【実施例】
【0070】
一般的な方法
示差走査熱量測定法
示差走査熱量測定(DCS)データを、TA Instruments Q10 DSCを使用して収集した。典型的には、試料(2〜8mg)を、密封されないが、覆われた気密性のアロジン処理されたアルミニウム試料皿に設置し、50mL/分の窒素パージを使用して、10℃/分の速度で30〜300℃で走査した。
【0071】
熱重量分析
熱重量分析(TGA)データを、TA Instruments TGA Q500を使用して収集した。典型的には、試料(約10mg)を、開放された、予め風袋引きされた(pre−tared)アルミニウム試料皿に設置し、60mL/分の窒素パージを使用して、10℃/分の速度で25〜300℃まで走査した。
【0072】
X線粉末回折計
X線粉末回折パターンを、Cu Kα放射源(λ=1.54°A)、9−位置試料ホルダー、及びLYNXEYE超高速検出器を装備したBruker D8 Advanceを使用して得た。試料をゼロ背景のシリコンプレートホルダー上に設置した。
【0073】
動的水蒸気吸着
試料を、Aquadyne DVS−2重量法水吸着分析器を使用して分析した。相対湿度は2〜95%に調節され、試料の重量は継続して監視され、記録された。
【0074】
プロトン核磁気共鳴
0.05%(v/v)テトラメチルシラン(TMS)を含む重水素化されたジメチルスルホキシドに化合物を溶解することによって試料を調製した。TopSpinソフトウェアを備えたBruker Avance 300 MHz NMRで、スペクトルを周囲温度で収集した。走査の数はプロトンNMRに関して16であった。
【0075】
カール・フィッシャー
試料中の見かけ含水量は、Mettler Toledo DL39 Coulometric KF Titratorを使用して、カール・フィッシャー滴定によって決定された。HYDRANAL−Coulomat ADは滴定試薬として使用された。約20mgの固体を滴定に使用した。分析パラメータを表9に提示する。
【0076】
【表9】
【0077】
光学顕微鏡
PAXcam 3デジタル顕微鏡カメラを装備したOlympus BX53偏光顕微鏡使用して試料を分析した。
【0078】
実施例1.固体状態のβ−GPAのプロファイリング
固体状態のβ−GPAをXRPDによって分析し(
図2)、偏光顕微鏡下でも観察した(
図3)。材料は結晶質であることが分かった。
【0079】
β−GPAのDSCサーモグラムを
図4に図示する。β−GPAの融解開始はおよそ219℃であり、その後、およそ237℃で吸熱事象及び即時分解の可能性が続くことが分かった。しかしながら、この材料は、187℃で別の小さな吸熱事象も呈した(微量の別の形態のβ−GPAの可能性)。
【0080】
TGA分析は、
図5に図示されるように、試料において、30〜145℃での0.1%未満の重量損失があることを明らかにする。
【0081】
β−GPAの
1H NMRを
図6に示す。
【0082】
β−GPAのDVS実験は、0〜95パーセントの相対湿度に曝されたとき、およそ0.1%の水分が吸収及び脱着したことを明らかにした(
図7)。XRPDによって確認されるように、DVS実験後に固体形態の変化は観察されなかった。
【0083】
実施例2.塩スクリーニング
段階I
表10は、β−GPAの塩スクリーニングに関して選択された対イオンを図示する。塩スクリーニング実験は、β−GPA対対イオンに関して1:1.1当量(eq)に設計された。
【0084】
【表10】
【0085】
19の異なる対イオンでのβ−GPAの76の塩スクリーニング実験を、30mgのβ−GPAで設定した。各対イオンに関して一組4つのバイアルを、4つの異なる溶媒(0.3mL):エタノール:水(9:1)、イソプロパノール、アセトン:水(9:1)、及びアセトニトリルで設定した。
【0086】
適切な量のβ−GPA及び対イオンをそれぞれの溶媒中に溶解し、溶解するまで70〜75℃に加熱した。追加の0.1mLの水を、イソプロパノール、アセトン:水(9:1)及びアセトニトリルに添加した。L−アスパラギン酸を含有する試料に対して、およそ1.5mLの水が固体を溶解するのに必要であった。透明な溶液が得られた後、試料を室温で撹拌のために放置した。固体は以下の試料において観察された:2163−42−4、25、26、27、28、45、及び53〜75。固体を濾過し、湿潤試料として直ちにXRPDにより分析した。固体が得られなかった試料を、乾燥させるために50℃のオーブンに設置した。以下の試料で、一晩乾燥させた後に固体が得られた:2162−42−2、1、2、3、及び21〜24。L−アスパラギン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化マグネシウムでの実験は、β−GPAまたは対イオンのいずれかの沈殿をもたらした。全ての実験観察を、各段階後に記録し、表11に列記する。
