特許第6880056号(P6880056)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6880056コールドチェーン流通システム全体を通じた生鮮品パラメータの自動化された予測監視
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6880056
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】コールドチェーン流通システム全体を通じた生鮮品パラメータの自動化された予測監視
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20210524BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20210524BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
   G06Q10/08 304
   B65G61/00 520
   G06Q10/08 306
   F25D23/00 301G
【請求項の数】18
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-549265(P2018-549265)
(86)(22)【出願日】2017年3月16日
(65)【公表番号】特表2019-516162(P2019-516162A)
(43)【公表日】2019年6月13日
(86)【国際出願番号】US2017022740
(87)【国際公開番号】WO2017161134
(87)【国際公開日】20170921
【審査請求日】2020年3月3日
(31)【優先権主張番号】62/310,385
(32)【優先日】2016年3月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003493
【氏名又は名称】キャリア コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CARRIER CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ビーズリー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】レシュック,ジェフリー アレン
(72)【発明者】
【氏名】サイウィルコ,マーク イー.
(72)【発明者】
【氏名】ヤサル,ムラット
【審査官】 渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/171961(WO,A1)
【文献】 特開2008−94616(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/038626(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0000212(US,A1)
【文献】 特表2014−512038(JP,A)
【文献】 特開2006−321620(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0193710(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0029413(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G16H 10/00−80/00
B65G 61/00
F25D 23/00
H04B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流通網内の商品に関連するパラメータを記憶するための記憶装置であって、その他の商品の履歴パラメータを記憶しており、前記パラメータのうち少なくとも1つが輸送用冷蔵システムから受信される、記憶装置と、
前記記憶装置に接続されたパラメータ管理システムと、
を備え、前記パラメータ管理システムが、
欠落している前記パラメータに応答して、前記流通網内の商品の予測パラメータを決定するための予測モジュールと、
前記予測パラメータと前記パラメータとを組み合わせることにより出力パラメータを決定するためのメッシュモジュールと、
を含んだ、流通網内で商品を監視するためのシステム。
【請求項2】
前記出力パラメータがユーザデバイスを介してアクセス可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記出力パラメータがユーザデバイスに送信される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記出力パラメータが、前記商品の時間ベースの位置をその時間ベースの位置における前記出力パラメータと共に表示するマップ、及び、前記出力パラメータのデータテーブル、のうちの少なくとも1つとして構成されている、請求項2または3に記載のシステム。
【請求項5】
