(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
−前記装置は、前記測定ビーム(112)を放出するためのシステム(105)を備え、このシステム(105)は、放出される測定ビーム(112)が前記光学媒体(108)を透過するように配置され、
−前記検出装置(106)は、応答信号(SR)を形成する反射された測定ビーム(112)を受けるため及び反射された測定ビーム(112)の偏向を直接的又は間接的に検出するための装置である、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
強度変調のための前記装置(104)は、前記励起伝送装置(100)に電気的に接続されて前記励起伝送装置(100)を電気的に制御する電気変調装置を備える又は前記電気変調装置によって形成される
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
強度変調のための前記装置(104)は、ビーム経路(138)内に配置されてその透過性に関して制御可能である少なくとも1つの層を備える又はそのような層によって形成される
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
測定ビームを放出するための前記装置及び前記検出装置は、前記光学媒体に直接に機械的に接続固定され又は光ファイバケーブル(120)によって前記光学媒体に結合される ことを特徴とする請求項11又は12に記載の装置。
前記励起光ビームの複数の変調周波数が同時に使用されるときに、分析手続きを用いて、前記検出された信号がその周波数へと分解され、所望の周波数に対応する部分信号のみがフィルタにより除去される
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
前記励起光ビームは第1の周波数で周期的に振幅変調され、前記第1の周波数に対する前記応答信号の周波数シフトが決定され、前記測定された物質の移動速度がドップラー効果に基づいて決定される
ことを特徴とする請求項23から25のいずれか一項に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、物質、特に動物又はヒトの組織、或いは、組織の構成要素又は成分を特に簡単に且つ費用効率良く分析できる装置を特定することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、とりわけ、請求項1に記載の特徴を有する装置によって達成される。この装置の実施形態は従属請求項で特定される。
【0005】
その内容が具体的に言及されるとともにその内容にこの出願が及ぶドイツ特許第102014108424号が参照される。したがって、ここで成されるこの明確な参照により、ドイツ特許第102014108424号の全内容もこの出願の開示の一部と見なされるべきである(その開示の全ての詳細については「参照により本願に組み入れられる」)。特に、この引用文献は、許可された特許請求の範囲で与えられる全ての特徴に関連する。加えて、この引用文献は、特にそこで言及される励起光ビームの詳細に関連し、例えばそこで引用されるパルス周波数及び波長(波長範囲)の数値に関連し、及び、間質液中のグルコース含有量の測定に関する詳細にも関連する。
【0006】
出願時に直接に且つ明示的に言及される特許請求の範囲及び例示的な実施形態の主題に加えて、本PCT所有権出願は、本明細書の最後に列挙される他の態様にも関連する。これらの態様は、出願時に列挙された特許請求項の特徴を伴って個々に又はグループで組み合わせられ得る。これらの態様は、単独で或いは互いに又は特許請求の範囲の主題と組み合わされて解釈されるかどうかにかかわらず、独立した発明を表わす。出願人は、これらの発明を後日特許請求項の主題にする権利を留保する。これは、本出願との関連において、或いは、その後の分割出願、(米国における)継続出願、(米国における)一部継続出願、又は、この出願の優先権を主張するその後の出願との関連において行なわれ得る。
【0007】
しかしながら、以下では、出願時に言及された特許請求項の主題が最初に議論される。
【0008】
少なくとも1つの電磁励起ビーム、特に少なくとも1つの励起波長を有する励起光ビームを生成するための励起伝送装置、応答信号を検出するための検出装置、及び、検出された応答信号に基づいて物質を分析するための装置を伴う、物質を分析するための装置が提供される。
【0009】
この装置の主な利点は、物質を非常に簡単で信頼性の高い方法で分析するためにそれを使用できるという事実である。
【0010】
用語「光」は、本明細書中では、可視範囲内、近赤外範囲内、及び、UV範囲内の電磁波又は電磁放射を意味すると理解される。
【0011】
装置の例示的な実施形態では、励起伝送装置は、放射源であり、1つの実施形態では単色の特に偏光された放射源又は光源、とりわけレーザ光源であり、
−装置は、物質と直接に接触する、特に物質の表面の第1の部位と直接に接触する光学媒体を有し、
−励起伝送装置は、好ましくは、放出される励起ビームが光学媒体を透過して光学媒体の表面上の所定のポイントで再び光学媒体から抜け出るように配置され、
−装置は、測定ビーム、特に測定光ビームを放出するためのシステムを備え、このシステムは、放出される測定ビームが光学媒体へと透過するように配置され、好ましくは、動作時、測定ビーム及び励起ビームが光学媒体と物質の表面との界面で重なり合い、この界面で測定ビームが反射され、
−検出装置は、応答信号を形成する反射された測定ビームを受けるため及び/又は反射された測定ビームの偏向を直接的又は間接的に検出するための装置である、
ことが提供される。
【0012】
好ましくは、装置は、物質と直接に接触する、特に1つの実施形態ではヒトの皮膚である物質の表面の第1の部位と直接に接触する光学媒体を有し、応答信号を検出するために、検出装置は、応答信号の結果として、特に第1の部位に隣接する部位で光学媒体のパラメータ変化を、特に、局所的な時間依存加熱の結果として光学媒体の変形及び/又は密度変化を検出する。光学媒体は、ガラス、結晶、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、ゲルマニウム(Ge)、シリコン(Si)、及び、ダイヤモンド又は透明プラスチック、一実施形態ではポリエチレンなどの光透過性の又は赤外線又は紫外線を透過する、一般的には励起ビーム及び測定ビームを透過する物質から成ってもよい。分析されるべき物質から又は物質の材料から光学媒体への熱の輸送又は移送に応じた局所的な加熱は、内部変化、例えば、検出可能な物質変形又は熱応力又は屈折率の局所的な変化をもたらす。
【0013】
物質は、1つの実施形態では、生体組織、特にヒトの組織であってもよく、その場合、物質表面が皮膚であってもよい。その後、組織内の材料を分析又は測定することができる。
【0014】
検出装置は、応力、変形、及び/又は、密度変化を検出するための検出器として、光学媒体に接続される又は光学媒体に組み込まれる圧電素子を有するようになっていてもよい。
【0015】
また、検出装置は、応答信号を検出するための検出器として少なくとも1つの温度センサを有するようになっていてもよい。この温度センサは、測定原理に応じて、光学媒体上に直接に又は光学媒体の周囲に配置され得る。
【0016】
好ましくは、装置は、励起光ビームの強度変調のためのシステムを有する。
【0017】
検出装置は、好ましくは、励起光の波長及び/又は励起光の強度変調に応じた時間依存応答信号を検出するのに適している。
【0018】
励起伝送装置が少なくとも1つの電磁励起ビームを物質の表面の第1の部位の下方にある物質のボリュームへと放射するようにしてもよい。
【0019】
特に好ましくは、励起伝送装置は、特に1次元、2次元、又は、多次元の伝送要素アレイの形態を成す2つ以上の伝送要素を備える。したがって、これは、伝送要素の表面アレイとして或いは伝送要素ストリップ(1つの実施形態では、半導体レーザアレイ又はQCLアレイであり、QCLは量子カスケードレーザを表わす)として実装され得る。
【0020】
また、2つ以上の伝送要素がそれぞれそれら自体の電磁励起ビームを生成するとともにこの電磁励起ビームを第1の部位の下方のボリュームへと放射するようにしてもよい。異なる励起ビームを連続的に又は少なくとも部分的に同時に放出することもできる。異なる伝導要素を異なる変調周波数で同時に動作させることもできる。
【0021】
2つ以上の伝送要素の電磁励起ビームの波長は異なることが好ましい。波長は、好ましくは、分析されるべき物質中の検出されるべき材料がこれらの波長の放射を特に良好に吸収するように選択される。それに加えて又は代えて、分析されるべき材料を他の材料から区別するために、検出されるべき材料が吸収しないが他の材料により吸収される波長又は波長範囲(いわゆる耐性波長)を選択することもできる。
