(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
クローン病、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、全身性硬化症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、乾癬、慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患、特発性肺線維症、関節リウマチ、強皮症、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性湿疹、若年性関節リウマチ、若年性特発性関節炎、移植片対宿主病、乾癬性関節炎、結腸直腸癌又は膵癌関連新発症糖尿病を患っている患者を治療するための、請求項15に記載の医薬組成物。
【背景技術】
【0002】
2. 背景情報
バニン酵素のイソ型1及び2は、パンテチン及びパンテテインのパントテン酸とそれぞれシスタミン及びシステアミンへの分解を触媒するシングルドメインの細胞外パンテテイナーゼである(Martin, Immunogenetics, (2001 May-Jun) Vol. 53, No. 4, pp. 296-306)。システアミンの産生はIBD(Xavier, Nature. 2011 Jun 15;474 (7351):307-17)、癌(Sosa, Ageing research reviews, (2013 Jan) Vol. 12, No. 1, pp. 376-90)及び糖尿病(Lipinski, Journal of diabetes and its complications, (2001 Jul-Aug) Vol. 15, No. 4, pp.203-10)を含めた多くの病態の状態特徴であるグルタチオンレベル低下に起因する組織ストレスの酸化的増加に関連づけられてきた。
【0003】
腸上皮におけるバニン-1活性上昇は、マウスモデルにおいて酸化ストレスへの耐性を減じることによって組織の損傷及び炎症を助長すると関連づけられてきた(Naquet, Biochem Soc Trans.2014 Aug; 42(4):1094-100);(Berruyer, Molecular and cellular biology, (2004 Aug) Vol. 24, No. 16, pp. 7214-24);(Berruyer, The Journal of experimental medicine, (2006 Dec 25) Vol. 203, No. 13, pp. 2817-27);(Pouyet, Inflammatory bowel diseases, (2010 Jan) Vol. 16, No. 1, pp. 96-104)。ホモ接合VNN1ノックアウト(KO)マウスは、血液及び組織における認識できるレベルのシステアミンを欠き、酸化ストレスに対してグルタチオン媒介組織抵抗を示す(Berruyer, The Journal of experimental medicine, (2006 Dec 25) Vol. 203, No. 13, pp. 2817-27)。さらに、これらのマウスは、TNBS、DSS及び住血吸虫誘発大腸炎モデルにおいて腸管損傷から保護される(Berruyer, The Journal of experimental medicine, (2006 Dec 25) Vol. 203, No. 13, pp. 2817-27;Pouyet, Inflammatory bowel diseases, (2010 Jan) Vol. 16, No. 1, pp. 96-104;Martin, The Journal of clinical investigation, (2004 Feb) Vol. 113, No. 4, pp. 591-7)。げっ歯類はバニン-2を欠いていることを考えると、げっ歯類の唯一のシステアミン源はバニン-1由来なので、VNN1 KOマウスの保護表現型は、システアミンの欠如に起因する。
【0004】
ヒトでは、UC及びCD患者からの組織バイオプシーにおいて腸管上皮内でバニン-1が上方制御されることが観察され、VNN1発現増加をもたらすVNN1遺伝子の領域内の機能的多形がIBD感受性上昇に関連した(P=0.0003ヘテロ接合型対野生型)(Gensollen, Inflammatory bowel diseases, (2013 Oct) Vol. 19, No. 11, pp. 2315-25)。
さらに、皮膚及び血液中のバニン-1活性の上方制御は、全身性硬化症患者における線維症の発生及び重症度に関連づけられ(Kavian, Journal of immunology (Baltimore, Md.: 1950), (20161015) Vol. 197, No. 8, pp. 3326-3335)、バニン-1のレベル上昇が慢性若年性特発性血小板減少症(Zhang, Blood, (2011 Apr 28) Vol. 117, No. 17, pp. 4569-79)、乾癬及びアトピー性皮膚炎(Jansen, The Journal of investigative dermatology, (2009 Sep) Vol. 129, No. 9, pp.2167-74)において観察された。
バニン-1の発現及び活性の上昇は、膵癌関連新発症糖尿病にも存在し、それらのバイオマーカーとして役立ち(Kang, Cancer Letters (New York, NY, United States) (2016), 373(2), 241-250)、結腸直腸癌の治療に対する予後不良及び応答不良とも相関する(Chai, American journal of translational research, (2016) Vol. 8, No. 10, pp. 4455-4463)。
WO2018011681は、一連の疾患、例えばクローン病及び潰瘍性大腸炎の治療のためのバニン阻害薬を開示している。
【発明を実施するための形態】
【0048】
好ましい実施形態
本発明の別の実施形態では、Aは、下記式A.1の基を表す。
【0050】
本発明の別の実施形態では、
Aは、下記式A.1a〜A.1f
【0052】
から成る群より選択されるか
又はその医薬的に許容される塩である。
【0053】
本発明の別の実施形態では、Aは式A.1aである。
本発明の別の実施形態では、Aは式A.1bである。
本発明の別の実施形態では、Aは式A.1cである。
本発明の別の実施形態では、Aは式A.1dである。
本発明の別の実施形態では、Aは式A.1eである。
本発明の別の実施形態では、Aは式A.1fである。
本発明の別の実施形態では、Aは、式A.1b又はA.1cから成る群より選択される。
本発明の別の実施形態では、Aは、式A.1a又はA1.dから成る群より選択される。
本発明の別の実施形態では、Aは、式A.1e又はA.1fから成る群より選択される。
本発明の別の実施形態では、Aは下記式A.2の基を表す。
【0055】
本発明の別の実施形態では、
Aは、下記式A.2a〜A.2g
【0057】
から成る群より選択されるか
又はその医薬的に許容される塩である。
【0058】
本発明の別の実施形態では、Aは式A.2aである。
本発明の別の実施形態では、Aは式A.2bである。
本発明の別の実施形態では、Aは式A.2cである。
本発明の別の実施形態では、Aは式A.2dである。
本発明の別の実施形態では、Aは式A.2eである。
本発明の別の実施形態では、Aは式A.2fである。
本発明の別の実施形態では、Aは式A.2gである。
本発明の別の実施形態では、Aは、式A.2a及びA.2bから成る群より選択される。
本発明の別の実施形態では、Aは、式A.2c及びA.2dから成る群より選択される。
本発明の別の実施形態では、Aは、式A.2d及びA.2eから成る群より選択される。
本発明の別の実施形態では、Aは、式A.2f及びA.2gから成る群より選択される。
本発明の別の実施形態では、
Bは、下記B.1又はB.2を表す。
【0060】
本発明の別の実施形態では、
Bは下記B.1を表す。
【0062】
本発明の別の実施形態では、
Bは下記B.2を表す。
【0064】
本発明の別の実施形態では、
Bは下記B.3を表す。
【0066】
本発明の別の実施形態は、下記式IAの化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【0068】
本発明の別の実施形態は、下記式IBの化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【0070】
本発明の別の実施形態は、下記式ICの化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【0072】
本発明の別の実施形態は、下記式IDの化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【0074】
本発明の別の実施形態では、
各R
1及びR
2は、独立に、H、CH
3及び-CH
2OHから成る群より選択される。
本発明の別の実施形態では、
R
1は、H、CH
3及び-CH
2OHから成る群R
1aより選択される。
本発明の別の実施形態では、
R
1はR
1.bであり、R
1.bはHを表す。
本発明の別の実施形態では、
R
1はR
1cであり、R
1cはCH
3を表す。
本発明の別の実施形態では、
R
1はR
1Bであり、R
1Bは-CH
2OHを表す。
【0075】
本発明の別の実施形態では、
R
2は、H、CH
3及び-CH
2OHから成る群R
2aより選択される。
本発明の別の実施形態では、
R
2はR
2.bであり、R
2.bはHを表す。
本発明の別の実施形態では、
R
2はR
2cであり、R
2cはCH
3を表す。
本発明の別の実施形態では、
R
2はR
2dであり、R
2dは-CH
2OHを表す。
