(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
光を受光する受光面を有する撮像素子の前記受光面に対応する開口部を有するフレキシブル基板の一方の面に、前記受光面が前記開口部から露出するように、前記撮像素子を接合するとともに、前記フレキシブル基板の、前記撮像素子の周囲に、光学モジュールが接合される前記フレキシブル基板の接合部分を補強する補強部材を接合することと、
前記開口部を介して、前記撮像素子に前記光を入射させるように、前記フレキシブル基板の他方の面に、前記光学モジュールを接合することと
を含み、
前記補強部材は、
前記接合部分の少なくとも一部を含む範囲に対向するように接合され、
前記撮像素子の周囲の一部が開口するように構成される
カメラモジュールの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<本技術を適用したディジタルカメラの一実施の形態>
【0024】
図1は、本技術を適用したディジタルカメラの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0025】
ディジタルカメラは、静止画、及び、動画のいずれも撮像することができる。
【0026】
図1において、ディジタルカメラは、カメラモジュール1、及び、信号処理基板2を有する。
【0027】
カメラモジュール1は、そこに入射する入射光を受光し、光電変換を行って、入射光に対応する画像データを出力する。
【0028】
信号処理基板2は、カメラモジュール1が出力する画像データを処理する。
【0029】
すなわち、信号処理基板2は、メモリ3、信号処理部4、出力部5、及び、制御部6を有する。
【0030】
メモリ3は、カメラモジュール1が出力する画像データを一時記憶する。
【0031】
信号処理部4は、メモリ3に記憶された画像データを用いた信号処理としての、例えば、ノイズの除去や、ホワイトバランスの調整等の各種の処理を行い、出力部5に供給する。
【0032】
出力部5は、信号処理部4からの画像データを出力する。
【0033】
すなわち、出力部5は、例えば、液晶等で構成されるディスプレイ(図示せず)を有し、信号処理部4からの画像データに対応する画像を、いわゆるスルー画として表示する。
【0034】
また、出力部5は、例えば、半導体メモリや、磁気ディスク、光ディスク等の記録媒体を駆動するドライバ(図示せず)を有し、信号処理部4からの画像データを記録媒体に記録する。
【0035】
さらに、出力部5は、例えば、外部の装置との間でデータ伝送を行うI/F(Interface)として機能し、信号処理部4からの画像データや、記録媒体に記録された画像データを、外部の装置に伝送する。
【0036】
制御部6は、ユーザの操作等に従い、ディジタルカメラを構成する各ブロックを制御する。
【0037】
以上のように構成されるディジタルカメラでは、カメラモジュール1が、入射光を受光し、その入射光に応じて、画像データを出力する。
【0038】
カメラモジュール1が出力する画像データは、メモリ3に供給されて記憶される。メモリ3に記憶された画像データについては、信号処理部4による信号処理が施され、その結果得られる画像データは、出力部5に供給されて出力される。
【0040】
図2は、カメラモジュール1の構成例を示す分解斜視図であり、
図3は、カメラモジュール1の構成例を示す断面図である。
【0041】
カメラモジュール1は、フレキシブル基板110、撮像素子120、光学モジュール130、及び、補強部材140を有し、フレキシブル基板110を、撮像素子120と光学モジュール130とで挟んだサンドイッチ構造になっている。
【0042】
フレキシブル基板110は、開口部111、接合端子112、及び、実装用電極113を有し、撮像素子120と、
図2及び
図3には図示しない受動素子や外部の回路基板との間で、信号を伝送する回路を形成する。
【0043】
開口部111は、撮像素子120の受光面121に対応する矩形状の開口部で、受光面121のサイズ以上の開口になっている。接合端子112は、撮像素子120と電気的に接続される。実装用電極113は、信号処理基板2や図示せぬマザーボード等の外部の回路基板と電気的に接続される。
【0044】
本実施の形態では、フレキシブル基板110は、横長の矩形状になっており、開口部111は、フレキシブル基板110の右端に近い部分に形成され、実装用電極113は、フレキシブル基板110の左端に近い部分に露出している。
【0045】
フレキシブル基板110において、接合端子112は、実装用電極113と電気的に接続されており、したがって、接合端子112に電気的に接続された撮像素子120との間では、実装用電極113を介して、電源を含む電気的な信号の伝送を行うことができる。
