(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つの結合エレメント(21,23,24,26,28,29,38,39)が、前記取付けエレメント(18)の中心区分(18a)の長手方向軸線の方向に移動自在な結合部を形成する、請求項1記載のディスクブレーキ(10)。
前記少なくとも1つの結合エレメント(39)が、アーチ状に下方に向かって傾斜させられた翼区分(39b,39’b)を有していて、該翼区分(39b,39’b)において、少なくとも1つのばね腕ユニット(19,19’)がクリップ係止されている、請求項1または2記載のディスクブレーキ(10)。
前記少なくとも1つの結合エレメント(39)が、少なくとも1つのスペーサ区分(22)を、前記少なくとも1つの結合エレメント(39)のベース区分(39a)の長手方向で下方に向かって傾斜させられた舌片として有しており、前記少なくとも1つのスペーサ区分(22)のサイド区分(22a,22’a)が、ばね腕ユニット(19,19’)に接触している、請求項3記載のディスクブレーキ(10)。
前記少なくとも1つの結合エレメント(21,23,24,26,29,38,39)が金属製の打抜き曲げ加工部材である、請求項1から4いずれか1項記載のディスクブレーキ(10)。
前記少なくとも1つの結合エレメント(28)が、一種の巻線における巻条(28a)を含んでいて、前記取付けエレメント(18)が前記巻条(28a)を通って延びている、請求項1または2記載のディスクブレーキ(10)。
前記少なくとも1つの結合エレメント(28)の前記巻条(28a)が、前記ばね腕ユニット(19,19’)のばね腕(19a,19’a)の区分の巻条(28a)である、請求項6記載のディスクブレーキ(10)。
各ばね腕ユニット(19,19’)は、ばね腕(19a,19’a)の対を含み、該ばね腕(19a,19’a)の、前記開口(9)の中央に向いた内側の端部が結合されている、請求項1から7いずれか1項記載のディスクブレーキ(10)。
ばね腕(19a,19’a)の各対の前記ばね腕(19a,19’a)の他方の端部は、取付け区分(19b、19’b)を有しており、該取付け区分(19b、19’b)は、前記取付けインタフェース(A1,A’1;A2,A’2)において前記ブレーキパッド(3,3’)と協働する、請求項8または9記載のディスクブレーキ(10)。
前記取付けインタフェース(A1,A’1;A2,A’2)は、前記ブレーキパッド(3,3’)の前記ライニング支持プレート(4,4’)に配置されている、請求項10記載のディスクブレーキ(10)。
前記取付けインタフェース(A1,A’1;A2,A’2)は、収容開口(4c,4’c)を有していて、該収容開口(4c,4’c)は貫通孔として、および/または盲孔として形成されている、請求項11記載のディスクブレーキ(10)。
前記取付けインタフェース(A1,A’1;A2,A’2)は、ガイドエレメント(33)を有している、請求項11から13いずれか1項記載のディスクブレーキ(10)。
前記取付けインタフェース(A1,A’1;A2,A’2)は、被せられたガイドエレメント(36)を備えるか、またはガイドエレメント(36)を有しない段部(35a)を有している、請求項11から13いずれか1項記載のディスクブレーキ(10)。
前記取付けインタフェース(A1,A’1;A2,A’2)は、前記ブレーキパッド(3,3’)の前記ライニング支持プレート(4,4’)においてパッド保持ばね(7,7’)に間接的に配置されている、請求項11から13いずれか1項記載のディスクブレーキ(10)。
前記ばね腕ユニット(19,19’)および前記不動の取付けエレメント(18)は、線材から形成されている、請求項1から17いずれか1項記載のディスクブレーキ(10)。
作動側のブレーキパッド(3)、背部側のブレーキパッド(3’)および拡開装置(8)を有する、請求項1から18いずれか1項記載のディスクブレーキ(10)のブレーキパッドセット。
前記ブレーキパッド(3,3’)が、それぞれ少なくとも1つのパッド保持ばね(7,7’)を有しており、該パッド保持ばね(7,7’)の端部がそれぞれ斜面を備えている、請求項1から18いずれか1項記載のディスクブレーキ(10)。
前記拡開装置(8)が存在しないか、取り出されている場合に、ブレーキ支持体凸部(17,17’)の収容開口(17a)が、それぞれ1つの栓体(40)により閉鎖されている、請求項1から18いずれか1項または請求項20記載のディスクブレーキ(10)。
前記栓体(40)が、本体(41)を有していて、該本体(41)が、グリップ区分(41a)と端部区分(41b)とを有して円錐形に形成されている、請求項21記載のディスクブレーキ(10)。
前記本体(41)が、環状に延びる複数の隆起部(41c)を有していて、該隆起部(41c)の間に、環状に延びる複数の切欠き(41d)が配置されている、請求項22記載のディスクブレーキ(10)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の根底を成す課題は、この種のディスクブレーキを改良して、構造的に最も簡単かつ最も廉価な手段を用いて、耐用時間、特に特にブレーキパッドおよびブレーキディスクの耐用時間を延ばし、運転コストを全体として引き下げることである。
【0013】
別の課題は、相応のブレーキパッドセットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題は、請求項1に記載の特徴を備えるディスクブレーキにより解決される。
【0015】
上記別の課題は、請求項20に記載の特徴を備えるブレーキパッドセットにより解決される。
【0016】
商用車用の本発明に係るディスクブレーキは、ブレーキディスクに跨がる、摺動キャリパとして形成されるブレーキキャリパであって、不動のブレーキ支持体に取り付けられており、中央の開口をブレーキディスクの上方に有するブレーキキャリパと、ブレーキキャリパ内に配置された2つの、互いに反対方向に可動なブレーキパッドであって、それぞれ、ライニング支持プレートと、ライニング支持プレートに取り付けられた摩擦ライニングとを有し、ブレーキパッドのうちの一方の作用側ブレーキパッドは、作動装置により少なくとも1つのブレーキピストンを介してブレーキディスクに圧着可能であるブレーキパッドと、ブレーキキャリパを、制動に起因した移動後およびブレーキの解除後に戻すことが可能な少なくとも1つの拡開装置であって、拡開装置は、対向するブレーキパッドに作用するばね弾性的なばね腕ユニットを有し、かつ中央の開口に配置されており、ばね腕ユニットは、摩擦ライニング外で、ブレーキパッドの、中央に関して互いに間隔を置いて配置された少なくとも2つの取付けインタフェースに直接的または間接的に作用する、拡開装置とを備える。ばね腕ユニットは、不動の取付けエレメントに、少なくとも1つの結合インタフェースにおいて、少なくとも1つの結合エレメントにより結合されている。
【0017】
ディスクブレーキの本発明による構成により、ブレーキの解除時、両ブレーキパッドの同期的な戻しと、ブレーキキャリパの戻しとが達成される。ここでいう同期的な戻しは、戻し力にも、戻し行程にも関する。その際、戻し力は、両ブレーキパッドのそれぞれの作動方向とは反対方向に、つまり、反作用側のブレーキパッドの場合は、キャリパ背部に向かって、そして作用側のブレーキパッドの場合は、キャリパヘッドに向かって作用し、ブレーキディスクに対して間隙を形成する。
【0018】
残留引きずりトルクを阻止するために、ばねパケットが使用され、このばねパケットは、一方では不動の構成部材(たとえばブレーキ支持体)における取付け部を有しており、他方ではばね作用を介してブレーキパッドをブレーキディスクから遠ざける方向に押圧する。
【0019】