本発明の別の実施形態では、
R
1又はR
2はHを表す。
本発明の別の実施形態では、
R
1とR
2が一緒に3-4員炭素環を形成している。
本発明の別の実施形態では、
R
1とR
2が一緒にシクロプロピルを形成している。
本発明の別の実施形態では、
R
1とR
2が一緒にシクロブチルを形成している。
【0076】
本発明の別の実施形態では、
各R
3及びR
4は、独立に、H、C
1-3アルキル及びフェニルから成る群より選択される。
本発明の別の実施形態では、
R
3はR
3aであり、R
3aは、H、C
1-3アルキル及びフェニルから成る群より選択される。
本発明の別の実施形態では、
R
3はR
3bであり、R
3bはHを表す。
本発明の別の実施形態では、
R
3はR
3cであり、R
3cはフェニルである。
本発明の別の実施形態では、
R
3はR
3dであり、R
3dは、メチル、エチル及びプロピルから成る群より選択される。
本発明の別の実施形態では、
R
4はR
4aであり、R
4a は、H、C
1-3アルキル及びフェニルから成る群より選択される。
本発明の別の実施形態では、
R
4はR
4bであり、R
4bはHを表す。
本発明の別の実施形態では、
R
4はR
4cであり、R
4cはフェニルである。
本発明の別の実施形態では、
R
4はR
4dであり、R
4dは、メチル、エチル及びプロピルから成る群より選択される。
本発明の別の実施形態では、
R
3又はR
4はHを表す。
本発明の別の実施形態では、
R
3及びR
4はHを表す。
本発明の別の実施形態では、
R
3とR
4が一緒に3-4員炭素環を形成している。
本発明の別の実施形態では、
R
3とR
4が一緒にシクロプロピルを形成している。
本発明の別の実施形態では、
R
3とR
4が一緒にシクロブチルを形成している。
【0077】
本発明の別の実施形態では、
R
5及びR
6はHを表すか又は
R
5とR
6が一緒に3-4員炭素環を形成している。
本発明の別の実施形態では、
R
5及びR
6はHを表す。
本発明の別の実施形態では、
R
5とR
6が一緒に3-4員炭素環を形成している。
本発明の別の実施形態では、
R
5とR
6が一緒にシクロプロピルを形成している。
本発明の別の実施形態では、
R
5とR
6が一緒にシクロブチルを形成している。
本発明の別の実施形態では、
R
7は5-6員ヘテロアリールであるか又は
R
7は、下記式R
7.a、R
7.b及びR
7.cから成る群より選択される。
【0079】
本発明の別の実施形態では、
R
7はR
7dであり、R
7dは、C
1-3アルキル、ハロゲン及びC
1-3アルコキシから成る群より選択される。
本発明の別の実施形態では、
R
7はR
7eであり、R
7eは、R
7a、R
7b及びR
7cから成る群より選択される。
本発明の別の実施形態では、
R
7はR
7fであり、R
7fは、6員ヘテロアリールを表す。
本発明の別の実施形態では、
R
7はR
7gであり、R
7gはピリジニルを表す。
本発明の別の実施形態では、
R
7はR
7hであり、R
7hは5員ヘテロアリールを表す。
本発明の別の実施形態では、
R
8は、C
1-3アルキル、C
3-C
6シクロアルキル及び3-6員ヘテロシクリルから成る群より選択される。
本発明の別の実施形態では、
R
8はR
8aであり、R
8aは、メチル、シクロプロピル及びオキセタニルから成る群より選択される。
本発明の別の実施形態では、
R
8はR
8bであり、R
8bはメチルである。
本発明の別の実施形態では、
R
8はR
8cであり、R
8cはオキセタニルである。
本発明の別の実施形態では、
R
8はR
8dであり、R
8dはシクロプロピルである。
【0080】
本発明の別の実施形態では、
XはCH
2又はOである。
本発明の別の実施形態では、
XはCH
2である。
本発明の別の実施形態では、
XはOである。
下表は、式Iの化合物のさらなる実施形態I.1〜I.9を示す。
【0082】
下表は、式Iの化合物のさらなる実施形態I.16〜I.21を示す。
【0084】
A、B、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8及びXのいずれのそれぞれの定義を互いに組み合わせてよい。
本発明の好ましい実施形態は、下記式(I)
【0086】
の化合物であって、
式中、
Aが、下記式A.1又はA.2:
【0088】
の基であり;
Bが、下記式B.1、B.2及びB.3:
【0090】
から成る群より選択され;
各R
1及びR
2が、独立に、H、CH
3及び-CH
2OHから成る群より選択され;
各R
3及びR
4が、独立に、H、C
1-3アルキル及びフェニルから成る群より選択されるか又は
R
3とR
4が一緒にシクロプロピルを形成し;
R
5及びR
6がHを表すか又は
R
5とR
6が一緒にシクロプロピルを形成し;
R
7が6員ヘテロアリールであるか又は
R
7が、下記式R
7.a、R
7.b及びR
7.c
【0092】
から成る群より選択され;
R
8が、C
1-3アルキル、C
3-6シクロアルキル及び3-6員ヘテロシクリルから成る群より選択され;
XがCH
2又はOである、化合物
又はその医薬的に許容される塩である。
【0093】
本発明のさらに好ましい実施形態は、下記式(I)
【0095】
の化合物であって、
式中、
Aが、下記式A.1又はA.2:
【0097】
の基であり;
Bが、下記式B.1、B.2及びB.3:
【0099】
から成る群より選択され;
各R
1及びR
2が、独立に、H、CH
3及び-CH
2OHから成る群より選択され;
各R
3及びR
4が、独立に、H、C
1-3アルキル及びフェニルから成る群より選択されるか又は
R
3とR
4が一緒にシクロプロピルを形成し;
R
5及びR
6がHを表すか又は
R
5とR
6が一緒にシクロプロピルを形成し;
R
7がピリジニルであるか又は
R
7が、下記式R
7.a、R
7.b及びR
7.c
【0101】
から成る群より選択され;
R
8がR
8aであり、R
8aは、メチル、シクロプロピル及びオキセタニルから成る群より選択され;
XがCH
2又はOである、化合物
又はその医薬的に許容される塩である。
【0102】
本発明のさらなる好ましい実施形態は、式(I)の化合物であって、
式中、
AがA.2であり、
BがB.2であり、
R
1及びR
2が水素を表し、
R
3及びR
4が水素を表し、かつ
R
5とR
6が一緒にシクロプロピルを形成し、
R
7がR
7.aである、化合物である。
【0103】
本発明のさらなる好ましい実施形態は、式(I)の化合物であって、
式中、
AがA.1であり、
BがB.2であり、
R
1及びR
2が水素を表し、
R
3とR
4が一緒にシクロプロピルを形成し、かつ
R
7がR
7.aである、化合物である。
【0104】
本発明のさらなる好ましい実施形態は、下記例14、15、16、17、21、22、25、26、37及び42
【0106】
から成る群より選択される、式Iの上記化合物
又はその医薬的に許容される塩である。
*エナンチオマー的に純粋な化合物のピロリジン環の3位における立体化学は未決定。
【0107】
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例14、15、16、17、21、22、25、26、37及び42から成る群より選択される、式Iの上記化合物である。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例14の化合物である。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例15の化合物である。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例16の化合物である。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例17の化合物である。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例21の化合物である。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例22の化合物である。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例25の化合物である。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例26の化合物である。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例37の化合物である。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例42の化合物である。
【0108】
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例14、15、16、17、21、22、25、26、37及び42から成る群より選択される、式Iの上記化合物の医薬的に許容される塩である。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例14の医薬的に許容される塩である。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例15の医薬的に許容される塩である。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例16の医薬的に許容される塩である。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例17の医薬的に許容される塩である。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例21の医薬的に許容される塩である。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例22の医薬的に許容される塩である。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例25の医薬的に許容される塩である。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例26の医薬的に許容される塩である。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例37の医薬的に許容される塩である。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、例42の医薬的に許容される塩である。