前記パラメータが温度、気圧、振動、湿度、及び光暴露のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記パラメータが前記商品の少なくとも1つの時間ベースの位置を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記パラメータが、前記商品が経験した気象データを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記パラメータが前記商品の品質検査を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記パラメータが手動入力されたデータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムを用いた流通網内の商品の監視方法であって、
記憶装置を使用して、流通網の商品に関連するパラメータを記憶することであって、前記記憶装置がその他の商品の履歴パラメータを記憶しており、前記パラメータのうち少なくとも一つが輸送用冷蔵システムから受信された、パラメータを記憶することと、
前記記憶装置に接続されたパラメータ管理システムを使用して、前記パラメータを分析することであって、
欠落している前記パラメータに応答して、前記流通網内の商品の予測パラメータを決定するための予測モジュールと、
前記予測パラメータと、前記パラメータとを組み合わせることによって出力パラメータを決定するためのメッシュモジュールと、
を含んだパラメータ管理システムを使用して、前記パラメータを分析することと、
を備えた、流通網内の商品の監視方法。
【請求項11】
ユーザデバイスを介して前記出力パラメータへアクセスすることをさらに備えた、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ユーザデバイスを介して前記出力パラメータを受信することをさらに備えた、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記商品の時間ベースの位置をその時間ベースの位置における前記出力パラメータと共に表示するマップ、及び、前記出力パラメータのデータテーブル、のうち少なくとも1つとして、前記出力パラメータを表示することをさらに含む、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記パラメータが温度、気圧、振動、湿度、及び光暴露のうち少なくとも1つを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記パラメータが前記商品の少なくとも1つの時間ベースの位置を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記パラメータが前記商品によって経験された気象データを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記パラメータが前記商品の品質検査を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記パラメータが手動入力されたデータを含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書にて開示される実施形態は、一般に、コールドチェーン流通システムに関し、より詳細には、コールドチェーン流通システム内の生鮮品を監視するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、コールドチェーン流通システムは、温度、湿度及びその他の環境的要因の影響を受けやすい生鮮品及び環境的要因に敏感な品(本明細書では生鮮品と呼ぶ)を輸送及び流通するために使用される。生鮮品としては、果物、野菜、穀物、豆類、ナッツ、卵、乳製品、種子、花、食肉、家禽、魚、氷、医薬品を挙げることができるが、これらに限定されない。有利なことに、コールドチェーン流通システムは、生鮮品を損傷やその他の望ましくない影響を伴うことなく効率的に運搬され、流通されることを可能にする。
【0003】
コールドチェーン流通システムにおいては、冷蔵トラック及びトレーラが生鮮品を輸送するために一般的に使用されている。トラックまたはトレーラ内に画定された貨物スペースと協働して貨物スペース内の制御された温度環境を維持するために、輸送用冷蔵システムがトラックまたはトレーラに取付けられる。
【0004】
従来から、冷蔵トラック及び冷蔵トレーラと共に使用される輸送用冷蔵システムは、密閉された冷媒流回路内の好適な冷媒ラインを介して接続されている冷媒圧縮機、1つ以上の連携する凝縮器ファンを備えた凝縮器、膨張装置、及び1つ以上の連携する蒸発器ファンを備えた蒸発器を有する輸送用冷蔵ユニットを含んでいる。空気または空気/ガスの混合気は、蒸発器と連携する蒸発器ファン(複数可)によって貨物スペースの内部容積から引き出され、冷媒との熱交換関係で蒸発器の空気側を通過し、冷媒が空気から熱を吸収し、それによって空気を冷却する。冷却された空気は、次いで貨物スペースへ戻されるように供給される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
