(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コンピュータプログラムであって、当該プログラムが実行されるときに、請求項1〜12のいずれか一項に記載の少なくとも1つの音響パラメータを取得するための方法のステップを実行するための指令を備えた、コンピュータプログラム。
請求項1〜12のいずれか一項に記載の少なくとも1つの音響パラメータを取得するための方法のステップの実行のための指令を備えるコンピュータプログラムが記録された、コンピュータによって可読な記録媒体(18)。
前記処理モジュールが、請求項13に記載のコンピュータプログラムを備え、前記プログラムが、当該端末の書き換え可能な不揮発性メモリ(18)を備える請求項14に記載の記録媒体に記録され、前記プログラムの前記指令が、当該端末のプロセッサ(11)によって読み取り可能であることを特徴とする、請求項15に記載の端末(10)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、これらの厳しい同期の制約なく、量販設備で実施され得る、環境の音響パラメータを計測するための方法を想定する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のため、第1の態様によれば、本発明は、環境の少なくとも1つの音響パラメータを取得するための方法であって、
− 送信装置によって送信音信号を送信するステップと、
− 少なくとも1つの受信装置によって受信装置のそれぞれのための受信音信号を受信するステップと、
− 受信装置の位置において環境のインパルス応答を決定するステップと、
− このインパルス応答に基づいて環境の音響パラメータを取得するステップと、
を備える方法に関する。
【0009】
本方法は、所定の受信装置において、
− この受信装置により受信音信号の少なくとも1つの部分と送信音信号の対応する部分とに基づいて取得された少なくとも1つのインパルス応答に基づく、送信装置と本受信装置との間のサンプリング周波数のシフトの算定と、
− この受信装置による受信音信号の少なくとも1つの部分と送信音信号の対応する部分とに基づいて取得された少なくとも1つのインパルス応答に基づく、送信装置とこの受信装置との間の時間的シフトの算定と、
− これらの算定に基づいて、この受信装置による受信音信号に対してサンプリング周波数のシフトの修正及び時間的シフトの修正を適用することによって取得される、修正された受信音信号の取得と、
− 修正された受信音信号の少なくとも1つの部分と送信音信号の対応する部分とに基づく少なくとも1つのインパルス応答に基づいて取得される、環境のインパルス応答の決定と、
を備える。
【0010】
したがって、全体的な方法において、本発明は、送信音信号の装置と受信音信号の装置との間の時間的シフト及びサンプリング周波数のシフトを回避することが可能である。
【0011】
この時間的シフト及びこのサンプリング周波数のシフトは、この目的のため選択される音信号の部分におけるインパルス応答を計算することによって算定される。
【0012】
特に、本発明によれば、送信装置と受信装置との間の絶対的時間的シフトが算定される。
【0013】
これらの好適な特徴により、本発明に係る方法は、他方とは別個に選択された、送信装置(たとえば、気体を励起することのできる筐体又は固体を励起することのできる送信器)及び受信装置(たとえば端末)により実施され得る。
【0014】
本発明に係る実施態様において、一度の計測で様々な位置におけるこの環境の音響的特性にアクセスするように、環境の様々な位置に配置された複数の受信装置を使用すること、たとえば隔壁又はガラス枠のいずれかの側における1つの同じ部屋の様々な位置、又は建物の様々な階層に配置された複数の受信装置を使用することが可能である。
【0015】
本発明は、したがって特に「量販」ハードウェアにより実現される。特に、送信装置は、環境内の気体を励起することができる「量販」筐体、又は環境内の固体、特に隔壁、床、天井のような励起することのできる表面送信器であり得る。受信装置は、「量販」端末、たとえば、ノートパソコン又は他のコンピュータ、スマートフォン、タブレットであり得る。
【0016】
結果として、第2の態様によれば、本発明は、以下を備える端末に関する:
−環境において送信音信号の形式でこの信号を再生可能な送信装置に対して、音信号を送ることのできる通信モジュール、
− 受信音信号を受信可能なマイク、並びに
− 以下のように構成された処理モジュール:
− 端末の位置における環境のインパルス応答を決定すること;及び
− このインパルス応答に基づいて環境の音響パラメータを取得すること。
【0017】
この端末は、処理モジュールが、以下のように構成される点で注目に値する:
−受信音信号の少なくとも1つの部分と送信音信号の対応する部分とに基づき取得される少なくとも1つのインパルス応答に基づいて、送信装置と端末との間のサンプリング周波数のシフトを算定すること;
−受信音信号の少なくとも1つの部分と送信音信号の対応する部分とに基づき取得された少なくとも1つのインパルス応答に基づいて、送信装置と端末との間の時間的シフトを算定すること;
−これらの算定に基づいて受信音信号に対してサンプリング周波数のシフトの修正及び時間的シフトの修正を適用することによって、修正された受信音信号を取得すること;
−修正された受信音信号の少なくとも1つの部分と送信音信号の対応する部分とに基づき取得される少なくとも1つのインパルス応答に基づいて、環境のインパルス応答を決定すること。
【0018】
1つの実施形態において、音響パラメータを取得するための本方法の様々なステップは、コンピュータプログラム指令によって決定される。
【0019】
結果として、本発明は、記録媒体におけるコンピュータプログラムを更に想定し、このプログラムは、端末において、又はコンピュータにおいて実施されることを可能とされ、このプログラムは、本明細書において上述したような音響パラメータを取得する方法に係るステップの実施態様に適した指令を備える。
【0020】
このプログラムは、任意のプログラミング言語を、ソースコード、オブジェクトコード、又は部分的にコンパイルされた形式のような、ソースコードとオブジェクトコードとの間の中間のコードの形式で使用することができる。
【0021】