【0087】
【表11】
EtOH=エタノール、IPA=イソプロパノール、MeCN=アセトニトリル
【0088】
図8〜13は、スラリー/緩徐な蒸発実験から単離された新しい結晶質のXRPDを表す。
【0089】
段階II
塩スクリーニング実験の段階Iでゲルをもたらした試料は、別の4つの新しい溶媒系(メタノール、水、酢酸エチル、及びトリフルオロエタノール)組が使用された、段階IIが考慮された。ゲルを70℃でそれぞれの溶媒(表10)中に溶解し、一晩撹拌させた。沈殿が観察された場合、翌日に、撹拌を中止し、試料に対してXRPD分析を行った。沈殿がない場合、試料を50℃のオーブンで乾燥させた。メタノール中の臭化水素酸、及び酢酸エチル、ならびにメタノール中のL−乳酸の3つの実験が、XRPD分析により確認される沈殿β−GPAをもたらした。結晶質形態を、リン酸(酢酸エチル及びトリフルオロエタノールから)、メタンスルホン酸(酢酸エチルから)、エタンスルホン酸(4つ全ての溶媒から)、及びL−リンゴ酸(トリフルオロエタノールから)で調製した。
【0090】
実施例3.2:1(β−GPA:酸)モル比の塩スクリーニング実験
2:1(β−GPA:酸)比におけるマレイン酸、フマル酸、及びシュウ酸でのβ−GPAの塩スクリーニング実験を設定した。シュウ酸及びマレイン酸に関して、およそ0.3mLの水を使用して、90℃で、β−GPA(120mg)及び対イオンを2:1(β−GPA:酸)比で溶解した。しかしながら、フマル酸での実験に関して、0.2mLのメタノールを使用して、65℃で対イオンを溶解した。全ての実験は、10分以内に白色固体の沈殿をもたらした。しかしながら、バイアルを週末にわたって撹拌のために放置した。
【0091】
固体を濾過し、濾過中に0.5mLのイソプロパノールですすぎ、その後XRPD分析を行った。結果を表12の表にまとめる。
【0092】
【表12】
【0093】
XRPD分析は、マレイン酸実験に関して新しいXRPDパターンを明らかにした(パターン6B、
図14)。1H−NMRは、2:1塩がβ−GPAとマレイン酸との間で形成されたことを明らかにした(
図15)。
【0094】
実施例4.β−GPAの物理的及び熱的特徴付け
塩酸塩
β−GPA−HCl塩(試料ID:2162−42−2)のDSCは、およそ135℃での吸熱事象、続いて、およそ185℃での発熱事象、及び265℃での吸熱の存在を明らかにした(
図16)。DSCにおける発熱事象は、高温顕微鏡により確認されるように、試料の再結晶化から生じる(
図17)。TGA分析は、31℃〜210℃でのおよそ11%の重量損失を明らかにした。
【0095】
リン酸塩
リン酸でβ−GPAの結晶質材料をもたらした2つの試料のXRPDパターンにおいてある程度の相違があったが、DSC及びTGA分析はほぼ同一であった。両試料は、およそ138℃の融点及び1%未満の重量損失を呈した。塩に関する誘導結合プラズマ/発光分光法(ICP−OES)によるリン酸分析は、およそ16%(実験値:14%)であることが分かり、したがって、おそらく1:1塩である。
【0096】
マレイン酸塩(1:1塩)
β−GPA−マレイン酸塩(試料ID:2162−42−21)は、次の温度:90、124、及び141℃で、3つの吸熱を呈した(
図18)。TGA分析は、31〜105℃(第1の吸熱)でのおよそ1.2%の重量損失、105〜138℃(第2の吸熱)でのおよそ5.4%の重量損失を明らかにした。
【0097】
マレイン酸塩(2:1塩)
β−GPA−マレイン酸塩(試料ID:2162−48−6)は、それぞれ、85及び155℃で、2つの吸熱を呈した。しかしながら、乾燥試料は、155℃で1つの吸熱のみを呈した。DSC分析から、水和物が前の事例で形成されたことは明らかであり、一方で、無水形態が乾燥の結果として得られた。TGA分析は、31〜145℃での0.1%未満の重量損失を明らかにした。
【0098】
フマル酸塩(1:1塩)
β−GPA−フマル酸塩(試料ID:2162−42−25)は、171℃で吸熱(
図19)、続いて、塩の分解の可能性を呈した。TGA分析は、31℃〜145℃での1%未満の重量損失を明らかにした。(
図20)1:1フマル酸塩の
1H NMRを
図21に示す。
【0099】
エタンスルホン酸塩
β−GPAとエタンスルホン酸との間の実験から得られた結晶質材料は、50℃のオーブンで3日以上乾燥させた後でも完全に乾燥しなかった(4つ全てのバイアル)。
【0100】
試料をDSCで分析したとき、広い吸熱事象、続いて分解が観察され、TGAも開始点(31℃)からの重量損失を明らかにした。試料の
1H−NMRでは、試料においてエタンスルホン酸の痕跡が認められなかった。したがって、結晶質材料は、β−GPAとエタンスルホン酸との間の化学反応の産物であった可能性がある。