このようなコンセプトは、断面円形材料からなるばね腕を実現する種々異なる実施例を含んでいる。
【0020】
平材の代わりに断面円形材料を使用することにより、大幅なコストの利点が生じる。なぜならば、一方では工具コストが減じられ、他方では材料切断が存在しないからである。さらに、付加的に製造性が大幅に改善される。特殊鋼からの平材の打抜き加工は、1.5mmからの金属薄板厚さでは条件付きでしか可能ではなく、既に著しい工具摩耗をもたらす。平材から成る類似の形態では、1.5mmを超える金属薄板厚さが必要となるので、これに対して円形ワイヤの変化態様は著しい利点を提供する。
【0021】
特に、ブレーキパッドおよびブレーキ支持体に対する取付けインタフェースが焦点となる。これは、断面円形材料の形状付与が平材とは別の制限下にあるので、当てはまる。
【0022】
両方のブレーキパッドにおける拡開装置の作用は、意図的にライニング支持プレートにおいて行われ、しかもライニング支持プレートに取り付けられた摩擦ライニングに面した側において、または反対に位置する背面において行われる。戻し時のそれぞれのブレーキパッドの傾倒を防止するために、拡開エレメントは摩擦半径の中心でライニングバックプレートに作用することができる。
【0023】
本発明に係るディスクブレーキ用の本発明に係るブレーキパッドセットは、それぞれ1つのライニング支持プレートと、ライニング支持プレートに取り付けられた摩擦ライニングとを備える少なくとも2つのブレーキパッドと、上述の拡開装置とを有している。
【0024】
摩擦材料の増大する摩耗を補償するために、ばね腕の取付け部は、自由度を有している。この自由度は、システムの多軸の歪み/傾倒を阻止するために働く。
【0025】
この形態は、ばねパケットを含んでいる。このばねパケットでは、ばねエレメントの取付け部が種々異なって形成されている。したがって摩擦材料の摩耗の補償は、不動の取付けエレメントに対するばね取付け部の軸方向の滑動により行うことができる。
【0026】
センタリングユニットと呼ぶこともできる完全な拡開ユニットの組立ては、ばね弾性的な構成部材と取付けエレメント(不動の構成部材)との間の結合インタフェースに、規定された間隙が設けられているように設計される。この間隙により、ばねの進行する緊張時に、結合インタフェースはブレーキの中心に向かう方向に(パッド保持ヨークに向かって)移動する。
【0027】
ばねエレメントの取付けは、たとえばプレス加工された金属薄板エレメントを介して実施することができるが、その形態は変更することができる。重要であるのは、ワイヤヨークの軸方向の移動が可能であることである。
【0028】
この形態における利点は、種々異なるインタフェースが種々異なる特性を有する材料の間に存在していないことである。したがって、たとえば軟質の鋳造材料から成るライニングバックプレートの破壊の恐れを減少させることができる。同様に、ライニングバックプレートにおけるばねエレメントの取付け可能性も簡略化される。
【0029】
走行中に発生する振動は、取付けインタフェースの移動を容易にするので、汚染および/または腐食時にも、正しい機能形式を前提とすることができる。
【0030】
本発明の別の有利な構成は、従属請求項に記載されている。
【0031】
一形態において、少なくとも1つの結合エレメントは、取付けエレメントの中心区分の長手方向軸線を中心として回動可能な結合部を形成する。このことは、運動および摩耗を補償するために有利である。
【0032】
さらに、少なくとも1つの結合エレメントが、取付けエレメントの中心区分の長手方向軸線の方向に移動自在な結合部を形成することもできる。
【0033】
別の一形態では、少なくとも1つの結合エレメントがアーチ状に下方に向けて傾斜させられた翼区分を有していて、この翼区分において、少なくとも1つのばね腕ユニットがクリップ係止されている。このことは、簡単な構成および簡単な組付けのために有利である。
【0034】
別の一形態では、少なくとも1つの結合エレメントが少なくとも1つのスペーサ区分を、少なくとも1つの結合エレメントのベース区分の長手方向で下方に向かって傾斜させられた舌片として有していて、少なくとも1つのスペーサ区分のサイド区分がばね腕ユニットに接触している。これによって、ばね腕に対する簡単な支持が達成される。
【0035】
少なくとも1つの結合エレメントが、金属製の打抜き曲げ加工部材であると、製造に関して有利である。
【0036】
択一的な一形態では、少なくとも1つの結合エレメントが、一種の巻線における巻条を含み、取付けエレメントが、巻条を通って延びている。これにより簡単な構造が生じる。
【0037】
少なくとも1つの結合エレメントの巻条が、ばね腕ユニットのばね腕の区分の巻条であると特に有利である。なぜならば、これによりばね腕と結合エレメントとの簡単な一体形の構成が達成されるからである。
【0038】
一形態では、各ばね腕ユニットが、ばね腕の対を含んでいて、これらのばね腕の、開口の中央に向いた内側の端部は結合されている。これによりコンパクトな構造が生じる。
【0039】
ばね腕の対が、一体形に形成されていると有利である。なぜならば、これにより部材数および製造コストを減じることができるからである。
【0040】
ばね腕の各対の両ばねアームの他方の端部が、取付け区分を有していて、この取付け区分が、取付けインタフェースにおいてブレーキパッドと協働することが規定されている。これにより簡単な構造が生じる。
【0041】
一形態において、取付けインタフェースはブレーキパッドのライニングバックプレートに配置されている。
【0042】
一形態において、取付けインタフェースは、収容開口を有していて、これらの収容開口は、貫通孔として、かつ/または盲孔として形成されている。
【0043】
収容開口は、孔として、かつ/または長孔として形成されていてもよい。
【0044】
択一的な一形態では、取付けインタフェースはピンを有している。
【0045】
別の一形態では、取付けインタフェースがガイドエレメントを有していることが規定されている。
【0046】
別の一形態では、取付けインタフェースが、被せられたガイドエレメントを備えるか、またはガイドエレメントを有しない段部を有していてよい。
【0047】
択一的な別の一形態では、取付けインタフェースがブレーキパッドのライニングバックプレートにおいてパッド保持ばねに間接的に配置されていることが規定されている。
【0048】
ばね腕ユニットおよび不動の取付けエレメントが、線材、特にたとえば円形の横断面を有する特殊鋼から形成されていると有利である。これにより製造コストおよび/または材料コストを減じることができる。
【0049】
上述のディスクブレーキのブレーキパッドセットは、作動側のブレーキパッドと、背部側のブレーキパッドと、上述の拡開装置とを有している。
【0050】
別の一形態では、ブレーキパッドがそれぞれ少なくとも1つのパッド保持ばねを有している。このパッド保持ばねの端部には、それぞれ1つの斜面が備えられている。このことは、拡開装置の有利な組付け簡略化および取外し簡略化を可能にする。
【0051】
さらに別の一形態では、拡開装置が存在していないか、取り出されている場合、ブレーキ支持体凸部の収容開口が、それぞれ1つの栓体により閉鎖されていることが規定されている。これにより、汚染および湿分の侵入に対する有利な防護が生じる。
【0052】
栓体は本体を有している。本体は、グリップ区分と端部区分とを備えて円錐状に形成されている。円錐形状は、簡単なシールを可能にする。
【0053】
本体が環状に延びる複数の隆起部を有していて、これらの隆起部の間に、環状に延びる複数の切欠きが配置されている場合、収容開口のシールは改善される。このためには、少なくともこれらの隆起部が弾性的に構成されていてよい。隆起部は、リップ状に形成されていてもよい。