【0046】
撮像素子120は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサであり、図示せぬ複数のPD(Photo Diode)等の光電変換素子が行列状に配置され、光を受光する受光面121を有する。
【0047】
さらに、撮像素子120の受光面121側には、バンプ(電極)122が形成されている。
【0048】
撮像素子120は、フレキシブル基板110の一方の面としての裏面(
図2及び
図3において、下側の面)に、接合端子112とバンプ122とを接続する、例えば、フリップチップボンディングにより接合されている。
【0049】
撮像素子120の、フレキシブル基板110への接合は、撮像素子120の受光面121が、フレキシブル基板110の開口部111から露出するように行われている。
【0050】
なお、バンプ122としては、例えば、金スタッドバンプ等を採用することができる。バンプ122の材料としては、フレキシブル基板110と撮像素子120とを電気的に接続する任意の材料を選定することができる。
【0051】
光学モジュール130は、レンズ131や図示せぬ絞り等の光学系の部品が搭載されたモジュールで、底面側が開き、内部が空洞で、上面に、レンズ131に光を入射させる穴が開いた略箱状のパッケージ(筐体)を有する。光学モジュール130の穴には、レンズ131を保護する透明部材132が設けられている。
【0052】
光学モジュール130は、開口部111を介して、撮像素子120に光を入射させるように、フレキシブル基板110の、撮像素子110が接合される面でない方の面、すなわち、フレキシブル基板110の他方の面としての表面(
図2及び
図3において、上側の面)に接合されている。
【0053】
光学モジュール130の、フレキシブル基板110への接合は、接着材151を用い、フレキシブル基板110の開口部111を介して、撮像素子120に光が入射するように行われている。
【0054】
ここで、光学モジュール130がフレキシブル基板110に接合されたときに、光学モジュール130が接合されるフレキシブル基板110の接触部分(又は光学モジュール130の接触部分)の外周のサイズは、撮像素子120の外周のサイズよりも大になっている。
【0055】
したがって、カメラモジュール1の断面を見た場合に、光学モジュール130は、その光学モジュール130の端部が撮像素子110からはみ出た位置(撮像素子120の外側の位置)に配置される。
【0056】
そのため、フレキシブル基板110に、撮像素子120を接合した後に、光学モジュール130を接合することで、カメラモジュール1を製造する場合には、フレキシブル基板110に、光学モジュール130を接合するときに、フレキシブル基板110の、光学モジュール130との接合部分が、光学モジュール130によって押され、フレキシブル基板110が、撮像素子120との接触部分の端部を支点として撓む。
【0057】
この、フレキシブル基板110の撓みは、光学モジュール130をフレキシブル基板110に接合する位置の精度の低下や、フレキシブル基板110の接合端子112と撮像素子120のバンプ122との間の接続不良を引き起こす原因となるおそれがある。
【0058】
そこで、フレキシブル基板110に、光学モジュール130を接合するときに、フレキシブル基板110に撓みが生じることを防止するため、カメラモジュール1には、フレキシブル基板110の、光学モジュール130との接合部分を補強する補強部材140が設けられている。
【0059】
補強部材140は、撮像素子120の厚み以上の厚みを有し、フレキシブル基板110の、撮像素子120が接合される裏面の、撮像素子120の周囲に接合されている。
【0060】
補強部材140は、接着材152を用いて、フレキシブル基板110の、光学モジュール130との接合部分の少なくとも一部を含む範囲に対向するように接合されており、撮像素子120の周囲の一部が開口するように構成される。
【0061】
したがって、撮像素子120の厚み以上の厚みの補強部材140は、光学モジュール130の外周に沿うような形で、かつ、撮像素子120の周囲を密閉しないように設けられる。
【0062】
以上のように構成されるカメラモジュール1は、フレキシブル基板110の裏面に、撮像素子120及び補強部材140を接合した後、フレキシブル基板110の表面に、光学モジュール130を接合することで製造される。
【0063】
したがって、フレキシブル基板110に、光学モジュール130を接合するときには、フレキシブル基板110の、光学モジュール130との接合部分は、撮像素子120の厚み以上の厚みの補強部材140によって支持されるので、フレキシブル基板110が撓むことを抑制することができる。
