【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るウィンドレギュレータの車両への取付方法は、
窓ガラスを昇降させるウィンドレギュレータの車両への取付方法であって、
上下方向に延びるガイドレールと
窓ガラスが固定され、前記ガイドレールに沿って摺動可能なスライダと、
前記ガイドレールと前記スライダの摺動を円滑にするグリスと、を有し、
前記スライダは、前記グリスを前記ガイドレールの長手方向に塗布する塗布部を備えているウィンドレギュレータであって、
前記ガイドレールおよび前記スライダの少なくとも一方に前記グリスを付着させる工程と、
前記ガイドレールを前記車両へ取り付ける工程と、
前記ガイドレールを前記車両へ取り付けた後、前記スライダを作動させて前記塗布部により前記グリスを前記ガイドレールに広げる工程と、を有する。
【0006】
上記のウィンドレギュレータの車両への取付方法によれば、ウィンドレギュレータの出荷前にグリスをガイドレールの長手方向の全面に塗布する必要がなくなる。そのため、ウィンドレギュレータの持ち運び時に作業者にグリスが付着しにくく、また、積み重ねても他のウィンドレギュレータにグリスが付着しにくい。また、ウィンドレギュレータの使用時には、事前にスライダを動作させることにより塗布部がグリスをガイドレールの長手方向に亘って塗布するので、スライダがガイドレールに対して円滑に動作できる。
【0007】
上記のウィンドレギュレータの車両への取付方法において、
前記ガイドレールに前記グリスを付着させてもよい。
上記のウィンドレギュレータの車両への取付方法によれば、ガイドレールの表面には外部からアクセスしやすいため、グリスを付着させやすく、作業性がよい。
【0008】
上記のウィンドレギュレータの車両への取付方法において、
前記ガイドレールの長手方向に直交する断面において前記ガイドレールは、
前記スライダに対向する主壁部と、
前記主壁部から屈曲して前記スライダに向かって延びる側壁部と、を備え、
前記スライダは、
前記主壁部に対向する本体部と、
前記側壁部が挿通されるガイド溝を形成するガイド部と、を備え、
前記塗布部は、前記スライダの上下動に伴って前記主壁部に付着された前記グリスを前記主壁部から前記側壁部に塗布してもよい。
【0009】
上記のウィンドレギュレータの車両への取付方法によれば、スライダがガイドレールに沿って上下動する際には、ガイドレールの側壁部がスライダのガイド部と摺接する。このときに、塗布部が側壁部にグリスを塗布するため、スライダを円滑に動作させることができる。
【0010】
上記のウィンドレギュレータの車両への取付方法において、
前記塗布部は少なくとも、前記主壁部と前記側壁部がなす内側の角部に付着された前記グリスを前記側壁部に塗布可能であってもよい。
上記のウィンドレギュレータの車両への取付方法によれば、角部を使って、決まった位置にグリスを付着させやすい。またグリスが広がり過ぎてしまっても、グリスが外部に露出しにくい。
【0011】
上記のウィンドレギュレータの車両への取付方法において、
前記塗付部は前記主壁部と隙間を介して対向する対向面を有し、
前記隙間は前記側壁部に向かって広がっていてもよい。
上記構成のウィンドレギュレータの車両への取付方法によれば、第二塗付部でグリスを広げる際に、主壁部に付着されたグリスを効率よく側壁部に送ることができる。
【0012】
上記のウィンドレギュレータの車両への取付方法において、
前記対向面のうち、前記側壁部から遠い側の端部が前記主壁部に弾性的に当接していてもよい。
上記のウィンドレギュレータの車両への取付方法によれば、第二塗付部でグリスを広げる際に、主壁部に付着されたグリスが側壁部と反対側に漏れることを防止できる。
【0013】
上記のウィンドレギュレータの車両への取付方法において、
前記塗布部は、前記ガイドレールの側壁部に当接可能で、前記ガイドレールへ接近する方向に弾性変形可能であってもよい。
上記のウィンドレギュレータの車両への取付方法によれば、塗布部が弾性変形することにより、適度な厚みでグリスをガイドレールに塗布できる。
【0014】
上記のウィンドレギュレータの車両への取付方法において、
前記塗布部は、前記ガイドレールの前記側壁部と隙間を介して対向する部分を有し、
前記隙間は、前記側壁部が前記主壁部から起立する方向に向かって広がっていてもよい。
上記のウィンドレギュレータの車両への取付方法によれば、塗布部によって、主壁部に付着されたグリスを側壁部の縁まで十分に広げることができる。
【0015】
上記のウィンドレギュレータの車両への取付方法において、
前記ガイドレールに凹部が設けられ、前記凹部に前記グリスが付着されていてもよい。
上記のウィンドレギュレータの車両への取付方法によれば、十分な量のグリスをガイドレールに付着させることができる。