【0109】
本発明のさらなる実施形態は、治療的に有効な量の、式Iの少なくとも1種の化合物又はその医薬的に許容される塩及び1種以上の医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物である。
本発明のさらなる実施形態は、薬物として使用するための式Iの化合物又はその医薬的に許容される塩である。
本発明のさらなる実施形態は、クローン病、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、全身性硬化症、非アルコール性脂肪性肝炎(Non-Alcoholic Steatohepathitis)(NASH)、乾癬、慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患、特発性肺線維症、関節リウマチ、強皮症、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性湿疹、若年性関節リウマチ、若年性特発性関節炎、移植片対宿主病、乾癬性関節炎、結腸直腸癌又は膵癌関連新発症糖尿病を患っている患者を治療するための式Iの化合物の使用である。
本発明のさらなる実施形態は、クローン病、潰瘍性大腸炎、全身性硬化症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、慢性閉塞性肺疾患又はアトピー性皮膚炎、好ましくはクローン病、潰瘍性大腸炎、全身性硬化症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)又はアトピー性皮膚炎、特に好ましくはクローン病又は潰瘍性大腸炎を患っている患者を治療するための式Iの化合物の使用である。
本発明のさらなる実施形態は、中等症乃至重症クローン病を患っている患者を治療するための式Iの化合物の使用である。
本発明のさらなる実施形態は、潰瘍性大腸炎を患っている患者を治療するための式Iの化合物の使用である。
本発明のさらなる実施形態は、アトピー性皮膚炎を患っている患者を治療するための式Iの化合物の使用である。
【0110】
さらなる実施形態において、クローン病、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、全身性硬化症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、乾癬、慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患、特発性肺線維症、関節リウマチ、強皮症、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性湿疹、若年性関節リウマチ、若年性特発性関節炎、移植片対宿主病、乾癬性関節炎、結腸直腸癌及び膵癌関連新発症糖尿病の治療方法であって、治療的に有効な量の、第1の実施形態若しくはその関連実施形態のいずれかに従う化合物又はその医薬的に許容される塩を患者に投与することを含む方法を提供する。
さらなる実施形態において、本明細書で以下に示す方法による第1の実施形態又はその関連実施形態のいずれかに従う化合物の調製方法を提供する。
実際の医薬的に有効な量又は治療用量は通常は当業者に知られている因子、例えば患者の年齢と体重、投与経路及び疾患の重症度等によって決まることになる。いずれの場合も、患者特有の状態に基づいて医薬的に有効な量を送達できる用量及び様式で化合物を投与することになる。
本発明のさらなる実施形態は、式Iの化合物に加えて、免疫調節薬、抗炎症薬、又は化学療法薬から成る群より選択される医薬的に活性な化合物を含む医薬組成物である。該薬剤の例としては、限定するものではないが、シクロホスファミド、ミコフェノラート (MMF)、ヒドロキシクロロキン、グルココルチコイド、コルチコステロイド、免疫抑制薬、NSAID、非特異的及びCOX-2特異的シクロオキシゲナーゼ酵素阻害薬、腫瘍壊死因子受容体(TNF)受容体拮抗薬及びメトトレキサートが挙げられるが、2又は3種の活性物質の組み合わせもある。
【0111】
定義
ここで具体的に定義しない用語は、本開示全体及び本文を全体として考慮して当業者に明らかな意味を有する。
本明細書で使用する場合、特に断りのない限り、下記定義が当てはまる。
接頭辞C
x-y(x及びyは、それぞれ自然数を表す)の使用は、直接の関連で特定及び言及した全体としての鎖構造若しくは環構造又は鎖構造と環構造の組み合わせが、最大y個及び最小x個の炭素原子から成り得ることを指し示す。
サブ式ではアスタリスクを用いてコア分子に定義どおりに連結される結合を指し示すことができる。
本明細書で使用する用語「置換される」とは、指定原子の任意の1つ以上の水素が、指定原子の通常の原子価を超えず、かつ置換が安定化合物をもたらすという条件で指示群からの選択肢に置き換えられることを意味する。
【0112】
アルキルは、直鎖(非分岐)形でも分岐形でも存在し得る一価の飽和炭化水素鎖を意味する。アルキルが置換される場合、置換は、全ての水素保有炭素原子について、互いに独立に、いずれの場合も単置換又は多置換により起こり得る。
例えば、用語「C
1-5アルキル」には、例えばH
3C-、H
3C-CH
2-、H
3C-CH
2-CH
2-、H
3C-CH(CH
3)-、H
3C-CH
2-CH
2-CH
2-、H
3C-CH
2-CH(CH
3)-、H
3C-CH(CH
3)-CH
2-、H
3C-C(CH
3)
2-、H
3C-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-、H
3C-CH
2-CH
2-CH(CH
3)-、H
3C-CH
2-CH(CH
3)-CH
2-、H
3C-CH(CH
3)-CH
2-CH
2-、H
3C-CH
2-C(CH
3)
2-、H
3C-C(CH
3)
2-CH
2-、H
3C-CH(CH
3)-CH(CH
3)-及びH
3C-CH
2-CH(CH
2CH
3)-が含まれる。
【0113】
アルキルのさらなる例は、メチル(Me;-CH
3)、エチル(Et;-CH
2CH
3)、1-プロピル(n-プロピル;n-Pr;-CH
2CH
2CH
3)、2-プロピル(i-Pr;イソプロピル;-CH(CH
3)
2)、1-ブチル(n-ブチル;n-Bu;-CH
2CH
2CH
2CH
3)、2-メチル-1-プロピル(イソブチル;i-Bu;-CH
2CH(CH
3)
2)、2-ブチル(sec-ブチル;sec-Bu;-CH(CH
3)CH
2CH
3)、2-メチル-2-プロピル(tert-ブチル;t-Bu;-C(CH
3)
3)、1-ペンチル(n-ペンチル;-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3)、2-ペンチル(-CH(CH
3)CH
2CH
2CH
3)、3-ペンチル(-CH(CH
2CH
3)
2)、3-メチル-1-ブチル(イソペンチル;-CH
2CH
2CH(CH
3)
2)、2-メチル-2-ブチル(-C(CH
3)
2CH
2CH
3)、3-メチル-2-ブチル(-CH(CH
3)CH(CH
3)
2)、2,2-ジメチル-1-プロピル(ネオペンチル;-CH
2C(CH
3)
3)、2-メチル-1-ブチル(-CH
2CH(CH
3)CH
2CH
3)、1-ヘキシル(n-ヘキシル;-CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3)、2-ヘキシル(-CH(CH
3)CH
2CH
2CH
2CH
3)、3-ヘキシル(-CH(CH
2CH
3)(CH
2CH
2CH
3))、2-メチル-2-ペンチル(-C(CH
3)
2CH
2CH
2CH
3)、3-メチル-2-ペンチル(-CH(CH
3)CH(CH
3)CH
2CH
3)、4-メチル-2-ペンチル(-CH(CH
3)CH
2CH(CH
3)
2)、3-メチル-3-ペンチル(-C(CH
3)(CH
2CH
3)
2)、2-メチル-3-ペンチル(-CH(CH
2CH
3)CH(CH
3)
2)、2,3-ジメチル-2-ブチル(-C(CH
3)
2CH(CH
3)
2)、3,3-ジメチル-2-ブチル(-CH(CH
3)C(CH
3)
3)、2,3-ジメチル-1-ブチル(-CH
2CH(CH
3)CH(CH
3)CH
3)、2,2-ジメチル-1-ブチル(-CH
2C(CH
3)
2CH
2CH
3)、3,3-ジメチル-1-ブチル(-CH
2CH
2C(CH
3)
3)、2-メチル-1-ペンチル(-CH
2CH(CH
3)CH
2CH
2CH
3)、3-メチル-1-ペンチル(-CH
2CH
2CH(CH
3)CH
2CH
3)、1-ヘプチル(n-ヘプチル)、2-メチル-1-ヘキシル、3-メチル-1-ヘキシル、2,2-ジメチル-1-ペンチル、2,3-ジメチル-1-ペンチル、2,4-ジメチル-1-ペンチル、3,3-ジメチル-1-ペンチル、2,2,3-トリメチル-1-ブチル、3-エチル-1-ペンチル、1-オクチル(n-オクチル)、1-ノニル(n-ノニル); 1-デシル(n-デシル)等である。
用語プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等は、いずれのさらなる定義もなければ、全ての異性形を含め、対応数の炭素原子を有する飽和炭化水素基を意味する。