本発明は、本明細書において上述したような、コンピュータによって可読であり、コンピュータプログラムの指令を備えた記録媒体を更に想定する。
【0022】
記録媒体は、プログラムを保存できる任意の物体又は装置であり得る。たとえば、媒体は、読み出し専用メモリのような記憶手段を備えることができ、たとえば、USBキー、SDカード、EEPROM、といった書込み可能な不揮発性メモリであり、或いは、たとえばハードディスクといった磁性記録手段である。
【0023】
記録媒体は、プログラムが組み込まれる更に集積回路であり得るものであり、回路は、本発明を実行するため、又は本発明の実行において用いられるために適合される。
【0024】
記録媒体は、電気的信号又は光学的信号のような送信可能な媒体であり得るものであり、これは、電気ケーブル又は光ケーブルを介して無線によって、又は他の手段によって送られ得る。本発明に係るプログラムは、特にインターネット形式のネットワーク上でダウンロードされ得る。
【0025】
特定の実施形態において、本発明による端末の処理モジュールは、本明細書において上述したようなコンピュータプログラムを備え、このプログラムは、本発明に従った、端末の書込み可能な不揮発性メモリで構成される記録媒体に記録され、プログラムの指令は、この端末のプロセッサによって読み取り可能である。
【0026】
端末、コンピュータプログラム及び記録媒体は、本発明に係る実施形態によれば、本発明による方法と同じ特徴を呈し、そのいくつかがここで示される。
【0027】
特定の実施形態において、本発明による方法によって取得された音響パラメータは、ISO標準3382によって定義されるパラメータである。これらのパラメータは、特に残響時間T、音強度G、定義D50、明瞭さC80、中央時間Ts、初期減衰時間EDT、側方エネルギLF及びLFC、音圧レベルSPL、両耳間相関係数IACCの中から選択され得る。本発明による方法によって取得される音響パラメータは、空中ノイズ絶縁のためのISO標準16283−1及び衝撃ノイズ絶縁のためのISO標準16283−2によって定義されるようなノイズ絶縁パラメータでもあり得る。
【0028】
特定の実施形態において、送信音信号は、環境に関係なく選択される一般的な音信号である。そのような音信号は、任意の形式の環境の正確な計測を可能とし得るが、任意に比較的長い処理時間を必要とする。
【0029】
変形例として、送信音信号は、所定の環境のために最適化される。本発明のこの特徴は、計測時間を低減すること、したがって音響パラメータ又は受信装置のそれぞれの環境のパラメータの取得における遅延を低減することを可能とする。
【0030】
したがって、1つの実施形態において、本発明は、たとえば所定のリストから環境を選択することを提案し、送信装置による送信音信号は、この選択に基づいて最適化され又は生成されて選択される。
【0031】
環境は、たとえば、以下を含む文脈によって定義され得る:
−部位の形式(閉止された部屋、コンサートホール、通路、隔壁によって分離された複数の部屋の組、開放又は半開放空間等)、及び
−使用(個々のセミナー、グループワーク、生徒に対して教師によって実施される一方向のコースミーティング、スクリーンの前の人によって行われる口頭のプレゼンテーション等)。
【0032】
特定の実施形態において、本発明による方法は、環境の少なくとも1つの特徴を取得する予備ステップを備え、この特徴は、送信音信号を選択し、最適化し、又は生成するように考慮される。この実施形態は、計測の信頼性を向上させ、又はそれらの持続時間を低減させるように、この信号のパラメータ化の修正を可能とするが、より複雑なパラメータ化をユーザに必要とさせる。
【0033】
計測の部位(表面、体積等)の幾何学的寸法、送信装置と受信装置との間の距離は、環境のそのような特徴を構成し得る。
【0034】
特定の実施形態において、本発明による方法は、様々な処理(サンプリング周波数のシフトの算定、時間的シフトの算定、環境のインパルス応答の計算)のために用いられる信号部分を分離するように受信装置によって受信音信号を切り取るステップを備える。この切り取りは、端末のライブラリに保存される送信音信号の対応する部分に基づいて実行され得る。
【0035】
この特徴は、これらの様々な処理の質を向上させることを可能とする。
【0036】
本発明による方法の特定の実施形態において、送信装置と受信装置との間のサンプリング周波数のシフトの算定は、送信音信号の部分と受信音信号の対応する部分とに基づいて取得されるインパルス応答の最大振幅の、サンプリング周波数を変化させることによる最大化により、このシフトの第1の算定の取得を備える。
【0037】
本発明による方法の特定の実施形態において、送信装置と受信装置との間のサンプリング周波数のシフトの算定は、以下の間の、送信音信号の複数の連続した部分の比較に基づく第1の算定の修正を備える:
− 一方で送信音信号の部分と前述の最大化に対応するサンプリング周波数で再サンプリングされた受信音信号の対応する部分とに基づいて取得されたインパルス応答の最大振幅の位置、
− 他方で送信音信号の部分とこの送信音信号の部分と一致した理想的な受信音信号とに基づいて取得された理想的なインパルス応答の最大振幅の位置。
【0038】
特定の実施形態において、送信された信号の部分の自己相関によってこの理想的なインパルス応答が取得される。
【0039】
本発明による方法の特定の実施形態において、送信装置と受信装置との間の時間的シフトの算定は、以下の間の比較に基づいて取得される:
− 一方で送信音信号の部分と受信音信号の対応する部分とに基づいて取得された、インパルス応答の最大振幅の位置、及び
− 他方で送信音信号の部分とこの送信音信号の部分と一致した理論的な受信音信号とに基づいて取得された、理想的なインパルス応答の最大振幅。
【0040】
本発明による方法の特定の実施形態において、送信装置と受信装置との間の時間的シフトの算定は、以下の間の、送信音信号の少なくとも1つの部分の比較に基づいて取得される:
− 一方で送信音信号の部分と前述の最大化に対応するサンプリング周波数で再サンプリングされた受信音信号の対応する部分とに基づいて取得されたインパルス応答の最大振幅の位置、及び
− 他方で送信音信号の部分とこの送信音信号の部分と一致した理論的な受信音信号とに基づいて取得された理想的なインパルス応答の最大振幅の位置。