【0101】
L−リンゴ酸塩
β−GPA−L−リンゴ酸塩(試料ID:2162−42−45)は、110℃で吸熱、続いて、塩の分解の可能性を呈した。TGA分析は、31℃〜145℃での1%未満の重量損失を明らかにした。塩の
1H−NMRでは、1:1塩であることが確認された。
【0102】
コハク酸塩(2:1塩)
β−GPA−コハク酸塩(試料ID:2162−42−59)のDSCは、およそ130℃での吸熱事象、続いて、およそ175℃で別の吸熱事象の存在を明らかにした。発熱事象はおよそ179℃(
図22)、続いて、232℃で吸熱事象が観察された。DSCにおける吸熱及び発熱事象を検証するために、高温顕微鏡検査を試料に対して行い、
図23に図示する。TGA分析は、31℃〜135℃でのおよそ0.4%の重量損失、135〜215℃での13%の重量損失を明らかにした(
図24)。
1H−NMRは、β−GPAとコハク酸との間で形成された塩が2:1(β−GPA:酸)モル比であることを明らかにした(
図25)。
【0103】
シュウ酸塩(1:1塩)
図26に表されるように、DSCにより分析したとき、β−GPA−シュウ酸(試料ID:2162−42−69)は、およそ217℃での吸熱事象、続いて、およそ224℃での発熱事象、及び268℃での吸熱の存在を明らかにした。TGA分析は、31〜195℃での0.3%未満の重量損失を明らかにした(
図27)。材料を高温顕微鏡下で観察したとき、216〜226℃で、溶解したように見えた結晶は非常に少なかったが、観察された目に見える再結晶化事象はなかった。268℃から結晶の融解が生じ始め、291℃まで続いた。β−GPAシュウ酸塩の
1H−NMRを
図28に示す。元素分析から、β−GPA対シュウ酸の化学量論比は、1:1であることが分かった(Intertek)。
【0104】
実施例5.光学顕微鏡像
β−GPAの塩を光学顕微鏡によっても分析した。β−GPA塩の光学顕微鏡像を
図29A〜29Jに示す。
図30に示されるように、β−GPAフマル酸塩(1:1)は、ロッド様結晶形態を有する。
【0105】
実施例6.過酷条件下のβ−GPA塩の安定性試験
過酷条件下:湿潤、乾燥(真空下45℃)、及び高湿度(RH95%超)での各塩の固体形態安定性をXRPDにより試験した。結果を表13の表にまとめる。
【0106】
【表13】
【0107】
実施例7.DVS実験
β−GPAマレイン酸塩(1:1)(形態II)、β−GPAフマル酸塩(1:1)、β−GPAマレイン酸塩(2:1)、β−GPAコハク酸塩(2:1)、及びβ−GPAシュウ酸塩(1:1)の4つの塩を、DVS実験により分析し、続いて試料のXRPD分析を実験の完了時に行った。
【0108】
1:1β−GPAマレイン酸塩(パターン6D)は、60%RHから吸湿率の増加を呈し、およそ95%RHで、およそ25%の吸湿率であったが、XRPDにより確認されるように、実験完了後、形態変化はなかった。
【0109】
1:1β−GPAフマル酸塩は、DVS実験中、1%未満の吸湿率を呈した。DVS後試料に対するXRPD分析は、パターン7Aと共にβ−GPAピークの存在を明らかにした(
図31)。
【0110】
2:1β−GPAコハク酸塩及び1:1β−GPAシュウ酸塩の両方は、DVS実験中、0.5%未満の吸湿率を明らかにし、実験完了後、形態変化は観察されなかった。
【0111】
実施例8.異なる溶媒における塩の固体形態安定性
室温で48時間にわたって、水(不均化試験)、メタノール、アセトニトリル、及びアセトン:水(9:1)における固体形態安定性に関して、3つの塩を試験した。
【0112】
1:1β−GPAシュウ酸塩及び1:1β−GPAフマル酸塩は、水中での48時間のスラリー後、それらのXRPDパターンを維持した。2:1β−GPAコハク酸塩は、水中での6時間のスラリー後、β−GPAからアップピークを示し始めたため、実験は6時間後に中止した。
【0113】
メタノール、アセトニトリル、及びアセトン:水(9:1)中での1:1β−GPAフマル酸塩及び1:1β−GPAシュウ酸塩のスラリー化後、塩はそれらのXRPDパターンを維持することが分かった。
【0114】
メタノール及びアセトニトリル中での2:1β−GPAコハク酸塩のスラリー化後、塩はそのXRPDパターンを維持することが分かった。しかしながら、アセトン:水(9:1)中のスラリーは、48時間後にβ−GPAの存在を明らかにした。
【0115】
実施例9.40℃及び75%湿度での塩の固体形態安定性
β−GPAフマル酸塩、コハク酸塩、及びシュウ酸塩の固体形態安定性試験を、7日間にわたって、40℃及び75%RHで行った。およそ30mgの塩を、40℃で、蓋を閉めて塩化ナトリウムの飽和溶液(2mL)中に設置された4mLのバイアルに設置した。試料を1週間放置した後、塩のXRPD分析を行った。3つ全ての塩は、それらの元のXRPDパターンを維持した。