【0054】
栓体の有利な簡単な取扱いのためには、本体のグリップ区分はグリップに結合されている。
【0055】
本発明の実施例を以下に添付の図面につき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】本発明による拡開装置の第1の実施例を備える本発明に係るディスクブレーキの一部を上から概略的に示した斜視図である。
【
図2】
図1に示した拡開装置の拡大された概略的な斜視図である。
【
図3】
図1に示した拡開装置の結合インタフェースの拡大された概略的な斜視図である。
【
図4】結合インタフェースの第1の変化態様を備える、
図1に示した拡開装置の概略的な別の斜視図である。
【
図5】結合インタフェースの第1の変化態様を備える、
図1に示した拡開装置の概略的な別の斜視図である。
【
図6】結合インタフェースの第1の変化態様を備える、
図1に示した拡開装置の概略的な別の斜視図である。
【
図7】
図4から
図6に示した拡開装置の結合インタフェースの変化態様の拡大された概略的な斜視図である。
【
図8】結合インタフェースの第2の変化態様を備える、
図1に示した拡開装置の拡大された概略的な部分斜視図である。
【
図9】結合インタフェースの第2の変化態様を備える、
図1に示した拡開装置の拡大された概略的な部分斜視図である。
【
図10】
図8および
図9に示した拡開装置の結合インタフェースの第2の変化態様の拡大された概略的な斜視図である。
【
図11】結合インタフェースの第3の変化態様を備える、
図1に示した拡開装置の拡大された概略的な部分斜視図である。
【
図12】
図11に示した拡開装置の結合インタフェースの第3の変化態様の拡大された概略的な斜視図である。
【
図13】結合インタフェースの第4の変化態様を備える、
図1に示した拡開装置の拡大された概略的な部分斜視図である。
【
図14】結合インタフェースの第4の変化態様を備える、
図1に示した拡開装置の拡大された概略的な部分斜視図である。
【
図15】結合インタフェースの第5の変化態様を備える、
図1に示した拡開装置の第1の変化態様の拡大された概略的な斜視図である。
【
図16】結合インタフェースの第5の変化態様を備える、
図1に示した拡開装置の第1の変化態様の拡大された概略的な斜視図である。
【
図17】
図15および
図16に示した拡開装置の第1の変化態様のばね腕ユニットの拡大された概略的な斜視図である。
【
図18】結合インタフェースの第6の変化態様を備える、
図1に示した拡開装置の第2の変化態様の拡大された概略的な部分斜視図である。
【
図19】結合インタフェースの第7の変化態様を備える、
図1に示した拡開装置の第3の変化態様の拡大された概略的な部分斜視図である。
【
図20】
図19に示した拡開装置の第3の変化態様の結合インタフェースの第7の変化態様の拡大された斜視図である。
【
図21】結合インタフェースの第8の変化態様を備える、
図1に示した本発明による拡開装置を備える本発明に係るディスクブレーキの部分図である。
【
図22】結合インタフェースの第8の変化態様を備える、
図1に示した本発明による拡開装置を備える本発明に係るディスクブレーキの部分図である。
【
図23】取付けインタフェースの第1の変化態様を備える、
図21および
図22に示した本発明に係るディスクブレーキを示す図である。
【
図24】取付けインタフェースの第1の変化態様を備える、
図21および
図22に示した本発明に係るディスクブレーキを示す図である。
【
図25】取付けインタフェースの第2の変化態様を備える、
図21および
図22に示した本発明に係るディスクブレーキを示す図である。
【
図26】取付けインタフェースの第3の変化態様を備える、
図21および
図22に示した本発明に係るディスクブレーキを示す図である。
【
図27】取付けインタフェースの第3の変化態様を備える、
図21および
図22に示した本発明に係るディスクブレーキを示す図である。
【
図28】取付けインタフェースの第3の変化態様を備える、
図21および
図22に示した本発明に係るディスクブレーキを示す図である。
【
図29】取付けインタフェースの第4の変化態様を備える、
図21および
図22に示した本発明に係るディスクブレーキを示す図である。
【
図30】取付けインタフェースの第5の変化態様を備える、
図21および
図22に示した本発明に係るディスクブレーキを示す図である。
【
図31】取付けインタフェースの第6の変化態様を備える、
図21および
図22に示した本発明に係るディスクブレーキを示す図である。
【
図32】取付けインタフェースの第7の変化態様を備える、
図21および
図22に示した本発明に係るディスクブレーキを示す図である。
【
図33】結合インタフェースの第9の変化態様を備える、
図23に示した本発明に係るディスクブレーキを示す図である。
【
図34】
図33に示した結合インタフェースの第9の変化態様の拡大された概略的な斜視図である。
【
図35】拡開装置の第4の変化態様および
図28に示した結合インタフェースの第8の変化態様を備える、
図26および
図27に示した本発明に係るディスクブレーキの概略的な部分図である。
【
図36】拡開装置の第4の変化態様および
図28に示した結合インタフェースの第8の変化態様を備える、
図26および
図27に示した本発明に係るディスクブレーキの概略的な部分図である。
【
図37】結合インタフェースの第10の変化態様を備える、
図1に示した拡開装置の拡大された概略的な部分斜視図である。
【
図38】結合インタフェースの第10の変化態様を備える、
図1に示した拡開装置の拡大された概略的な部分斜視図である。
【
図39】
図37および
図38に示した拡開装置の結合インタフェースの第10の変化態様の拡大された概略的な斜視図である。
【
図40】収容開口および栓体を備える、ブレーキ支持体凸部の概略的な斜視図である。
【
図41】
図40に示した挿入された栓体を備えるブレーキ支持体凸部の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
「上」、「下」、「左」、「右」なる概念は、図中でのそれぞれの配置に関する。
【0058】
ブレーキパッド3,3’あるいはライニング支持プレート4,4’の「上面」および「下面」は、常にブレーキパッド3,3’の組み込み状況に関する。
【0059】
ディスクブレーキ10のブレーキディスク2の両側で構成部材および機能群を区別するために、ブレーキディスク2の、ディスクブレーキ10のブレーキキャリパ1のキャリパ背部12に面している側の構成部材および機能群の参照番号には、それぞれアポストロフィを付してある。
【0060】
図1は、本発明による拡開装置8の第1の実施例を備える、本発明に係るディスクブレーキ10の部分図を概略的に上から見た斜視図で示している。
図2には、
図1に示した拡開装置8の拡大された概略的な斜視図が図示されている。
図3は、
図1に示した拡開装置8の結合インタフェース20の拡大された概略的な斜視図を図示している。
【0061】
ブレーキディスク回転軸線2aを有するブレーキディスク2には、ブレーキキャリパ1が跨がっている。ブレーキキャリパ1は、ブレーキディスク2に関して軸方向で、ブレーキディスク回転軸線2a方向で移動自在にブレーキ支持体6に取着されている。このためにブレーキキャリパ1は、ブレーキ支持体6に結合されたガイドバー(図示せず)に支持されている。ブレーキ支持体6は、車両に不動に保持されている。
【0062】