【0064】
その結果、フレキシブル基板110の撓みに起因する、光学モジュール130の位置の精度の低下や、フレキシブル基板110の接合端子112と撮像素子120のバンプ122との間の接続不良を抑制することができる。
【0065】
さらに、カメラモジュール1では、補強部材140は、撮像素子120の周囲の一部が開口するように構成され、撮像素子120の周囲を密閉しない。したがって、撮像素子120で生じる熱を放熱する放熱性の低下を抑制すること(放熱性を担保すること)ができる。
【0066】
ここで、大まかには、上述のように、補強部材140の厚みを、撮像素子120の厚み以上の厚みにすることで、撮像素子120及び補強部材140を接合したフレキシブル基板110を、平面上においたときに、撮像素子120及び補強部材140の両方の底面、又は、補強部材140の底面が、平面に接する状態となる。そして、その結果、フレキシブル基板110の、光学モジュール130との接合部分が補強部材140によって強固に支持され、フレキシブル基板110に光学モジュール130を接合するときの、フレキシブル基板110の撓みを十分に抑制することができる。
【0067】
但し、実際の実装では、撮像素子120のバンプ122の高さや、補強部材140をフレキシブル基板110に接合するときの接着材152の厚み等の影響により、例えば、補強部材140の厚みを、撮像素子120の厚みに等しい厚みとしても、撮像素子120及び補強部材140を接合したフレキシブル基板110を、平面上においたときに、補強部材140の底面が、平面に接しない状態となることがあり得る。この場合、フレキシブル基板110に光学モジュール130を接合するときの、フレキシブル基板110の撓みを抑制する程度が低下する。
【0068】
そこで、実際の実装では、フレキシブル基板110に、光学モジュール130を接合するときに、フレキシブル基板110が撓むことを十分に抑制するために、
図2及び
図3において、フレキシブル基板110に撮像素子120及び補強部材140を接合したときに、補強部材140の底面が、撮像素子120の底面と同一平面上に位置するか、又は、撮像素子120の底面よりも下側に突出するように、補強部材140の厚みを選定することが望ましい。
【0069】
以上のように、フレキシブル基板110に撮像素子120及び補強部材140を接合したときに、補強部材140の底面を、撮像素子120の底面と同一平面上に位置させるか、又は、撮像素子120の底面よりも下側に突出させる補強部材140の厚みを、以下、支持厚みともいう。
【0071】
図4は、補強部材140の、フレキシブル基板110への接合を説明する図である。
【0072】
すなわち、
図4は、フレキシブル基板110の、光学モジュール130との接合部分BPと、補強部材140との位置関係の例を示す、カメラモジュール1の概略の分解斜視図及び分解断面図である。
【0073】
なお、
図4では、図が煩雑になるのを避けるため、撮像素子120の図示を省略してある。
【0074】
光学モジュール130は、例えば、
図2及び
図3で説明したように、底面側が開き、内部が空洞で、略箱状のパッケージを有するため、フレキシブル基板110の、光学モジュール130との接合部分BPは、
図4のAに示すように、中空の(内部が空洞の)略矩形の形状になる。
【0075】
補強部材140は、上述のような中空の略矩形の接合部分BPの、例えば、少なくとも四隅を補強する。
【0076】
すなわち、
図2ないし
図4では、補強部材140は、その補強部材140がフレキシブル基板110に接合されたときに、撮像素子120の周囲の一部が開口するように、略L字型のプレート状の4個のL字部材で構成される。
【0077】
そして、補強部材140を構成するL字部材は、例えば、略矩形の接合部分BPの四隅に対向するように、フレキシブル基板110に接合される。かかるL字部材は、フレキシブル基板110に接合されたときに、L字部材どうしの間に、十分な開口が形成されるようにするため、L字部材の棒状の部分が、略矩形の接合部分BPの一辺よりも十分に短い長さになっている。
【0078】
さらに、L字部材の厚みは、光学モジュール130がフレキシブル基板110に接合されるときに、フレキシブル基板110を支持することができるように、例えば、支持厚みになっている。
【0079】
以上のように、補強部材140を4個のL字部材で構成し、その4個のL字部材が、接合部分BPの四隅に対向するように、フレキシブル基板110に接合する場合には、その補強部材140によって、光学モジュール130がフレキシブル基板110に接続されるときに、フレキシブル基板110が支持され、接合部分BPに加わる力によって、フレキシブル基板110が撓むことを抑制することができる。
【0080】