【0041】
特定の実施形態において、本発明による方法は、修正された受信音信号の無効なシーケンスを削除するステップを備え、これらの無効なシーケンスは、送信音信号のパケットの損失に対応する。
【0042】
本発明による本方法の特定の実施形態において、無効とみなされたシーケンスは、2つの連続した修正された受信音信号の所定の部分の間に存在し、互いに算定される持続時間から閾値を超えて偏位する持続時間により分離されたものである。
【0043】
本発明による方法の特定の実施形態において、送信音信号は、時間タグを形成する信号部分を備え、修正された受信音信号の無効なシーケンスは、以下を比較することによって識別される:
− これらの2つのタグを備える送信音信号の少なくとも1つの部分と修正された受信音信号の対応する部分とに基づいて取得された、インパルス応答の2つの連続したタグの間の持続時間、及び
− 送信音信号のこれらの2つの連続したタグ間の持続時間。
【0044】
本発明による方法の特定の実施形態において、環境のインパルス応答は、無効なシーケンスが削除された修正された受信音信号の少なくとも1つの部分と、無効なシーケンスに対応するシーケンスが削除された送信音信号の対応する部分と、に基づいて計算される。
【0045】
特定の実施形態において、送信音信号は、少なくとも1つのシーケンスの繰り返しを備える少なくとも1つの部分を備え、環境のインパルス応答は、以下を実行することにより取得される:
− これらの各シーケンスと受信音信号の対応するシーケンスとに基づくインパルス応答の計算、
− 各部分内のこれらのインパルス応答の平均化、そして
− これらの全ての部分の平均の平均化。
【0046】
この特徴は、好適に非線形性の課題の影響を解決し、又は低減させることを可能とする。
【0047】
特定の実施形態において、送信音信号の部分は、以下の中から選択される少なくとも1つのシーケンスを備える:
− MLSシーケンス(「M系列(Maximum Length Sequence)」)、
− IRSシーケンス(「逆反復シーケンス(Inverse Repeated Sequence)」)、
− TSPシーケンス(「時間引き延ばしパルス(Time−Streched Pulses)」)、
− 「対数正弦波掃引(Logarithmic SineSweep)」シーケンス。
【0048】
特定の実施形態において、受信音信号の部分と送信音信号の対応する部分とに基づいてインパルス応答を取得するため、送信音信号の部分に存在するシーケンスの形式に適した正確なデコンボリューションスキームが選択される。「シーケンスの形式に適した正確なデコンボリューションスキーム」は、特に、MLS又はIRSシーケンスの場合における循環相互相関、TSPシーケンスの場合における圧縮フィルタ、対数正弦波掃引シーケンスの場合における逆フィルタのような、正確な逆数学的操作を含むとみなされるシーケンスの形式のためのスキームを意味する。送信音信号の部分に存在するシーケンスの形式に適した正確なデコンボリューションスキームの選択は、正確なインパルス応答が取得されることを保証し、これは、送信音信号と受信音信号との間で適合するための反復スキームのような近似するスキームのケースとはならない。これは、本発明による方法の高い信頼性となる。
【0049】
好適な実施形態において、送信装置と受信装置との間のサンプリング周波数のシフトの第1の算定及び/又は時間的シフトの第1の算定を可能とするために用いられる送信音信号のその部分は、MLSシーケンス(「M系列」)及びIRSシーケンス(「逆反復シーケンス」)の中から選択される少なくとも1つのシーケンスを備える。そのようなMLS又はIRSシーケンスの使用は、送信装置による送信音信号のレベルがバックグラウンドノイズのレベルより小さいときでさえ、いわば、複数のシーケンスに亘る平均を有することなく、送信音信号の1つのシーケンスを解析することによってサンプリング周波数のシフト及び/又は時間的シフトの算定を可能とする利点を有する(シーケンスは十分な持続時間を備えて選択される)。
【0050】
本発明は、更に環境の少なくとも1つの音響パラメータを取得するためのシステムに関し、このシステムは、以下を備える:
− 送信音信号を送信するための送信装置、
− 受信音信号を受信するための少なくとも1つの受信装置、
− 環境のインパルス応答を決定するためのモジュール、及び
− このインパルス応答に基づいて環境の音響パラメータを取得するためのモジュール。
【0051】
本発明によるシステムは、以下を備えるという点で注目に値する:
− 受信音信号の少なくとも1つの部分と送信音信号の対応する部分とに基づいて取得される少なくとも1つのインパルス応答に基づいて、送信装置と受信装置との間のサンプリング周波数のシフトを算定するためのモジュール、
− 受信音信号の少なくとも1つの部分と送信音信号の対応する部分とに基づいて取得された少なくとも1つのインパルス応答に基づいて、送信装置と受信装置との間の時間的シフトを算定するためのモジュール、
− その算定に基づいてこの受信装置による受信音信号に対してサンプリング周波数のシフトの修正及び時間的シフトの修正を適用することによって取得される、修正された受信音信号を取得するためのモジュール、及び
− 修正された受信音信号の少なくとも1つの部分と送信音信号の対応する部分とに基づいて取得された少なくとも1つのインパルス応答に基づいて環境のそのインパルス応答を決定するように構成される、環境のインパルス応答を決定するためのモジュール、
【0052】
本発明によるシステムの特定の特徴及び利点は、本発明の方法と同一又は類似し、ここで繰り返さない。
【0053】
特定の実施形態において、受信音信号を受信するためにシステムの様々なモジュールが装置に組み込まれる。
【0054】
変形例として、これらのモジュールは、設備の別のアイテム、たとえば通信ネットワークによって受信装置に接続されたコンピュータにおいて実施され得る。この変形例において、受信装置は、この設備の遠隔のアイテムに対して受信音信号を送信し、これは環境の音響パラメータの決定に必要な全ての計算を担当する。この目的のため、この設備のアイテムが事前にこの受信装置又はたとえばデータベースのいずれかから送信される信号の特徴を取得することが必要である。
【0055】