【0022】
1つの実施形態において、励起伝送装置は、特に1次元又は2次元のレーザアレイの形態を成す2つ以上のレーザを備え、この場合、空間を節約するために、レーザ要素の複数の列を、1つの実施形態ではレーザストリップ及び/又は2つ以上の発光ダイオードの形態を成して、特に1次元又は2次元のダイオードアレイの形態を成して、2次元アレイ又はストリップの1つの実施形態では深さを互い違いにする態様で互いに対してオフセットして、互い違いにして互いに前後にオフセットして配置できる。アレイの出力ビームは、それぞれのビーム要素ごとに、互いに近接する又は平行な個々のビーム軸を有することができ、或いは、既に組み込まれた光学素子のセットを用いて、同じビーム軸を有することができる。
【0023】
装置の構造に関して、励起伝送装置が、物質と直接に接触する、特に物質の表面の第1の部位と直接に接触する光学媒体に対して直接的に又は好ましくは調整装置を用いて間接的に機械的に接続固定されるようにすることができる。したがって、励起伝送装置は、製造段階の早い段階で又は少なくとも展開前に光学媒体に対して位置合わせされ固定され得る。
【0024】
励起伝送装置及び/又は検出装置の要素の装着及び/又は位置合わせ又は調整の目的のため、光学媒体は、ブリッジ、ショルダ、それに装着された半球、装着ブロック、円錐、又は、穿孔、溝、中空或いは他の凹部などの少なくとも1つの組み込み隆起部及び/又は窪みを有することができ、これらの隆起部及び/又は窪みに又は隆起部上及び/又は窪み上に前述の要素(励起伝送装置及び/又は検出装置の要素)を配置でき、載置でき、それに又はそれに対して要素を位置合わせ又は固定できる。位置合わせされた整合面を機械加工により又は鋳造プロセスで光学媒体上に形成することもできる。
【0025】
強度変調のための装置に関し、該装置が、励起伝送装置に電気的に接続される、特に励起伝送装置を電気的に制御する電気的又は電気機械的な変調装置を備え、或いは、そのような装置によって形成されるようにすることができる。変調装置は、励起ビームの強度変調、1つの実施形態では例えば矩形パルス、鋸歯関数、又は、正弦波関数、又は、他の周期関数の形態も成す周期的強度変調をもたらすことができる。
【0026】
これに代えて又は加えて、強度変調のための装置は、ビーム経路内に配置される少なくとも1つの制御されたミラーを備えることができ、該ミラーの制御により、励起ビームの強度を偏向によって変調させることができる。
【0027】
これに代えて又は加えて、強度変調のための装置は、ビーム経路内に配置されてその透過性に関して制御可能な少なくとも1つの層を備えることができ或いはそのような層によって形成され得る。したがって、変調要素は、その透過率に関して制御される伝送要素の形態を成して形成され得る。変調要素は、1つの光ビームから空間的に分離される複数の光ビームを生成することができる。1つの実施形態では、サンプルの表面を変調要素により走査できるようにすることもできる。1つの実施形態において、変調要素は、光源/レーザ源のアレイと共に制御され得る。
【0028】
測定ビーム、特に測定光ビームを放出するための装置が、1つの実施形態では、物質の表面の第1の部位と接触する光学媒体の特定の領域へと測定ビームを放出するために設けられる。
【0029】
測定ビームを放出するための装置及び検出装置は、1つの実施形態では、物質と接触する、特に物質の表面の第1の部位と接触する光学媒体の界面でこのビームが少なくとも1回反射された後に検出装置が時間依存応答信号として測定ビームを検出するように互いに位置合わせされる。
【0030】
組み立ての容易さの目的で、測定ビームを放出するための装置及び/又は検出装置及び/又は励起伝送装置が、光学媒体に直接に機械的に接続固定され及び/又は1つ以上の光ファイバケーブルによって光学媒体に結合されれば有利である。
【0031】
光学媒体が撮像光学系を直接に支持する及び/又は撮像光学系が光学媒体に組み込まれる実施形態も想定し得る。
【0032】
加えて、光学媒体の表面が互いの方へ傾けられる複数の部分面を有し、これらの部分面で測定ビーム、特に測定光ビームが複数回反射される実施形態が考えられる。
【0033】
測定ビーム、特に測定光ビームを反射するための1つ以上の鏡面が光学媒体内又は光学媒体上に設けられる実施形態も提供され得る。
【0034】
コンパクトな形態の目的で、励起伝送装置及び/又は測定ビームを放出するための装置及び/又は検出装置が互いに又は共通の支持体に直接に取り付けられることが考えられる。1つの実施形態において、様々な装置は、溶接又は接着によって或いはねじ接続又はスナップ留め接続によって支持体に固定することができ、この場合、組み立て中又はその後に、調整ねじ又は他の機械的な調整装置を用いて、調整設備を設けることができる。特に、測定ビームを放出するための装置及び/又は検出装置は、互いに対して容易に位置合わせされるべき又は位置合わせされ得る。したがって、これらの2つの装置を光学媒体に直接に取り付けることが有益となり得る。測定ビームを放出するための装置及び/又は検出装置は、測定ビームを適切に誘導すると、光学媒体の同じ側で共通の支持体上に互いに隣接して配置することもでき、1つの実施形態では、共通のプリント回路基板に又は共通の半導体に取り付けることができ、或いは、共通の集積半導体デバイスとして、1つの実施形態では共通の集積半導体部品として実装され得る。この支持体は、その後、特定の実施形態では、測定ビームを伝送するための装置及び/又は検出装置の間の相対位置を更に変更することなく、光学媒体に対してユニットとして調整され得る。
【0035】
支持体は、好ましくは、プリント回路基板、金属プレート、又は、プラスチックプレート、或いは、装置のハウジング又はハウジング部分によって形成される。
【0036】
励起伝送装置が、1つ以上のレーザ要素と、少なくとも1つのマイクロ光学部品、好ましくは付加的な変調要素とを有する集積半導体デバイスを備えるようにすることもできる。前述の要素は、1つの半導体ブランクから一緒に製造され、1つの実施形態ではエッチングされ得る、或いは、共通のハウジング内に少なくとも受け入れられ得る。
【0037】
変調要素が、半導体デバイスの残りの部分に対して移動できるとともにその位置に関して制御できる少なくとも1つの要素、特にミラーを有するようにすることもできる。このミラーはMEMS装置によって制御され得る。
【0038】
また、変調要素がその放射透過性に関して制御可能な層を有するようにすることもできる。
【0039】
変調要素が1つ以上のレーザ要素の変調のための電子制御回路を有するようにすることもできる。1つの実施形態において、変調要素は、干渉、位相オフセット/経路オフセット又は偏光フィルタ装置又は他の既知の変調機構によってそれが励起ビームを時間依存的に変化させるように構成され得る。
【0040】
1つ又は複数のマイクロ光学部品は、半導体部品に組み込まれる又は減法プロセスで、特にエッチングによって半導体部品から形成されるミラー又はレンズであってもよい。
【0041】
物質を分析するために記載された装置は、物質濃度の測定値、1つの実施形態ではグルコース濃度の測定値を決定することができる。装置は、例えば装置のユーザのためのカラーコードを用いて測定値及びそれらの分析を表示するための装置へのインタフェース、及び/又は、物質中、特に組織中、又は、より一般的には生体内へと分配され得る材料のための投与装置へのインタフェースを有することができる。また、装置は、そのような投与装置を直接的に備えることもできる。この場合、装置は、物質表面、1つの実施形態では皮膚表面又は他の実施形態では生体の眼表面又は虹彩を検出する又は分析するためのシステムを有することもでき、このシステムは、基準データとの比較に基づいて人又は生物の同定を可能にし、したがって、適切な基準値及び/又は較正値が物質の分析及び投与装置の制御のために与えられるようにするべく使用され得る。物質表面の決定された特性値、1つの実施形態では指紋又は眼の虹彩の構造は、例えばデータベースに対する人の同定及び認証に加えて、状態値の通信を暗号化して投与装置を制御するために使用することもでき、暗号化され又は暗号化されず、原則としてデータベースからもたらされ得る。1つの実施形態において、投与装置は、1つの実施形態ではインスリン及び/又はグルカゴンなどの投与されるべき材料の充填レベルを決定するためのセンサを備えることができ、また、物質分析のための装置に及び/又はデータベースに直接に充填レベルを伝送するための装置を有することができる。
【0042】
