(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0035】
アルキルアリールケトンを反応させる方法が提供される。特に、一般式Iのアルキルアリールケトンを、少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケン、並びにアルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及びこれらの混合物から選択される塩基と反応させる方法であって、これにより対応するアリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールが得られ、
【化3】
上記一般式I中、R
1及びR
2は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、C
3−C
8−シクロアルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
5−C
8−シクロアルケニル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルキニル、C
6−C
14−アリールから選択されるか、又は連結するC原子と共にC
3−C
12−シクロアルキル若しくはC
5−C
12−シクロアルケニルを形成し、
R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
6−C
14−アリール、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、N(R
8)
2若しくはSR
8から選択され、R
8は、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
6−C
14−アリール、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシから選択されるか、若しくはR
8は連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられているか、又は2つの隣接するRは式Iのベンゼン環と共に芳香族系を形成する方法が提供される。
【0036】
従って、一般式Iのアルキルアリールケトンは出発物質として使用されることが理解され、
【化4】
上記一般式I中、R
1及びR
2は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、C
3−C
8−シクロアルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
5−C
8−シクロアルケニル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルキニル、C
6−C
14−アリールから選択されるか、又は連結するC原子と共にC
3−C
12−シクロアルキル若しくはC
5−C
12−シクロアルケニルを形成し、
R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
6−C
14−アリール、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、N(R
8)
2若しくはSR
8から選択され、R
8は、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
6−C
14−アリール、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシから選択されるか、若しくはR
8は連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられているか、又は2つの隣接するRは式Iのベンゼン環と共に芳香族系を形成する。
【0037】
一般式I中のR
1及びR
2に関しては、それらは同じであってもよいし異なっていてもよいことに留意されたい。好ましくは、R
1及びR
2は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、C
3−C
8−シクロアルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
5−C
8−シクロアルケニル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルキニル、C
6−C
14−アリールから選択されるか、又は連結するC原子と共にC
3−C
12−シクロアルキル若しくはC
5−C
12−シクロアルケニルを形成する。
【0038】
本発明の意味における用語「直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル」は、炭素原子数1〜8の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルキル基を指し、その例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二級ブチル、第三級ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル及び1,1,3,3−テトラメチルブチルが挙げられる。
【0039】
本発明の意味における用語「C
3−C
8−シクロアルキル」は、炭素原子数3〜8の環状アルキルを指し、その例としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルが挙げられる。
【0040】
本発明の意味における用語「C
5−C
8−シクロアルケニル」は、炭素原子数3〜8の環状アルケニルを指し、その例としては、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、及びシクロヘプテニルが挙げられる。
【0041】
本発明の意味における用語「直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル」は、炭素原子数2〜8の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルケニル基を指し、その例としては、例えば、エテニル、2−プロペニル等のプロペニル、ブテニル、トリイソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル及びオクテニルが挙げられる。本発明の意味における用語「アルケニル」は、シス異性体及びトランス異性体を含む。
【0042】
本発明の意味における用語「直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルキニル」は、炭素原子数2〜8の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルキニル基を指し、その例としては、例えば、エチニル、1−プロピニル又は2−プロピニル等のプロピニル、例えばプロパルギル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル及びオクチニルが挙げられる。
【0043】
本発明の意味における用語「C
6−C
14−アリール」は、1以上の6員の不飽和炭化水素環を含有する基であって、その不飽和が共役二重結合によって形式的に表され、このような環の1以上の炭素原子上で、独立に選択されるアルキル基によって任意に置換されていてもよい基を指す。従って、用語「C
6−C
14−アリール」としては、好ましくは(非置換)C
6−C
10−アリール及びC
6−C
14−アルキルアリールが挙げられる。好適な例としては、例えば、フェニル、ナフチル、メチルフェニル、ジメトキシフェニル、5−イソプロピル−2−メチルフェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、ジメチルフェニル、t−ブチルフェニル、メチルナフチル及びジメチルナフチルが挙げられる。
【0044】
本発明の意味における用語「連結するC原子と共にC
3−C
12−シクロアルキルを形成する」は、炭素原子数3〜12の一環式、二環式又は三環式のアルキルを指し、その例としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニル及びアダマンチルが挙げられる。
【0045】
本発明の意味における用語「連結するC原子と共にC
5−C
12−シクロアルケニルを形成する」は、炭素原子数5〜12の一環式、二環式又は三環式のアルケニルを指し、1以上、好ましくは1つ、の二重結合を備える。好適な例としては、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル及びシクロヘプテニルが挙げられる。上記C
5−C
12−シクロアルケニルの二重結合は、α,β−不飽和カルボニル化合物が形成されないように位置していることが理解される。従って、一般式I中のR
1及びR
2は、連結するC原子と共にC
5−C
12−シクロアルケニルを形成することができるが、ただしα,β−不飽和カルボニル化合物は形成されない。
【0046】
1つの実施形態では、R
1及びR
2は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、C
3−C
8−シクロアルキルから選択されるか、又は連結するC原子と共にC
3−C
12−シクロアルキルを形成する。好ましくは、R
1及びR
2は同じであるか又は異なり、独立に、H又は直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキルから選択される。
【0047】
例えば、R
1及びR
2は同じである。この実施形態では、R
1及びR
2は、好ましくは、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、C
3−C
8−シクロアルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
5−C
8−シクロアルケニル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルキニル、C
6−C
14−アリールから選択されるか、又は連結するC原子と共にC
3−C
12−シクロアルキル若しくはC
5−C
12−シクロアルケニルを形成する。
【0048】
1つの実施形態では、R
1及びR
2は同じであり、Hである。
【0049】
別の実施形態では、R
1及びR
2は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキルである。例えば、R
1及びR
2は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
3−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
3−アルキルである。R
1及びR
2が同じであり、C
1−アルキル又はC
2−アルキル、例えばC
1−アルキルであることがとりわけ好ましい。
【0050】
別の実施形態では、R
1及びR
2は、連結するC原子と共にC
3−C
12−シクロアルキルを形成する。例えば、R
1及びR
2は、連結するC原子と共に、C
4−C
10−シクロアルキル、好ましくはC
4−C
8−シクロアルキル、より好ましくはC
4−C
6−シクロアルキル、最も好ましくはC
5−シクロアルキル又はC
6−シクロアルキル、例えばC
6−シクロアルキルを形成する。
【0051】
別の実施形態では、R
1及びR
2は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、例えば直鎖状のC
2−C
8−アルケニルである。例えば、R
1及びR
2は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
6−アルケニル、例えば直鎖状のC
2−C
6−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
4−アルケニル、例えば直鎖状のC
2−C
4−アルケニル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−アルケニル又はC
3−アルケニル、例えば直鎖状のC
2−アルケニル又はC
3−アルケニルである。R
1及びR
2が同じであり、C
3−アルケニルであることがとりわけ好ましい。
【0052】
別の実施形態では、R
1及びR
2は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルキニル、例えば直鎖状のC
2−C
8−アルキニルである。例えば、R
1及びR
2は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
6−アルキニル、例えば直鎖状のC
2−C
6−アルキニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
4−アルキニル、例えば直鎖状のC
2−C
4−アルキニル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−アルキニル又はC
3−アルキニル、例えば直鎖状のC
2−アルキニル又はC
3−アルキニルである。R
1及びR
2が同じであり、C
3−アルキニルであることがとりわけ好ましい。
【0053】
別の実施形態では、R
1及びR
2は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
6−C
14−アリール、例えば(非置換)C
6−C
10−アリール又はC
6−C
14−アルキルアリールである。例えば、R
1及びR
2は同じであり、(非置換)C
6−アリール又はC
10−アリールである。あるいは、R
1及びR
2は同じであり、C
8−C
12−アルキルアリールである。
【0054】
別の実施形態では、R
1及びR
2は、連結するC原子と共にC
5−C
12−シクロアルケニルを形成する。例えば、R
1及びR
2は、連結するC原子と共に、C
5−C
10−シクロアルケニル、好ましくはC
5−C
8−シクロアルケニル、最も好ましくはC
5−シクロアルケニル又はC
6−シクロアルケニル、例えばC
6−シクロアルケニルを形成する。
【0055】
R
1及びR
2が同じである場合、R
1及びR
2が、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状のC
1−C
8−アルキルであるか、又は連結するC原子と共にC
3−C
12−シクロアルキル、好ましくはC
5−シクロアルキル若しくはC
6−シクロアルキルを形成することが好ましい。より好ましくは、R
1及びR
2は、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状のC
1−C
8−アルキルであるか、又はC
3−C
12−シクロアルキルを形成する。最も好ましくは、R
1及びR
2は、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状のC
1−C
8−アルキルである。
【0056】
あるいは、R
1及びR
2は異なる。この実施形態では、R
1及びR
2は、好ましくは、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、C
3−C
8−シクロアルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
5−C
8−シクロアルケニル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルキニル又はC
6−C
14−アリールから選択される。例えば、R
1及びR
2は異なり、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、例えば直鎖状のC
2−C
8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
6−アルケニル、例えば直鎖状のC
2−C
6−アルケニル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
4−アルケニル、例えば直鎖状のC
2−C
