特許第6880039号(P6880039)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6880039高速センサモジュール用のリジッド−フレックスアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6880039
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】高速センサモジュール用のリジッド−フレックスアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20210524BHJP
   H01R 12/72 20110101ALI20210524BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
   H05K3/46 L
   H01R12/72
   H05K1/02 P
【請求項の数】22
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-535402(P2018-535402)
(86)(22)【出願日】2016年11月11日
(65)【公表番号】特表2019-511110(P2019-511110A)
(43)【公表日】2019年4月18日
(86)【国際出願番号】US2016061629
(87)【国際公開番号】WO2017123319
(87)【国際公開日】20170720
【審査請求日】2018年7月6日
(31)【優先権主張番号】62/277,431
(32)【優先日】2016年1月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/194,427
(32)【優先日】2016年6月27日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ノイマン,ジェイ アール.
(72)【発明者】
【氏名】マクワン,トーマス エフ.
(72)【発明者】
【氏名】シグルズソン,デイヴィッド イー.
(72)【発明者】
【氏名】ペレス,アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ラムベ,ジャニン エフ.
(72)【発明者】
【氏名】トレイシー,グレゴリー ディー.
【審査官】 鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−115437(JP,A)
【文献】 特開2004−029652(JP,A)
【文献】 特開2014−110206(JP,A)
【文献】 特開2011−204503(JP,A)
【文献】 特開2014−154244(JP,A)
【文献】 特開2001−128072(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0041400(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0304763(US,A1)
【文献】 特開2012−037688(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/46
H01R 12/72
H05K 1/02
H01L 27/146
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速データ転送用のリジッド−フレックスアセンブリであって、
第1端及び第2端を持つフレキシブル配線セクションであり、前記第1端は、センサによって集められたデータを転送するために電気コンポーネントに電気的に結合可能であり、当該フレキシブル配線セクションは、第1のフレキシブルストリップ及び第2のフレキシブルストリップを有し、該第1のフレキシブルストリップ及び該第2のフレキシブルストリップは、これらの間に、ギャップ距離を有する制御された分離空間を形成するように、積み重ねて共に取り付けられている、フレキシブル配線セクションと、
前記第1のフレキシブルストリップ上に形成された第1の電気配線セットと、
前記第2のフレキシブルストリップ上に形成された第2の電気配線セットであり、前記制御された分離空間の周りで前記第1の電気配線セットが当該第2の電気配線セットと対向するように形成された第2の電気配線セットと、
前記フレキシブル配線セクションの前記第2端付近で前記第1のフレキシブルストリップに取り付けられた第1のリジッド基板、及び前記フレキシブル配線セクションの前記第2端付近で前記第2のフレキシブルストリップに取り付けられた第2のリジッド基板であり、当該第1のリジッド基板と当該第2のリジッド基板とが空間的に互いに離隔されてスタックを形成するようにされた第1のリジッド基板及び第2のリジッド基板と、
前記第1及び第2のリジッド基板に電気的に結合され、前記データを処理するコンピュータシステムに取り付け可能な、コネクタと、
を有するアセンブリ。
【請求項2】
前記制御された分離空間の前記ギャップ距離は、前記フレキシブル配線セクションの前記第1のフレキシブルストリップと前記第2のフレキシブルストリップとの部分間の距離によって規定される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記第1及び第2のフレキシブルストリップの各々が、前記制御された分離空間の形状を少なくとも部分的に画成する側縁部を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の電気配線セットは、前記第2の電気配線セットからオフセットされている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
当該アセンブリは、前記電気コンポーネントに結合された1つのみのフレキシブル配線セクションを有し、前記電気コンポーネント、前記第1及び第2のリジッド基板、及び前記コネクタが、エンドランチ・インプレーン接続構成を提供する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