さらに、接合部材140をフレキシブル基板110に接合した後に、撮像素子120の周囲の一部が開口した状態になるので、撮像素子120で生じる熱を放熱する放熱性が低下することを抑制することができる。
【0081】
補強部材140の、フレキシブル基板110への接合は、補強部材140が、接合部分BPの幅方向(
図4の横方向)の全体と対向するように行う他、補強部材140が、接合部分BPの幅方向の少なくとも一部を含む範囲に対向するように行うことができる。
【0082】
すなわち、例えば、補強部材140として、
図4のBに示すように、接合部分BPと(ほぼ)同一の幅を有するL字部材を採用し、そのような補強部材140としてのL字部材が、接合部分BPと幅方向に(ほぼ)完全に重なるように、補強部材140を接合することができる。
【0083】
また、例えば、補強部材140として、
図4のCに示すように、接合部分BPよりも広い幅を有するL字部材を採用し、そのような補強部材140としてのL字部材が、接合部分BPの幅方向を包含するように、補強部材140を接合することができる。
【0084】
さらに、例えば、補強部材140として、
図4のDに示すように、接合部分BPよりも狭い幅を有するL字部材を採用し、そのような補強部材140としてのL字部材が、接合部分BPの幅方向に包含されるように、補強部材140を接合することができる。
【0085】
また、例えば、補強部材140として、任意の幅のL字部材を採用し、そのような補強部材140を、
図4のEに示すように、補強部材140としてのL字部材の一部と、接合部分BPの一部とが幅方向に重なるように接合することができる。
【0086】
なお、
図4のEでは、補強部材140は、接合部分BPの外側(光学モジュール130の外側)の一部と重なるように接合されているが、その他、補強部材140は、接合部分BPの内側(光学モジュール130の内側)の一部と重なるように接合することができる。
【0087】
以上のように、補強部材140が、接合部分BPの少なくとも一部を含む範囲に対向するように接合されることで、光学モジュール130がフレキシブル基板110に接合されるときに、接合部分BPが補強部材140によって支持され、これにより、フレキシブル基板110が撓むことを抑制することができる。
【0089】
図5は、カメラモジュール1の製造方法の例を説明する図である。
【0090】
カメラモジュール1を製造する図示せぬカメラモジュール製造装置は、ステップS11において、個片状態のフレキシブル基板110の裏面を上側に向け、そのフレキシブル基板(FPC)110の、補強部材140が接合される部分に、接着材152(
図5には図示せず)を塗布する。
【0091】
ここで、接着材152は、フレキシブル基板110の、補強部材140を構成するL字部材が接合される部分にのみ塗布しても良いし、フレキシブル基板110の裏面側の、接合部分BPに対向する範囲の全体等の、補強部材140を構成するL字部材が接合される部分を含む任意の範囲に塗布しても良い。
【0092】
但し、接着材152を、補強部材140を構成するL字部材が接合される部分を含む任意の範囲に塗布する場合には、接着材152の塗布は、撮像素子120の周囲の通気性を確保するように行う必要がある。すなわち、補強部材140がフレキシブル基板110に接合された後に、その補強部材140を構成するL字部材どうしの間の開口部分が、接着材152によって完全に塞がれないように、接着材152を塗布する必要がある。
【0093】
カメラモジュール製造装置は、ステップS12において、フレキシブル基板110の裏面に、補強部材140を配置して押圧し、接着材152によって、補強部材140を、フレキシブル基板110の裏面に接合する。
【0094】
ここで、補強部材140の接合に際しては、補強部材140を構成するL字部材は、例えば、接合部分BPの四隅の位置の、接合部分BPの幅方向の少なくとも一部を含む範囲に対向するように配置される。
【0095】
カメラモジュール製造装置は、ステップS13において、例えば、フリップチップボンディングにより、撮像素子120を、フレキシブル基板110の裏面に接合する。
【0096】
ここで、ステップS13では、撮像素子120の他、チップコンデンサ等の受動素子(
図5には図示せず)を、フレキシブル基板110の裏面に接合することができる。受動素子は、フレキシブル基板110上の撮像素子120と補強部材140との間の位置や、補強部材140の外側の位置に接合することができる。
【0097】
カメラモジュール製造装置は、ステップS14において、撮像素子120及び補強部材140が接合されたフレキシブル基板110を反転し、フレキシブル基板110の表面を上側に向ける。さらに、カメラモジュール製造装置は、フレキシブル基板110の接合部分BPに、接着材151(