4−アルケニル、さらにより好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−アルケニル又はC
3−アルケニル、例えば直鎖状のC
2−アルケニル又はC
3−アルケニル、最も好ましくはC
3−アルケニル、及び直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルキニル、例えば直鎖状のC
2−C
8−アルキニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
6−アルキニル、例えば直鎖状のC
2−C
6−アルキニル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
4−アルキニル、例えば直鎖状のC
2−C
4−アルキニル、さらにより好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−アルキニル又はC
3−アルキニル、例えば直鎖状のC
2−アルキニル又はC
3−アルキニル、最も好ましくはC
3−アルキニルから選択される。1つの実施形態では、R
1及びR
2は異なり、H及び直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキルから選択される。1つの実施形態では、R
1及びR
2は異なり、H及びC
1−アルキル又はC
2−アルキル、好ましくはC
2−アルキルから選択される。
【0057】
R
1及びR
2が異なる場合、R
1又はR
2は、好ましくはHであり、残りのR
1又はR
2は、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、さらにより好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、最も好ましくはC
1−アルキル又はC
2−アルキル、例えばC
2−アルキルである。
【0058】
好ましくは、R
1及びR
2は同じである。
【0059】
一般式Iのアルキルアリールケトンは、残基R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7をさらに含む。R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は同じであってもよいし異なっていてもよいことが理解される。さらには、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
6−C
14−アリール、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、N(R
8)
2若しくはSR
8から選択され、R
8は、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
6−C
14−アリール、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシから選択されるか、若しくはR
8は連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成するか、若しくはR
8は連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられているか、又は2つの隣接するRは式Iのベンゼン環と共に芳香族系を形成する。
【0060】
本発明の意味における用語「C
1−C
8−アルコキシ」は、そのアルコキシ部分が炭素原子数1〜8の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルキルを有することを意味し、その例としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、第三級ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ及びオクチルオキシが挙げられる。
【0061】
本発明の意味における用語「C
2−C
8−アルケニルオキシ」は、そのアルケニルオキシ部分が炭素原子数2〜8の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルケニルを有することを意味し、その例としては、例えば、エテニルオキシ、プロペニルオキシ、ブテニルオキシ、トリイソブテニルオキシ、ペンテニルオキシ、ヘキセニルオキシ、ヘプテニルオキシ及びオクテニルオキシが挙げられる。
【0062】
本発明の意味における用語「C
3−C
8−シクロアルコキシ」は、そのシクロアルコキシ部分が炭素原子数3〜8の環状アルキルを有することを意味し、その例としては、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、及びシクロヘプチルオキシが挙げられる。
【0063】
本発明の意味における用語「C
7−C
15−アリールアルコキシ」は、そのアルコキシ部分が炭素原子数1〜4の、好ましくは炭素原子数1又は2の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルキルを有し、この鎖状アルキルがC
6−C
14−アリールに連結されていることを意味する。
【0064】
本発明の意味における用語「C
7−C
15−アリールアルキル」は、そのアルキル部分が炭素原子数1〜4の、好ましくは炭素原子数1又は2の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルキルであり、その鎖状アルキルがC
6−C
14−アリールに連結されていることを意味する。
【0065】
本発明の意味における用語「C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ」は、そのアルコキシ部分が炭素原子数1〜4の、好ましくは炭素原子数1又は2の直鎖状若しくは分枝状の鎖状アルキルを有し、この鎖状アルキルがC
6−C
14−アリール、好ましくはC
6−アリールに連結されており、このC
6−C
14−アリール、好ましくはC
6−アリールが直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、好ましくはC
2−アルケニルにさらに連結されていることを意味する。好ましくは、アルコキシ部分及びアルケニル部分は、アリール部分のパラ位に連結されている。
【0066】
1つの実施形態では、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は同じである。この実施形態では、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は同じであり、H及び直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキルから選択される。例えば、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキルである。R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が同じであり、Hであることがとりわけ好ましい。
【0067】
あるいは、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は異なる。この実施形態では、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は異なり、それらのうちの少なくとも1つは、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R
8)
2又はSR
8から選択され、R
8は直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニルから選択されるか、又はR
8は連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成する。
【0068】
本発明の意味における用語「少なくとも1つ」は、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7のうちの1以上が、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R
8)
2又はSR
8から選択され、R
8は直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニルから選択されるか、又はR
8は連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成することを意味する。
【0069】
例えば、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7のうちの1つ又は2つ又は3つは、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R
8)
2又はSR
8から選択され、R
8は直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニルから選択されるか、又はR
8は連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成する。例えば、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7のうちの1つ又は2つは、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R
8)
2又はSR
8から選択され、R
8は直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニルから選択されるか、又はR
8は連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成する。
【0070】
好ましくは、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7のうちの1つは、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R
8)
2又はSR
8から選択され、R
8は直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニルから選択されるか、又はR
8は連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成する。
【0071】
R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの少なくとも1つが、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R
8)
2又はSR
8から選択され、R
8が直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニルから選択されるか、又はR
8が、連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成する場合、残りのものが、H及び直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキルから選択されることが好ましい。例えば、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は異なり、それらのうちの少なくとも1つは、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R
8)
2又はSR
8から選択され、R
8は直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニルから選択されるか、又はR
8は連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、残りのものはHである。
【0072】
1つの実施形態では、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は異なり、それらのうちの1つは、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R
8)
2又はSR
8から選択され、R
8は直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニルから選択されるか、又はR
8は連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成する。
【0073】
例えば、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は異なり、それらのうちの1つは、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、例えば直鎖状のC
2−C
8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
6−アルケニル、例えば直鎖状のC
2−C
6−アルケニル、最も好ましくはC
2−C
3−アルケニル、例えばC
2−アルケニル又はC
3−アルケニルであり、残りのものはHである。
【0074】
あるいは、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は異なり、それらのうちの1つは、C
2−C
8−アルケニルオキシ、好ましくはC
2−C
6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC
3−C
5−アルケニルオキシ、例えばC
3−アルケニルオキシ又はC
4−アルケニルオキシ、とりわけC
3−アルケニルオキシであり、残りのものはHである。
【0075】
1つの実施形態では、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は異なり、それらのうちの1つは、C
2−C
8−アルケニルオキシ、好ましくはC
2−C
6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC
3−C
5−アルケニルオキシ、例えばC
3−アルケニルオキシ又はC
4−アルケニルオキシ、とりわけC
3−アルケニルオキシであり、残りのものは、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択される。
【0076】
例えば、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は異なり、それらのうちの1つは、C
2−C
8−アルケニルオキシ、好ましくはC
2−C
6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC
3−C
5−アルケニルオキシ、例えばC
3−アルケニルオキシ又はC
4−アルケニルオキシ、とりわけC
3−アルケニルオキシであり、残りのもののうちの2つはHであり、残りのもののうちの2つは、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルである。
【0077】
あるいは、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は異なり、それらのうちの1つは、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC
9−C
12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC
9−C
10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのものはHである。
【0078】
あるいは、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は異なり、それらのうちの1つはSR
8であり、R
8は、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、残りのものはHである。
【0079】
あるいは、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は異なり、それらのうちの1つはN(R