当該アセンブリは更に、前記コネクタに取り付けられて前記第1及び第2のリジッド基板を少なくとも部分的に支持するコネクタバックシェルを有し、当該アセンブリは更に、前記第1及び第2のリジッド基板の互いからの離隔を支援するように前記第1及び第2のリジッド基板の各々に結合された少なくとも1つのブッシングを有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記電気コンポーネントは、集積回路ボードアセンブリであり、前記センサは、焦点面アレイモジュールを有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記第1及び第2のリジッド基板は、空間的に互いに離隔されるとともに、互いに対して概して平行である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
当該アセンブリは更に、前記第2のフレキシブルストリップに積み重ねて取り付けられた第3のフレキシブルストリップを有し、前記第1、第2及び第3のフレキシブルストリップの各々の少なくとも一セクションが、共にラミネートされており、当該アセンブリは更に、第3のフレキシブルストリップに取り付けられた第3のリジッド基板を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記フレキシブル配線セクションは、信号インテグリティを維持しながら熱負荷を更に低減させる低放射率材料で包まれ又は覆われている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項11】
データをキャプチャして転送するセンサモジュールであって、
ハウジングと、
前記ハウジング内のセンサと、
前記センサに電気的に結合された集積回路ボードアセンブリと、
前記センサによって集められたデータを転送するために前記集積回路ボードアセンブリに電気的に結合されたフレキシブル配線セクションであり、当該フレキシブル配線セクションは、第1のフレキシブルストリップ及び第2のフレキシブルストリップを有し、該第1のフレキシブルストリップ及び該第2のフレキシブルストリップは、これらの間に、ギャップ距離を有する制御された分離空間を形成するように、積み重ねて共に取り付けられている、フレキシブル配線セクションと、
前記フレキシブル配線セクションに電気的に結合されたリジッドセクションであり、当該リジッドセクションは、前記第1のフレキシブルストリップに取り付けられた第1のリジッド基板、及び前記第2のフレキシブルストリップに取り付けられた第2のリジッド基板を有し、前記第1のリジッド基板及び前記第2のリジッド基板が空間的に互いに離隔されてスタックを形成している、リジッドセクションと、
前記リジッドセクションに電気的に結合され、前記センサから集められたデータを処理するコンピュータシステムに取り付け可能な、コネクタであり、前記フレキシブル配線セクションは、高速データ転送が可能である、コネクタと、
を有するセンサモジュール。
【請求項12】
前記フレキシブル配線セクションは、前記ハウジング内で曲げられる、請求項11に記載のセンサモジュール。
【請求項13】
前記第1のフレキシブルストリップは、第1の電気ワイヤセットを有し、前記第2のフレキシブルストリップは、第2の電気ワイヤセットを有し、前記第1及び第2の電気ワイヤセットは、前記制御された前記分離空間にて互いに対向している、請求項11に記載のセンサモジュール。
【請求項14】
前記コネクタは、前記リジッドセクションに電気的に結合されたエッジコネクタであり、前記集積回路ボードアセンブリ、前記リジッドセクション、及び前記コネクタは、エンドランチ・インプレーン接続構成を提供する、請求項11に記載のセンサモジュール。
【請求項15】
前記センサは焦点面アレイである、請求項11に記載のセンサモジュール。
【請求項16】
前記コネクタは更に、複数のコンタクトフレクシャを有し、前記第1及び第2のリジッド基板は、互いに離隔させての前記コンタクトフレクシャの導入及び位置決めをガイドするための、前記第1及び第2のリジッド基板に形成されて前記複数のコンタクトフレクシャに電気的に結合される複数のV字パッドを有する、請求項11に記載のセンサモジュール。
【請求項17】
高速センサモジュールを製造する方法であって、
ハウジングを用意し、
前記ハウジング内にセンサを取り付け、
前記センサにリジッド−フレックスアセンブリを電気的に取り付ける、
ことを有し、
前記リジッド−フレックスアセンブリは、
前記センサに電気的に結合された集積回路ボードと、
前記センサによって集められたデータを転送するために前記集積回路ボードに電気的に結合されたフレキシブル配線セクションであり、当該フレキシブル配線セクションは、第1のフレキシブルストリップ及び第2のフレキシブルストリップを有し、該第1のフレキシブルストリップ及び該第2のフレキシブルストリップは、これらの間に、ギャップ距離を有する制御された分離空間を形成するように、積み重ねて共に取り付けられている、フレキシブル配線セクションと、
前記フレキシブル配線セクションに電気的に結合されたリジッドセクションであり、当該リジッドセクションは、前記第1のフレキシブルストリップに取り付けられた第1のリジッド基板、及び前記第2のフレキシブルストリップに取り付けられた第2のリジッド基板を有し、前記第1のリジッド基板及び前記第2のリジッド基板が空間的に互いに離隔されてスタックを形成している、リジッドセクションと、
前記リジッドセクションに電気的に結合され、前記センサによって集められたデータを処理するコンピュータシステムに取り付け可能な、コネクタであり、前記フレキシブル配線セクションは、高速データ転送が可能である、コネクタと、
を有する、
方法。
【請求項18】
当該方法は更に、前記フレキシブル配線セクションを前記ハウジング内で曲げることを有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
当該方法は更に、前記第1のフレキシブルストリップを、前記第1のフレキシブルストリップに対向して位置付けられた前記第2のフレキシブルストリップに結合することによって、前記フレキシブル配線セクションを作製することを有し、各フレキシブルストリップが、データを転送するための電気配線を有し、前記第1及び第2のフレキシブルストリップの一セクションが、前記制御された分離空間を画成する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