本発明の他の特徴及び利点は、任意の限定的特徴を除いたその例示的実施形態を示す図及び付録1を参照しつつここで以下に与えられる詳細な説明から示される。
【発明を実施するための形態】
【0057】
付録1は、本発明の特定の実施形態において用いられ得る例示的送信音信号を提供する。
【0058】
《第1の実施形態の詳細な説明》
図1は、概略的な方法で本発明の特定の実施形態による端末10を示す。本実例において、この端末は、スマートフォンで構成され、電話機能以上に、より一般的に通信機能を提供し、多様なアプリケーションが端末にインストールされるとすぐにそれにアクセスする。
【0059】
ハードウェアの観点から、この端末は、特にプロセッサ11と、特に端末のドライバ及びオペレーティングシステムといったシステム機能が記録される、ROM形式の読み出し専用メモリ12と、マイク13と、音スピーカ14と、スクリーン15と、音カード16と、1つ又は複数の通信モジュール(3G、4G、Bluetooth、WiFi等)17と、この図には示されない、アプリケーションAPP及びユーザデータを備える書き換え可能な不揮発性メモリ18とを備え、これらの要素はバスシステムによって共に接続される。
【0060】
知られた方法において、スクリーン15は、アイコンI1、I2、ITで示されるマンマシンタッチインタフェースを構成し、端末のユーザによってインストールされたシステムアプリケーション及び様々なアプリケーションAPPに対応する。
【0061】
これらのアイコンの中で、アイコンITは、端末が電気通信ネットワーク、端末のオペレーティングシステムと互換性のあるダウンロード可能なアプリケーションのポータルを介して離れてアクセスし、任意に支払い及び/又は認証を介して新しいアプリケーションAPPを書き換え可能な不揮発性メモリ18内にインストールするのを可能とする。
【0062】
本明細書に記載された実施形態において、本発明によるコンピュータプログラムPGは、このアプリケーションポータル、及びタッチインタフェース15に示された関連したアイコンからダウンロードされ得る。
【0063】
図2を参照すると、この実例において、我々は、2つの端末RX1、RX2(後者(本発明の意味の範囲内における受信装置)と共通した機能的部分に関して
図1の端末10と同一又は類似する)を所有するユーザが、一度の計測において2つの位置の環境100の音響特性を評価することを望むということを仮定しており、ここで、この環境は、この実例において台及びこの台に面する複数の列のデスクを備えるクラスルームを構成している。
【0064】
まだであれば、ユーザは、端末RX1、RX2のそれぞれの不揮発性メモリ18内にコンピュータプログラムPGをダウンロードしてインストールし、これらの端末を位置P1、P2に配置し、台のレベルに筐体TX(本発明の意味の範囲内において送信装置)を配置する。
【0065】
この筐体TXは、環境100において送信音信号の形式で再生される音信号S1
kをこれらの端末の1つから受信可能なように、それらの端末RX1、RX2と互換性のある、示されない通信手段を備える。本実例において、筐体TXは、従来の方法においてラウドスピーカ、バッテリー、動力管理回路、無線接続性モジュール、デジタルーアナログコンバータ、音増幅器を備える自律性の筐体である。
【0066】
図3は、コンピュータプログラムPGのインストール後の、端末RX1、RX2のそれぞれの不揮発性メモリ18の部分を示す。このメモリは、以下を備える:
− コンパイルされた、又はその他コンピュータプログラムの、プロセッサ11によって読み取り可能な指令に対応する部分「コード」であってこれらの指令が本発明による方法の、
図5に示されたステップE5からE70の実行を可能とする、部分「コード」;
− 端末のマンマシンインタフェース15を介してユーザによって選択可能なコンテキストCT
kのライブラリ「LC」であってそれぞれの計測コンテキストが対(環境/使用の形式)で定義されるライブラリ「LC」;及び
− 所定の、又はこれらのコンテキストと関連したパラメータ化可能な音信号S1
kライブラリ「LS」。
【0067】
本明細書に記載の実施形態において、コンピュータプログラムPGの更新は、たとえば新しいコンテキストCT
k又は新しい音信号S1
kが入手可能なときに、ポータルからダウンロードされてメモリ18内にインストールされ得る。
【0068】
我々は、本実例において、コンピュータプログラムPGが、本明細書に記載の実例において端末RX1、RX2によりそれぞれ実施される、「マスター」/「スレーブ」を参照される操作の2つのモードを提供すると考え、ここで
− 「マスター」モードは、端末RX1が、インタフェース15を介してライブラリLCにおいてコンテキストCT
1を選択し、音LSのライブラリ内のこのコンテキストと関連した以下S1
1を参照される音信号を決定し、通信手段17によって「スレーブ」モードの端末RX2に対してこの音信号の基準を送り、環境において送信音信号S1
1の形式で筐体がそれを再生するように通信手段17によって筐体TXに対して音信号を送り、所定のタイムアウト後にマイク13によって受信音信号S2
11のキャプチャを制御し、音カード16によって不揮発性メモリ18においてこの受信音信号S2
11を記録し、筐体TXによる送信音信号S1
1と受信音信号S2
11とに基づいて端末RX1の位置P1で環境の音響パラメータCA
P1を決定し、端末のユーザに対してこれらのパラメータに基づいて生成された情報メッセージMSGを示すことを可能とし;
− モード「スレーブ」は、端末RX2が、「マスター」端末RX1から通信手段17によって音信号S1
1の基準を受信し、所定のタイムアウトの後にマイク13によって受信音信号S2
12のキャプチャを制御し、音カード16によって不揮発性メモリ18にこの受信音信号S2
12を記録し、筐体TXによって送信された送信音信号S1
1と受信音信号S2
12とに基づいて端末RX2の位置P2において環境の音響パラメータCA
P2を決定し、端末のユーザに対してこれらのパラメータに基づいて生成された情報メッセージMSGを示すことを可能とする。
【0069】
一般的な方法において、送信された音信号S1
kは、10Hzから22050Hzまでの間に存在する全ての周波数の無視できないスペクトル密度を有し、良好な自己相関特性を呈する優先的音信号である。特に、送信される音信号S1