8)
2であり、R
8は、連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系、好ましくはC
3−C
7−脂環系、より好ましくはC
4−C
6−脂環系、最も好ましくはC
5−脂環系又はC
6−脂環系を形成し、残りのものはHである。任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられている。好ましくは、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は異なり、それらのうちの1つはN(R
8)
2であり、R
8は、連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系、好ましくはC
3−C
7−脂環系、より好ましくはC
4−C
6−脂環系、最も好ましくはC
5−脂環系又はC
6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子はOで置き換えられており、残りのものはHである。
【0080】
R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つが、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R
8)
2又はSR
8から選択され、R
8は直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニルから選択されるか、又はR
8が、連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成する場合、R
5が、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R
8)
2又はSR
8から選択され、R
8が直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニルから選択されるか、又はR
8が、連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成することが好ましい。
【0081】
従って、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つが、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ又はN(R
8)
2又はSR
8から選択され、R
8が直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル若しくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニルから選択されるか、又はR
8が、連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成する場合、この基がケト基に対してパラ位にあることが好ましい。
【0082】
別の実施形態では、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は異なり、それらのうちの2つ又は3つは、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、例えば直鎖状のC
2−C
8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
6−アルケニル、例えば直鎖状のC
2−C
6−アルケニル、最も好ましくはC
2−C
3−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、好ましくはC
1−C
6−アルコキシ、最も好ましくはC
1−C
3−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、好ましくはC
2−C
6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC
3−C
5−アルケニルオキシ、及びC
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC
9−C
12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC
9−C
10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのものが、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択される。
【0083】
例えば、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は異なり、それらのうちの2つは、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、例えば直鎖状のC
2−C
8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
6−アルケニル、例えば直鎖状のC
2−C
6−アルケニル、最も好ましくはC
2−C
3−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、好ましくはC
1−C
6−アルキルオキシ、最も好ましくはC
1−C
3−アルキルオキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、好ましくはC
2−C
6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC
3−C
5−アルケニルオキシ、及びC
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC
9−C
12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC
9−C
10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのものは、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択される。好ましくは、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は異なり、それらのうちの2つは、C
2−C
8−アルケニルオキシ、好ましくはC
2−C
6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC
3−C
5−アルケニルオキシであり、残りのものは、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、好ましくは残りのものがHである。
【0084】
あるいは、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は異なり、それらのうちの2つは、C
1−C
8−アルコキシ、好ましくはC
1−C
6−アルコキシ、最も好ましくはC
1−C
3−アルコキシであり、残りのものは、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、好ましくは残りのものはHである。
【0085】
1つの実施形態では、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は異なり、それらのうちの3つは、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC
9−C
12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC
9−C
10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのものは、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、好ましくは残りのものはHである。
【0086】
R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7のうちの2つ又は3つが直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、例えば直鎖状のC
2−C
8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
6−アルケニル、例えば直鎖状のC
2−C
6−アルケニル、最も好ましくはC
2−C
3−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、好ましくはC
1−C
6−アルキルオキシ、最も好ましくはC
1−C
3−アルキルオキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、好ましくはC
2−C
6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC
3−C
5−アルケニルオキシ、及びC
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC
9−C
12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC
9−C
10−アルケニルアリールアルコキシである場合、好ましくはR
4及び/又はR
5及び/又はR
6が、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、例えば直鎖状のC
2−C
8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
6−アルケニル、例えば直鎖状のC
2−C
6−アルケニル、最も好ましくはC
2−C
3−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、好ましくはC
1−C
6−アルキルオキシ、最も好ましくはC
1−C
3−アルキルオキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、好ましくはC
2−C
6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC
3−C
5−アルケニルオキシ、及びC
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC
9−C
12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC
9−C
10−アルケニルアリールアルコキシであることが理解される。
【0087】
1つの実施形態では、R
3及びR
4又はR
4及びR
5は、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式、三環式又は四環式の芳香族系、より好ましくはナフチル系、アントラセニル系及びフェナントレニル系から選択される芳香族系を形成する。この芳香族系は、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルである。
【0088】
例えば、R
4及びR
5は、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、残りのものは、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキル、好ましくはHから選択される。
【0089】
上記残りのRのうちの1つが、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、好ましくはC
2−C
6−アルケニル、最も好ましくはC
2−C
3−アルケニル、C
2−C
8−アルケニルオキシ、好ましくはC
2−C
6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC
3−C
5−アルケニルオキシ、及びC
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC
9−C
12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC
9−C
10−アルケニルアリールアルコキシであってもよく、残りのものが、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキル、好ましくはHから選択されてもよいことが理解される。
【0090】
1つの実施形態では、R
4及びR
5は、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、R
3は、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、好ましくはC
2−C
6−アルケニル、最も好ましくはC
2−C
3−アルケニル、C
2−C
8−アルケニルオキシ、好ましくはC
2−C
6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC
3−C
5−アルケニルオキシ、及びC
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC
9−C
12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC
9−C
10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのものは、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、好ましくはHから選択される。例えば、R
4及びR
5は、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、R
3は、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC
9−C
12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC
9−C
10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのものはHである。
【0091】
とりわけ好ましい一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が同じであり、Hであるケトンである。
【0092】
例えば、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が同じであり、C
1−アルキルであり、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が同じであり、Hであるケトンである。
【0093】
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が、連結するC原子と共にC
3−C
12−シクロアルキル、好ましくはC
4−C
10−シクロアルキル、より好ましくはC
4−C
8−シクロアルキル、さらにより好ましくはC
4−C
6−シクロアルキル、最も好ましくはC
5−シクロアルキル又はC
6−シクロアルキル、例えばC
6−シクロアルキルを形成し、R
4、R
5、R
6及びR
7が同じであり、Hであるケトンである。
【0094】
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
4、R
5、R
6及びR
7が同じであり、Hであるケトンである。
【0095】
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR
5、が直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
6−アルケニル、最も好ましくはC
2−C
3−アルケニル、例えばC
2−アルケニルであり、残りのものがHであるケトンである。
【0096】
例えば、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が同じであり、C
1−アルキルであり、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR
5、が直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
6−アルケニル、最も好ましくはC
2−C
3−アルケニル、例えばC
2−アルケニルであり、残りのものがHであるケトンである。
【0097】
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つが、好ましくはR
5、が直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
6−アルケニル、最も好ましくはC
2−C
3−アルケニル、例えばC
2−アルケニルであり、残りのものがHであるケトンである。
【0098】
例えば、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が同じであり、C
1−アルキルであり、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR
5、が直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
6−アルケニル、最も好ましくはC
2−C
3−アルケニル、例えばC
2−アルケニルであり、残りのものがHであるケトンである。
【0099】
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR
5、がSR
8であり、R
8が、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
3−アルキル、例えば直鎖状のC
1−アルキル又はC
3−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、残りのものがHであるケトンである。
【0100】
例えば、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が同じであり、C
1−アルキルであり、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR
5、がSR
8であり、R
8が、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、残りのものがHであるケトンである。
【0101】
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR
5、がSR
8であり、R
8が、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、残りのものがHであるケトンである。
【0102】
例えば、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が同じであり、C
1−アルキルであり、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR
5、がSR
8であり、R
8が、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、残りのものがHであるケトンである。
【0103】
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つが、C
2−C
8−アルケニルオキシ、好ましくはC
2−C
6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC
3−C
5−アルケニルオキシ、例えばC
3−アルケニルオキシ又はC
4−アルケニルオキシ、とりわけC
3−アルケニルオキシであり、残りのもののうちの2つがHであり、残りのもののうちの2つが、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルであるケトンである。
【0104】
例えば、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が同じであり、C
1−アルキルでありR
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR
5、がC
2−C
8−アルケニルオキシ、好ましくはC
2−C
6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC
3−C
5−アルケニルオキシ、例えばC
3−アルケニルオキシ又はC
4−アルケニルオキシ、とりわけC
3−アルケニルオキシであり、残りのもののうちの2つ、好ましくはR
3及びR
7、がHであり、残りのもののうちの2つ、好ましくはR
4及びR
6、が直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルであるケトンである。
【0105】
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの3つ、好ましくはR
3及びR
4及びR
5、がC
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC
9−C
12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC
9−C
10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのもの、好ましくはR
6及びR
7、がHであるケトンである。
【0106】
例えば、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が同じであり、C
1−アルキルであり、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの3つ、好ましくはR
3及びR
4及びR
5、がC
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC
9−C
12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC
9−C
10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのもの、好ましくはR
6及びR
7、がHであるケトンである。
【0107】
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が異なり、H及び直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの2つ、好ましくはR
4及びR
5、がC
1−C
8−アルコキシ、好ましくはC
1−C
6−アルコキシ、最も好ましくはC
1−C
3−アルコキシ、とりわけC
1−アルコキシであり、残りのもの、好ましくはR
3、R
6及びR
7、がHであるケトンである。
【0108】
例えば、一般式Iの一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が異なり、H及びC
2−アルキルであり、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの2つ、好ましくはR
4及びR
5、がC
1−C
8−アルコキシ、好ましくはC
1−C
6−アルコキシ、最も好ましくはC
1−C
3−アルコキシ、とりわけC
1−アルコキシであり、残りのもの、好ましくはR
3、R
6及びR
7、がHであるケトンである。
【0109】
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が異なり、H及び直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR
5、がN(R
8)
2であり、R
8が、連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系、好ましくはC
3−C
7−脂環系、より好ましくはC
4−C
6−脂環系、最も好ましくはC
5−脂環系又はC
6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子がOで置き換えられており、残りのもの、好ましくはR
3、R
4、R
6及びR
7、がHであるケトンである。
【0110】
例えば、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が異なり、H及びC
2−アルキルであり、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR
5、がN(R
8)
2であり、R
8が、連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系、好ましくはC
3−C
7−脂環系、より好ましくはC
4−C
6−脂環系、最も好ましくはC
5−脂環系又はC
6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子がOで置き換えられており、残りのもの、好ましくはR
3、R
4、R
6及びR
7、がHであるケトンである。
【0111】
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
4及びR
5が、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、残りのものが、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキル、好ましくはHから選択されるケトンである。
【0112】
例えば、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が同じであり、C
1−アルキルであり、R
4及びR
5が、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、残りのものがHであるケトンである。
【0113】
あるいは、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
4及びR
5が、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、残りのRのうちの1つ、好ましくはR
3、が直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、好ましくはC
2−C
6−アルケニル、最も好ましくはC
2−C
3−アルケニル、C
2−C
8−アルケニルオキシ、好ましくはC
2−C
6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC
3−C
5−アルケニルオキシ、及びC
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC
9−C
12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC
9−C
10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのものがHであるケトンである。
【0114】
例えば、一般式Iのアルキルアリールケトンは、R
1及びR
2が同じであり、C
1−アルキルであり、R
4及びR
5が、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、残りのRのうちの1つが、好ましくはR
3、がC
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC
9−C
12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC
9−C
10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのものがHであるケトンである。
【0115】
一般式Iのアルキルアリールケトンが、少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケン、並びにアルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及びこれらの混合物から選択される塩基と反応させられ、これにより対応するアリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールが得られることが理解される。
【0116】
上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケンが、少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
6−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
6−アルケン、より好ましくは少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
4−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
4−アルケンであることが好ましい。例えば、この少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケンは、少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−アルカン若しくは少なくとも部分的にハロゲン化されたC
3−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−アルケン若しくは少なくとも部分的にハロゲン化されたC
3−アルケン、例えば少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−アルケンである。
【0117】
上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケンは、少なくとも部分的に塩素化及び/又は臭素化されていてもよい。例えば、この少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケンは、少なくとも部分的に塩素化又は臭素化されている。あるいは、この少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケンは、少なくとも部分的に塩素化及び臭素化されており、従って混合ハロゲン化C
2−C
8−アルカン及び/又は混合ハロゲン化C
2−C
8−アルケンである。
【0118】
好ましくは、上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケンは、少なくとも部分的に塩素化されている。
【0119】
1つの実施形態では、上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケンは、完全にハロゲン化されている。好ましくは、この少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケンは、完全にハロゲン化されたC
2−C
6−アルカン及び/又は完全にハロゲン化されたC
2−C
6−アルケン、より好ましくは完全にハロゲン化されたC
2−C
4−アルカン及び/又は完全にハロゲン化されたC
2−C
4−アルケンである。例えば、この少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケンは、完全にハロゲン化されたC
2−アルカン若しくは完全にハロゲン化されたC
3−アルカン及び/又は完全にハロゲン化されたC
2−アルケン若しくは完全にハロゲン化されたC
3−アルケンである。
【0120】
例えば、上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケンは、完全に塩素化及び/又は臭素化されていてもよい。例えば、この少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケンは、完全に塩素化又は臭素化されている。あるいは、この少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケンは完全に塩素化及び臭素化されており、従って混合ハロゲン化C
2−C
