.4; 28.7 (6C); 26.5.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 452.1; [M + Na] 474.0.
HRMS (ESI +): m/z C
23H
37N
3O
6Na [M + Na]の計算値 = 474.2580; 実測値 = 474.2560.
化合物18:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 7.34-7.29 (m, 5H); 5.07 (s, 2H); 4.98-4.91 (s, 2H); 4.72 (s, 1H); 3.56 (m, 1H); 3.17-3.13 (m, 4H); 1.46-1.41 (m, 6H); 1.41 (m, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 176.3; 155.8 (2C); 136.0; 127.8 (2C); 127.4 (3C); 78.7 (2C); 65.9; 50.5; 43.9; 39.8; 31.6; 29.1; 27.7 (6C); 22.1.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 466.3; [M + Na] 488.3.
HRMS (ESI +): m/z C
24H
39N
3O
6Na [M + Na]の計算値 = 488.2737; 実測値 = 488.2730.
【0120】
*化合物19及び化合物20:
化合物17又は化合物18(1.1〜5.7mmol)のメタノール(10〜40mL)の溶液に、Pd/C(10%m/m)を添加する。反応媒体を、真空下、室温で30分間撹拌下におき、次いで、6時間、H
2流下で維持する。次いで、紙上でろ過し、メタノールを、減圧下蒸発させて、誘導体19又は誘導体20をそれぞれ白色粉末の形態で得る(92%又は100%)。
化合物19:
1H NMR (CDCl
3, 600 MHz): δ (ppm) 4.98 (s, 1H); 4.96 (s, 1H); 3.56 (m, 1H); 3.18-3.12 (m, 2H); 2.74 (s, 2H); 2.74 (m, 2H); 1.48-1.43 (m, 4H); 1.41 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 150 MHz): δ (ppm) 156.7; 156.3; 79.3 (2C); 51.2; 44.7; 41.6; 30.1; 29.3; 28.4 (6C).
MS (ESI +): m/z = [M + H] 318.2; [M + Na] 340.2.
HRMS (ESI +): m/z C
15H
31N
3O
4 [M + H]の計算値 = 318.2393; 実測値 = 318.2379.
化合物20:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 4.99 (s, 2H); 4.76-4.73 (s, 2H); 3.55 (m, 1H); 3.10 (m, 2H); 2.61-2.59 (m, 2H); 1.57 (m, 2H); 1.37 (m, 22H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 170.8; 167.9; 78.9 (2C); 51.0; 44.4; 41.5; 33.1; 32.4; 28.0 (6C); 22.7.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 332.2; [M + Na] 354.2.
HRMS (ESI +): m/z C
16H
33N
3O
4 [M + H]の計算値 = 332.2549; 実測値 = 332.2564.
【0121】
2- R
a又はNR'
aR
b基のカップリング
a)シュードペプチドカップリング
α- 方法A(スキーム3)
【0122】
【化23】
【0123】
*第1工程:酸官能基を持つ誘導体10、誘導体33a〜b、誘導体41a〜b(0.4〜3.0mmol)のジクロロメタン又は1,4-ジオキサン(10〜25mL)の溶液に、N-ヒドロキシスクシンイミド(1.1〜1.5当量)及びDCC(1〜1.2当量)を続けて添加する。反応媒体を、室温で24時間撹拌下で維持し、次いで、真空下でろ過する。次いで、ろ液を減圧下蒸発させて、酸の活性化中間体を得る。
【0124】
*第2工程:アミン誘導体20、アミン誘導体26、アミン誘導体27、アミン誘導体35又はアミン誘導体42(1〜1.7当量)をジクロロメタン(8〜30mL)に溶解し、トリエチルアミン(0〜4当量)と室温で30分間反応させる。次いで、酸の活性化中間体(1当量)を、反応媒体に加え、次いで、室温で18時間、撹拌下におく。次いで、有機相を、1NのHCl溶液、次いでNaHCO
3溶液及びNaCl飽和溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、最後に、減圧下蒸発させて、シリカカラムでの精製(CH
2Cl
2/MeOH 98:2〜95:5)後に、化合物21a〜b、化合物22a〜b、化合物23c〜f又は化合物23jを得る(25〜82%)(Table 2(表2))。
【0125】
β- 方法B(スキーム4)
【0126】
【化24】
【0127】
0℃で撹拌下におかれた酸官能基を持つ誘導体である33b、41a〜b(1〜6.5mmol)のジクロロメタン、DMF又はTHF(25〜100mL)の溶液に、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(1.2当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(1.1〜1.2当量)を続けて添加する。0℃で30分間撹拌後、アミン誘導体19、アミン誘導体20又はアミン誘導体27(1当量)を、反応媒体中のトリエチルアミン(1.2当量)に加え、次いで、室温で4〜18時間、撹拌下で維持する。DMF又はTHFを蒸発させ、ジクロロメタンに残留物を入れた後、有機相をNaCl飽和溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、最後に、減圧下蒸発させて、シリカカラム(AcOEt/シクロヘキサン60:40又はAcOEt/MeOH 80:20)での精製後、化合物23a〜b、化合物23g〜i又は化合物23kを得る(51%〜86%)(Table 2(表2))。
【0128】
【表2A】
【0129】
【表2B】
【0130】
化合物21a:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 7.63 (d, J = 15.0 Hz, 1H); 7.09 (dd, J
1 = 8.4 Hz, J
2 = 1.8 Hz, 1H); 6.99 (d, J = 1.8 Hz, 1H); 6.91 (d, J = 8.1 Hz, 1H); 6.67 (d, J = 15.3 Hz, 1H); 6.08 (s, 1H); 4.93 (s, 2H); 3.92 (s, 3H); 3.73-3.50 (m, 9H); 3.20 (t, J = 5.4 Hz, 2H); 2.45-2.39 (m, 2H); 1.86-1.80 (m, 2H); 1.42 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 170.8; 170.5; 165.5 (2C); 147.2; 146.4; 143.4; 127.1; 121.7; 114.4; 113.3; 109.5; 77.5 (2C); 55.6; 51.0; 44.8; 44.2 (2C); 41.3 (2C); 29.1; 27.9 (6C); 27.5.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 577.3; [M + Na] 599.3.
HRMS (ESI +): m/z C
29H
44N
4O
8 [M + Na]の計算値 = 599.3057; 実測値 = 599.3043.
化合物21b:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 7.52 (d, J = 15.6 Hz, 1H); 7.02 (dd, J
1 = 8.1 Hz, J
2 = 1.8 Hz, 1H); 6.96 (d, J = 1.8 Hz, 1H); 6.87 (d, J = 8.1 Hz, 1H); 6.31 (d, J = 15.6 Hz, 1H); 6.28 (s, 1H); 5.01-4.99 (s, 1H); 4.84-4.82 (s, 1H); 3.86 (s, 3H); 3.59-3.58 (m, 1H); 3.34-3.33 (m, 2H); 3.16 (m, 2H); 1.57-1.55 (m, 2H); 1.42 (m, 22H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 167.4 (2C); 157.3; 148.3; 147.8; 141.6; 128.4; 122.9; 119.5; 115.8; 110.8; 80.4 (2C); 56.8; 52.2; 45.3; 39.9; 33.1; 30.6; 29.3 (6C); 23.7.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 508.2; [M + Na] 530.2.
HRMS (ESI +): m/z C
26H
41N
3O
7Na [M + Na]の計算値 = 530.2842; 実測値 = 530.2856.
化合物22a:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 7.40-7.33 (m, 12H); 7.28-7.26 (m, 3H); 6.65 (s, 2H); 5.12 (s, 4H); 5.10 (s, 2H); 3.65-3.19 (m, 11H); 2.42-2.39 (m, 2H); 1.90-1.84 (m, 2H); 1.70-1.64 (m, 2H); 1.43 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 171.0; 169.9; 156.5; 156.2; 152.5 (2C); 139.7; 137.3; 136.5 (2C); 129.9; 128.4 (6C); 128.0; 127.8 (2C); 127.1 (6C); 107.1 (2C); 79.2 (2C); 75.0; 71.0 (2C); 51.2; 45.0 (2C); 44.4; 41.5 (2C); 33.7; 29.3; 28.2 (6C).
MS (ESI +): m/z = [M + H] 823.3; [M + Na] 845.3.
HRMS (ESI +): m/z C
47H
58N
4O
9Na [M + Na]の計算値 = 845.4101; 実測値 = 845.4138.
化合物22b:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 7.38-7.28 (m, 12H); 7.28-7.26 (m, 3H); 7.17 (s, 2H); 6.62 (s, 1H); 5.13 (s, 4H); 5.09 (s, 2H); 4.97 (s, 1H); 4.78-4.75 (s, 1H); 3.63-3.62 (m, 1H); 3.40 (m, 2H); 3.20-3.18 (m, 2H); 1.62 (m, 2H); 1.46-1.44 (m, 22H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 167.2; 156.2 (2C); 152.8 (2C); 141.1; 137.6; 136.9 (2C); 130.3; 128.6 (6C); 128.3; 128.1 (2C); 127.7 (6C); 107.0 (2C); 79.6 (2C); 75.3 (2C); 71.5; 51.4; 44.2; 39.5; 32.1; 29.2; 28.5 (6C); 22.8.
MS (ESI +): m/z = [M - 3Bn + 3H + Na] 506.3; [M + H + Na] 777.2.
HRMS (ESI +): m/z C
44H
55N
3O
8Na [M + Na]の計算値 = 776.3887; 実測値 = 776.3905.
化合物23a:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 7.38-7.28 (m, 5H); 7.22-7.19 (s, 1H); 7.08 (dd, J
1 = 6.9 Hz, J
2 = 1.5 Hz, 1H); 6.70 (dd, J
1 = 7.5 Hz, J
2 = 1.2 Hz, 1H); 6.04 (t, J = 7.2 Hz, 1H); 5.07-5.01 (s, 2H); 4.93-4.90 (s, 1H); 4.28-4.18 (m, 2H); 3.51-3.47 (m, 1H); 3.05-3.03 (m, 4H); 2.63 (t, J = 6.0 Hz, 2H); 2.27-1.40 (s, 9H); 1.38 (s, 9H); 1.32-1.17 (m, 4H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 169.7 (2C); 157.7; 156.1; 148.1; 135.4; 130.0; 128.1 (2C); 127.7; 127.2 (2C); 115.1; 104.4; 78.7 (2C); 70.3; 50.5; 46.5; 44.6; 38.6; 34.5; 29.4; 27.9 (6C); 25.0.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 573.2; [M + Na] 595.1.
HRMS (ESI +): m/z C
30H
44N
4O
7Na [M + Na]の計算値 = 595.3108; 実測値 = 595.3098.
化合物23b:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 7.36-7.25 (m, 5H); 7.06 (dd, J
1 = 6.9 Hz, J
2 = 1.5 Hz, 1H); 6.99 (s, 1H); 6.66 (dd, J
1 = 7.5 Hz, J
2 = 1.5 Hz, 1H); 6.00 (t, J = 7.2 Hz, 1H); 5.00 (s, 1H); 5.00 (s, 2H); 4.83-4.80 (s, 1H); 4.21 (t, J = 6.3 Hz, 2H); 3.50-3.48 (m, 1H); 3.07-3.00 (m, 4H); 2.65 (t, J = 6.0 Hz, 2H); 1.38 (s, 18H); 1.33-1.23 (m, 6H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 170.1 (2C); 158.1 (2C); 148.5; 135.9; 130.3; 128.5 (2C); 128.1; 127.4 (2C); 115.6; 104.7; 79.2 (2C); 70.6; 51.1; 47.0; 44.6; 38.8; 35.0; 32.0; 28.9; 28.3 (6C); 22.7.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 587.5; [M + Na] 609.3.
HRMS (ESI +): m/z C
31H
46N
4O
7Na
[M + Na]の計算値 = 609.3264; 実測値 = 609.3254.
化合物23c:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 7.40 (s, 1H); 7.38-7.25 (m, 5H); 6.95 (d, J = 6.0 Hz, 1H); 6.67 (d, J = 6.8 Hz, 1H); 6.10 (t, J = 7.2 Hz, 1H); 5.40-5.23 (s, 2H); 5.03 (s, 2H); 4.00 (t, J = 5.1 Hz, 2H); 3.61-3.59 (m, 1H); 3.11 (m, 4H); 2.33-2.26 (m, 2H); 1.87-1.61 (m, 4H); 1.35 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 172.3 (2C); 156.4; 156.2; 148.2; 135.6; 128.5; 128.2 (2C); 128.0; 127.8 (2C); 115.5; 105.8; 79.0 (2C); 70.4; 50.9; 46.8; 44.2; 35.7; 32.6; 30.3; 28.8; 28.0 (6C).
MS (ESI +): m/z = [M + H] 573.5; [M + Na] 595.4.
HRMS (ESI +): m/z C
30H
44N
4O
7Na [M + Na]の計算値 = 595.3108; 実測値 = 595.3078.
化合物23d:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 7.32-7.18 (m, 5H); 7.01 (d, J = 6.1 Hz, 1H); 6.56 (d, J = 5.4 Hz, 1H); 5.92 (t, J = 6.9 Hz, 1H); 5.62-5.60 (s, 1H); 5.03-4.97 (s, 1H); 4.97 (s, 2H); 4.14 (t, J = 6.3 Hz, 2H); 3.81-3.79 (m, 1H); 3.54-3.32 (m, 8H); 3.23-3.13 (m, 2H); 2.79 (t, J = 6.0 Hz, 2H); 2.57-2.38 (m, 2H); 1.30 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 168.7; 168.6; 157.8; 156.2; 155.2; 142.0; 135.6; 129.8; 128.1 (2C); 127.5; 126.8 (2C); 115.1; 104.1, 79.1 (2C); 70.2; 48.6; 46.7; 44.8 (2C); 43.1; 41.0 (2C); 34.7; 31.2; 27.9 (6C). MS (ESI +): m/z = [M + H] 642.3; [M + Na] 664.3.