kは、ホワイトノイズ又はピンクノイズのようなノイズである。
【0070】
例示により、以下のことを考慮することが可能である:
− 音信号が、10Hzから22050Hzまでの間に存在する全ての周波数に関して、この範囲におけるそれぞれの周波数が最大スペクトル密度の10%より大きいスペクトル密度を呈するときに、無視できないスペクトル密度を呈すること、
− それがかなり明確な自己相関ピークを呈するとき、特に、0.1秒より大きい時間における自己相関の値が、0秒における自己相関の値の2%より小さく、好適には1%より小さいとき、より好適には0.5%より小さいときに、音信号が良好な自己相関特性を呈すること。
【0071】
本明細書に記載の実施形態において、
図4を参照して説明されたように、送信音信号S1
1は、ヘッダP0(又は「パディングビット」)を満たした後、第1の部分P1
11、及び、次いで第2の部分又は「タグ」P1
12によって囲まれた第3の部分P1
13nを備える。
【0072】
これらの部分P1
11、P1
12、P1
13nのそれぞれは、環境100における音信号の算定される残響時間に対して十分に長い持続時間となるように選択されなければならない。
【0073】
第1の部分P1
11は、この例において、以下を可能とするために用いられる:
− サンプリング周波数のシフトDHiの第1の算定DHi
*;及び
− 送信装置TXと各受信装置RXiとの間の時間的シフトDTiの算定。
【0074】
この第1の部分P1
11は、送信装置TXと各受信装置RXiとの間の算定される時間的シフトより、概して2秒のオーダーで長い。
【0075】
第2の部分又は送信音信号S1
1のタグP1
12は、本実施形態において、以下を可能とする:
− サンプリング周波数のシフトDHiの算定DHi
*を修正すること
− 第3の部分P1
13nに基づいて取得されるインパルス応答を変えてしまいかねない、生じ得るパケット損失を検出すること。
【0076】
第2の部分P1
12は、より短い持続時間のMLSシーケンスの組である。
【0077】
本明細書に記載の実施形態において、各第3の部分P1
13nは、非線形性の課題の影響を解決し、又は低減するように、少なくとも1つのシーケンスP1
13nmの繰り返しで構成される。各第3の部分P1
13nの持続時間は、正確な計測のため、環境100における残響時間よりかなり長くなければならない。
【0078】
図5を参照し、ここで、この特定の実施形態において端末RX1、RX2のそれぞれによって実施される方法を説明する。
【0079】
本明細書に記載の実施形態の態様において、コンピュータプログラムPGは、2つの処理、端末RX1によって実行される「マスター」モードに対応する処理PMと、端末RX2によって実行される「スレーブ」モードに対応する処理PEと、を備える。
【0080】
ステップE5の過程で、ユーザは、端末RX1のマンマシンインタフェース15において、この端末のコンテキストLCのライブラリからコンテキストCT
1「クラスルーム」を選択する。
【0081】
ステップE10の過程で、端末RX1のプロセッサ11は、音信号のライブラリLSにおいてこのコンテキストと関連した音信号S1
1を決定する。
【0082】
ステップE15の過程で、端末RX1は、無線通信手段17によって端末RX2に対して音信号S1
1の基準を送る。端末RX2は、この基準をステップF15の過程で受信する。
【0083】
ステップE20の過程で、「マスター」端末RX1は、それが環境100において送信音信号S1
1の形式で再生するように、筐体TXに対して音信号S1
1を送る。
【0084】
本明細書に記載の実施形態において、マスターRX1及びスレーブRX2端末(以下、RXj)によって実施される方法は、以降、同一である。
【0085】
ステップE25の過程で、端末RXjは、受信音信号S2
1jの記録の開始前に所定の持続時間待機する。この持続時間は、端末RX2及び各端末の受信におけるマイク13と音カード16との構成により、特にステップF15の処理を可能とする。送信音信号S1
1のヘッダP0の持続時間は、筐体TXが送信音信号P1
11の第1の部分を再生する前に端末RXjが実際に受信音信号S2
1jの記録を開始するように選択される。
【0086】
本明細書に記載の実施形態において、送信装置TXのサンプリング周波数f
TXは、44100Hzである。
【0087】
実施において、当業者に知られるように、送信されるアナログ音信号は、その間隔がこの周波数f
TXに対応し、瞬間t
iにおいて振動させるために装置TXのラウドスピーカに対して送られる、それぞれの瞬間t
iの、離散化された振幅A
iに対応する整数値を定義する、値のテーブルを取得するように、プロセッサ又は送信装置TXの構成要素によって処理される。
【0088】
端末RXjのそれぞれは、その書き換え可能な不揮発性メモリ18におけるステップE30の過程で、それが受信する受信音信号S2
1jを保存する。
【0089】
受信装置RXjのf
RXjサンプリング周波数を呼び出して、この装置のプロセッサ11又は音カード16は、その間隔がこの周波数f
RXjに対応し、各瞬間tにおいて、瞬間tにおける装置RXjのマイクによる、受信音信号S2
1jの離散化された振幅A(t)に対応する整数値を定義する、値のテーブルを構成する。
【0090】
本明細書に記載の実施形態において、ステップE35の過程で、受信音信号S2
1jは、送信音信号S1
1の部分P1
11、P1
12、P1
13nに対応する部分P2
1j1、P2
1j2、P2
1j3nに切り出される。
【0091】
ステップE40の過程で、端末RXjのプロセッサ11は、送信装置TXと受信装置RXjとの間のサンプリング周波数のシフトDHjの第1の算定DHj
*を実行する。
【0092】
このステップは、特に、サンプリング周波数を変化させることによって(たとえば44000Hzから44100Hzまでの間で)最大化において、送信音信号S1
1の第1の部分P1
11と受信音信号S2
1jの対応する第1の部分とに基づいて取得されるインパルス応答の最大振幅を構成する。
【0093】
サンプリング周波数のシフトDHjの第1の算定DHj
*に対応する、この最大振幅を取得することを可能とする受信音信号S2
1jのサンプリング周波数は、このステップE40の過程で保存される。
【0094】
サンプリング周波数のシフトのこの第1の算定DHj