更に、装置は、インタフェース、1つの実施形態ではデータベースへの無線インタフェースを有することができ、データベースへ測定値を送ってデータを処理することができる。データベースは、複数の患者からのデータ、すなわち、1つの実施形態では物質を分析するための複数の同様の装置からのデータも処理して記憶するように作成することができ、1つの実施形態では、材料を分配するための個々の投与装置も制御する。また、データベースは、分析された物質に関連する測定データを更に処理して、値、第1及び第2の時間微分、最小値、最大値、物質量又は濃度の標準偏差、血糖値、又は、患者の他の生理学的値における任意の傾向などの導出された分析結果を決定するとともに、それらを比較して、それらから、1つの実施形態ではアラーム信号も含む信号を得ることもできる。1つの実施形態では充填レベルの時間的範囲又は再充填の必要性を決定してこれを患者の装置又はサービス設備へ直接に信号送信するために、投与装置の充填レベルをデータベースによって検出して処理することもできる。この目的のため、データベースは、サービス設備内、1つの実施形態では病院又は医療診療所内における通信デバイスに接続され得る。データをデータベースから及び/又はデータベースへ送信する目的で、装置は、1つの実施形態では、無線リンク、1つの実施形態ではブルートゥース又はWLAN又はWifi又は他の伝送方法によってモバイル装置又はページャに接続され得る。この装置には、WLANインタフェース及びインターネットクライアントを直接に装備することもできる。
【0043】
主題は、物質を分析するための方法にも関連し、この方法では、励起伝送装置を用いて、少なくとも1つの励起波長を有する少なくとも1つの電磁励起ビームが、レーザ光源の複数のレーザ放射体の連続的な動作又は少なくとも部分的に同時の動作によって生成され、検出装置を用いて応答信号が検出され、また、物質は、検出された応答信号に基づいて分析される。この方法では、物質内の熱拡散率及び応答信号の時間的進展又は波形を用いて、物質の性質又は物質内の材料の空間分布を特徴付けることができ、又は、励起ビームが吸収される深さを特徴付けることができる。
【0044】
1つの実施形態では、励起伝送装置の異なる変調周波数を使用して、応答信号、特に時間応答信号波形又はパターンを連続的に決定でき、また、異なる変調周波数の複数の応答信号波形又はパターンを互いに組み合わせることができ、特に、これから、表面下の深さ範囲に関する固有の情報が得られるようにすることもできる。
【0045】
異なる変調周波数の応答信号波形又はパターンが励起ビームの異なる波長に関して決定され、これから、特に、特定の情報が表面下のそれぞれの深さ範囲ごとに得られるようにすることもできる。ポンプビームの複数の変調周波数を同時に使用する場合、例えば、フーリエ変換などの適切な分析方法を使用して検出信号をその周波数に分解することが可能であり、FTは所望の周波数に対応する信号のみをフィルタにより除去する。
【0046】
また、光学媒体が、物質と直接に接触させられ、特に物質の表面の第1の部位と直接に接触させられ、放出された励起ビームは、それが光学媒体を透過して光学媒体の表面上の所定のポイントで光学媒体から再び抜け出るように励起伝送装置により生成されて特に放出され、測定ビームを放出するための装置を用いて、測定ビーム、特に測定光ビームが、このビームが光学媒体を透過するように生成され、特に動作時に測定ビーム及び励起ビームが光学媒体と物質の表面との界面で重なり合い、界面で測定ビームが反射され、応答信号を形成する反射された測定ビームが測定され、及び/又は、検出装置を用いて、反射されたビームの偏向が直接的又は間接的に検出されるようにすることもできる。
【0047】
この方法の1つの態様は、応答信号の測定を物質表面(物質表面からの距離間隔)下の選択された深さ範囲に集中させることである。熱波長dは、この方法で測定された深さ範囲に最大の影響を与える。それはd=√(D/π*f)として定義され、ここで、Dはサンプル(ここでは例えば皮膚)の熱拡散率であり、fは励起ビームの変調周波数である。皮膚の熱拡散性に関する文献:
−U.Werner,K.Giese,B.Sennhenn,K.Piamann,and K.Kolmel,「Measurement of the thermal diffusivity of human epidermis by studying thermal wave propagation,」Phys.Med.Biol.37(1),21−35(1992).
−A.M.Stoll,Heat Transfer in Biotechnology, Vol 4 of Ad−vances in Heat Transfer,J.P.Hartnett and T.Irvin,eds.(New York,Academic,1967),p117.
1つの実施形態では、物質の最上層からの応答信号を除去するために、最上層の測定値が他のより深い層と比較して多かれ少なかれ変化する場合に、前回の測定値と比較した測定値の変化を用いることができる。
【0048】
これは、皮膚の最上層が実質的に下層との交換を受けないので、生理学的パラメータがほとんど変化しない、人間の皮膚の測定における1つの実施形態の場合に当てはまり得る。測定の時間微分は、皮膚の最上層から信号を除外する応答信号を提供するために適用することもできる。したがって、測定値又は少なくとも評価値は、皮膚の間質液に限定されるか又はそれに集中することができる。
【0049】
また、物質中に特定された物質濃度に応じて、材料を、特に患者の体内に投与するための投薬装置が制御され、及び/又は音響信号及び/又は視覚信号が出力される、及び/又は信号無線接続を介して処理装置に出力される。この場合、現在決定されている測定値に加えて、測定値の時間発展又は進化、測定値の微分値、測定値の平均値、最大値、最小値、標準偏差、及び測定値のための所定の閾値を考慮に入れて、現在の測定値と組み合わせることができる。1つの実施形態において、処理装置は、データベースであってもよく、又は、複数の患者からのデータを収集し処理するデータベースに接続されてもよい。データベースは、デバイスの制御システムに直接接続することも、通信インタフェースを介して遠隔に接続することもできる。
【0050】
投与装置を操作するとき、特にインスリンの投与の際の安全性を高めるために、予め選ばれた量の送達を備えた予め設定された標準手順の制御下で、特定の又は特定できる時期に局所的に又はデータベースから操作することができる。また、前述の装置によって、投与装置の制御の補正及び改善に使用される予め設定された送達値からの有意な偏差を決定することができる。このようにして、装置の故障の場合であっても、少なくとも投与装置の正常動作又は緊急動作が保証される。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、物質101を分析するための装置10の例示的な実施形態を示す。物質101は、光透過性の結晶又はガラス体として形成され得る光学媒体108上に直接に配置されることが好ましい。物質101を分析するための装置は、例えば、1つの実施形態では血液などの流体中のグルコース含有量又は血糖含有量を測定して、グルコース値表示又は血糖値レベル表示BZAを生成するために使用される。
【0053】
この装置は、好ましくは1つ以上の励起波長を有する励起光ビームの形態を成す1つ以上の電磁励起ビームSAを物質の表面の第1の部位102の下方の物質101中に位置されるボリューム103へと放出するための励起伝送装置100を備える。励起伝送装置100は、以下では、略して「励起光源」100とも称される。励起光源100は、その波長に関して調整可能なレーザ、特に調整可能な量子カスケードレーザであってもよく、以下で説明されるように、それぞれが特定の個々の波長を放出する少なくとも2つの単一の放射体、特に半導体レーザを伴う光源ストリップ又は光源アレイを使用することが好ましい。
【0054】
更に、励起光ビーム又はビームSAの強度変調のための装置104が設けられ、この装置は、励起光源のための変調装置、特に励起光源を制御するための変調装置によって、及び/又は、ビーム経路内に配置される少なくとも1つの制御されたミラーによって、及び/又は、ビーム経路内に配置されてその透過性に関して制御できる層によって形成されることが好ましい。
【0055】
加えて、この装置は、物質101と光学媒体108との間の界面GFで反射され、好ましくは全反射される電磁測定ビーム112、特に測定光ビームを放出するシステム105を有する。
【0056】
時間依存応答信号SRを形成する反射された測定ビーム112を検出するために検出装置106が使用され、応答信号SRの振幅は、例により以下で更に詳しく説明されるように、励起光SAの波長と励起光SAの強度変調とによって影響される。
【0057】
測定信号の振幅は、励起ビームの波長、サンプルの吸収特性、及び、熱特性に依存し、特に、サンプル及び光学素子の熱拡散率及び熱伝導率に依存する。更に、サンプルからの熱信号の光学素子への結合も役割を果たす。
【0058】