ブレーキキャリパ1は、作動部11、キャリパ背部12および2つのストラット13を有する。作動部11は、片面でもってブレーキディスク2の平面に対して平行に、ブレーキディスク2の一方の側で延びている。ブレーキディスク2の他方の側には、同じくブレーキディスク2に対して平行に延びるように、キャリパ背部12が配置されている。キャリパ背部12は、作動部11に、それぞれの端部においてそれぞれ1つのストラット13により結合されている。このときストラット13は、作動部11およびキャリパ背部12に対してほぼ直角に延びている。
【0063】
作動部11は、内室を有し、内室内には、ディスクブレーキ10の作動装置(図示せず)が配置されている。
【0064】
作動部11と、キャリパ背部12と、ストラット13とは、この配置では、ブレーキディスク2の上方に広がる中央の開口9をその間に画定している。開口9は、仮想の長手方向中央線、つまり、ブレーキディスク2の平面内にあり、両ストラット13の仮想の中央を結んだ長手方向中央線を有する。さらに開口9は、作動部11の仮想の中央と、キャリパ背部12の仮想の中央とを結んだ別の仮想の横方向中央線を有する。この長手方向中央線と、この横方向中央線とは、仮想の中心点で交差する。この仮想の中心点は、本明細書では、開口9のバーチャルな中心と称する。
【0065】
ブレーキ支持体6内には、ブレーキパッド3,3’が、それぞれ2つのブレーキ支持体凸部17,17’間の「パッドチャネル」内に配置されている。ブレーキパッド3,3’は、制動時、両側からブレーキディスク2に圧着可能である。その際、各ブレーキパッド3,3’は、ライニング支持プレート4,4’を有し、さらに、ライニング支持プレート4,4’の、ブレーキディスク2側の面に取り付けられた摩擦ライニング5、5’を、ライニング側4aに有する。摩擦ライニング5,5’は、機能中、つまり制動時、ブレーキディスク2に押し付けられている。ライニング支持プレート4,4’の他方の側は、以下では、プレッシャ側4bという。
【0066】
ブレーキパッド3,3’には、中央の開口9を通して交換および保守のためにアクセス可能である。ブレーキパッド3,3’は、この中央の開口9を通して、それぞれの対応するパッドチャネルに装入され、再びパッドチャネルから取り出されることができる。
【0067】
ブレーキディスク2の主回転方向に関して、ディスクブレーキ10には、回入側ESが規定され、その反対側に回出側ASが規定されている。
【0068】
ブレーキパッド3,3’の上方には、開口9の横方向あるいはブレーキディスク回転軸線2a方向で作動部11とキャリパ背部12との間にパッド保持ヨーク16が配置されている。パッド保持ヨーク16は、本実施の形態では、パッド保持ヨーク16の下面の一部領域でブレーキパッド3,3’のパッド保持ばね7,7’を押圧する。これによりブレーキパッド3,3’は、そのパッドチャネル内に保持される。パッド保持ばね7は、それぞれ、ライニング支持プレート4,4’の上面で突出部に保持されている。
【0069】
制動は、ブレーキキャリパ1の作動部11内の収容室に配置された作動装置を用いて、たとえばブレーキレバーにより実施される。ブレーキレバーは、ブレーキキャリパ1のドーム内に位置決めされている。対応するブレーキパッド3は、作用側または作動側のブレーキパッドともいい、制動時に最初にブレーキディスク2と接触する。以後の経過中、発生する反力により、ブレーキキャリパ1は、反作用側のブレーキパッド3’を伴って反対方向に移動し、反作用側のブレーキパッド3’は、同様にブレーキディスク2に摩擦接触する。反作用側のブレーキパッド3’は、背部側のブレーキパッドともいい、以下では、符号3’により作動側のブレーキパッド3と区別する。
【0070】
ブレーキの解除後、対向する両ブレーキパッド3,3’は、戻し装置により、ブレーキディスク2がブレーキパッド3,3’に対して自由に回転するようにブレーキディスク2から解離される。
【0071】
不都合な場合、ブレーキパッド3,3’は、制動力が除去された後もブレーキディスク2に接触し、これにより残留引きずりトルクを生じさせてしまう。
【0072】
残留引きずりトルクを防止するために、ばねパケットが使用される。このばねパケットは一方では不動の構成部材(たとえばブレーキ支持体6)における取付け部を有しており、他方ではばね作用を介してブレーキパッド3,3’をブレーキディスク2から離れるように押圧する。
【0073】
このようなばねパケットは、いわゆる拡開装置8として設けられている。
【0074】
拡開装置8は、本実施の形態では、対向するブレーキパッド3,3’のライニング支持プレート4,4’の上側の領域で同様に作用しながら作動方向とは反対方向に作用する。これにより、ブレーキパッド3,3’の上側の領域には、拡開装置8によって戻し力が加えられる。
【0075】
拡開装置8は、1つの取付けエレメント18、4つのばね腕ユニット19,19’およびそれぞれ1つの結合エレメント21を備える2つの結合インタフェース20を含んでいる。
【0076】
取付けエレメント18は、C字形に形成されていて、ブレーキ支持体6に、しかもブレーキ支持体凸部17に不動に取着されていて、ばね腕ユニット19,19’のための保持部を形成する。
【0077】
ばね腕ユニット19は、本実施の形態では、同一の2対のばね腕19a,19’aとして形成されている。これらのばね腕19a,19’aの一方の端部は一緒に1つの結合インタフェース20を介して結合エレメント21により取付けエレメント18に結合されている。それぞれ1つのばね腕ユニット19の他方の端部は、取付け区分19b,19’bとして取付けインタフェースA1,A’1,A2,A’2においてブレーキパッド3,3’と協働している。作動時に生じるプリロードにより、ブレーキの解除後のブレーキパッド3,3’の拡開が可能にされる。
【0078】
取付けエレメント18およびばね腕ユニット19は、本実施の形態では、たとえば円形の横断面を備える線材から成っている。
【0079】
取付けエレメント18は、開口9の中央の領域でブレーキディスク2のほぼ中心平面に、本実施の形態では直線状に延びる中心区分18aを含んでいる。中心区分18aには、各側でブレーキディスク2に向かって下方に傾斜した結合区分18bが接続する。したがって取付けエレメント18は、開口9の中央から両側で、それぞれ作動側のブレーキパッド3のパッドチャネルのブレーキ支持体凸部17に至るまで延びている。
【0080】
結合区分18bの各端部には、アーチ状の結合区分18cが取り付けられている。この結合区分18cは、それぞれのブレーキ支持体凸部17に向かって約90°折り曲げられていて、それぞれ別の直線的な結合区分18dに移行する。結合区分18dは、それぞれのブレーキ支持体凸部17に向かって延びている。したがって、これらの結合区分18dは、互いに平行に、かつブレーキディスク回転軸線2aに対して平行に延びていて、次いで下方に向かって約90°折り曲げられてそれぞれの固定区分18eを形成する。各固定区分18eは、各ブレーキ支持体凸部17の孔17a内に取り付けられていて、これによりブレーキ支持体6における、拡開装置8を備えた取付けエレメント18の不動の保持部を形成する。
【0081】
取付けエレメント18が取り付けられているブレーキ支持体6が不動の部分を形成し、このブレーキ支持体6に対してブレーキキャリパ1が移動自在に支持されていて、これによりブレーキの解除後かつ拡開装置8の拡開後に、つまりブレーキパッド3を互いに離れる方向に押し広げた後にブレーキキャリパ1がセンタリングされた位置にガイドされる点において、取付けエレメント18は、ブレーキキャリパ1のためのセンタリング装置を形成する。
【0082】
図2から明らかに判るように、ばね腕ユニット19,19’の各対のうちの1つの対の両ばね腕19a,19’aは、取付けエレメント18の中心区分18aに対して鏡像的に形成されている。
【0083】