*は、受信音信号の再サンプリングによって、たとえば値T2
jのテーブルの値の線形補間による新しいテーブルを生成する。
【0095】
ステップE45の過程で、端末RXjのプロセッサ11は、送信装置TXと受信装置RXjとの間の時間的シフトDTjを算定する。
【0096】
時間的シフトDTjを算定するこのステップは、特に、本実施形態において、以下の比較を構成する:
− 一方で、送信音信号S1
1の第1の部分P1
11とステップE40において保存されたサンプリング周波数で再サンプリングされる受信音信号S2
1jの対応する第1の部分P2
1j1*とに基づいて取得される、インパルス応答の最大振幅の位置、
− 他方で、送信音信号S1
1の第1の部分P1
11とこの第1の部分P1
11と一致した理論的な受信音信号とに基づいて取得される、理想的なインパルス応答の最大振幅の位置。
【0097】
時間的シフトDTjの算定に対応する、これらの2つの位置の間の時間差は、このステップE45の過程で保存される。
【0098】
ステップE50の過程で、端末RXjのプロセッサ11は、送信装置TXと受信装置RXjとの間のサンプリング周波数のシフトDHjの第1の算定DHj
*を修正する。
【0099】
このステップE50は、ステップE45において保存された時間的シフトDTjが修正された後に、すなわち、受信された全ての信号S2
1jが時間的にシフトされた後に、送信音信号S1
1の第1の部分P1
11と受信音信号S2
1jの第2の部分P2
1j1*とに基づいて取得されるインパルス応答の最大振幅を、送信音信号S1
1の第1の部分P1
11とこの第1の部分P1
11と一致する理論的な受信音信号とに基づいて取得される理想的なインパルス応答の最大振幅の位置と対応する位置へと移すように、好適に実行する。
【0100】
ステップE50は、次いで特に本実施形態において、送信音信号S1
1のタグP1
12又は様々な連続した第2の部分に関して、以下の比較を構成する:
− 一方で、送信音信号S1
1の第2の部分P1
12とステップE40において保存されたサンプリング周波数で再サンプリングされた受信音信号S2
1jの対応する第2の部分P2
1j2*とに基づいて取得される、インパルス応答の最大振幅の位置、
− 他方で、送信音信号S1
1の第2の部分P1
12とこの第2の部分P1
12と一致した理論的な受信音信号とに基づいて取得される、理想的なインパルス応答の最大振幅の位置。
【0101】
これらの2つの位置の間の時間差が、送信音信号S1
1の様々な連続した第2の部分又はタグP1
12に亘り広がる場合、サンプリング周波数のシフトDHjの算定は、送信音信号S1
1の全ての連続した第2の部分又はタグP1
12のその2つの位置の間の同じ時間差が取得されるサンプリング周波数を決定することによって修正され得る。
【0102】
サンプリング周波数のシフトDHjの修正された算定に対応する、全ての連続した第2の部分又はタグP1
12のこの同じ時間差を取得することを可能とする受信音信号S2
1jのサンプリング周波数は、このステップE50の過程で保存される。
【0103】
このステップE50の過程で、一度前述の時間差が全ての連続した第2の部分又はタグP1
12で等しくなると、送信音信号S1
1の各第2の部分P1
12と受信音信号S2
1jの対応する第2の部分P2
1j2*とに基づいて取得されるインパルス応答の最大振幅を、送信音信号S1
1の各第2の部分P1
12とこの第2の部分P1
12と一致する理論的な受信音信号とに基づいて取得される理想的なインパルス応答の最大振幅の位置と一致する位置へと移動させるように、受信信号S2
1jの全てを時間的にシフトすることによって、送信装置TXと受信装置RXjとの間の時間的シフトDTjの算定を修正することが更に可能である。
【0104】
ステップE52の過程で、サンプリング周波数のシフトの修正及び時間的シフトの修正が、本発明の意味の範囲内における修正された受信音信号S3
1j*を生成するように、サンプリング周波数のシフトDHj及び時間的シフトDTjの、前に取得された算定に基づいて、受信音信号S2
1jに適用される。
【0105】
本明細書に記載の実施形態において、本発明による方法は、修正された受信音信号S3
1j*の無効なシーケンスを削除するステップE55を更に備え、これらの無効なシーケンスは、送信音信号S1
1のパケットの損失に対応する。
【0106】
本明細書に記載の実施形態において、この検出は、これらの2つのタグを備える送信音信号S1
1の少なくとも1つの部分と修正された受信音信号S3
1j*の対応する部分とに基づいて取得されるインパルス応答の2つの連続したタグの間の持続時間が、実質的に送信音信号S1
1の対応する2つのタグP1
12の間の持続時間と等しいことの検証によって、実行される。
【0107】
インパルス応答の2つの連続したタグの間の持続時間が送信音信号S1
1の対応する2つのタグP1
12の間の持続時間から所定の閾値を超えてずれたとき、これらのタグの間のパケットが損失されたとみなされ、これらのタグの間に存在する送信音信号P1
13n及びP2
1j3n対応する第3の部分は、送信音信号S1
1及び修正された受信音信号S3
1j*において共に除かれる。
【0108】
これらの損失されたパケットを取り除かれた修正された受信音信号S3
1j*は、S3
1jで示される。
【0109】
繰り返せば、本実例において、2つのタグP1
12の間に存在する送信音信号S1
1の第3の部分P1
13nは、少なくとも1つのMLSシーケンスP1
13nmの繰り返しで構成される。
【0110】
本明細書に記載の実施形態において、ステップE60の過程で、インパルス応答がこれらのシーケンスP1
13nm、P2
1j3nmのそれぞれに基づいて計算され、第3の部分P1
13n内のこれらのインパルス応答の平均は、mの全ての値で計算され、次いで最終的に、これらの平均の平均は、nの全ての値で、言い換えれば、音信号S1
1、S3
1jのこれらの第3の部分P1
13n、P2
1j3nで計算される。
【0111】
受信装置RXjの位置における環境100のインパルス応答RI
Pj(本例示においてRI
P1、RI
P2)がこうして取得される。
【0112】
このインパルス応答は、ステップE65の過程で、たとえばISO標準3382によって定義される、前に繰り返された音響パラメータといった、環境の1つ又は複数のパラメータCA