図5には図示せず)を塗布する。
【0098】
ここで、ステップS14では、さらに、フレキシブル基板110の開口部111を覆うように、IRCF(Infrared Ray Cut Filter)等の機能ガラスを、フレキシブル基板110に接合することができる。
【0099】
カメラモジュール製造装置は、ステップS15において、フレキシブル基板110の表面に、光学モジュール130を配置して押圧し、接着材151によって、光学モジュール130を、フレキシブル基板110の表面に接合する。
【0100】
光学モジュール130の接合に際しては、フレキシブル基板110の裏面に接合された補強部材140によって、フレキシブル基板110の、光学モジュール130が接合される接合部分BPの少なくとも四隅が支持されるので、光学モジュール130がフレキシブル基板110に押圧されても、フレキシブル基板110が撓むことを抑制することができる。
【0101】
なお、
図5では、フレキシブル基板110に、補強部材140を接合し、その後、撮像素子120を接合することとしたが、補強部材140の接合と、撮像素子120の接合とは、逆の順番や、同時に行うことができる。
【0103】
図6は、補強部材140の構成例を示す図である。
【0104】
図6では、補強部材140が接合された状態のカメラモジュール1の断面図と、そのカメラモジュール1をフレキシブル基板110の裏面側から見た、カメラモジュール1の底面図とが示されている。
【0105】
補強部材140は、中空の略矩形の接合部分BPの、少なくとも四隅を補強するように構成することができる。
【0106】
図6のAは、接合部分BPの少なくとも四隅を補強する補強部材140の第1の構成例を示している。
【0107】
図6のAでは、補強部材140は、
図4で説明したように、L字の棒状の部分が略矩形の接合部分BPの一辺よりも十分に短い長さになっている4個のL字部材で構成されている。
【0108】
そして、
図6のAでは、補強部材140としての4個のL字部材が、
図4で説明したように、フレキシブル基板110の略矩形の接合部分BPの四隅にそれぞれ対向するように接合されている。
【0109】
図6のBは、接合部分BPの少なくとも四隅を補強する補強部材140の第2の構成例を示している。
【0110】
図6のBでは、補強部材140は、L字の一方の棒状の部分が略矩形の接合部分BPの一辺よりも十分に短い長さで、かつ、他方の棒状の部分が略矩形の接合部分BPの一辺と同様の長さになっている2個のL字部材で構成されている。
【0111】
そして、
図6のBでは、補強部材140としての2個のL字部材が、フレキシブル基板110の略矩形の接合部分BPの対向する2辺にそれぞれ対向するように接合されている。
【0112】
図6のCは、接合部分BPの少なくとも四隅を補強する補強部材140の第3の構成例を示している。
【0113】
図6のCでは、補強部材140は、略矩形の接合部分BPの一辺と同様の長さの2個の棒状の部材で構成されている。
【0114】
そして、
図6のCでは、補強部材140としての2個の棒状の部材が、フレキシブル基板110の略矩形の接合部分BPの対向する2辺にそれぞれ対向するように接合されている。
【0115】
図7は、補強部材140の他の構成例を示す図である。
【0116】
すなわち、
図7は、接合部分BPの少なくとも四隅を補強する補強部材140の第4の構成例を示している。
【0117】
図7では、
図6と同様に、補強部材140が接合された状態のカメラモジュール1の断面図と、そのカメラモジュール1をフレキシブル基板110の裏面側から見た、カメラモジュール1の底面図とが示されている。
【0118】
図7では、補強部材140は、フレキシブル基板110の接合部分BPと同様に、中空の略矩形の部材で構成される。
【0119】
さらに、
図7では、補強部材140は、厚み方向に凹んだ、補強部材140の外側と内側との間を貫通する切り欠き141を有する。
【0120】
そして、
図7では、補強部材140としての中空の略矩形の部材が、フレキシブル基板110の略矩形の接合部分BPの対向するように接合されている。
【0121】
図7の補強部材140では、切り欠き141が、撮像素子120の周囲の一部の開口として機能し、撮像素子120の周囲の通気性、ひいては、放熱性が確保される。
【0122】
ここで、
図7では、中空の略矩形の補強部材140の1箇所だけに、切り欠き141が設けられているが、切り欠き141は、補強部材140の複数箇所に設けることができる。また、複数の箇所の切り欠き141は、略矩形の補強部材140の一辺だけに設けても良いし、複数の辺に分けて設けても良い。
【0123】
さらに、