当該方法は更に、前記集積回路ボード、前記リジッドセクション、及び前記コネクタを、エンドランチ・インプレーン接続構成へと構成することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
当該方法は更に、前第1及び第2のリジッド基板の各々の上面及び下面に配置されたV字パッドに電気的に接続された複数のコンタクトフレクシャを用いて、前記第1及び第2のリジッド基板を前記コネクタに電気的に取り付けることを有する、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
信号インテグリティを維持しながら熱負荷を更に低減させるよう、前記フレキシブル配線セクションを低放射率材料で覆う又は包む、ことを更に有する請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
高速センサモジュールは典型的に、物体の画像/動画に関するデータをキャプチャして転送するために、高速デジタル読み出し集積回路(readout integrated circuit;ROIC)に取り付けられたセンサ(例えば焦点面アレイモジュールなど)を有する(例えば可視・赤外フォーカルプレーンモジュール(Visible and Infrared Focal Plane Modules)とともに使用されるものなど)。典型的なROICは、1つ、2つ、又は多数のワイヤストリップセクションを有することができ、それらは、配線ストリップによって転送されたデータを処理するために、一連のコネクタ(例えば90度コネクタ又はエッジコネクタ)を介してそこから延在してコンピュータシステムに取り付けられる。また、近年のROICは、信号インテグリティを維持しながら、及び、例えば何百回もの熱サイクルにわたって40K以下で動作するセンサモジュールの熱絶縁を提供しながら、1桁の大きさで上昇された出力レート(2.7Gps超)で動作することが要求されている。信号挿入損失も、7db未満であることが要求され得る。さらに、NASAのASTM595は、これらのセンサモジュールが、少なくとも5年間、真空下で継続的に動作することを要求している。上記の厳しい要求は、センサモジュールと、例えば配線ストリップ、ROIC、並びに接続デバイス及び接続方式などのそのコンポーネントの設計及び動作に、数多くの難題を課している。これらの難題の一部は、最適な信号インテグリティ(例えば、接続、継ぎ手、及びワイヤボンドの量)と熱損失アイソレーション(例えば、使用される銅線の体積及びそれらの構成)との間の繊細な設計トレードオフを含む。より高いデータレートは、必要とされる出力ケーブルを削減し、それ故に熱性能を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0002】
一緒になって本発明の特徴を例として示す添付図面とともに以下の詳細な説明を検討することで、本発明の特徴及び利点が明らかになる。
図1】本開示の一例に従った、センサチップアセンブリに取り付け可能なリジッド−フレックスアセンブリ(RFA)の等角図を示している。
図2】本開示の一例に従った、RFAを有するセンサモジュール(焦点面アレイモジュール−FPAM)の概略図を示している。
図3A図1のRFAの断面図を示している。
図3B】本開示の一例に従った、図1及び3AのRFAのフレキシブル配線セクションの等角断面図を示している。
図4A】本開示の一例に従った、RFAのスタックの概略図を示している。
図4B】本開示の一例に従った、RFAのスタックの一部の概略図を示している。
図4C】本開示の一例に従った、RFAのスタックの一部の概略図を示している。
図5】本開示の一例に従った、RFAのエッジコネクタの分解図を示している。
図6A】本開示の一例に従った、切り離されている図5のエッジコネクタの一部の上面図を示している。
図6B】本開示の一例に従った、エッジコネクタのピンに基板が接続された図6Aの上面図を示している。
図7】本開示の一例に従った、RFAのエッジコネクタに接続される基板の側断面図を示している。
図8】本開示の一例に従った、コネクタに結合されたRFAのリジッドセクションの概略断面図を示している。
図9】本開示の一例に従った、センサモジュール用のRFAを製造する方法のフローチャートを示している。 以下、図示した例を参照するとともに、ここでは特定の言葉を用いてそれを記述する。そうとはいえ、理解されるように、それによる本発明の範囲の限定は意図していない。
【発明を実施するための形態】
【0003】
ここで使用されるとき、用語“実質的に”は、完全又は略完全な範囲又は程度の動作、特性、性質、状態、構造、品目又は結果を表す。例えば、“実質的に”包囲されている物体は、その物体が完全に包囲されているか、あるいは略完全に包囲されているかの何れかを意味する。絶対的な完全性からの逸脱の正確な許容可能な程度は、一部の場合において、具体的な文脈に依存し得る。しかしながら、一般的に言えば、完全に近いことは、あたかも絶対的且つ総合的な完全さが得られるかのように全体として同じ結果を有するようなものである。“実質的に”の用法は、動作、特性、性質、状態、構造、品目又は結果の完全又は略完全な欠如を表す否定的な含意で使用されるときにも等しく当てはまる。
【0004】
ここで使用されるとき、“隣接”は、2つの構造又は要素の近接を表す。特に、“隣接”しているとして特定される要素は、接しているか接続されているかの何れかであり得る。そのような要素はまた、必ずしも互いに接触しなくてもよく、互いに近いか接近するかであってもよい。近接性の正確な程度は、一部の場合において、具体的な文脈に依存し得る。
【0005】
以下では、最初に技術例の概説を提供し、その後に具体的な技術例を更に詳細に説明する。この最初の概要は、より迅速に技術を理解する上で読者を助けることを意図したものであり、技術の重要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図したものではなく、また、特許請求に係る事項の範囲を限定することを意図したものでもない。
【0006】