アルキルの上記定義は、アルキルが、例えばC
x-y アルキルアミノ又はC
x-yアルコキシのように別の(結合)基の一部である場合にも当てはまる。
【0114】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素原子に関する。
シクロアルキルは、部分群単環式炭化水素環、二環式炭化水素環及びスピロ炭化水素環で構成される。これらの系は飽和している。二環式炭化水素環では、2つの環が少なくとも2個の炭素原子を一緒に持つように、2つの環が結合している。
単独又は別の基と組み合わせた用語「C
3-nシクロアルキル」(nは4〜nの整数である)は、3〜n個のC原子を有する環式飽和非分岐炭化水素基を意味する。例えば用語C
3-7シクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルが含まれる。
シクロアルキルが置換される場合、置換は、全ての水素保有炭素原子について、互いに独立に、いずれの場合も単置換又は多置換の形態で起こり得る。シクロアルキル自体は、環系のあらゆる適切な位置を介して分子に置換基として連結され得る。
シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルである。
対応基は下記例である。
【0116】
スピロ環は、1個の炭素原子(スピロ原子)が2つの環に共に属するスピロ炭化水素環である。
アリールは、少なくとも1つの芳香族炭素環を有する単環式、二環式又は三環式炭素環を意味する。好ましくは、アリールは、6個の炭素原子を有する単環式基(フェニル)又は9若しくは10個の炭素原子を有する二環式基(2つの6員環又は1つの6員環と5員環)を意味し、二環式環では、第2の環は芳香族であってもよいが、飽和又は部分的に飽和していてもよい。
アリールが置換される場合、置換は、全ての水素保有炭素原子について、互いに独立に、いずれの場合も単置換又は多置換の形態で起こり得る。
アリール自体は、環系のあらゆる適切な位置を介して分子に置換基として連結され得る。
アリールの例は、フェニル及びナフチルである。
アリールの上記定義は、例えばアリールアミノ、アリールオキシ又はアリールアルキルにおけるように、アリールが別の(結合)基の一部である場合にも当てはまる。
【0117】
用語ヘテロ環又はヘテロシクリルは、前に定義したシクロアルキル又はスピロ環から、炭化水素環内の1つ以上の基-CH
2-を互いに独立に基-O-、-S-又は-NH-に置き換えることによって得られる環系を意味する。この場合、全部で5個以下のヘテロ原子が存在してよく、2個の酸素原子間及び2個の硫黄原子間又は1個の酸素原子と1個の硫黄原子との間には少なくとも1個の炭素原子が存在することができ、環は全体として化学的安定性を持たなければならない。ヘテロ原子は、場合により全ての可能な酸化状態(硫黄→スルホキシド-SO-、スルホン-SO
2-;窒素→N-オキシド)で存在し得る。
ヘテロシクリルが置換される場合、置換は、全ての水素保有炭素及び/又は窒素原子について、互いに独立に、いずれの場合も単置換又は多置換の形態で起こり得る。ヘテロシクリル自体は、環系のあらゆる適切な位置を介して分子に置換基として連結され得る。
ヘテロシクリルの例は、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、又は下記ヘテロ環式スピロ環である。
【0119】
ヘテロアリールは、対応アリール又はシクロアルキルと比べて、1個以上の炭素原子に代えて、窒素、硫黄及び酸素の中から互いに独立に選択される1個又は複数個の同一若しくは異なるヘテロ原子を有する単環式ヘテロ芳香環又は少なくとも1つのヘテロ芳香環を有する多環式環を意味し、結果として生じる基は化学的に安定でなければならない。ヘテロアリールが存在するための必要条件は、ヘテロ原子及びヘテロ芳香族系である。
ヘテロアリールが置換される場合、置換は、全ての水素保有炭素及び/又は窒素原子について、互いに独立に、いずれの場合も単置換又は多置換の形態で起こり得る。ヘテロアリール自体は、炭素でも窒素でも環系のあらゆる適切な位置を介して分子に置換基として連結され得る。
ヘテロアリールの例は、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンゾオキサゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル等である。
従って、用語「ヘテロアリール」には下記例示構造が含まれる。なお、各形態は妥当な原子価が維持される限り、場合によりいずれの原子にも共有結合によって付着されるので遊離基として描いてない。
【0121】
ヘテロ原子は、場合により全ての可能な酸化状態(硫黄→スルホキシド-SO-、スルホン-SO
2-;窒素→N-オキシド)で存在し得る。
炭素環としては、3〜12個の炭素原子を含有する炭化水素環がある。これらの炭素環は、芳香族又は非芳香族環系のどちらでもよい。非芳香族環系は、単置換又は多置換され得る。好ましい炭素環としては、限定するものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプタニル、シクロヘプテニル、フェニル、インダニル、インデニル、ベンゾシクロブタニル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル、ナフチル、デカヒドロナフチル、ベンゾシクロヘプタニル及びベンゾシクロヘプテニルが挙げられる。
このセクションで上述した全ての環式及び非環式系は、可能な場合、かつ特に断りのない限り、場合により部分的又は完全にハロゲン化されるものと理解すべきである。
【0122】
立体化学/溶媒和物/水和物:特に断りのない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲全体を通じて、所与の化学式又は化学名はその互変異性体並びに全ての立体異性体、光学異性体及び幾何異性体(例えばエナンチオマー、ジアステレオマー、E/Z異性体等)及びラセミ体のみならず、別々のエナンチオマーの異なる比率の混合物、ジアステレオマーの混合物、又は該異性体及びエナンチオマーが存在する前記形態のいずれもの混合物、並びに医薬的に許容される塩を含めた塩を包含するものとする。本発明の化合物及び塩は、非溶媒和形のみならず、例えば水、エタノール等の医薬的に許容される溶媒との溶媒和形で存在することができる。一般に、水和物等の溶媒和形は、本発明の目的では非溶媒和形に等価とみなされる。
【0123】
本発明の化合物には、それらの同位体標識形も含まれる。本発明の組み合わせの活性薬の同位体標識形は、前記活性薬の1個以上の原子が、前記原子の通常は自然に見られる原子質量又は質量数と異なる原子質量又は質量数を有する原子(複数可)に置き換えられたことを別にすれば前記活性薬と同一である。容易に商業的に入手可能であり、かつ確立された手順に従って本発明の組み合わせの活性薬に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位体、例えばそれぞれ
2H、
3H、
13C、
14C、
15N、
18O、
17O、
31P、
32P、
35S、
18F、及び
36Clが挙げられる。上記同位体及び/又は他の原子の他の同位体を含有する本発明の組み合わせの活性薬、そのプロドラッグ、又はどちらかの医薬的に許容される塩は、本発明の範囲内であると企図される。
【0124】
一般に、当業者に知られる合成原理に従って、例えば対応混合物の分離によって、立体化学的に純粋な出発物質を使用することによって及び/又は立体選択的合成によって実質的に純粋な立体異性体を得ることができる。ラセミ形の分割によって又は例えば光学活性出発物質から出発する合成によって及び/又はキラル試薬を使用することによってのような光学活性形の調製方法は技術上周知である。
本発明のエナンチオマー的に純粋な化合物若しくは中間体は、不斉合成を経て、例えば公知の方法(例えばクロマトグラフ分離又は結晶化)で分離できる適切なジアステレオマー化合物若しくは中間体の調製後の分離によって及び/又はキラル試薬、例えばキラル出発物質、キラル触媒若しくはキラル補助剤を使用することによって調製可能である。
さらに、当業者は、キラル固定相上での対応ラセミ混合物のクロマトグラ分離によって;又は適切な分割剤を使用するラセミ混合物の分割によって、例えばラセミ化合物と光学活性酸若しくは塩基とのジアステレオマー塩形成後の塩の分割及び塩からの所望化合物の遊離を利用して;又は対応ラセミ化合物の光学活性キラル補助試薬による誘導体化後のジアステレオマー分離及びキラル補助基の除去によって;又はラセミ体の速度論的分割によって(例えば酵素分割によって);又は適切な条件下でのエナンチオマー結晶の集合体からのエナンチオ選択的結晶化によって;又は光学活性キラル補助剤の存在下での適切な溶媒からの(分別)結晶化によってのようなエナンチオマー的に純粋な化合物を対応ラセミ混合物から調製する方法を知っている。
【0125】
塩:本明細書では「医薬的に許容される」という表現を用いて、堅実な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題若しくは合併症なしで、ヒト及び動物の組織と接触しての使用に適しており、かつ妥当な利益/危険比で釣り合っている当該化合物、物質、組成物、及び/又は剤形を指す。
本明細書で使用する場合、「医薬的に許容される塩」は、親化合物の酸塩又は塩基塩、好ましくは酸塩を作り出すことによって親化合物が修飾されている、開示化合物の誘導体を指す。医薬的に許容される塩の例としては、限定するものではないが、アミン等の塩基性残基の鉱酸塩又は有機酸塩;カルボン酸等の酸性残基のアルカリ塩又は有機塩等が挙げられる。