ばね腕19a,19’aの対は、開口9の横方向で対向して配置されており、この場合、ばね腕19a,19’aの、開口9の中央に向いた内側の端部は、取付けエレメント18において、それぞれ1つの結合インタフェース20を介して、それぞれ1つの結合エレメント21により取り付けられている。ばね腕19a,19’aの外側の自由端は、ブレーキパッド3,3’のライニング支持プレート4,4’と協働する。ばね腕19a,19’aの一方の対は、開口9の中心点から右側に配置されていて、ばね腕19a,19’aの他方の対は、開口9の中心点から左側に配置されている。
【0084】
図1および
図2から明らかに判るように、一方のばね腕ユニット19,19’の説明は、鏡像形式で他方のばね腕ユニット19,19’にも当てはまる。
【0085】
各ばね腕19a,19’aは、内側の端部および外側の端部を備えた直線状の本体を有している。内側の端部は、互いに近傍にあり、開口9の中央に向いている。外側の端部は互いに離れる方向に遠ざかっていて、それぞれライニング支持プレート4,4’の端部領域上に配置されている。
【0086】
両ばね腕19a,19’aの内側の端部は、それぞれ直線状の結合区分19c,19’cを備えている。これらの結合区分19c,19’cは、互いに平行に延びており、ブレーキディスク2の中心平面に対して平行に延びている。結合区分19c,19’cは、上側の結合アーチ19dを介して結合されている。
【0087】
この構成では、両方のばね腕19a,19’aが結合アーチ19dと一体形に形成されていて、たとえばワイヤ曲げ加工部材として形成されている。しかし、ばね腕19a,19’aが個別に製造されていて、結合アーチ19dを形成する1つの付加部材を介して、たとえば溶接により後から結合されることも可能である。結合区分19c,19’cおよび結合アーチ19dが付加部材を形成することも可能である。
【0088】
各ばね腕19a,19’aの外側の自由端は、それぞれの取付けインタフェースA1,A’1,A2,A’2においてライニング支持プレート4,4’とそれぞれ協働するために、下方に向けられた取付け区分19b,19’bを有している。
【0089】
図1に示された実施例では、取付け区分19b,19’bは下方に向かって折り曲げられており、直線状に構成されている。取付け区分19b,19’bは、ブレーキパッド3,3’のそれぞれのライニングバックプレート4,4’のコーナ領域の上面4d,4’dに設けられた収容開口4c,4’cに形状結合式に収容されている。収容開口4c,4’cは、取付け区分19b,19’bの形状に対応し、本実施の形態では孔として構成されている。それぞれの収容開口4c,4’cの両壁もしくは1つの壁は、それぞれの取付け区分19b,19’bのための当付け面を形成する。収容開口4c,4’cは、たとえば盲孔として、かつ/または貫通孔として形成することができる。収容開口4c,4’cは、種々異なる横断面を有していてよく、たとえば円形、真円形、楕円形、角形であってよい。ばね腕19a,19’aの、収容開口4c,4’c内に収容された取付け区分19b,19’bの横断面は、収容開口4c,4’cのそれぞれの横断面に対応していてよい。しかし、円形の取付け区分19b,19’bが、角形または楕円形の収容開口4c,4’c内に挿入されることも可能である。
【0090】
収容開口4c,4’cが盲孔として形成されている場合、取付け区分19b,19’bの端部は、盲孔の、載置面を形成することができるそれぞれの底部上に載置することができる。
【0091】
結合区分19c,19’cの内側の端部およびこれらの内側の端部を結合する結合アーチ19dは、それぞれ結合エレメント21に結合されている。結合エレメント21は、それぞれのばね腕ユニット19,19’と、不動の取付けエレメント18との間でそれぞれ1つの結合インタフェース20を形成する。このことは、
図3に拡大されて示されている。
【0092】
結合エレメント21は、長手方向に延びるベース区分21aと、対向する2つの翼区分21b,21’bと、対向する2対のスリーブ区分21c,21’c;21d,21’dとを含んでいる。
【0093】
図1に示されているように拡開装置8が組み込まれている状態で、ベース区分21aは開口9の長手方向に延びている。ベース区分21aの、開口9の中央から離れる方向に向いている外側の端部には、翼区分21b,21’bが取り付けられている。各翼区分21b,21’bは、ベース区分21aの各長辺側で、ベース区分21aの長手方向に対して直角にこのベース区分21aから突出する舌片を形成する。
【0094】
ベース区分21aの他方の内側の端部には、両側でスリーブ区分21c,21’c;21d,21’dが一体形に成形されている。これらのスリーブ区分21c,21’c;21d,21’dは、上方に向かって延びていて、取付けエレメント18の中心区分18aを取り囲むように曲げられている。
【0095】
ベース区分21aは、取付けエレメント18の中心区分18aの丸い外側形状に適合されており、中心区分18aは、組み込まれた状態ではベース区分21a上に、ベース区分21aの長手方向に延びて配置されている。中心区分18aは、翼区分21b,21’bの間で、ベース区分21aの載置区分21f上に、かつスリーブ区分21c,21’c;21d,21’d内でベース区分21a上に載置している。
【0096】
付属のばね腕ユニット19,19’は、両方の結合区分19c,19’cが結合エレメント21のベース区分21aに対して平行に、それぞれ1つの翼区分21b,21’bの下に延びているように、結合エレメント21に結合されている。両結合区分19c,19’cの内側の端部は、それぞれ90°の曲げ部において上方に向かって曲げられていて、次いで結合アーチ19dに移行する。結合アーチ19dは、スリーブ区分21c,21’c;21d,21’d同士の間に延びていて、軸方向の中間室21e,21’e内に配置されている。これにより、結合エレメント21は、ばね腕ユニット19,19’に結合されていて、同時に取付けエレメント18の中心区分18aとの結合部が形成されている。この取付けエレメント18は、一方ではばね腕ユニット19,19’の結合区分19c,19’cに対して平行にベース区分21a上に延びていて、他方ではさらにスリーブ区分21c,21’c;21d,21’dを通ってばね腕ユニット19,19’の結合アーチ19dの下を通って延びている。
【0097】
これにより、各結合インタフェース20において、それぞれ両方のばね腕19a,19’aを備えるばね腕ユニット19,19’が、取付けエレメント18の中心区分18a上で、取付けエレメント18の中心区分18aの長手方向で軸方向に移動自在なだけではなく、回転可能に支持されている。
【0098】
換言すると、ばね腕ユニット19,19’は、取付けエレメント18の中心区分18aの長手方向軸線の軸方向で互いに独立して運動することができると同時に、中心区分18aの長手方向軸線を中心として互いに独立して回転することができる。したがって、拡開装置は特にフレキシブルであると共に適合性を有している。しかし、簡略化された組付け性のために、回動性の固定も可能である。
【0099】
摩擦材料、つまりブレーキパッド3,3’の摩擦ライニング5,5’およびブレーキディスク2の摩耗が増大することにより、ばね腕19a,19’aの取付け部は自由度を有している必要がある。この自由度は、システムの多軸の歪み/傾倒を阻止するために働く。このためには、ばね腕19a、19’aの形のばねエレメントの取付け部が、結合インタフェース20により不動の取付けエレメント18において移動自在に形成されている。したがって、摩擦材料摩耗の補償は、不動の取付けエレメント18に対する、結合インタフェース20内におけるばね腕取付け部の軸方向の滑動により行うことができる。
【0100】