Pjの計算を可能とする。
【0113】
本明細書において説明された特定の実施形態において、本発明による方法は、この、又はこれらの音響パラメータに基づいて、音響的快適さに関する情報メッセージを生成するように構成されたエキスパートシステムを備え、このメッセージは、音響特性の専門家ではないユーザにとって明確である。このメッセージは、たとえばユーザに特定の条件(交通からのノイズ感度ノイズ近接感度等)による環境の快適さについて通知する。
【0114】
このメッセージは、ステップE70の過程で端末のマンマシンインタフェース15によって再生される。
【0115】
好適な方法において、本発明による方法及びシステムは、環境周りで収集された環境の音響パラメータのデータに基づいて、ユーザに、環境の絶縁性の変化後の、特にリノベーション後の変更された音響的快適さのシミュレーションを提供するように構成されたモジュールを更に備える。
【0116】
《第2の実施形態》
本明細書において上述した第1の実施形態において、送信装置は、環境100において気体を励振可能な筐体TXである。より詳細には、送信音信号S1
1は、筐体の膜によって気体において生成され、最初に気体に伝搬し、次いで、受信装置がRX1、RX2である限り、環境(隔壁、床等)の特定の固体に伝搬し得る。
【0117】
変形例として、
図6に示される第2の実施形態において、送信装置は、固体を励振できる表面送信器TDである。特に、
図6に示された実例において、送信器TDは、環境100の第1の部屋の床に接する。これにより関連付けられる固体において送信器TDによって生成される送信信号は、本発明の意味の範囲内の音信号である。この送信音信号S1
1は、最初に固体内(床)を伝搬し、次いで気体内、次いで1つ又は複数の受信装置である限り、環境の他の固体を伝搬し得る。
【0118】
図6の例示において、音信号は、特に送信器TDによって励振される床の下に位置する環境100の第2の部屋における位置P1に配置された受信装置RX1である限り、伝搬する。そのような構成は、隔壁(
図6の実例における床)による構造耐性ノイズ送信評価し、衝撃ノイズ絶縁に関するこの隔壁の特性を決定することを可能とする。
【0119】
図6の実例において、送信器TDは、第1の部屋に配置される端末から送信される音信号を受信し、送信器TDは、この第1の部屋の床に設置される。送信器TDは、環境100において送信音信号S1
1の形式で再生されるこの端末音信号からの受信を可能とするように、それらの端末、特に無線通信手段と互換性のある、示されない通信手段を備える。本例示において、送信器TDは、従来の方法において、振動器、バッテリー、動力管理回路、無線接続性モジュール、デジタルーアナログコンバータ、音増幅器を備える、自律性の装置である。さらに、第2の部屋に配置された第1の部屋及び受信装置RX1において配置される端末は、それぞれ後者と共通した機能的部分に関して
図1の端末に同一又は類似する。
【0120】
図5のステップE5と類似したステップの過程で、ユーザは、第1の部屋、この端末のコンテキストLCのライブラリから「床によって分離された部屋」コンテキストに配置された端末Tのマンマシンインタフェース15において選択し、
図5のステップE10と類似したステップの過程で、端末のプロセッサ11は、音信号のライブラリLS内のこのコンテキストと関連した音信号を決定する。ステップE15と類似したステップの過程で、端末Tは、その後に、無線通信手段17によって、音信号S1
1の基準を端末RX1に対して送る。端末RX1は、ステップF15と類似したステップの過程でこの基準を受信する。したがって、
図5のステップE20と類似したステップの過程で、端末Tは、第1の部屋の床において送信音信号S1
1の形式で送信器が再生するように、音信号を送信器TDに対して送る。床の下に位置する第2の部屋において配置される受信音信号S2
11を受信するために端末RX1によって実施される方法の以下のステップは、
図5を参照して前述したステップと同じである。
【0121】
《第3の実施形態》
本明細書において上述した実施形態において、ユーザは、マンマシンインタフェース15の所定のリストから計測コンテキストを選択する。
【0122】
第3の実施形態の変形例として、マンマシンインタフェースは、たとえば「エキスパート」モードにおいてより向上したメニューを有することができ、ユーザが、たとえば環境の形状(表面、体積)、その構造(材料の形式)、又は、送信装置TX、TDと受信装置又は装置RXとの間の距離、に関する環境のパラメータを定義することを可能とする。
【0123】
この第3の実施形態において、送信音信号S1
kは、環境のこれらのパラメータの機能として最適化される。
【0124】
《第4の実施形態》
第4の実施形態において、方法は、送信音信号S1
kをフィルタリングするステップと、修正された受信音信号S3
kjをフィルタリングする対応するステップと、を備える。
【0125】
これらのステップは、
図5の方法のステップE10及びE55の後にそれぞれ実施され得る。このフィルタリングステップが実行されるとき、マスター端末は、そのスレーブ端末に、ステップE15において送られるメッセージで通知する。
【0126】
このフィルタリングは、特に特定の周波数を除くことによって、より好適にはユーザのために人に不快な周波数を除くことによって、送信音信号S1
kを示すために計測の持続時間を最適化することを可能とする。
【0127】
《第5の実施形態》
第5の実施形態において、第1の実施形態の方法とは異なる方法は、送信装置TXと受信装置RXjとの間のサンプリング周波数のシフトDHjの第1の算定DHj
*を修正するそのステップE50において、時間的シフトDTjを算定するステップを介することなく、サンプリング周波数のシフトの第1の算定DHj
*の直後に実施される。言い換えれば、サンプリング周波数のシフトの第1の算定DHj
*を修正するステップE50は、前の時間的シフトDTjの修正を行わずに実施される。
【0128】
この第5の実施形態は、しかしながら、送信音信号S1
1の連続した第2の部分又はタグP1
12が時間的シフトDTjより長くなり、これにより送信音信号S1
1のそれぞれの第2の部分P1
12とステップE40において保存されたサンプリング周波数で再サンプリングされる受信音信号S2