例えば、該塩としては、酢酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩、酒石酸水素塩、臭化物/臭化水素酸塩、エデト酸Ca/エデト酸塩、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物/塩酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エタンエタンジスルホン酸塩、エストラート(estolate)、エシラート(esylate)、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、グリコリルアルスニラート(glycollylarsnilate)、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、ヒドロキシマレイン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、粘液酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、フェニル酢酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、スルファミド、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トルエンスルホン酸塩、トリエチオジド、アンモニウム塩、ベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン及びプロカインが挙げられる。
【0126】
例えば、該塩には、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、ゲンチジン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、4-メチル-ベンゼンスルホン酸、リン酸、サリチル酸、コハク酸、硫酸及び酒石酸からの塩が含まれる。
さらなる医薬的に許容される塩は、アンモニア、L-アルギニン、カルシウム、2,2’-イミノビスエタノール、L-リシン、マグネシウム、N-メチル-D-グルカミン 、カリウム、ナトリウム及びトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタンからのカチオンと形成可能である。
さらなる医薬的に許容される塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛等のような金属からのカチオンと形成可能である(Pharmaceutical salts, Birge, S.M. et al., J. Pharm. Sci., (1977), 66, 1-19をも参照されたい)。
【0127】
本発明の医薬的に許容される塩は、塩基性又は酸性部分を含有する親化合物から通常の化学的方法によって合成可能である。一般的に、該塩は、水中又はエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、若しくはアセトニトリル、又はその混合物のような有機希釈剤中でこれらの化合物の遊離酸形又は遊離塩基形を十分な量の適切な塩基又は酸と反応させることによって調製可能である。
上記酸以外の例えば本発明の化合物を精製又は単離するのに役立つ酸の塩(例えばトリフルオロ酢酸塩)も、本発明の一部を構成する。
いくつかの省略表示法及びそれらの構造対応関係を以下に列挙する。
例えば下記のような表示において
【0129】
実線は、環系が炭素原子1、2又は3を介して分子に付着することができ、従って下記表示に等しいことを意味する。
【0131】
本発明の目的で治療的に有効な量は、病気の症状を取り除くことができるか又はこれらの症状を軽減できるか、或いは治療患者の生存期間を延長する物質の量を意味する。
略語のリスト
【0133】
本発明の特徴及び利点は、本発明の範囲を限定することなく本発明の基礎を例として説明する下記詳細例から明らかになる。
本発明の化合物の調製
一般的合成方法
本発明の化合物及びそれらの中間体は、当業者に知られ、有機合成の文献に記載されている合成方法を利用して得ることができる。好ましくは、本化合物は、以下にさらに完全に説明する調製方法に類似の様式で、特に実験セクションの記載どおりに得られる。場合によっては、反応工程を行なう順序を変えてよい。当業者に知られているが、本明細書に詳述されていない反応方法の変形を利用してよい。
【0134】
下記スキームを研究すれば、当業者には本発明の化合物の一般的調製方法が明らかになる。出発物質は、文献又は本明細書に記載の方法によって調製可能であり、或いは類似又は同様の方法で調製し得る。出発物質又は中間体のいずれの官能基をも通常の保護基を用いて保護してよい。これらの保護基は、反応シーケンス内の適切な段階で当業者が精通している方法を用いて再び切断し得る。
最適な反応条件及び反応時間は、使用する特定の反応体に応じて変動し得る。特に断りのない限り、当業者は、溶媒、温度、圧力及び他の反応条件を容易に選択することができる。合成例セクションで具体的手順を提供する。中間体及び生成物は、シリカゲルクロマトグラフィー、再結晶及び/又は逆相HPLC(RHPLC)により精製し得る。個別エナンチオマーは、キラルHPLCを用いてラセミ生成物の分割によって得ることができる。RHPLC精製方法は、0.1%のギ酸、0.1%のTFA、又は2.5mMの炭酸水素アンモニウム水溶液を含有する水中0〜100%の範囲でアセトニトリルを使用し、下記カラムの1つを使用した。
a) Waters Sunfire OBD C18 5μm 30×150mmカラム
b) Waters XBridge OBD C18 5μm 30×150mmカラム
c) Waters ODB C8 5μm 19×150mmカラム
d) Waters Atlantis ODB C18 5μm 19×50mmカラム
e) Waters Atlantis T3 OBD 5μm 30×100mmカラム
f) Phenomenex Gemini Axia C18 5μm 30×100mmカラム
g) Kinetex 1.7um EVO C18、50×2.1mm
【0135】
HPLC方法:
表1:分析HPLC方法A
【0139】
表5:分析HPLC方法E(Z017_S04)
【0140】
表6:分析HPLC方法F(Z018_S04)
【0141】
表7:分析HPLC方法G (Z0111_S03)
【0143】
本発明の化合物は、後述する合成方法により調製される。これらの方法における一般式の置換基は前述の意味を有する。これらの方法は、本発明の主題及び請求項に係る化合物の範囲をこれらの例に限定せずに本発明を説明する意図である。出発化合物の製法を記載していない場合、それらは商業的に得ることができるか或いは公知化合物又は本明細書に記載の方法に類似して調製可能である。文献記載の物質は、公表された合成方法に従って調製される。
式Iの化合物は、下記スキームIに示すように調製し得る。
スキームI:
【0145】
スキームIにおいて、ピリジンAを適切な塩基とハロゲン化剤(X
2はブロモ、クロロ、又はヨードである)で処理してピリジンBを生成し、これを適切な塩基と、脱離基(LG)を含有するBoc保護アミンとで処理してCが得られる。Cの脱保護後のパラジウム触媒分子内環化によりヘテロ環Dが得られる。ヘテロ環Dのエステルの加水分解後のアミドカップリング工程により一般式(I)の化合物が得られる。
【実施例】
【0146】
合成例:
方法A
中間体I-1の合成
【0147】
【化45】
【0148】
水(1.3L)中のR-1(103g、671mmol)の溶液にNa
2CO
3(149g、1410mmol)、次いでヨウ素 (170g、671mmol)を加える。反応を周囲温度で一晩撹拌してから濃HClで中和する。固体を濾過し、収集し、乾燥させてI-1(161g、86%)が得られる。m/z = 280.7 [M+H], R
f= 0.4 (SiO2, EtOAc/石油エーテル 3/7)。
【0149】
方法B
中間体I-2の合成
【0150】
【化46】
【0151】
R-1(5.00g、33mmol)を含有する冷却(0℃)容器に次亜塩素酸ナトリウム水溶液(6wt%) (30mL)を加える。混合物を30分間撹拌してから1M HCl水溶液(50mL)で処理して一晩撹拌する。追加の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の添加後に8時間撹拌してから固体を濾過し、収集し、乾燥させてI-2(1.8g、27%)を得る。m/z = 188.0 [M+H], R
f= 0.6 (SiO2, EtOAc/石油エーテル 1/1)。
【0152】
方法C-1
中間体I-5の合成
【0153】
【化47】
【0154】
I-2(100mg、0.53mmol)、R-2(111mg、0.59mmol)、及びトリフェニルホスフィン(210mg、0.80mmol)の混合物をDEAD(0.13mL、0.80mmol)周囲温度で2時間撹拌する。混合物を濃縮してからフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hep中0〜20%のEtOAc)で精製してI-3(181mg、95%)を得る。I-3(181mg、0.5mmol)のジオキサン(4mL)中の溶液をジオキサン中4.0MのHCl溶液(1.0mL)で処理する。混合物を真空中で濃縮して遊離アミン(114mg、0.44mmol)を得、これをジオキサン(10mL)に溶かしてからPd
2(dba)
3(40mg、0.044mmol)、9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(51mg、0.088mmol)及びCs
2CO
3(431mg、1.3mmol)で処理する。混合物を80℃で一晩加熱してから冷まして水中に注ぎ(pured)、EtOAcで抽出し、真空中で濃縮してI-4とI-5の混合物を得る。混合物をMeOH(1mL)、水(0.25mL)及びLiOH-H