一例に従った高速データ転送用のリジッド−フレックスアセンブリ(rigid-flex assembly;RFA)が開示される。このアセンブリは、センサ(例えば、焦点面アレイなど)に取り付け可能な電気コンポーネント(例えば、回路ボード)を含むことができる。センサチップアセンブリによって集められたデータを転送するために、フレキシブル配線セクションが、一端で電気コンポーネントに電気的に結合され得る。フレキシブル配線セクションは、熱輸送を最小化することができるとともに、フレキシブル配線セクション(並びにROIC及びセンサ)から熱を運び去るための熱伝達を容易にすることができる(すなわち、熱伝達手段を有することができる)。一態様において、熱伝達は、フレキシブル配線セクションの第1のフレキシブルストリップと第2のフレキシブルストリップとの間の領域によって画成される制御された分離ボリューム(容積部)又は隙間を介して遂行され得る。フレキシブル配線セクションの他端には、複数のリジッド基板(例えば、3つの基板)が電気的に結合され得る。エッジコネクタが、リジッド基板に電気的に結合され、センサチップアセンブリによって集められたデータを処理するコンピュータシステムに取り付け可能にされる。
【0007】
フレキシブル配線セクションは、第1の電気ワイヤ又はトレースのセットを含む第1のフレキシブルストリップと、気体中又は真空中の制御された分離ボリュームにて第1の電気ワイヤのセットに対向した、第2の電気ワイヤ又はトレースのセットを含む第2のフレキシブルストリップとを有することができる。電気コンポーネントは、例えば、焦点面アレイセンサのpn接合から集められたデータを転送するためのROICアセンブリとすることができる。
【0008】
一例に従った、高速データ転送用のRFAを有するセンサモジュールが開示される。このモジュールは、ハウジングと、ハウジング内のセンサモジュールとを含むことができる。RFAは、センサチップアセンブリに電気的に結合されて例えばROICを介してデータを転送する電気回路ボード又は電気伝送基板を含むことができる。センサチップアセンブリからのデータを転送するために、回路ボードにフレキシブル配線セクションが電気的に結合され得る。フレキシブル配線セクションにリジッドセクションが電気的に結合され得る。コネクタが、リジッドセクションに電気的に結合され又は一体化され、センサチップアセンブリによって集められたデータを処理するコンピュータシステムに取り付け可能にされる。フレキシブル配線セクションは、最適な信号インテグリティのための高速データ転送が可能であり得るとともに、低熱伝導/放射経路を提供することが可能であり得る。
【0009】
フレキシブル配線セクションは、制御された分離ボリュームを有することができるとともに、コンパクトなセンサモジュールを提供するよう、ハウジング内で屈曲(例えば、蛇行)されることができる。コネクタは、リジッドセクションに電気的に結合されたエッジコネクタとすることができ、回路ボード、リジッドセクション、及びコネクタが、最適化された信号インテグリティと熱損失アイソレーション又は熱負荷低減とのためのエンドランチ(end-launch)インプレーン(in-plane)接続構成を提供するようにし得る。
【0010】
センサチップアセンブリ(例えば、焦点面アレイ)の出力データ速度は、1bpsから2.7Gbps超とすることができる。センサチップアセンブリ及びRFAは、何百回という熱サイクルで、少なくとも40ケルビンの温度、又は373Kから40K未満の温度で動作するように構成されることができる。
【0011】
一例に従った、最適な信号インテグリティ及びアイソレートされた熱損失のための高速センサモジュールを製造する方法が開示される。この方法は、ハウジングを用意し、ハウジング内にセンサモジュールを取り付けることを含むことができる。この方法は、センサチップアセンブリにリジッド−フレックスアセンブリ(RFA)を電気的に取り付けることを含むことができる。RFAは、センサ(SCA)に電気的に結合された集積回路と、センサチップアセンブリからのデータを転送するために回路ボードに電気的に結合されたフレキシブル配線セクションとを含むことができる。RFAは更に、フレキシブル配線セクションに電気的に結合されたリジッドセクションと、リジッドセクションに電気的に結合されるとともに、センサによって集められたデータを処理するコンピュータシステムに取り付け可能なコネクタとを含むことができる。
【0012】
この方法は、信号インテグリティのため及び動作中に低熱伝導経路を提供するために、第1のフレキシブル電気ストリップを、対向する第2のフレキシブルストリップに結合して、これらのフレキシブルストリップ間に制御された分離ボリュームを画成することによって、フレキシブル配線セクションを製造することを含むことができる。この方法は、ハウジング内でフレキシブル配線セクションを曲げることを含むことができる。この方法は、例えば、センサの出力データ速度が少なくとも2.7Gbpsであり、且つ40ケルビン未満の動作温度を有することができるように、回路ボード、リジッドセクション、及びコネクタを、エンドランチ・インプレーン接続構成へと構成することを含むことができる。
【0013】
センサモジュールを動作させる方法は、物体に関するデジタル撮像データをキャプチャし、センサチップアセンブリに取り付けられたRFAを介してそのようなデータを転送することを含むことができる。
【0014】
図1は、一例に従った、高速データ転送用のセンサモジュール(焦点面アレイモジュール)10の等角図を示している。アセンブリ10は、センサチップアセンブリ14(例えば、pn接合及びROICを有する赤外又は可視焦点面アレイなど)に取り付け可能な電気コンポーネント12(破線)を含むことができる。電気コンポーネント12は、例えばペデスタル17によってセンサモジュール(例えば、図2)に取り付け可能なセンサカバー16に収容された回路ボードアセンブリとすることができる。センサチップアセンブリ14によって集められたデータを転送するため、及びSCAに電力を供給するために、フレキシブル配線セクション18が、一端20で、電気コンポーネント12に電気的に結合され得る。フレキシブル配線セクション18は、フレキシブル配線セクション18に沿った熱伝導を低減するための抵抗性の熱経路を作り出す(すなわち、熱輸送を最小化することができる)一方で(この温度又は熱の輸送については、図3A及び3Bを参照して更に説明することになる)、電気的な接続を容易にすることができる。フレキシブル配線セクション18の第2端24に、コネクタ22(例えば、図1)が電気的に結合され得る。コネクタは、センサによって集められたデータを処理するコンピュータシステム50(例えば、図2)に取り付け可能とし得る。
