(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フレーム上板に形成された前記第1通水孔の少なくとも一部と、前記カバー上板に形成された前記排水孔の少なくとも一部とは、前記ドラムの前記内周面に垂直な垂直方向において互いに整列しないように配置される、請求項3に記載の洗濯処理装置。
前記リフタフレームは、前記カバー上板の内面が前記フレーム上板から離隔され得るように、前記フレーム上板から前記カバー上板の前記内面に向かって突出するスペーサをさらに備えてなる、請求項1に記載の洗濯処理装置。
前記ドームは、前記カバー上板の前記内面に対して凹状に形成されるとともに前記カバー上板の外面に対して凸状に形成され、前記スペーサの少なくとも一部は前記ドームの凹状部分に位置する、請求項9に記載の洗濯処理装置。
前記ドームは、前記カバー上板の長手方向に互いに離隔して複数形成され、前記排水孔は、隣接する前記ドームの間にそれぞれ形成される、請求項10に記載の洗濯処理装置。
前記フレームベースは、前記フレームベースの円周に沿って形成された着座溝を有し、前記フレームカバーの下端から連結タブが突出し、前記リフタフレームは、前記リフタフレームが前記フレームカバーに結合されたときに前記連結タブが挿入されるように前記着座溝に形成されたタブ結合ポートを有する、請求項1に記載の洗濯処理装置。
前記リフタフレームの前記上面に形成された前記第1通水孔の少なくとも一部と、前記フレームカバーの前記上面に形成された前記排水孔の少なくとも一部とは、前記ドラムの前記内周面に垂直な垂直方向において互いに整列しないように配置される、請求項18に記載の洗濯処理装置。
【背景技術】
【0003】
韓国特許出願第1020180072336号公報(以下、「特許文献1」と称する)は、洗濯物の回転運動が行われる洗濯機を開示している。洗濯物を持ち上げるように構成されたリフタを有するドラムは、ドラム内の洗濯物が所定の高さまで持ち上げられ、次いでドラムの内周面に沿って転がり落ちるように、所定の速度で回転する。回転運動は、洗濯物が回転する間に洗濯物とドラムとの間に生じる摩擦により、洗濯物を穏やかに摩擦する効果を引き起こす。
【0004】
リフタの高さが高いほど、洗濯物を持ち上げやすくなるため、リフタの高さが特定のレベルを超える場合、ローリング動作を実行することは困難である。なぜなら、リフタの抗力により洗濯物が高く持ち上げられ、ドラムを低速で回転させても洗濯物の落下高さが高くなるため、洗濯物は転がる代わりにドラムの底部に直接落下する(つまり、タンブリング動作が発生する)からである。
【0005】
リフタの高さが低い場合、転がりながら落下している洗濯物(つまり、ドラムの最下点にまだ達していない洗濯物)は、たとえドラムが従来技術よりも高速で回転しても、回転運動の間にリフタを乗り越える可能性があり、その結果、洗濯物がより長い時間回転する可能性がある。
【0006】
ただし、ドラムのほぼ最下点まで落ちた洗濯物は、リフタで持ち上げる必要があるため、リフタと洗濯物との間に一定レベルより大きな摩擦が発生する構造を考慮する必要がある。
【0007】
韓国特許出願第1020170082055号公報(以下、「特許文献2」と称する)は、ほぼ水平な回転軸を中心に回転するドラムの内周面に複数のリフタを有する洗濯機を開示している。
【0008】
リフタは、ドラムの内周面に結合された第1部材と、第1部材に取り付けられ、ドラムが回転しているときに洗濯物を持ち上げるようにドラムの内側に突出する第2部材とを含む。
【0009】
第2部材は、洗濯物が収容される空間を規定するように、ほぼドーム状に形成されている。第1部材は、ドラムの内周面に装着される第1部分と、装着部から凸状に突出して空間に挿入される第2部分とを含む。
【0010】
第2部材のドーム形状の基部は第2部分と接触しているが、基部から半径方向に離間したドーム形状の頂点は第2部分から離間している。
【0011】
ドーム形状の頂点は第1部材で支持できないため、第2部材が外力によって押されると、第2部材の内部空間、特にドーム形状の頂点が押し下げられるという欠点がある。
【0012】
すなわち、第1部材の上板と第2部材の上板とが互いに対応していないため、外力による変形に適切に対処することができない。
【0013】
特に、第2部材が金属、例えばステンレス鋼で作られている場合、材料の塑性変形により、第2部材を元の形状に復元できないという欠点がある。
【0014】
さらに、塑性変形により第2部材が元の形状に復元できない場合、リフタ間のバランスが崩れる。したがって、ドラムの回転中に偏心が発生し、リフタによってドラムに加えられる負荷によっても不均衡が発生し、深刻な場合にはドラムが変形または損傷する可能性がある。
【0015】
また、第2部材の変形により、第1部材の外面と第2部材の内面との間の隙間が小さくなると、隙間に異物が捕捉され、衛生上の問題が生じる場合がある。
【0016】
特に、第1部材に形成された洗浄水入口孔からリフタに洗浄水が導入されても、洗浄水は第2部材に形成された洗浄排水孔から素早く排出される。これは、洗浄水入口孔および洗浄排水孔が、それぞれ互いに対応する第1部材の上板および第2部材の上板に形成されているからである。
【0017】
そのため、リフタに洗浄水が導入されても、洗浄水がリフタ内に比較的短時間滞留するため、リフタの内部を効果的に洗浄することが難しいという欠点がある。
【0018】
韓国特許出願第1020070048913号公報(以下、「特許文献3」と称する)は、洗濯機用ドラムの製造方法を開示している。この製造方法によれば、四角い金属板にリフタを取り付けるための取り付け孔を形成した後、金属板を圧延することにより、円筒ドラムが製造される。
【0019】
韓国実用新案登録第20−0358903号公報(以下、「特許文献4」と称する)は、取り付け孔を使用してドラムにリフタを取り付ける構造を開示している。取り付け孔は、ドラムの前後方向に所定の間隔を空けて配置されており、このように配置された取り付け孔のセットを用いて1つのリフタが取り付けられている。すなわち、一組の取り付け孔に対応する数のフックがリフタに形成され、フックはそれぞれ取り付け孔に捕捉される。
【0020】
特開2004−057657号公報(以下、「特許文献5」と称する)は、セットを構成する一対のリフタ(またはバッフル)をドラムの内周面の前後方向に一列に配置した構造を開示しており、リフタは、ドラムの周方向に沿って所定の間隔で配置されている。
【0021】
一方、製造業者は製品の仕様に応じて異なる容量のドラムを設計する必要がある。この場合、製造業者は、設計寸法に基づいて、製造されるドラムの前後方向の長さに応じた金属板の一辺の長さに金属板を切断することにより、前後方向に長いドラム(すなわち、大容量ドラム)と、比較的短いドラム(すなわち、小容量ドラム)とを選択的に製造することができる。
【0022】
しかしながら、一対のリフタ間の距離は、ドラムの前後方向の長さに応じて変更する必要がある。しかし、上記関連技術の開示では、リフタに形成されたフックが指定された取り付け孔にのみ固定されているため、ドラムの長さが変化しても、一対のリフタ間の間隔は必然的に一定である。上記のようにドラムの長さに関わらず、前側に位置するリフタと後側に位置するリフタとの間隔が常に一定である構造は、前側に位置するリフタの前端とドラムの前端との距離、または後側に位置するリフタとドラムの後端との距離がドラムの長さが増加するにつれて増加するため、ドラムの前端または後端に位置する洗濯物がリフタに接触できないという欠点がある。
【0023】
韓国実用新案登録第20−0358903号公報(以下、「特許文献6」と称する)は、リフタを備えたドラムを有する洗濯機を開示している。リフタの一方の表面からフックが突き出るとともに、ドラムにフック貫通孔が形成されており、フックがフック貫通孔に引っ掛かる。
【0024】
フックは、リフタ本体から延びる首部と、首部よりも広い幅を有するように首部の端部から広がる頭部とを含む。リフタは、首部がフック貫通孔に位置した状態で、頭部がドラムの外面に引っ掛かるように設置されている。
【0025】
しかしながら、上記のようなフックを有するリフタを射出成形するために、金型は、リフタ本体の上面を形成するように構成された上金型と、リフタ本体の下面を形成するように構成された下金型とを含む。しかし、頭部の一部がリフタ本体に垂直に重なるため、アンダーカットが発生するという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
本開示の一態様は、リフタと洗濯物(布地)との間の摩擦作用がスムーズに起こる洗濯処理装置を提供することである。
【0028】
本開示の他の態様は、リフタの高さが低くなっても、リフタと洗濯物との間の摩擦を利用して洗濯物の摩擦動作を向上させることができる洗濯処理装置を提供することにある。
【0029】
本開示のさらに他の態様は、リフタと洗濯物との間の摩擦を所定のレベル以上に維持し、リフタを用いて洗濯物を持ち上げる作業を円滑に行うことができる洗濯処理装置を提供することにある。
【0030】
本開示のさらに別の態様は、リフタが容易に変形しないようにリフタの剛性が高められた洗濯処理装置を提供することである。
【0031】
本開示のさらに他の態様は、リフタの外形を規定するフレームカバーが薄い金属板で形成されていても、リフタの剛性が十分に確保された洗濯処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本開示の態様は、上述のものに限定されず、上述されていない他の態様は、以下の説明から当業者によって明確に理解され得る。そして、本発明の一の態様は以下の通りである。
〔本発明の一の態様〕
〔1〕 洗濯処理装置であって、
前後方向に延びる回転軸線を中心に回転するように構成されたドラムと、
前記ドラムの内周面に配置され、前記ドラムが回転するときに前記回転軸線を中心に回転するように構成されたリフタと、を備え、
前記リフタは、
前記ドラムの内周面に取り付けられたリフタフレームと、
前記リフタフレームに連結され、前記ドラムの前記内周面から半径方向内側に突出するフレームカバーと、を備え、
前記リフタフレームは、
前記ドラムの前記内周面に連結されたフレームベースと、
前記ドラムの内側に向かう方向に前記フレームベースから間隔を空けて配置されたフレーム上板と、
前記フレーム上板と前記フレームベースとを接続するように構成されたフレーム側壁と、
前記フレーム上板に形成され、前記リフタフレームの内側と外側とを互いに連通させる第1通水孔と、
前記フレーム側壁に形成され、前記リフタフレームの前記内側と前記外側とを互いに連通させる第2通水孔と、を備え、
前記フレームカバーは、