完全な拡開装置8(センタリングユニット)の組立ては、ばね弾性的なばね腕ユニット19,19’と取付けエレメント18(不動の構成部材)との間の結合インタフェース20において規定された間隙が設けられているように、設計される。この間隙により、ばね腕ユニット19,19’の進行する緊張時に、結合インタフェース20はディスクブレーキ10の開口9の中央の方向に(パッド保持ヨーク16に向かって)移動する。
【0101】
ばね腕ユニット19,19’の取付けは、それぞれの結合エレメント21を介して行われる。結合エレメント21は、たとえばプレス加工された金属薄板エレメントであってよい。しかし結合エレメントの構成は変更することができる。ワイヤヨークの軸方向の移動も可能である。
【0102】
ディスクブレーキ10を有する車両の走行中に発生する振動は、結合インタフェース20の移動を容易にするので、汚れている場合でも正しい機能形式を前提とすることができる。
【0103】
図4〜
図6には、結合インタフェース20の第1の変化態様を備える、
図1に示した拡開装置8の別の概略的な斜視図が示されている。
図7は、
図4〜
図6に示された拡開装置8の結合インタフェース20の変化態様の拡大された概略的な斜視図を図示している。
【0104】
結合インタフェース20の第1の変化態様は、結合エレメント21の外側の端部に、下方に向かって折り曲げられたスペーサ区分22が取り付けられていることにある。スペーサ区分22のサイド区分22aには、ばね腕ユニット19,19’の結合区分19c,19’cが当て付けられる。
【0105】
図7には、付属の結合エレメント21が示されている。
【0106】
図8〜
図9は、わずかに変更された結合エレメント21を備える結合インタフェース20の第2の変化態様を備える、
図1に示した拡開装置8の拡大された概略的な部分斜視図が図示されている。スペーサ区分22は、
図10において、
図8〜
図9に示した拡開装置8の結合インタフェース20の第2の変化態様の拡大された概略的な斜視図から明らかに判るように、中心の切欠き22bを備えている。
【0107】
図11は、結合インタフェース20の第3の変化態様を備える、
図1に示した拡開装置の拡大された概略的な部分斜視図を示している。
図12は、その形が小さくされた付属の結合エレメント23を、
図11に示した拡開装置8の結合インタフェース20の第3の変化態様の拡大された概略的な斜視図で示している。
【0108】
図13および
図14には、結合エレメント24を備える結合インタフェース20の第4の変化態様を備える、
図1に示した拡開装置8の拡大された概略的な部分斜視図が図示されている。本態様では、4つの翼区分24b,24’b;24d,24’dが設けられており、1つのガイド区分が、位置固定用のピン25を備えるフォーク形ガイド24f,24’fとして設けられている。
【0109】
図15および
図16は、結合インタフェース20の第5の変化態様を備える、
図1に示した拡開装置8の第1の変化態様の拡大された概略的な斜視図を示している。
図17には、
図15および
図16に示した拡開装置8の第1の変化態様のばね腕ユニット19の拡大された概略的な斜視図が示されている。
【0110】
この変化態様では、ピン26aを備えるガイドエレメント26がばね腕ユニットのアーチ区分19e,19’eに収容されている。結合区分19c,19’cは、それぞれ支持区分27として水平方向の平面でアーチ区分27a,27’aを備えている。取付けエレメント18の中心区分18aは、本態様では支持区分27上に配置されており、ガイドエレメント26のピン26aにより支持区分27上に保持される。
【0111】
図18には、結合エレメント26を備える結合インタフェース20の第6の変化態様を備える、
図1に示した拡開装置8の第2の変化態様の拡大された概略的な部分斜視図が示されている。結合エレメント26は、第5の変化態様の結合エレメントに類似して構成されているが、第5の変化態様の結合エレメントとは異なり、取付けエレメント18の中心区分18aの下側に配置されている。中心区分18aは、ガイドエレメント26のピン26a上に延びており、ばね腕ユニット19,19’の結合アーチ19dを通って延びている。
【0112】
図19は、結合インタフェース20の第7の変化態様を備える、
図1に示した拡開装置8の第3の変化態様の拡大された概略的な部分斜視図を示している。
図20は、
図19に示した拡開装置の第3の変化態様の結合インタフェース20の第7の変化態様の拡大された斜視図を示している。結合エレメント28は、ガイド区分として結合区分19c,19’cの巻条28aにより、取付けエレメント18の中心区分18aの周囲に形成される。結合エレメント28は、本態様では、一種の巻線として形成されている。
【0113】
これにより、この第7の変化態様では、ばね腕19a,19’aは、結合エレメント28と一緒に一体形に形成されている。換言すると、結合インタフェース20の結合エレメント28は、ばね腕19a,19’aと一体形に形成されている。本態様においても、ばね腕19a,19’aを別個に製造することも可能であり、結合エレメント28は付加部材として、ばね腕19a,19’aにたとえば溶接により後から結合される。
【0114】
図21〜
図22には、結合インタフェース20の第8の変化態様を備える、
図1に示した本発明による拡開装置8を備えた、本発明に係るディスクブレーキ10の部分区分が図示されている。
【0115】
結合インタフェース20は、本態様では、2つの結合エレメント29を有している。これらの結合エレメント29は、1つの共通のベース区分29aにより結合されている。結合エレメント29は、
図28に最も良好に示されており、既に上述した翼区分29b,29’bおよび中間室29e,29’eを備えたスリーブ区分29c,29’c;29d,29’dを有している。付加的には、さらに別の翼区分29f,29’fがスリーブ区分29c,29’c;29d,29’dと、ベース区分29aの結合領域との間でベース区分29aに取り付けられている。結合アーチは、
図1に示した結合インタフェース20とは異なり、スリーブ区分29c,29’c;29d,29’d内に配置されているのではなく、ガイド区分29g,29’gの端部上に配置されている。ベース区分29aの結合領域は、長手方向に延びて上方に折り曲げられたガイド区分29g,29’gを備えている。取付けエレメント18の中心区分18aは、両方のガイド区分29g,29’gの間でベース区分29aの結合領域に載置している。
【0116】
取付けインタフェースA1,A’1,A2,A’2は、
図1に示した実施例におけるように、収容開口4c,4’cを備えて構成されている。しかし収容開口4c,4’cは、
図1に示した実施例とは異なり、さらにそれぞれのライニングバックプレート4,4’の上面4d,4’d上で中心に向かってずらされている。
【0117】
図23および
図24は、取付けインタフェースA1,A’1,A2,A’2の第1の変化態様を備える、
図21および
図22に示した本発明に係るディスクブレーキ10を示している。収容開口4c,4’cは、フライス加工されたかまたは鋳造の際に形成された長孔として形成されている。これらの長孔は、盲孔として、かつ/または貫通孔として形成されていてよい。
【0118】
図25には、取付けインタフェースA1,A’1,A2,A’2の第2の変化態様を備える、
図21および
図22に示した本発明に係るディスクブレーキ10を図示している。ばね腕19a,19’aの取付け区分19b,19’bは、延長部として構成された結合区分19g,19’gに設けられていて、たとえば、ライニングバックプレート4,4’のプレッシャ側4b,4’bに摩擦半径の中心で設けられた突出部30,30’に加工された孔内に挿入されている。これにより、ブレーキパッド3,3’の傾倒が阻止される。
【0119】