【0116】
実施例10.塩の純度
β−GPA塩の純度を、以下の方法を使用してHPLCにより決定した。
【0117】
HPLC方法を以下に記載する:
カラム:SeQuant ZIC Hilic PEEKカラム(250×4.6mm、5μm)
移動相A:0.02Mリン酸緩衝液、pH3.0
【0118】
2.72gのリン酸二水素カリウムを1Lの脱イオン水に溶解し、85%(w/w)リン酸で所望のpHを調節することにより移動相を調製した。
移動相B:100%アセトニトリル
使用された勾配:
【0119】
【表14】
流量:1mL/分
注入量:10μL
検出波長:210nm
実行時間:30分
カラム温度:40℃
希釈剤:アセトニトリル:水(1:1)
【0120】
対イオンも、それぞれの塩において存在したため、同じ濃度下で、HPLCにより分析した。
【0121】
β−GPA塩の純度を表14に列記する。
【0122】
【表15】
【0123】
実施例11.塩のスケールアップ
シュウ酸塩
およそ7.2g(0.055モル)のβ−GPAを、30mLの水の入ったEasyMax反応槽に添加した。透明な溶液が得られるまで、反応混合物を90℃で撹拌した。この溶液に、およそ5.4g(0.06モル)のシュウ酸をゆっくり添加し、反応器の温度を20℃に下げた。およそ20mLのイソプロパノールを、反応混合物を一晩撹拌するために放置したに添加した。試料ID:2162−64−2。
【0124】
翌日、スラリーを濾過し、固体を10mLのイソプロパノールで2回洗浄した。ケークを乾燥のために45℃の真空オーブンに設置した。収量=11.4g(94%)。固体をXRPDにより分析し、β−GPAシュウ酸塩(パターン18A)形成が確認された。
【0125】
コハク酸塩
およそ72g(0.55モル)のβ−GPAを、75℃の500mLのジャケット付き槽中の400mLのエタノール:水(9:1)に添加し、スラリーを作製した。これに、65℃の200mLのエタノール:水(9:1)に71.2g(0.6モル)を添加することにより調製されたコハク酸のスラリーを添加した。反応器の温度を18℃に下げ、反応混合物を一晩撹拌するために放置した。試料ID:2162−62−1。
【0126】
翌日、スラリーを濾過し、固体を20mLのイソプロパノールで2回洗浄した。ケークを乾燥のために45℃の真空オーブンに設置した。収量=101.3g(97%)。固体をXRPDにより分析し、β−GPAコハク酸塩(パターン15A)の形成を確認した。
【0127】
フマル酸塩
およそ48g(0.37モル)のβ−GPAを、90℃の500mLのジャケット付き槽中の120mLの水に添加し、透明の溶液を得た。この溶液に、65℃の220mLのメタノールに46.8g(0.40モル)を溶解することにより調製されたフマル酸の溶液を添加した。反応器の温度を18℃に下げ、反応混合物を一晩撹拌するために放置した。試料ID:2162−64−1。
【0128】
翌日、スラリーを濾過し、固体を20mLのイソプロパノールで2回洗浄した。ケークを乾燥のために45℃の真空オーブンに設置した。収量=61.5g(90%)。固体をXRPDにより分析し、β−GPAフマル酸塩(パターン7A)の形成を確認した。
【0129】
実施例12.かさ密度およびタップ密度の決定
β−GPAシュウ酸塩(パターン18B)、コハク酸塩(パターン15A)、及びフマル酸塩(パターン7A)のかさ密度を、既知量の塩(g)をメスシリンダーに注ぐことによって決定した。塩によって占められる体積(Vi)を記録し、方程式1を使用してかさ密度(ρ
B)を決定した。
ρ
B=g/V
i(1)
【0130】
塩のタップ密度を、タップ密度分析器を使用して決定した。既知量の塩をメスシリンダーに注ぎ(g)、初期体積を記録し、タップ密度分析器を使用してタップした。タップ後の最終体積(V
f)を記録し、方程式2を使用してタップ密度(ρ
T)を計算した。
ρ
T=g/V
f(2)
【0131】
表15は、β−GPA及びその塩のかさ密度及びタップ密度を列記する。
【0132】
【表16】
【0133】
実施例13.カール指数及びハウスナー比の決定
カール指数またはカール圧縮指数(C)は、粉末の圧縮性の指標である。これは、下の方程式を使用して計算することができる:
カール指数(C)=100(V
i−V
f)/V
i(3)
【0134】
25を超えるカール指数は、不良な流動性の指標であるが、15を下回る値は、良好な流動性の指標であると考えられる。
【0135】
ハウスナー比は、粉末または顆粒材料の流動性に相関する数である。これは、下の方程式を使用して計算することができる:
ハウスナー比=V
i/V
f(4)
【0136】
表16は、R.L.Carlによって提案された粉末の流動性質に対応するカール指数及びハウスナー比を列記する。
【0137】