HRMS (ESI +): m/z C
33H
47N
5O
8Na [M + Na]の計算値 = 664.3322; 実測値 = 664.3322.
化合物23e:
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ (ppm) 7.38 (d, J = 7.1 Hz, 2H); 7.32 (t, J = 7.5 Hz, 2H); 7.26 (t, J = 7.8 Hz, 1H); 7.27 (m, 1H); 6.65 (d, J = 7.5 Hz, 1H); 6.05 (t, J = 7.0 Hz, 1H); 5.06 (s, 2H); 5.04-5.02 (s, 2H); 4.76-4.69 (m, 2H); 3.75-3.41 (m, 9H); 3.17-3.14 (m, 2H); 2.40-2.34 (m, 2H); 1.85-1.63 (m, 2H); 1.39 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 100 MHz): δ (ppm) 171.3; 165.6 (2C); 158.0; 156.1; 148.3; 135.9; 129.6; 128.5 (2C); 127.9; 127.2 (2C); 115.9; 104.8; 79.3 (2C); 70.7; 51.4; 49.2; 45.2; 44.8; 44.4; 42.0; 41.4; 29.7; 28.3 (6C); 27.8.
MS (ESI +): m/z = [M - Boc + 2H] 542.3; [M + H] 642.3; [M + Na] 664.3.
HRMS (ESI +): m/z C
33H
47N
5O
8Na [M + Na]の計算値 = 664.3322; 実測値 = 664.3324.
化合物23f:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 7.42 (d, J = 6.6 Hz, 2H); 7.37-7.28 (m, 3H); 7.11 (d, J = 5.9 Hz, 1H); 6.65 (d, J = 6.2 Hz, 1H); 6.02 (t, J = 7.2 Hz, 1H); 5.08 (s, 2H); 4.94-4.93 (s, 2H); 4.24 (t, J = 6.3 Hz, 2H); 3.54-3.32 (m, 9H); 3.17 (t, J = 5.4 Hz, 2H); 2.89 (t, J = 6.3 Hz, 2H); 2.41-2.34 (m, 2H); 1.94-1.82 (m, 2H); 1.40 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 171.4 (2C); 158.6; 156.7; 149.1; 140.1; 138.2; 130.7; 128.9 (2C); 128.4; 127.7 (2C); 115.9; 104.9; 87.1; 87.0; 71.1; 51.8; 47.6; 45.9 (2C); 45.0; 41.9 (2C); 32.0; 30.1; 28.7 (6C); 28.3.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 656.3; [M + Na] 678.3.
HRMS (ESI +): m/z C
34H
49N
5O
8Na [M + Na]の計算値 = 678.3479; 実測値 = 678.3474.
化合物23g:
1H NMR (CD
3OD, 300 MHz): δ (ppm) 7.61 (d, J = 7.5 Hz, 1H); 7.41-7.31 (m, 5H); 6.46 (d, J = 7.5 Hz, 1H); 5.05 (s, 2H); 4.68 (s, 2H); 3.58-3.54 (m, 1H); 3.23-3.18 (m, 2H); 3.12-2.97 (m, 2H); 2.07 (s, 3H); 1.58-1.30 (m, 22H).
13C NMR (CD
3OD, 75 MHz): δ (ppm) 175.6; 168.5; 163.7; 158.7; 147.3; 145.9; 143.0; 138.8; 130.4 (2C); 129.8 (2C); 129.6; 117.4; 80.4; 80.3; 75.0; 57.2; 52.2; 45.8; 40.9; 31.2; 29.1 (6C); 27.2; 13.3.
MS (ESI +): m/z = [M + Na] 595.3.
HRMS (ESI +): m/z C
30H
44N
4O
7Na [M + Na]の計算値 = 595.3108; 実測値 = 595.3121.
化合物23h:
1H NMR (CD
3OD, 300 MHz): δ (ppm) 7.62 (d, J = 7.2 Hz, 1H); 7.42-7.32 (m, 5H); 6.47 (d, J = 7.2 Hz, 1H); 5.06 (s, 2H); 4.68 (s, 2H); 3.56-3.54 (m, 1H); 3.23-3.18 (m, 2H); 3.14-2.98 (m, 2H); 2.08 (s, 3H); 1.49-1.35 (m, 24H).
13C NMR (CD
3OD, 75 MHz): δ (ppm) 175.3; 168.2; 161.1; 158.7; 147.0; 145.6; 142.7; 138.5; 130.2 (2C); 129.5 (2C); 129.3; 117.1; 80.1; 80.0; 74.7; 56.9; 52.1; 45.5; 40.6; 33.1; 30.1; 28.9 (6C); 24.4; 13.0.
MS (ESI +): m/z = [M + Na] 609.3.
HRMS (ESI +): m/z C
31H
46N
4O
7Na [M + Na]の計算値 = 609.3264; 実測値 = 609.3271.
化合物23i:
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ (ppm) 7.70 (s, 1H); 7.37-7.30 (m, 6H); 6.28 (d, J = 5.6 Hz, 1H); 5.40 (s, 1H); 5.18 (s, 1H); 5.06 (s, 2H); 4.10-4.06 (m, 2H); 3.51-3.49 (m, 1H); 3.24-3.04 (m, 4H); 2.65-2.50 (m, 4H); 2.12 (s, 3H); 1.44-1.37 (m, 4H); 1.37 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 173.6; 169.1; 157.0; 156.4; 145.8; 141.6; 139.2; 137.2; 128.9; 128.4 (2C); 128.3 (2C); 116.9; 79.2 (2C); 72.9; 52.3; 50.1; 44.4; 39.1; 36.2; 35.0; 31.9; 28.4 (6C); 22.7; 12.4.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 601.3; [M + Na] 623.3.
HRMS (ESI +): m/z C
32H
49N
4O
7 [M + H]の計算値 = 601.3601; 実測値 = 601.3621.
化合物23j:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 7.58-7.55 (s, 1H); 7.37-7.24 (m, 6H); 6.32 (d, J = 5.6 Hz, 1H); 5.47-5.45 (s, 2H); 5.08 (s, 2H); 3.80-3.77 (m, 2H); 3.54-3.53 (m, 1H); 3.24-3.10 (m, 4H); 2.22 (t, J = 4.9 Hz, 2H); 2.03 (s, 3H); 1.93-1.70 (m, 4H); 1.36 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 173.8; 173.3; 156.9 (2C); 146.3; 141.4; 139.0; 137.4; 129.0 (2C); 128.4 (2C); 128.2; 117.1; 79.6 (2C); 73.1; 51.9; 51.3; 44.4; 36.2; 32.9; 30.7; 29.2; 28.4 (6C), 12.4.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 587.3; [M + Na] 609.3.
HRMS (ESI +): m/z C
31H
46N
4O
7Na [M + Na]の計算値 = 609.3264; 実測値 = 609.3265.
化合物23k:
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ (ppm) 7.35-7.28 (m, 6H); 6.42 (d, J = 7.2 Hz, 1H); 5.17 (s, 2H); 5.03 (s, 2H); 4.83 (m, 2H); 3.60-3.42 (m, 9H); 3.19 (m, 2H); 2.43-2.37 (m, 2H); 2.04 (s, 3H); 1.88-1.67 (m, 2H); 1.43 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 100 MHz): δ (ppm) 173.1; 171.4; 164.5; 157.0; 156.3; 145.6; 144.1; 140.8; 137.6; 129.0 (2C); 128.7 (2C); 128.4; 116.3; 79.6 (2C); 73.8; 55.3; 51.6; 45.1; 44.7; 42.5; 41.7; 41.4; 29.7; 28.6 (6C); 28.0; 13.0.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 656.4; [M + Na] 678.3.
HRMS (ESI +): m/z C
34H
49N
5O
8Na [M + Na]の計算値 = 678.3479; 実測値 = 678.3464.
【0131】
γ- ピペラジンとのアスパラギン酸及びグルタミン酸に由来するシントンのカップリング(スキーム5)
【0132】
【化25】
【0133】
ベンジルピペラジン-1-カルボキシレートを、t-ブチル4-ベンジルオキシカルボニルピペラジン-1-カルボキシレートの方法によるDenerら(WO 1998/04537 A1)により開発された方法に準じることによって合成した。このようにしてt-ブチルピペラジン-1-カルボキシレートを、Moussaら(J. Med. Chem.、2010年、53巻、6228〜6239頁)によって記載された手順にしたがって得る。次いで、これ(18.8mmol)を、ジクロロメタン(50mL)中のトリエチルアミン(1.2当量)と、0℃で10分間反応させる。次いで、ベンジルクロロホルメート(1.2当量)のジクロロメタン(30mL)の溶液を媒体に加え、室温で18時間、撹拌下におく。次いで、ジクロロメタンを減圧下蒸発させ、残留物を酢酸エチルに入れる。最後に、有機相を1MのKHSO
4溶液及び5%のNaHCO
3溶液、次いでNaCl飽和溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、最後に、減圧下蒸発させて、シリカカラム(CH
2Cl
2/MeOH 99:1)での精製後、t-ブチル4-ベンジルオキシカルボニルピペラジン-1-カルボキシレートを白色粉末の形態で得る(87%)。最後に、この中間体(10.9mmol)を、市販の4NのHClの1,4-ジオキサン溶液(20当量)の存在中、1,4-ジオキサン(15mL)に溶解する。次いで、反応媒体を、室温で45分間、撹拌下におく。1,4-ジオキサンを、減圧下蒸発させ、残留物をエーテル中で粉砕して、真空下でろ過後、ベンジルピペラジン-1-カルボキシレートを、白色粉末の形態で得る(92%)。
【0134】
*化合物24及び化合物25:
第1工程:化合物9又は化合物10(3.1〜4.5mmol)のジクロロメタン(25〜30mL)の溶液に、N-ヒドロキシスクシンイミド(1.2〜1.5当量)及びDCC(1.1〜1.2当量)を続けて添加する。反応媒体を、室温で1時間30分〜24時間撹拌下で維持し、次いで、真空下でろ過する。次いで、ろ液を減圧下蒸発させて、酸の活性化中間体を得る。
【0135】
第2工程:ベンジルピペラジン-1-カルボキシレート(1.2当量)をジクロロメタン(40mL)に溶解し、トリエチルアミン(3当量)と、室温で30分間反応させる。次いで、酸の活性化中間体(1当量)を、反応媒体に加え、次いで、室温で15〜24時間、撹拌下におく。次いで、有機相を、1NのHCl溶液、次いでNaHCO
3飽和溶液及びNaCl飽和溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、最後に、減圧下蒸発させて、シリカカラム(CH
2Cl
2/MeOH 98:2)での精製後、化合物24又は化合物25を白色粉末の形態で得る(77%又は97%)。
【0136】
化合物24:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 7.33 (m, 5H); 5.69 (s, 1H); 5.12 (s, 2H); 5.03 (s, 1H); 3.89 (m, 1H); 3.62-3.45 (m, 10H); 2.65-2.41 (m, 2H); 1.40 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 173.0; 163.7; 161.1; 147.7; 132.4; 128.9 (2C); 128.5; 128.3 (2C); 81.2 (2C); 67.8; 49.7; 45.9; 44.1 (2C); 41.8 (2C); 35.3; 28.7 (6C).
MS (ESI +): m/z = [M + H] 521.3; [M + Na] 543.2.
HRMS (ESI +): m/z C
26H
40N
4O
7Na [M + Na]の計算値 = 543.2795; 実測値 = 543.2794.
化合物25:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 7.36-7.32 (m, 5H); 5.13 (s, 2H); 4.92 (s, 2H); 3.60-3.44 (m, 9H); 3.20-3.16 (m, 2H); 2.41-2.38 (m, 2H); 1.83-1.81 (m, 2H); 1.40 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 170.8; 164.1; 163.8; 154.7; 136.0; 128.2 (2C); 127.8; 127.6 (2C); 79.0 (2C); 67.1; 51.1; 44.8 (2C); 44.3; 43.4; 41.1 (2C); 29.2; 28.0 (6C); 27.5.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 535.3; [M + Na] 557.3.
HRMS (ESI +): m/z C
27H
42N
4O
7Na [M + Na]の計算値 = 557.2951; 実測値 = 557.2945.
【0137】
*化合物26及び化合物27:
化合物24又は化合物25(0.7〜2.7mmol)のメタノール(8〜30mL)の溶液に、Pd/C(10%m/m)を添加する。反応媒体を、真空下、室温で30分間撹拌下におき、次いで、6時間、H
2流下で維持する。次いで、紙上でろ過し、メタノールを、減圧下蒸発させて、誘導体26又は誘導体27をそれぞれ白色粉末の形態で得る(100%又は96%)。
化合物26:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 7.33 (s, 1H); 5.69-5.66 (s, 1H); 5.12 (s, 1H); 3.89-3.88 (m, 1H); 3.66-3.23 (m, 8H); 2.93-2.83 (m, 2H); 2.67-2.43 (m, 2H); 1.41 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 167.1; 157.5; 155.4; 79.1 (2C); 48.6; 45.0; 44.6; 43.1; 40.9; 34.8; 27.9 (6C).
MS (ESI +): m/z = [M + H] 387.3; [M + Na] 409.3.
HRMS (ESI +): m/z C
18H
34N
4O
5Na [M + Na]の計算値 = 409.2427; 実測値 = 409.2418.