【0015】
図2は、一例に従った、センサモジュールシステム30の概略図を示している。システム30は、例えば、物体34の画像/動画をキャプチャするための集積焦点面ハウジングアセンブリ32(Integrated Focal Plane Housing Assembly;IFPHA)を含むことができる。IFPHA32は、ハウジング36と、ハウジング36内のセンサチップアセンブリ38とを含むことができる。IFPHA32は、センサチップアセンブリ38が物体の画像をキャプチャすることを可能にする透明な層40(例えば、電力供給される又は電力供給されないガラス素子)を含むことができる。例えば回路ボード又はRFAなどの電気コンポーネント42が、センサ38に電気的に結合され得る。ハウジング36への取り付けのために、電気コンポーネント42にペデスタル17が取り付けられている。オプションとして、層40とセンサ38との間にフィルタ41が位置付けられ得る。センサチップアセンブリ38によって集められたデータを転送するために、電気コンポーネント42にフレキシブル配線セクション44が電気的に結合され得る。フレキシブル配線セクション44は、信号インテグリティを維持しながら熱負荷を更に低減し得るものである低放射率材料、例えばカプトン(登録商標)(又は当業者によって認識されるその他のもの)上に真空蒸着されたアルミニウムなど、で覆われる又は包まれることができる。フレキシブル配線セクションに、リジッド又はフレキシブルなセクション46が電気的に結合され得る(例えば、図3A及び5参照)。例えばハーメチックコネクタなどのコネクタ48が、リジッド又はフレキシブルなセクション46に電気的に結合され、センサ38によって集められたデータを処理するコンピュータシステム50に取り付け可能にされる。一部の態様において、ハウジングアセンブリ32は、環境条件から信号チェーンを保護するように構成された密閉ユニットを提供するために、1つ以上のシール又は封止手段を有することができる。
【0016】
フレキシブル配線セクション44は、最適な信号インテグリティのため及び低熱伝導経路を提供するための高速データ転送が可能である。図2に示すように、フレキシブル配線セクション44は、ハウジング36内で曲げられることができる(例えば、蛇行することができる)。なお、フレキシブル配線セクション44は、コネクタ48から電気コンポーネント42へのエンドランチを提供する単一又は複数のフレキシブル配線セクションである(図3Aの例を参照)。故に、電気コンポーネント42、フレキシブル配線セクション44、リジッドセクション46、及びコネクタ48は、単一又は複数のフレキシブルセクションに関する最適化された信号インテグリティのためのエンドランチ・インプレーン接続構成を提供する。1つの構成例において、センサチップアセンブリ38の出力データ速度は少なくとも2.7Gbpsであり、200回を上回る熱サイクルで、40ケルビン未満の温度で動作することができる。
【0017】
図3A及び3Bは、図1のリジッド−フレックスアセンブリの、異なる領域に沿ってとられた異なる断面図である。図3Aは、図1のRFAの直線A−A付近の断面図を示しており、図3Bは、図1のフレキシブル配線セクションの直線B−B付近の等角断面図を示している。一例において、図3Aは、センサチップアセンブリ(ここには図示せず)に取り付け可能な電気コンポーネント52を有するRFA50を開示する。電気コンポーネント52は、センサモジュール(例えば図2のセンサモジュールなど)に取り付け可能なペデスタル56内に収容された電力フィルタリングを有する回路ボードとすることができる。センサによって集められたデータを転送するために、フレキシブル配線セクション58が、第1端60で、電気コンポーネント52に電気的に結合され得る。フレキシブル配線セクション58は、ペデスタルからハウジングセクション58への熱エネルギー輸送を抑制又は最小化するように構成されることができる。フレキシブル配線セクション58の第2端64に、コネクタ61が電気的に結合され得る。コネクタバックシェル62を有するコネクタ61は、センサによって集められたデータを処理するコンピュータシステム(例えば、図2)に取り付け可能とし得る。
【0018】
一例において、フレキシブル配線セクション58は、第1の電気ワイヤ又はトレースのセットを含んだ第1のフレキシブルストリップ70と、第1の電気ワイヤのセットから分離されてオフセットされた第2の電気ワイヤ又はトレースのセットを含んだ第2のフレキシブルストリップ72とを有することができる。図3Bに示すように、第1のフレキシブルストリップ70及び第2の電気ストリップ72は、これらのストリップ間に、信号インテグリティを維持して電気的クロストークを最小化するために、熱損失を低減するように作用する制御された分離ボリューム73を画成するような形状にされる(例えば、図4A及び4B参照)。従って、図3Bに示すように、第1のフレキシブルストリップ70の及び第2の電気ストリップ72の左側及び右側は、各ストリップの薄めの中央部と比較して、断面に示される厚めのエッジを有し、それが、対向するストリップの厚めのエッジ部に結合又はラミネートされるときに、制御された分離ボリューム73を画成する。第3のフレキシブルストリップ74が、第2のフレキシブルストリップ72に隣接して位置付けられて、例えば、電源からRFAを介してセンサモジュールに電力を伝送することができる。フレキシブル配線セクション58は、マイクロストリップ構成(例えば、図4A)又はストリップライン構成を有することができる。
【0019】
一部の例において、RFAは、フレキシブル配線セクション58の第2端64に電気的に結合された複数のリジッド基板76(例えば、図3A、5、及び7)を含むことができる。一例において、リジッド基板76は、上側基板78、中央基板80、及び下側基板82を含むことができる(例えば、図5参照)。上側基板78は、第1のフレキシブルストリップ70に電気的に取り付けられることができ、中央基板80は、第2のフレキシブルストリップ72に電気的に取り付けられることができ、そして、下側基板82は、第3のフレキシブルストリップ74に電気的に取り付けられることができる。