【表17】
【0138】
表17は、β−GPA及びその塩のカール指数及びハウスナー比を列記する。
【0139】
【表18】
【0140】
実施例14.Hanson Flodexユニットを使用した流動性測定
方法:円筒状の槽をスタンドに固定し、漏斗の下が槽に近接するように、その上に漏斗も固定する。次に、約50〜60gの粉末投入量を、漏斗を通してシリンダの中央に入れる。レバー装置を引っ張り、迅速かつ振動させることなくディスクに穴を空ける。粉末が小径穴を通ってゆっくり流れ、逆さまの円錐台のような形状の空洞を残す場合、試験は正と考えられる。粉末がバルクに凝集し、急に落下して、円筒状の空洞を形成する場合、試験は負と考えられる。粉末が小径穴を通って落下しない場合、試験は負と考えられる。実験が負である場合、より大きい穴を有するディスクで粉末を再度試験する。表18〜21は、β−GPA及びその塩の流動性試験の結果を列記する。
【0141】
【表19】
【0142】
【表20】
【0143】
【表21】
【0144】
【表22】
【0145】
実施例15.1:1フマル酸塩の高湿度でのDVS及び安定性
試料2162−64−1を、3つ組でDVSにより分析し、DVS後の試料を、XRPDで特徴付けし、実験完了時に形態を特定した。3つ全ての実験において、β−GPAフマル酸塩の吸湿率は、0.1%未満であることが分かった。3つ全ての実験において、XRPDは、β−GPAフマル酸塩(パターン7A)と同一であることが分かり、DVS後の試料2162−42−3とは異なり、β−GPAピークの出現は観察されなかった(
図30)。
【0146】
2162−64−1の固体形態安定性も、RH95%超、室温で試験した。β−GPAフマル酸塩は、48時間後、その元のXRPDパターン(パターン7A)を維持することが分かった。
【0147】
塩スクリーニング実験の要約
10のβ−GPAの塩、つまり、β−GPA HCl、β−GPAリン酸塩、β−GPAメシル酸塩、β−GPAマレイン酸塩(1:1、パターン6A)、β−GPAマレイン酸塩(1:1、パターン6D)、β−GPAマレイン酸塩(2:1、パターン6B)、β−GPAフマル酸塩、β−GPAリンゴ酸塩、β−GPAコハク酸塩、及びβ−GPAシュウ酸塩を、塩スクリーニング実験から単離した(段階I及びII)。
【0148】
10の塩のうち、6つの塩:β−GPA HCl、β−GPAリン酸塩、β−GPAメシル酸塩、β−GPAマレイン酸塩(1:1、パターン6A)、β−GPAリンゴ酸塩、及びβ−GPAマレイン酸塩(2:1、パターン6B)を、それらの潮解性、非再現性、または純度問題のため、さらなる試験から除外した。
【0149】
DVS実験を行った後に、β−GPAの3つの塩(β−GPAマレイン酸塩(1:1)、フマル酸塩(1:1)、コハク酸塩(2:1)、及びシュウ酸塩(1:1))を選択し、形態安定性をXRPDにより決定した。
【0150】
β−GPAフマル酸塩、コハク酸塩、及びシュウ酸塩は、DVS実験後、それらのXRPDを維持した。しかしながら、β−GPAフマル酸塩は、塩の解離を示す、β−GPAからの2つのピークの存在を明らかにした。
【0151】
β−GPAフマル酸塩のスケールアップ試料を、再度、DVSにより3回分析し、これらの実験において、試料はいずれの塩の解離を呈さなかった。前のDVS実験を無視した。RH95%超、20℃で、β−GPAフマル酸塩の追加の固体形態安定性試験も、塩が安定していることを明らかにした。
【0152】
塩の純度評価をHPLCにより行い、塩の純度は以下の通りであった:β−GPAフマル酸塩−97.7%、β−GPAコハク酸塩−98.1%、及びβ−GPAシュウ酸塩−98.4%。
【0153】
塩の安定性試験も、室温で48時間にわたって、水(不均化の試験)、メタノール、アセトニトリル、及びアセトン:水(9:1)においてそれらをスラリー化することによって行った。以下の結果が得られた:
−β−GPAマレイン酸塩、フマル酸塩、及びシュウ酸塩は、水における48時間のスラリー後、それらのXRPDパターンを維持したが、β−GPAコハク酸塩は、水中での6時間のスラリー後、β−GPAからの2つのピークを示した。
−48時間のスラリー後、メタノール及びアセトニトリル中のβ−GPAマレイン酸塩は、その元の形態を維持することが分かった。しかしながら、アセトン:水(9:1)におけるスラリーは、XRPD分析におけるいくつかの追加のピークと共に、塩の元のパターン(パターン6D)と一致した。
−48時間のスラリー後、メタノール及びアセトニトリル中のβ−GPAコハク酸塩は、そのXRPDパターンを維持することが分かった。しかしながら、アセトン:水(9:1)におけるスラリーは、XRPD分析における塩と共に、48時間後、β−GPAの存在を明らかにした。
【0154】