前記フレーム上板に面する内面を有するカバー上板と、
前記フレームベースに結合された下端および前記カバー上板に接続された上端を有するカバー側壁と、
前記カバー上板に形成され、前記第1通水孔または前記第2通水孔を通過した洗浄水が通過して前記ドラム内に排出される排水孔と、を備えてなる、洗濯処理装置。
〔2〕 前記フレーム上板および前記カバー上板は、互いに平行な対応する表面を有し、
前記フレーム側壁および前記カバー側壁は、互いに平行な対応する表面を有する、〔1〕に記載の洗濯処理装置。
〔3〕 前記フレーム上板は、水平投影面が前記フレームベースの円周内に配置され得るように、前記フレームベースよりも相対的に小さく、
前記フレーム側壁は、前記フレーム上板と前記フレームベースとを傾斜した状態で接続する、〔2〕に記載の洗濯処理装置。
〔4〕 前記フレーム上板に形成された前記第1通水孔の少なくとも一部と、前記カバー上板に形成された前記排水孔の少なくとも一部とは、前記ドラムの前記内周面に垂直な垂直方向において互いに整列しないように配置される、〔3〕に記載の洗濯処理装置。
〔5〕 前記ドラムは、前記リフタに前記洗浄水を導入するために前記フレームカバーで覆われた領域に形成された水流流入孔を有する、〔4〕に記載の洗濯処理装置。
〔6〕 前記リフタフレームは、前記カバー上板の内面が前記フレーム上板から離隔され得るように、前記フレーム上板から前記カバー上板の前記内面に向かって突出するスペーサをさらに備えてなる、〔1〕に記載の洗濯処理装置。
〔7〕 前記スペーサは、前記カバー上板の前記内面から離間している、〔6〕に記載の洗濯処理装置。
〔8〕 前記スペーサは、前記カバー上板の前記内面に接触している、〔6〕に記載の洗濯処理装置。
〔9〕 前記カバー上板は、前記スペーサに対応する位置に上方に突出するドームを有する、〔6〕に記載の洗濯処理装置。
〔10〕 前記ドームは、前記カバー上板の前記内面に対して凹状に形成されるとともに前記カバー上板の外面に対して凸状に形成され、前記スペーサの少なくとも一部は前記ドームの凹状部分に位置する、〔9〕に記載の洗濯処理装置。
〔11〕 前記ドームは、前記カバー上板の長手方向に互いに離隔して複数形成され、前記排水孔は、隣接する前記ドームの間にそれぞれ形成される、〔10〕に記載の洗濯処理装置。
〔12〕 前記排水孔は、前記カバー上板の幅方向に隣接する前記ドーム間に複数形成される、〔11〕に記載の洗濯処理装置。
〔13〕 前記リフタフレームは合成樹脂製であり、
前記フレームカバーは金属製である、〔1〕に記載の洗濯処理装置。
〔14〕 前記フレームベースは、前記フレームベースの円周に沿って形成された着座溝を有し、前記フレームカバーの下端から連結タブが突出し、前記リフタフレームは、前記リフタフレームが前記フレームカバーに結合されたときに前記連結タブが挿入されるように前記着座溝に形成されたタブ結合ポートを有する、〔1〕に記載の洗濯処理装置。
〔15〕 前記リフタは、
前記ドラムの周方向に配置された複数の前部リフタと、
それぞれの前記前部リフタの後側で前記ドラムの前記周方向にそれぞれ配置された複数の後部リフタと、を備えてなる、〔1〕に記載の洗濯処理装置。
〔16〕 洗濯処理装置であって、
洗浄水を受け取るように構成された洗濯槽と、
洗濯物を受け取り、前記洗濯槽内で前後方向に延びる回転軸線周りに回転するように構成されたドラムと、
前記ドラムの内周面に配置され、前記ドラムが回転するときに前記回転軸線を中心に回転するように構成されたリフタと、を備え、
前記リフタは、
前記ドラムの前記内周面に取り付けられたリフタフレームと、
前記リフタフレームに連結され、前記ドラムの前記内周面から半径方向内側に突出するフレームカバーと、を備え、
前記リフタフレームは、前記リフタフレームの内側と外側とが互いに連通するように前記リフタフレームの上面に形成された第1通水孔を有し、前記リフタフレームは、前記リフタフレームの前記内側と前記外側とが互いに連通するように前記リフタフレームの側面に形成された第2通水孔を有し、前記フレームカバーは、前記フレームカバーの上面の一部を貫通して形成され、前記第1通水孔または前記第2通水孔を通過した洗浄水を前記ドラム内に排出する排水孔を備えてなる、洗濯処理装置。
〔17〕 前記フレーム上板および前記カバー上板は、互いに平行な対応する表面を有し、前記フレーム側壁および前記カバー側壁は、互いに平行な対応する表面を有する、〔16〕に記載の洗濯処理装置。
〔18〕 前記フレーム上板は、水平投影面が前記フレームベースの円周内に配置され得るように前記フレームベースよりも相対的に小さく、
前記フレーム側壁は、前記フレーム上板と前記フレームベースとを傾斜した状態で接続する、〔17〕に記載の洗濯処理装置。
〔19〕 前記リフタフレームの前記上面に形成された前記第1通水孔の少なくとも一部と、前記フレームカバーの前記上面に形成された前記排水孔の少なくとも一部とは、前記ドラムの前記内周面に垂直な垂直方向において互いに整列しないように配置される、〔18〕に記載の洗濯処理装置。
〔20〕 前記ドラムは、前記リフタに前記洗浄水を導入するために前記フレームカバーで覆われた領域に形成された水流流入孔を有する、〔19〕に記載の洗濯処理装置。
〔21〕 前記排水孔の開口面積は、前記第1通水孔の開口面積よりも相対的に小さい、〔16〕に記載の洗濯処理装置。
【0033】
本開示の一実施形態に係る洗濯処理装置は、前後方向に延びる回転軸線を中心に回転するように構成されたドラムと、ドラム内に配置されたリフタとを備えている。
【0034】
リフタは、ドラムに固定されたリフタフレームと、リフタフレームを覆うように構成されたフレームカバーとを含んでもよい。
【0035】
リフタフレームは、リフタフレームの内外を互いに連通させるために、フレーム上板およびフレーム側壁にそれぞれ形成された通水孔を含んでいてもよく、フレームカバーは、カバー上板に形成され、通水孔を通過した洗浄水が通過してドラム内に排出される排水孔を含んでいてもよい。
【0036】
通水孔の数は、排水孔の数よりも比較的大きくてもよい。
【0037】
リフタフレームおよびフレームカバーの上面および側面は、互いに対応していてもよい。
【0038】
リフタフレームおよびフレームカバーのそれぞれの側面は、傾斜するように形成されていてもよい。
【0039】
通水孔の少なくとも一部と、排水孔の少なくとも一部とは、ドラムの内周面に垂直な上下方向に互いに整列しないように配置されていてもよい。
【0040】
リフタフレームは合成樹脂製であってもよく、フレームカバーは金属製であってもよい。
【0041】
フレームカバーは、リフタ上板部を構成するカバー上板と、リフタ側壁部を構成するカバー側壁とを含んでもよい。フレームカバーの下端に連結タブが形成されていてもよく、連結タブが挿入されるタブ結合ポートがリフタフレームに形成されていてもよい。
【0042】
リフタフレームは、ドラムの内周面に固定され、フレームカバーの下端が挿入される着座溝を有するフレームベースと、フレームベースからドラムの内側に向かう方向に離間したフレーム上板と、フレーム上板とフレームベースとを接続するように構成されたフレーム側壁とを含んでもよい。タブ結合ポートは、着座溝に形成されてもよい。
【0043】
フレームカバーの内面は、フレーム上板からフレームカバーの内面に向かって突出するスペーサによって、フレーム上板から間隔を隔てられていてもよい。
【0044】
スペーサは、フレームカバーの内面と接触していてもよいが、本開示はそれに限定されず、非接触スペーサが提供されてもよい。
【0045】
ドラムは、フレームカバーで覆われた領域に形成された少なくとも1つの水流流入孔を有していてもよく、リフタフレームは、リフタフレームの内側と外側とを互いに連通させる少なくとも1つの通水孔を有していてもよい。
【0046】
フレームカバーは、スペーサに対応する位置で上方に突出するドームを有していてもよい。複数のドームは、互いに離隔して形成されていてもよく、排水孔は、隣接するドームの間に形成されてもよい。
【0047】
リフタは複数設けられていてもよく、複数のリフタは、ドラムの周方向に配置された複数の前部リフタと、複数の前部リフタの後方においてドラムの周方向に配置された複数の後部リフタとを含んでもよい。
【0048】
本開示の別の実施形態に係る洗濯処理装置は、洗浄水を受けるように構成された洗濯槽と、洗濯物を受け取り、前後方向に延びる回転軸線を中心に洗濯槽内で回転するドラムと、ドラムに配置されたリフタとを備えている。
【0049】
リフタは、ドラムの内周面に固定された合成樹脂製のリフタフレームと、リフタフレームを覆うように構成された金属製のフレームカバーとを含む。
【0050】
フレームカバーには、フレームカバーを塑性加工することにより、フレームカバーの上面の一部を貫通して形成された排水孔と、フレームカバーの上面から突出した上板突起とが形成されていてもよい。
【0051】
本開示に係る洗濯処理装置によれば、洗濯物とリフタに形成された洗浄突起との摩擦作用により、洗濯物の摩擦効果が向上する。
【0052】
また、従来技術に比べてリフタの高さが低い場合であっても、洗浄突起と洗濯物との摩擦作用を利用して洗濯物を所定のレベル以上に持ち上げることができる。
【0053】
また、布の流れが改善され、洗浄突起と洗濯物との間の摩擦作用により布の分配がスムーズに行われる。
【0054】
また、通水孔は、排水孔が形成される位置に加えて別の位置にも形成される。したがって、リフタフレームとフレームカバーとの間の分離空間に導かれた後、ドラム内に排出される洗浄水のより多様な流路を確保することができ、これにより、リフタ内部の洗浄効果を向上させることができる。
【0055】
また、リフタフレームおよびフレームカバーの上面と側面とがそれぞれ対応するように形成されているため、外力によってリフタが変形した場合に、より高い剛性を発揮し、変形および損傷を最小限に抑えることができる。
【0056】
また、上記のようにフレーム側壁とカバー側壁とが傾斜して形成されているため、通水孔を通過する洗浄水が傾斜面に衝突しながらリフタ内部を洗浄することができ、洗浄水は傾斜面に沿って排水孔に自然に導かれ得る。
【0057】
本開示の上記および他の態様、特徴、および利点は、添付の図面と併せて以下の態様の詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0059】
本開示の利点および特徴、ならびにそれらを達成するための方法は、添付の図面を参照して以下に説明される例示的な実施形態から明らかになるであろう。しかしながら、本開示は、本明細書に開示される例示的な実施形態に限定されず、様々な異なる形態で実装されてもよい。例示的な実施形態は、本開示の説明を徹底し、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるために提供される。本開示の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義されることに留意されたい。