消費者は、購入した生産物の原産地や生産物の輸送に関する詳細に増々関心を持つようになってきている。この概念は、多くの場合、「farm−to−fork(農場から食卓まで)」と称される。経路に沿って数回管理者が変わることがあることから、単一の生産物の農場から食卓までの全旅程を追跡することが困難となることがある。改善されたシステム、特に改善された追跡システム及び予測システムは、業界に恩恵をもたらすことになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によれば、流通網内の商品を監視するためのシステムが提供されている。当該システムは、流通網の商品に関連するパラメータを記憶するための記憶装置を含み、パラメータの少なくとも1つは輸送用冷蔵システムから受信される。記憶装置は他の商品の履歴パラメータを格納する。また、記憶装置に接続されたパラメータ管理システムも含まれる。パラメータ管理システムは、予測パラメータを決定する予測モジュールと、予測パラメータとパラメータとを組み合わせることによって出力パラメータを決定するメッシュモジュールと、を含んでいる。
【0007】
上述の機能の1つまたは複数に加えて、またはその代替として、当該システムのさらなる実施形態は、出力パラメータがユーザデバイスを介してアクセス可能であることを含んでもよい。
【0008】
上述の機能の1つまたは複数に加えて、またはその代替として、当該システムのさらなる実施形態は、出力パラメータがユーザデバイスに送信されることを含んでもよい。
【0009】
上述の機能の1つまたは複数に加えて、またはその代替として、当該システムのさらなる実施形態は、出力パラメータが、商品の時間ベースの位置をその時間ベースの位置での出力パラメータと共に表示するマップ、及び、出力パラメータのデータテーブル、の少なくとも1つとして構成されていることを含んでもよい。
【0010】
上述の機能の1つまたは複数に加えて、またはその代替として、当該システムのさらなる実施形態は、パラメータが温度、気圧、振動、湿度、及び光暴露のうち少なくとも1つを含むことを含んでもよい。
【0011】
上述の機能の1つまたは複数に加えて、またはその代替として、当該システムのさらなる実施形態は、パラメータが少なくとも1つの時間ベースの商品位置を含むことを含んでもよい。
【0012】
上述の機能の1つまたは複数に加えて、またはその代替として、当該システムのさらなる実施形態は、商品が経験した気象データをパラメータが含むことを含んでもよい。
【0013】
上述の機能の1つまたは複数に加えて、またはその代替として、当該システムのさらなる実施形態は、パラメータが商品の品質検査を含むことを含んでもよい。
【0014】
上述の機能の1つまたは複数に加えて、またはその代替として、当該システムのさらなる実施形態は、パラメータが手動で入力されたデータを含むことを含んでもよい。
【0015】
別の実施形態によれば、流通網内の商品を監視する方法が提供されている。当該方法は、記憶装置を用いて流通網の商品に関連するパラメータを記憶することを含み、パラメータの少なくとも1つは輸送用冷蔵システムから受信されたものである。記憶装置は、他の商品の履歴パラメータを格納する。当該方法はまた、パラメータ管理システムを使用してパラメータを分析することを含み、パラメータ管理システムは記憶装置に接続され、パラメータ管理システムは、予測パラメータを決定する予測モジュールと、予測パラメータとパラメータとを組み合わせることによって出力パラメータを決定するメッシュモジュールとを含む。
【0016】
上述の機能の1つまたは複数に加えて、またはその代替として、当該方法のさらなる実施形態は、ユーザデバイスを介して出力パラメータにアクセスすることを含んでもよい。
【0017】
上述の機能の1つまたは複数に加えて、またはその代替として、当該方法のさらなる実施形態は、ユーザデバイスを介して出力パラメータを受信することを含んでもよい。
【0018】
上述の機能の1つまたは複数に加えて、またはその代替として、当該方法のさらなる実施形態は、商品の時間ベースの位置をその時間ベースの位置における出力パラメータと共に示すマップ、及び、出力パラメータのデータテーブル、の少なくとも1つとして出力パラメータを表示することを含んでもよい。
【0019】
上述の機能の1つまたは複数に加えて、またはその代替として、当該方法のさらなる実施形態は、パラメータが温度、気圧、振動、湿度及び光暴露のうち少なくとも1つを含むことを含んでもよい。
【0020】
上述の機能の1つまたは複数に加えて、またはその代替として、当該方法のさらなる実施形態は、パラメータが少なくとも1つの時間ベースの位置を含むことを含んでもよい。
【0021】
上述の機能の1つまたは複数に加えて、またはその代替として、当該方法のさらなる実施形態は、商品が経験した気象データをパラメータが含むことを含んでもよい。
【0022】
上述の機能の1つまたは複数に加えて、またはその代替として、当該方法のさらなる実施形態は、パラメータが商品の品質検査を含むことを含んでもよい。
【0023】
上述の機能の1つまたは複数に加えて、またはその代替として、当該方法のさらなる実施形態は、パラメータが手動で入力されたデータを含むことを含んでもよい。
【0024】
本発明の他の態様、機能、及び技術は、図面と併せて以下の説明からより明らかになるであろう。