β−GPAフマル酸塩、コハク酸塩、及びシュウ酸塩の固体形態安定性試験を、7日間にわたって、40℃及び75%RHで行った。3つ全ての塩は、安定していることが分かり、それらの元のXRPDパターンを維持した。
【0155】
β−GPAの3つの塩を、60〜100gスケールにスケールアップした。β−GPAフマル酸塩及びコハク酸塩を、首尾よくスケールアップしたが、β−GPAシュウ酸塩は、塩のエタノール溶媒和物をもたらした(
1H−NMRにより確認した)。エタノール対β−GPAのモルパーセントは、0.22〜1であることが分かった(パターン18B)。
【0156】
それにもかかわらず、エタノール:水(9:1)から水及びイソプロパノールに溶媒系を変更することにより、元のβ−GPAシュウ酸塩が産生されたが、XPRDパターンは、わずかな量の新しい追加のピークの存在を確認した。
【0157】
β−GPA及びその塩:β−GPAシュウ酸塩(パターン18A及びB)、フマル酸塩、及びコハク酸塩のかさ密度及びタップ密度を、密度分析器ユニットを使用して決定した。同様に、塩の流動性測定を、Hanson Flodexユニットを使用して測定した。
【0158】
実験データから、β−GPA及びβ−GPAシュウ酸塩(パターン18B)は、不良な流動性質を呈することが分かったが、β−GPAシュウ酸塩(パターン18A)は、普通であり、β−GPAコハク酸塩は良好であり、β−GPAフマル酸塩は優れた流動特徴を呈した。
【0159】
固体形態安定性、再現性、密度、及び流動性特性に基づき、β−GPAフマル酸塩がスクリーニングされた塩の中で最良の特性を有するように見える。
【0160】
実施例16.1:1β−GPAフマル酸塩の多形体スクリーニング
1:1β−GPAフマル酸塩の固体形態安定性
β−GPAフマル酸塩の固体形態安定性を、飽和塩溶液チャンバを使用して、表22に列記される種々の温度/湿度条件で、1週間にわたって試験した。試料を、1週間後にXRPDにより分析した。種々の温度/RH条件下のβ−GPAフマル酸塩の安定性試料のXRPD分析は、β−GPAフマル酸塩が元のXRPDパターン(パターン7A)を維持したことを示した。
【0161】
【表23】
【0162】
1:1β−GPAフマル酸塩の溶解度
β−GPAフマル酸塩の溶解度を、15及び45℃で、15の異なる溶媒及び溶媒混合物において、重量測定により測定した。約100mgの化合物を、10体積(1mL)の溶媒/溶媒混合物に分配し、48時間撹拌した。表23は、異なる溶媒におけるβ−GPAフマル酸塩の溶解度を表す。48時間後、バイアルを遠心分離機にかけた。上清を回収し、45℃の真空下で緩徐な蒸発のために放置し、溶解度を決定した。遠心分離及び蒸発後に得た固体をXRPDにより分析した。48時間のスラリー後の沈殿物のXRPD分析は、1:1β−GPAフマル酸塩に関して形態の形質転換がなかったことを明らかにした。
【0163】
【表24】
IPA=イソプロパノール、EtOH=エタノール、EtOAc=酢酸エチル、DCM=ジクロロメタン、TBME=t−ブチルメチルエーテル、MeOH=メタノール、MeCN=アセトニトリル
【0164】
45の試料のうち10に関して、スラリー実験からの濾液の緩徐な蒸発後のXRPDはパターン7Aをもたらした。17の試料は、XRPD分析のための十分な固体を有しなかった。試料2162−74−5Bは、濾液の緩徐な蒸発後に新しい結晶質形態をもたらし、試料2162−74−6Bは、パターン7Aと7Bの混合型XRPDをもたらした(
図32)。
【0165】
β−GPAフマル酸塩を、48時間かけてテトラヒドロフラン:水(1:1)中でスラリー化した。濾液を、真空下45℃での蒸発に設定し、一晩蒸発させた後、オフホワイト色の固体を得た。スラリーからの固体及び緩徐な蒸発後に得られた固体の両方をXRPDにより分析した(
図33)。
【0166】
テトラヒドロフラン:水(1:1)のスラリー実験からのβ−GPAフマル酸塩の濾液の緩徐な蒸発(45℃)により得られたパターン7Bを、DSC及び
1H−NMRにより分析した。DSCは、161℃での吸熱の存在及びパターン7A(元のβ−GPAフマル酸塩)の痕跡も明らかにした。
【0167】
抗溶媒添加実験
1:1β−GPAフマル酸塩の抗溶媒添加実験を、異なる抗溶媒を使用することによって行った。所与の量の1:1β−GPAフマル酸塩を、50℃の溶媒中に溶解した。およそ1mLの氷冷抗溶媒を塩溶液に添加し、氷浴中で2時間撹拌し、続いて20℃で一晩撹拌し続けた。どの実験も新しい形態のβ−GPAフマル酸塩をもたらさなかった。
【0168】
未希釈及び溶媒滴摩砕実験
未希釈及び溶媒滴摩砕実験も多形体スクリーニングの一部として行った。乳鉢及び乳棒を使用して、およそ30mgの試料を、20μLの溶媒(テトラヒドロフラン、イソプロパノール、アセトン、水、またはt−ブチルメチルエーテル)の存在下で、5分間摩砕した。摩砕後、試料をXRPDにより分析した。全ての実験は、パターン7Aと同一であったXRPDをもたらした。