2O(10mg)で処理し、60℃で4時間加熱する。混合物を周囲温度に冷ましてから水中に注ぎ、1M HCl水溶液で酸性にし、EtOAcで抽出して真空中での濃縮後にI-5(105mg、84%)を得る。m/z = 209.02 [M+H], RT = 0.41分 (HPLC方法A)。
同様の方法で適切なBoc保護アミノアルコールから下記中間体を調製する。
【0155】
【化48】
【0156】
方法C-2
中間体I-16の合成
【0157】
【化49】
【0158】
5-ヒドロキシ-6-ヨードピリジン-3-カルボン酸メチル(6.66g;23.9mmol;)とDMF(45ml)の混合物にrtでK
2CO
3(3.63g;26.3mmol)を加えて混合物をrtで5分間撹拌した後に4,4-ジメチル-2,2-ジオキソ-オキサチアゾリジン-3-カルボン酸tert-ブチル(4.50g;17.9mmol)を加えて反応を70℃に加熱する。1.5時間の撹拌後に混合物をrtに冷ましてさらに4.50g(17.9mmol)の4,4-ジメチル-2,2-ジオキソ-オキサチアゾリジン-3-カルボン酸tert-ブチルを加える。反応温度を再び70℃に上昇させて一晩撹拌を続ける。反応混合物をrtに冷まして600mLの水上に注ぐ。水層をEtOAcで2回抽出する。有機層を混ぜ合わせ、K
2CO
3水溶液(15%)で洗浄し、活性炭で濾過し、真空中で溶媒を除去する。残留粗生成物をさらに精製せずに使用する。
上記粗生成物を140mLのDCMに加えてrtで撹拌した後に28mLのTFAを加える。rtで2時間撹拌を続ける。次に溶媒を真空中で除去し、残渣に50mLのNaHCO
3飽和水溶液を加える。さらに固体NaHCO
3(5g)を加える。
そして水性混合物を150mLのEtOAcで2回抽出する。有機層を混ぜ合わせて溶媒を真空中で除去する。残留粗生成物をジイソプロピルエーテルと粉砕する。
m/z = 351 [M+H], RT = 0.73分 (HPLC方法E)
【0159】
上記生成物をジオキサン(112mL)に加え、20.4g(62,5mmol)の炭酸セシウムを入れる。脱気後、1.94gのPd2(dba)3(2.09mml)及び1.21g(2.09)のキサントホスを加えて混合物を70℃で3時間撹拌する。その後、反応混合物を500mLの水上に注き、EtOAcで2回抽出する。有機層を混ぜ合わせ、活性炭で濾過し、溶媒を真空中で除去する。残留粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/EtOAc70/30→50/50)で精製する。
m/z = 223 [M+H], RT = 0.68分(HPLC方法E)
上記生成物(1.90g、8.55mmol)を25mLの水中307.8mgのLiOH(12.8mmol)の溶液に加える。次に30mLのメタノールを加える。混合物を50℃で3時間撹拌する。メタノールを真空中で除去し、混合物をさらに50mLの水で希釈する。その後、12.8mLのHCl水溶液(濃度=1mol/L)を加え、氷浴を用いて混合物を冷却し、30分間撹拌する。その後、沈殿物を濾過し、冷却水で洗浄し、40℃で48時間にわたって真空中で乾燥させてI-16を得る(1.90g、7.73mmol)。
m/z = 209 [M+H], RT = 0.58分(HPLC方法E)
【0160】
方法D
中間体I-20の合成
【0161】
【化50】
【0162】
アセトン(1L)とDMF(60mL)中のI-1(40g、143mmol)の溶液にK
2CO
3(59g、430mmol)及びR-3(52g、208mmol)を加える。混合物を70℃で一晩加熱してから周囲温度に冷ましてゆっくり水(2.5L)に加える。残留固体を濾過し、収集し、乾燥させてI-17(53g、83%)を得る。CH
2Cl
2(500mL)中のI-17(53g、119mmol)の溶液にTFA(104g、913mmol)を加える。混合物を周囲温度で一晩撹拌してから真空中で濃縮して遊離アミンI-18(33.6g、81%)を得る。m/z = 349 [M+H], RT = 0.70分(HPLC方法E)。
アミンI-18(66g、190mmol)をジオキサン(300mL)に溶かしてからPd
2(dba)
3(8.7g、9.5mmol)、9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(11g、19mmol)及びCs
2CO
3(185g、569mmol)で処理し、100℃で1時間加熱する。混合物を周囲温度に冷ましてからEtOAc(500mL)で希釈し、セライトを通して濾過し、真空中で濃縮する。残渣をCH
2Cl
2中10%のMeOH(100mL)に溶かし、2Lの10%MeOH(CH
2Cl
2中)で溶出するシリカゲルのパッドを通して濾過してしてから真空中で濃縮する。残渣をCH
2Cl
2(150mL)に溶かして1.5Lのヘプタン中にゆっくり注ぐ。結果として生じる固体を濾過し、収集し、乾燥させてI-19(27.3g、65%)を得る。エステルI-19(27.3g、124mmol)をTHF(200mL)と水(100mL)に溶かしてLiOH(5.9g、248mmol)で処理する。混合物を周囲温度で一晩撹拌してからTHFを真空中で除去し、固体を濾過する。水性濾液を中性になるまで4M HClで酸性化し、固体を濾過する。全ての固体を収集し、乾燥させてI-20(21.4g、84%)を得る。m/z = 207.9 [M+H], RT = 0.59分(HPLC方法E)
同様の方法で適切なBoc保護アミノアルコールから下記中間体を調製する。
【0163】
【化51】
【0164】
方法E
中間体I-25の合成
【0165】
【化52】
【0166】
I-1(80g、287mmol)とR-4(63.5g、315mmol)のTHF(900mL)中の溶液にトリフェニルホスフィン(113g、430mmol)とDEAD(196mL、430mmol)のTHF(300mL)中の溶液を加える。混合物を周囲温度で1時間撹拌してから真空中で濃縮する。残渣をEt
2O(600mL)と粉砕し、シリカゲルのパッドを通して濾過する。濾液を濃縮してからEtOAc (200mL)と粉砕する。固体を濾過し、収集し、乾燥させてI-22(102g、77%)を得る。I-22(102g、221mmol)のMeOH(200mL)中の溶液にTFA(1L)を加える。混合物を60℃で4時間加熱してから真空中で濃縮して得られる残渣をEt
2Oと粉砕する。結果として生じる固体を濾過し、収集し、乾燥させてTFA塩I-23(101g、96%)を得る。m/z = 363.2 [M+H], RT = 0.38分(HPLC方法A)
I-23(50g、106mmol)のDMA(500mL)中の溶液にCs
2CO
3(93g、285mmol)、次いでPd(OAc)
2(1.9g、8.5mmol)及び9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(4.9g、8.5mmol)を加える。混合物を90℃で2時間加熱してから冷まし、セライトを通して濾過する。濾液を真空中で濃縮してからHep中25%のEtOAcを用いてシリカゲルのパッドを通して濾過する。濾液を真空中で濃縮してからEt
2O/Hepと粉砕する。固体を濾過し、収集し、乾燥させてI-24(17g、69%)を得る。I-24(45g、192mmol)のEtOH (600mL)中の溶液をLiOH(6g、251mmol)で処理し、混合物を80℃で1時間加熱してから冷却し、濾過して不溶物を除去する。濾液を濃縮し、結果として生じる固体をEtOAcと粉砕してから固体を濾過し、収集し、乾燥させてI-25(43g、99%)を得る。m/z = 221.1 [M+H], RT = 0.62分(HPLC方法F)。
同様の方法で適切なBoc保護アミノアルコールから下記中間体を調製する。
【0167】
【化53】
【0168】
方法F
中間体I-28の合成
【0169】
【化54】
【0170】
CH
2Cl
2(80mL)と50%NaOH水溶液(21mL)中のR-5(10.0g、54mmol)の溶液にR-6(6.8g、48mmol)を加える。混合物を3時間撹拌してから水酸化テトラブチルアンモニウムの1.5M水溶液(36mL)で処理してさらに15時間撹拌する。次に混合物を水で希釈し、CH
2Cl
2で抽出し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して得られる残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、CH
2Cl
2中1.5%のMeOH)で精製してI-27(10g、73%)を得る。m/z = 255.0 [M+H], RT = 0.83分(HPLC方法G)。
BocアミンI-27(82g、322mmol)をジオキサン(150mL)に溶かし、ジオキサン中4.0MのHCl溶液(240mL)で処理する。混合物を4時間撹拌してから揮発性物質を真空中で除去してI-28(58.4g、95%)を得る。m/z = 155.0 [M+H], RT = 0.27分(HPLC方法G)
同様の方法でクロロギ酸2-クロロエチルから下記中間体を調製する。
【0171】
【化55】
【0172】
方法G
例21の合成
【0173】
【化56】
【0174】
I-20(50.0g、242mmol)のDMF(500mL)中の溶液にR-7(47.7g、267mmol)、TEA(73.6g、727mmol)、及びHATU(101g、267mmol)を加える。混合物 を一晩撹拌してからセライトを通して濾過し、真空中で濃縮する。残渣をEtOAc、次でEtOAc中15%のMeOHで溶出するシリカゲルのパッドを通して精製して得られる残渣をKP-NH シリカゲルのパッドを通してEtOAc中10%のMeOHで溶出する。SFCで精製(Luna HILICカラム、40℃及び140バールでCO
2中20%のIPA)してEx21(21.6g、28%)を得る。
方法C〜Eの適切な中間体から同様に下記例を作製する:Ex1、2、4、9、13、14、29、30、31、32、35、41.