物質を分析するための装置107が、検出された応答信号SRを評価し、1つの実施形態ではグルコース値表示又は血糖値レベル表示BZAを生成する。
【0059】
以下、分析されるべき物質101がヒト又は動物の組織であって、物質の分析の一部としてグルコース値表示又は血糖値レベル表示BZAが決定されるようになっている場合に関し、
図1に係る装置10の動作、及び、これに関連して、物質101を分析するための方法の一例について更に詳しく説明する。
【0060】
装置105を用いて、好ましくは可視波長範囲の光ビーム又は赤外光ビームである電磁測定ビーム112が光学媒体108へと照射され、この測定ビーム112は、組織の表面の第1の部位102の下方の界面GFに衝突する。界面GFでは測定ビーム112が反射され、この測定ビーム112は検出装置106に達し、検出装置106は反射された測定ビーム112を測定する。
【0061】
同時に、好ましくは赤外線ビームである1つ以上の励起ビームSAが励起光源100を用いて生成される。赤外線ビームの波長は、好ましくは3μm〜20μmの範囲内、特に好ましくは8μm〜11μmの範囲内である。
【0062】
励起ビームSAは、強度変調のための装置104によって強度変調又は振幅変調される。1つの実施形態では、強度変調のための装置104により、好ましくは1kHz〜1MHzのパルス周波数を伴って、或いは、パルスパケット(二重変調又は多重変調)を伴って、好ましくは1〜10kHzの包絡線周波数を伴って、短い光パルスが生成される。
【0063】
変調された励起ビームSAは、光学媒体108へと結合され、界面GFを通過した後に組織内のボリューム103に到達する。
【0064】
励起ビームSAの波長は、−本明細書中で説明される血糖測定の例に鑑みて−好ましくは励起ビームSAがグルコース又は血糖によって著しく吸収されるように選択される。グルコース又は血糖を測定するために、以下の赤外線波長、すなわち、8.1μm、8.3μm、8.5μm、8.8μm、9.2μm、9.4μm、及び、9.7μmが特に良く適している(真空波長)。加えて、存在する他の材料を同定して測定に対するそれらの影響を排除できるようにするために、グルコースによって吸収されないグルコース耐性波長を使用することができる。
【0065】
ボリューム103の部位内の組織での励起ビームSAの吸収に起因して、局所的な温度上昇が引き起こされ、それにより、熱伝導、したがって圧力波が界面GFの方向でもたらされる。界面GFにおける結果的な温度変動及び圧力変動に起因して、屈折率及び/又は変形、微細構造、及び、反射挙動が界面GFの部位102で及び/又は反射部位で変調され、測定ビーム112のビーム経路が影響される。
【0066】
例えば、励起ビームSAを伴わずにシステム105と検出装置106との間の位置合わせが最適であって検出装置106によって最大受信パワーが検出されると仮定すると、ボリューム103の部位における励起ビームSAの吸収に起因して、及び、熱輸送及び圧力波に起因して、振幅の(少なくとも一時的な)変化、又は、周期的な変調の場合には反射された測定ビーム112の位相の変化を引き起こすことができ、又は、反射された測定ビーム112の強度変調が生じ得る。強度変調の程度は励起ビームSAの波長(組織での必要な吸収に起因する)と、励起ビームSAのパルス周波数(温度輸送と界面GFの方向での組織内部からの圧力波とに起因する)と、サンプル及び媒体の熱特性とに依存する。
【0067】
測定ビーム112の反射の変化及び/又は応答信号SRにおける時間依存変化が検出装置106によって定量的に取得され、検出結果Dが装置107に達する。
【0068】
1つの実施形態では比較テーブル又は比較曲線の形態で装置107のメモリ107aに記憶される既に行なわれた較正又は比較測定に基づき、組織内又はボリューム103内のグルコース又は血糖の現在の濃度を推定することができ、また、対応するグルコース表示又は血糖表示BZAを生成することができる。比較表又は比較曲線は、例えば、血液サンプルに基づいて決定されたグルコース値又は血糖値に基づいてもたらされてもよい。
【0069】
以下、
図2〜10を参照して、物質101を分析するための装置10の特に好ましい実施形態及び変形例について説明する。
【0070】
1つ又は複数の励起光ビームを放出するための励起伝送装置100は、
図2に示されるようにアレイとして設計され得る。このアレイは、分析されるべき物質の吸収スペクトルにおける単色光のための個別に制御可能な少なくとも5個、好適には少なくとも10個、より好適には少なくとも15個、又は、少なくとも50個又は100個の放射体100aを有する。
【0071】
アレイは、好ましくは、以下の波長(真空波長)、すなわち、8.1μm、8.3μm、8.5μm、8.8μm、9.2μm、9.4μm、及び、9.7μmのうちの1つ以上、特に好ましくは全てを有する、望ましければ更にグルコース耐性波長を有する単色光を伴うビームを生成する。
【0072】
測定光ビーム112の放出のための装置105及び検出装置106は、
図1に示されるように、光学媒体108から切り離して配置され得る。最小空間要件及び最小設置労力の目的で、
図3が示すように、測定光ビーム112の放出のための装置105及び検出装置106,108が光学媒体上に、好ましくは光学媒体108の両側の表面部分108a,108b上に直接に装着されれば有利であると見なされる。
【0073】
励起装置/励起光源100が直接に又は調整装置109を用いて光学媒体108に対して恒久的に機械的に接続されるようにしてもよい。調整装置109は、好ましくは、光学媒体108からの励起光源100の距離の調整及び/又はビーム縦方向の調整及び/又はビーム縦方向と垂直な平面内の調整を可能にする(
図4参照)。
【0074】
図3、
図4、
図6、
図7、及び、
図8に示されるように、装置105は、物質表面の第1の部位102と接触している光学媒体108の部位へ測定光ビーム112を放出するために設けることができる。そのような配置は、測定光ビーム112を平坦な角度で照射できるようにするとともに、光学媒体108と物質101との界面で全内部反射を引き起こすことができるようにする。
【0075】
平坦な(小さい)角度で放射を(サンプル表面へ)注入することにより、ミラージュ偏向を既知の光熱「バウンシング法」と同様により効果的にすることができると同時に、測定ビームの変形誘起偏向を低減できる。この効果を十分に引き出すために、1つの実施形態におけるサンプル表面と測定ビームとの間の角度は、20度未満、10度未満、特に5度未満、とりわけ2度未満又は1度未満であるように選択され得る。
【0076】
逆に、(物質表面に対して)より急な(より大きい)角度で照射を行なうことにより、既知の光熱「バウンシング法」と同様に、偏向をより効果的にすることができると同時に、測定ビームのミラージュ効果関連の偏向を低減できる。この効果を十分に引き出すために、1つの実施形態における物質表面と測定ビームとの間の角度は、20度よりも大きくなる、30度よりも大きくなる、特に45度よりも大きくなる、とりわけ60度又は70度よりも大きくなるように選択され得る。
【0077】
以下の関連文献参照
−M.Bertolotti,G.L.Liakhou,R.Li Voti,S.Paolino, and C. Sibilia.Analysis of the photothermal deflection technique in the surface refection theme:Theory and Experiment.Journal of Applied Physics 83,966(1998)
測定光ビーム112を放出するための装置105、及び/又は、測定光ビーム112及び/又は応答信号SRを検出するための検出装置106は、光学媒体108に対して補助的態様で直接に又は調整装置を用いて機械的に接続され得る及び/又は1つ以上の光ファイバケーブル120を用いて光学媒体108に対して結合され得る。
【0078】
図6に示されるように、光学媒体108がレンズ又は他の反射手段又は屈折手段の形態を(いずれの場合にも)成す撮像光学系128及び/又は撮像光学系129を直接に支持する、及び/又は、撮像光学系が光学媒体108に組み込まれるようにしてもよい。しかしながら、撮像光学系は、これらが一体化された構成要素として及び/又は半導体部品として設計される場合には、例えばレンズ又は他の反射要素又は回折要素の形態を成して、励起伝送装置又は測定ビームを生成するための装置に組み込むこともできる。撮像光学系は、1つの実施形態では、励起ビーム又は測定ビームのための放射源を有するそれぞれの集積回路と同じ半導体素子からエッチングによって減法的に形成され得る。
【0079】
図7に示されるように、光学媒体108の表面が互いの方へ向かって傾斜する複数の部分面110,111を有し、これらの部分面で測定光ビーム112が複数回反射され又は屈折されるようにしてもよい。
