特許第6880107号(P6880107)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 横山 英寿の特許一覧

特許6880107画面ロックボタン付きウェブカメラ用盗撮盗聴防止カバー
<>
  • 特許6880107-画面ロックボタン付きウェブカメラ用盗撮盗聴防止カバー 図000003
  • 特許6880107-画面ロックボタン付きウェブカメラ用盗撮盗聴防止カバー 図000004
  • 特許6880107-画面ロックボタン付きウェブカメラ用盗撮盗聴防止カバー 図000005
  • 特許6880107-画面ロックボタン付きウェブカメラ用盗撮盗聴防止カバー 図000006
  • 特許6880107-画面ロックボタン付きウェブカメラ用盗撮盗聴防止カバー 図000007
  • 特許6880107-画面ロックボタン付きウェブカメラ用盗撮盗聴防止カバー 図000008
  • 特許6880107-画面ロックボタン付きウェブカメラ用盗撮盗聴防止カバー 図000009
  • 特許6880107-画面ロックボタン付きウェブカメラ用盗撮盗聴防止カバー 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6880107
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】画面ロックボタン付きウェブカメラ用盗撮盗聴防止カバー
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/82 20130101AFI20210524BHJP
   G03B 11/04 20210101ALI20210524BHJP
   G10K 11/16 20060101ALI20210524BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20210524BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
   G06F21/82
   G03B11/04 A
   G10K11/16 110
   G06F1/16 312Z
   G06F3/01 510
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2019-97528(P2019-97528)
(22)【出願日】2019年5月24日
(65)【公開番号】特開2020-191051(P2020-191051A)
(43)【公開日】2020年11月26日
【審査請求日】2019年5月31日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】719003499
【氏名又は名称】横山 英寿
(72)【発明者】
【氏名】横山 英寿
【審査官】 小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−097324(JP,A)
【文献】 特開2002−342003(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/116497(WO,A1)
【文献】 特開2001−337383(JP,A)
【文献】 特開2008−022459(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0059510(US,A1)
【文献】 特開2019−036878(JP,A)
【文献】 特開2016−180970(JP,A)
【文献】 特開2018−117330(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/82
G03B 11/04
G06F 1/16
G06F 3/01
G10K 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パソコンに搭載されているウェブカメラ部分に、パソコンを画面ロック状態にするショートカット機能を有する押しボタンを重設して、ワンタッチでパソコンを画面ロック状態にできる、ウェブカメラ用盗撮盗聴防止カバー。
【請求項2】
パソコンに搭載されているウェブカメラのレンズ部分を、画面ロックボタンを支持している不透明な素材のベース部品で光学的に塞ぐ、ウェブカメラ用盗撮盗聴防止カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パソコン、携帯端末、情報通信端末に搭載、または外付けされたウェブカメラを、プライバシー保護のためレンズを光学的に塞ぎ、マイクを音響的に塞ぐカバーに、パソコンをワンタッチで画面ロック状態にするボタンを配置した、ウェブカメラ用盗撮盗聴防止カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のウェブカメラカバーとして、本出願人の提案に係るウェブカメラ用盗撮防止カバー、CAMERA OBSTRUCTING DEVICEが公知である(特許文献1,特許文献2)。
【0003】
パソコンの画面ロック機能はオペレーションシステムに組み込まれた機能であり、パソコンの画面を休止状態にし待機中の省電力に優れており、シャットダウンとは異なり休止状態からの復帰は速い。さらに、同じくオペレーションシステムに組み込まれたパスワードロックの設定を行うことで、休止状態からの復帰時にパスワードを要求することにより、他者による休止中の操作を禁止することが可能で、高いセキュリティが得られる。
【0004】
パソコンを画面ロック状態にするにはいくつかの方法がある。マイクロソフト社のWindowsを例にとると、まずスタートアイコン→ユーザアイコン→ロックが一例。キーボードから、Windowsキー+Lを入力するのが一例。設定パネル内で、あらかじめ一定時間で画面をロックするように設定する、などである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−167559号
【特許文献2】米国特許出願公開第2018/59510号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記背景技術にあげた公知のウェブカメラ用盗撮防止カバーは、レンズを光学的に塞ぎ、ウェブカメラの乗っ取り等のソフトウェア的リスクに対して有効であり、導入も容易なことからも人気を博しているが、覗き見盗撮防止の単機能にすぎず、音声の盗聴については効果がない。