1jの対応する第2の部分P2
1j2*との間に重複が生じることを必要とする。
【0129】
本発明は、記載されて説明された例示に限定されない。
【0130】
特に、第1の実施形態において、2つの受信装置RX1及びRX2は、2つの異なる位置における環境の音響パラメータを決定するように提供される。変形例として、本発明による方法及びシステムは、1つの受信装置、特に、この場合において1つの受信装置のみ存在するため音信号S1
1の基準を別の受信装置に対して送信するステップE15を除く前述したような、「マスター」モードに対応する処理Pmのステップを実行する1つの端末によって、受信音信号の受信を含み得る。
【0131】
さらに、
図2を参照して説明された第1の実施形態において、送信装置TXは自律性の筐体である。変形例として、送信装置TXは、それと共通して機能的部分に関して
図1の端末10と同じ又は類似した端末であり得ものであり、そのラウドスピーカ14によって送信信号S1
1を送信する。
【0132】
さらに、異なる位置Pjにおいて環境の音響パラメータを決定するために複数の受信装置RXiが提供される場合において、本発明による方法及びシステムは、中央端末(たとえば第1の実施形態における「マスター」端末)におけるユーザに対して環境のローカルパラメータCA
Pjの組を備え得る1つのメッセージ、或いは環境の1つ又は複数の特徴グローバルパラメータ、或いは前述したような音響的快適さに関する情報メッセージを有するように構成され得る。
【0133】
最終的に、本発明による方法及びシステムは、たとえば建物又は車両における環境の様々な形式の少なくとも1つの音響パラメータを取得するために実現され得る。
【0134】
《付録1》
本付録は、本発明の特定の実施形態において有用な送信信号S1
1の特徴を提供する。
【0135】
本実例において、送信音信号S1
1のそれぞれの部分P1
1kは、M系列(MLS)とも称される、最大長さの線形フィードバックシフトレジスタの最大長さの1つ又は複数のシーケンスで構成される。
【0136】
これらのシーケンスの特性、及びそれらを生成する方法の説明のため、当業者は、Solomon Wolf Golomb、Holden−Dayの1967年の文献「Shift register sequences」を参照することができる。
【0137】
これらのシーケンスは、いわゆる「特性」多項式によって特徴づけられ、その知識は、ユニークなシーケンスを生成することを可能とする。以下、それぞれの多項式は、その0次以外のリストによって特徴づけられる。
【0138】
たとえば、X5+X4+X2+1は[5、4、2、0]と示される。
【0139】
n次のシーケンス(特性多項式の最大次数)において、その長さは2n−1となる。シーケンスは、次いで0s及び1sの2n−1のサイズの列を構成する。
【0140】
音信号を生成するため、(不可欠ではないが)−1s及び1sの強度を取得するため、このシーケンスの全ての要素を2倍してそれらから1を引くと好適である。
【0141】
例示的シーケンスは、以下の連続した信号部分、部分P0:空、部分P1
11:[15、14、0]で生成された強度2のMLSシーケンス、で構成されるオフィスのような平均的部屋の音響的特性を決定するために概して用いられる。この特定の場合において、それぞれのシーケンスのビットは、4回繰り返され、001011が0000 0000 1111 0000 1111 1111となる。部分P1
12:[13,12,11,8,0]で生成された強度5MLSシーケンス。部分P1
131:強度5MLSシーケンスは、したがって、部分P1
1311:[16,15,13,4,0]で生成された1MLSシーケンス。
【0142】
部分P1
1312:[16,15,12,10,0]で生成された1MLSシーケンス。
【0143】
部分P1
1313:[16,15,12,1,0]で生成された1MLSシーケンス。
【0144】
部分P1
1314:[16,15,10,4,0]で生成された1MLSシーケンス。
【0145】
部分P1
1315:[16,15,9,6,0]で生成された1MLSシーケンス。部分P1
12:[13,12,11,8,0]で生成された5MLSシーケンス。部分P1
132:5MLSシーケンスは、したがって、部分P1
1321:[16,15,9,4,0]で生成された1MLSシーケンス。
【0146】
部分P1
1322:[16,15,7,2,0]で生成された1MLSシーケンス。
【0147】
部分P1
1323:[16,15,4,2,0]で生成された1MLSシーケンス。
【0148】
部分P1
1324:[16,11,13,11,0]で生成された1MLSシーケンス。
【0149】
部分P1
1325:[16,14,13,5,0]で生成された1MLSシーケンス。
【0150】
部分P1
12:[13,12,11,8,0]で生成された強度5MLSシーケンス。
【0151】
部分P1
133:強度5MLSシーケンスは、したがって、部分P1
1331:[16,14,12,7,0]で生成された1MLSシーケンス。
【0152】
部分P1
1332:[16,14,11,7,0]で生成された1MLSシーケンス。
【0153】
部分P1
1333:[16,14,9,7,0]で生成された1MLSシーケンス。
【0154】
部分P1
1334:[16,14,9,4,0]で生成された1MLSシーケンス。
【0155】
部分P1
1335:[16,14,8,3,0]で生成された1MLSシーケンス。部分P1
12:[13,12,11,8,0]で生成された5MLSシーケンス。部分P1
134:強度5MLSシーケンスは、したがって、部分P1
1341:[16,13,12,11,0]で生成された1MLSシーケンス。
【0156】
部分P1
1342:[16,13,12,7,0]で生成された1MLSシーケンス。
【0157】
部分P1
1343:[16,13,11,6,0]で生成された1MLSシーケンス。
【0158】
部分P1
1344:[16,13,9,6,0]で生成された1MLSシーケンス。
【0159】
部分P1
1345:[16,13,6,4,0]で生成された1MLSシーケンス。
【0160】
部分P1
12:[13,12,11,8,0]で生成された強度5MLSシーケンス。