【0025】
本開示として見なされる主題は、本明細書の結末の請求項において詳しく指摘され明確に請求される。本開示の上記及び他の機能、ならびに利点は、添付の図面と併せた以下の詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本開示の一実施形態による、コールドチェーン流通システムで使用するためのパラメータを監視するためのシステムの概略図を示す。
図2】本開示の実施形態を組込むことができるコールドチェーン流通システムの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ここで図面を参照すると、図1は、本開示の一実施形態による、コールドチェーン流通システムで使用するパラメータを監視するためのシステム10の概略図を示す。図2は、本開示の実施形態を組込むことができるコールドチェーン流通システム200の概略図を示す。通常、輸送用冷蔵システム20は、腐敗しやすい商品及び環境に敏感な商品(本明細書では生鮮品34と呼ぶ)を運搬及び分配するために使用される。図示した実施形態では、輸送用冷蔵システム20は、環境的に制御されたコンテナ14、輸送用冷蔵ユニット28及び生鮮品34を含む。コンテナ14は、牽引車12によって牽引されてもよい。本明細書に記載された実施形態は、牽引車12を使用しない鉄路、海路、または他の適切なコンテナによって出荷される輸送用コンテナに応用され得ることが理解される。コンテナ14は、内部コンパートメント18を画定することができる。本明細書にて説明される実施形態は、生鮮品でない商品を輸送するためにも適用され得ると理解される。
【0028】
図示した実施形態では、輸送用冷蔵ユニット28は、例えば温度、気圧、湿度、二酸化炭素、エチレン、オゾン、光暴露、振動暴露、及び内部コンパートメント18へのその他の条件などの所望の環境パラメータを提供するためにコンテナ14に関連付けられる。さらなる実施形態では、輸送用冷蔵ユニット28は、所望の温度及び湿度の範囲を提供することができる冷蔵システムである。生鮮品34としては、果物、野菜、穀物、豆類、ナッツ、卵、乳製品、種子、花、食肉、家禽、魚、氷、血液、医薬品、または他のあらゆるコールドチェーン輸送を必要とする適切な貨物を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0029】
図示した実施形態では、輸送用冷蔵システム20はセンサ22を含む。センサ22は、コンテナ14内部及び外部のパラメータ82を監視するために利用されてもよい。センサ22によって監視されるパラメータ82としては、温度、気圧、湿度、二酸化炭素、エチレン、オゾン、光暴露、振動、及び内部コンパートメント18内の他の条件が挙げられるが、これらに限定されない。従って、適切なセンサ22が、所望のパラメータを監視するために利用される。有利にも、センサ22は、監視される生鮮品34の種類及び対応する環境感度に応じて、特定の用途のために選択されることができる。一実施形態では、温度が監視される。図1に示すように、センサ22は生鮮品34の上に直接配置してもよい。
【0030】
さらに、図示した実施形態のように、輸送用冷蔵システム20の様々なパラメータ82を監視するためにセンサ22が使用されてもよい。これらのセンサ22は、輸送冷蔵ユニット28の上やコンテナ14のドア36上、及び内部コンパートメント18の全体にわたる場所を含む様々な場所に配置されてもよいが、これらに限定されない。センサ22は、輸送用冷蔵ユニット28の運用を監視するために、輸送用冷蔵ユニット28内に直接配置されてもよい。輸送用冷蔵ユニット28の内部にある個別の構成要素もまた、例えば、個別の構成要素の使用サイクル、持続時間、温度及び気圧などの性能的側面を検出するためにセンサ22によって監視されてもよい。図から分かるように、センサ22はまた、ドア36の位置を監視するために、コンテナ14のドア36上に配置されてもよい。ドア36が開いているか閉じているかは、コンテナ14の温度と生鮮品34の温度との両方に影響を及ぼす。例えば、暑い天候では、開いたドア36によって、冷気をコンテナ14から逃がすことになり、内部コンパートメント18の温度上昇をもたらし、生鮮品34の温度に影響を及ぼす。さらに、全地球測位システム(GPS)の位置情報もまた、センサ22により検出され得る。GPS位置情報はまた、移動経路及びその経路に沿った他のパラメータ82の追跡を助けることになる生鮮品34の時間ベースの位置情報を提供するのに役立つことがある。例えば、GPS位置はまた、移動経路に沿ってコンテナ14が経験した気象42に関する他のデータソース40からの情報を提供するのに役立つことがある。地域の天候42は、コンテナ14の温度に影響を及ぼし、そのため生鮮品34の温度に影響を及ぼすことがある。
【0031】