結合区分19g,19’gは、さらにその上側の端部で、それぞれ1つの別の結合区分19f,19’fを介して付属のばね腕19a,19’aに結合されている。結合区分19g,19’gは、ライニング支持プレート4,4’のそれぞれのプレッシャ側4b、4’bに対して平行に延びている。結合区分19f,19’fは、結合区分19g,19’gの上側の端部にほぼ直角に取り付けられていて、ブレーキディスク回転軸線2aに対して平行に、それぞれのライニング支持プレート4,4’の上面4d,4’dの1つの区分上に延びていて、上面4d,4’dのこの区分上に載置することができる。
【0120】
図26および
図27には、取付けインタフェースA1,A’1,A2,A’2の第3の変化態様を備える、
図21および
図22に示した本発明に係るディスクブレーキ10が示されている。ばね腕19a,19’aは、その取付け区分19b,19’bで、ライニングバックプレート4,4’の円筒ピン31に側方で当接する。円筒ピン31は、嵌合孔内に挿入されて、場合によっては段部32を有している。この段部32は、取付け区分19b,19’bの特殊鋼と、ライニングバックプレート4,4’の鋳造材料との間の相対運動を阻止するために働く。
【0121】
図28は、取付けインタフェースA1,A’1,A2,A’2の第3の変化態様を備える、
図21および
図22に示した本発明に係るディスクブレーキ10を示している。この第3の変化態様では、取付けインタフェースA1,A’1,A2,A’2は、ガイド区分33aを備えるそれぞれ1つのガイドエレメント33を含んでいる。これらのガイド区分33aは、ライニングバックプレート4,4’の長手方向で互いに平行に延びていて、その間にガイド収容部33bを画定する。ばね腕19a,19’aの取付け区分19b,19’bは、それぞれのガイド収容部33bに係合している。ガイドエレメント33は、ライニングバックプレート4,4’内にたとえば圧入されており、たとえば特殊鋼から製造することができ、取付け区分19b,19’bの硬質のばね材料と、ライニングバックプレート4,4’の軟質の鋳造材料との間の相対運動を阻止する。
【0122】
図29は、取付けインタフェースの第4の変化態様を備える、
図21および
図22に示した本発明に係るディスクブレーキ10を図示している。
【0123】
ばね腕19a,19’aの取付け区分19b,19’bは、端部において平坦にプレス加工されてフラットな端部区分34を形成し、この端部区分34から次いで長孔34aを打ち抜くことができる。この長孔34aは、たとえば円筒ピン31を介して位置決めすることができる。
【0124】
図30には、取付けインタフェースA1,A’1,A2,A’2の第5の変化態様を備える、
図21および
図22に示した本発明に係るディスクブレーキ10が示されている。ばね腕19a,19’aの取付け区分19b,19’bは、ライニングバックプレート4,4’のコーナ区分35にフライス加工された段部35aにおいてガイドされる。この段部35aは、押圧面35bと載置面35cとを有している。押圧面35bは、本態様では、ライニングバックプレート4,4’のライニング側4a,4’aに対して平行である。取付け区分19b,19’bは、押圧面35bおよび載置面35cに接触している。
【0125】
図31には、取付けインタフェースA1,A’1,A2,A’2の第6の変化態様を備える、
図21および
図22に示した本発明に係るディスクブレーキ10が図示されている。
【0126】
ライニングバックプレート4,4’のフライス加工された段部35を介して、たとえば特殊鋼から成るガイドエレメントを被せ、場合によっては溶接または接着する。ばね腕19a,19’aの取付け区分19b,19’bは、この付加的な構成部材を介してガイドすることができる。
【0127】
図32は、取付けインタフェースA1,A’1,A2,A’2の第7の変化態様を備える、
図21および
図22に示した本発明に係るディスクブレーキ10を示している。この変化態様では、ばね腕19a,19’aの取付け区分19b,19’bは、パッド保持ばね7,7’のそれぞれ1つのばね端部7a,7’aに長孔7b内で係合している。
【0128】
図33は、結合エレメント37を備える結合インタフェース20の第9の変化態様を備える、
図23に示した本発明に係るディスクブレーキ10を図示している。
図34は、
図33に示した結合エレメント37を備える結合インタフェース20の第9の変化態様の拡大された概略的な斜視図を示している。
【0129】
結合エレメント37は、第9の変化態様では、中間室37cおよび貫通案内開口37dを備えたスリーブ区分37a,37’a;37b,37’bを有している。ばね腕ユニット19,19’の結合区分19c,19’cの端部およびばね腕ユニット19,19’の結合アーチ19dは、スリーブ区分37a,37’a;37b,37’bによりその両側面で緊締される。取付けエレメント18の中心区分18aは、スリーブ区分37a,37’a;37b,37’bの貫通案内開口37dを通って延びている。
【0130】
図35および
図36は、拡開装置8の第4の変化態様と
図28に示した結合インタフェース20の第8の変化態様とを備える、
図26および
図27に示した本発明に係るディスクブレーキ10の概略的な部分図を示している。
【0131】
結合インタフェース20は、本態様では、結合エレメント38を有している。この結合エレメント38は、結合エレメント29(たとえば
図28を参照)に類似して構成されている。
【0132】
ばね腕ユニット19,19’のばね腕対は、本態様では、ブレーキディスク2を跨いでいるのではなく、それぞれブレーキディスクの一方の側に配置されている。
【0133】
ここでは、一方は完全に作動側に、もう一方は完全にキャリパ背部側に存在している2つのばね腕19a,19’aの取付け可能性が図示されている。これらのばね腕19a,19’aは、延長された結合区分19c,19’cを介して結合されている。延長された結合区分19c,19’cは、結合エレメント38のガイド区分38g,38‘gに対して平行にかつガイド区分38g,38‘gの隣に延びている。
【0134】
図37および
図38には、結合インタフェース20の第10の変化態様を備えた、
図1に示した拡開装置8の拡大された概略的な部分斜視図が図示されている。
図39は、結合エレメント39を備えた、
図37および
図38に示した拡開装置8の結合インタフェースの第10の変化態様の拡大された概略的な斜視図を示している。
【0135】
結合インタフェース20の第10の変化態様は、変更された結合エレメント39において、
図5,
図6および
図7に示した結合インタフェース20の第1の変化態様とは異なっている。以下で説明するように、幾つかの区分だけが異なって構成されている。
【0136】
結合エレメント39は、結合エレメント21と同様に、載置区分39f、対向する2つの翼区分39b,39’bおよび対向する2対のスリーブ区分39c,39’c;39d,39’dを備える、長手方向に延びるベース区分39aを含んでいる。
【0137】
結合エレメント21とは異なり、両方の翼区分39b,39’bは、それぞれ1つの下方に向けられた縁部区分39g,39’gを備えて凸状に形成されている。この凸状の翼区分39b,39’bにより形成された丸い接触区分39h,39’hは、凸状の翼区分39b,39’bの下面に配置されている。接触区分39h,39’hを備える翼区分39b,39’bは、その丸い形状でばね腕19a,19’aの結合区分19c,19’cの外側形状に対応する。
【0138】
ベース区分39aは、取付けエレメント18の中心区分18aの丸い外側形状に適合されている。中心区分18aは、組み込まれた状態でベース区分39a上に、その長手方向に延びて配置されている。中心区分18aは、翼区分39b、39’bの間でベース区分39aの載置区分39f上に、かつスリーブ区分39c,39’c;39d,39’d内で、結合エレメント21の場合と同様にベース区分39a上に載置している。
