(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6880067
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】壁の建設のための使い捨ての型枠のためのスペーサ要素と当該スペーサ要素を組み入れた使い捨ての型枠
(51)【国際特許分類】
E04B 2/86 20060101AFI20210524BHJP
E04G 17/065 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
E04B2/86 601Y
E04B2/86 601E
E04B2/86 601M
E04G17/065 C
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-556021(P2018-556021)
(86)(22)【出願日】2017年1月12日
(65)【公表番号】特表2019-505709(P2019-505709A)
(43)【公表日】2019年2月28日
(86)【国際出願番号】IB2017000013
(87)【国際公開番号】WO2017122082
(87)【国際公開日】20170720
【審査請求日】2019年12月26日
(31)【優先権主張番号】102016000003043
(32)【優先日】2016年1月14日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518251572
【氏名又は名称】フレックス、ハウス、ソシエタ、ア、レスポンサビリタ、リミタータ
【氏名又は名称原語表記】FLEX HOUSE SRL
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】アッティリオ、ビアンキ
【審査官】
兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第6159399(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0233950(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0275531(US,A1)
【文献】
米国特許第5399050(US,A)
【文献】
特開2003−120025(JP,A)
【文献】
特開平08−068135(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第1544380(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/84−2/86
E04G 17/06−17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁の建設のための使い捨ての型枠(1)であって、
前記型枠(1)は、第1のパネル(2)および第2のパネル(3)と、前記第1のパネル(2)と前記第2のパネル(3)とを連結するように前記第1のパネル(2)と前記第2のパネル(3)との間に配置された少なくとも1つのスペーサ要素(4、4’)と、を備え、
前記スペーサ要素(4、4’)は、一方から他方に所定の距離で配置された前記第1のパネル(2)と前記第2のパネル(3)とを互いに相互に連結するように構成されており、
前記スペーサ要素(4、4’)は、
使用中、前記第1のパネル(2)に連結されるように構成された第1の接続部(23)と、
前記第1の接続部(23)の反対側の、使用中、前記第2のパネル(3)に連結されるように構成された第2の接続部(25)と、
使用中、前記型枠(1)の外側と連通した少なくとも1つの側部開口(14’、14’’、15’、15’’、16’、16’’)が設けられた少なくとも1つの管(14、15、16)と、を備え、
前記少なくとも1つの管(14、15、16)は、使用中、前記型枠(1)の内側部分と連通した少なくとも1つの貫通穴(14a、14b、14c、14d;15a、15b、15c、15d;16a、16b、16c、16d)が配設されており、前記型枠(1)の前記外側から前記内側部分に向かう空気の流れと前記内側部分から前記型枠(1)の前記外側に向かう液体の流出とを許可するようになっており、