化合物27:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 5.13-5.09 (s, 2H); 3.56-3.52 (m, 3H); 3.39-3.36 (m, 2H); 3.15-3.12 (m, 2H); 2.80-2.76 (m, 4H); 2.37-2.31 (m, 2H); 1.81-1.63 (m, 2H); 1.37 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 170.8; 156.5; 156.2; 80.3; 79.1; 51.3; 46.0; 45.3; 44.5; 42.6; 41.5; 29.4; 28.2 (6C); 27.7.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 401.4; [M + Na] 423.3.
HRMS (ESI +): m/z C
19H
36N
4O
5Na [M + Na]の計算値 = 423.2583; 実測値 = 423.2573.
【0138】
b)フェルラ酸又は没食子酸に由来する基を持つ化合物
α- 没食子酸に由来するシントンR'
a-OHの調製
没食子酸からのフェノール性基の3つのO-ベンジル化は、文献(Carbohydr. Res.、2007年、342巻、1510〜1513頁)に記載されている。
【0139】
β- 没食子酸に由来するR'
a基の脱ベンジル化(スキーム6)
【0140】
【化26】
【0141】
化合物22a又は化合物22b(0.5mmol)のメタノール(20mL)の懸濁液に、Pd/C(10%m/m)を添加する。反応媒体を、真空下、室温で30分間撹拌下におき、次いで、6時間、H
2流下で維持する。次いで、紙上でろ過し、メタノールを、減圧下蒸発させて、誘導体28a又は誘導体28b(出発生成物とは異なってメタノールに可溶性)をそれぞれ白色粉末又はオレンジ色油状物の形態で得る(99%又は100%)。
化合物28a:
1H NMR (CD
3OD, 400 MHz): δ (ppm) 6.45 (s, 2H); 3.59-3.43 (m, 8H); 3.32-3.31 (m, 1H); 3.06-3.01 (m, 2H); 2.47-2.45 (m, 2H); 2.01-1.70 (m, 2H); 1.43 (s, 18H).
13C NMR (CD
3OD, 100 MHz): δ (ppm) 172.4; 171.9; 157.3 (2C); 157.0; 145.8 (2C); 135.3; 125.0; 106.3 (2C); 78.7 (2C); 50.5; 45.1 (2C); 43.8; 42.3 (2C); 33.5; 29.1; 27.4 (6C).
MS (ESI +): m/z = [M + H] 553.1; [M + Na] 575.1.
HRMS (ESI +): m/z C
26H
40N
4O
9Na [M + Na]の計算値 = 575.2693; 実測値 = 575.2719.
化合物28b:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 7.25 (s, 3H); 6.84 (s, 2H); 5.43 (s, 1H); 5.24-5.21 (s, 2H); 3.15-3.04 (m, 5H); 1.41-1.35 (m, 22H); 1.20-1.16 (m, 2H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 168.4; 156.7; 156.4; 144.3 (2C); 135.7; 124.6; 106.9 (2C); 79.1 (2C); 50.7; 44.2; 39.5; 31.9; 29.2; 27.9 (6C); 22.6.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 484.2; [M + Na] 506.3.
HRMS (ESI +): m/z C
23H
37N
3O
8Na [M + Na]の計算値 = 506.2478; 実測値 = 506.2501.
【0142】
γ- ジアミン基の最後の脱保護(スキーム7)
【0143】
【化27】
【0144】
化合物21a、化合物21b、化合物28a又は化合物28b(0.3〜0.4mmol)を、市販の4NのHClの1,4-ジオキサン溶液(20当量)の存在中、1,4-ジオキサン(7〜12mL)に溶解する。次いで、反応媒体を、室温で45分〜6時間、撹拌下におく。1,4-ジオキサンを減圧下蒸発させ、残留物をエーテル中で粉砕する。真空下で蒸発後(高吸湿性の生成物)、得られた沈殿物を凍結乾燥して、誘導体29a、誘導体29b、誘導体30a又は誘導体30bをそれぞれ黄色粉末又はベージュ色粉末の形態で得る(75%、66%、100%又は57%)。
化合物29a:
1H NMR (d
6-DMSO, 300 MHz): δ (ppm) 9.52 (s, 1H); 8.57 (s, 2H); 8.46 (s, 2H); 7.44 (d, J = 15.0 Hz, 1H); 7.33 (s, 1H); 7.10 (m, 2H); 6.79 (d, J = 8.4 Hz, 1H); 3.83 (s, 3H); 3.71-3.45 (m, 9H); 3.12 (m, 2H); 2.60-2.58 (m, 2H); 1.89 (m, 2H).
13C NMR (d
6-DMSO, 75 MHz): δ (ppm) 169.7; 165.0; 162.9; 148.5; 142.4; 126.4; 122.5; 115.3; 114.2; 111.2; 55.7; 48.7; 39.7 (5C); 28.1; 25.3.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 377.2.
HRMS (ESI +): m/z C
19H
29N
4O
4 [M + H]の計算値 = 377.2189; 実測値 = 377.2198.
化合物29b:
1H NMR (d
6-DMSO, 300 MHz): δ (ppm) 8.49 (s, 4H); 8.11-8.09 (s, 1H); 7.30 (d, J = 15.9 Hz, 1H); 7.11 (d, J = 1.8 Hz, 1H); 6.97 (dd, J
1 = 8.4 HzおよびJ
2 = 1.8 Hz, 1H); 6.79 (d, J = 8.1 Hz, 1H); 6.49 (d, J = 15.9 Hz, 1H); 3.78 (s, 3H); 3.42-3.39 (m, 1H); 3.17-3.05 (m, 4H); 1.64-1.62 (m, 2H); 1.46-1.40 (m, 4H).
13C NMR (d
6-DMSO, 75 MHz): δ (ppm) 165.3; 148.2; 147.7; 138.7; 126.3; 121.4; 119.0; 115.6; 110.7; 55.4; 48.9; 38.1 (2C); 29.5; 28.6; 21.7.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 308.1.
HRMS (ESI +): m/z C
16H
26N
3O
3 [M + H]の計算値 = 308.1974; 実測値 = 308.1986.
化合物30a:
1H NMR (d
6-DMSO, 300 MHz): δ (ppm) 8.65 (s, 2H); 8.55 (s, 2H); 6.37 (s, 2H); 3.49-3.48 (m, 9H); 3.13 (m, 2H); 2.59 (t, J = 4.8 Hz, 2H); 1.90-1.88 (m, 2H).
13C NMR (d
6-DMSO, 75 MHz): δ (ppm) 169.5; 169.3; 145.3 (2C); 134.5; 124.9; 106.3 (2C); 48.5; 40.0 (2C); 39.7; 38.3; 27.8; 25.0.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 352.9.
HRMS (ESI +): m/z C
16H
25N
4O
5 [M + H]の計算値 = 353.1825; 実測値 = 353.1813.
化合物30b:
1H NMR (d
6-DMSO, 300 MHz): δ (ppm) 8.47 (s, 4H); 8.11 (s, 1H); 6.82 (s, 2H); 3.24-3.07 (m, 5H); 1.65-1.35 (m, 6H).
13C NMR (d
6-DMSO, 75 MHz): δ (ppm) 166.5; 145.4; 136.1; 125.0; 106.8 (2C); 49.0; 40.4 (2C); 29.6; 28.8; 21.8.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 284.2.
HRMS (ESI +): m/z C
13H
22N
3O
4 [M + H]の計算値 = 284.1610; 実測値 = 284.1612.
【0145】
c)ヒドロキシピリジノン基
22を持つ化合物
α- シントンR'
a-OH及びR'
a-NHR
bの調製
*3-ベンジルオキシピリジン-2-オンタイプのシントンR'
a-OH及びR'
a-NHR
bの調製(スキーム7):
【0146】
【化28】
【0147】
*化合物31(Synthesis、2011年、57〜64頁):
2,3-ジヒドロキシピリジン(135mmol)のアセトニトリル(120mL)の溶液に、フッ化セシウム(0.1当量)及びアクリロニトリル(3当量)を添加する(Tetrahedron Lett.、2002年、43巻、7379〜7383頁;Synthesis、2011年、57〜64頁)。反応媒体を、16時間加熱還流する。次いで、アセトニトリルを減圧下蒸発させ、所望の生成物を、酢酸エチルを使用して、抽出する。有機相を、10%のNa
2CO
3溶液、次いでNaCl飽和溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、最後に、減圧下蒸発させて、AcOEt/シクロヘキサンの50:50混合物中での再結晶後、誘導体31を白色粉末の形態で得る(93%)。
【0148】
*化合物32(Synthesis、2011年、57〜64頁):
誘導体32を、2011年のArumugamら(Synthesis、2011年、57〜64頁)によって記載された合成にしたがって調製した。
【0149】
*化合物33a(J. Med. Chem.、1990年、33巻、1749〜1755頁、Molecules、2015年、20巻、19393〜19405頁):
第1工程:2,3-ジヒドロキシピリジン(50mmol)をエチルブロモアセテート(5当量)に添加する。次いで、反応媒体を、Ar下、48時間加熱還流し、最後に、酢酸エチル中での沈殿及び真空下でのろ過後、所望の生成物を得る。
【0150】
第2工程:この中間体(18mmol)のMeOH/H
2Oの9:1混合物(150mL)の溶液に、10.5NのNaOH溶液(2当量)を添加する。次いで、反応媒体を、30分間加熱還流する。次いで、塩化ベンジル(2当量)を、室温で30分かけて、滴下して加え、混合物を、再度、18時間加熱還流する。真空下でのろ過、及び減圧下でのメタノールの蒸発後、水性相を、ジクロロメタンを使用して抽出し、次いで、6NのHClを使用して酸性化する。最後に、所望の生成物を、ジクロロメタンを使用して抽出する。有機相を、NaCl飽和溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、減圧下蒸発させて、誘導体33aを白色粉末の形態で得る(36%)。
【0151】
°化合物33b:
化合物32(1当量)の水(20mL/mmol)の溶液に、水酸化ナトリウム(12.5当量)を添加する。次いで、反応媒体を1時間加熱還流し、次いで、酢酸エチルを使用して抽出して、残った原料物質を除去する。次いで、水性相を、6NのHCl溶液を使用して酸性化し、所望の化合物を、酢酸エチルを使用して抽出する。有機相を、NaCl飽和溶液を使用して洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、最後に、減圧下蒸発させて、誘導体33を黄色がかった粉末の形態で得る(65%)。
化合物33b:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 7.43-7.32 (m, 5H); 7.25 (dd, J
1 = 6.9 HzおよびJ
2 = 1.5 Hz, 1H); 6.87 (dd, J
1 = 7.3 HzおよびJ
2 = 1.8 Hz, 1H); 6.09 (t, J = 7.2 Hz, 1H); 4.99 (s, 2H); 4.07 (t, J = 6.9 Hz, 2H); 2.65 (t, J = 6.9 Hz, 2H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 171.9; 156.5; 147.5; 136.2; 130.1; 128.0 (2C); 127.5; 127.4 (2C); 115.1; 103.4; 69.4; 45.0; 32.5.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 273.8.
HRMS (ESI +): m/z C
15H
15NO
4Na [M + Na]の計算値 = 296.0899; 実測値 = 296.0893.
【0152】
*化合物34:
0℃で撹拌下においた化合物32(7.9mmol)のメタノール(80mL)の溶液に、ジ-t-ブチルジカーボネート(2当量)及びNiCl
2.6H
2O(0.1当量)を添加する。次いで、水素化ホウ素ナトリウム(7当量)を、30分かけて少量ずつ加え、混合物を、室温で1時間、撹拌下におく。ジエチレントリアミン(1当量)の添加及び再度1時間の撹拌後、メタノールを減圧下蒸発させ、所望の生成物を、酢酸エチルを使用して抽出する。有機相を、NaHCO
3飽和溶液、次いでNaCl飽和溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、最後に、減圧下蒸発させて、誘導体34を白色がかった粉末の形態で得る(84%)。
化合物34:
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ (ppm) 7.33 (d, J = 7.6 Hz, 2H); 7.25 (t, J = 6.8 Hz, 2H); 7.19 (t, J = 6.8 Hz, 1H); 6.80 (d, J = 6.3 Hz, 1H); 6.55 (d, J = 7.4 Hz, 1H); 5.96 (t, J = 7.3 Hz, 1H); 5.49 (s, 1H); 5.01 (s, 2H); 3.95 (t, J = 6.3 Hz, 2H); 3.01-2.96 (m, 2H); 1.81-1.75 (m, 2H); 1.33 (s, 9H).
13C NMR (CDCl
3, 100 MHz): δ (ppm) 158.3; 155.9; 148.5; 135.8; 128.4; 128.3 (2C); 127.8; 127.1 (2C); 115.1; 105.2; 78.6; 70.5; 46.0; 36.3; 29.7; 28.3 (3C).
MS (ESI +): m/z = [M + H] 358.9; [M + Na] 380.9.
HRMS (ESI +): m/z C
20H
26N
2O
4Na [M + Na]の計算値 = 381.1790; 実測値 = 381.1782.
【0153】
*化合物35:
化合物34(2.4mmol)を、市販の4NのHClの1,4-ジオキサン溶液(20当量)の存在中、1,4-ジオキサン(10mL)に溶解する。次いで、反応媒体を、室温で18時間、撹拌下におく。1,4-ジオキサンを、減圧下蒸発させ、残留物をエーテル中で粉砕して、真空下でろ過後、誘導体35を、ベージュ色粉末の形態で得る(100%)。
化合物35:
1H NMR (d
6-DMSO, 300 MHz): δ (ppm) 8.06-8.05 (s, 2H); 7.45-7.33 (m, 6H); 6.93 (d, J = 7.5 Hz, 1H); 6.18 (t, J = 7.2 Hz, 1H); 5.01 (s, 2H); 4.00 (t, J = 6.9 Hz, 2H); 2.75 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 1.98-1.93 (m, 2H).