図1に示すように、輸送用冷蔵システム20は、選択されたサンプリングレートで、パラメータ82として知られるセンサ22からの複数の読み取り値を記録するように構成されたコントローラ30をさらに含むことができる。コントローラ30は、図示するように、輸送用冷蔵ユニット28内に囲まれてもよく、または輸送用冷蔵ユニット28とは別体であってもよい。パラメータ82は、時間、ロケーションスタンプまたは他の関連情報と共にさらに増補されてもよい。コントローラ30はまた、プロセッサ(図示せず)及び関連するメモリ(図示せず)を含むことができる。当該プロセッサは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、中央演算処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、もしくは均等に、または不均等に配置されたグラフィックス処理ユニット(GPU)ハードウェアを含む、多様な可能性があるアーキテクチャの任意のシングルプロセッサまたはマルチプロセッサシステムであることができるが、これらに限定されない。当該メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、または他の電子的、光学的、磁気的または他のコンピュータ可読媒体であってもよいが、これらに限定されない。
【0032】
図示された実施形態では、輸送用冷蔵システム20は、コントローラ30と機能的に通信し、ネットワーク60と無線で機能的に通信する通信モジュール32を含むことができる。通信モジュール32は、無線通信を介してネットワーク60にパラメータ82を送信するように構成されている。無線通信は、ラジオ波、マイクロ波、セルラー、衛星、または別の無線通信方法であってもよいが、これらに限定されない。ネットワーク60は、衛星ネットワーク、セルラーネットワーク、クラウドコンピューティングネットワーク、広域ネットワーク、または別のタイプの無線ネットワークであってもよいが、これらに限定されない。通信モジュール32は、短距離インターフェースを含むことができ、この短距離インターフェースは、有線インターフェース、光インターフェース、短距離ワイヤレスインターフェースのうち少なくとも1つを含む。
【0033】
パラメータ82はまた、図1に示すように、他のデータソース40によって提供されてもよい。これらの他のデータソース40は、図2に示すようなコールドチェーン流通システム200全体における任意の点で収集することができ、収穫204、パッキング206、輸送前の保管208、配送センターへの輸送210、配送センター212、陳列への輸送214、陳列前の保管216、陳列218及び消費者220を含んでもよい。これらの段階は説明の目的のために提供され、流通網は、より少ない段階、または、例えば洗浄段階、処理段階、及び追加の輸送段階などの追加の段階を含み得る。他のデータソース40は、気象42、品質検査44、在庫スキャン46、及び手動入力データ48を含んでもよいが、これらに限定されない。天候42は、上述したように、輸送中(例えば210及び214)にコンテナ14の温度に影響を与えることによって輸送用冷蔵ユニット28の動作に影響を及ぼすが、天候42はまた、輸送用冷蔵ユニット28への他の影響も有している。例えば、収穫204の前及び収穫204時点における天候42は、生鮮品34の品質に影響を及ぼす可能性があり、消費者の関心となり得る。さらに、天候42と同様に品質検査44は、関連する生鮮品34のデータを消費者に明らかにすることができる。例えば、特定のイチゴのバッチは、消費者が所望する必要とされる糖分情報を有することができる。品質検査44は、機械または人間によって実施され得る。機械によって実施される品質検査44は、光学、臭気、音波、赤外線、または物理的なプローブを含む様々な技術を用いて遂行されてもよいがこれらに限定されない。
【0034】
さらに在庫スキャン46は、消費者の関心がある生鮮品34についてのパラメータ82を明らかにすることができ、生鮮品34の追跡を補助することができる。例えば、在庫スキャン46は、生鮮品が到着した時間、日付、トラック車両を明らかにし、その源流を突き止めることを補助することができる。システム10は、自動化を補助するためのセンサ22を含む一方で、多くの場合、手動データ入力の必要性が避けられないことがある。手動で入力されたデータ48は、携帯電話、タブレット、ラップトップ、スマートウォッチ、デスクトップコンピュータ、または他の任意の同様なデータ入力装を含む様々な装置を介して入力されてもよいが、これらに限定されない。
【0035】
コールドチェーン流通システム200の各段階を通じて収集されたパラメータ82は、例えば、温度、気圧、湿度、二酸化炭素、エチレン、オゾン、振動、光暴露、天候、時間、場所などの生鮮品34が経験する環境条件を含んでもよい。例えば、イチゴは過度の衝撃を経験したか、輸送中に34°Fで保存されていた可能性を有することができる。パラメータ82は、例えば、温度、重量、サイズ、糖度、成熟度、等級、熟成度、ラベリング及びパッケージングなどの生鮮品34の属性をさらに含むことができる。例えば、イチゴは、1ポンドのクラムシェルで包装されてもよく、特定の重量または等級であり、オーガニックであり、クラムシェル上に特定のパッケージまたはラベルを有してもよい。パラメータ82はまた、上述したように、環境制御ユニット28のオペレーションに関する情報を含むことができる。パラメータ82は、時間、ロケーションスタンプまたは他の関連情報と共にさらに増補されてもよい。
【0036】