8−アルカン及び/又は混合ハロゲン化C
2−C
8−アルケンである。
【0121】
好ましくは、上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケンは、完全に塩素化されている。
【0122】
1つの実施形態では、上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケンは、ヘキサクロロエタン、テトラクロロエチレン、ペンタクロロプロパン、ヘキサブロモエタン、テトラブロモエチレン、ペンタブロモプロパン及びこれらの混合物から選択される。好ましくは、この少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケンは、ヘキサクロロエタン、テトラクロロエチレン及びこれらの混合物である。例えば、この少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケンは、ヘキサクロロエタン又はテトラクロロエチレンである。
【0123】
1つの実施形態では、上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケンは、ヘキサクロロエタンである。
【0124】
当該方法の別の必要事項(要件)は塩基の添加である。この塩基がアルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及びこれらの混合物を含む群から選択されることは、本発明の必要事項である。
【0125】
1つの実施形態では、上記塩基は、ナトリウムC
1−C
6−アルコキシド、好ましくはナトリウムC
1−C
4−アルコキシド、最も好ましくはナトリウムC
1−C
2−アルコキシド、リチウムC
1−C
6−アルコキシド、好ましくはリチウムC
1−C
4−アルコキシド、最も好ましくはリチウムC
1−C
2−アルコキシド、カリウムC
1−C
6−アルコキシド、好ましくはカリウムC
1−C
4−アルコキシド、最も好ましくはカリウムC
1−C
2−アルコキシド、及びこれらの混合物を含む群から選択される。好ましくは、上記塩基は、ナトリウムC
1−C
6−アルコキシド、好ましくはナトリウムC
1−C
4−アルコキシド、最も好ましくはナトリウムC
1−C
2−アルコキシドである。最も好ましくは、上記塩基はナトリウムC
1−アルコキシドである。
【0126】
上記塩基は、それ自体で当該方法に加えることができる。あるいは、この塩基は水溶液の形態にあるか、又はこの塩基は有機溶媒中で提供され、好ましくはこの有機溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、tert−ブタノール、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びこれらの混合物を含む群から選択される。好ましくは、この塩基は有機溶媒中で提供され、好ましくはこの有機溶媒はメタノールである。
【0127】
本発明の方法は、幅広い温度範囲にわたって実施することができる。例えば、当該方法は、0〜120℃の範囲、好ましくは12〜80℃の範囲、より好ましくは15〜50℃の範囲、最も好ましくは15〜30℃の範囲の温度で実施される。
【0128】
好ましくは、当該方法は、室温で、すなわち約21℃(±2℃)の温度で実施される。
【0129】
1つの実施形態では、当該方法が高温で実施されることが好ましい。つまり、当該方法は、室温より高い温度、好ましくは30〜120℃の範囲、より好ましくは40〜100℃の範囲、最も好ましくは40〜90℃の範囲の温度で実施される。
【0130】
当該方法は有機溶媒中で実施されてもよいことがさらに理解される。好ましくは、この有機溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、tert−ブタノール、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、例えば1,3−ジオキサン又は1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル及びこれらの混合物を含む群から選択される。
【0131】
上記塩基が有機溶媒中で提供される場合、この有機溶媒は、好ましくは、当該方法で使用される有機溶媒と同じである。従って、この有機溶媒は、好ましくはメタノールである。
【0132】
当該反応及び接触は、上記成分、すなわち上記一般式Iのアルキルアリールケトン、上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケン、並びにアルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及びこれらの混合物から選択される上記塩基を混合することにより実施される。当業者は、混合条件(例えば、混合装置の構成及び混合速度)を当業者自身のプロセス設備に応じて適合させるであろう。
【0133】
上記試薬の添加の順序は当該反応の成功にとって重要ではないということが見出された。従って、上記一般式Iのアルキルアリールケトン、アルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及びこれらの混合物から選択される上記塩基、上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケン、並びに、存在する場合の上記有機溶媒、は、どの順で接触させられてもよい。
【0134】
好ましくは、上記一般式Iのアルキルアリールケトン、アルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及びこれらの混合物から選択される上記塩基、並びに、存在する場合の上記有機溶媒が、最初に接触させられて、上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケンが供給される(metered in)。
【0135】
一般式Iのアルキルアリールケトンを、上記少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケン、並びにアルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及びこれらの混合物から選択される塩基と反応させる方法は、上記対応するアリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールを生じることが理解される。得られたアリールオキシランは、好ましくは下記一般式Iaのものである。
【化5】
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7並びにそれらの好ましい実施形態の規定に関しては、当該方法、及び本発明の方法において出発物質として使用される一般式Iのアルキルアリールケトンの技術的詳細を論じた際に上で提供された記載が参照される。
【0136】
得られるα−官能化アルキルアリールケタールは、好ましくは、下記一般式Ibのものである。
【化6】
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7並びにそれらの好ましい実施形態の規定に関しては、当該方法、及び本発明の方法において出発物質として使用される一般式Iのアルキルアリールケトンの技術的詳細を論じた際に上で提供された記載が参照される。
【0137】
本発明の方法は、得られたアリールオキシラン若しくはα−官能化アルキルアリールケタールを単離及び/又は精製するさらなる工程を含んでもよい。
【0138】
例えば、当該方法は、
i)得られたアリールオキシラン若しくはα−官能化アルキルアリールケタールを有機相から分離する工程、及び/又は
ii)得られたアリールオキシラン若しくはα−官能化アルキルアリールケタールを水の中に取り込み、得られた水相を有機溶媒で抽出する工程
をさらに含んでもよい。
【0139】
1つの実施形態では、当該方法は、
i)得られたアリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールを有機相から分離する工程、及び
ii)得られたアリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールを水の中に取り込み、得られた水相を有機溶媒で抽出する工程
をさらに含む。
【0140】
加えて、当該方法は、得られたアリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールを乾燥する工程をさらに含んでもよい。
【0141】
当該方法によって得られるアリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールは、対応するα−官能化ケトンへとさらに反応されることができるということが理解される。
【0142】
従って、1つの実施形態では、本発明の方法は、当該方法によって得られる当該アリールオキシランを、相間移動条件下で、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及び混合物を含む群から選択される塩基、並びにHOR
9、HNHR
9又はHNR
10R
11から選択され、R
9、R
10及びR
11が、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
6−C
14−アリール、C
7−C
15−アリールアルキル、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルキルから選択されるか、又はR
10及びR
11は連結するN原子若しくはC原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられている化合物と接触させるさらなる工程を含み、これにより対応するα−官能化ケトンが得られる。
【0143】
α−官能化ケトンがアリールオキシランから調製される必要がある場合、従って、当該方法が相間移動条件下で実施されることが必要とされる。このような相間移動条件は、当該技術分野で周知であり、そのため、当業者は、上述の反応に好適な反応条件を容易に適用するであろう。当業者は、公知ではあるが本明細書中では詳細には触れられないこのような反応の変法を適用することもできる。
【0144】
特に、当該アリールオキシランの反応は、相間移動触媒の存在下で、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及び混合物を含む群から選択される上記塩基、並びにHOR
9、HNHR
9又はHNR
10R
11から選択され、R
9、R
10及びR
11が、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
6−C
14−アリール、C
7−C
15−アリールアルキル、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルキルから選択されるか、又はR
10及びR
11が、連結するN原子若しくはC原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子がOで置き換えられている上記化合物と実施される。
【0145】
上記相間移動触媒は、当該技術分野で公知のいずれの相間移動触媒から選択することができる。しかしながら、この相間移動触媒は、好ましくは第四級アンモニウム塩、テトラアルキルホスホニウム塩化物、テトラアルキルホスホニウム臭化物及びこれらの混合物から選択される。より好ましくは、この相間移動触媒は、テトラアルキルアンモニウム塩又はトリアルキルアリールアンモニウム塩であり、最も好ましくはこの相間移動触媒は、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、塩化メチルトリオクチルアンモニウム、セチルピリジニウム及びこれらの混合物を含む群から選択される。
【0146】
このような相間移動触媒は、当該技術分野で周知であり、そのため、当業者は、上述の反応に好適な触媒を簡単に適用するであろう。当業者は、公知ではあるが本明細書中では詳細には触れられないこのような触媒の変更物を適用することもできる。
【0147】
相間移動触媒の量は、幅広い範囲内で所望に応じて選ばれてよく、好ましくは上記アリールオキシランの重量に対して0.1〜100重量%である。
【0148】
上記塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムC
1−C
6−アルコキシド、好ましくはナトリウムC
1−C
4−アルコキシド、最も好ましくはナトリウムC
1−C
2−アルコキシド、リチウムC
1−C
6−アルコキシド、好ましくはリチウムC
1−C
4−アルコキシド、最も好ましくはリチウムC
1−C
2−アルコキシド、カリウムC
1−C
6−アルコキシド、好ましくはカリウムC
1−C
4−アルコキシド、最も好ましくはカリウムC
1−C
2−アルコキシド、及びこれらの混合物を含む群から選択されることが好ましい。好ましくは、この塩基は、水酸化ナトリウム及びナトリウムC
1−C
6−アルコキシド、好ましくはナトリウムC
1−C
4−アルコキシド、最も好ましくはナトリウムC
1−C
2−アルコキシドを含む群から選択される。最も好ましくは、この塩基は水酸化ナトリウムである。
【0149】
上記塩基は、それ自体で当該方法に加えることができる。あるいは、この塩基は水溶液の形態にあるか、又はこの塩基は有機溶媒中で提供され、好ましくはこの有機溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、tert−ブタノール、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、例えば1,3−ジオキサン又は1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル及びこれらの混合物を含む群から選択される。好ましくは、この塩基は水溶液の形態で提供される。
【0150】
得られたアリールオキシランを対応するα−官能化ケトンへと反応させるために添加されるべき別の必須成分はHOR
9、HNHR
9又はHNR
10R
11から選択され、R
9、R
10及びR
11は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
6−C
14−アリール、C
7−C
14−アリールアルキル、C
7−C
14−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルキルから選択されるか、又はR
10及びR
11は連結するN原子若しくはC原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられている化合物である。
【0151】
1つの実施形態では、上記化合物はHOR
9であり、R
9は、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
14−アリールアルコキシ及びC
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシから選択され、好ましくはR
9は、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキル、C
3−C
8−シクロアルキル、好ましくはC
4−C
8−シクロアルキル、より好ましくはC
4−C
6−シクロアルキル、最も好ましくはC
5−シクロアルキル又はC
6−シクロアルキル、例えばC
6−シクロアルキル、及びC
6−C
14−アリールである。
【0152】
あるいは、上記化合物はHNR
10R
11であり、R
10及びR
11は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、C
3−C
8−シクロアルキル、C
6−C
14−アリールから選択されるか、又はR
10及びR
11は連結するN原子と共にC
3−C
6−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられており、好ましくはR
10及びR
11は、連結するN原子と共にC
5−C
6−脂環系を形成し、1以上の炭素原子はOで置き換えられている。
【0153】
好ましくは、上記化合物はHNR
10R
11であり、R