13C NMR (d
6-DMSO, 75 MHz): δ (ppm) 175.1; 147.6; 136.1; 129.5; 128.0 (2C); 127.5 (3C); 115.3; 104.1; 69.4; 45.4; 35.9; 26.5.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 259.1; [M + H + MeCN] 300.2.
HRMS (ESI +): m/z C
15H
19N
2O
2 [M + H]の計算値 = 259.1436; 実測値 = 259.1447.
【0154】
°化合物39:
化合物34(1.5mmol)のDMF(3mL)の溶液に、水素化ナトリウム(1.4当量)を添加する。室温で10分間撹拌後、ヨウ化メチル(1.2当量)を加え、混合物を、室温で18時間撹拌下におく(Org. Lett.、2014年、16巻、3196〜3199頁)。減圧下でDMFの蒸発後、残留物を酢酸エチルに入れる。有機相をNaCl飽和溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、最後に、減圧下蒸発させて、シリカカラム(AcOEt/MeOH 50:50)での精製後、誘導体39を黄色油状物の形態で得る(91%)。
化合物39:
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ (ppm) 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 2H); 7.31 (t, J = 8.5 Hz, 2H); 7.26 (t, J = 7.2 Hz, 1H); 6.93-6.86 (m, 1H); 6.61 (d, J
1 = 7.4 HzおよびJ
2 = 1.6 Hz, 1H); 5.99 (t, J = 7.1 Hz, 1H); 5.07 (s, 2H); 3.92 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 3.27 (m, 2H); 2.82 (s, 3H); 1.96 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 1.41 (s, 9H).
13C NMR (CDCl
3, 100 MHz): δ (ppm) 158.2; 149.0; 136.4; 128.6 (2C); 128.0; 127.4 (2C); 115.5; 104.8; 79.6; 70.8; 47.8; 45.8; 34.1; 28.5 (3C); 27.1.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 373.2; [M + Na] 395.2.
HRMS (ESI +): m/z C
21H
29N
2O
4 [M + H]の計算値 = 373.2127; 実測値 = 373.2137.
【0155】
*3-ベンジルオキシ-2-メチルピリジン-4-オンタイプのシントンR'
a-OH及びR'
a-NHR
bの調製(スキーム8):
【0156】
【化29】
【0157】
°化合物40(J. Med. Chem.、1998年、41巻、3347〜3359頁、J. Inorg. Biochem.、2000年、78巻、303〜311頁):
マルトール(79.3mmol)のメタノール(80mL)の溶液に、10.5NのNaOHの溶液(1.1当量)を添加する。次いで、反応媒体を、30分間加熱還流する。次いで、塩化ベンジル(1.2当量)を、室温で30分かけて、滴下して加え、混合物を、再度18時間加熱還流する。真空下でろ過後、メタノールを減圧下蒸発させ、次いで、残留物を水に入れ、所望の生成物を、ジクロロメタンを使用して抽出する。有機相を、5%のNaOH溶液、次いで、NaCl飽和溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、最後に、減圧下蒸発させて、誘導体40を黄色油状物の形態で得る(88%)。
【0158】
°化合物41a(J. Heterocyclic Chem.、1994年、31巻、947〜56頁)及び化合物41b(J. Inorg. Biochem.、2000年、78巻、303〜311頁):
NaOH(3当量)のEtOH/H
2Oの1:1混合物(100mL)の溶液に、化合物40(18.5mmol)及びグリシン酸ナトリウム又はβ-アラニン(2当量)を添加する(Bioconjugate Chem.、2005年、16巻、1597〜1609頁)。次いで、反応媒体を、18時間加熱還流する。エタノールの真空下での蒸発後、残留物を水に入れ、酢酸エチルを使用して抽出して、残った原料物質を除去する。次いで、水性相を減圧下濃縮し、6NのHCl溶液を使用して酸性化し、最後に、沈殿、真空下でのろ過及び水での洗浄後、誘導体41a又は誘導体41bを白色がかった粉末の形態で得る(48%又は45%)。
【0159】
°化合物42(Dalton Trans.、2004年、3772〜3781頁):
NaOH(0.5当量)のEtOH/H
2Oの1:1混合物(20mL)の溶液に、化合物40(18.5mmol)及び1,3-ジアミノプロパン(1.1当量)を添加する。次いで、反応媒体を、18時間加熱還流する。エタノールの真空下での蒸発後、水性相を6NのHClを使用して酸性化し、酢酸エチルを使用して抽出して、残った原料物質を除去する。次いで、水性相を、6NのNaOH溶液を使用して中和し、所望の生成物を、酢酸エチルを使用して抽出する。有機相を、NaCl飽和溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、最後に、減圧下蒸発させる。市販の4NのHClの1,4-ジオキサン溶液(5当量)の存在中、1,4-ジオキサン(20mL)中、室温で2時間の中間体化合物の撹拌、及び1,4-ジオキサンの減圧下での蒸発後、得られた残留物を、エーテル中で粉砕して、誘導体42を白色粉末の形態で得る(48%)。
【0160】
β- 「リンカー」に対して行われた様々な薬理学的調節(pharmacomodulations)
*化合物23fのカルボニル基の還元(スキーム9):
【0161】
【化30】
【0162】
化合物23f(1mmol)のTHF(100mL)の溶液に、2Mのボラン/ジメチルスルフィドの錯体のTHF溶液(5当量)を滴下添加する(J. Med. Chem.、2005年、48巻、3891〜3902頁)。次いで、反応媒体を、2時間加熱還流する。冷却後、ボランを、MeOHを使用して捕捉し、混合物を、再度18時間加熱還流する。真空下でのMeOHの蒸発後、残留物を、EtOH/1NのNaOHの5:1混合物に入れ、2時間還流させる。エタノールの蒸発後、最後に、水性相を、酢酸エチルを使用して抽出する。有機相をNaCl飽和溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、減圧下蒸発させて、シリカカラム(AcOEt/MeOH 50:50)での精製後、誘導体43を無色油状物の形態で得る(44%)。
化合物43:
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ (ppm) 7.40 (d, J = 7.3 Hz, 2H); 7.32 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 7.26 (t, J = 7.8 Hz, 1H); 6.93 (d, J = 6.8 Hz, 1H); 6.61 (d, J = 7.4 Hz, 1H); 5.96 (t, J = 7.1 Hz, 1H); 5.27 (s, 3H); 5.08 (m, 2H); 4.98 (s, 1H); 3.99 (t, J = 6.8 Hz, 2H); 3.57 (m, 1H); 3.14 (m, 2H); 2.43-2.31 (m, 10H); 1.92 (t, J = 6.8 Hz, 2H); 1.54-1.52 (m, 2H); 1.40 (m, 20H).
13C NMR (CDCl
3, 100 MHz): δ (ppm) 158.5 (2C); 149.0; 136.8; 129.8; 128.7 (2C); 128.1; 127.5 (2C); 115.7; 104.5; 79.4 (2C); 70.9; 58.2; 54.8 (2C); 53.4; 53.0; 51.2; 48.2; 45.1; 30.7; 29.9; 28.6 (6C); 26.0; 23.2.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 628.3; [M + Na] 650.3.
HRMS (ESI +): m/z C
34H
54N
5O
6 [M + H]の計算値 = 628.4074; 実測値 = 628.4080.
【0163】
*化合物23cのN-メチル化類似物及び脱カルボニル化類似物の調製(スキーム10):
【0164】
【化31】
【0165】
°化合物44
第1工程:化合物39(0.7mmol)を、市販の4NのHClの1,4-ジオキサン溶液(20当量)の存在中、1,4-ジオキサン(2mL)に溶解する。次いで、反応媒体を、室温で6時間、撹拌下におく。ジオキサンを減圧下蒸発させ、残留物を、エーテル中で粉砕して、対応するアンモニア塩酸塩を、沈殿物の形態で得る。
【0166】
第2工程:0℃で撹拌下におかれた化合物10(0.8mmol)のDMF(20mL)の溶液に、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(1.2当量)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(1.1当量)を続けて添加する。0℃で30分間撹拌後、中間体のアミン誘導体(1当量)を、反応媒体中のトリエチルアミン(1.2当量)に入れ、次いで、室温で18時間、撹拌下で維持する。DMFを蒸発させ、残留物を酢酸エチルに入れた後、有機相を1NのHCl溶液、NaHCO
3溶液、次いでNaCl飽和溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、最後に、減圧下蒸発させて、シリカカラム(AcOEt/MeOH 50:50)での精製後、化合物45を得る(89%)。
化合物44:
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ (ppm) 7.39 (d, J = 7.1 Hz, 2H); 7.31 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 7.27-7.25 (m, 1H); 7.01 (d, J = 6.5 Hz, 1H); 6.61 (d, J = 7.5 Hz, 1H); 5.99 (t, J = 7.1 Hz, 1H); 5.06 (s, 2H); 5.02 (m, 2H); 3.95-3.88 (m, 2H); 3.60-3.59 (m, 1H); 3.46-3.29 (m, 2H); 3.17-3.15 (m, 2H); 2.95 (s, 3H); 2.43-2.29 (m, 2H); 2.02-1.92 (m, 2H); 1.85-1.77 (m, 2H); 1.39 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 100 MHz): δ (ppm) 173.0; 158.4 (2C); 149.2; 136.6; 129.7; 128.8 (2C); 128.3; 127.6 (2C); 115.9; 104.9; 79.5; 79.4; 71.0; 51.7; 48.1; 45.3; 45.1; 35.4; 30.1; 28.6 (6C); 27.9; 27.0.
MS (ESI +): m/z = [M + Na] 609.3.
HRMS (ESI +): m/z C
31H
46N
4O
7Na [M + Na]の計算値 = 609.3264; 実測値 = 609.3268.
【0167】
°化合物45
化合物44(0.5mmol)のTHF(30mL)の溶液に、2Mのボラン/ジメチルスルフィドの錯体のTHF溶液(2.5当量)を滴下添加する。次いで、反応媒体を、2時間加熱還流する。冷却後、ボランを、MeOHを使用して捕捉し、混合物を、再度18時間加熱還流する。真空下でのMeOHの蒸発後、残留物を、EtOH/1NのNaOHの5:1混合物に入れ、2時間還流させる。エタノールの蒸発後、最後に、水性相を、酢酸エチルを使用して抽出する。有機相をNaCl飽和溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、減圧下蒸発させて、シリカカラム(AcOEt/MeOH 70:30)での精製後、誘導体45を茶色粉末の形態で得る(82%)。
化合物45:
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ (ppm) 7.41 (d, J = 7.3 Hz, 2H); 7.33 (t, J = 6.7 Hz, 2H); 7.26 (t, J = 6.8 Hz, 1H); 6.94 (d, J = 6.9 Hz, 1H); 6.63 (d, J = 7.4 Hz, 1H); 6.00 (t, J = 7.2 Hz, 1H); 5.08 (s, 2H); 5.08 (s, 2H); 5.06-5.01 (m, 2H); 3.99 (t, J = 6.7 Hz, 2H); 3.58 (m, 1H); 3.16-3.15 (m, 2H); 2.37-2.30 (m, 4H); 2.17 (s, 3H); 1.92 (t, J = 7.1 Hz, 2H); 1.51-1.50 (m, 2H); 1.40 (m, 20H).
13C NMR (CDCl
3, 100 MHz): δ (ppm) 158.2 (2C); 149.0; 136.5; 129.6; 128.6 (2C); 128.0; 127.4 (2C); 115.7; 104.6; 79.3 (2C); 70.8; 57.2; 54.4; 51.3; 48.1; 45.0; 41.6; 30.7; 28.5 (6C); 23.4; 21.1.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 573.4; [M + Na] 595.3.
HRMS (ESI +): m/z C
31H
49N
4O
6 [M + H]の計算値 = 573.3652; 実測値 = 573.3664.
【0168】
*アミド官能基を持たない脂肪族「リンカー」担体の調製(スキーム11):
【0169】
【化32】
【0170】
°化合物46:
NaOH(0.5当量)のEtOH/H
2Oの1:1混合物(120mL)の溶液に、化合物40(5.1mmol)及び化合物20(0.7当量)を添加する。次いで、反応媒体を、24時間加熱還流する(Dalton Trans.、2004年、3772〜3781頁)。エタノールの真空下での蒸発後、水性相を6NのHClを使用して中和し、酢酸エチルを使用して抽出する。有機相をNaCl飽和溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、最後に、減圧下蒸発させて、シリカカラム(AcOEt/MeOH 90:10)での精製後、誘導体46を黄色粉末の形態で得る(61%)。
化合物46:
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ (ppm) 7.38 (d, J = 6.7 Hz, 2H); 7.32-7.26 (m, 3H); 7.16 (d, J = 7.5 Hz, 1H); 6.39 (d, J = 7.5 Hz, 1H); 5.03 (s, 2H); 4.95-4.93 (s, 2H); 3.71-3.76 (m, 2H); 3.59 (m, 1H); 3.14 (m, 2H); 2.06 (s, 3H); 1.66-1.55 (m, 2H); 1.40-1.35 (m, 22H).
13C NMR (CDCl
3, 100 MHz): δ (ppm) 173.5; 156.6 (2C); 146.4; 141.0; 138.3; 137.9; 129.3 (2C); 128.4 (2C); 128.1; 117.5; 79.7 (2C); 73.1; 53.9; 51.2; 44.7; 32.6; 30.9; 28.5 (6C); 23.0; 12.5.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 530.3.
HRMS (ESI +): m/z C
29H
44N
3O
6 [M + H]の計算値 = 530.3230; 実測値 = 530.3245.