【0020】
一部の例において、コネクタ61は、ストラドルマウント型コネクタを有することができる。コネクタ61は、基板76を例えばコンピュータシステムに電気的に結合する複数の電気ピン(図6A、6B、及び7)を含むことができる。一部の例において、コネクタ61及び基板76及びRFAは、接続ワイヤを有しておらず、それが、例えばワイヤボンド接続システム又はスルーホールコネクタと比較して信号インテグリティを改善する。上述のように、このタイプのコネクタ61及びコネクタバックシェル62を組み込むことは、フレキシブル配線セクション58及び電気コンポーネント52へのエンドランチ接続を提供する(すなわち、RFA及びコネクタは例えば90度ターン及び接続ワイヤを有しておらず、それが、信号インテグリティを最適化する)。図3Aの切り出し部分Cによって示されるように、コネクタバックシェル62は、例えばEMIガスケットなどの導電性/半導電性ガスケット88を受け入れる大きさのスロット部86を有した上側コネクタバックシェルハウジング84を含むことができる。誘電ガスケット88は、上側基板78に当てて圧縮可能である。同様に、コネクタ62の(上側ハウジング84とは反対側の)下側コネクタバックシェルハウジングは、下側基板82に当てて圧縮可能な導電性/半導電性ガスケットを受け入れる同様のスロット部を含むことができ、それにより、必要に応じて、コネクタ62の両側のハウジングが、上側及び下側基板に当たって、並びにそれら間で、挟み込む又は圧縮するようにし得る(図5及び7を参照)。上側及び下側ハウジング内のEMIガスケットは、振動を低減すること及び/又は電磁干渉を最小化若しくは排除することを支援する。
【0021】
図4Aは、一例に従ったマイクロストリップスタック100を示している。スタック100は、複数のエッチングされたプリントフレキシブルボードを含むことができ、また、本出願で説明されるフレキシブル配線セクションの部分として組み込まれることができる。例えば、ストリップセクションAは第1のフレキシブルストリップ102とすることができ、ストリップセクションBは第2のフレキシブルストリップ104とすることができ、そして、ストリップセクションCは第3のフレキシブルストリップ106とすることができる。従って、セクションXは、本出願にて説明される電気コンポーネント(例えば、集積回路ボード)のスタックセクションの一例である。セクションYは、本出願にて説明されるフレキシブル配線セクションのスタックセクションとすることができる。セクションZは、本出願にて説明される3つのリジッド基板(例えば、リジッドセクション)のスタックセクションとすることができる。各ストリップセクションA、B、Cは、別々に製造され、次いで、複数のビア107(ブラインドビア及びスルービア)によって共に電気的に結合される及び接地されることができ、空間的に互いに別々のセクションを、スタックセクションX、Y、Zを形成するように維持することができる。この構成は、例えば、フレキシブル配線セクションが、ワイヤ間の電気的接触を回避しながらセンサモジュール内で屈曲すること、及び、制御された分離を画成してハウジングへの熱損失を低減することを可能にする。この目的のため、図4Aのスタック構成は、第1のフレキシブルストリップ102と第2のフレキシブルストリップ104との間に制御された分離距離/ボリュームGを提供する(例として図3B及び4Bも参照)。フレキシブル配線セクション間の制御された分離は、信号インテグリティと熱負荷低減との間で最適化されることができる。
【0022】
図4Aのスタック100を特に詳細に示すように、コネクタはんだパッドに信号を戦略的に送ることを可能にするビア107に取り付け可能なように、複数の誘電体コア108及びカバーレイ110が含められている。これらの材料について詳細には説明しないが、それらは、例えばポリイミド、Pyralux(登録商標)、又は低い誘電正接を持つその他の好適材料などの、あるタイプの利用可能な層から選択されることができる。コア116上に、例えば、RFA及びセンサのコンポーネントを電気的に結合する複数の銅トレース112がある。(特に、制御された分離距離/ボリュームGに隣接する)これらのトレースの特定の構成については、図4B及び4Cを参照して更に説明される。図4Aに示すように、複数のはんだマスク114が設けられ得る。さらに、図示のように、スタックの複数のセクションに複数のグランドプレート116が設けられ得る。特に、各フレックス配線セクションのこのマイクロストリップ構成は、全てがフレキシビリティを維持しながら、信号インテグリティを最小限の又は最適化された熱負荷とバランスさせる片面グラウンド構造を提供する。
【0023】
図4B及び4Cは、一例に従ったフレキシブル配線セクションの一部について、制御されたインピーダンストレース構造の幾何学構成を例示する概略図を示している。図4Bは、第1のフレキシブルセクション122が、第2のフレキシブルセクション124に対向して、(図4Aにおいてのような)気体(1つ以上)の又は真空のギャップGを画成することを示している。第1のフレキシブルセクション122は、グランドプレーン126と、トレース130p及び130n並びにトレース132p及び132nを有するコア128とを含んでいる。同様に、第2のフレキシブルセクション124は、グランドプレーン136と、トレース140p及び140n並びにトレース142p及び142nを有するコア138とを含んでいる。“p”なる添字及び“n”なる添字を持つトレースは、それぞれ、差動トレースペアの“正”成分及び“負”成分を表し得る。一例において、これらのトレースは、本出願の図を参照して説明されるものなどのセンサチップアセンブリのROICからのデータを転送する。
【0024】