方法H
例37の合成
【0175】
【化57】
【0176】
I-25(79g、359mmol)、HATU(150g、395mmol)及びR-7(83g、466mmol)のDMA(400mL)中の溶液にTEA(99mL、717mmol)を加える。混合物を30分間撹拌してから真空中で濃縮して得られる残渣をシリカゲルのパッドを通してEtOAcで溶出する。揮発性物質の除去後に結果として生じる残渣をKP-NHシリカゲルのパッドを通してEtOAc中10%のMeOHで溶出する。揮発性物質の除去後に結果として生じる残渣をアセトンと粉砕してから固体を濾過し、収集し、乾燥させてEx37(40g、32%)を得る。
方法C〜Eの適切な酸中間体から同様に下記例を作製する:Ex42。
【0177】
方法I
例3の合成
【0178】
【化58】
【0179】
マイクロ波バイアルにR-8(100mg、0.47mmol)、R-9(44mg、0.047mmol)、HP(t-Bu)
3-BF
4(27mg、0.093mmol)、Mo(CO)
6(123mg、0.47mmol)及びピペリジン(0.14mL、1.4mmol)を添加する。内容物をジオキサン(3mL)に溶かしてからDBU(0.14mL、0.93mmol)及びDIEA(0.33mL、1.86mmol)で処理し、マイクロ波内で150℃にて30分間加熱する。混合物を周囲温度に冷ましてからセライトのパッドを通して濾過し、濃縮し、RHPLCで精製してEx3(35mg、30%)を得る。
【0180】
方法J
例22の合成
【0181】
【化59】
【0182】
ラセミ化合物R-11は、下記条件を用いて分取SFCによりエナンチオマー的に純粋なR-10及びR-12分離可能である。
分取SFC方法:
カラム:ES Industries (WestBerlin, NJ)からの2.0×25.0cm ChromegaChiral CCS
CO
2共溶媒:0.25%のイソプロピルアミンを含むイソプロパノール
均一濃度法:80g/分で25%の共溶媒
システム圧力:115バール
カラム温度:25℃
サンプル希釈剤:イソプロパノール
【0183】
分析SFC法
カラム:ES Industries(WestBerlin, NJ)からの4.6×100mm ChromegaChiral CCS
CO
2共溶媒:0.1%のイソプロピルアミンを含むイソプロパノール
均一濃度法:4mL/分で15%の共溶媒
システム圧力:180バール
カラム温度:25℃
サンプル希釈剤:イソプロパノール。
R-10:
RT=3.2分(分析SFC法)
R-12:
RT=4.6分(分析SFC法)
*エナンチオマー的に純粋なR-10及びR-12の絶対配置は未決定。
【0184】
【化60】
【0185】
I-20(30mg、0.15mmol)、HATU(61mg、0.16mmol)及びR-10(24mg、0.16mmol)のDMA(2mL)中の溶液にDIEA(0.1mL、0.6mmol)を加える。混合物を1時間撹拌してからRHPLCで精製して
*Ex22(12mg、24%)を得る。
同様の方法で適切な酸及びアミンから下記例を調製する。
【0186】
【化61】
*エナンチオマー的に純粋な化合物のピロリジン環の3位における立体化学は未決定。
【0187】
方法K
例15の合成
【0188】
【化62】
【0189】
I-20(100mg、0.47mmol)、HATU(197mg、0.52mmol)及びI-28(180mg、0.94mmol)のDMF(1mL)中の溶液にDIEA(0.4mL)を加える。混合物を1時間撹拌してから濃縮し、KP-NHシリカゲルのパッドを通してEtOAc→EtOAc中10%(28%水酸化アンモニウム水溶液)のMeOHで溶出して表題Ex15(84mg、52%)を得る。
同様の方法で適切な酸及びアミンから下記例を調製する。
【0190】
【0191】
方法L
例17の合成
【0192】
【化63】
【0193】
I-20(100mg、0.47mmol)のDMF(1mL)とDIEA(0.3mL)中の溶液にR-15(223mg、0.94mmol)、次いでHATU(197mg、0.52mmol)を加える。混合物を1時間撹拌してから濃縮し、KP-NHシリカゲルのパッドを通してEtOAc→EtOAc中5%(28%水酸化アンモニウム水溶液)のMeOHで溶出してI-30を得、これをCH
2Cl
2(5mL)に溶かし、ジオキサン中4.0MのHCl溶液(3mL)で処理する。混合物を一晩撹拌してから真空中で濃縮してI-31を得(153mg、0.47mmol)、これをCH
2Cl
2(10mL)とTEA(2mL)に溶かす。この混合物をR-16(49mg、0.47mmol)で処理し、一晩撹拌してから真空中で濃縮し、KP-NHシリカゲルのパッドを通してEtOAc→EtOAc中5%(28%水酸化アンモニウム水溶液)のMeOHで溶出してEx17を得る(67mg、40%)。
同様の方法でI-31及び適切なアシル化剤から下記例を調製する。
【0194】
【化64】
【0195】
方法M
例18の合成
【0196】
【化65】
【0197】
I-31(130mg、0.4mmol)及びR-18(53mg、0.52mmol)のDMF(3mL)とDIEA(129mg、1mmol)中の溶液にHATU(183mg、0.48mmol)を加える。混合物を一晩撹拌してから濃縮し、KP-NHシリカゲルのパッドを通してEtOAc→EtOAc中10%(28%水酸化アンモニウム水溶液)のMeOHで溶出してEx18(45mg、30%)を得る。
【0198】
方法N
例23及び24の合成
【0199】
【化66】
【0200】
2mLのDMF中の2-オキソ-1,7-ジアザスピロ[4,4]ノナン-7-カルボン酸tert-ブチル(500mg、2.1mmol)の撹拌溶液に91.5mg(24.0mmol)のNaHを0℃で加えた。15分後、383.9mg(2.7mmol)のヨードメタンを加えて反応を一晩撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をEtOAcに取って水で洗浄した。溶媒を真空中で除去し、粗生成物をさらに精製せずに使用した。
上記生成物を2.5mLの4M HCl溶液(ジオキサン中)に加えてrtで一晩撹拌する。溶媒を真空中で除去し、残渣をDCMと粉砕してR-19(402mg、2.1mmol)を得る。m/z = 155.0 [M+H], RT = 0.29分(HPLC方法G)。
I-25(180mg、0.82mmol)のDMA(5mL)中の溶液にHATU(342mg、0.90mmol)を加えて混合物を30分間撹拌する。この溶液を次にDIEA(317mg、2.5mmol)とR-19(203mg、1.1mmol)のDMA(5mL)中の溶液に加える。混合物を15分間撹拌してから真空中で濃縮し、RHPLCで精製してEx27(206mg、71%)を得る。
Ex23及びEx24は、ES Industriesからの2.0×25.0cm Chromegachiral CCSカラム並びに80g/分及びそれぞれ120バールと25℃の圧力と温度でCO
2と0.25%のイソプロピルアミンを含有する45%MeOHとを用いるEx27のキラルSFC分離によって得られる。
【0201】
方法O
例39の合成
【0202】
【化67】
【0203】
R-20(44mg、0.24mmol)、R-7(48mg、0.27mmol)及びTBTU(94mg、0.29mmol)のCH
3CN (2mL)中の溶液にTEA(0.12mL)を加える。混合物を一晩撹拌してから真空中で濃縮し、RHPLCで精製してEx39(49mg、66%)を得る。
同様の方法で適切なアミンから下記例を調製する。
【0204】
*エナンチオマー的に純粋な化合物の立体化学は未決定。
【0205】
方法P
例43の合成
【0206】
【化68】
【0207】
2mLのACN中の酸I-15(132mg、0.24mmol)、アミンR-10(39mg、0.26mmol)及びTBTU(92mg、0.29mmol)の混合物をDIEA(117μL、0.84mmol)で処理し、一晩撹拌した。反応を希Na
2CO
3水溶液中に注ぎいでDCMで抽出した。混ぜ合わせた抽出物を相分離器に通し、濃縮した。粗生成物をさらに精製せずに次工程で使用した(m/z = 679.6 [M+H], RT = 1.32分(HPLC方法C))。
2mLのジオキサン中の上記生成物(141mg、0.21mmol)の溶液に1mLの4M(ジオキサン中)HCl溶液を加えて反応を一晩撹拌した。反応を窒素流下で濃縮乾固させ、残渣をさらに精製せずに次工程で使用した。
2mLのTHF中の上記生成物にTBAF(THF中1M、95μL、0.095mmol)を加えて反応を一晩撹拌した。反応を濃縮乾固させ、2mLのDMFに取り、濾過し、RHPLCで精製して
*Ex43を得た(14mg、0.04mmol、3工程にわたって16%)。
*エナンチオマー的に純粋な化合物のピロリジン環の3位における立体化学は未決定。
【0208】
治療用途
本発明の式(I)の化合物、又はそれらの互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、その混合物及び上記全ての形態の塩は、それらの生物学的特性に基づいて、それらがバニン-1に対して良い阻害効果を示すという点において、炎症性障害及び上皮バリア組織障害の治療に適している。
該疾患には、例えば以下のもの含まれる:クローン病、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、全身性硬化症、非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH)、乾癬、慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患、特発性肺線維症、関節リウマチ、強皮症、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性湿疹、若年性関節リウマチ、若年性特発性関節炎、移植片対宿主病、乾癬性関節炎、結腸直腸癌及び膵癌関連新発症糖尿病。