図7では、切り欠き141の幅が、略矩形の補強部材140の一辺の長さよりも十分に短い長さになっているが、切り欠き141の幅は、より長い長さ(例えば、略矩形の補強部材140の一辺の長さの1/2や1/3等)にすることができる。また、補強部材140には、切り欠き141に代えて、補強部材140の外側と内側との間を貫通するトンネル状の穴を設けることができる。
【0124】
図6の補強部材140は、複数の部材で構成されるのに対して、
図7の補強部材140は、切り欠き141を有する1個の略矩形の部材で構成される。したがって、
図7の補強部材140を採用する場合には、フレキシブル基板110に接合するときに必要な補強部材140を構成する部材のアラインメント合わせの回数が少なくて済み、カメラモジュール1の製造の容易化を図ることができる。
【0125】
なお、補強部材140の構成は、
図6及び
図7に示した構成に限定されるものではない。すなわち、補強部材140としては、光学モジュール130をフレキシブル基板110に接合するときの、フレキシブル基板110の歪みを抑制すべく、フレキシブル基板110の、光学モジュール130が接合される接合部分BPの少なくとも一部を含む範囲に対向するように接合することができること、及び、撮像素子120の周囲の通気性を確保すべく、撮像素子120の周囲の一部が開口するように構成されることを満たす任意の形状の部材を採用することができる。
【0126】
また、
図6及び
図7に示した構成を含む任意の形状の部材で構成される補強部材140の厚みとしては、
図3で説明した支持厚みを採用することができる。
【0128】
図8は、カメラモジュール1の他の構成例を示す断面図である。
【0129】
なお、図中、
図2及び
図3の場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。
【0130】
図8において、カメラモジュール1は、フレキシブル基板110、撮像素子120、光学モジュール130、補強部材140、機能ガラス170、及び、受動素子180を有する。
【0131】
したがって、
図8のカメラモジュール1は、フレキシブル基板110、撮像素子120、光学モジュール130、及び、補強部材140を有する点で、
図2及び
図3の場合と共通する。
【0132】
但し、
図8のカメラモジュール1は、機能ガラス170、及び、受動素子180が新たに設けられている点で、
図2及び
図3の場合と相違する。
【0133】
受動素子170は、例えば、カップリング用やデカップリング用等のチップコンデンサ等の受動素子で、
図8では、フレキシブル基板110の、撮像素子120と補強部材140との間の位置に接合されている。
【0134】
受動素子170の、フレキシブル基板110への接合は、撮像素子120をフレキシブル基板110に接合するときに、あわせて行うことができる。
【0135】
機能ガラス180は、例えば、IRCFやブルーガラス等であり、
図8では、フレキシブル基板110の開口部111、ひいては、撮像素子120の受光面121を覆うように、カメラモジュール1に搭載されている。
【0136】
機能ガラス180をカメラモジュール1に搭載する方法としては、例えば、
図8のAに示すように、機能ガラス180を、光学モジュール130のレンズ131の下部に搭載する方法や、
図8のBに示すように、機能ガラス180を、開口部111を塞ぐように、フレキシブル基板110に搭載する方法がある。
【0138】
図9は、カメラモジュール1を外部の回路基板に実装する実装例を示す断面図である。
【0139】
カメラモジュール1を、信号処理基板2やマザーボード等の外部の回路基板に実装する場合には、例えば、
図9のAに示すように、回路基板としての平面と、フレキシブル基板110としての平面とが重なり、フレキシブル基板110の表面が上側を向くように、回路基板の上面と、フレキシブル基板110の実装用電極113とを電気的に接続し、カメラモジュール1が上側を撮影する形で、カメラモジュール1を回路基板に実装することができる。
【0140】
さらに、例えば、
図9のAに示したように、回路基板の上面と、フレキシブル基板110の実装用電極113とを電気的に接続した状態で、フレキシブル基板110の、撮像素子120及び光学モジュール130が接合された部分を、
図9のBに示すように、下側に折り返して、回路基板の下面に接合する形で、カメラモジュール1を回路基板に実装することができる。
【0142】
図10は、カメラモジュール1を使用する使用例を示す図である。
【0143】
カメラモジュール1は、例えば、以下のように、可視光や、赤外光、紫外光、X線等の光をセンシングする様々な電子機器に使用することができる。
【0144】
・ディジタルカメラや、カメラ機能付きの携帯機器等の、鑑賞の用に供される画像を撮影する電子機器
