(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記定形で前記広告を表示する場合における前記広告の面積と、前記空き領域の面積と、の比較に基づいて、前記表示手段により前記広告を前記空き領域に表示させるか否かを制御する制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の広告システム。
前記表示手段は、予め設定された範囲内の倍率で、前記複数の要素のうち少なくとも一の要素のサイズを変更して、前記少なくとも一の要素を表示することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の広告システム。
互いに異なる形状を有する複数の前記空き領域のそれぞれについて、前記広告が前記空き領域に表示されたときに前記広告が前記画面の閲覧者により選択されたか否かを示す選択情報を、前記広告の表示態様であって、前記空き領域の形状と、前記複数の要素のうち少なくとも一の要素の前記空き領域における位置と、の少なくとも何れか一方である表示態様を示す態様情報と関連付けて記憶する第2記憶手段と、
前記記憶された選択情報及び態様情報に基づいて、前記広告の表示態様と前記広告が選択される蓋然性との関係を特定する特定手段と、
前記特定された関係に基づいて、前記表示手段により前記広告を前記空き領域に表示させるか否かを制御する第2制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の広告システム。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0025】
[1.第1実施形態]
[1−1.広告システムの構成]
先ず、本実施形態に係る広告システムSの構成及び機能概要について、
図1及び
図2を用いて説明する。本実施形態に係る広告システムSの概要構成の一例を示す図である。
【0026】
図1に示すように、広告システムSは、コンテンツ配信サーバ1と、広告サーバ2と、複数のユーザ端末3とを備える。コンテンツ配信サーバ1と広告サーバ2と各ユーザ端末3とは、ネットワークNWを介して互いに接続される。ネットワークNWは、例えばインターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築されている。
【0027】
コンテンツ配信サーバ1は、ネットワークNWを介して各ユーザ端末3にコンテンツを配信するサーバ装置である。本実施形態においては、コンテンツの一例としてウェブページが用いられる。しかしながら、コンテンツの種類は特に限定されない。コンテンツ配信サーバ1は、例えば所定のウェブサイトを構成する各種ウェブページを配信してもよい。ウェブサイトの例として、情報検索サイト、ニュースサイト、電子商取引サイト、動画配信サイト、ブログ、ソーシャルネットワーキングサービス等が挙げられる。しかしながら、ウェブサイトの種類は特に限定されない。
【0028】
広告サーバ2は、ネットワークNWを介して各ユーザ端末3に広告を配信するサーバ装置である。広告サーバ2からユーザ端末3へ直接広告が配信されてもよいし、コンテンツ配信サーバ1を介して広告が配信されてもよい。如何なる商品又はサービスが広告の対象となるかについては、特に限定されない。例えば、コンテンツ配信サーバ1からユーザ端末3へ配信されるコンテンツのうち少なくとも幾つかのコンテンツには、定形の広告枠が予め設定される。広告サーバ2は、コンテンツ内に設定された広告枠に広告を表示させる。本実施形態において、定形の広告枠の形状は、例えば矩形であってもよい。矩形の場合において、定形の広告枠のアスペクト比が予め定められていてもよい。各広告は、そのような広告枠の形状に合わせて作成される。従って、各広告の形状も矩形であってもよい。一の広告は、通常複数の要素で構成されている。要素の例として、画像、文字列等が挙げられる。これらの要素は、広告を作成するための素材となる。従って、これらの要素を、素材ともいう。広告の背景も、その広告の素材の一つとみなされてもよい。上述の定形の広告枠に広告が表示されるように、その広告を構成する複数の素材の配置が予め定められている。
図2は、定形の広告の一例を示す図である。
図2に示す広告100は、画像110、文字列120、130、140及び150の5個の素材(背景を含める場合は、6個の素材)で構成されている。
【0029】
広告サーバ2は、様々な広告の中から、広告枠に表示させる広告を選択又は決定する。例えば、広告サーバ2は、各広告の広告料及びその他の情報に基づいて、各広告の表示の優先度を示す情報を取得し、これらの情報に基づいて、広告枠に表示させる広告を決定する。
【0030】
