特許第6880221号(P6880221)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6880221テンションクランプ固定時の力監視のための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6880221
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】テンションクランプ固定時の力監視のための装置
(51)【国際特許分類】
   B25B 25/00 20060101AFI20210524BHJP
【FI】
   B25B25/00 A
【請求項の数】5
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2019-547994(P2019-547994)
(86)(22)【出願日】2017年3月14日
(65)【公表番号】特表2020-508889(P2020-508889A)
(43)【公表日】2020年3月26日
(86)【国際出願番号】EP2017056012
(87)【国際公開番号】WO2018166585
(87)【国際公開日】20180920
【審査請求日】2019年9月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】514052379
【氏名又は名称】オエティカ シュヴァイツ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100203091
【弁理士】
【氏名又は名称】水鳥 正裕
(72)【発明者】
【氏名】ピーター シュタイナー
【審査官】 山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/096983(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0007395(US,A1)
【文献】 特表2011−518726(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0114308(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 25/00 − 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テンションクランプ固定工具の力監視のための装置であって、互いへ移動してテンションクランプのバンドに作用するプライヤジョー(9)を端部に支承する、平行軸(8)を中心に旋回可能な一対のレバーを前記工具が有し、
一対の力伝達アーム(15)を特徴として、前記アームの各々が、前記工具に対して固定されるハウジング(11)に一端部で弾性的に連結され、前記ハウジングに接続される力センサ(18)のための接触面(17)を他端部に有し、前記軸(8)が支持されるボア(20)を両端部の間に有し、
前記テンションクランプ固定工具は、クランプバンドとバックルとからなるテンションクランプにおいてクランプバンドとバックルとを固定する工具である、装置。
【請求項2】
前記力センサ(18)が接触面(17)へ付勢される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
各力伝達アーム(15)の前記接触面(17)が、前記ハウジング(11)に形成される第2接触面(22)と平行である、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記力伝達アーム(15)が設定位置へ付勢される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記ハウジング(11)と前記工具との間に配置されるスペーサプレート(25)を包含し、前記スペーサプレートが、前記軸(8)が貫通する二つのボア(26)と、前記ボア(26)の領域での前記軸(8)との係合のためのばね脚部(27)とを有する、請求項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
国際公開第2016/096983号には、テンションクランプを固定するための工具が記載され、この工具は、平行な軸を中心として旋回可能な一対のレバーを有する。レバーは、互いに対して移動可能であってクランプに作用するプライヤジョーをその端部に支承する。テンションクランプのバックルの窓部に係合して変形によりバックルをクランプバンドと係止させるように、プライヤジョーは制御リンクを介して端部で作動する。確実な固定のため、比較的大きな力が印加される。
【0002】
プライヤジョーに加えられる力について所与の力/時間または力/経路挙動が遵守される時にテンションクランプ固定時の完璧かつ再現可能な結果が達成されうることが分かっている。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、上述したタイプの工具においてテンションクランプ固定時の力プロファイルを監視することによりクランプバンドとバックルとの間の低質の接続を検出することを可能にする装置を提供することである。
【0004】
この目的は、テンションクランプ固定用の工具における力監視のための装置により達成され、この工具は、平行な軸を中心として旋回可能な一対のレバーを有し、レバーは、互いに対して移動可能であってクランプに作用するプライヤジョーをその端部に支承する。装置は、工具に対して固定されるハウジングと、一対の力伝達アームとを有し、アームの各々は、一端部でハウジングに弾性的に連結され、ハウジングに取り付けられる力センサのための接触面を他端部に有し、それぞれの工具レバーの軸が支持されるボアを両端部の間に有する。
【0005】
力センサの信号から求められる力/時間または力/経路曲線は、クランプバンドとバックルとの間の固定が所望の質を有していないテンションクランプの検出を可能にする。このような場合には、例えば、プライヤジョーが交換されて所望のレベルまで質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図面を参照して本発明の実施形態が説明される。
図1】テンションクランプの固定の間に発生する力を監視するための装置の等角図である。
図2図1の装置の一部である。
図3図1の装置の一部である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面に示されている装置は、テンションクランプを固定するための工具7に装着されうる、実質的にはプレート10で構成されるハウジング11を有し、この工具は図1にのみ図示されている。このような工具は、平行な軸を中心に旋回可能であって、互いに対して移動可能でクランプに作用するプライヤジョーをその端部に支承する一対のレバーを包含する。図1において、軸は8で図示され、プライヤジョーは9で図示されている。
【0008】
国際公開第2016/096983号の特に図9で説明されているような工具であれば、ハウジング11はこの工具7のヘッドの前に配置され、ボア12を通るボルト(不図示)によりヘッドに締結される。
【0009】
ハウジング11には、2本の力伝達アーム15が形成され、これらのアームはプレート10から切り抜かれ、こうして形成される弾性ジョイント16を介して図1の下端部のみでプレート10と接続される。各力伝達アーム15は、力センサ18のための接触面17(図2参照)を上端部に有する。各力センサ18は、センサホルダ19を介してプレート10に装着され、それぞれの接触面17に付勢されている。各力伝達アーム15は、工具7のそれぞれのプライヤジョー9の軸8が支持されるボア20を、下端部と上端部との間に有する。力センサ18の設置の後、各力伝達アーム15の接触面17は、ハウジング11に形成される対向の接触面22と平行に延在する。
【0010】
操作エラーの際の過負荷からハウジング11を保護するため、力伝達アーム15の上端部の撓曲は、上端部を包囲するブラケット21により制限される。
【0011】
プレート10と工具との間にはスペーサプレート25(図3)が挿入され、このスペーサプレートは、軸8が貫通する二つのボア26を有する。スペーサプレート25から2本のばね脚部27が切り抜かれ、その自由下端部はボア26の領域で軸8と当接する。
【0012】
工具の動作中に、軸8に取り付けられたプライヤジョー9は互いに対して移動して、テンションクランプのバックルとクランプバンドとを互いに係止する。これにより軸8が押し広げられる。この力が力伝達アーム15へ伝達され、そしてアームが力センサ18に作用する。
【0013】
センサ信号から判断される力/時間または力/経路曲線が、ある量だけ所定の挙動から逸脱した場合には、テンションクランプのバックルとクランプバンドとの間の接続が所望の質に相当せず、欠陥と見なされる。
【0014】
説明した力センサ18のための接触面17の平行な整合は、再現可能な精密測定にとって重要である。
【0015】
ばね脚部27も測定精度を高めるのに役立つ。これらは、スペーサプレート25と軸8との間のバックラッシュを回避しようとする。
【符号の説明】
【0016】
7 工具
8 軸
9 プライヤジョー
10 プレート
11 ハウジング
12 ボア
15 力伝達アーム
16 ジョイント
17 接触面
18 力センサ
19 センサホルダ
20 ボア
21 ブラケット
22 接触面
25 スペーサプレート
26 ボア
27 ばね脚部
図1
図2
図3