【0171】
γ- R'
a基の脱ベンジル化(スキーム12)
【0172】
【化33】
【0173】
化合物23a〜k、化合物43、化合物45又は化合物46(0.2〜1.6mmol)のメタノール(5〜40mL)の溶液に、Pd/C(10%m/m)を添加する。反応媒体を、真空下、室温で30分間撹拌下におき、次いで、6時間、H
2流下で維持する。次いで、紙上でろ過し、メタノールを、減圧下蒸発させて、誘導体36a〜nを得る(60%〜100%)(Table 3(表3))。
【0174】
【表3A】
【0175】
【表3B】
【0176】
化合物36a:
1H NMR (CDCl
3, 600 MHz): δ (ppm) 6.95 (d, J = 6.7 Hz, 1H); 6.92 (s, 1H); 6.82 (d, J = 7.2 Hz, 1H); 6.14 (t, J = 7.1 Hz, 1H); 5.18 (s, 1H); 5.04-5.03 (s, 1H); 4.25 (m, 2H); 3.56-3.54 (m, 1H); 3.17-3.16 (m, 2H); 3.09 (m, 2H); 2.68 (t, J = 6.4 Hz, 2H); 1.50-1.40 (m, 22H).
13C NMR (CDCl
3, 150 MHz): δ (ppm) 170.3; 158.7; 157.0; 156.7; 146.7; 128.6; 115.2; 107.2; 79.7 (2C); 50.8; 47.3; 44.8; 39.5; 35.5; 29.9; 28.6 (6C); 25.7.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 483.3; [M + Na] 505.3.
HRMS (ESI +): m/z C
23H
38N
4O
7Na [M + Na]の計算値 = 505.2638; 実測値 = 505.2644.
化合物36b:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 6.96 (dd, J
1 = 6.9 HzおよびJ
2 = 1.5 Hz, 1H); 6.80 (dd, J
1 = 7.4 HzおよびJ
2 = 1.5 Hz, 1H); 6.52-6.51 (s, 1H); 6.12 (t, J = 7.2 Hz, 1H); 5.04 (s, 1H); 4.88-4.86 (s, 1H); 4.26 (t, J = 6.3 Hz, 2H); 3.55-3.53 (m, 1H); 3.13-3.08 (m, 4H); 2.68 (t, J = 6.3 Hz, 2H); 1.79-1.50 (m, 2H); 1.40 (s, 18H); 1.35-1.23 (m, 4H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 169.7; 158.3 (2C); 146.2; 128.2; 114.6; 106.7; 79.5 (2C); 51.1; 46.9; 44.3; 38.8; 35.1; 31.9; 28.8; 28.2 (6C); 22.6.
MS (ESI +): m/z = [M - 2Boc + 3H] 296.9; [M - Boc + 2H] 397.0; [M + H] 497.1; [M + Na] 519.1.
HRMS (ESI +): m/z C
24H
40N
4O
7Na [M + Na]の計算値 = 519.2795; 実測値 = 519.2801.
化合物36c:
1H NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ (ppm) 7.34 (s, 1H); 6.89 (dd, J
1 = 6.9 HzおよびJ
2 = 1.2 Hz, 1H); 6.83 (d, J = 7.2 Hz, 1H); 6.19 (t, J = 6.9 Hz, 1H); 5.33-5.23 (s, 2H); 4.06 (t, J = 5.2 Hz, 2H); 3.67-3.64 (m, 1H); 3.28-3.17 (m, 4H); 2.30 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 1.93 (t, J = 6.3 Hz, 2H); 1.95-1.60 (m, 2H); 1.40 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 75 MHz): δ (ppm) 173.3; 172.4; 158.6; 156.8; 146.5; 127.0; 114.6; 107.6; 79.4 (2C); 51.2; 47.1; 44.5; 35.9; 33.0; 29.3; 28.2 (6C); 25.4.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 483.4; [M + Na] 505.3.
HRMS (ESI +): m/z C
23H
38N
4O
7Na [M + Na]の計算値 = 505.2638; 実測値 = 505.2652.
化合物36d:
1H NMR (CDCl
3, 600 MHz): δ (ppm) 7.03-7.01 (m, 1H); 6.80 (d, J = 7.3 Hz, 1H); 6.10 (t, J = 7.1 Hz, 1H); 5.66 (s, 1H); 4.98 (s, 1H); 4.27 (t, J = 7.1 Hz, 2H); 3.89 (m, 1H); 3.66-3.31 (m, 8H); 3.23-3.21 (m, 2H); 2.87-2.85 (m, 2H); 2.67-2.46 (m, 2H); 1.39 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 150 MHz): δ (ppm) 169.5; 169.0; 158.6; 157.0; 156.1; 146.5; 128.9; 115.1; 107.0; 79.8; 79.7; 49.5; 47.3; 45.8 (2C); 43.9; 41.8 (2C); 35.4; 32.1; 28.6 (6C).
MS (ESI +): m/z = [M - 2Boc + 3H] 352.1; [M - Boc + 2H] 452.2; [M + H] 552.2; [M + Na] 574.2.
HRMS (ESI +): m/z C
26H
41N
5O
8Na [M + Na]の計算値 = 574.2853; 実測値 = 574.2849.
化合物36e:
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ (ppm) 6.80 (d, J = 6.4 Hz, 2H); 6.18 (t, J = 7.1 Hz, 1H); 5.06-4.99 (s, 2H); 4.85-4.71 (m, 2H); 3.86-3.38 (m, 9H); 3.21-3.15 (m, 2H); 2.46-2.32 (m, 2H); 1.92-1.64 (m, 2H); 1.40 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 100 MHz): δ (ppm) 171.6; 165.4; 158.9; 157.2; 156.6; 146.7; 128.1; 114.9; 107.2; 79.8 (2C); 51.6; 49.9; 45.2; 44.8; 42.5; 41.8; 41.5; 30.0; 28.6 (6C); 28.2.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 552.3; [M + Na] 574.3.
HRMS (ESI +): m/z C
26H
41N
5O
8Na [M + Na]の計算値 = 574.2853; 実測値 = 574.2832.
化合物36f:
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ (ppm) 7.01-7.00 (m, 1H); 7.76 (d, J = 7.1 Hz, 1H); 6.09 (t, J = 6.9 Hz, 1H); 5.04 (s, 2H); 4.23 (t, J = 5.9 Hz, 2H); 3.67-3.36 (m, 9H); 3.12 (m, 2H); 2.83 (m, 2H); 2.36-2.30 (m, 2H); 1.80-1.62 (m, 2H); 1.35 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 100 MHz): δ (ppm) 171.3; 169.0; 158.6; 156.7; 156.4; 146.5; 128.6; 114.8; 106.7; 79.3 (2C); 51.4; 47.1; 45.2; 44.4 (2C); 41.6 (2C); 31.7; 29.4; 28.4 (6C); 27.7. MS (ESI +): m/z = [M + H] 566.3; [M + Na] 588.3.
HRMS (ESI +): m/z C
27H
43N
5O
8Na [M + Na]の計算値 = 588.3009; 実測値 = 588.2980.
化合物36g:
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ (ppm) 7.49 (d, J = 4.8 Hz, 1H); 6.33 (d, J = 4.8 Hz, 1H); 4.70 (s, 2H); 3.53-3.51 (m, 1H); 3.19-3.17 (m, 2H); 3.07-2.91 (m, 2H); 2.26 (s, 3H); 1.56-1.44 (m, 4H); 1.42 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 100 MHz): δ (ppm) 169.9; 167.1; 157.3; 157.0; 145.5; 139.0; 131.9; 111.1; 78.6 (2C); 55.5; 50.5; 44.1; 39.2; 29.6; 27.4 (6C); 25.4; 10.7.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 483.2.
HRMS (ESI +): m/z C
23H
38N
4O
7Na [M + Na]の計算値 = 505.2638; 実測値 = 505.2636.
化合物36h:
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ (ppm) 7.57 (d, J = 4.8 Hz, 1H); 6.41 (d, J = 4.8 Hz, 1H); 4.77 (s, 2H); 3.57 (m, 1H); 3.14-3.11 (m, 2H); 3.02-2.98 (m, 2H); 2.34 (s, 3H); 1.58-1.49 (m, 2H); 1.40 (s, 20H); 1.39-1.35 (m, 2H).
13C NMR (CDCl
3, 100 MHz): δ (ppm) 169.9; 167.1; 157.3; 157.0; 145.5; 139.0; 131.9; 111.1; 78.6 (2C); 55.5; 50.7; 44.0; 39.1; 31.6; 28.7; 27.4 (6C); 22.9; 10.7.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 497.3; [M + Na] 519.2.
HRMS (ESI +): m/z C
24H
40N
4O
7Na [M + Na]の計算値 = 519.2795; 実測値 = 519.2789.
化合物36i:
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ (ppm) 7.56 (d, J = 7.2 Hz, 1H); 6.37 (d, J = 7.2 Hz, 1H); 4.37-4.33 (m, 2H); 3.53 (m, 1H); 3.13-3.07 (m, 2H); 3.00-2.95 (m, 2H); 2.64 (t, J = 6.5 Hz, 2H); 2.46 (s, 3H); 1.44 (s, 18H); 1.44-1.40 (m, 4H); 1.40-1.23 (m, 2H).
13C NMR (CDCl
3, 100 MHz): δ (ppm) 171.5; 170.8; 158.5; 158.2; 147.1; 139.0; 132.5; 112.5; 80.0 (2C); 51.4; 50.3; 45.4; 40.2; 37.6; 32.9; 30.0; 28.8 (6C); 24.3; 11.8.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 511.3; [M + Na] 533.2.
HRMS (ESI +): m/z C
25H
42N
4O
7Na [M + Na]の計算値 = 533.2951; 実測値 = 533.2935.
化合物36j:
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ (ppm) 7.39 (m, 2H); 6.31 (m, 1H); 5.40-5.33 (s, 2H); 3.95 (m, 2H); 3.55 (m, 1H); 3.40-3.13 (m, 4H); 2.35 (s, 3H); 2.24 (m, 2H); 1.96-1.60 (m, 4H), 1.40 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 100 MHz): δ (ppm) 174.2; 169.8; 157.7 (2C); 146.8; 137.5; 129.3; 111.6; 80.2 (2C); 52.2; 51.6; 44.9; 36.8; 33.5; 31.4; 30.2; 28.7 (6C); 12.1.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 497.2; [M + Na] 519.3.
HRMS (ESI +): m/z C
24H
40N
4O
7Na [M + Na]の計算値 = 519.2795; 実測値 = 519.2795.
化合物36k:
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ (ppm) 7.26 (m, 1H); 6.35 (m, 1H); 5.98 (s, 2H); 5.13 (m, 2H); 4.88 (m, 1H); 3.67-3.66 (m, 8H); 3.14 (m, 2H); 2.35 (m, 2H); 2.17 (s, 3H); 1.80-1.63 (m, 2H), 1.40 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 100 MHz): δ (ppm) 171.6; 168.9; 164.5; 156.9 (2C); 142.8; 138.6; 128.5; 111.5; 79.6 (2C); 55.0; 50.7; 45.2; 44.9; 44.6; 42.1; 41.5; 29.9; 28.4 (6C); 28.1; 12.2.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 566.3; [M + Na] 588.3.
HRMS (ESI +): m/z C
27H
43N
5O
8Na [M + Na]の計算値 = 588.3009; 実測値 = 588.3002.
化合物36l:
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ (ppm) 6.83 (d, J = 6.8 Hz, 1H); 6.76 (d, J = 7.3 Hz, 1H); 6.11 (t, J = 7.1 Hz, 1H); 5.17-5.08 (s, 2H); 4.02 (t, J = 6.9 Hz, 2H); 3.56 (m, 1H); 3.15-3.12 (m, 4H); 2.91-2.83 (m, 6H); 2.57-2.56 (m, 2H); 2.12 (m, 2H); 1.80-1.78 (m, 2H); 1.37 (m, 22H).
13C NMR (CDCl
3, 100 MHz): δ (ppm) 159.0; 157.2; 156.3; 147.0; 127.4; 114.3; 107.1; 79.7 (2C); 56.9; 54.4; 51.1; 50.2 (2C); 48.4; 44.7 (2C); 30.1; 28.6 (6C); 27.3; 25.5; 21.2.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 538.3.
HRMS (ESI +): m/z C
27H
48N
5O
6 [M + H]の計算値 = 538.3605; 実測値 = 538.3611.
化合物36m:
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ (ppm) 6.85 (d, J = 6.6 Hz, 1H); 6.77 (dd, J
1 = 7.3 HzおよびJ
2 = 1.5Hz, 1H); 6.12 (t, J = 7.1 Hz, 1H); 5.07 (s, 2H); 4.02-3.88 (m, 2H); 3.59 (m, 1H); 3.16 (m, 2H); 2.34-2.32 (m, 4H); 2.16 (s, 3H); 1.90 (t, J = 6.6 Hz, 2H); 1.51 (m, 4H); 1.41 (s, 18H).
13C NMR (CDCl
3, 100 MHz): δ (ppm) 159.3; 156.9 (2C); 147.1; 127.6; 113.7; 106.8; 79.5 (2C); 57.5; 54.5; 51.4; 48.3; 45.1; 42.0; 31.4; 28.6 (6C); 26.8; 24.4.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 483.4; [M + Na] 505.3.
HRMS (ESI +): m/z C
24H
43N
4O
6 [M +]の計算値 = 483.3183; 実測値 = 483.3172.
化合物36n:
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ (ppm) 7.86 (m, 1H); 7.03-7.02 (m, 2H); 5.19-5.10 (m, 2H); 4.19 (m, 2H); 3.59 (m, 1H); 3.13 (m, 2H); 2.51 (s, 3H); 1.84-1.78 (m, 2H); 1.39-1.38 (m, 22H).