一部の例において、図4Bを参照するに、距離D1は、トレース130nと132pとの間の距離であり、少なくとも0.032インチ()とし得る。距離D2は、一対のトレースの中心線と、対向する隣接するトレースとの間の距離である。例えば、トレース130p及び130nの中心線Cは、140n又は142pのどちらからも距離D2にあり、それは、少なくとも0.016インチとし得る。故に、一対のトレースの中心線Cと隣接するトレース対のトレース(D2)との間の距離比は、2:1の比とし得る。制御された分離ボリューム又はギャップGは通常、0.032インチ(0.81ミリメートル)とし得る。故に、隣接するトレース対(D1)とギャップGとの間の距離比は、少なくとも1:1の比とし得る。同様に、D2とギャップGとの間の距離比は、少なくとも2:1の比とし得る。差動ペア間の電気的クロストークの望ましくない影響を最小化するため、図示したマイクロストリップ差動ペアの実装では、最小距離G及びインプレーン対の最小離隔距離D1は、距離D5の少なくとも4倍であるべきである。マイクロストリップ構成は、ストリップラインでの各フレキシブルセクションの第2の対向する信号グランド層を排除し、それ故に、熱伝導負荷を低減する。ストリップライン差動ペア実装では、インプレーン対の最小離隔距離D1を更に小さくして、差動ペア間の電気的クロストークの望ましくない影響を最小化することができる。この分離及び信号トレース間隔は、熱負荷を低減又は最小化するように作用しながら、信号インテグリティを最適化し、信号クロストークを最小化することができる。マイクロストリップ又はストリップラインの何れの差動ペア伝送線路実装でも、信号トレースの幅及び間隔、インプレーンでのペア間分離が、信号インテグリティと熱負荷低減との間で最適化されることができる。
【0025】
引き続き図4Cを参照するに、フレキシブル配線セクション144は、グランドプレーン146及びコア148を含む。フレキシブル配線セクション144は、トレース150p及び150nを含む。トレース150pと150nとの間の離隔距離D3は、少なくとも4ミル(0.1ミリメートル)とすることができる。トレース150p又は150nの何れかの幅距離D4は、少なくとも3ミルとすることができる。コア148の高さ距離D5(及びグランド146とトレース150p及び150nとの間の距離)は、少なくとも3ミルとすることができる。故に、D4とD5との間の距離比は、100オーム差動インピーダンス実装で、少なくとも1:1の比とし得る。しかしながら、その他の好適な比及び差動インピーダンスも可能である。
【0026】
図5は、本開示の一例に従った、RFAのエッジコネクタアセンブリ160の分解図を示している。図3Aと同様に、コネクタアセンブリ160は、複数の締結具166によって下側ハウジング164に結合される上側ハウジング162を有し得る。ハウジング162及び164は、一対の締結具170によって(及びその他のインタフェース機構によって)コネクタフレーム部材168に結合され得る。3つの基板172、174、及び176が、ハウジング162、164内で互いに空間的に分離され得る。各基板172、174、及び176は、フレーム部材168に結合されたコンタクトを受ける複数のV字パッド178を有し得る。V字パッド178は、各基板の上面及び下面に形成され得る(図7)。
【0027】
図6Aは、本開示の一例に従った、図5のエッジコネクタの一部の上面図を示している。コネクタフレーム部材168は、それから延在する複数のコンタクトフレクシャ180を含んでいる(図7も参照)。例えば、基板172が、コンタクトフレクシャ180を受け入れて各ピンを当該基板上の各V字パッドのトレースに電気的に結合する複数のV字パッド178を含む。図6Aは、V字パッド178から離脱されたコンタクトフレクシャ180を示しており、図6Bは、V字パッド178に係合されて基板172を例えばコンピュータシステムに電気的に結合しているコンタクトフレクシャ180を示している。図6A及び6Bは、基板172の上面上の単一列のコンタクトフレクシャ及び単一列のV字パッドのみを示している(3つの基板上の全列のピン及びV字パッドの図については図7を参照)。図6Bに示すように、コンタクトフレクシャ180は、それぞれのV字パッド178内に位置付けられることから、互いに空間的に離隔されている。前述のように、基板は、これらのコンタクトフレクシャによってのみフレーム部材に電気的に接続され、それ故に、接続ワイヤ(例えば、ジャンパワイヤ)を有していない。
【0028】
図7は、本開示の一例に従った、RFAのエッジコネクタのコネクタフレーム部材168に接続された基板172、174、及び176の側断面図を示している。各基板172、174、及び176が、それぞれのV字パッド178の中へと各基板のそれぞれの表面に結合された複数の上側ピン186a及び複数の下側ピン186bを介して、フレーム部材168のポート184に電気的に結合される。故に、各基板が、該基板の上面及び下面に形成されたV字パッド178を有しており、これらのV字パッドが、例えば、アライメントを維持しながら、それぞれのコンタクトフレクシャ186a、186bを電気的に受けるとともに、ピン間の望ましくない接触を避けるようにピンを空間的に離隔させ、それにより、ジャンパーワイヤボンドが排除される。
【0029】
図8は、一例に従った、コネクタアセンブリ191に取り付けられたリジッドセクション190の概略断面図である。リジッドセクション190及びコネクタアセンブリ191は、図1−4Aを参照して説明した例で使用されることができる。リジッドセクション190は、例えば第1の上側基板192a、第2の中央基板192b、及び第3の下側基板192cなどの複数の基板を含む。上述のように、基板192aは、フレキシブル配線セクションの第1のフレキシブルストリップに電気的に結合されることができ、基板192bは、フレキシブル配線セクションの第2のフレキシブルストリップに電気的に結合されることができる(例えば、図3A及び4A)。基板192cは、例えば、回路ボード及びセンサに接続されたフレキシブル電力ストリップセクションに電気的に結合されることができる。基板192a、192b、及び192cは、基板の端部上の一対のピン/ブッシング196a及び196bによって空間的に離隔されることができる。ピン/ブッシング196a及び196bは各々、一対の誘電体Oリング又はエラストマ198a及び198bをそれぞれ有することができる。ピン/ブッシング196a及び196bは、基板間の相互接続の張力緩和(例えば、はんだ)を提供すること、及び振動アイソレーションを提供することを支援し、それにより、構造的及び電気的な完全性を向上させる。コネクタアセンブリ191内で基板192a、192b、及び192cを位置決めし且つ絶縁するために、ピン/ブッシング196a及び196bの端部とコネクタバックシェル191との間にエラストマ(図示せず)を配置することができる。フレキシブルセクションが基板に結合されてコネクタハウジングに入る位置で基板間にエラストマ(例えば、導電性)バッファ材料(図3Aのバッファ163)を配置することができ、それにより、安定性と、EMIの影響を受けにくくする共通グランドとが提供される。