【0139】
付属のばね腕ユニット19,19’は、本態様でも、両方の結合区分19c,19’cが結合エレメント39のベース区分39aに対して平行に、それぞれ1つの翼区分39b,39’bの下に延びるように、結合エレメント39に結合されている。両結合区分19c,19’cの内側の端部は、それぞれ90°の曲げ部において上方に向かって曲げられていて、次いで結合アーチ19dに移行する。結合アーチ19dは、スリーブ区分39c,39’c;39d,39’dの間に延びており、間隙と呼ぶこともできる軸方向の中間室39e,39’e内に配置されている。
【0140】
上述の間隙を通って、ばね腕ユニット19,19’が延びており、これにより間隙内で支持されているので、取付けエレメント18の中心区分18aの長手方向の移動時に滑出しは阻止される。
【0141】
これにより、結合エレメント39は、ばね腕ユニット19,19’に結合されており、同時に取付けエレメント18の中心区分18aとの結合部が形成されている。この取付けエレメント18は、一方ではばね腕ユニット19,19’の結合区分19c,19’cに対して平行にベース区分39a上で延びており、他方ではさらにスリーブ区分39c,39’c;39d,39’dを通ってばね腕ユニット19,19’の結合アーチ19dの下を通って延びている。
【0142】
結合エレメント39はスペーサ区分22を、ベース区分39aの長手方向で下方に向かって傾斜させられた舌片として有している。この舌片のサイド区分22aは、それぞれ1つのばね腕19a,19’aに接触する。この変化態様でも、ばね腕ユニット19,19’の結合区分19c,19’cは、スペーサ区分22のサイド区分22aに当て付けられる。スペーサ区分22は、運転中に、内方に向かった、つまりそれぞれスペーサ区分22に向けられたばね腕の側方の支持のために働き、これによりばね腕19a,19’aの当接点を規定する。
【0143】
図5,
図6および
図7に示した結合インタフェース20の第1の変化態様の結合エレメント21とは異なり、翼舌片と呼ぶこともできる両方の翼区分39b,39’bは、アーチ状に下方に向かって傾斜させられており、一方ではばね腕19a,19’aの下方に向けられた傾倒を防止し、他方ではばね腕19a,19’aの上方に向かった滑り出しを防止する。
【0144】
組付け時に、ばね腕ユニット19,19’は、スリーブ区分39c,39’c;39d,39’dの下に通されて、舌片のように形成された、側方で下方に向かって突出する両翼区分39b,39’b内にクリップ係止される。
【0145】
パッド保持ばね7,7’は、その端部に、それぞれ1つの斜面を備えている。この斜面は、それぞれブレーキディスク2に向いており、拡開装置8の組付けおよび取外しを容易にするために働く。パッド保持ばね7,7’の、ブレーキディスク2に向いた端部におけるばね腕19a,19’aの引っかかりは阻止することができる。この斜面は、符号を付されてはされていないが、
図1,
図21〜
図31,
図33,
図35〜
図36において明らかに確認することができる。
【0146】
図40は、収容開口17aおよび栓体40を備えたブレーキ支持体凸部17,17’の概略的な斜視図を示している。
図41には、
図40に示された栓体40が挿入されているブレーキ支持体凸部17,17’の概略的な断面図が示されている。
図42は、
図40および
図41に示された栓体40の拡大された概略的な斜視図を図示している。
【0147】
栓体40は、ディスクブレーキ10が拡開装置8を後から装備するために規定されている場合に、収容開口17aを閉鎖するために働く。このような場合、それぞれ1つの収容開口17aを有しているブレーキ支持体凸部17,17’を備えるブレーキ支持体6が既に組み込まれていてよく、使用されていない収容開口17aは、それぞれの栓体40により閉鎖されており、したがって汚染に対して保護されている。栓体40は、拡開装置8の保守および交換時にも収容開口17aを一時的に保護するために使用することができる。
【0148】
栓体40は、本体41とグリップ42とを有している。本体41は、上側のグリップ区分41と、下側の端部区分41bとを備えて円錐状に形成されている。本体41は、その長手方向でグリップ区分41aから端部区分41bに向かって先細りしている。本体41は、環状に延びる複数の隆起部41cをさらに有している。これらの隆起部41cの間には、環状に延びる切欠き41dが配置されている。隆起部41cおよび切欠き41dは、本体41の長手方向軸線に対して同軸的に、長手方向で相前後して本体に配置されている。
【0149】
本体41のグリップ区分41aには、グリップ42が取り付けられている。グリップ42は、直方体状の形を有していて、上側の自由端に、容易な取扱いのための隆起部状のエッジを備えている。グリップ42の長さは、本体41の長手方向の長さにほぼ一致する。
【0150】
本体41の平均直径は、収容開口17aの内径に対応している。
【0151】
栓体40の材料は、耐熱性のプラスチックである。栓体40は、金属コアを有していてもよく、この金属コアは、射出成形時にプラスチックにより取り囲まれていて、このプラスチックは隆起部41cを形成する。隆起部41cは、実質的に弾性である。
【0152】
栓体40は、
図41に示したように、下端部41bを先頭にしてブレーキ支持体凸部17,17’の収容開口17a内に挿入されている。本体41は、その長さの約4分の3だけ収容開口17a内に収容されている。弾性的な隆起部17は、圧縮されて、収容開口17aの内壁43に接触して、これにより周辺に対する収容開口17aのシールを形成する。
【0153】
収容開口17aは、本態様では、盲孔として形成されていて、その上面に、栓体40のような取付けエレメント18の固定区分18eを容易に通すための斜面44を有している。収容開口17aは、貫通孔であってもよく、この場合、それぞれ1つの別の栓体40が設けられている。
【0154】
取付けインタフェースA1,A’1,A2,A’2の収容開口4c,4’cは、上述のように、貫通孔として、または/かつ盲孔として形成されている。どちらの場合も、収容開口4c,4’cは取付け区分19b,19’bの安定的な設置を可能にする。
【0155】
取付けインタフェースA1,A’1,A2,A’2の収容開口4c,4’cは、たとえば、ブレーキパッド3,3’の4分の1,3分の1、4分の2、3分の2、3分の3以上にわたって、または(貫通開口として)ブレーキパッド3,3’の全側面長さにわたって延びていてよい。取付け区分19b,19’bの長さは、収容開口4c,4’cの長さに対応する。これにより、戻りのために、ブレーキパッド3,3’の全側面にわたって延びていてよい拡開装置8からブレーキパッド3,3’への力導入が行われる。
【0156】
取付けインタフェースA1,A’1,A2,A’2の収容開口4c,4’cが盲孔として形成されている場合、取付け区分19b,19’bの端部は、それぞれの盲孔底部に接触して載置している。したがって取付け区分19b,19’bは、環状に延びる面で、付属の収容開口4c,4’cのそれぞれの内壁に接触することができる。
【0157】
さらに、取付け区分19b,19’bがスリーブを備えていることも可能である。このスリーブは、それぞれ取付け区分19b,19’bに被せ嵌められている。このことは図示されていないが、容易に想像可能である。このようなスリーブは、当然ながら取付けエレメント18の固定区分18eにも被せ嵌められていてよい。
【0158】
本発明は上記で説明された実施例により制限されない。本発明は添付の特許請求の範囲の枠内で変更可能である。