【0060】
図面に示された形状、サイズ、比率、角度、要素の数は単なる例示であり、したがって、本開示は図示された詳細に限定されない。同様の参照番号は、明細書全体を通して同様の要素を示している。
【0061】
本開示の説明に関連して、関連する既知の技術の詳細な説明が本開示の要旨を不必要に曖昧にすると判断された場合、詳細な説明を省略する場合がある。
【0062】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的な実施形態のみを説明するためのものであり、限定することを意図するものではない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことを意図し得る。「具備する」、「備える」、「含む」、「有する」という用語は包括的であり、したがって、述べられた特徴、整数、ステップ、操作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の機能、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しない。本明細書で説明する方法のステップ、プロセス、および動作は、特に性能の順序として特定されない限り、必ずしも議論または図示される特定の順序での性能を必要とすると解釈されるべきではない。また、追加または代替のステップを使用できることも理解されたい。
【0063】
要素または層が別の要素または層に「接して(on)」、「係合して(engaged to)」、「接続して(connected to)」、または「結合されて(coupled to)」と呼ばれる場合、他の要素または層に直接接して、係合して、接続して、または結合されてもよいし、介在する要素または層が存在してもよい。対照的に、ある要素が別の要素または層に「直接接して(directly on)」、「直接係合して(directly engaged to)」、「直接接続して(directly connected to)」、または「直接結合されて(directly coupled to)」と呼ばれる場合、介在する要素または層が存在しない場合がある。要素間の関係を説明するために使用される他の単語は、同様の方法で解釈する必要がある(例えば、「間に(between)」に対して「直接間に(directly between)」、「隣接して(adjacent)に対して「直接隣接して(directly adjacent)」など)。本明細書で使用される「および/または」という用語は、関連するリストされたアイテムの1つまたは複数のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0064】
「接続された」および「結合された」という用語は、物理的または機械的な接続または結合に限定されず、直接的であるか間接的であるかに関わらず、電気的な接続または結合を含み得る。接続は、対象物が永続的に接続されるようにしてもよいし、解放可能に接続されるようにしてもよい。「通信可能に結合され」という用語は、直接的に、または介在する構成要素を介して間接的に接続されるものとして定義され、接続は必ずしも物理的な接続に限定されるものではなく、そのように説明された構成要素間におけるデータ、流体、または他の事項の転送に対応する接続である。
【0065】
本明細書では、「第1」、「第2」、「第3」などの用語を使用して様々な要素、構成要素、領域、層、および/または部分を説明することがあるが、これらの要素、構成要素、領域、層、および/または部分はこれらの用語によって制限されるべきでない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層または部分を別の領域、層または部分から区別するためにのみ使用され得る。本明細書で使用される「第1」、「第2」などの用語および他の数値用語は、文脈により明確に示されない限り、順序または順番を意味しない。したがって、以下で説明する第1要素、構成要素、領域、層または部分は、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2要素、構成要素、領域、層または部分と呼ぶことができる。
【0066】
「内側(inner)」、「外側(outer)」、「下(beneath)」、「下方(below)」、「より下(lower)」、「上方(above)」、「より上(upper)」などの空間的に相対的な用語は、本明細書では、説明を簡単にするために、1つの要素または機能と図に示されている別の要素または機能との関係を説明するために使用される場合がある。空間的に相対的な用語は、図に示されている向きに加えて、使用中または操作中の装置の様々な向きを包含することを意図している場合がある。例えば、図の装置を裏返すと、他の要素または機能の「下方」または「下」にある要素は、他の要素または機能の「上方」に配置される。したがって、「下方」という用語の例には、上方と下方との両方の向きを含み得る。装置は、別の方法で方向付けられ(90度または他の方向に回転され)てもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈され得る。
【0067】
本明細書で使用される「または」という用語は、包括的であると解釈されるか、いずれか1つまたは任意の組み合わせを意味するものとする。したがって、「A、B、またはC」は、「A、B、C、AおよびB、AおよびC、BおよびC、A、BおよびC」のいずれかを意味する。この定義の例外は、要素、機能、ステップ、または行為の組み合わせが何らかの形で本質的に相互に排他的である場合にのみ発生する。
【0068】
以下、洗濯処理装置の一例として洗濯機について説明するが、洗濯処理装置は洗濯機に限定されない。洗濯処理装置は、ドラム51に投入された衣類などの洗濯物(または被乾燥物)を処理する装置であり、乾燥機でも洗濯乾燥機でもよい。
【0069】
図1を参照すると、本発明の例示的な実施形態による洗濯処理装置は、外部を規定するように構成されたケーシング13と、ケーシング13内に配置されて洗浄水を貯蔵するように構成された貯水槽31と、貯水槽31に回転可能に設置され、挿入された洗濯物を収容するように構成された洗濯槽50と、洗濯槽50を回転させるように構成されたモータ25とを備え得る。ケーシング13には、貯水槽31の振動を吸収するように構成されたダンパ16が設けられていてもよい。
【0070】
ドラム51は、前後方向に延びる回転軸線Oを中心に回転されてもよく、ドラム51は洗濯槽50を構成し得る。回転軸線はほぼ水平である。ただし、厳密には「水平」という用語は「幾何学的に水平」という意味ではない。
図1に示すように、水平軸線に対してある角度で傾斜が形成されていたとしても、傾斜が垂直軸線よりも水平軸線に近い場合、ドラム51または洗濯槽50は、水平軸線を中心に回転するといえるであろう。
【0071】
ケーシング13の前面には洗濯物挿入口が形成されており、ケーシング13には洗濯物挿入口を開閉するように構成された扉21が回転可能に設けられていてもよい。洗濯物挿入口と貯水槽31の入口とが互いに連通するように、管状のガスケット22が設けられている。ガスケット22は、柔らかい材料(例えばゴム)で作られている。ガスケット22の前端は、ケーシング13の洗濯物挿入口の周囲に接続されてもよく、ガスケット22の後端は、貯水槽31の入口の周囲に接続されてもよい。
【0072】
ケーシング13には、給水弁33、給水管34、および給水ホース37が設置されていてもよい。給水弁33を開いて洗浄水を供給する場合、給水管34を通過した洗浄水は、洗剤を貯留するディスペンサ35において洗剤と混合され、その後、給水ホース37を介して貯水槽31に洗浄水が供給される。
【0073】
貯水槽31には排水ホース17を介してポンプ24の入力ポートが接続されており、ポンプ24の排出ポートは、排水管19に接続されている。貯水槽31から排水ホース17を介して排出された水は、ポンプ24によって汲み上げられ、排水管19を流れた後、洗濯処理装置の外部に排出される。
【0074】
洗濯槽50は、ドラム51と、ドラム51の前端に結合された前部カバー52と、ドラム51の後端に結合された後部カバー53とを含み得る。ドラム51は、複数の貫通孔51h(
図5参照)を有する金属板(例えば、ステンレス鋼)を巻き上げて金属板の両端を接合することにより形成された筒状(または円筒状)体の形態で形成されてもよい。貯水槽31に貯留された水は、貫通孔51hを介して洗濯槽50に導入され得る。ドラム51の内周面には、塑性加工により凸状に形成された複数のエンボス部51a(
図5参照)が形成されていてもよく、エンボス部51a間に貫通孔51hが形成されてもよい。
【0075】
前部カバー52には、ドラム51に洗濯物を挿入できるように開口部が形成されていてもよい。貯水槽31の入口は、開口部に連通している。前部カバー52は、ドラム51と同じ種類の材料で作られてもよい。
【0076】
後部カバー53は、ドラム51の開放された後側を閉じ、後部カバー53の後面には、モータ25の駆動軸25aに接続されたスパイダ26が連結されていてもよい。スパイダ26は、駆動軸25aの回転力を洗濯槽50に伝達するように構成されており、モータ25の駆動軸25aは、スパイダ26の中心に連結されてもよい。
【0077】
ドラム51には、複数のリフタ61a、61b、62a、62b、63a、および63bが設けられている。ドラム51が回転すると、リフタ61a、61b、62a、62b、63a、63bにより洗濯物が持ち上げられる。
【0078】
複数のリフタ61a、61b、62a、62b、63a、および63bは、ドラム51の前後方向に配置された第1リフタおよび第2リフタを含む。以下では、第1リフタが前部リフタ61a、62a、および63aであり、第2リフタが前部リフタから後方に離間した後部リフタ61b、62b、および63bである例について説明する。ただし、実施形態によっては、第1リフタが後部リフタであり、第2リフタが前部リフタであってもよい。
【0079】
図1および
図18を参照すると、複数の前部リフタ61a、62a、および63aは、複数の後部リフタ61b、62b、および63bとともに、組(または対)をそれぞれ規定する。3組のリフタ61(61aおよび61b)、62(62aおよび62b)、および63(63aおよび63b)は、回転軸線Oの周りに等しい角度で配置されてもよいが、本開示は必ずしもこれらに限定されない。例えば、回転軸線Oを中心に4組のリフタを90度間隔で配置してもよいし、5組のリフタを72度間隔で配置してもよい。