【0080】
図3に示されるように、光学媒体108内又は光学媒体108上に測定光ビーム112(したがって応答信号SR)を反射するための1つ以上の鏡面113,114が設けられるようにしてもよい。これらの鏡面は、光学媒体108内の不均一性によって、又は、その外面によって、又は、光学媒体に組み込まれ/嵌め込まれ/成形され或いは光学媒体上に装着される例えば金属製の又は金属コーティングされたミラー要素を用いて形成され得る。これは、光学媒体108内の測定光ビーム112の光路を検出装置106へのその入口まで延在させ、それにより、物質表面の第1の部位102と接触する媒体108の表面の部位で反射する場合には、光学媒体108内の測定光ビーム112の応答信号依存偏向が増大される。その後、偏向は、絶対偏向として検出装置106で検出され得る。
【0081】
検出装置106は、光学的に感度が高い半導体ダイオードなどの複数の光学的に感度が高い表面を有することができ、又は、コネクタ本体119(
図5)に複数の互い違いの開口116,117,118を有することができ、コネクタ本体119で個々の光ファイバケーブル120が終端し(
図4)、測定光ビーム112の光は、その偏向に応じて光ファイバケーブル120内へと結合される。その後、光ファイバケーブル120は、光学媒体108に固定され得るコネクタ本体119に接続され、光ファイバケーブル120の端部に配置される検出装置106の部分へ光を方向付ける(
図4)。このとき、コネクタ本体119は、光ファイバケーブル120と同様に、測定光ビームを検出するための検出装置106の一部でもある。
【0082】
完全を期すために、励起伝送装置が1つ以上の光ファイバケーブルを用いて全体として又はセクションごとに励起を物質表面に送ることもでき、また、1つの実施形態では光学媒体に結合される1つ以上の光ファイバケーブルに対して励起伝送装置を直接に結合することができることに留意すべきである。
【0083】
図8に示されるように、励起伝送装置100、測定光ビーム112を放出するための装置105、及び、検出装置106が互いに対して又は共通の支持体121に対して直接に取り付けられる。支持体は、ハウジング122内に装着されるプラスチック部品、プリント回路基板、又は、金属シートによって形成され得る。このとき、
図8ではU字形断面を伴って形成される支持体は、1つの実施形態では光学媒体108を少なくとも部分的に取り囲むことができる。光学媒体は、支持体に取り付けられて支持体に対して調整され得る。
【0084】
支持体をハウジング122自体又はハウジング部分によって形成することもできる。
【0085】
ハウジング122を伴う装置を人の身体123に締結できるようにしてもよく、この場合、1つ以上の励起光ビームSAを放出するための励起伝送装置100、測定光ビーム112を放出するための装置105、及び、時間依存応答信号SRを検出するための検出装置106は、該装置の(励起放射を透過する測定窓を用いた)測定を行なうのに適した側が身体から離れる方を向く装置の側に位置されるように配置されて構成され、それにより、分析されるべき物質は、身体123から離れる方を向くハウジング122の側124で測定され得る。これに関して、
図8は、1つの実施形態では手首のブレスレットの形態を成しているハウジング123に属するベルト125によってハウジング122が人の身体123に取り付けられることを示す。このとき、手首とは反対の側124で、ハウジングが励起光ビームSAを透過する窓を有し、又は、光学媒体108がハウジングの外方に面する側124に直接に嵌め込まれ、それ自体がハウジングの幾つかの部分の表面を形成する。
【0086】
図8に示されるように、このとき、破線により概略的に示される指先126を光学媒体108上に配置して測定することができる。
【0087】
光学媒体108は、支持体121と同様にハウジング122内に取り付けられてもよく、或いは、ハウジング122に直接に取り付けられてもよい。光学媒体108を支持体121に直接に接続することもでき、この場合、光学媒体に対する支持体121の相対的な位置決めのために調整装置127が設けられるべきである。
【0088】
励起光源100、装置105、及び、検出装置106、又は、これらの要素のうちの1つ又は2つだけを光学媒体108に対して直接に及び1又は複数の他の要素を支持体121に対して取り付けることも考えられる。
【0089】
ハウジング122の光学窓を通じて及び/又は光学媒体108を通じて、1つの実施形態では指紋など、物質表面又は位置決めされた指先126の他のパラメータを測定することができる。この目的のために、ハウジング内で、例えばカメラの形態を成す光検出器130を支持体121に締結することができ、光検出器130は、光学媒体108を通じて物質表面のデジタル画像を記録する。この画像は、検出装置106よる測定情報と同様に、検出装置に及び励起伝送装置にも直接に接続され得る処理ユニット107内で処理される。処理装置は、測定のための制御タスクを実行することもできる。また、処理装置は、装置の残りの部分から少なくとも部分的に分離されて離れていてもよく、また、無線接続によってこれらと通信することもできる。
【0090】
したがって、カメラ130からの画像データは、ハウジングの内部で又はハウジングの外側であっても無線リンクを介して更に処理され得るとともに、個人識別データベースと比較されて、識別された人の較正データを検索できる。
【0091】
このタイプの較正データは、遠隔検索のためにデータベース、一実施形態ではクラウドに記憶することもできる。検出装置106からの測定データは、ハウジングの内外の両方で更に処理することもできる。
【0092】
データがハウジング外で処理される場合、結果として得られるデータは、好ましくは、無線によってハウジング内の装置に返送されてそこで表示されるべきである。
【0093】
いずれの場合にも、ディスプレイをハウジング122に設けることができ、このディスプレイは、好適には、光学窓を通じて、1つの実施形態では光学媒体を通じてもある程度読み取ることができる。また、ディスプレイは、光学窓を通じて光学的指標を表示面上に投影することもでき、この目的のための投影装置を有することができる。ディスプレイは、1つの実施形態では、測定結果又は分析結果、特にグルコース濃度を表示するために使用され得る。情報は、1つの実施形態では、記号コード又はカラーコードを介して出力され得る。1つの実施形態では、ディスプレイ又は該ディスプレイと並列の信号伝送装置を用いて、インスリン用量の提案を他の患者パラメータ(例えばインスリン補正因子)に依存して提示することができ、或いは、インスリンポンプの形態を成す投薬装置へ信号を自動的に送信できる。
【0094】
外部データ処理装置131と装置との間の接続は、光ファイバケーブル、ケーブル、無線(例えば、Bluetooth、WiFi)、或いは、超音波又は赤外線信号などの全ての共通の標準規格を使用して実装され得る。
【0095】
図9は、励起伝送装置を変調態様で作動させるコントローラ132を有する変調装置を示す。測定光ビームのためのコントローラ132及び検出装置106の両方が評価装置107に接続される。
【0096】
図10は励起光源100を示し、この励起光源100の前方には、偏向方向136における励起光ビームの副次的偏向のために、MEMS(微小電気機械システム)135によって駆動されるミラー装置が例えば光学画像投影技術から知られるような1つ以上のマイクロミラー133,134を伴って配置される。
【0097】
図11は励起光源100を示し、この励起光源100の前方には、制御装置137によって制御可能な透過率を伴う光学層138が、励起光ビーム内に、1つの実施形態ではLCDセルを伴って配置される。
【0098】
(前述したような)この所有権出願は、特許請求の範囲の主題及び前述した例示的な実施形態に加えて、以下の態様にも言及する。これらの態様は、個々に又はグループで、いずれの場合にも特許請求の範囲の特徴と組み合わせられ得る。更に、これらの態様は、単独で或いは互いに又は特許請求の範囲の主題と組み合わされて解釈されるかどうかにかかわらず、独立した発明を表わす。出願人は、これらの発明を後日特許請求項の主題にする権利を留保する。これは、本出願との関連において又はこの出願の優先権を主張するその後の分割出願又は継続出願との関連において行なわれ得る。
【0099】
1)身体内の物質を分析するための方法であって、
−1つ又は複数の特定の励起波長を有する励起光ビームを前記身体の表面の第1の部位を通じて放出するステップと、
−機械的なチョッパとは異なる構成要素を用いて、特に励起光源の電子的起動、励起光源として使用される励起レーザの共振器のための調整装置、又は、可動ミラー装置、制御可能回折装置、ステッピングモータなどのモータに又はMEMSに結合されるシャッタ又はミラー装置、或いは、その透過率に関して制御可能なビーム経路内の層によって、1つ又は複数の周波数を有する励起光ビームを特に連続的に強度変調するステップと、