式(I)の化合物は、それら単独で又は本発明の少なくとも1種の他の活性物質と組み合わせて、及び/又は場合により少なくとも1種の他の薬理的活性物質と組み合わせて使用し得る。他の薬理的活性物質は、免疫調節薬、抗炎症薬、又は化学療法薬であり得る。該薬剤の例としては、限定するものではないが、シクロホスファミド、ミコフェノラート(MMF)、ヒドロキシクロロキン、グルココルチコイド、コルチコステロイド、免疫抑制薬、NSAID、非特異的及びCOX-2特異的シクロオキシゲナーゼ酵素阻害薬、腫瘍壊死因子受容体(TNF)受容体拮抗薬及びメトトレキサートが挙げられる。
【0209】
式Iの化合物の投与に適した製剤は当業者に明らかであり、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、座剤、ロレンジ剤、トローチ剤、液剤、シロップ剤、エリキシル剤、サシェ剤、注射剤、吸入剤(inhalative)及び散剤等がある。
適切な錠剤は、例えば、式Iの1種以上の化合物を既知の賦形剤、例えば不活性な希釈剤、担体、崩壊剤、補佐剤、界面活性剤、結合剤及び/又は潤沢剤と混合することによって得ることができる。
適切な製剤には、例えば錠剤、カプセル剤、座剤、液剤−特に注射液(s.c.、i.v.、i.m.)及び注入液−、エリキシル剤、乳剤又は分散性粉末がある。医薬的活性化合物の含量は、全体として組成物の0.1〜90wt.-%、好ましくは0.5〜50wt.-%の範囲内、すなわち下記用量範囲を達成するのに十分な量であるべきである。必要ならば、規定用量を1日数回与えてよい。
【0210】
適切な錠剤は、例えば、活性物質を既知賦形剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム若しくはラクトース等の不活性な希釈剤、トウモロコシデンプン若しくはアルギン酸等の崩壊剤、デンプン若しくはゼラチン等の結合剤、ステアリン酸マグネシウム若しくはタルク等の潤沢剤及び/又は遅延放出剤、例えばカルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、又はポリ酢酸ビニル等と混合することによって得ることができる。錠剤が数層を含んでもよい。
従って、コーティング錠は、錠剤に類似して生成したコアを錠剤コーティングに一般的な物質、例えばコリドン又はシェラック、アラビアガム、タルク、二酸化チタン又は糖でコーティングすることによって調製可能である。遅延放出を達成するため又は配合禁忌を防止するためコアがいくつかの層から成ってもよい。同様に錠剤コーティングがいくつかの層から成って、おそらく錠剤について上述した賦形剤を用いて遅延放出を達成し得る。
【0211】
本発明の活性物質又はその組み合わせを含有するシロップ剤又はエリキシル剤は、サッカリン、シクラマート、グリセロール又は糖等の甘味剤及び風味向上剤、例えばバニリン又はオレンジエキス等の香味料をさらにが含有してよい。シロップ剤又はエリキシル剤は、懸濁補佐剤又は増粘剤、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、湿潤剤、例えば、脂肪アルコールとエチレンオキシドの縮合生成物等、又は保存剤、例えばp-ヒドロキシ安息香酸を含有してもよい。
注射液又は注入液は、通常の方法で、例えば等張剤、p-ヒドロキシ安息香酸等の保存剤、又はエチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩等の安定剤を添加して、場合により乳化剤及び/又は分散剤を用いて、さらに希釈剤として水を使用する場合、例えば、任意に可溶化剤又は溶解助剤として有機溶媒を用いて調製してよく、これを注射バイアル若しくはアンプル又は注入ボトルに移す。
1種以上の活性物質又は活性物質の組み合わせを含有するカプセル剤は、例えば、活性物質を不活性な担体、例えばラクトース又はソルビトールと混合し、それらをゼラチンカプセルに詰めることによって調製可能である。
適切な座剤は、例えば、この目的で提供されている担体、例えば中性脂肪若しくはポリエチレングリコール又はその誘導体と混合することによって作製可能である。
【0212】
使用し得る賦形剤としては、例えば、水、医薬的に許容される有機溶媒、例えばパラフィン類(例えば石油留分)、植物油(例えば落花生油又はゴマ油)、単官能性若しくは多官能性アルコール(例えばエタノール又はグリセロール)、担体、例えば天然鉱物粉末(例えばカオリン、粘土、タルク、チョーク)、合成鉱物粉末(例えば高分散性ケイ酸及びケイ酸塩)、糖類(例えばショ糖、ラクトース及びグルコース)、乳化剤(例えばリグニン、亜硫酸廃液、メチルセルロース、デンプン及びポリビニルピロリドン)及び潤沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸及びラウリル硫酸ナトリウム)が挙げられる。
製剤は、通常の方法で、好ましくは経口又は経皮経路で、最も好ましくは経口経路で投与される。経口投与のため、錠剤は当然に上記担体とは別に、種々の添加剤、例えばデンプン、好ましくはジャガイモデンプン、ゼラチン等と共にクエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸二カルシウム等の添加剤を含有し得る。さらに、錠剤化プロセスのためにステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルク等の潤沢剤を同時に使用し得る。水性懸濁液の場合、上記賦形剤に加えて、活性物質を種々の風味向上剤又は着色剤と混ぜ合わせてよい。
【0213】
非経口用途では、活性物質と適切な液体担体の溶液を使用し得る。
静脈内用途の用量は、1時間当たり1〜1000mg、好ましくは1時間当たり5〜500mgである。
しかしながら、体重、投与経路、薬物への個体の応答、その処方の性質及び薬物が投与される時間と間隔に応じて、規定量から逸脱する必要があることもある。従って、場合によっては上記最小用量未満の使用で十分なことがあり、一方で他の場合には上限を超えなければならないことがある。大量に投与するときは、1日にわたっていくつかのより少ない用量に分割するのが賢明なことがある。
【0214】
生物学的特性の説明
バニン-1酵素アッセイ:
試験化合物を100%DMSOに10mMの濃度で溶かし、第1の工程においてDMSOで5mMの濃度に希釈した後、100%DMSOで段階希釈工程を行なう。希釈係数及び希釈工程数は必要に応じて変動し得る。典型的に1:5希釈で8つの異なる濃度を調製し、物質のさらなる中間希釈をアッセイ緩衝液で行ない、アッセイにおける1%の最終DMSO濃度とする。
方法1):0.15nMのFLAG標識バニン-1(AA 22-493、T26I、内部生成)及び試験化合物を室温で15分間アッセイ緩衝液(1mM DTT、0.0025% Brij-35、50mM HEPES、pH7.5)中でインキュベートする。アッセイ緩衝液中3μMのD-パンテチン(Sigma, Cat# P2125-5G)を添加し、室温でさらに30分間インキュベートする。反応混合物と等体積の停止溶液を添加することによって反応を停止させて5nMのネビラピン(内部標準として)及び0.5%のTFAに至らせる。アッセイプレートを2分間遠心分離機にかけ、RapidFire質量分析(移動相A:水中0.1%のギ酸、移動相B:100%メタノール)により黒鉛状炭素カートリッジ(Agilent Cat #G9206A)を用いてパントテン酸の形成を検出する。
【0215】
方法2):0.1nMのFLAG標識バニン-1(AA 22-493、T26I、内部生成)及び試験化合物を室温で20分間アッセイ緩衝液(1mM DTT、0.0025% Brij-35、50mM HEPES、pH7.5)中でインキュベートする。アッセイ緩衝液中のD-パンテチン(Sigma, Cat# P2125-5G)を添加し(最終濃度3μM)、室温でさらに30分間インキュベートする。総アッセイ体積は典型的に40μlであるが、必要に応じて調整してよい。反応混合物と等体積の停止溶液を添加することによって反応を停止させて100nMのHD-パントテン酸(内部標準として)及び1%のTFAに至らせる。アッセイプレートを2分間遠心分離機にかけ、RapidFire質量分析(移動相A:水中0.1%のギ酸及び0.01%のトリフルオロ酢酸;移動相B:水中47.5%のアセトニトリル、47.5%のメタノール、0.1%のギ酸及び0.01%のトリフルオロ酢酸)によりC18、12μLカートリッジ(Agilent Cat #G9205A)を用いてパントテン酸の形成を検出する。
結果については表Iを参照されたい。
表Iに記載の値は、1つ以上のサンプルの測定値に起因する。複数測定値の場合、方法1及び/又は方法2により決定される幾何平均値を与えてある。
【0216】
ヒト全血アッセイ:オービタルシェーカーで250μlのヒト全血及びRPMI 1640培養液で予め希釈した7μlの化合物を室温で15分間インキュベートする。10μlのD-パンテチン(Sigma, Cat# P2125-5G)を加えて10μMの最終濃度とし、室温でさらに30分間インキュベートする。氷上に5分間置いて反応を停止させる。アッセイプレートを1800rpmで4℃にて10分間遠心分離機にかける。80μlの血漿を80μlの氷冷アセトニトリルと混合し、氷上で5分間放置する。反応混合物を4000rpmで10分間4℃にて遠心分離機にかける。50μlの上清を150μlの氷冷H
2Oと混合する。上記溶液を等体積の停止溶液と混合して5nMのネビラピン(内部標準として)及び0.4%のTFAに至らせる。混合物を4000rpmで10分間遠心分離機にかける。RapidFire質量分析(移動相A:水中0.1%のギ酸、移動相B:100%メタノール)により黒鉛状炭素カートリッジ(Agilent Cat #G9206A)を用いてパントテン酸の形成を検出する。結果については表Iを参照されたい。表Iに記載の値は、1つ以上のサンプルの測定値に起因する。複数測定値の場合、幾何平均値を与えてある。
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の原理を例として説明する以下のさらに詳細な実施例から明らかになる。
【0217】
表I、本発明の代表例の生物学的及び物理的特性
*エナンチオマー的に純粋な化合物のピロリジン環の3位における立体化学は未決定。