前記第1のパネル(2)および前記第2のパネル(3)のうちの少なくとも1つのパネルに、前記少なくとも1つの管(14、15、16)の前記少なくとも1つの側部開口(14’、14’’、15’、15’’、16’、16’’)と連通した、少なくとも1つの開口(6’)が配設されている、ことを特徴とする、型枠(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ての型枠のためのスペーサ要素と当該スペーサ要素を組み入れた使い捨ての型枠とに関する。前記型枠は、特に、壁、具体的には外側囲い壁と内側隔壁の両方、の建設のために意図されている。
【背景技術】
【0002】
壁の建設のための様々なタイプの使い捨ての型枠が知られている。
【0003】
コンクリート壁の建設のための型枠の第1の例が、国際特許出願のWO2014/091377に示されており、これは、実際、複数の対向するモジュラーパネルと、互いから所定の距離で互いに対向して配置された2つのパネルを連結するために設けられた一連の接続手段と、を備えた使い捨て型枠について言及している。
【0004】
当該接続手段は、直線的にひっくり返った「U」字形状を表しており、2つの各端部は、同じパネルの内側部分に形成されたスロット内で係合している。
【0005】
他のモジュラー型枠の解決策は、国際特許出願のWO2014/042502に記載されている。
【0006】
この型枠は、互いに対向して配置され、実質的に長方形の形状を有するスペーサ要素の様々な列により共に保持された一連のパネルにより形成されており、スペーサ要素には、2つの貫通穴が配設され、一方が他方の上に配置されている。
【0007】
しかしながら、知られたタイプの型枠は、主に現場での使用に関連して種々の欠点と技術的制限を有している。
【0008】
セメントベースモルタルが型枠に流し込まれた後、通常はセメントベースモルタル自体の硬化は遅くて不十分である。
【0009】
使い捨て型枠の更なる例が、同じ出願人による伊国特許出願のAN2015A000011号に示されており、これは、事実上、互いに対向して配置され、一連のスペーサ部材を介して接合された2つの穴空きパネルを実質的に備える型枠を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、上記で強調された先行技術の問題を克服することと、伊国特許出願第AN2015A000011号で同じ出願人により提案された技術的な解決策を更に完成させることである。
【0011】
本発明の他の目的は、壁の建設のための使い捨ての型枠のためのスペーサ要素であって、高い機械的な抵抗特性を有する壁を得ることに貢献するスペーサ要素を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、壁の建設のための使い捨ての型枠のためのスペーサ要素であって、完成された壁を得るために必要とされる時間を削減することが可能なスペーサ要素を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
それゆえ、本発明の特定の主題は、壁の建設のための使い捨ての型枠のためのスペーサ要素である。前記型枠は、第1のパネルと第2のパネルとを備えるタイプであり、前記スペーサ要素は、一方から他方に所定の距離で配置された前記第1のパネルと前記第2のパネルとを互いに相互に連結するように構成された、スペーサ要素であって、使用中、前記第1のパネルに連結されるように構成された第1の接続部と、前記第1の接続部の反対側の、使用中、前記第2のパネルに連結されるように構成された第2の接続部と、使用中、前記型枠の外側と連通した少なくとも1つの側部開口が設けられた少なくとも1つの管と、を備え、前記少なくとも1つの管に、使用中、前記型枠の内部分と連通した少なくとも1つの貫通穴が配設されており、前記型枠の前記外側から前記内側部分に向かう空気の流れと前記内側部分から前記型枠の前記外部に向かう液体の流出とを許可するようになっている。
【0014】
有利には、本発明によれば、前記第1の接続部は、第1の接続手段を備えてもよく、前記第2の接続部は、第2の接続手段を備えてもよい。
【0015】
更に、本発明によれば、前記第1の接続手段および前記第2の接続手段は、前記少なくとも1つの管と単一部品で形成されていてもよい。
【0016】
好ましくは、本発明によれば、前記少なくとも1つの管における前記少なくとも1つの貫通穴は、前記少なくとも1つの管に対して長手方向に配置された少なくとも1列の貫通穴を備えてもよい。