【0080】
以下では、前部リフタ61a、62a、63aと後部リフタ61b、62b、63bとが同じ構造を有する例を説明するが、本開示は必ずしもこれに限定されない。
【0081】
図2〜
図4を参照すると、リフタ61a、61b、62a、62b、63a、および63bのそれぞれは、ドラム51に固定されたリフタフレーム620と、リフタフレーム620を覆うように構成されたフレームカバー640とを含む。フレームカバー640は、ドラム51の内周面から径方向内側(ドラム51の内側)に突出し、洗濯物と接触する。フレームカバー640は、ドラム51に直接固定される代わりに、リフタフレーム620によりドラム51に固定される。
【0082】
リフタフレーム620は、合成樹脂製であってもよい。リフタフレーム620は、好ましくは射出成形により形成されるが、本開示はそれに限定されない。
【0083】
金属製のリフタは強度に優れているだけでなく、豪華で衛生的である。リフタを金属製のドラムに直接連結するには、展開されたドラムの形に切り出された原材料にリフタを溶接し、原材料を円筒状に巻き上げた後、互いに向き合った原材料の両端を溶接する必要がある。しかし、平坦な原材料は、原材料を巻き上げる過程で湾曲し、その結果、リフタとドラムとの溶接部に応力がかかり、溶接部が剥離するおそれがある。
【0084】
この懸念に対処するため、本開示は、金属製のフレームカバー640が合成樹脂製のリフタフレーム620によりドラム51に固定される構成を提案する。
【0085】
一方、
図3および
図8〜
図12を参照すると、リフタフレーム620の外面620a(
図8参照)全体は凸形状を有し、リフタフレーム620の内面620b(
図9参照)は凹形状を有する。具体的には、リフタフレーム620は、フレームベース621、フレーム上板623、およびフレーム側壁622を含み得る。
【0086】
フレームベース621は、ドラム51の内周面に固定されている。フレームベース621は、中央部が開放されたリング形状(または単一線で形成された閉形状)を有していてもよい。
【0087】
フレーム上板623は、ドラム51の内側に向かう方向にフレームベース621から離間しており、フレーム側壁622によってフレームベース621に接続されている。フレーム側壁622は、フレーム側壁622の下端がフレームベース621に接続され、フレーム側壁622の上端がフレーム上板623に接続されるように、筒状(または円筒状)体の形態で形成されてもよい。
【0088】
フレーム側壁622は、その断面の輪郭が、フレームベース621に接続された下端から上方に(またはドラム51の半径方向に)徐々に減少する(またはドラム51の内側から遠ざかる方向に徐々に減少する)形状であり、断面の輪郭は、フレーム上板623と出会う部分で最も小さくなる。
【0089】
貯水槽31に貯められた洗浄水がフレームカバー640の内部に導入されるように、ドラム51に1つ以上の水流流入孔が形成されてもよい。フレームカバー640で覆われた領域に形成された開口部は、水流流入孔であってもよい。例えば、フレームカバー640の内側に位置する貫通孔51hのいくつかは、水流流入孔であってもよい。さらに、後述する取付スロット511aおよび511b、締結孔513aおよび513b、および開口部512aおよび512bは、水流流入孔であってもよい。
【0090】
1つ以上の通水孔624および624aがリフタフレーム620に形成されてもよい。リフタフレーム620に開口部が形成され、リフタフレーム620の内側と外側とが互いに連通する限り、任意の開口部が通水孔624であってもよい。
【0091】
通水孔624は、フレーム側壁622および/またはフレーム上板623に形成されてもよい。リフタフレーム620の凹状空間に貯蔵された洗浄水は、通水孔624を通じて排出され得る。
【0092】
この場合、フレーム上板623に形成された通水孔624を第1通水孔と称してもよく、フレーム側壁622に形成された通水孔624を第2通水孔と称してもよい。
【0093】
リフタ61a、61b、62a、62b、63a、および63b内の洗浄水をドラム51内に排出するために、1つ以上の排水孔646hがフレームカバー640に形成されてもよい。リフタフレーム620内の凹空間内の洗浄水は、通水孔624を通過した後、排水孔646hを通ってドラム51内に排出される。
【0094】
ドラム51の内側に露出して洗濯物と接触するフレームカバー640の外面640aは凸形状を有し、フレームカバー640の内面は、リフタフレーム620の凸形状の外面620aに対応する凹形状を有する。フレームカバー640は、金属、好ましくはステンレス鋼で作ることができるが、本開示はそれに限定されない。フレームカバー640は、所定の厚さを有する金属板を塑性加工(例えば、プレス)することにより形成されてもよい。
【0095】
フレームカバー640は、フレームベース621に隣接する下端から上方に延びるカバー側壁645と、カバー側壁645の上側を覆うように構成されたカバー上板646とを含み得る。カバー上板646は、フレーム上板623とほぼ平行である。特に、カバー上板646は、フレーム上板623に平行な対応する表面を有し、フレーム上板623と実質的に同じ面積を有するように形成されてもよい。複数の排水孔646hは、カバー上板646に形成されてもよい。
【0096】
カバー側壁645は、断面の輪郭が下端から上方(またはドラム51の径方向)に徐々に減少する(またはドラム51の内周面から離れる方向に徐々に減少する)形状を有しており、断面の輪郭は、カバー上板646と出会う部分で最小になる。この場合、カバー側壁645は、フレーム側壁622に平行な対応する表面を有するように形成されてもよい。
【0097】
上述したように、リフタフレーム620およびフレームカバー640の上面および側面はそれぞれ対応するように形成されているため、より高い剛性が示される可能性があり、したがって外力によってリフタが変形される際の変形および損傷が抑制され得る。
【0098】
リフタフレーム620は、フレームカバー640がリフタフレーム620から離間することを可能にするように、フレーム上板623から突出するスペーサ625を含む。スペーサ625は、フレーム上板623からフレームカバー640の内面まで突出している。
【0099】
フレームカバー640の内面は、フレーム上板623から突出するスペーサ625の長さ(または高さ)以上の程度まで、フレーム上板623から離間していてもよい。スペーサ625は、フレームカバー640の内面から所定の距離で間隔を空けて配置され得る。この場合、フレームカバー640の内面は、スペーサ625の高さと、スペーサ625とフレームカバー640の内面との間の間隔との合計に等しい距離で、フレーム上板623から離間している。フレームカバー640が外力によって押されると、フレームカバー640はフレーム上板623と接触し、フレームカバー640がそれ以上変形するのを防止する。
【0100】
あるいは、実施形態に応じて、スペーサ625は、フレームカバー640と接触するように構成されてもよい。この場合、スペーサ625は、リフタフレーム620の外面620aから突出し、フレームカバー640の内面に隣接する。スペーサ625は、フレーム上板623がフレームカバー640から離間した状態でフレームカバー640の内面を支持するため、フレームカバー640が外力によってリフタフレーム620に向かって押されても、フレームカバー640がフレーム上板623から離間した状態が維持され得る。
【0101】
スペーサ625は、十字形のリブ構造を有してもよい。具体的には、スペーサ625は、フレーム上板623上でリフタフレーム620の長手方向(または前後方向)に延びる垂直リブ625aと、垂直リブ625aと交差(交差)しながら延びる水平リブ625bとを含んでもよい。垂直リブ625aおよび水平リブ625bは、互いに直交していてもよい。
【0102】
垂直リブ625aと水平リブ625bとが互いに交差するスペーサ625の部分は、フレーム上板623から最大限離隔されてもよい。実施形態に応じて、非接触型スペーサ625の場合、交差部分はフレームカバー640の内面から離間し、接触型スペーサ625の場合、交差部分はフレームカバー640の内面と接触する。
【0103】
図10を参照すると、カバー上板646の内面は、フレーム上板623の外面から離間していてもよい。すなわち、カバー上板646の内面とフレーム上板623の外面との間に所定の分離空間(または隙間g1)が形成されてもよく、分離空間g1は、洗浄水を排水孔646hに案内する流路として機能し得る。
【0104】
フレーム側壁622とカバー側壁645との間に分離空間g2を形成してもよい。フレームベース621には、後述する着座溝621r(
図8および
図9参照)が形成されており、着座溝621rはフレーム側壁622から所定距離離れたフレームベース621の外側に向かう位置に配置されている。したがって、着座溝621r内に配置されたカバー側壁645の下端は、フレーム側壁622から離間している。着座溝621rによってフレームカバー640の下端がフレーム側壁622から離間しており、スペーサ625によってカバー上板646がフレーム上板623から離間しているため、フレームカバー640の下端と、スペーサ625によって支持されたフレームカバー640の部分とであるフレームカバー640の2点は、リフタフレーム620から強制的に離間され、その結果、2点間に位置するカバー側壁645がリフタフレーム620から離れている状態が維持される。
【0105】
各リフタ61a、61b、62a、62b、63a、および63bに導入された洗浄水は、分離空間g1およびg2に導入され、洗濯槽50の回転中に分離空間g1およびg2に形成される水流が、リフタフレーム620の外面とフレームカバー640の内面とを清掃する。清掃過程で発生した異物は、フレームカバー640に形成された排水孔646hを通じて排出されるか、ドラム51に形成された水流流入孔を通じて排出される。分離空間g1およびg2によってリフタフレーム620とフレームカバー640との間に流路が形成され、その結果、この構成は、リフタ61a、62a、63a、61b、62b、および63bを清潔な状態に維持するのに有利であり得る。
【0106】
特に、通水孔624は、排水孔646hが形成される位置に加えて別の位置にも形成される(第2通水孔はフレーム側壁622に形成される)ため、洗浄水がリフタフレーム620とフレームカバー640との間の分離空間g1およびg2に案内され、ドラム51内に排出される洗浄水の多様な経路を確保することができる。
【0107】