10及びR
11は連結するN原子と共にC
5−C
6−脂環系、好ましくはC
6−脂環系を形成し、1以上の炭素原子、好ましくは1つの炭素原子、はOで置き換えられている。
【0154】
例えば、上記化合物はモルホリンである。
【0155】
アリールオキシランを対応するα−官能化ケトンへと反応させるさらなる工程は、幅広い温度範囲にわたって実施することができる。例えば、この工程は、少なくとも30℃、好ましくは30〜120℃の範囲、より好ましくは40〜100℃の範囲、最も好ましくは40〜90℃の範囲の温度で実施される。
【0156】
アリールオキシランを対応するα−官能化ケトンへと反応させるさらなる工程は、有機溶媒中で実施することができるということがさらに理解される。好ましくは、この有機溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、tert−ブタノール、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、例えば1,3−ジオキサン又は1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル及びこれらの混合物を含む群から選択される。
【0157】
上記塩基が有機溶媒中で提供される場合、この有機溶媒は、好ましくは当該方法で使用される有機溶媒と同じである。
【0158】
上記アリールオキシランを対応するα−官能化ケトンへと反応させるさらなる工程は、上記成分、すなわち上記アリールオキシラン、上記相間移動触媒、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及び混合物を含む群から選択される上記塩基、並びにHOR
9、HNHR
9又はHNR
10R
11から選択され、R
9、R
10及びR
11が、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
6−C
14−アリール、C
7−C
14−アリールアルキル、C
7−C
14−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルキルから選択されるか、又はR
10及びR
11が、連結するN原子若しくはC原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子がOで置き換えられている上記化合物を混合することにより実施される。当業者は、混合条件(例えば、混合装置の構成及び混合速度)を当業者自身のプロセス設備に応じて適合させるであろう。
【0159】
上記試薬の添加の順序は、上記反応の成功にとって重要ではないことが見出された。従って、上記アリールオキシラン、上記相間移動触媒、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及び混合物を含む群から選択される上記塩基、並びにHOR
9、HNHR
9又はHNR
10R
11から選択され、R
9、R
10及びR
11が、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
6−C
14−アリール、C
7−C
15−アリールアルキル、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルキルから選択されるか、又はR
10及びR
11が、連結するN原子若しくはC原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子がOで置き換えられている上記化合物は、任意の順に接触させてもよい。
【0160】
上記アリールオキシランを、相間移動条件下で、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及び混合物を含む群から選択される塩基、並びにHOR
9、HNHR
9又はHNR
10R
11から選択され、R
9、R
10及びR
11が、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
6−C
14−アリール、C
7−C
15−アリールアルキル、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルキルから選択されるか、又はR
10及びR
11が、連結するN原子若しくはC原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子がOで置き換えられている化合物と反応させる工程は、対応するα−官能化ケトンを生じるということが理解される。
【0161】
アリールオキシランを反応させる工程の後に、当該方法は、得られたα−官能化ケトンを単離及び/又は精製するさらなる工程を含んでもよい。
【0162】
例えば、当該方法は、
i)得られたα−官能化ケトンを有機相から分離する工程、及び/又は
ii)得られたα−官能化ケトンを水に取り込み、得られた水相を有機溶媒で抽出する工程
をさらに含んでもよい。
【0163】
1つの実施形態では、当該方法は、
i)得られたα−官能化ケトンを有機相から分離する工程、及び
ii)得られたα−官能化ケトンを水に取り込み、得られた水相を有機溶媒で抽出する工程
をさらに含む。
【0164】
加えて、当該方法は、得られたα−官能化ケトンを乾燥する工程をさらに含んでもよい。
【0165】
あるいは、当該方法は、当該方法によって得られたα−官能化アルキルアリールケタールを酸と接触させ、これにより対応するα−官能化ケトンを得るさらなる工程を含む。
【0166】
上記酸は特定の酸に制限されないことが理解され、この酸は5未満、より好ましくは−10〜10の範囲、最も好ましくは−8〜5の範囲のpKa値を有することが好ましい。
【0167】
1つの実施形態では、上記酸は、好ましくは、塩酸(塩化水素酸)、酢酸、リン酸、硫酸、クエン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、クロロ酢酸、トリクロロ酢酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、プロピオン酸、酪酸及びこれらの混合物を含む群から選択される。例えば、この酸は、塩酸、酢酸、リン酸、硫酸、クエン酸及びこれらの混合物から選択される。1つの実施形態では、この酸は塩酸である。
【0168】
上記酸は、それ自体で当該方法に加えることができる。あるいは、この酸は水溶液の形態にあるか又はこの酸は有機溶媒中で提供され、好ましくはこの有機溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、tert−ブタノール、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、例えば1,3−ジオキサン又は1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル及びこれらの混合物を含む群から選択される。好ましくは、この酸は水溶液の形態で提供され、従って希酸水溶液の形態にある。これは、エノールエーテルへの反応を回避できるため、好都合である。
【0169】
α−官能化アルキルアリールケタールを対応するα−官能化ケトンへと反応させる引き続く工程は、幅広い温度範囲にわたって実施することができる。例えば、この工程は、0〜120℃の範囲、好ましくは12〜80℃の範囲、より好ましくは15〜50℃の範囲、最も好ましくは15〜30℃の範囲の温度で実施される。
【0170】
好ましくは、この工程は、室温で、すなわち約21℃(±2℃)の温度で実施される。
【0171】
α−官能化アルキルアリールケタールを対応するα−官能化ケトンへと反応させる引き続く工程は、有機溶媒中で実施することができるということがさらに理解される。好ましくはこの有機溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、tert−ブタノール、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、例えば1,3−ジオキサン又は1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル及びこれらの混合物を含む群から選択される。
【0172】
上記酸が有機溶媒中で提供される場合、この有機溶媒は、好ましくは同じである。
【0173】
α−官能化アルキルアリールケタールを対応するα−官能化ケトンへと反応させる工程は、上記成分、すなわち上記α−官能化アルキルアリールケタール及び上記酸、並びに、存在する場合、上記有機溶媒を混合することにより実施される。当業者は、混合条件(例えば、混合装置の構成及び混合速度)を当業者自身のプロセス設備に応じて適合させるであろう。
【0174】
上記試薬の添加の順序は、この反応工程の成功にとって重要であることが見出された。上記α−官能化アルキルアリールケタール、及び、存在する場合、上記有機溶媒が最初に接触させられ、上記酸が供給される場合に、最良の収率が得られる。
【0175】
このα−官能化アルキルアリールケタールを反応させる工程のあとに、当該方法は、得られたα−官能化ケトンを単離及び/又は精製するさらなる工程を備えてもよい。
【0176】
例えば、当該方法は、
i)得られたα−官能化ケトンを有機相から分離する工程、及び/又は
ii)得られたα−官能化ケトンを水に取り込み、得られた水相を有機溶媒で抽出する工程
をさらに含んでもよい。
【0177】
1つの実施形態では、当該方法は、
i)得られたα−官能化ケトンを有機相から分離する工程、及び
ii)得られたα−官能化ケトンを水に取り込み、得られた水相を有機溶媒で抽出する工程
をさらに含む。
【0178】
加えて、当該方法は、得られたα−官能化ケトンを乾燥する工程をさらに含んでもよい。
【0179】
一般式IIのα−官能化ケトンが、上記アリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールをさらに反応させることによって得られることが理解される。
【化7】
上記一般式II中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は上記一般式Iで定義されたとおりであり、Zは、OR
9、NHR
9及びNR
10R
11から選択され、R
9、R
10及びR
11は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
6−C
14−アリール、C
7−C
15−アリールアルキル、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルキルから選択されるか、又はR
10及びR
11は連結するN原子若しくはC原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられている。
【0180】
1つの実施形態では、ZはOR
9であり、R
9は、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ及びC
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシから選択され、好ましくはR
9はHであるか、又はZはNR
10R
11であり、R
10及びR
11は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、C
3−C
8−シクロアルキル、C
6−C
14−アリールから選択されるか、若しくはR
10及びR
11は連結するN原子と共にC
3−C
6−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられており、好ましくはR
10及びR
11は、連結するN原子と共にC
5−C
6−脂環系を形成し、1以上の炭素原子はOで置き換えられている。
【0181】
好ましくは、ZはOR
9であり、R
9はH又はNR
10R
11であり、R
10及びR
11は連結するN原子と共にC
5−C
6−脂環系、好ましくはC
6−脂環系を形成し、1以上の炭素原子、好ましくは1つの炭素原子、はOで置き換えられている。
【0182】
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7並びにそれらの好ましい実施形態の規定に関しては、当該方法、及び本発明の方法において出発物質として使用される一般式Iのアルキルアリールケトンの技術的詳細を論じた際に上で提供された記載が参照される。
【0183】
当該方法によって得られるとりわけ好ましい一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が同じであり、Hであり、ZがOR
9であり、R
9がHであるケトンである。
【0184】
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が同じであり、C
1−アルキルであり、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が同じであり、Hであり、ZがOR
9であり、R
9がHであるケトンである。
【0185】
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が、連結するC原子と共にC
3−C
12−シクロアルキル、好ましくはC
4−C
10−シクロアルキル、より好ましくはC
4−C
8−シクロアルキル、さらにより好ましくはC
4−C
6−シクロアルキル、最も好ましくはC
5−シクロアルキル又はC
6−シクロアルキル、例えばC
6−シクロアルキルを形成し、R
4、R
5、R
6及びR
7が同じであり、Hであり、ZがOR
9であり、R
9がHであるケトンである。
【0186】
あるいは、一般式Iのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
4、R
5、R
6及びR
7が同じであり、Hであり、ZがNR
10R
11であり、R
10及びR
11がC
5−C
6−脂環系、好ましくはC
6−脂環系を形成するケトンである。
【0187】
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
4、R
5、R
6及びR
7が同じであり、Hであり、ZがNR
10R
11であり、R
10及びR
11が、連結するN原子と共にC
5−C
6−脂環系、好ましくはC
6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子がOで置き換えられているケトンである。
【0188】
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が同じであり、C
1−アルキルであり、R
4、R
5、R
6及びR
7が同じであり、Hであり、ZがNR
10R
11であり、R
10及びR
11が、連結するN原子と共にC
5−C
6−脂環系、好ましくはC
6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子がOで置き換えられているケトンである。
【0189】
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR
5、が直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
6−アルケニル、最も好ましくはC
2−C
3−アルケニル、例えばC
2−アルケニルであり、残りのものがHであり、ZがOR
9であり、R
9がHであるケトンである。
【0190】
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が同じであり、C
1−アルキルであり、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR
5、が直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
6−アルケニル、最も好ましくはC
2−C
3−アルケニル、例えばC
2−アルケニルであり、残りのものがHであり、ZがOR
9であり、R
9がHであるケトンである。
【0191】
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR
5、が直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