【0017】
更に、本発明によれば、前記少なくとも1つの貫通穴は、3mm以下の直径を有してもよい。
【0018】
好ましくは、本発明によれば、前記少なくとも1つの側部開口は、前記第1の接続部に配置された少なくとも1つの第1の側部開口と、前記第2の接続部に配置された少なくとも1つの第2の側部開口と、を備えてもよい。
【0019】
また、本発明によれば、前記少なくとも1つの管は、前記少なくとも1つの第1の側部開口に向かう第1の内部勾配と、前記少なくとも1つの第2の側部開口に向かう第2の内部勾配と、を有してもよい。
【0020】
好ましくは、本発明によれば、前記少なくとも1つの管は、相互に離間した実質的に平行な3つの管を備えてもよい。
【0021】
有利には、本発明によれば、前記スペーサ要素は、使用中、下側整列要素に連結されるように構成された下側係合部を備えてもよい。
【0022】
更に、本発明によれば、前記スペーサ要素は、使用中、上側整列要素に連結されるように構成された上側係合部を備えてもよい。
【0023】
有利には、本発明によれば、前記少なくとも1つの管の中間ゾーンに、ヒートブリッジ現象を防止するために遮断要素が設けられていてもよい。
【0024】
また、本発明の主題は、壁の建設のための使い捨ての型枠であって、前記型枠は、2つのパネルと、前記2つのパネルを連結するように前記2つのパネルの間に配置された、上で指し示されるタイプの少なくとも1つのスペーサ要素と、を備える、型枠である。
【0025】
有利には、本発明によれば、前記2つのパネルの少なくとも1つのパネルに、前記少なくとも1つの管の前記少なくとも1つの側部開口と連通した、少なくとも1つの開口が配設されてもよい。
【0026】
特徴と利点は、添付図面に非制限的な例として示される好ましいが排他的でない実施形態の以下の記述の中でより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、本発明による、複数のスペーサ要素を組み入れた使い捨て型枠を示す。
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施形態によるスペーサ要素の不等角投影図である。
【
図5】
図5は、本発明の第2の実施形態におけるスペーサ要素の斜視図である。
【
図8】
図8は、
図1に示される使い捨ての型枠のパネルの第1の側面の詳細図である。
【
図9】
図9は、
図1に描かれる使い捨ての型枠のパネルの第2の側面の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
同封された図面を参照すると、1は、建物の壁、具体的には外側囲い壁と内側隔壁の両方、の建設のためのモジュラー使い捨て型枠を指し示している。
【0029】
型枠1は、実質的に正方形または長方形の形状の第1のパネル2と第2のパネル3とを備えており、複数のスペーサ要素4が、前記第1のパネル2と第2のパネル3との間に配置されている。
【0030】
スペーサ要素4は、第1のパネル2および第2のパネル3と同様、好ましくはプラスチック材料で作製されている。
【0031】
第1のパネル2と第2のパネル3はそれぞれ、第1の側面5aと、第1の側面5aと反対側の第2の側面5bと、を有している。
【0032】
図1に示される型枠1の組立形態では、第1のパネル2と第2のパネル3は互いに対向している、すなわち、各第1の側面5aが相互に互いに向き合っている。
【0033】
前記パネル2、3の各々の第1の側面5aには、複数のガイド6が設けられており、垂直方向に整列された様々な列に配置されて、前述した複数のスペーサ要素4への接続を可能にする機能を果たしている。
【0034】
各ガイド6は、2つのL形状のタブ6a、6bにより形成されており、それらの間に空きスペース7を形成するように互いに対向して配置されている。空きスペース7は、第1の水平スリット8を通して頂部で開放され、第2の水平スリット9を通して底部で開放され、第3の垂直スリット10を通して第1の側面5aにおいて開放され、第4の開口11と共に第2の側面5bにおいて開放されている。
【0035】
前記第1のパネル2と第2のパネル3の各々は、以下でより明確に特定されるように、型枠1の内側部分の通気と、コンクリートが型枠1自体に流し込まれた後の型枠1からの液体の流出とを可能にするための一連の開口6’を更に有している。
【0036】