13C NMR (CDCl
3, 100 MHz): δ (ppm) 161.5; 157.1; 156.6; 144.5; 138.4; 137.5; 112.3; 79.6 (2C); 56.3; 51.2; 44.6; 32.3; 30.3; 28.6 (6C); 22.8; 12.8.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 440.3.
HRMS (ESI +): m/z C
22H
38N
3O
6 [M + H]の計算値 = 440.2761; 実測値 = 440.2749.
【0177】
δ- ジアミン基の最後の脱保護(スキーム13)
【0178】
【化34】
【0179】
化合物36a〜n又は化合物23b(0.2〜1.7mmol)を、市販の4NのHClの1,4-ジオキサン溶液(20当量)の存在中、1,4-ジオキサン(4〜10mL)に溶解する。次いで、反応媒体を、室温で45分〜16時間、撹拌下におく。ジオキサンを減圧下蒸発させ、残留物をエーテル中で粉砕する。真空下で蒸発後(高吸湿性の生成物)、得られた沈殿物を凍結乾燥して、誘導体37a〜n又は誘導体38を得る(78%〜100%)(Table 4(表4))。
【0180】
【表4A】
【0181】
【表4B】
【0182】
化合物37a:
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ (ppm) 7.16 (dd, J
1 = 6.8 HzおよびJ
2 = 1.4 Hz, 1H); 7.05 (dd, J
1 = 7.5 HzおよびJ
2 = 1.4 Hz, 1H); 6.41 (t, J = 7.1 Hz, 1H); 4.30 (t, J = 6.4 Hz, 2H); 3.67-3.64 (m, 1H); 3.35-3.34 (m, 2H); 3.18 (t, J = 6.7 Hz, 2H); 2.72 (t, J = 6.4 Hz, 2H); 1.76-1.57 (m, 4H).
13C NMR (D
2O, 100 MHz): δ (ppm) 173.3; 158.5; 145.5; 129.4; 118.8; 108.5; 49.0; 47.4; 40.9; 38.7; 35.3; 27.5; 24.1.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 283.1.
HRMS (ESI +): m/z C
13H
23N
4O
3 [M + H]の計算値 = 283.1770; 実測値 = 283.1765.
化合物37b:
1H NMR (d
6-DMSO, 300 MHz): δ (ppm) 8.59 (s, 4H); 8.10-8.07 (s, 1H); 7.08 (dd, J
1 = 6.9 HzおよびJ
2 = 1.5 Hz, 1H); 6.70 (dd, J
1= 7.2 HzおよびJ
2 = 1.5 Hz, 1H); 6.07 (t, J = 7.2 Hz, 1H); 4.10 (t, J = 6.9 Hz, 2H); 3.40-3.38 (m, 1H); 3.09-3.00 (m, 4H); 2.53-2.49 (m, 2H); 1.63-1.58 (m, 2H); 1.19 (m, 4H).
13C NMR (d
6-DMSO, 75 MHz): δ (ppm) 169.6; 157.8; 146.8; 128.6; 115.0; 105.4; 49.1; 45.9; 40.6; 38.2; 34.8; 29.7; 28.6; 21.9.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 296.9.
HRMS (ESI +): m/z C
14H
25N
4O
3 [M + H]の計算値 = 297.1927; 実測値 = 297.1914.
化合物37c:
1H NMR (d
6-DMSO, 300 MHz): δ (ppm) 8.63 (s, 2H); 8.54 (s, 2H); 8.30 (s, 1H); 7.20 (dd, J
1 = 6.8 HzおよびJ
2 = 1.5 Hz, 1H); 6.72 (dd, J
1 = 7.2 HzおよびJ
2 = 1.8 Hz, 1H); 6.11 (t, J = 6.9 Hz, 1H); 3.96-3.87 (m, 2H); 3.49-3.46 (m, 1H); 3.11-3.04 (m, 4H); 2.32-2.31 (m, 2H); 1.90-1.75 (m, 4H).
13C NMR (d
6-DMSO, 75 MHz): δ (ppm) 171.2; 157.6; 146.6; 128.2; 114.8; 105.5; 48.7; 46.6; 40.3; 35.8; 30.8; 28.7; 26.1.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 283.0.
HRMS (ESI +): m/z C
13H
23N
4O
3 [M + H]の計算値 = 283.1810; 実測値 = 283.1800.
化合物37d:
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ (ppm) 7.20 (d, J = 6.4 Hz, 1H); 7.03 (d, J = 6.6 Hz, 1H); 6.39 (t, J = 6.9 Hz, 1H); 4.32-4.28 (m, 1H); 4.06-4.02 (m, 2H); 3.69-3.45 (m, 8H); 3.17-3.10 (m, 2H); 3.04-3.01 (m, 2H); 2.99-2.95 (m, 2H).
13C NMR (D
2O, 100 MHz): δ (ppm) 172.8; 171.5; 168.8; 158.5; 129.5; 118.9; 108.3; 47.1; 45.5; 45.3; 44.7; 44.3; 41.5; 40.7; 33.2; 31.5.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 352.2.
HRMS (ESI +): m/z C
16H
26N
5O
4 [M + H]の計算値 = 352.1985; 実測値 = 352.1977.
化合物37e:
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ (ppm) 7.14-7.08 (m, 2H); 6.44 (m, 1H); 5.01 (s, 2H); 3.94-3.85 (m, 1H); 3.66 (m, 8H); 3.17 (m, 2H); 2.78-2.76 (m, 2H); 2.13-2.08 (m, 2H).
13C NMR (D
2O, 100 MHz): δ (ppm) 172.5; 167.2; 158.7; 145.4; 130.1; 119.2; 108.3; 51.2; 49.2; 44.6; 44.1; 42.9; 41.7; 41.3; 28.5; 25.3.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 352.2.
HRMS (ESI +): m/z C
16H
26N
5O
4 [M + H]の計算値 = 352.1985; 実測値 = 352.1981.
化合物37f:
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ (ppm) 7.20 (d, J = 6.3 Hz, 1H); 7.03 (d, J = 6.4 Hz, 1H); 6.39 (t, J = 6.8 Hz, 1H); 4.30 (t, J = 6.3 Hz, 2H); 3.75-3.60 (m, 4H); 3.55-3.52 (m, 5H); 3.37-3.35 (m, 2H); 2.98-2.95 (m, 2H); 2.74-2.68 (m, 2H); 2.11-2.03 (m, 2H).
13C NMR (D
2O, 100 MHz): δ (ppm) 172.7; 161.7; 158.8; 145.3; 129.5; 118.6; 108.3; 49.0; 47.0; 45.1; 44.4; 41.5; 41.2; 40.6; 31.4; 28.3; 25.2.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 366.2.
HRMS (ESI +): m/z C
17H
28N
5O
4 [M + H]の計算値 = 366.2146; 実測値 = 366.2134.
化合物37g:
1H NMR (CD
3OD, 400 MHz): δ (ppm) 8.22 (d, J = 5.8 Hz, 1H); 7.16 (d, J = 5.8 Hz, 1H); 5.29 (s, 2H); 3.66-3.61 (m, 1H); 3.35-3.31 (m, 4H); 2.53 (s, 3H); 1.90-1.73 (m, 4H).
13C NMR (CD
3OD, 100 MHz): δ (ppm) 167.1; 160.7; 145.0; 144.3; 141.2; 111.5; 59.4; 51.0; 42.4; 40.1; 29.1; 26.2; 13.3.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 283.2.
HRMS (ESI +): m/z C
13H
23N
4O
3 [M + H]の計算値 = 283.1770; 実測値 = 283.1772.
化合物37h:
1H NMR (CD
3OD, 400 MHz): δ (ppm) 8.15 (d, J = 6.8 Hz, 1H); 7.12 (d, J = 6.6 Hz, 1H); 5.22 (s, 2H); 3.58-3.56 (m, 1H); 3.29-3.25 (m, 4H); 2.48 (s, 3H); 1.81-1.73 (m, 2H); 1.62-1.49 (m, 4H).
13C NMR (CD
3OD, 100 MHz): δ (ppm) 166.8; 160.4; 144.8; 143.9; 140.8; 111.4; 59.1; 50.9; 42.9; 40.3; 31.0; 29.7; 23.2; 12.9.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 297.2; [M + Na] 319.2.
HRMS (ESI +): m/z C
14H
25N
4O
3 [M + H]の計算値 = 297.1927; 実測値 = 297.1913.
化合物37i:
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ (ppm) 7.97 (d, J = 6.6 Hz, 1H); 7.18 (d, J = 7.0 Hz, 1H); 4.68 (t, J = 6.4 Hz, 2H); 3.71-3.65 (m, 1H); 3.38-3.37 (m, 2H); 3.16 (t, J = 6.7 Hz, 2H); 3.08-3.04 (s, 1H); 2.88 (t, J = 6.5 Hz, 2H); 2.56 (s, 3H); 1.85-1.74 (m, 2H); 1.52-1.38 (m, 4H).
13C NMR (D
2O, 100 MHz): δ (ppm) 171.3 (2C); 158.2; 142.4; 138.7; 110.9; 52.7; 49.2; 40.8; 38.9; 35.8; 29.6; 27.9; 21.6; 12.3.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 311.2.
HRMS (ESI +): m/z C
15H
27N
4O
3 [M + H]の計算値 = 311.2083; 実測値 = 311.2075.
化合物37j:
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ (ppm) 8.28 (d, J = 6.5 Hz, 1H); 7.13 (d, J = 6.5 Hz, 1H); 4.44 (m, 2H); 3.33-3.29 (m, 5H); 2.64 (s, 3H); 2.57 (m, 2H); 2.08-2.07 (m, 4H).
13C NMR (D
2O, 100 MHz): δ (ppm) 174.9; 159.8; 145.2; 143.4; 139.4; 111.7; 55.7; 50.6; 41.9; 37.3; 32.2; 31.0; 27.1; 12.8.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 297.2.
HRMS (ESI +): m/z C
14H
25N
4O
3 [M + H]の計算値 = 297.1927; 実測値 = 297.1931.
化合物37k:
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ (ppm) 8.01 (d, J = 6.8 Hz, 1H); 7.19 (d, J = 6.9 Hz, 1H); 5.53 (s, 2H); 3.72-3.55 (m, 9H); 3.41-3.39 (m, 2H); 2.81-2.75 (m, 2H); 2.47 (s, 3H); 2.16-2.08 (m, 2H).
13C NMR (D
2O, 100 MHz): δ (ppm) 172.4; 165.2; 159.4; 143.4; 142.5; 139.9; 111.1; 57.2; 49.1; 44.5; 44.1; 42.2; 41.4; 40.7; 28.5; 25.3; 12.5.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 366.2.
HRMS (ESI +): m/z C
17H
28N
5O
4 [M + H]の計算値 = 366.2141; 実測値 = 366.2133.
化合物37l:
1H NMR (d
6-DMSO, 400 MHz): δ (ppm) 6.83 (d, J = 6.8 Hz, 1H); 6.76 (d, J = 7.3 Hz, 1H); 6.11 (t, J = 7.1 Hz, 1H); 5.17-5.08 (s, 2H); 4.02 (t, J = 6.9 Hz, 2H); 3.56 (m, 1H); 3.15-3.12 (m, 4H); 2.91-2.83 (m, 6H); 2.57-2.56 (m, 2H); 2.12 (m, 2H); 1.80-1.78 (m, 2H); 1.37 (m, 22H).
13C NMR (d
6-DMSO, 100 MHz): δ (ppm) 159.0; 157.2; 156.3; 147.0; 127.4; 114.3; 107.1; 79.7 (2C); 56.9; 54.4; 51.1; 50.2 (2C); 48.4; 44.7 (2C); 30.1; 28.6 (6C); 27.3; 25.5; 21.2.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 338.3.
HRMS (ESI +): m/z C
17H
32N
5O
2 [M + H]の計算値 = 338.2556; 実測値 = 338.2552.
化合物37m:
1H NMR (CD
3OD, 400 MHz): δ (ppm) 7.49 (m, 1H); 7.14 (m, 1H); 6.60-6.59 (m, 1H); 4.34-4.30 (m, 2H); 3.82-3.78 (m, 1H); 3.40-3.34 (m, 4H); 3.31-3.26 (m, 2H); 2.95 (s, 3H); 2.35-2.31 (m, 2H); 2.03-1.91 (m, 4H).
13C NMR (CD
3OD, 100 MHz): δ (ppm) 158.8; 147.8; 130.1; 121.2; 112.2; 56.8; 54.6; 50.3; 49.8; 42.1; 40.9; 28.5; 25.4; 21.2.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 283.2.
HRMS (ESI +): m/z C
14H
27N
4O
2 [M +]の計算値 = 283.2134; 実測値 = 283.2133.
化合物37n:
1H NMR (CD
3OD, 400 MHz): δ (ppm) 8.25 (d, J = 7.0 Hz, 1H); 7.13 (d, J = 6.9 Hz, 1H); 4.42 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 3.64-3.61 (m, 1H); 3.31-3.27 (m, 2H); 2.64 (s, 3H); 1.93-1.82 (m, 4H); 1.57-1.56 (m, 2H).
13C NMR (CD
3OD, 100 MHz): δ (ppm) 159.5; 145.0; 143.1; 139.6; 111.8; 57.4; 50.6; 42.0; 31.0; 30.7; 22.7; 12.7.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 240.2.
HRMS (ESI +): m/z C
12H
22N
3O
2 [M + H]の計算値 = 240.1712; 実測値 = 240.1713.