通水孔624と排水孔646hとが互いに対応して形成されている場合、リフタフレーム620とフレームカバー640との間の分離空間g1およびg2に導かれた洗浄水は、最短経路でドラム51内に素早く排出され得る。
【0108】
このような場合、リフタの内部を洗浄する効果は期待できないという事実により、リフタフレーム620とフレームカバー640との間の分離空間g1およびg2内においてより多様な経路を通って最大限長い時間洗浄水を流す必要がある。
【0109】
このため、排水孔646hが形成されている位置に加えて、別の位置にも通水孔624が形成されている場合、各リフタ61a、61b、62a、62b、63a、および63bの内部の清掃効果を向上させることができる。
【0110】
この場合、通水孔624の数は、排水孔646hの数よりも相対的に多くてもよい。
【0111】
また、排水孔646hの開口面積は、通水孔624の開口面積よりも相対的に小さくてもよい。
【0112】
したがって、リフタフレーム620とフレームカバー640との間の分離空間g1およびg2に洗浄水を容易に循環させることができ、その結果、この構成は、リフタ61a、62a、63a、61b、62b、および63bを清潔な状態に維持するのにより有利であり得る。
【0113】
また、フレーム上板623に形成された通水孔624の少なくとも一部と、カバー上板646に形成された排水孔646hの少なくとも一部とが、ドラム51の内周面に垂直な垂直方向に互いに整列しないように配置されることがさらに好ましい場合がある。
【0114】
すなわち、リフタをさらに上から見たときに、通水孔624と排水孔646hとが完全に一致しないように通水孔624と排水孔646hとが配置されている構成は、洗浄水が排出される経路をさらに複雑にし、これによって各リフタ61a、61b、62a、62b、63a、および63bの内部の洗浄効果の向上に寄与する。
【0115】
また、フレーム側壁622は、フレーム上板623とフレームベース621とを傾斜した状態で接続し得る。この目的のために、フレーム上板623の水平投影面がフレームベース621の円周内に位置することを可能にするべく、フレーム上板623はフレームベース621より比較的小さくてもよい。
【0116】
また、フレーム側壁622が傾斜して形成される場合、フレーム側壁622に対応するカバー側壁645も傾斜して形成される。
【0117】
上述のようにフレーム側壁622とカバー側壁645とが傾斜して形成されているため、通水孔624を通過する洗浄水が傾斜面に衝突しながらリフタ内部を洗浄することができ、洗浄水は傾斜面に沿って排水孔646hに自然に導かれ得る。
【0118】
フレームカバー640は、スペーサ625に対応する位置に形成されたドーム641、642、643、および644を有していてもよい。すなわち、スペーサ625は、ドーム641、642、643、および644の下に配置されてもよい。
【0119】
例示的な実施形態で複数のスペーサ625が形成される場合、複数のドーム641、642、643、および644は、それぞれ複数のスペーサ625に対応する位置に形成されてもよい。
【0120】
ドーム641、642、643、および644は、カバー上板646上に形成されてもよい。スペーサ625に面する各ドーム641、642、643、および644の内面は凹状に形成されてもよく、各ドーム641、642、643、および644の外面は凸状に形成されてもよい。ドーム641、642、643、および644のそれぞれの凹状内面は、スペーサ625から離間していてもよい。しかし、本開示はそれに限定されず、スペーサ625は凹状内面と接触していてもよい。
【0121】
ドーム641、642、643、および644は、金属製のカバー上板646を押圧することにより凸状に形成される。複数のドーム641、642、643、および644は、カバー上板646の長手方向(またはリフタ61a、61b、62a、62b、63a、および63bの長手方向)に配置されてもよい。1つ以上の排水孔646hは、隣接するドーム641、642、643、および644の間に形成されてもよい。
【0122】
カバー上板646が長手方向に互いに離隔した複数の領域を有すると仮定すると、排水孔646hは、それぞれの領域に形成されてもよい。例示的な実施形態では、排水孔646hは3つの領域に形成されており、カバー上板646の幅方向の各領域に3つ(複数)の排水孔646hが配置されている。
【0123】
スペーサ625は、複数の領域の間に配置されてもよい。すなわち、スペーサ625は、カバー上板646を上から見たときに、複数の領域のうちの隣接する2つの領域の間に配置されてもよい。
【0124】
ドーム641、642、643、および644は、その内面の凹状部分の深さが互いに異なる2つ以上のドームを含んでいてもよい。より詳細には、ドーム641、642、643、および644は、それぞれが第1深さの凹状部分を有する大ドーム641および642と、それぞれが第1深さよりも小さい第2深さの凹状部分を有する小ドーム643および644とを含み得る。大ドーム641および642に対応するスペーサ625aおよび625dの高さは、小ドーム643および644に対応するスペーサ625bおよび625cの高さよりも大きくてもよい。
【0125】
ドーム641、642、643、および644は、異なるサイズを有する2つ以上のドームを含み得る。ドーム641、642、643、および644のそれぞれは、円形形状を有してもよいが、本開示は必ずしもそれに限定されない。ここで、「サイズ」は、ドーム641、642、643、および644のそれぞれの内面の凹部を上から見たときの形状に基づいて決定されてもよく、例えば、「サイズ」は凹部の直径として規定され得る。ただし、ドーム641、642、643、および644のそれぞれの内径と外径との差は、単に材料の厚さによるものであるため、サイズは、各ドーム641、642、643、および644の外径に基づいて規定され得る。
【0126】
スペーサ625のサイズは、ドーム641、642、643、および644のそれぞれのサイズに応じて変化し得る。すなわち、
図13に示すように、大ドーム641および642と小ドーム643および644とがある場合、大ドーム641および642に対応するスペーサ625は、小ドーム643および644に対応するスペーサ625よりも大きくてもよい。
【0127】
2つの小ドーム643および644は、一対の大ドーム641および642の間に配置されてもよく、排水孔646hは、ドーム641、642、643、および644の間に形成されてもよい。複数の排水孔646hは、リフタ61a、61b、62a、62b、63a、63bと交差する方向(または各リフタ61a、61b、62a、62b、63a、および63bの長さに直交する方向)に配置されてもよい。
【0128】
ドーム641、642、643、および644はカバー上板646から突出しているため、洗濯物と排水孔646hの周囲の表面との隙間は、洗濯物がドーム641、642、643、および644上に置かれた場合でも維持され得る。したがって、排水孔646hが洗濯物で詰まることを防止でき、排水孔646hから隙間に排出された水を洗濯物に当てることができる。
【0129】
貯水槽31に貯留された水は、開口部からリフタ61a、61b、62a、62b、63a、および63bに導入される。リフタフレーム620は、1つ以上の通水孔624を有する構造であり、リフタ61a、61b、62a、62b、63a、および63bに導入された水は、通水孔624を介して排水孔646hに到達し得る。
【0130】
リフタ61a、61b、62a、62b、63a、63bに導入された洗浄水は、リフタ61a、61b、62a、62b、63a、63b内に洗浄水が入った状態で洗濯槽50の回転により上昇し、この過程で洗浄水は排水孔646hから排出(または噴霧)される。
【0131】
図2、
図3、
図10、
図13〜
図15を参照すると、各リフタ61a、61b、62a、62b、63a、および63bは、ドラム51の内周面から離間したリフタ上板部と、ドラムの内周面に隣接した下端、およびリフタ上板部に接続された上端を有するリフタ側壁部と、を含み、リフタ側壁部には1つ以上の洗浄突起603および604が形成されている。洗浄突起603および604は、リフタ側壁部の外面から突出し、リフタ側壁部の外面に沿ってリング状に延在している。
【0132】
例示的な実施形態において、各リフタ61a、61b、62a、62b、63a、および63bがリフタフレーム620とフレームカバー640とを含む場合、フレームカバー640のカバー上板646およびカバー側壁645は、それぞれリフタ上板部分およびリフタ側壁部分である。
【0133】
各洗浄突起603および604がリング状に形成されているため、リフタ61a、61b、62a、62b、63a、および63bは、どの方向から外力が加わっても変形しにくい。特に、フレームカバー640が金属(例えば、ステンレス鋼)製の厚さの薄い板として形成されている場合、十分な剛性を維持することができる。
【0134】
フレームカバー640は、リング形状を有する1つ以上の洗浄突起603および604、またはカバー側壁645の外面から突出する1つ以上の洗浄リングを含み得る。複数の洗浄突起603および604は、互いに平行に配置されてもよい。例示的な実施形態では、2つの洗浄突起603および604が設けられるが、本開示は必ずしもこれらに限定されない。フレームカバー640が金属製である場合、洗浄突起603および604は、プレス機によって形成されてもよい。
【0135】
洗浄突起603および604のそれぞれは、カバー側壁645の輪郭に対応する(または類似の)形状を有し、好ましくは、洗浄突起は、カバー側壁645から所定の高さまで突出し得る。カバー側壁645の輪郭は上方に向かって減少するため、洗浄突起603、604のうち、上側に位置する洗浄突起は、他の洗浄突起よりも小さい。
【0136】
洗濯物と洗浄突起603、604との間に加えられる摩擦力は、洗濯物をこする効果を生じさせ、それにより洗濯力を向上させる。また、洗浄突起603、604は、洗濯物を持ち上げる動作を補助するため、リフタ61a、61b、62a、62b、63a、63bのそれぞれの高さを従来技術よりも低くした場合でも、従来技術のようなレベルの物理的な力(例えば、洗濯物を持ち上げる力または叩く力)を洗濯物に加えることができる。
【0137】
フレームカバー640は、リフタフレーム620に結合されてもよい。
図2および
図3を参照すると、フレームカバー640の下端に1つ以上の連結タブ648が形成されてもよい。
図14に示すように、連結タブ648は、フレームカバー640を正面から見たときに、下端の左側部645Lまたは右側部645Rに形成してもよい。左側部645Lおよび右側部645Rは、前後方向に延びる直線部であってもよい。