−身体外に位置される検出器を用いて、応答信号を時間分解態様で検出するステップであって、応答信号が身体内での励起光ビームの波長依存吸収の効果に起因するステップと、
を備える方法。
【0100】
1つの実施形態において、変調は、干渉によって、或いは、特に励起伝送装置がレーザ光装置を備える場合には励起伝送装置の放射の位相又は偏光に影響を与えることによって実行され得る。
【0101】
2)励起光ビームは、特に異なる波長を有する光を同時に又は順次に或いは任意のパルスパターンで放出するレーザアレイの形態を成す複数の放射体又はマルチ放射体によって生成されることを特徴とする態様1に記載の方法。
【0102】
3)身体の表面の第1の部位で音響応答信号が音響センサによって検出されることを特徴とする態様1又は2に記載の方法。
【0103】
4)応答信号は、赤外線センサ、特に熱電対、ボロメータ又は半導体検出器、例えば量子カスケード検出器を用いて身体の表面の第1の部位で検出されることを特徴とする態様1から3のいずれか1つに記載の方法。
【0104】
5)−光学媒体の表面の少なくとも1つの部位が身体の表面の第1の部位と接触するように、光学媒体と物質表面との接触をもたらすステップと、
−特に物質表面の第1の部位と接触する光学媒体の表面の部位を通じて励起波長を有する励起光ビームを前記表面の第1の部位の下方に位置される物質のボリュームへと放出するステップと、
−光学的な高温測定法を用いて光学媒体の表面の第1の部位の温度を測定するステップと、
−励起光ビームの波長に応じた検出温度上昇に基づき物質を分析するステップと、
を備える態様1から4のいずれか1つに記載の方法。
【0105】
6)測定光ビームが反射される光学媒体(10)と物質表面との界面で測定光ビームと励起光とが重なり合うように、物質表面と直接に接触する光学媒体(10)の表面(12)の部位上に光学媒体(10)を介して測定光ビームを放出するステップと、
励起光ビームの波長に応じて反射された測定光ビームの偏向を直接的に又は間接的に検出するステップと、
励起光ビームの波長に応じて測定光ビームの検出された偏向に基づいて物質を分析するステップと、
を備えることを特徴とする態様5に記載の方法。
【0106】
7)測定ビームは、励起光ビームを生成する同じ光源によって生成されることを特徴とする態様5又は6に記載の方法。
【0107】
8)偏向後、光学媒体内での検出前に、測定ビームが光学媒体の外側で又は光学媒体の部分的に内側で且つ部分的に外側で1回以上反射されることを特徴とする態様5,6又は7のいずれか1つに記載の方法。
【0108】
9)測定光ビームは、強度変調された特に赤外スペクトル範囲内の特にパルス励起光であり、特に変調範囲は、1Hz〜10kHz、好ましくは10Hz〜3000Hzであることを特徴とする態様1又は他の先行する又は後続の態様のいずれか1つに記載の方法。
【0109】
10)励起光ビーム/ビームの光は、複数の個々のレーザを伴う一体型配列、特にレーザアレイによって同時に又は連続的に又は部分的に同時に且つ部分的に連続的に生成されることを特徴とする態様1又は他の先行する又は後続の態様のいずれか1つに記載の方法。
【0110】
11)励起光ビームの異なる変調周波数で得られる応答信号から、応答信号がもたらされる表面下の深さに応じて応答信号の強度分布が決定されることを特徴とする態様1又は他の先行する又は後続の態様のいずれか1つに記載の方法。
【0111】
12)励起光ビームの1つの又は異なる変調周波数で変調された励起光ビームに対する応答信号の位相位置から、応答信号がもたらされる表面下の深さに応じて応答信号の強度分布が決定されることを特徴とする態様1又は他の先行する又は後続の態様のいずれか1つに記載の方法。
【0112】
13)表面下の深さに応じた応答信号の強度分布を決定するために、異なる変調周波数での測定結果が重み付けられて互いに組み合わされることを特徴とする態様11又は12に記載の方法。
【0113】
14)身体表面下の深さにわたって得られる強度分布から、特定の深さ又は深さ範囲で特定の波長範囲の励起光ビームを吸収する物質の物質密度が決定されることを特徴とする態様11,12又は13に記載の方法。
【0114】
15)応答信号/信号の検出直前又は検出直後又は検出中に、少なくとも1つのバイオメトリック測定が身体に関して第1の表面部位で又はこれに直接に隣接して行なわれ、特に指紋及び身体、特に人の測定値が同定され、特に、基準値(較正値)が応答信号の検出に割り当てられ得ることを特徴とする態様1又は他の先行する又は後続の態様のいずれか1つに記載の方法。
【0115】
16)物質を分析するための装置であって、それぞれが1つの励起波長を有する1つ以上の励起光ビームを、その表面の第1の部位の下方にある物質中に位置されるボリュームへと放出するための装置を有し、1つの励起光ビームを変調するための装置を伴い、該装置は、放射源の変調装置、特にそのコントローラ、干渉装置、位相又は偏光変調装置、及び/又は、ビーム経路内に配置される少なくとも1つの制御されたミラー、及び/又は、その透過性に関して制御可能なビーム経路内に配置される層によって形成され、励起光の波長と励起光の強度変調とに応じた時間依存応答信号を検出するための検出装置を有するとともに、検出された応答信号に基づいて物質を分析するための装置を伴う、装置。
【0116】
17)異なる強度変調周波数にしたがって応答信号を別個に決定するための装置を伴う、及び/又は、励起光ビームの変調の位相に対するそれぞれの応答信号の位相位置に応じた、特に励起光ビームの変調周波数に応じた応答信号を決定するための装置を伴う態様16に記載の装置。
【0117】
18)光学媒体であって、該光学媒体の表面と物質表面の第1の部位との接触を確立するための光学媒体を伴い、特に物質表面と接触する光学媒体の表面の部位を通じて1つ以上の励起波長を有する励起光ビームを表面の第1の部位の下方の物質中に位置されるボリュームへと放出するための装置を伴い、光学的な方法を用いて物質表面と接触する光学媒体の表面の部位の温度を測定するための装置を伴い、励起光ビームの波長と励起光ビームの強度変調とに応じて検出された温度上昇に基づき物質を分析するための装置を伴う態様16又は17に記載の物質を分析するための装置。
【0118】
19)励起光源が光学媒体に機械的に直接に接続固定されることを特徴とする態様18に記載の装置。
【0119】
20)物質表面の第1の部位と接触する光学媒体の部位へと測定光ビームを放出するための装置が設けられ、測定光ビームを検出するために、この装置及び/又は検出装置は、光学媒体に機械的に直接に接続固定され及び/又は光ファイバケーブルによって光学媒体に結合されることを特徴とする態様18に記載の装置。
【0120】
21)光学媒体が撮像光学系を直接に支持し、及び/又は、撮像光学系が光学媒体に組み込まれることを特徴とする態様18,19又は20に記載の装置。
【0121】
22)光学媒体の表面が互いの方へ傾けられる複数の部分面を有し、これらの部分面で測定光ビームが複数回反射されることを特徴とすることを特徴とする態様18又は他の先行する又は後続の態様のいずれか1つに記載の装置。
【0122】
23)1つ以上の鏡面が測定光ビームの反射のために光学媒体内又は光学媒体上に設けられることを特徴とする態様18又は他の先行する又は後続の態様のいずれか1つに記載の装置。
【0123】
24)時間依存応答信号を検出するために、検出装置は、特に共振器を用いて、とりわけヘルムホルツ共鳴器を用いて、物質表面で音響波を検出するための音響検出器を有することを特徴とする態様16又は17に記載の装置。音響源の検出器として、好ましくは共振器と同じ共振周波数を有する水晶フォークが使用される。共振器は開放又は閉鎖され得る。石英フォークは、好ましくは、共振器のネック内又はネック上にある(オフビーム)或いは共振器の内側又は外側にある(インビーム)。
【0124】
25)時間依存応答信号を検出するために、検出装置は、物質表面で熱放射を検出するための熱放射検出器、特に赤外線検出器、とりわけ熱電対、ボロメータ、又は、半導体検出器を有することを特徴とする態様16,17又は18に記載の装置。
【0125】
26)励起光源及び検出装置は、互いに直接に取り付けられ又は特に装置のハウジング又はハウジング部分によって形成される共通の支持体に直接に取り付けられることを特徴とする態様16から25のいずれか1つに記載の装置。
【0126】
27)装置が人の身体に締結され得る着用可能なハウジングを有し、1つ以上の励起光ビームを放出するための装置及び時間依存応答信号を検出するための検出装置は、分析されるべき物質が身体から離れる方向を向くハウジングの側で測定されるように配置されて構成されることを特徴とする態様16から26のいずれか1つに記載の装置。