6−アルケニル、最も好ましくはC
2−C
3−アルケニル、例えばC
2−アルケニルであり、残りのものがHであり、ZがNR
10R
11であり、R
10及びR
11が、連結するN原子と共にC
5−C
6−脂環系、好ましくはC
6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子がOで置き換えられているケトンである。
【0192】
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が同じであり、C
1−アルキルであり、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR
5、が直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
6−アルケニル、最も好ましくはC
2−C
3−アルケニル、例えばC
2−アルケニルであり、残りのものがHであり、ZがNR
10R
11であり、R
10及びR
11が、連結するN原子と共にC
5−C
6−脂環系、好ましくはC
6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子がOで置き換えられているケトンである。
【0193】
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR
5、がSR
8であり、R
8が、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、残りのものがHであり、ZがOR
9であり、R
9がHであるケトンである。
【0194】
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が同じであり、C
1−アルキルであり、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR
5、がSR
8であり、R
8が、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、残りのものがHであり、ZがOR
9であり、R
9がHであるケトンである。
【0195】
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR
5、がSR
8であり、R
8が、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、残りのものがHであり、ZがNR
10R
11であり、R
10及びR
11が、連結するN原子と共にC
5−C
6−脂環系、好ましくはC
6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子がOで置き換えられているケトンである。
【0196】
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が同じであり、C
1−アルキルであり、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR
5、がSR
8であり、R
8が、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、残りのものがHであり、ZがNR
10R
11であり、R
10及びR
11が、連結するN原子と共にC
5−C
6−脂環系、好ましくはC
6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子がOで置き換えられているケトンである。
【0197】
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つが、C
2−C
8−アルケニルオキシ、好ましくはC
2−C
6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC
3−C
5−アルケニルオキシ、例えばC
3−アルケニルオキシ又はC
4−アルケニルオキシ、とりわけC
3−アルケニルオキシであり、残りのもののうちの2つがHであり、残りのもののうちの2つが、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルであり、ZがOR
9であり、R
9がHであるケトンである。
【0198】
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が同じであり、C
1−アルキルであり、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR
5、がC
2−C
8−アルケニルオキシ、好ましくはC
2−C
6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC
3−C
5−アルケニルオキシ、例えばC
3−アルケニルオキシ又はC
4−アルケニルオキシ、とりわけC
3−アルケニルオキシであり、残りのもののうちの2つ、好ましくはR
3及びR
7、がHであり、残りのもののうちの2つ、好ましくはR
4及びR
6、が直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキル、とりわけC
1−アルキルであり、ZがOR
9であり、R
9がHであるケトンである。
【0199】
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの3つ、好ましくはR
3及びR
4及びR
5、がC
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC
9−C
12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC
9−C
10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのもの、好ましくはR
6及びR
7、がHであり、ZがOR
9であり、R
9がHであるケトンである。
【0200】
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が同じであり、C
1−アルキルであり、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの3つ、好ましくはR
3及びR
4及びR
5、がC
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC
9−C
12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC
9−C
10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのもの、好ましくはR
6及びR
7、がHであり、ZがOR
9であり、R
9がHであるケトンである。
【0201】
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が異なり、H及び直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの2つ、好ましくはR
4及びR
5、がC
1−C
8−アルコキシ、好ましくはC
1−C
6−アルコキシ、最も好ましくはC
1−C
3−アルコキシ、とりわけC
1−アルコキシであり、残りのもの、好ましくはR
3、R
6及びR
7、がHであり、ZがOR
9であり、R
9がHであるケトンである。
【0202】
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が異なり、H及びC
2−アルキルであり、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの2つ、好ましくはR
4及びR
5、がC
1−C
8−アルコキシ、好ましくはC
1−C
6−アルコキシ、最も好ましくはC
1−C
3−アルコキシ、とりわけC
1−アルコキシであり、残りのもの、好ましくはR
3、R
6及びR
7、がHであり、ZがOR
9であり、R
9がHであるケトンである。
【0203】
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が異なり、H及び直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR
5、がN(R
8)
2であり、R
8が、連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系、好ましくはC
3−C
7−脂環系、より好ましくはC
4−C
6−脂環系、最も好ましくはC
5−脂環系又はC
6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子がOで置き換えられており、残りのもの、好ましくはR
3、R
4、R
6及びR
7、がHであり、ZがOR
9であり、R
9がHであるケトンである。
【0204】
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が異なり、H及びC
2−アルキルであり、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7が異なり、それらのうちの1つ、好ましくはR
5、がN(R
8)
2であり、R
8が、連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系、好ましくはC
3−C
7−脂環系、より好ましくはC
4−C
6−脂環系、最も好ましくはC
5−脂環系又はC
6−脂環系を形成し、1以上、好ましくは1つ、の炭素原子がOで置き換えられており、残りのもの、好ましくはR
3、R
4、R
6及びR
7、がHであり、ZがOR
9であり、R
9がHであるケトンである。
【0205】
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
4及びR
5が、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、残りのものが、独立に、H及び直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキル、好ましくはHから選択され、ZがOR
9であり、R
9がHであるケトンである。
【0206】
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が同じであり、C
1−アルキルであり、R
4及びR
5が、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、残りのものがHであり、ZがOR
9であり、R
9がHであるケトンである。
【0207】
あるいは、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が同じであり、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
8−アルキル、好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
6−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
6−アルキル、より好ましくは直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
4−アルキル、例えば直鎖状のC
1−C
4−アルキル、最も好ましくは直鎖状のC
1−C
3−アルキル、例えばC
1−アルキル又はC
2−アルキル、とりわけC
1−アルキルから選択され、R
4及びR
5が、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、残りのRのうちの1つ、好ましくはR
3、が直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、好ましくはC
2−C
6−アルケニル、最も好ましくはC
2−C
3−アルケニル、C
2−C
8−アルケニルオキシ、好ましくはC
2−C
6−アルケニルオキシ、最も好ましくはC
3−C
5−アルケニルオキシ、及びC
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC
9−C
12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC
9−C
10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのものがHであり、ZがOR
9であり、R
9はHであるケトンである。
【0208】
例えば、当該方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンは、R
1及びR
2が同じであり、C
1−アルキルであり、R
4及びR
5が、一般式Iのベンゼン環と共に芳香族系、好ましくは二環式芳香族系、最も好ましくはナフチルを形成し、残りのRのうちの1つ、好ましくはR
3、がC
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、好ましくはC
9−C
12−アルケニルアリールアルコキシ、最も好ましくはC
9−C
10−アルケニルアリールアルコキシであり、残りのものがHであり、ZがOR
9であり、R
9がHであるケトンである。
【0209】
本発明のさらなる態様は、本明細書中に規定される方法によって得られるアリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールに関する。
【0210】
従って、当該アリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールは、一般式Iのアルキルアリールケトンを、少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケン、並びにアルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及びこれらの混合物から選択される塩基と反応させる方法であって、これにより対応するアリールオキシラン又はα−官能化アルキルアリールケタールが得られ、
【化8】
上記一般式I中、R
1及びR
2は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、C
3−C
8−シクロアルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
5−C
8−シクロアルケニル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルキニル、C
6−C
14−アリールから選択されるか、又は連結するC原子と共にC
3−C
12−シクロアルキル若しくはC
5−C
12−シクロアルケニルを形成し、
R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
6−C
14−アリール、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、N(R
8)
2若しくはSR
8から選択され、R
8は、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
6−C
14−アリール、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシから選択されるか、若しくはR
8は連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられているか、又は2つの隣接するRは式Iのベンゼン環と共に芳香族系を形成する
方法によって得られる。
【0211】
当該方法、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7並びにそれらの好ましい実施形態の規定に関しては、当該方法、及び本発明の方法において出発物質として使用される一般式Iのアルキルアリールケトンの技術的詳細を論じた際に上で提供された記載が参照される。
【0212】
本発明の別の態様は、本明細書中に規定される方法によって得られる一般式IIのα−官能化ケトンに関する。