・自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用センサ、走行車両や道路を監視する監視カメラ、車両間等の測距を行う測距センサ等の、交通の用に供される電子機器
・ユーザのジェスチャを撮影して、そのジェスチャに従った機器操作を行うために、TVや、冷蔵庫、エアーコンディショナ等の家電に供される電子機器
・内視鏡や、電子顕微鏡、赤外光の受光による血管撮影を行う装置等の、医療やヘルスケアの用に供される電子機器
・防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等の、セキュリティの用に供される電子機器
・肌を撮影する肌測定器や、頭皮を撮影するマイクロスコープ等の、美容の用に供される電子機器
・スポーツ用途等向けのアクションカメラやウェアラブルカメラ等の、スポーツの用に供される電子機器
・畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の、農業の用に供される電子機器
【0145】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0146】
また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
【0147】
なお、本技術は、以下の構成をとることができる。
【0148】
<1>
光を受光する受光面を有する撮像素子の前記受光面に対応する開口部を有するフレキシブル基板と、
前記受光面が前記開口部から露出するように、前記フレキシブル基板の一方の面に接合された前記撮像素子と、
前記開口部を介して、前記撮像素子に前記光を入射させるように、前記フレキシブル基板の他方の面に接合された光学モジュールと、
前記フレキシブル基板の前記一方の面の、前記撮像素子の周囲に接合され、前記光学モジュールが接合される前記フレキシブル基板の接合部分を補強する補強部材と
を備え、
前記補強部材は、
前記接合部分の少なくとも一部を含む範囲に対向するように接合され、
前記撮像素子の周囲の一部が開口するように構成される
カメラモジュール。
<2>
前記補強部材は、前記補強部材の底面を、前記撮像素子の底面と同一平面上に位置させるか、又は、前記撮像素子の底面よりも突出させる厚みを有する
<1>に記載のカメラモジュール。
<3>
前記接合部分の形状は、略矩形であり、
前記補強部材は、少なくとも、前記略矩形の前記接合部分の四隅を補強する
<1>に記載のカメラモジュール。
<4>
前記補強部材は、前記撮像素子の周囲を囲む中空の形状を有し、前記補強部材の外側と内側との間を貫通する切り欠きを有する
<1>ないし<3>のいずれかに記載のカメラモジュール。
<5>
前記フレキシブル基板に接合された受動素子をさらに備える
<1>ないし<4>のいずれかに記載のカメラモジュール。
<6>
前記光学モジュールは、機能ガラスを含む
<1>ないし<5>のいずれかに記載のカメラモジュール。
<7>
前記開口部を覆うように、前記フレキシブル基板に接合された機能ガラスをさらに備える
<1>ないし<5>のいずれかに記載のカメラモジュール。
<8>
光を受光する受光面を有する撮像素子の前記受光面に対応する開口部を有するフレキシブル基板の一方の面に、前記受光面が前記開口部から露出するように、前記撮像素子を接合するとともに、前記フレキシブル基板の、前記撮像素子の周囲に、光学モジュールが接合される前記フレキシブル基板の接合部分を補強する補強部材を接合することと、
前記開口部を介して、前記撮像素子に前記光を入射させるように、前記フレキシブル基板の他方の面に、前記光学モジュールを接合することと
を含み、
前記補強部材は、
前記接合部分の少なくとも一部を含む範囲に対向するように接合され、
前記撮像素子の周囲の一部が開口するように構成される
カメラモジュールの製造方法。
<9>
画像を撮像するカメラモジュールと、
前記カメラモジュールにより撮像された前記画像に信号処理を施す信号処理部と
を備え、
前記カメラモジュールは、
光を受光する受光面を有する撮像素子の前記受光面に対応する開口部を有するフレキシブル基板と、
前記受光面が前記開口部から露出するように、前記フレキシブル基板の一方の面に接合された前記撮像素子と、
前記開口部を介して、前記撮像素子に前記光を入射させるように、前記フレキシブル基板の他方の面に接合された光学モジュールと、
前記フレキシブル基板の前記一方の面の、前記撮像素子の周囲に接合され、前記光学モジュールが接合される前記フレキシブル基板の接合部分を補強する補強部材と
を有し、
前記補強部材は、
前記接合部分の少なくとも一部を含む範囲に対向するように接合され、
前記撮像素子の周囲の一部が開口するように構成される
電子機器。