【0169】
β−GPAフマル酸塩の非晶質形態を生成する試み
1gの1:1β−GPAフマル酸塩を、丸底フラスコ中の50℃の10mLの水に溶解した。試料が固化するまで丸底フラスコをドライアイス/アセトン冷却浴(−78℃)に設置し、その後48時間凍結乾燥させた。白色固体を得て、これを、XRPD、DSC、及び
1H−NMRにより分析した。試料ID:2162−84−1。XRPD分析は、
図34に示されるように、2162−84−1(パターン7C)の新しいXRPDパターンを明らかにした。2162−84−1の1H−NMRは、凍結乾燥後に得られた固体が2:1β−GPAフマル酸塩の形成をもたらしたことを明らかにした(
図35)。しかしながら、試料の顕微鏡像は、ある非晶質材料の存在を明らかにした。2:1β−GPAフマル酸塩の形成後の過剰なフマル酸が凍結乾燥された試料の顕微鏡像に見られる非晶質に形質転換された可能性があるということは可能であり得る。
【0170】
上記の仮設を確認するために、以下の実験(表24)を凍結乾燥された試料(パターン7C)に対して行った。
【0171】
【表25】
【0172】
凍結乾燥された試料のDSCは、発熱事象(再結晶化または固相形質転換の可能性)、続いて、2つの吸熱事象の存在を明らかにした(
図36)。第1の吸熱事象は、1:1β−GPAフマル酸塩、続いて、1:1β−GPAフマル酸塩の融解後に形成された可能性がある可能な副産物の融解であり得る。
【0173】
1gの1:1β−GPAフマル酸塩を、50℃の10mLの水に溶解し、迅速な蒸発のために、100℃の真空下に設置した。試料ID:2162−84−2。得られた固体をXRPDにより分析し、試料が元のβ−GPAフマル酸塩粉末パターン(パターン7A)を維持することが分かった。
【0174】
温度周期実験
以下(表25)の実験を行い、1:1β−GPAフマル酸塩の可能な多形形態を単離した。
【0175】
【表26】
【0176】
160〜165℃でのβ−GPAフマル酸塩(2162−84−7)の加熱により、黄色から褐色の固体(副反応の可能性、続いて分解)が得られ、これを、1H−NMR及びXRPDによりさらに分析した。
【0177】
いくつかの冷却実験を行い、それらの全てが形態の変化をもたらさなかったか、またはフマル酸β形態の単離、または付随してフマル酸α及びβ形態の混合物をもたらした。
【0178】
2:1塩を形成するための凍結乾燥実験
およそ264mgのβ−GPA及び118mgのフマル酸を、65℃の10mLの水に溶解した。
【0179】
ドライアイス/アセトン混合物を使用して溶液を固化し、続いて、48時間凍結乾燥させた。これは、2:1塩の単離をもたらした。
【0180】
拡散実験
1:1β−GPAフマル酸塩の拡散実験を、1gの塩を10mLの水に溶解することにより設定した。全ての拡散実験に関して、1mLの上記溶液を小さな4mLのバイアルに分配し、異なる溶媒の入った20mLのシンチレーションバイアルに設置した。実験のいずれも新しい形態のβ−GPAフマル酸塩をもたらさなかった。
【0181】
逆抗溶媒添加実験
1:1β−GPAフマル酸塩の逆抗溶媒添加実験を、異なる抗溶媒を使用することによって行った。所与の量の1:1β−GPAフマル酸塩を、40℃の1mLの溶媒中に溶解した。この溶液を既知量の抗溶媒に添加し、固体が沈殿するまで室温で撹拌した。実験のいずれも新しい形態のβ−GPAフマル酸塩をもたらさなかった。
【0182】
多形体スクリーニング実験の要約
スクリーニング実験から得た利用可能なデータに基づき、パターン7A(元の1:1β−GPAフマル酸塩形態)が最も安定した形態であるように見える。
【0183】
実施例17.1:1β−GPAフマル酸塩のラマン分光法
1:1β−GPAフマル酸塩(パターン7A)のラマン分光法を、1064nmレーザを装備したBruker IFS 66V/S FT−IR/FT−ラマン分光計で行った。(
図37)ラマンスペクトルのピークリストを表26に列記する。
【0184】
【表27】
【0185】
他の実施形態
本発明はその特定の実施形態に関して記載されてきたが、さらなる修正が可能であり、本出願が、一般的に本発明の原理に従う本発明の任意の変形、使用、または適応を網羅するよう意図されており、これには、本発明が属する技術分野内の既知のまたは慣用の実施の範囲内に入り、前述の本明細書の本質的な特徴に適用され得る本開示から逸脱するものを含むことを理解されたい。
(付記)
(付記1)
20未満のカール指数及び/または1.25未満のハウスナー比を有する、β−グアニジノプロピオン酸の薬学的に許容される塩。
(付記2)
前記薬学的に許容される塩が、β−グアニジノプロピオン酸の塩及びジカルボン酸の塩である、付記1に記載の薬学的に許容される塩。
(付記3)