【0138】
図8および
図9を参照すると、リフタフレーム620には、連結タブ648が上から通過するタブ結合ポート621hが形成されてもよい。タブ結合ポート621hは、連結タブ648にそれぞれ対応する位置に形成されてもよい。連結タブ648はタブ結合ポート621hを通過し、連結タブ648の通過部分はタブ結合ポート621hの縁(またはフレームベース621の底面)によって曲げられて引っ掛かり、これによりリフタフレーム620およびフレームカバー640は互いに結合され得る。
【0139】
一方、リフタフレーム620のフレームベース621には、フレームカバー640の下端に対応する着座溝621rが形成されていてもよい。フレームカバー640の下端は、着座溝621rに挿入されて装着され得る。この場合、タブ結合ポート621hは、着座溝621rに形成されてもよい。
【0140】
以下、リフタフレーム620とドラム51とが互いに連結される構造について説明する。
【0141】
図8、
図9、
図11、および
図12を参照すると、前部リフタ61a、62a、および63aおよび/または後部リフタ61b、62b、および63bのそれぞれに1つ以上の挿入突起627が形成され得る。さらに、
図5〜
図7を参照すると、ドラム51は、第1グループG1の取付スロット511a1と、第2グループG2の取付スロット511a2とを有していてもよい。グループG1およびG2のそれぞれは、1つまたは複数の取付スロット511a1(1)〜511a1(4)を含み得る。ここで、「グループ」は取付スロットの組であり、1つまたは複数の取付スロットを含み得る。
【0142】
第1グループG1の取付スロット511a1および第2グループG2の取付スロット511a2は、1つ以上の挿入突起627の数に対応するいくつかの取付スロット511a1(1)〜511a1(4)および511a2(1)〜511a2(4)を含み得る。すなわち、第1グループG1および第2グループG2の取付スロットを用いて前部リフタ61a、62a、63aを装着する場合、第1グループG1の取付スロット511a1の数および第2グループG2の取付スロット511a2は、各前部リフタ61a、62a、および63aに設けられた挿入突起627の数に対応してもよい。
【0143】
同様に、実施形態によっては、第1グループG1および第2グループG2の取付スロットを使用して後部リフタ61b、62b、および63bを取り付ける場合、第1グループG1の取付スロット511a1の数および第2グループG2の取付スロット511a2の数は、各後部リフタ61b、62b、および63bに設けられた挿入突起627の数に対応してもよい。
【0144】
前部リフタ61a、62a、63aまたは後部リフタ61b、62b、63bのそれぞれに形成された1つ以上の挿入突起627は、第1グループG1または第2グループG2の取付スロット511a2に選択的に固定されてもよい。リフタの設置位置は、リフタ61a、62a、63a、61b、62b、および63bのそれぞれに形成された1つ以上の挿入突起627が、第1グループG1または第2グループG2のいずれか1つを構成する取付スロットに挿入されるかどうかによって決定され得る。
【0145】
以下では、第1グループG1および第2グループG2を構成する取付スロット511aを用いて前部リフタ61a、62a、63aを設置する例を説明するが、後部リフタ61b、62b、および63bを取り付けるために同様に取付スロットを形成してもよい。
【0146】
第2グループG2の取付スロット511a2は、第2グループG2の取付スロット511a2が第1グループG1の取付スロット511a1と部分的に重なる範囲内で後方にずれた領域に形成されている。参考として、
図6において、第1領域M1は、第1グループG1の取付スロット511a1が形成される領域を示し、第2領域M2は、第2グループG2の取付スロット511a2が形成される領域を示す。以下、
図6に示すように、第2グループG2の取付スロット511a2は、第1グループG1の取付スロット511a1よりも後方に配置される。
【0147】
図5〜
図7を参照すると、第2グループG2の取付スロット511a2は、第1グループG1の取付スロット511a1から後方に所定距離Dだけ離隔されている。したがって、第1グループG1の取付スロット511a1に挿入突起627が取り付けられている場合、第2グループG2の取付スロット511a2に挿入突起627が取り付けられている場合に比べて、各前部リフタ61a、62a、63aが距離Dだけさらに前方に位置している。
図5に示すように、大容量ドラム51の金属板は、ドラムが小容量ドラムである場合と比較して、距離Eだけ前方に延在している。大容量ドラムの場合(
図5A)、前部リフタ61a、62a、63aは、ドラムが小容量ドラムである場合(
図5B)と比較して前部リフタ61a、62a、63aが相対的に前方に設置されるように、第1グループG1の取付スロット511a1を使用して取り付けられる。そのため、距離Eに対応する領域に位置する洗濯物は、ドラム51の回転中に前部リフタ61a、62a、63aに容易に接触し得る。
【0148】
各グループG1、G2の取付スロット511aは、前後方向に並んで配置されてもよい。特に、グループG1およびG2のそれぞれの取付スロット511aは、2列に配置される。また、グループを区別せずに構成全体を見ると、取付スロット511aは、前後方向に延びる共通の基準線に沿って配置されていてもよい。好ましくは、実施形態において、取付スロットは、互いに平行な2つの直線上に配置される。
【0149】
より詳細には、第1グループG1の取付スロット511a1は、前後方向に延びる第1列P1に第1間隔Tで配置された2つ以上の第1取付スロット511a1(1)および511a1(2)を含み得る。さらに、第1グループG1の取付スロット511a1は、第1列P1に平行な第2列P2に第1間隔Tで配置された2つ以上の第1取付スロット511a1(3)および511a1(4)をさらに含み得る。
【0150】
第2グループG2内の取付スロット511a2は、第1列P1において第1グループG1の取付スロット511a1から第1間隔Tよりも小さい第2間隔Dだけ後方に配置された2つ以上の第2取付スロット511a2(1)および511a2(2)を含んでいてもよい。
【0151】
また、第2グループG2の取付スロット511a2は、第1グループG1の取付スロット511a1から間隔Tだけ後方にずれた位置で第2列P2に配置された2つ以上の第2取付スロット511a2(3)および511a2(4)をさらに含んでもよい。
【0152】
以下、前部リフタ61a、62a、63aの設置に使用可能な取付スロット511a1、511a2は前部リフタ取付グループに属するものとして定義され、後部リフタ61b、62b、および63bを設置するために使用できる取付スロット511b(
図6(a)参照)は、後部リフタ設置グループに属するものとして定義される。
【0153】
複数の前部リフタ61a、62a、63a、または複数の後部リフタ61b、62b、63bは、ドラム51の周方向に配置されてもよく、これにより、複数の前部リフタ設置グループは周方向に配置され得、同様に、複数の後部リフタ設置グループも周方向に配置され得る。
【0154】
以下、前部リフタ設置グループに属する取付スロットを前部取付スロット511aと称し、後部リフタ取付グループに属する取付スロットを後部取付スロット511bと称する。
【0155】
図8〜
図12を参照すると、挿入突起627は、フレームベース621から突出してもよい。挿入突起627は、フレームベース621の底面から下方に突出する垂直部627a(
図11参照)と、垂直部627aから水平方向に折り曲げられた捕捉部627bとを含んでもよい。捕捉部627bは、上方から見たときに、リング状のフレームベース621の内側に向かって突出していてもよい。
【0156】
図11に示すように、リフタフレーム620を正面から見たときに、フレームベース621の左右にそれぞれ挿入突起627が形成されてもよい。2つ以上の挿入突起627が、フレームベース621の一辺に沿って(または前後方向に)形成されてもよい。
【0157】
具体的には、フレームベース621の左側に形成された挿入突起627(L)は、右方向に屈曲した捕捉部627bを含んでもよい。逆に、フレームベース621の右側に形成された挿入突起627(R)は、左方向に屈曲した捕捉部627bを含んでもよい。
【0158】
図6を参照すると、各取付スロット511aおよび511bは、ドラム51のほぼ前後方向に長さL1を有するように成形されてもよい。各取付スロット511a、511bは、所定の幅W1を有する挿入部S1と、挿入部S1から後方または前方に延び、挿入部S1よりも小さい幅(W2<W1)を有する結合部S2とを含んでもよい。例示的な実施形態では、結合部S2は、挿入部S1の後端から後方に延びているが、本開示は必ずしもこれに限定されない。逆に、結合部S2は、挿入部S1の前端から前方に延びていてもよい。
【0159】
また、後述する
図20に示すように、例示的な実施形態では、前部取付スロット511aの結合部S2が挿入部S1の前端から前方に延びていてもよく、後部取付スロット511bの結合部S2が挿入部S1の後端から後方に延びていてもよい。
【0160】
一方、
図5〜
図7を参照すると、ドラム51にリフタフレーム620を装着する際、リフタフレーム620の挿入突起627が挿入部S1を通過し、リフタフレーム620が後方に押され、これによって垂直部627aが結合部S2に沿って前方に移動し、したがって、捕捉部627bは結合部S2の下に位置する。この場合、フレームベース621の底面はドラム51の内周面に密着しており、捕捉部627bの幅W3(
図11参照)は結合部S2の幅W2よりも大きいため、捕捉部627bは、結合部S2を下側から上側に通過することができない。
【0161】
図8〜
図11を参照すると、フレーム側壁622は、フレームベース621の左側621aに下端が接続された側壁左部622Lと、フレームベース621の右側621bに下端が接続された側壁右部622Rとを含み得る。側壁左部622Lまたは側壁右部622Rの少なくとも一方は、フレームベース621に対して鋭角を画定し得る。特に、側壁左部622Lまたは側壁右部622Rの少なくとも一方は、正面から見たときに互いに対称であってもよい。
【0162】
フレーム側壁622は、リフタフレーム620を上方から鉛直下方に見たときに、挿入突起627に対応する位置に形成された金型排出口624aを有していてもよい。金型排出口624aは、側壁左部622Lまたは側壁右部622Rの少なくとも一方に形成されてもよい。
【0163】
リフタフレーム620は、射出成形によって形成されてもよい。この場合、金型は、リフタフレーム620の上面を形成する上金型と、リフタフレーム620の下面を形成する下金型とを含んでもよい。