【0030】
図9は、一例に従った、RFAを有する高速センサモジュールを製造する方法200のフローチャートである。この方法は、ハウジングを用意し、ハウジング内にセンサチップアセンブリを取り付けるステップ202を含むことができる。この方法は、センサチップアセンブリにRFAを電気的に取り付けるステップ206を含むことができる。リジッドフレックスアセンブリは、センサに電気的に結合された集積回路ボードと、センサによって集められたデータを転送するために回路ボードに電気的に結合されたフレキシブル配線セクションとを含むことができる。RFAは更に、フレキシブル配線セクションに電気的に結合されたリジッドセクションと、リジッドセクションに電気的に結合され、センサから集められたデータを処理するコンピュータシステムに取り付け可能なコネクタとを含むことができる。フレキシブル配線セクションは、低熱伝導経路を提供しながら、最適な信号完全性のための高速データ転送が可能である。
【0031】
この方法は、ワイヤ間に制御された分離ボリュームを画成するように第1のフレキシブル電気ストリップを対向する第2のフレキシブルストリップに結合することによって、フレキシブル配線セクションを作製するステップ208を含むことができる。この方法は、例えばフレキシブル配線セクションを回路ボードに組み合わせる又はラミネートすることなどによって、フレキシブル配線セクションを回路ボードに取り付けるステップ210を含むことができる。この方法は、例えばフレキシブル配線セクションをリジッド基板に組み合わせる又はラミネートするなど、フレキシブル配線セクションをリジッド基板に取り付けるステップ212を含むことができる。この方法は、誘電体ブッシングを用いて複数のリジッド基板を互いに空間的に分離するステップ214を含むことができる。この方法は、複数のリジッド基板をコネクタに電気的に取り付けるステップ216を含むことができる。ブッシングは制御された隔たりを提供し、コネクタインタフェースとバックシェルとの間のCTE変化を許容する。さらに、信号に対するEMI減衰を提供するために、離隔されたセクションの各々とコネクタバックシェルとの間にEMIガスケットを固定することができる。
【0032】
RFAを作製した後、この方法は、フレキシブル配線セクションをハウジング内で曲げるステップ218を含むことができる。この方法は、回路ボード、リジッドセクション、及びコネクタを、センサハウジング内でエンドランチ・インプレーン接続構成へと構成するステップ220を含むことができる。この方法は、例えば、本開示にて更に説明される導電性Oリング、ブッシング、及び/又はガスケットを結合するなど、信号遮蔽及び/又はEMI遮蔽を結合又は組み込むステップ221を含むことができる。
【0033】
組み立てられると、方法ステップ222は、画像及び/又はデータをキャプチャすることによってセンサモジュールを使用し、そのような情報を例えばコンピュータシステムにRFAを介して転送することを含むことができる。
【0034】
当業者によって理解されることには、これらの方法ステップは、センサモジュールとともに曲げられる単一のフレキシブル配線セクションを持つエンドランチリジッド−フレックスアセンブリを有するセンサモジュールを作製するために、任意の特定の順序で達成され得る。
【0035】
理解されるべきことには、開示された本発明の例は、ここに開示された特定の構造、処理工程、又は材料に限定されず、当業者によって認識されるその均等範囲に拡張される。やはり理解されるべきことには、ここで使用されている用語は、単に特定の例を説明する目的で使用されており、限定の意図はない。
【0036】
本明細書の全体を通じての“1つの例”又は“一例”の参照は、その例に関連して記載される特定の機構、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの例に含まれることを意味する。故に、本明細書の全体の様々な箇所で“1つの例において”又は“一例において”という言い回しが現れることは、必ずしも全てが同じ例に言及しているわけではない。
【0037】
ここで使用されるとき、複数の品目、構造要素、組成要素、及び/又は材料が、便宜上、共通のリストにて提示され得る。しかしながら、それらのリストは、そのリストの各メンバーが別個の独特のメンバーとして個々に特定されているかのように解釈されるべきである。故に、そのようなリストの何れの個々メンバーも、反することの示唆がない限り、単に共通のグループにて提示されていることに基づいて、同じリスト内のその他のメンバーの事実上の等価物として解釈されるべきでない。さらに、ここでは、本発明の様々な例が、その様々な構成要素に関する代替とともに言及されることがある。理解されるように、それらの例、及び代替は、互いに事実上の等価物と見なされるべきでなく、本発明の別個の自立した表現と見なされるべきである。
【0038】
また、記載された機構、構造、又は特性は、1つ以上の例において好適に組み合わされ得る。説明においては、本発明の例の十分な理解を提供するため、例えば長さ、幅、形状の例など、数多くの具体的詳細事項が提供されている。しかしながら、当業者が認識するように、本発明は、これらの具体的詳細事項のうちの1つ以上を用いずに実施されてもよいし、あるいは、他の方法、構成要素、材料などを用いて実施されてもよい。また、周知の構造、材料、又は処理については、本発明の態様を不明瞭にすることがないよう、詳細に示したり説明したりしていない。
【0039】
以上の例は、1つ以上の特定の用途において本発明の原理を例示したものであり、当業者には明らかなように、発明能力の発揮なしで、本発明の原理及び概念を逸脱することなく、実装の形態、用法、及び細部における数多くの変更が為され得る。従って、以下に記載される請求項によるものを除いて、本発明を限定する意図はない。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9