各ユーザ端末3は、コンテンツ配信サーバ1から配信されるコンテンツを利用するユーザにより利用される端末装置である。ユーザ端末3の例として、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット式コンピュータ等の携帯情報端末、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、セットトップボックス等が挙げられる。各ユーザ端末3は、例えばユーザの操作に基づいてコンテンツ配信サーバ1へコンテンツの要求を送信し、この要求に応じてコンテンツ配信サーバ1から送信されたコンテンツを画面に表示する。コンテンツ内に広告枠が設定されている場合、ユーザ端末3は、例えば広告サーバ2へ広告の要求を送信し、この要求に応じて広告サーバ2から送信された広告を、広告枠に表示する。
【0031】
[1−2.各装置の構成]
次に、広告システムSを構成する各装置の構成について、
図2乃至
図6を用いて説明する。
【0032】
[1−2−1.コンテンツ配信サーバの構成]
図3は、本実施形態に係るコンテンツ配信サーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、コンテンツ配信サーバ1は、システム制御部11と、システムバス12と、入出力インターフェース13と、記憶部14と、通信部15と、を備えている。システム制御部11と入出力インターフェース13とは、システムバス12を介して接続されている。
【0033】
システム制御部11は、CPU(Central Processing Unit)11a、ROM(Read Only Memory)11b、RAM(Random Access Memory)11c等により構成されている。
【0034】
入出力インターフェース13は、記憶部14及び通信部15とシステム制御部11との間のインターフェース処理を行う。
【0035】
記憶部14は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されている。この記憶部14には、ユーザ端末3へ配信するコンテンツを構成する各種データが記憶されている。例えば、記憶部14には、HTML(HyperText Markup Language)文書、画像データ、動画データ、スタイルシート、スクリプトファイル等が記憶されている。
【0036】
記憶部14には、更に、オペレーティングシステム、DBMS(Database Management System)、コンテンツ配信サーバプログラム等の各種プログラムが記憶されている。コンテンツ配信サーバプログラムは、コンテンツの配信に関する各種処理をシステム制御部11に実行させるプログラムである。コンテンツ配信サーバプログラムは、例えば、他の装置からインターネットNWを介して取得されるようにしてもよいし、磁気テープ、光ディスク、メモリカード等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
【0037】
通信部15は、例えばネットワークインターフェースカード等により構成されている。通信部15は、ネットワークNWを介して広告サーバ2やユーザ端末3と接続し、これらの装置との通信状態を制御する。
【0038】
[1−2−2.広告サーバの構成]
図4は、本実施形態に係る広告サーバ2の概要構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、広告サーバ2は、システム制御部21と、システムバス22と、入出力インターフェース23と、記憶部24と、通信部25と、を備えている。システム制御部21と入出力インターフェース23とは、システムバス22を介して接続されている。
【0039】
システム制御部21は、CPU21a、ROM21b、RAM21c等により構成されている。
【0040】
入出力インターフェース23は、記憶部24及び通信部25とシステム制御部21との間のインターフェース処理を行う。
【0041】
記憶部24は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されている。この記憶部24には、広告DB24a等のデータベースが記憶されている。「DB」は、データベースの略称である。
【0042】
図5は、広告DB24aに記憶される内容の一例を示す図である。広告DB24aは、ユーザ端末3に配信される広告ごとに、広告に関する広告情報が記憶される。具体的に、広告DB24aには、広告情報として、広告ID、移動先URL(Uniform Resource Locator)、不定形表示許可フラグ、定形面積、及び複数の素材情報が、互いに関連付けて記憶される。広告IDは、広告を識別する識別情報である。移動先URLは、広告からリンクされるコンテンツのURLである。ユーザが広告を選択又はクリックした場合に、ユーザ端末3は、移動先URLにより示されるコンテンツを受信して表示する。一般的に、移動先URLは、広告主のコンテンツを示す。不定形表示許可フラグは、対応する広告を、定形(本実施形態の場合は矩形)以外の形状で表示することが広告主によって許可されているか否かを示す情報である。TRUEに設定された不定形表示許可フラグは、対応する広告を不定形で表示することが許可されていることを示す。FALSEに設定された不定形表示許可フラグは、対応する広告を不定形で表示することが許可されていないことを示す。定形面積は、対応する広告を定形で表示する場合におけるその広告の面積を示す。