【0164】
挿入突起627の上面は、上金型によって形成されてもよい。挿入突起627がフレーム側壁622の下側に位置するため、挿入突起627の上面を形成する上金型の金型部分(特に、捕捉部627bの上面)を上方に移動し得るように(または、金型を開くプロセス中にアンダーカットなしで上金型が引き抜かれ得るように)、上金型が開く方向(またはフレームベース621から垂直上方)において挿入突起627と重なるフレーム側壁622上の領域に、金型を開くプロセス中に挿入突起627の上面を画定する上金型の一部が通過し得る開口部を形成する必要があり、金型排出口624aが上記開口部である。
【0165】
図8に示すように、リフタフレーム620を上方から鉛直下方に見たとき(以下、「リフタフレームの平面図」と称する)、挿入突起627の捕捉部627bは、金型排出口624aに(または金型排出口624aと重なって)配置される。特に、捕捉部627b全体が金型排出口624aに位置している。また、リフタフレームの平面図において、捕捉部627bの外周は、垂直部627aに接続された部分627aを除いて、金型排出口624aの縁から離間している。
【0166】
図9および
図10を参照すると、前部リフタ61a、62a、および63aまたは後部リフタ61b、62b、および63bの少なくとも1つに捕捉突起626が形成されてもよい。捕捉突起626は、リフタフレーム620の凹状の内面620bから下方に突出してもよい。
【0167】
図6を参照すると、捕捉突起626が挿入される開口部512a、512bは、ドラム51に形成されてもよい。前部リフタ61a、62a、63aを設置するための一対の開口部512a1、512a2は、前後方向に間隔Dだけ離れていてもよい。
【0168】
捕捉突起626は、挿入突起627が第1グループG1の取付スロット511a1に挿入されるか、第2グループG2の取付スロット511a2に挿入されるかに応じて、一対の開口部512a1、512a2のいずれかに選択的に挿入される。
【0169】
開口部512aおよび512bの縁に、捕捉突起626の下端とそれぞれ接触する(または捕捉される)捕捉タブ514aおよび514bが形成されてもよい。捕捉タブ514aおよび514bは、開口部512aおよび512b内の捕捉突起626の側面と接触してもよく、それによって捕捉突起626の横方向の動きを制限する。
【0170】
一方、捕捉タブ514aおよび514bの位置は、結合部S2の挿入部S1に対する取付スロット511aおよび511bの相対位置に基づいて決定されてもよい。すなわち、
図6に示すように、結合部S2が挿入部S1の後方に位置する場合、捕捉タブ514aおよび514bは、捕捉突起626の前側の第1凹部626aに配置される。捕捉タブ514aおよび514bは、捕捉突起626が前方に移動しようとするとき(すなわち、挿入突起627が結合部S2から挿入部S1に移動しようとするとき)、捕捉突起626の動きを制限するために、開口部512の前端から後方に延び得る。
【0171】
反対に、
図20に示す取付スロット511aのように、結合部S2が挿入部S1から前方に位置する場合、捕捉タブ514aおよび514bは、捕捉突起626の後側の第2凹部626bに位置する。捕捉タブ514aおよび514bは、捕捉突起626が後方に移動しようとするとき(すなわち、挿入突起627が結合部S2から挿入部S1に移動しようとするとき)、捕捉突起626の動きを制限するために、開口部512の後端から前方に延び得る。
【0172】
捕捉タブ514aおよび514bは、開口部512aおよび512bの縁に接続された部分に基づいて、ドラム51の外側に対して所定の角度で曲げられてもよい。捕捉突起626の側面は、捕捉突起626が開口部512a、512bに挿入されていない状態でも捕捉タブ514a、514bに接触する場合がある。
【0173】
垂直部627aが結合部S2から挿入部S1に移動するようにリフタフレーム620が移動しようとするとき(すなわち、リフタフレーム620が設置される方向と反対方向に移動しようとするとき)、捕捉タブ514aおよび514bが捕捉突起626の下端と干渉するため、動きは制限される。
【0174】
図9を参照すると、捕捉突起626の下端には、捕捉タブ514aおよび514bに面する側に第1凹部626aが形成され得る。リフタフレーム620が完全に設置された状態において、捕捉タブ514a、514bは第1凹部626aに配置され得る。
【0175】
捕捉突起626の下端には、第1凹部626aと反対側に第2凹部626bがさらに形成され得る。リフタフレーム620の前面および後面が変更された状態でリフタフレーム620が設置される場合、捕捉タブ514a、514bは第2凹部626bに配置され得る。
【0176】
図9を参照すると、前部リフタ61a、62a、および63aまたは後部リフタ61b、62b、および63bの少なくとも1つに締結ボス628が形成されてもよい。締結ボス628は、リフタフレーム620の内面620bから下方に突出してもよい。締結ボス628は、フレーム上板623から延びていてもよい。2つ以上の締結ボス628が、前後方向に互いに間隔を空けて設けられてもよい。
【0177】
図5および
図6を参照すると、ドラム51に締結孔513aおよび513bが形成されてもよい。締結孔513a、513bは、リフタフレーム620の挿入突起627が第1グループG1の取付スロット511a1に装着される際に締結ボス628に対応する位置に形成された第1締結孔513a1と、リフタフレーム620の挿入突起627が第2グループG2の取付スロット511a2に装着される際に締結ボス628に対応する位置に形成された第2締結孔513a2とを含み得る。一対の締結ボス628に対応して一対の第1締結孔513a1(1)および513a1(2)が設けられ、一対の第2締結孔513a2(1)および513a2(2)を含む第2締結孔513a2が提供され得る。
【0178】
図7を参照すると、締結ボス628は、挿入突起627が第1グループG1の取付スロット511a1に挿入されるか、または第2グループG2の取付スロット511a2に挿入されるかに基づいて、所定の締結部材(以下、例示のために、ねじ98)によって第1締結孔513a1または第2締結孔513a2に選択的に締結され得る。
【0179】
挿入突起627が取付スロット511aに挿入されてリフタフレーム620が仮組立された状態で、リフタフレーム620が完全に設置されるように、ねじ98はドラム51の外側から締結孔513aを通過して締結ボス628に締結される。
【0180】
一方、前述したように、
図7の(a)または
図7の(b)に示すように、リフタフレーム620の設置位置は、挿入突起627が取付スロット511a1に挿入されるか取付スロット511a2に挿入されるかによって変わる。いずれにしても、リフタが完全に設置された状態では、取付スロット511a1、511a2、開口部512a1、512a2、および締結孔513a1、513a2は、フレームカバー640によって隠されている。すなわち、取付スロット511a1、511a2、開口部512a1、512a2、および締結孔513a1、513a2は、フレームカバー640の内側に位置しているため、ドラム51の内側に露出していない。
【0181】
言い換えれば、リフタ61a、62a、63a、61b、62b、63bのそれぞれに設けられた少なくとも1つの挿入突起627が、第1グループG1および第2グループG2の取付スロット511aのうちいずれか1つのグループ(例えば、G1)の取付スロット(例えば、511a1)に固定された状態において、他のグループ(例えば、G2)の取付スロット(例えば、511a2)はリフタによってドラム51の内側に隠され得る。
【0182】
より詳細には、各前部リフタ61a、62a、63aに設けられた少なくとも1つの挿入突起627が、第1グループG1および第2グループG2のいずれかのグループ(例えば、G1)の取付スロットに挿入された状態において、各前部リフタ61a、62a、63aの前端(FE)(
図4参照)は、第1グループG1および第2グループG2に属する取付スロット511a1(1)〜511a1(4)、および511a2(1)〜511a2(4)の前方に配置され得る。ここで、前端FEは、リフタカバー640の前端であってもよい。
【0183】
また、各前部リフタ61a、62a、63aの後端は、第1グループG1および第2グループG2に属する取付スロット511a1(1)〜511a1(4)、および511a2(1)〜511a2(4)のいずれからも後方に配置され得る。
【0184】
視点に応じて、少なくとも1つの挿入突起627が第2グループG2の取付スロット511a2(1)〜511a2(4)の1つに挿入された状態(
図20の(a)参照)において、ドラム51の前端から各前部リフタ61a、62a、63aの前端FE(
図4参照)までの距離D1は、ドラム51の前端から第1グループG1の各取付スロット511a1(1)〜511a1(4)の前端(つまり、第1グループの取付スロットの中で最も手前に位置する取付スロットの前端)までの距離D2よりも短くてもよい(D1<D2)。
【0185】
また、少なくとも1つの挿入突起627が第1グループG1の取付スロット511a1(1)〜511a1(4)のいずれかに挿入された状態(
図20の(b)参照)において、ドラム51の前端から各前部リフタ61a、62a、63aの後端までの距離D3は、ドラム51の前端から第2グループG2の取付スロットの後端(つまり、第2グループの取付スロットの中で最も後側に位置する取付スロットの後端)までの距離D4よりも長くてもよい(D3>D4)。前部リフタ61a、62a、63aの取り付けに使用する取付スロット511a1(1)〜511a1(4)、511a2(1)〜511a2(4)はすべて、前部リフタ61a、62a、および63aの前端と後端との間に位置するため、取付スロットは、前部リフタ61a、62a、および63aによって覆われることによって隠され得る。
【0186】
一方、各前部リフタ61a、62a、63aの前端FEから締結ボス628までの距離D5(
図9参照)は、間隔D(
図6参照)よりも長くてもよい(D5>D)。この場合、締結ボス628が第2締結孔513a2(
図7参照)に連結された状態(例示的な実施形態では、締結部材98が第2締結孔513a2を通過して締結ボス628に締結された状態)であっても、前部リフタ61a、62a、および63aのそれぞれの前端FEは、第1締結孔513a1がなお各前部リフタ61a、62a、63aによって隠れるように、第1締結孔513a1から前方に位置する(
図7参照)。
【0187】