【0127】
28)装置が人の身体に締結され得る着用可能なハウジングを有し、装置のハウジングは、意図された着用位置において身体から離れる方向を向くその側で励起光ビームを透過する窓を有することを特徴とする態様16から26のいずれか1つに記載の装置。
【0128】
29)少なくとも1つの励起波長を有する少なくとも1つの電磁励起ビーム、特に励起光ビームを生成するための励起伝送装置、応答信号を検出するための検出装置、及び、検出された応答信号に基づいて物質を分析するための装置を伴う、物質を分析するための装置。
【0129】
30)検出装置が結晶の変形を測定するように構成されることを特徴とする態様16から29のいずれか1つに記載の装置。
【0130】
変形は、サンプル表面に対する測定ビームのより急な(より大きい)入射角の選択によって光熱「バウンシング法」と同様にしてより効果的に測定することができ、また、測定ビームのミラージュ効果関連の偏向の影響を最小限に抑えることができる。
【0131】
文献:
M.Bertolotti,G.L.Liakhou,R.Li Voti,S.Paolino,and C.Sibilia.Analysis of the photothermal deflection technique win the surface refection theme:Theory and Experiment.Journal of Applied Physics 83,966(1998)
片持ち梁をサンプル上に直接に配置することができ、又は、片持ち梁を十分に薄い光学媒体上に配置することができ、この場合、光学媒体上には一方側にサンプルが配置され、反対側に片持ち梁が配置される。サンプル又は光学素子の熱膨張に起因して、片持ち梁は、変調されたポンプビームの吸収によって引き起こされる熱膨張により振動し始める。測定ビームは、片持ち梁の先端の上側へと反射されるとともに、振動に起因して、照射された波長及びサンプルの熱特性と変調周波数とに応じた大きさだけ偏向される。この偏向が検出される。
【0132】
31.励起伝送装置は、呼び出しレーザ又はLED、例えばNIR(近赤外線)LEDを含むことを特徴とする態様16から30のいずれか1つに記載の装置。
【0133】
32.励起伝送装置は、付加的なポンプレーザよりも小さい直径を有するプローブレーザを備えることを特徴とする態様16から31のいずれか1つに記載の装置。
【0134】
33.より好ましい信号対雑音比を達成するために、特に光学放射体、例えばIREの特定のコーティングが設けられ、それにより、熱がより良好に放散される(例えば、「熱伝導ペースト」)ことを特徴とする態様16〜32のいずれか1つに記載の装置。
【0135】
光学素子は、光学媒体への熱信号の改善された伝導をもたらすことができるように接触面上にコーティングされ得る。更に、コーティングは、擦り傷に対する保護としての機能を果たすこともでき、材料の優れた選択によって測定ビームのための反射面も実装することができる。この場合、励起光の透過性を維持しなければならない。
【0136】
34.装置は、
i.パルス列/二重変調
ii.振動ミラー
iii.MEMS干渉計
のためのシステムを有することを特徴とする態様16〜33のいずれか1つに記載の装置。
【0137】
35.装置は、1つの実施形態ではベルト、バンド、或いは、チェーン又は留め具などのハウジングに接続される保持装置を用いて人によって身体に恒久的に着用できるように設計され、及び/又は、検出装置は、測定値、クロック時間、及び/又は、テキスト情報などの情報のための表示面として使用することもできる検出面を有することを特徴とする態様16から34のいずれか1つに記載の装置。
【0138】
36.装置は、物質表面の前処理のための及び洗浄面を確保するための及び/又は1つの実施形態ではグルコース測定の場合に皮膚洗浄の目的で特別に設けられる、検出面の領域にある、好ましくは検出面に隣接するプルオフ膜を有することを特徴とする態様35に記載の装置。
【0139】
37.検出装置は、指紋を読み取って認識し、人の特定の値/較正を検索する及び/又は指の位置を検出する、好ましくは測定中に意図しない動きを検出して決定するように構成されることを特徴とする態様16から36のいずれか1つに記載の装置。
【0140】
38.検出装置は、1つの実施形態では音響的に及び/又は装置の精度が許容するよりも大きいステップでの測定の結果表示を伴うエラー表示(例えば、「100mg/dlプラス/マイナス5mg/dl」)を含む、好ましくはカラーコーディングによりアナログ表示として実装される結果表示を有することを特徴とする態様16から37のいずれか1つに記載の装置。このことは、例えば、ユーザを不安にさせ得る小さい変動が伝達されないことを意味する。
【0141】
39.装置は、測定されたデータの転送及び他の装置又はクラウドシステムからの較正データ又は他のデータの検索のためのデータインタフェースを備え、装置は、好ましくは、データを暗号化された形態で送信できるように、特にオペレータの指紋又は他のバイオメトリックデータによって暗号化できるように構成されることを特徴とする態様16から38のいずれか1つに記載の装置。
【0142】
40.装置は、人に与えられるべき提案されたインスリン用量を他のデータ(例えばインスリン補正因子)と関連して装置により決定できるように構成され、及び/又は、体重、体脂肪を同時に測定できる及び/又は手動で特定できる又は他の装置からこの装置へ送信できることを特徴とする態様16から39のいずれか1つに記載の装置。
【0143】
41.測定精度を高めるために、装置は、1つの実施形態では皮膚温度、拡散率、皮膚の導電率/水分レベルを決定するための、光の偏光(指表面上の水分/汗の分泌物)を測定するための、又は、同様のことを行なうセンサを用いて更なるパラメータを同定するように構成されることを特徴とする態様16から40のいずれか1つに記載の装置。
【0144】
グルコース測定に影響を及ぼし得る人の皮膚表面上の水及び汗は、1640cm−1(6.1μm)及び690cm−1(15μm)の水固有の帯域を伴う励起伝送装置を用いて励起放射による試験刺激によって検出され得る。吸収がある値を超えるであろう場合には、測定部位/物質表面/皮膚表面が信頼性の高い測定のためには濡れすぎている。或いは、水分レベルを決定するために、測定部位の近傍で又は測定部位で直接に材料の導電率を測定できる。その後、エラーメッセージと表面を乾燥させる命令とを出力できる。
【0145】
42.装置は、ポンプビームレーザ及び/又は測定ビームレーザのビーム経路内にカバーを有することを特徴とする態様16から41のいずれか1つに記載の装置。これは、ヒトにとって強制的な眼の安全がもたらされるようにする。
【0146】
43.装置が交換可能な検出面を有することを特徴とする態様16から42のいずれか1つに記載の装置。
【0147】
44.装置には、幾つかの領域に、サンプル(例えば指)のより良好な調整を可能にする溝付き又は粗面化された結晶が光学媒体として設けられることを特徴とする態様16から43のいずれか1つに記載の装置。分析されるべき物質の表面が配置される測定ポイントは、好ましくは溝を伴うことなく滑らかに設計される。
【0148】
45.ビームを測定するために、円筒状のTEMpl TEM00モードを使用することができる、或いは、円筒状のTEMpl TEM00モードの代わりに他のモード、例えばTEM01(ドーナツ)、TEM02又はTEM03を使用できることを特徴とする態様16から44のいずれか1つに記載の装置。特に、後者のモードは、偏向された測定ビーム(図参照)のための検出器を形成する象限ダイオードの感度プロファイルにそれらの強度が整合され得るという利点を有する。加えて、例えばTEM30又はTEM03又はそれよりも高い矩形モードTEMmnを使用することができる。これにより、水平方向又は垂直方向に干渉しにくいサンプリングビーム/測定ビームを使用することができる。
【0149】
46.装置があるポイントだけでなくグリッド内でも測定することを特徴とする態様16から45のいずれか1つに記載の装置。これは、ポンプレーザ又はプローブレーザ或いは検出ユニットを移動させることによって行なうことができる。移動の代わりに、ポンプレーザ又はプローブレーザの1つ以上のアレイが想定し得る。
【0150】
励起ビームの放出後の応答信号の検出のための他の検出方法は、
−光音響検出
−音叉や他の振動要素或いは開放QePASセルを伴う僅かに変更された光音響形態(Quartz−enhanced Photo−Acoustic Spectroscopy)を使用する光音響検出、
を備えてもよい。これらの方法は、表面上で圧力変動/振動を検出してそれらを測定されたビーム偏向に関して前述した態様で評価するために使用され得る。
【0151】