化合物38:
1H NMR (CD
3OD, 400 MHz): δ (ppm) 7.46 (s, 2H); 7.37-7.27 (m, 3H); 6.58 (m, 1H); 5.21 (m, 2H); 4.40 (m, 2H); 3.62 (m, 1H); 3.32-3.31 (m, 2H); 3.19 (m, 2H); 2.77 (m, 2H); 1.80 (m, 2H); 1.53 (m, 4H).
13C NMR (CD
3OD, 100 MHz): δ (ppm) 171.4;157.1; 147.2; 135.7; 130.3; 128.6 (2C); 128.2; 127.8 (2C); 119.3; 109.5; 71.0; 49.6; 40.8; 38.5; 34.7; 32.4; 29.7; 28.3; 21.8.
MS (ESI +): m/z = [M + H] 387.2.
HRMS (ESI +): m/z C
21H
31N
4O
3 [M + H]の計算値 = 387.2396; 実測値 = 387.2382.
【0183】
B.物理化学的研究
I)HPLC分析による、本発明の化合物(29a、29b、30a、30b;37a、37b、37c、37d、37f、37i、37j)及びα-オキソアルデヒド又はα,β-不飽和アルデヒドの付加体の形成の評価
1- 原理
試験される化合物を、MGO又はMDAの存在中、37℃でインキュベートする。次いで、MGO又はMDAとの付加体の形成について報告することを目的とする動態研究を、HPLC分析により行う。
【0184】
2- 方法
a)溶液の調製
試験される化合物(30μmol)を、PBS(1.5mL)に溶解する。次いで、水(250μmol)中の40%のMGOの水溶液(qsp 1.25mL)を調製し、並行して、MDAビス-(ジOEt)-アセタール(250μmol)を、1NのHCl(2当量)の水(qsp 1.25mL)の溶液と、室温で1時間反応させる。0.05NのNaOH水溶液も、反応媒体(5mL)を中和するために必要である。
【0185】
b)37℃での混合物のインキュベーション
次いで、試験される化合物の溶液(625μL、媒体中の最終濃度=10mM)を、0.05NのNaOH(0.5mL)の存在中、即時調製したMGO又はMDAの溶液(125μL、媒体中の最終濃度=20mM)と反応させる。
【0186】
次いで、各種の混合物を、オーブン中、37℃で24時間インキュベートする。
【0187】
c)HPLCによる分析
各混合物(100μL)のサンプリングを、一定の時間間隔(0.25、0.5、1、5及び24時間)で行い、反応を停止させるために-20℃で保管する。室温で、MeCN/H
2Oの98:2混合物で希釈後、HPLC分析を、H
2O+0.1%HCOOH/MeCN+0.1%HCOOH溶媒の勾配(98/2で2分間、次いで55/45で2分間及び45/55で3分間)、40℃で0.3mL/分の流速、及び1μLの注入量(「検出モード:スキャン、インターフェース電圧:チューニングファイル、DL電圧:100V、Q-アレイDC:40V、Q-アレイRF:40V」)を使用するWaters Acquityカラムで分離後、Shimadzu LCMS-2020装置(190nmでのUVクロマトグラム、及びポジティブエレクトロスプレーイオン化モード(ESI+)の質量スペクトル)で行う。まず始めに、ブランクを、捕捉剤なしの反応媒体を含有する溶液を使用して行う。次いで、10mMの遊離の捕捉剤の溶液を、陰性対照として使用し、カルノシンを、文献の参照として使用する。次いで、MGO又はMDAと形成した付加体(通常、t
R=4.1〜6.8分)の割合を、UVスペクトルの対応するピークの曲線下の面積の測定後、残った遊離の捕捉剤(通常、t
R=0.8〜4.6分)の量に関して測定する(測定は代表試料について行う)。
【0188】
3- 結果及び考察
a)MGOとの付加体の形成の評価(
図2)
まず始めに、遊離の捕捉剤の消失は、本発明の新規化合物との付加体は、第二世代の誘導体(Dap-Pip及びDap-(nBu)Pip)又はカルノシンとの付加体よりはるかに速いという、様々なMGOとの付加体の利点に対して観察される(
図2)。したがって、ジアミン官能基に関してカルボニル基の分離と関係がある、MGO捕捉剤としてのこの新規な系統のジアミン誘導体の有効性の向上を実証することが可能であった。ヒドロキシピリジノン基を持つ化合物37a、化合物37b、化合物37c、化合物37f、化合物37i及び化合物37jは、加えて、ヒドララジンの活性に匹敵する活性及び15分インキュベーション後の遊離の捕捉剤のほぼ完全な消失を伴い、最も反応性が高いと思われる。我々は、ピラジン環(AdB)を持つ1:2タイプの多数の付加体の観測への頻繁な変更を伴う、可能性があるMGOとの付加体(2分子のMGOに対して捕捉剤1分子である、1:1タイプの付加体A(AdA);1:2タイプの付加体B(AdB);2:1タイプの付加体C(AdC))の3つのタイプを特定することも可能であった(
図3)。最後に、化合物29aを用いて得られた結果は、HPLC分析中に、この場合における遊離の捕捉剤及びMGOとの付加物の間の分離を得ることができなかったので、グラフで表すことができなかったことに留意されたい(ND=決定できない)。しかしながら、遊離の捕捉剤に関する大多数のAdBの存在への傾向は、5時間反応後に形成されると思われる。
【0189】
b)MDAとの付加体の形成の評価(
図4)
特に、2,3-ジヒドロ-1H-1,4-ジアゼピン環を持つ付加体(付加体D(AdD))の形成は、全ての本発明の化合物で観察される(
図4及び
図5)。誘導体30b、誘導体37c、誘導体37d、誘導体37f、誘導体37i及び誘導体37jは、1時間後、MDAとの付加体(>81%の付加体)の利益のために試験された捕捉剤の消失の結果を伴って、最も反応性が高いことを示した。化合物29aを用いて得られた結果は、MGOのように、HPLC分析中に、遊離の捕捉剤及びMDAとの付加物の間のいずれの分離も見出すことができなかったので、再度、グラフで表すことができなかったことに留意されたい(ND=決定できない)。この場合において、遊離の捕捉剤に関する大多数のAdDの存在への傾向は、24時間反応後にのみ形成されると思われる。
【0190】
II)紫外/可視光分光測定法による、本発明の化合物(29a、29b、30a、30b;37a、37b、37c、37d、37f、37i、37j)のCu
2+キレート特性の評価
1- 原理:
試験される化合物を、Cu
2+の存在中、室温で10分間インキュベートする。残った遊離のCu
2+の量を、ムレキシドによる錯体形成後、決定する(Int. J. Mol. Sci.、2009年、10巻、5485〜5497頁;Molecules、2012年、17巻、13457〜13472頁)。Cu
2+/ムレキシド(オレンジ)錯体の485nmでの吸光度(A
485)及び遊離のムレキシド(ピンク)の520nmでの吸光度(A
520)の測定は、実際に紫外/可視光分光測定法によって行われる。次いで、残った遊離のCu
2+の量を、事前に得たCu
2+の濃度によるA
485/A
520の比を与える線形較正の方程式を使用して評価する。これより、最終的に、試験された化合物によるCu
2+の錯体形成の割合が推定された。
【0191】
2- 方法:
a)溶液の調製
まず始めに、1NのHCl溶液を使用してpHを5に調節したヘキサミン緩衝液0.01M/KCl 0.01M(qsp 200mL)を調製する。次いで、この緩衝液中に0.5mMのCuSO
4.5H
2O(20mL)及び0.25mMのCuSO
4.5H
2O(100mL)を溶解させ、これを較正曲線を得るために最初に使用する。1mMのムレキシド水溶液も、ヘキサミン緩衝液0.01M/KCl 0.01M又は緩衝液及びMeOHの75/25混合物(6.2mL)中の、4.2mMの試験される化合物のストック溶液と同様に、即時調製(10mL)しなければならない。
【0192】
b)室温での混合物のインキュベーション
様々な濃度の試験される化合物を、ヘキサミン緩衝液0.01M/KCl 0.01M(pH=5)(Table 5(表5))、又は緩衝液及びMeOHの75/25混合物中に、溶血用チューブ中で、分配する(Table 6(表6))。次いで、0.25mMのCuSO
4.5H
2Oの溶液(1mL)を添加し、これを室温で10分間インキュベートする。最後に、1mMのムレキシド水溶液(0.1mL)を加え、再度、室温で1分間インキュベートする。次いで、吸光度を、紫外/可視光分光測定法(V-650 JASCO分光計)によって、485nm(A
485)及び520nm(A
520)で測定する(測定は三連で行う)。ヘキサミン緩衝液0.01M/KCl 0.01M(pH=5)(2mL)及び水(0.1mL)を含有するブランク、並びにCu
2+キレート剤としての文献の参照としてエチレンジアミン(EDA)を使用する。
【0193】
【表5】
【0194】
【表6】
【0195】
溶血用チューブ中で、ヘキサミン緩衝液0.01M/KCl 0.01M(pH=5)中(Table 7(表7))、又は緩衝液及びMeOHの75/25混合物中(Table 8(表8))の様々な濃度のCuSO
4.5H
2Oの分配後、較正曲線を事前に作成する(測定は三連で行う)。1mMのムレキシド水溶液(0.1mL)を加えた後、これを、室温で1分間インキュベートし、最後に、吸光度を、紫外/可視光分光測定法によって、485nm(A
485)及び520nm(A
520)で測定する。
【0196】
【表7】
【0197】
【表8】
【0198】
3- 結果及び考察:
a)較正曲線
試験される化合物による錯体形成後の遊離のCu
2+の残存量を決定し、最終的にCu
2+の錯体形成力を評価することを可能にする方程式の直線が得られる(
図6、
図7)。
【0199】
b)試験化合物のCu
2+キレート特性の比較
まず始めに、本発明の新規化合物は、第二世代の誘導体(Dap-Pip及びDap-(nBu)Pip)よりも良好なCu
2+キレート剤であると思われる(
図8)。このように、化合物30b、化合物37b、化合物37i及び化合物37jは、特に化合物30bについて、文献の参照として使用したEDAに近い、錯化力が最も活性であることが示されている。同じ系統内で、化合物37a及び化合物37bのCu
2+キレート特性の比較は(化合物37bが化合物37aよりも良好な錯化剤)、末端ジアミン基を持つ炭素鎖の延長が、活性を改善すると予想されるように思われることを示す。実際に、カルボニル官能基の分離は、ジアミン基のキレート能力の相乗作用を可能にする。しかしながら、炭素鎖がリジンにも由来する化合物30b及び化合物37bで得られた結果に関して、化合物29bで得られた不十分な結果は、分子の反対側に導入されたフェルラ酸、没食子酸又はヒドロキシピリジノンに由来する基のCu
2+の錯体形成における組み合わされた介入を示唆している。したがって、この仮定を評価するために、我々は、化合物37b、及び1つのみ遊離のCu
2+キレート末端を有する2つの関連化合物(化合物36b及び化合物38)のCu
2+キレート特性を比較した(
図9及び
図10)。このように、ジアミン基の欠損(化合物36b)は、ヒドロキシピリジノン基(化合物38)の結果に反して、任意の結果は殆どないことが示され、したがって、実際には、本発明の新規化合物のCu
2+キレート活性のためには必須であると思われる。加えて、化合物37c及び化合物37jで得られた結果の比較は、3-ヒドロキシピリジン-2-オンのモチーフに関して、3-ヒドロキシ-2-メチルピリジン-4-オンのモチーフのより高いCu
2+の錯化力を示す。最後に、化合物29a及び化合物29bで得られた不十分な結果を考慮すると、フェルラ酸に由来する基は、最も興味を感じられないCu
2+の錯化力を有すると思われる。
【0200】
III)ORAC試験(「酸素ラジカル吸収能力」)による、本発明の化合物(29a、29b、30a、30b;37a、37b、37c、37d、37f、37i、37j)の抗酸化特性の評価
1- 原理:
本発明の化合物の抗酸化特性を、フルオレセインを使用するORAC
FL試験を使用して、評価した(J. Agric. Food Chem.、2004年、52巻、48〜54頁;J. Agric. Food Chem.、2005年、53巻、4290〜4302頁)。このように、AAPH(2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩)の存在中、37℃で発生した過酸化物ラジカルを、この蛍光センサーと反応させて、非蛍光生成物を得る。次いで、試験化合物の保護効果を、経時的なフルオレセインの蛍光の減衰曲線にしたがって、抗酸化剤の不存在に相当する対照のものに関して、試料の曲線下面積(AUC)を測定することにより、決定することができる。
【0201】
ビタミンEの水溶性類似物であるトロロクス(6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸)を、10μMで試験された化合物の抗酸化能力(ORAC
FL)を計算するために、標準として使用し、トロロクス当量(TE)のμmol/試験化合物のμmolで表す。このようにして、この値は、様々な濃度のトロロクスによる曲線下面積を与える線形較正の方程式を使用して得られる(Bioorg. Med. Chem.、2015年、23巻、1135〜1148頁)(
図11)。
【0202】
2- 方法:
フルオレセイン(FL)の溶液(12nM;150μL)を、黒の96ウェルプレート(Dutscher、Brumath、フランス)に入れる。D-PBSに溶解した試験される化合物(1〜20μM;25μL)又はトロロクス(1〜50μM;25μL)を、各ウェルに添加する。37℃での最低30分間のインキュベーション中にプレートを平衡化した後、即時調製したAAPHの溶液(30mM;25μL)を使用して、ラジカル反応を開始する。蛍光(λ
Ex:485nm;λ
Em:520nm)を、温度制御したTecan Infinite(登録商標)200PROマイクロプレートリーダーを使用して、90秒ごとに60サイクルで測定する(測定は、3つの独立した実験中に三連で行う)。
【0203】