洗濯処理装置の製造業者は、異なる容量を有するドラムを有する様々なタイプの製品を生産することがある。この場合、取付スロット511a、511b、開口部512a、512b、締結孔513a、513bなどを有する金属板が所定の規格に基づいて切り抜かれ、このように切り出された原材料51’または51’’(
図5を参照)が巻き上げられ、ドラム51を製造するために、原材料の端部が共に接合される。この場合、金属板はドラムの規格に基づいて所定の長さに切断される。長さの異なる2つのドラムを製造するためには、ドラムの長さに応じて、前部リフタ61a、62a、63aと後部リフタ61b、62b、63bとの間隔を異なるように調整する必要がある。
【0188】
例えば、
図5に示すように、ドラム51’の長さが長い場合(
図5(a)参照)の前部リフタ61a、62a、63aと後部リフタ61b、62b、63bとの間隔は、大容量ドラム51の場合であっても洗濯物を前後のリフタ61b、62b、63bで均一に持ち上げられ得るように、ドラム51”の長さが短い場合(
図5(b)参照)の前部リフタ61a、62a、63aと後部リフタ61b、62b、63bとの間隔よりも大きくする必要がある。
【0189】
そのため、ドラム51には、ドラムの長さが変更された場合に前部リフタ61a、62a、63aまたは後部リフタ61b、62b、63bの少なくとも一方の前後方向の設置位置を調整するための追加の取付スロット511aがさらに形成されている。
【0190】
本例示的実施形態では、前部リフタ61a、62a、63aの設置位置を調整するために追加の取付スロット511aが設けられているが、本開示は必ずしもこれに限定されない。例示的な実施形態に応じて、後部リフタ61b、62b、および63bの設置位置を調整するために、追加の取付スロット511bを設けてもよい。
【0191】
追加の取付スロット511aは、挿入突起627が挿入される取付スロット511a(以下、「取付スロット」と称する)に数的に対応するようにリフタフレーム620に形成されてもよく、追加の取付スロット511aは、それぞれの設置スロットから前方または後方に所定の距離Dだけ離れた位置に形成されてもよい。リフタフレーム620の設置位置は、挿入突起627を取付スロット(例えば、511a1)から分離して、挿入突起627を追加の取付スロット(例えば、511a2)に挿入することにより、距離Dだけ変更することができる。
【0192】
なお、例示的な実施形態では、前部リフタ61a、62a、63aの設置位置を調整するために追加の開口部512aが設けられているが、本開示は必ずしもこれに限定されない。実施形態によっては、後部リフタ61b、62b、63bの設置位置を調整するために追加の開口部512bを設けてもよい。
【0193】
一方、例示的な実施形態では、前部リフタ61a、62a、63aの設置位置を調整するために、追加の締結孔513aが設けられているが、本開示はこれに限定されない。実施形態に応じて、後部リフタ61b、62b、63bの設置位置を調整するために、追加の締結孔513bを設けることもできる。
【0194】
図20は、本開示の別の例示的な実施形態を示している。前部取付スロット511aによりリフタフレーム620を設置するためには、挿入突起627を挿入部S1に挿入した後、リフタフレーム620を前方に押す必要がある。後部取付スロット511bによりリフタフレーム620を設置するためには、挿入突起627を挿入部S1に挿入した後、リフタフレーム620を後方に押す必要がある。
【0195】
逆に、ドラム51からリフタフレーム620を分離するためには、挿入突起627の捕捉部627bを結合部S2から移動させて捕捉部627bを挿入部S1に位置合わせするべく、リフタフレーム620が前方または後方に押されてリフタフレーム620が持ち上げられ、その結果、捕捉部627bが挿入部S1を通過し、リフタフレーム620がドラム51から分離され得る。
【0196】
図16は、
図1に示す前後一対のリフタを示す図である。
図17は、
図16に示すリフタを正面から見た図である。
図18は、
図1に示すドラムが展開された状態を示す図(a)と、本開示の他の例示的な実施形態に係るリフタの配置を示すドラムの展開図(b)である。
図19は、ドラムの回転角度に応じて後部リフタにより生じる第1布地の高さの変化を示す図(a)と、後部リフタと対をなす前部リフタによる第2布地の高さの変化を示す図(b)である。以下、
図16〜
図19を参照して説明する。
【0197】
各前部リフタ61a、62a、63aは、ドラム51の内周面に配置され、前後方向に延在している。複数の前部リフタ61a、62a、63aは、回転軸線Oを基準として等角度に配置されている。
【0198】
後部リフタ61b、62b、63bは、ドラム51の内周面に配置され、前部リフタ61a、62a、63aよりも後方に位置している。後部リフタ61b、62b、63bは、前部リフタ61a、62a、63aと同様に、回転軸線Oを基準として等角度に配置されている。
【0199】
後部リフタ61b、62b、63bは、回転軸線Oに対して前部リフタ61a、62a、63aと所定の位相角を形成するように配置されている。ここで、「位相角」は、リフタ61a、62a、63a、61b、62b、63cが円周上の点に到達する時点をドラム51の回転角度として定義することにより作成される。例示的な実施形態では、ドラム51が時計回りCWに回転する場合、後部リフタ61b、62b、63bは、前部リフタ61a、62a、63aよりも位相角ΔΘに相当する分だけ前に同じ高さに達する。
【0200】
図16および
図17に示すように、各リフタ61a、62a、63a、61b、62b、63bが、前後方向に延びる長さC1と、左右方向(または長手方向に直交する方向)において規定された幅C2とを有すると仮定した場合、位相角に対応する周方向距離(C3=ΔΘr、
図19参照)は、0より大きく各前部リフタ61a、62a、63aの周方向の幅C2の2倍以下である。
【0201】
図18を参照すると、ドラム51の内周面にある任意の一対の前部リフタ/後部リフタ(例えば、61aおよび61b)と別の対の前部リフタ/後部リフタ(例えば、62aおよび62b)との間に、前部リフタまたは後部リフタが存在しない非リフタ領域SEが形成される。非リフタ領域SEは、ドラム51の前端から後端まで延びていてもよい。
【0202】
具体的には、非リフタ領域SEは、ドラム51の前端から、2つの隣接するリフタ対の間を通ってドラム51の後端まで延在している。具体的には、非リフタ領域SEは、複数の前部リフタ61a、62a、および63aのうち、隣接する2つの前部リフタ(例えば、61aおよび62a)の間、ならびに2つの隣接する前部リフタ61aおよび62aのそれぞれと位相角ΔΘをそれぞれ形成する2つの後部リフタ61bおよび62bの間を通りながら、ドラム51の前端からドラムの後端まで真っ直ぐに延在している。
【0203】
非リフタ領域SEは、ドラム51の前端から後端まで真っ直ぐに延在しているため、非リフタ領域SEでは、ドラム51の前側領域と後側領域とに洗濯物が均一に分配され得る。
【0204】
典型的には、洗濯機は、脱水処理を行う前にドラム51の離心率を検出し、検出された離心率が基準値内にある場合、ドラム51の回転速度が所定の脱水速度(または脱水RPM)に達するようにドラムが加速される。そうでなければ、ドラム51内の布地の位置を変更するために布地分配が実行される。検出された離心率が基準値に達しない場合、布地分配が繰り返される。布地分配が繰り返される回数が所定の回数に達すると、布地分配が失敗したと判断され、脱水が停止される。
【0205】
本例示的実施形態に係る洗濯機では、ドラム51の後側に位置する第1布地(すなわち、後部リフタ61b、62b、63bにより持ち上げられる布地)と、ドラム51の前側に位置する第2布地(すなわち、前部リフタによって持ち上げられる布地)は、前部リフタ61a、62a、および63aと後部リフタ61b、62b、および63bとによって形成される位相角ΔΘによる時間差(または位相差)で流れ、その結果、布地分配がより円滑に行われ得る。
【0206】
具体的には、
図19を参照すると、後部リフタ61b、62b、および63bがドラム51の最下点(Θ=0)に位置する状態で、ドラム51を時計回りCWに回転させると、第1布地が後部リフタ61b、62b、および63bによって最初に持ち上げられ始め、続いて、位相角ΔΘに対応する時間が経過した後、第2布地が前部リフタ61a、62a、および63aによって持ち上げられ始める。
【0207】
布が転がり(Θ<π/2)、リフタ61a、62a、63a、61b、62b、および63bによって持ち上げられた布が落ちる位置Pが位置Pdであると仮定すると、後部リフタ61b、62b、および63bによって持ち上げられた第1布地が位置(または高さ)Pdに到達して最初に落下し、その後、前部リフタ61a、62a、および63aによって持ち上げられた第2布地が位置Pdに到達して落下する。
【0208】
第1布地および第2布地は、塊を形成することなく時間差を伴って移動し、したがって、均等に分配され得る。その結果、布地分配が繰り返される回数を低減し、脱水段階に入らない場合を低減し、脱水時間を含む全体の洗浄時間を短縮することができる。
【0209】
また、生地が転がったり落下したりする際に生地が位相差を持って流れるため、相対的な動きによって引き起こされる生地間の摩擦や衝突がより頻繁に発生し、洗浄操作によって汚染がより効果的に除去され得る(つまり、洗浄力が向上する)。
【0210】
一方、
図20は、リフタを配置した変形例を示す図であり、(a)は小容量ドラムを示し、(b)は大容量ドラムを示している。
図20を参照すると、一組の前部リフタ61a、62a、63aと後部リフタ61b、62b、63bとが前後方向に一列に配置され得る。すなわち、1対をなす前部リフタ61a、62a、63aおよび後部リフタ61b、62b、63bは、周方向に互いに間隔を空けずに同一線上に配置されてもよい。
【0211】
図21は、リフタの他の例示的な実施形態を示す図である。
図21に示される例示的な実施形態は、上述の例示的な実施形態のものと形状がわずかに異なるが、詳細な構成が上記の例示的な実施形態と同様のリフタフレーム620’とフレームカバー640’とを含むリフタ64を提供する。したがって、上述した例示的な実施形態による構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、その具体的な説明は省略する。
【0212】
本発明をその実施形態に関連して説明したが、本明細書を読めば、その様々な修正が当業者に明らかになることを理解されたい。したがって、本明細書で開示される本発明は、添付の特許請求の範囲内に入るような修正を包含することを意図していることを理解されたい。