図示した実施形態では、システム10は、流通網の商品に関連するパラメータ82を記憶するための記憶装置80をさらに含む。パラメータ82の少なくとも1つは、輸送用冷蔵システムから受信することができる。図示するように、記憶装置80はまた、履歴パラメータ84も記憶する。記憶装置80は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、または他の電子的、光学的、磁気的またはその他のコンピュータ可読媒体であってもよいが、これらに限定されない。
【0037】
図示した実施形態では、システム10は、パラメータ管理システム90をさらに含む。図示されているように、パラメータ管理システム90は、予測モジュール92とメッシュモジュール94とを含む。パラメータ管理システム90はまた、プロセッサ(図示せず)及び関連するメモリ(図示せず)を含んでもよい。当該プロセッサは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、中央演算処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、もしくは均質または不均一に配置されたグラフィックス処理ユニット(GPU)ハードウェアを含む、多様な可能性があるアーキテクチャの任意のシングルプロセッサまたはマルチプロセッサシステムであることができるが、これらに限定されない。当該メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、または他の電子的、光学的、磁気的または他のコンピュータ可読媒体であってもよいが、これらに限定されない。予測モジュール92及びメッシュモジュール94は、パラメータ管理システム90のプロセッサによって実行されるアプリケーションとしてソフトウェアで実装されてもよい。
【0038】
予測モジュール92は、欠損しているパラメータ82に応答して生鮮品34の予測パラメータを決定する。予測モジュール92は、パラメータ82の傾向を検出することができ、欠損しているパラメータ82のギャップを埋めるために推定値を予測することができる。例えば、コールドチェーン流通システム200のいくつかの例では、センサ22は利用できないが、生鮮品34が在庫スキャン46中にスキャンされた場合、時間、日付、生鮮品26を運搬したトラック車両などといった在庫スキャン46から収集された情報は、予測モジュール92が欠損しているパラメータ82を決定することを手助けすることができる。さらに、履歴パラメータ84が、99%の確率で、火曜日の午後4時に到着するトラックが、イチゴを運びカリフォルニア州のFarmer Joe’sから来ると告げる場合、予測モジュール92はその情報を使用して配送に関する欠損パラメータ82を埋め合わせる。
【0039】
メッシュモジュール94は、予測されたパラメータとパラメータ82とを組み合わせることによって出力パラメータ100を決定する。出力パラメータ100は、コールドチェーンシステム200に沿って選択された時間及び位置でギャップに補完された予測パラメータと組み合わされて、記憶装置80に記録されたパラメータ82である。メッシュモジュール94は、収穫204から消費者220までの生鮮品34の旅程を詳述する出力パラメータ100の完全なデータセットを作成することができる。
【0040】
これらの出力パラメータ100は、ユーザデバイス110を介してアクセス可能であってよく、及び/またはユーザデバイス110に直接送信されてもよい。ユーザデバイス110は、例えば、携帯電話、タブレット、ラップトップ、スマートウォッチ、デスクトップコンピュータまたは任意の同様のデバイスなどのデバイスであってもよい。出力パラメータ100は、時間ベースの場所における出力パラメータ100と共に生鮮品34の時間ベースの位置を表示するマップ102及び出力パラメータ100のデータテーブル104の少なくとも1つとして構成されることができる。出力パラメータ100の粒度は、誰がユーザデバイス110を介して出力パラメータ100にアクセスしているかに応じて調整されることができる。例えば、コールドチェーン流通企業の従業員は、消費者よりもより高い粒度で、より多くの出力パラメータ100にアクセスすることができる。消費者は、いくつかの情報をユーザデバイス110に入力するか、生鮮品34のバーコードをスキャンすることができ、収穫204から消費者220までの生鮮品34の全旅程を詳述する出力パラメータ100にすぐにアクセスできるようになる。例えば、消費者は生鮮品34が農場から食卓までで経た経路とその経路全体を通じて保管された温度を見ることができる。
【0041】
本開示は限定した数の実施形態に関連して詳細に記載されているが、本開示はそのような開示された実施形態に限定されないことは容易に理解されるべきである。むしろ、本開示は、これまでに記載されていないが、本開示の範囲に見合った任意の数の変形、変更、代用、または同等物の構成を組込むように変更することができる。さらに、本開示の様々な実施形態が記載されているが、本開示の態様は記載された実施形態のうちのいくつかのみを含むことができることを理解されたい。従って、本開示は、上記の説明によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2