第1のパネル2と第2のパネル3には、通気口12も配設されており、型枠1に流し込まれた後のセメントベースモルタルの通気を可能にしている。
【0037】
前記第1のパネル2と第2のパネル3の各々の周縁には、垂直および水平方向の両方に、上述したタイプの他のパネルとの接続を可能にするための接続要素のように適合する部分が存在する。
【0038】
ところで、
図1を参照すると、スペーサ要素4は、各パネルに設けられたガイド6の垂直列と同じ数である。
【0039】
同封された図面に示される特定の事例において、3つのスペーサ要素4が存在する。
【0040】
上で述べたように、スペーサ要素4は、第1のパネル2と第2のパネル3との間に介在されている。
【0041】
各スペーサ要素4は、3つの相互に平行な横断部材、すなわち、上側横断部材14と、下側横断部材15と、上側横断部材14および下側横断部材15に対して実質的に等距離の位置に配置された中央横断部材16と、を備えたフレーム13により形成されている。
【0042】
上側横断部材14、下側横断部材15および中央横断部材16はそれぞれ、第1の側部開口14’、15’、16’と第2の側部開口14’ ’、15’ ’、16’ ’とをそれぞれ画定する管により形成されており、管は、型枠1の内側部分の通気と液体の流出のためのものであり、管には、4つのそれぞれの貫通穴14a、14b、14c、14d、15a、15b、15c、15d、16a、16b、16c、16dの長手方向列が配設されている。
【0043】
特に、スペーサ要素4の一方に設けられた第1の側部開口14’、15’、16’は、他方に設けられた第2の側部開口14’’、15’’、16’’と同様、型枠1の組立形態において、開口6’をそれぞれ向くように配置されている。
【0044】
貫通穴14a、14b、14c、14d、15a、15b、15c、15d、16a、16b、16c、16dの前述した長手方向列の各穴は、好ましくは、3mm以下の直径を有している。
【0045】
上側横断部材14、下側横断部材15および中央横断部材16の内側部分は、完全には直線ではない。それらはそれぞれ、以下でより明確に特定されるように、外側に向かう液体の流出を容易にするために、各中間ゾーンから生じ、相対的な端部(relative ends)に向けて下降する、2つの対向勾配を有している。
【0046】
フレーム13は、第1の側部上側垂直材17aと、第2の側部上側垂直材17bと、中央上側垂直材17cと、を備える3つの上側垂直材の一式を更に備えており、それらは、中央横断部材16から上側横断部材14へ垂直に延びている。
【0047】
また、フレーム13は、第1の側部下側垂直材18aと、第2の側部下側垂直材18bと、中央下側垂直材18cと、により形成される3つの下側垂直材の一式を備えており、それらは、中央横断部材16から下側横断部材15へ垂直に延びている。
【0048】
特に、第1の側部上側垂直材17a、第2の側部上側垂直材17bおよび中央上側垂直材17cは、それぞれ第1の側部下側垂直材18a、第2の側部下側垂直材18bおよび中央下側垂直材18cと整列して、上側横断部材14、下側横断部材15および中央横断部材16と共に、実質的に同一形状の4つの空きスペース19、20、21、22を形成している。
【0049】
第1の側部上側垂直材17aおよび第1の側部下側垂直材18aにおける、スペーサ要素4の第1の側部端には、第1の平坦要素23が設けられており、横断部材14、15、16の管の第1の側部開口14’、15’、16’に対して最も外側の位置に配置されて、各スリットが、横断部材14、15、16と第1の平坦要素23との間に形成されている。
【0050】
更に、第1の平坦要素23には、3つの第1の開口24a、24b、24cが配設されており、それぞれ、横断部材14、15、16の管の第1の側部開口14’、15’、16’と実質的に対向して配置されている。
【0051】
同様に、前述した第1の側部端の反対側の、スペーサ要素4の第2の側部端には、第1の平坦要素23に平行で、横断部材14、15、16の管の第2の側部開口14’’、15’’、16’’に対して最も外側の位置に配置された第2の平坦要素25が存在しており、この場合も、各スリットが、横断部材14、15、16と第2の平坦要素25との間に形成されている。
【0052】
また、第2の平坦要素25には、3つの第2の開口26a、26b、26cが設けられており、それぞれ、横断部材14、15、16の管の第2の側部開口14’’、15’’、16’’と実質的に対向して位置付けられている。