原理的には、励起ビームの周期的な変調に対する応答信号の位相シフトの測定値を深度プロファイリングのために使用することができる。(この目的のために、物質表面の加温/冷却段階は、それらの波形又はパターンに関してより正確に評価されるべきである)。
【0152】
記載された装置は、人体に対する最大限歪みのない測定を可能にするために死んだ皮膚層を除去するための粘着ストリップ、及び、光学媒体上に規則的に塗布され得る熱伝導性ペーストを有するプラスターの供給と関連付けられ得る。光学媒体は、残りの部分の適切な締結及び調整がなされれば、交換可能となり得る。
【0153】
測定を実行するために、装置は、人の指だけでなく、唇又は耳たぶにも設けられて構成され得る。
【0154】
幾つかの実施形態において、測定は、指又は身体の他の部分の直接的な接触及び(距離を隔てた)配置を伴わなくても機能することができ、その結果、非接触測定がもたらされる。
【0155】
誤差に対する同様の感受性を伴う記載されて説明された複数の測定システムの組み合わせによって、測定をその精度及び信頼性に関して改善することができる。
【0156】
評価におけるDAQ及びロックインアンプを1つの装置に組み合わせることができ、また、評価全体をデジタル化することができる。
【0157】
測定装置は、グリッド測定の過程で測定中に励起光源及び/又は測定光源がグリッドパターンで皮膚上にわたって移動することにより皮膚の不規則性を補償できる或いは更には排除できるように移動面上でも実行され得る。
【0158】
検出装置/偏向装置の感度は、プローブビーム/測定光源の波長の調整/変化によって最適化され得る。この目的のため、測定光源は、波長に関して変化させることができる、或いは、選択又は組み合わせのために異なる波長の複数のレーザ光源を含むことができる。
【0159】
ポンプレーザ/プローブレーザの偏向のために、理想的な横モード(TEM)を選択することができる。
【0160】
励起伝送装置、測定光源、及び、検出器を共通のアレイとして構成することができ、また、ビームを光学媒体中で適切に偏向させて、全てのビームの放出及び受光を1つのポイントに集中させることができる。
【0161】
光学媒体の結晶上又は結晶内のレンズは、応答信号に応じて測定光ビームをより強く偏向させることに寄与し得る。
【0162】
加えて、ギャップがないフォトダイオードを検出のために使用することも考えられ、このとき、レンズは、測定光ビームをそれが抜け出た後に合焦させることができ、それにより、より正確な測定を行なうことができる。
【0163】
特許請求の範囲に係る本発明の更なる変形が以下の概念に記載される。この概念は、単独で、前述の態様と組み合わせて、又は、特許請求の範囲の主題と組み合わせて解釈されるかどうかにかかわらず、少なくとも1つの独立した発明も構成する。出願人は、この発明又はこれらの発明を後日に特許請求の範囲の主題にする権利を留保する。これは、本出願との関連において又はこの出願の優先権を主張するその後の分割出願又は継続出願との関連において行なわれ得る。
【0164】
量子カスケードレーザを使用する励起と輻射熱による熱波の測定とを用いた皮膚中のグルコースの決定による非侵襲的な血糖測定のための概念。
図12及び
図13に基づき、皮膚における間質液(ISF)中のグルコース又は他の物質の濃度を決定することができる方法について説明する。ISF中のグルコースは、血糖値を表わしており、変化の際にはそれに急速に追従する。方法は、以下のステップ又はシーケンス全体の個々のステップ又はグループから少なくとも成る。
【0165】
1.皮膚102上のポイント(この場合、物質表面の第1の部位)には量子カスケードレーザのビームが照射され、このビームは、ミラー又は放物面鏡140に合焦されて場合により反射されるとともに、グルコースが特異的に吸収される特定の赤外線範囲にわたって徐々に又は連続的に調整される。量子カスケードレーザ100の代わりに、単一波長で放射する複数のレーザを有するレーザアレイを使用することもできる。スペクトル範囲(又は個々の波長、一般的には5以上の波長)は、特に約900〜約1300cm
−1であってもよく、この場合、グルコースは、吸収指紋、すなわち、典型的で且つ代表的な吸収ラインを有する。
【0166】
2.SAで指定された励起ビームが連続的に(CWレーザ)又は高いパルス反復率を伴うパルスモードで又は変調態様で使用される。加えて、励起ビームは、特に10〜1000Hzの周波数範囲で、低周波変調される。低周波変調は、様々な周期関数を伴って、様々な実施形態では、正弦波、方形波、又は、鋸波などを伴って実行され得る。
【0167】
3.皮膚の照射に起因して、赤外線は、約50〜100μmの深さまで皮膚に浸透するとともに、波長に応じて、グルコース分子において特定の振動を励起する。振動レベルv0からv1までのこれらの励起は、非常に短時間で初期状態に戻る。このステップでは熱が解放される。
【0168】
4.(3)にしたがって生み出された熱の結果として、吸収の場所から等方的に伝搬する熱波が形成される。上記(2)に記載される低周波変調により規定される熱拡散長に応じて、熱波が変調周波数で周期的に皮膚の表面に到達する。
【0169】
5.表面における熱波の周期的な出現は、皮膚(サンプルの物質表面)の熱放射特性の周期的な変調に対応する。この皮膚は、ここでは黒体放射体として近似的に記述することができ、ステファン・ボルツマン法則にしたがうその全放出量は表面温度の4乗に比例する。
【0170】
6.照射下の皮膚のポイントに向けられる熱放射のための検出器139、すなわち、赤外線検出器、すなわち、熱電対、ボロメータ、半導体検出器、又は、同様の装置を用いて、(5)に記載の周期的な温度上昇が記録される。この温度上昇は、(1)及び(2)に記載の赤外光の照射と、(3)に記載の吸収とに依存し、したがって、グルコースの濃度に依存する。熱放射SR(この場合、応答信号)は、光学素子によって、1つの実施形態では赤外線レンズ又はミラーによって、特に凹型放物面鏡141によって収集されるとともに、1つの実施形態では凸面ミラー141aを介して検出器139へと方向付けられる。この目的のため、1つの実施形態で使用される収集ミラーは開口142を有することができ、この開口142を通じて収集されたビームが導かれる。ある波長範囲の赤外線のみが通過できるようにするフィルタ143をビーム経路に設けることもできる。
【0171】
7.応答信号を処理する際、変調周波数を特に考慮に入れることができ、そのため、応答信号をロックインアンプ144で処理することができる。制御・処理ユニット147を使用する励起信号と放熱信号(応答信号)との間の位相角の解析により、表面下の深さに関する深さ情報を得ることができ、その深さ情報から応答信号が概ね得られる。
【0172】
8.深さ情報は、励起ビームに関して(2)に記載されるような様々な低周波変調周波数の選択及び分析と、異なる変調周波数に関する結果の組み合わせ(この場合、異なる変調周波数に関して結果を異なって重み付けることもできる)とによって得ることもできる。このため、最上皮膚層の吸収を補償するべく異なる方法又は他の計算方法を使用することができる。
【0173】
9.ポイント(6)に係る熱放射の検出感度を最大にするために、この方法は、利用できる赤外線範囲全体に関して広いスペクトル帯域にわたって使用される。できるだけ多くのプランク放射曲線の部位を使用すべきである。集中的励起放射に検出が影響され難いようにするために、放熱の検出には、これらの励起波長のためのブロッキングフィルタ(ノッチフィルタ)143が設けられる。ブロッキングフィルタ143を透過する波長範囲148も
図13の図から明らかである。その点で、応答信号の強度は、励起ビームを伴わず又は同定されるべき物質に関して非特異的波長の励起放射のみを伴って第1の(実線)曲線145では波長の関数として示され(すなわち、物質の特定の吸収帯域が存在する波長を伴わない)、その後、第2の(破線)曲線146では、同様の曲線が示され、この場合、同定されるべき物質の特定の吸収波長を含む励起ビームが照射される。
【0174】
10.グルコースが同定されるべき場合には、励起波長に依存する(6−9)にしたがって測定された熱信号から、1つの実施形態では、励起ビーム(曲線145)の非グルコース関連波長を用いて(又はそれらを除いて)最初にバックグラウンドが決定され、その後、グルコース関連波長を用いて(又は含めて)バックグラウンド信号からの差が決定される。これは、(7)に係る選択された位相位置又は(8)に係る異なる変調周波数又はこれらの組み合わせによって規定される1つ又は複数の皮膚層におけるグルコース濃度をもたらす。
【0175】
好ましい例示的な実施形態を用いて本発明をより詳しく図示して説明してきたが、本発明は開示された例によって限定されず、そこから、当業者により、本発明の保護範囲から逸脱することなく他の変形を導き出すことができる。