前記薬学的に許容される塩が、1:1フマル酸塩、2:1コハク酸塩、または1:1シュウ酸塩である、付記1または2に記載の薬学的に許容される塩。
(付記4)
前記薬学的に許容される塩が、1:1フマル酸塩である、付記1〜3のいずれか1つに記載の薬学的に許容される塩。
(付記5)
前記塩が、結晶質である、付記4に記載の薬学的に許容される塩。
(付記6)
40重量%未満の非晶質化合物を含む、付記5に記載の薬学的に許容される塩。
(付記7)
示差走査熱量測定(DSC)プロファイルにおいて約171℃での吸熱開始を有する、付記5または6に記載の薬学的に許容される塩。
(付記8)
X線粉末回折法により測定される、27±0.5の回折角2θ(°)で少なくとも1つのピークを有する、付記5〜7のいずれか1つに記載の薬学的に許容される塩。
(付記9)
X線粉末回折法により測定される、20±0.5の回折角2θ(°)で少なくとも1つのピークをさらに有する、付記8に記載の薬学的に許容される塩。
(付記10)
X線粉末回折法により測定される、20.5±0.5の少なくとも1つの回折角2θ(°)をさらに有する、付記8または9に記載の薬学的に許容される塩。
(付記11)
X線粉末回折法により測定される、23±0.5の少なくとも1つの回折角2θ(°)をさらに有する、付記8〜10のいずれか1つに記載の薬学的に許容される塩。
(付記12)
ロッド様結晶の形態である、付記5〜11のいずれか1つに記載の薬学的に許容される塩。
(付記13)
熱重量分析により測定される、1%未満の31℃〜140℃での重量損失を有する、付記5〜12のいずれか1つに記載の薬学的に許容される塩。
(付記14)
ラマン分光法により測定される、2941±1cm
-1で少なくとも1つのピークを有する、付記5〜13のいずれか1つに記載の薬学的に許容される塩。
(付記15)
ラマン分光法により測定される、1653±1cm
-1で少なくとも1つのピークを有する、付記5〜14のいずれか1つに記載の薬学的に許容される塩。
(付記16)
ラマン分光法により測定される、997±1cm
-1で少なくとも1つのピークを有する、付記5〜13のいずれか1つに記載の薬学的に許容される塩。
(付記17)
10重量%未満の非晶質化合物及び薬学的に許容される賦形剤を含有する、付記1〜16のいずれか1つに記載の薬学的に許容される塩を含む組成物。
(付記18)
β−グアニジノプロピオン酸のフマル酸塩を含む組成物であって、β−グアニジノプロピオン酸の前記フマル酸塩の少なくとも80%が1:1塩である、組成物。
(付記19)
前記組成物が、β−グアニジノプロピオン酸の2:1フマル酸塩を実質的に含まない、付記18に記載の組成物。
(付記20)
付記1〜16のいずれか1つに記載の薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される賦形剤を含む、単位剤形の薬学的組成物。
(付記21)
付記1〜16のいずれか1つに記載の薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物であって、前記薬学的組成物が、静脈内注入用に製剤化される、薬学的組成物。
(付記22)
癌を治療する方法であって、有効量の付記1〜16のいずれか1つに記載の薬学的に許容される塩、または付記17〜21のいずれか1つに記載される組成物を投与することを含む、方法。
(付記23)
前記癌が、転移性癌である、付記22に記載の方法。
(付記24)
前記有効量が、前記癌の転移性コロニー形成を抑制するのに有効な量を含む、付記22または23に記載の方法。
(付記25)
前記癌が、胃腸癌である、付記22〜24のいずれか1つに記載の方法。
(付記26)
転移性癌の治療を必要とする対象における転移性癌を治療するための方法であって、前記対象に、前記癌の転移性コロニー形成を抑制するのに有効な量で、付記1〜16のいずれか1つに記載の薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される賦形剤を含む水性組成物を注射することを含む、方法。
(付記27)
前記転移性癌が、胃腸癌である、付記26に記載の方法。
(付記28)
β−グアニジノプロピオン酸の薬学的に許容される1:1フマル酸塩を産生する方法であって、β−グアニジノプロピオン酸の薬学的に許容される1:1フマル酸塩を産生するのに十分な量で、β−グアニジノプロピオン酸とフマル酸とを混合することを含む、方法。
(付記29)
前記方法が、前記β−グアニジノプロピオン酸及び前記フマル酸を溶媒中に溶解することを含み、β−グアニジノプロピオン酸の前記1:1フマル酸塩が、前記溶媒から沈殿する、付記28に記載の方法。
(付記30)
前記方法が、β−グアニジノプロピオン酸の前記1:1フマル酸塩を再結晶化することをさらに含む、付記28または29に記載の方法。