【0007】
パソコンの画面ロック機能は、省電力に優れ、パスワード等認証設定と組み合わせる事による高いセキュリティから多くの場所で使用され、パソコンの使用環境によっては厳しくルール化されていることも少なくない。しかし、問題がないわけではない。
【0008】
上記背景技術で例示したマイクロソフト社のWindowsの画面ロックの方法を例にあげると、前者二例に関しては、マウスもしくはキーボードによる複数回の手順が必要であり、使用者が立ち上がった状態では腰をかがめてマウスもしくはキーボードを操作しなければならない。一定時間で自動的に画面をロックするに至っては、設定時間によっては節電効果が認められるが、パソコンの前を離席する際のセキュリティには問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の取り付け位置をパソコンのウェブカメラのレンズ9上にすることで、レンズを光学的に塞ぎウェブカメラ用覗き見盗撮防止カバーとして機能する。
【0010】
本発明とパソコンのウェブカメラのマイク10が接する箇所に、遮音性に優れた素材でできたパッド6を設けることで、マイクを音響的に塞ぎウェブカメラ用盗聴防止カバーとして機能する。
【0011】
さらに、本発明の押しボタン2はMCU(Micro Control Unit)4を介することで、画面ロックのショートカットキーに相当する信号を発生させ、ワンタッチでパソコンを画面ロック状態にする。
【発明の効果】
【0012】
本発明本体がウェブカメラ用盗撮盗聴防止カバーとして機能するため、レンズ9を光学的に、マイク10を音響的に塞ぎウェブカメラの乗っ取り等プライバシーリスクの回避に有効である。
【0013】
押しボタン2がパソコンの前面にあることから、使用者が立った姿勢でも座った姿勢でも手の届く範囲に位置することで容易に画面ロック機能を利用でき、使用者にこまめな画面ロックを習慣づけるインセンティブとなり、節電効果と高いセキュリティを享受することができる。
【0014】
本発明に係る「パソコン」にはディスプレイとウェブカメラを搭載、または外付けされたコンピュータ、携帯端末、情報通信端末等が該当する。
【0015】
本発明に係る「画面ロック機能」には、オペレーションシステムに組み込まれたパスワード等認証設定を伴ってパソコンの操作を制限する、画面ロック機能、スクリーンセーバー機能、スリープ機能等が該当する。
【0016】
本発明によるパソコンの画面ロックの容易さは、節電効果と高いセキュリティを生む。ウェブカメラを使用しないときのレンズおよびマイクを隠す習慣は、ウェブカメラを悪用した盗撮や盗聴、さらに盗撮を装った詐欺といったウェブカメラに潜在するリスクを軽減する。産業上の利用可能性は高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】パソコンのウェブカメラを使用しないときに、本発明によりレンズ、マイクを覆っている状態の、正面から見たときの図である。
図2】パソコンのウェブカメラを使用するときに、本発明を横に移動させてレンズ、マイクを露出させている状態の、正面から見たときの図である。
図3】パソコンのウェブカメラを使用しないときに、本発明によりレンズ、マイクを覆っている状態の、図1を上部から見たときの図である。
図4】パソコンのウェブカメラを使用するときに、本発明を横に移動させてレンズ、マイクを露出している状態の、図2を上部から見たときの図である。
図5】本発明を横から見たときの図である。
図6】本発明を背後(パソコンの背面)から見たときの図である。
図7】本発明をパソコンに設置した場合のパソコンを、正面から見たときの図である。
図8】本発明の画面ロック機能の実装の一例として、MCUにPro Micro(Arduino互換の汎用マイコンボード)、画面ロックのキー情報をコンピュータに伝達する配線にUSBを使用した例の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例に基づいて説明する。
【0019】
ベース部品1は、押しボタン2の機能を損なわない、かつパソコンのウェブカメラ9使用時の移動に耐えうる程度の強度を持つ。
【0020】
ベース部品1は、遮音に適する目的のためにウェブカメラのマイクを塞ぐパッド6をマイクに密着させる程度な重量と弾力性を持つ。
【0021】
ベース部品1は、パソコンのウェブカメラ9使用時に左右に移動させてレンズ、マイクを露出させる事ができるよう適度な遊びを持つ。
【0022】
本発明がパソコン本体に接地する部分7,8は、パソコンのウェブカメラ9使用時に左右に移動させるときにパソコン本体11を傷つけないように、スポンジ等の柔らかい素材を使用している。
【0023】
ベース部品1、押しボタン2、本発明がパソコン本体に接地する部分7は、不透明な素材を使用し、パソコンのウェブカメラのレンズ9を光学的に塞ぐ。
【0024】
本発明がパソコン本体に接地する部分7は、光の漏れを防ぐためにドーナツ状の形状をもつ。
【0025】
ウェブカメラのマイク10を塞ぐパッド6は、パソコン本体10を傷つけず音漏れのないように、シリコンゴム、弾性発泡プラスチック等の柔軟性と高遮音性を兼ね備えた素材を使用し、パソコンのウェブカメラのマイク9を音響的に塞ぐ。
【0026】
以下に、本発明の画面ロック機能の実装の一例として例示した図8に対応した、汎用MCU用プログラミング言語(Arduino言語)を使用したソースコードを例示する。パソコンのオペレーションシステムはマイクロソフト社のWindowsを対象とした例で、押しボタンを押すことで画面ロックのショートカットキー(Windowsキー+L)に相当する信号を発生させている。
【数1】
【符号の説明】
【0027】
1 ベース部品
2 押しボタン
3 押しボタンとMCUを接続する配線
4 MCU(Micro Control Unit)
5 画面ロックのキー情報をコンピュータに伝達する配線
6 ウェブカメラのマイクを塞ぐパッド
7 本発明がパソコン本体に接地する部分(レンズ側)
8 本発明がパソコン本体に接地する部分
9 パソコンのウェブカメラのレンズ
10 パソコンのウェブカメラのマイク
11 パソコン本体
12 パソコンのスクリーン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8