【0213】
従って、一般式IIのα−官能化ケトンは、一般式Iのアルキルアリールケトンを、少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケン、並びにアルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及びこれらの混合物から選択される塩基と反応させ、これにより対応するアリールオキシランを得て、
【化9】
上記一般式I中、R
1及びR
2は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、C
3−C
8−シクロアルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
5−C
8−シクロアルケニル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルキニル、C
6−C
14−アリールから選択されるか、又は連結するC原子と共にC
3−C
12−シクロアルキル若しくはC
5−C
12−シクロアルケニルを形成し、
R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
6−C
14−アリール、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、N(R
8)
2若しくはSR
8から選択され、R
8は、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
6−C
14−アリール、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシから選択されるか、若しくはR
8は連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられているか、又は2つの隣接するRは式Iのベンゼン環と共に芳香族系を形成し、
さらに、上記反応によって得られるアリールオキシランを、相間移動条件下で、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及び混合物を含む群から選択される塩基、並びにHOR
9、HNHR
9又はHNR
10R
11から選択され、R
9、R
10及びR
11は、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
6−C
14−アリール、C
7−C
15−アリールアルキル、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルキルから選択されるか、又はR
10及びR
11は連結するN原子若しくはC原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられている化合物と接触させ、これにより対応するα−官能化ケトンを得る
方法によって得られる。
【0214】
あるいは、一般式IIのα−官能化ケトンは、一般式Iのアルキルアリールケトンを、少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルカン及び/又は少なくとも部分的にハロゲン化されたC
2−C
8−アルケン、並びにアルカリ金属C
1−C
8−アルコキシド、アルカリ土類金属C
1−C
8−アルコキシド及びこれらの混合物から選択される塩基と反応させ、これにより対応するα−官能化ケタールを得て、
【化10】
上記一般式I中、R
1及びR
2は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、C
3−C
8−シクロアルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
5−C
8−シクロアルケニル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルキニル、C
6−C
14−アリールから選択されるか、又は連結するC原子と共にC
3−C
12−シクロアルキル若しくはC
5−C
12−シクロアルケニルを形成し、
R
3、R
4、R
5、R
6及びR
7は同じであるか又は異なり、独立に、H、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
6−C
14−アリール、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシ、N(R
8)
2若しくはSR
8から選択され、R
8は、直鎖状若しくは分枝状のC
1−C
8−アルキル、直鎖状若しくは分枝状のC
2−C
8−アルケニル、C
6−C
14−アリール、C
1−C
8−アルコキシ、C
2−C
8−アルケニルオキシ、C
3−C
8−シクロアルキル、C
3−C
8−シクロアルコキシ、C
7−C
15−アリールアルコキシ、C
9−C
15−アルケニルアリールアルコキシから選択されるか、若しくはR
8は連結するN原子と共にC
3−C
9−脂環系を形成し、任意に1以上の炭素原子はOで置き換えられているか、又は2つの隣接するRは式Iのベンゼン環と共に芳香族系を形成し、
さらに、上記反応によって得られたα−官能化アルキルアリールケタールを、酸、好ましくは塩酸、酢酸、リン酸、硫酸、クエン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、クロロ酢酸、トリクロロ酢酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、プロピオン酸、酪酸及びこれらの混合物を含む群から選択される酸と接触させ、これにより対応するα−官能化ケトンを得る
方法によって得られる。
【0215】
当該方法、上記アリールオキシラン、上記α−官能化アルキルアリールケタール、上記α−官能化ケトン及びそれらの好ましい実施形態の規定に関しては、本発明の方法の技術的詳細を論じた際に上で提供された記載が参照される。
【0216】
本発明の範囲及び関心は、本発明の特定の実施形態を説明することが意図されており非限定的である以下の実施例に基づいてよりよく理解されるであろう。
【実施例】
【0217】
実施例1:2−メトキシ−3,3−ジメチル−2−(4−メチルチオフェニル)オキシランの調製
【化11】
ナトリウムメトキシド(メタノール中30%、8.34g、154mmol)、メタノール(15.5mL)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン(3.00g、15.4mmol)及びヘキサクロロエタン(5.48g、23.2mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水(25mL)に取り込み、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、溶媒を蒸発させた。2−メトキシ−3,3−ジメチル−2−(4−メチルチオフェニル)オキシランを黄色油状物として得た(2.86g、12.8mmol、82%収率)。
1H−NMR(400.1MHz,CDCl
3):δ=1.03(s,3H),1.55(s,1H),2.52(s,3H),3.23(s,3H),7.24−7.31(m,2H),7.34−7.43(m,2H)ppm。
13C−NMR(100.6MHz,CDCl
3):δ=15.5,19.8,20.0,52.6,67.3,124.7,125.8,128.4,130.3,131.4,139.0ppm。
【0218】
実施例2:2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパン−1−オンの調製
【化12】
2−メトキシ−3,3−ジメチル−2−(4−メチルチオフェニル)オキシラン(0.13g、0.58mmol)、モルホリン(2.27g、26.1mmol)、水酸化ナトリウム溶液(50%、0.28g、3.5mmol)及び硫酸水素テトラブチルアンモニウム(0.01g、0.03mmol)の混合物を還流下で8時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を水(10mL)に取り込んだ。相分離させ、水層のpHを飽和塩化アンモニウム溶液で7に調整した。この水層を酢酸エチル(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、溶媒を蒸発させた。2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパン−1−オンを無色の油状物として得た(70mg、0.25mmol、43%収率)。
1H−NMR(400.1MHz,CDCl
3):δ=1.31(s,6H),2.53(s,3H),2.55−2.61(m,4H),3.66−3.73(m,4H),7.20−7.26(m,2H),8.49−8.54(m,2H)ppm。
13C−NMR(100.6MHz,CDCl
3):δ=14.4,20.4,47.2,67.3,68.3,124.3,130.3,131.8,144.9,201.9ppm。
【0219】
実施例3:2,2−ジエチル−3−メトキシ−3−フェニル−オキシランの調製
【化13】
ナトリウムメトキシド(メタノール中30%、12.3g、87.1mmol)、メタノール(11.5mL)、2−エチル−1−フェニルブタン−1−オン(2.00g、11.4mmol)及びヘキサクロロエタン(2.96g、12.5mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水(50mL)に取り込み、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、溶媒を蒸発させた。
【0220】
上記粗生成物をフラッシュクロマトグラフィ[塩基性酸化アルミニウム、c−C
6H
12/AcOEt、1:1 v:v]によって精製した。2,2−ジエチル−3−メトキシ−3−フェニル−オキシランを無色の油状物として得た(2.26g、11.0mmol、96%収率)。
1H−NMR(400.1MHz,CDCl
3):δ=0.79−0.82(t,3H),1.06−1.10(t,3H),1.16−1.37(m,2H),1.79−1.91(m,1H),1.94−2.04(m,1H),3.21(s,3H),7.34−7.43(m,3H),7.45−7.50(m,3H)ppm。
13C−NMR(100.6MHz,CDCl
3):δ=8.6,9.3,22.3,22.5,52.4,73.7,91.9,127.9,128.0,128.3,134.9ppm。
【0221】
実施例4:4−(1,1−ジメトキシ−2−ヒドロキシブチル)−1,2−ジメトキシベンゼンの調製
【化14】
ナトリウムメトキシド(メタノール中30%、15.82g、87.87mmol)、メタノール(14.5mL)、4−ブチリル−1,2−ジメトキシベンゼン(3.00g、14.4mmol)及びヘキサクロロエタン(3.79g、16.0mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水(25mL)に取り込み、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、溶媒を蒸発させた。4−(1,1−ジメトキシ−2−ヒドロキシブチル)−1,2−ジメトキシベンゼンを黄色油状物として得た(2.97g、10.9mmol、79%収率)。
1H−NMR(400.1MHz,CDCl
3):δ=0.92−0.96(t,3H),0.98−1.11(m,1H),1.46−1.56(m,1H),2.19−2.24(dd,1H),3.24(s,3H),3.36(s,3H),3.77−3.85(m,1H),3.90(s,3H),3.91(s,3H),6.85−6.89(m,1H),6.99−7.06(m,2H)ppm。
13C−NMR(100.6MHz,CDCl
3):δ=10.9,24.0,49.3,49.8,55.8,55.9,76.3,103.3,110.3,111.3,120.4,130.3,148.3,148.7ppm。
【0222】
実施例5:1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−ブタン−1−オンの調製
【化15】
1−(3,4−ジメトキシフェニル)−1,1−ジメトキシ−ブタン−2−オール(0.50g、1.9mmol)を1,4−ジオキサン(8mL)に溶解させた。塩酸(1M、0.14g、3.7mmol)を加え、この反応混合物を室温で6時間撹拌した。その後、反応混合物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。上記粗生成物をシリカゲル上での分取薄層クロマトグラフィ[c−C
6H
12/AcOEt、2:1 v:v]によって精製した。1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−ブタン−1−オンを無色の油状物として得た(0.28g、1.0mmol、55%収率)。
1H−NMR(400.1MHz,CDCl
3):δ=0.94−0.97(t,3H),1.57−1.73(m,1H),1.90−2.01(m,1H),3.73−3.74(d,1H),3.95(s,3H),3.97(s,3H),4.98−5.06(m,1H),6.91−6.95(m,1H),7.51−7.54(m,2H)ppm。
13C−NMR(100.6MHz,CDCl
3):δ=9.0,29.5,56.0,56.1,73.5,110.2,110.6,123.2,126.7,149.4,154.0,200.4ppm。
【0223】
実施例6:4−(1,1−ジメトキシ−2−ヒドロキシブチル)−フェニルモルホリンの調製
【化16】
ナトリウムメトキシド(メタノール中30%、4.71g、26.1mmol)、メタノール(4.5mL)、4−ブチリル−フェニルモルホリン(1.00g、4.29mmol)及びヘキサクロロエタン(3.79g、4.76mmol)の混合物を還流下で6時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水(25mL)に取り込み、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、溶媒を蒸発させた。4−(1,1−ジメトキシ−2−ヒドロキシブチル)−フェニルモルホリンを黄色油状物として得た(1.04g、3.52mmol、92%収率)。
1H−NMR(400.1MHz,CDCl
3):δ=0.91−0.95(t,3H),0.96−1.06(m,1H),1.46−1.55(m,1H),3.18−3.22(m,5H;2つの重なっているシグナル),3.23(s,3H),3.35(s,3H),3.79−3.84(m,1H),3.87−3.89(m,4H),6.88−6.91(m,2H),7.34−7.39(m,2H)ppm。
【0224】
実施例7:2−ヒドロキシ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オンの調製
【化17】
1,1−ジメトキシ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−2−オール(0.50g、1.7mmol)を1,4−ジオキサン(7.5mL)に溶解させた。塩酸(1M、0.13g、3.4mmol)を加え、この反応混合物を室温で6時間撹拌した。その後、反応混合物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。2−ヒドロキシ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オンを黄色油状物として得た(0.31g、1.0mmol、60%収率)。
1H−NMR(400.1MHz,CDCl
3):δ=0.89−0.92(t,3H),1.53−1.65(m,1H),1.82−1.96(m,1H),3.29−3.31(m,4H),3.42(幅広いs,1H),3.81−3.83(m,4H),4.91−4.97(m,1H),6.82−6.89(m,1H),7.77−7.86(m,2H)ppm。
13C−NMR(100.6MHz,CDCl
3):δ=8.9,29.3,47.4,66.5,73.3,113.1,122.8,123.8,130.3,130.6,154.7,199.7ppm。