3- 結果及び考察:
本発明の化合物は、特に、カルノシンで見られた非常に低い活性と比較して、かなりの抗酸化能力(Table 9(表9):ORAC
FL≧1μmol TE/μmol)を示した。加えて、フェルラ酸、没食子酸又はヒドロキシピリジノンのモチーフに由来する基の導入は、第二世代のDap-Pip誘導体について活性が見られないことを考慮すると、これらの抗酸化特性の獲得のために必須であると思われる。このように、化合物30b及び化合物37cは、最も高い活性を示し、したがって、これらのそれぞれの系統におけるリーダーを保つ。化合物37c及び化合物37jで得られた結果の比較は、この場合において、3-ヒドロキシピリジン-2-オンのモチーフの良好な抗酸化能力について好適であったことに留意されたい。
【0204】
【表9】
【0205】
C.インビトロでの生物学的評価
I)本発明の化合物(29a、29b、30a、30b;37a、37b、37c)のインビトロの抗ラジカル特性の評価
1- 原理:
様々な化合物の抗ラジカル特性を、低密度リポタンパク質(LDL)の酸化のインビトロモデルにおける脂質の過酸化の阻害によって決定する(Free Radic. Biol. Med.、1992年、13巻、341〜390頁)。脂質の過酸化は、LDLに存在するポリ不飽和脂肪酸の二重結合のフリーラジカルによる攻撃によって開始される。これは、CH
2基から水素原子の脱離をもたらす。この不安定なラジカルは、転位して、次いで、より安定な配置、すなわち共役ジエンをもたらす。開始すると、LDLの酸化は、フリーラジカルによって発生する脂質の過酸化の連鎖反応である。LDLのインビトロでの酸化は、水溶性の化合物である2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(AAPH)の添加によって、37℃で誘導され、その自発的熱分解中にフリーラジカルが発生する。
【0206】
2- 方法:
簡潔には、96ウェルプレート中で行われる酸化は、20μLのD-PBSに溶解した試験される化合物の様々な溶液(0.1〜100μMの最終濃度)の存在中又は不存在中で、160μLのLDL(100μg/mL)での、D-PBS中の2mMのAAPHの溶液20μLの添加によって、37℃で誘導される。AAPHを添加しないLDL単独を、陰性対照として使用する。それぞれの酸化を2回行う。酸化の間、共役ジエンの形成に続いて、温度制御されたTECAN分光光度計を使用して、37℃で8時間、10分間ごとに234nmで光学密度を測定する。インビトロのこのモデルにおいて強力な抗酸化剤であると認識されているビタミンE(α-トコフェロール)を、参照分子として使用する(J. Nutr. Biochem.、2012年、23巻、845〜51頁)。
【0207】
3- 結果及び考察:
第二世代のDap-Pip誘導体は、高濃度(100μM)であっても、いかなる抗ラジカル効果も示さない(
図27)。
【0208】
フェルラ酸に由来する化合物29a及び化合物29bも、同様の挙動を示す(
図28及び
図29)。実際に、結果は、これらの生成物が25〜100μMの範囲の濃度では抗酸化剤であるが、より低い濃度(0.1〜10μM)では酸化促進剤になることを示す。
【0209】
没食子酸に由来する化合物30bは、50〜100μMの範囲の濃度では強い酸化促進剤であるが、最も低い濃度(0.1〜10μM)では強い抗酸化剤になる(
図30)。
【0210】
ヒドロキシピリジノン基を持つ化合物37a及び化合物37bも同様の挙動を示す。これらは、1〜100μMの範囲の濃度で向上した抗酸化効果を有する(
図31及び
図32)。
【0211】
1〜10μMのより低い濃度では、本発明の化合物30b、化合物37a及び化合物37cは、第二世代のDap-Pip誘導体、及び更にビタミンEよりも高い、抗ラジカル特性を有する(
図33及び
図34)。したがって、両方の従来の関連誘導体だけではなく、参照生成物に関しても、この第三世代の抗酸化剤化合物の有効性を実証することができた。
【0212】
むしろ、化合物30bの非典型的な挙動(低濃度では、抗酸化剤、及び高濃度では酸化促進剤)は、まだ研究されていない。それどころか、化合物29a及び化合物29bのプロファイル(低濃度では酸化促進剤、及び高濃度では抗酸化剤)は、文献に記載されたある最近の業績において同意することができる(J. Agric. Food Chem.、2000年、48巻、3597〜3604頁;J. Agric. Food Chem.、2010年、58巻、9273〜9280頁)。
【0213】
最終的に、ヒドロキシピリジノン基を持つ化合物37a及び化合物37cが、約1μMの低濃度で、最適の抗酸化特性を有すると思われる。
【0214】
II)本発明の化合物の細胞毒性の研究
本発明の化合物の細胞毒性の研究のため、及びその抗アポトーシス特性の評価のために使用する細胞株を、本発明の化合物の、化粧品における使用、又は特に、アテローム性動脈硬化症及び神経変性疾患の処置及び/若しくは予防における使用の目的のために、上述の特許請求の範囲を考慮して選択した。このように、これらの様々な研究は、ヒト線維芽細胞(MRC-5)、マウス内皮脳細胞(bEnd.3)及び神経細胞として処置されたラット褐色細胞腫細胞(PC12)で行うことが可能であった(Eur. J. Med. Chem.、2014年、83巻、355〜365頁;Chem. Biol. Interact.、2014年、224巻、108〜116頁;Neurochem. Int.、2013年、62巻、620〜625頁)。
【0215】
1- 原理:
細胞生存率を、代謝的に活性な細胞によるテトラゾリウムの塩(WST-8)の変換の検出に基づく比色分析方法によって評価する(CCK-8 kit、Sigma社、Lyons、フランス)(Molecules、2014年、19巻(8号)、12048〜12064頁;J. Pharmacol. Toxicol. Methods.、2007年、56巻(1号)、58〜62頁)。生細胞は、WST-8(2-(2-メトキシ-4-ニトロフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)-5-(2,4-ジスルホフェニル)-2H-テトラゾリウム)、一ナトリウム塩)からオレンジ色のホルマザンに低減するミトコンドリアのデヒドロゲナーゼを有し、これを、1-メトキシPMS(1-メトキシ-5-メチルフェナジニウムメチルスルフェート)の存在中で、培地にすぐに溶解する。37℃で1時間インキュベーション後、ホルマザンの吸光度を450nmで測定する。吸光度は、生細胞の数に直接比例する。
【0216】
2- 方法:
簡潔には、細胞を、96ウェルプレート中、ウェル当たり5.10
3個の細胞の割合で、100μLの適切な培地中、サブコンフルエンスまで播種する。次いで、細胞をD-PBSで洗浄し、次いで、24時間及び48時間、三連で、様々な濃度(10μM、100μM)の試験される生成物で処理する。陽性対照を、10%のDMSOで行う。次いで、CCK-8(10μL)の溶液を、37℃で1時間のインキュベーションのために各ウェルに添加する。吸光度の測定を、Perkin Elmer 2103 Envision(登録商標)マイクロプレートリーダーを使用して、450nmで行う。
【0217】
細胞の生存率を、代表的な実験を形成する三連の平均±標準偏差、又は三連で実施された三つの独立した実験の平均±標準偏差によって、対照(未処理の細胞)の%として表す。
【0218】
3- 結果及び考察:
【0219】
【表10】
【0220】
【表11】
【0221】
これらの最初の結果(測定は、三連で行い、代表的な実験を形成する)から形成される一般的な傾向は、24時間処理後(Table 10(表10)、
図35、
図36、
図37)、又は48時間処理後(Table 11(表11)、
図38、
図39、
図40)に、10及び100μMで試験された3つの細胞株に対する、本発明の化合物の先天的な低い細胞毒性及び更に細胞毒性がないことを明らかにする。しかしながら、特に、化合物29a、化合物30b及び化合物37cについて、特に、100μMの高濃度では、いくらか満足できるデータを示していない。このように、化合物30bは、100μMで、PC12細胞に対する48時間の処置後の細胞生存率における無視できない減少の起点である(67%対照)。しかしながら、この細胞毒性は、その抗ラジカル特性のインビトロでの評価中に、高濃度で既に観察されている、その酸化促進性により説明することができる(
図30)。最終的には、10μM以下の濃度で最も興味深い誘導体について、ビタミンEよりも高い抗ラジカル活性が見出され(
図33、
図34)、本発明の化合物の細胞毒性に対するこれらの最初の結果は、非常に有望であると思われる。
【0222】
最後に、本発明の化合物の細胞毒性がないことは、3つの独立した実験を三連で実施する間、PC12細胞に対する24時間の処理後に確認することが可能であった(
図41)。
【0223】
III)異なる細胞株に対する本発明の化合物(29a、29b、30a、30b;37a、37b、37c)の抗アポトーシス特性の評価
1- 原理:
アポトーシスは、高度に制御された細胞死のための本質的にプログラムされた細胞機構であり、これは、生理学的又は病理学的な刺激に対する生物の応答を構成し、細胞の産生及び除去の間の不均衡を引き起こす。このプログラムされた死の機構は、組織のホメオスタシスを維持することを可能にする。形態学的に、アポトーシスは、クロマチン及び細胞質の濃縮を伴う、細胞の進行性の退縮、続く細胞断片(ヌクレオソーソーム間の断片化)又はアポトーシス体の形成をもたらすDNAの規則的で特徴的な断片化に相当する。アポトーシスの不適切な制御は、がん、自己免疫疾患、アルツハイマー病等の多くの病態において、主要な役割を果たす(The Lancet、1993年、381巻、1251〜1254頁;Toxicol Pathol.、2007年、35巻(4号)、495〜516頁)。
【0224】
様々な研究は、メチルグリオキサール(MGO)が多くの細胞タイプにおいてアポトーシスを誘導することを示している(Int. J. Mol, Med.、2010年、26巻、813〜818頁)。
【0225】
細胞のアポトーシスは、一方がDNAに対し、他方がヒストンに対する、2つのマウスモノクローナル抗体を使用する、ELISA方法によって評価される(ELISAPLUS Cell Death Detection kit、Roche社、Meylan、フランス)。この技術は、細胞溶解物の細胞質分画中のモノ及びオリゴヌクレオソームを特異的に測定することを可能にする。
【0226】
2- 方法:
簡潔には、細胞を、96ウェルプレート又は24ウェルプレート中、bEnd.3及びPC12に対しては5.10
3細胞/ウェルの割合で、MRC5に対しては75.10
3細胞/ウェルの割合で、適切な培地中、サブコンフルエンスまで播種する。次いで、細胞をPBSで洗浄し、様々な濃度(10μM、100μM)の試験される生成物で、三連で、30分〜1時間(PC12及びbEnd.3細胞)、又は1時間(MRC5細胞)、37℃で処理する。次いで、MGOの溶液(PC12細胞については1mM、bEnd.3及びMRC5細胞については2mM)を、24時間のインキュベーションのために添加する。それぞれの細胞タイプに対するMGOの濃度は、文献及び我々が実施した細胞毒性試験(CCK8)にしたがって選択した。次いで、溶解した溶液を、室温で30分間、各ウェルに添加する。次いで、細胞溶解物を、10分間200gで遠心分離する。次いで、この細胞溶解物の20μLを、供給者によって説明された手順にしたがって、ELISAのために使用する。このように、細胞溶解物を、DNAの断片化を評価することを可能にする抗ヒストン抗体で覆われたプレートに適用する。次いで、抗DNA抗体と結合したペルオキシダーゼは、その基質であるABTS(ジアンモニウム2,2'-アジノ-ビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホネート)及びH
2O
2の存在中で反応して、光学密度がアポトーシスのレベルを示す、緑色の誘導体を与える。吸光度の測定を、Perkin Elmer 2103 Envision(登録商標)マイクロプレートリーダーを使用して、405nmで行う。陽性対照は、MGO単独の存在中で行う。
【0227】
細胞のアポトーシスを、代表的な実験を形成する三連の平均±標準偏差、又は三連で実施された三つの独立した実験の平均±標準偏差によって表す。
【0228】
3- 結果及び考察:
化合物30b及び化合物37cは、マウス内皮脳細胞(bEnd.3)に対するMGOによるアポトーシスの誘導後、10μMで始まる非常に興味深い抗アポトーシス特性を示した(
図42、
図43)。したがって、アテローム性動脈硬化症の処置及び/又は予防において本発明の化合物を使用する目的で、酸化ストレス及びカルボニルストレスに関連する有害な細胞カスケードを遅らせることが可能であると思われる。
【0229】
化合物37cは、神経細胞として処理されたラット褐色細胞腫細胞(PC12)に対するMGOによるアポトーシスの誘導後、10μMで始まる非常に興味深い抗アポトーシス特性を明らかにした(
図44、
図45)。したがって、神経変性疾患の処置及び/又は予防において本発明の化合物を使用する目的で、酸化ストレス及びカルボニルストレスに関連する有害な細胞カスケードを遅らせることが可能であると思われる。化合物30bについては、この傾向が100μMで確認される。
【0230】
化合物37b及び化合物37cは、ヒト線維芽細胞(MRC-5)に対するMGOによるアポトーシスの誘導後、100μMで、有望な抗アポトーシス特性を有する(
図46、
図47)。したがって、皮膚の早期の老化の予防のために、化粧品産業において本発明の化合物を適用する目的で、酸化ストレス及びカルボニルストレスに関連する有害な細胞カスケードを遅らせることが可能であると思われる。
【0231】
最後に、神経細胞として処理された、ラット褐色細胞腫細胞(PC12)に対するMGOによるアポトーシスの誘導後、100μMでの化合物37cの抗アポトーシス特性は、三連で実施された3つの独立した実験中に確認することが可能であった(
図48)。