【0053】
下側横断部材15の下側部分には、下側係合部27が設けられており、その下側端から2つの下側開口28’、28’’が延びており、実質的に長方形の形状をしている。
【0054】
同様に、上側横断部材14の上側部分には、上側係合部29が設けられており、その上側端から2つの上側開口30’、30’’が延びており、実質的に長方形の形状をしている。
【0055】
下側開口28’、28’’と上側開口30’、30’’は、すべてのスペーサ要素4のスペースで整列を行う目的で、型枠1に対して長手方向に配置された(同封された特許請求の範囲に示されていない)それぞれの相補的な要素と係合するように適合されている。
【0056】
空きスペース19、20、21、22の各々には、湾曲した付属物31、32、33、34が設けられており、それぞれ、前記第1の側部上側垂直材17a、第2の側部上側垂直材17b、第1の側部下側垂直材18aおよび第2の側部下側垂直材18bから中央横断部材16に向けて延びている。
【0057】
当該湾曲した付属物31、32、33、34は、あらゆる種類の設置のための管および/またはケーブルの通り道のためのガイドとして作用し、セメントベースモルタルが流し込まれる前に、管および/またはケーブルは、それらにより画定されたスペースで型枠1内に入ることができる。
【0058】
各スペーサ要素4は、単一部品で形成されている。
【0059】
型枠1の組立てのために、スペーサ要素4は、第1のパネル2と第2のパネル3に設けられたガイド6の対応する垂直列に連結されなければならず、第1の平坦要素23は、前記パネルのうちの一方のパネルのガイド6により特定されるハウジング7内に挿入され、第2の平坦要素25は、他方のパネルのガイド6により特定されるハウジング7内に入れられて、前記パネル2、3は、互いに平行に、かつ互いに対向して配置される。
【0060】
一度、型枠1の全体構造が、水平および/または垂直方向に適切にそれらが連結されることによって、壁の建設のために建てられると、セメントベースモルタルをこのような構造を備える型枠1に流し込むことができ、その後、建てられた壁への表面仕上げ作業を行うことができる。
【0061】
この時点で、仕上げ壁に使用されたセメントベースモルタルが完全に硬化するのを待つ必要がある。
【0062】
ところで、
図5、
図6および
図7を具体的に参照すると、数値4’は、なお本発明による、更なるスペーサ要素を指し示している。
【0063】
当該スペーサ要素4’は、以下のこと以外は、上述したスペーサ要素4のそれと同一の構造を有している。それは、3つの横断部材の管が、相対的な中央部分でそれぞれ遮断部35’、36’、37’を有しており、各パイプが、事実上、互いに分離した管の組38’、39’;40’、41’;42’、43’として構成され、互いに連通しないように、スペーサ要素4’の内側に面する各面において閉じていることである。
【0064】
このような遮断部35’、36’、37’を設けることは、そうでなければ仕上げ建設において生じていたであろう、特に望ましくないヒートブリッジ現象を防止することを可能にする。
【0065】
一方、スペーサ要素4’を使用する場合に型枠1を組み立てる方法に関しては、スペーサ要素4を参照して上で指し示したものと同じままである。
【0066】
壁の建設のために上述した型枠1を使用するとき、驚くべきことに二重の効果が見出された。すなわち、セメントベースモルタルの硬化時間の大幅な削減と、壁のより均質で均一な硬化プロセスにより壁自体の機械的および構造的な性能の正味の向上である。
【0067】
このような二重の効果は、各スペーサ要素4に上述した横断部材14、15、16を設けたことにより生じ、一方では、セメントベースの水の液体生成物が、貫通穴14a、14b、14c、14d、15a、15b、15c、15d、16a、16b、16c、16dを通過して開口14’、14’’、15’、15’’、16’、16’’から型枠1を出て流れることを可能にし、他方では、外部環境の空気が、セメントベースモルタルの乾燥とそれゆえの硬化を促進するために、横断部材14、15、16を備える管に入って型枠1の内側部分に到達することを可能にする。
【0068】
上記は、例示的かつ非限定的な説明を提供することを意図しており、それゆえ任意の構造の変形は、上述および特許請求の範囲の記載のような本技術的解決策の保護の範囲内にあると考えられる。