定形面積の単位は、例えばポイント数であってもよい。通常、広告は文字列を含む。例えば、システム制御部11は、広告に含まれる何れかの文字列に使用されているフォントサイズを取得してもよい。システム制御部11は、取得されたフォントサイズの文字を、何文字その定形の広告に相当する領域に入れることができるかを算出してもよい。そして、システム制御部11は、取得されたフォントサイズに、広告に入れることができる文字の数を乗算することによって、定形面積を算出してもよい。定形面積は、背景を除いて、対応する広告を構成する全素材の面積の合計であってもよい。この場合、システム制御部11は、文字列について、その文字列に使用されているフォントサイズに文字数を乗算することにより、文字列の面積を算出してもよい。また、システム制御部11は、画像について、何れかの文字列に使用されているフォントサイズに、画像に相当する領域に入れることができる文字の数を乗算することにより、画像の面積を算出してもよい。
【0043】
各素材情報は、対応する広告を構成する素材に関する情報である。素材が画像である場合、素材情報は、例えば識別番号、画像データ、座標等を含む。画像データは、画像を表すデータである。識別番号は、各素材に割り当てられた番号である。識別番号は、定形の広告枠において複数の素材が所定方向に並んで表示されていると仮定した場合に、その並びの中において、注目する素材(この場合は画像)の位置を示す。この並びは、定形の広告枠内における各素材の位置に基づく。例えば、広告が、横書きの文字列を含む場合。素材は上から下に向かって並べられていると仮定される。広告が、縦書きの文字列を含む場合。素材は右から左に向かって並べられていると仮定される。画像のフォーマットは、例えばJPEG等であってもよい。座標は、定形の広告枠内における画像の表示位置を示す。素材が文字列である場合、素材情報は、例えば識別番号、テキストデータ、座標、フォントサイズ、フォントスタイル、フォント色等を含む。識別番号の趣旨は前述したとおりである。テキストデータは、文字列を表すデータである。座標は、広告枠内における文字列の表示位置を示す。フォントサイズ、フォントスタイル及びフォント色は、それぞれ文字列の大きさ、スタイル及び色彩を示す。フォントサイズの単位は、例えばポイントであってもよい。素材が背景である場合、素材情報は、例えば背景色を含む。背景色は、広告枠のうち、画像や文字列等の素材が占めている領域外の領域の色を示す。
【0044】
記憶部24には、更に、オペレーティングシステム、DBMS、広告サーバプログラム等の各種プログラムが記憶されている。広告サーバプログラムは、配信する広告の決定及び広告の配信に関する各種処理をシステム制御部21に実行させるプログラムである。広告サーバプログラムは、例えば、他の装置からインターネットNWを介して取得されるようにしてもよいし、磁気テープ、光ディスク、メモリカード等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
【0045】
通信部25は、例えばネットワークインターフェースカード等により構成されている。通信部25は、ネットワークNWを介してコンテンツ配信サーバ1やユーザ端末3と接続し、これらの装置との通信状態を制御する。
【0046】
[1−2−3.ユーザ端末の構成]
図6は、本実施形態に係るユーザ端末3の概要構成の一例を示すブロック図である。
図6に示すように、ユーザ端末3は、システム制御部31と、システムバス32と、入出力インターフェース33と、記憶部34と、通信部35と、入力部36と、表示部37と、を備えている。システム制御部31と入出力インターフェース33とは、システムバス32を介して接続されている。
【0047】
システム制御部31は、CPU31a、ROM31b、RAM31c等により構成されている。
【0048】
入出力インターフェース33は、記憶部34〜表示部37と、システム制御部31との間のインターフェース処理を行う。
【0049】
記憶部34は、例えば、ハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブ等により構成されている。記憶部34には、オペレーティングシステム、ウェブブラウザ等の各種プログラムが記憶されている。ブラウザは、例えば、他の装置からインターネットNWを介して取得されるようにしてもよいし、光ディスク、メモリカード等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
【0050】
通信部35は、例えばネットワークインターフェースカード等により構成されている。通信部35は、ネットワークNWを介してコンテンツ配信サーバ1や広告サーバ2と接続し、これらの装置との通信状態を制御する。
【0051】
入力部36は、ユーザによる操作を受け付け、操作内容に対応する信号をシステム制御部31に出力する。入力部36の例として、キーボード、マウス、タッチパネル等が挙げられる。
【0052】
表示部37は、例えば、グラフィックコントローラ及びディスプレイ等により構成されている。表示部37は、システム制御部31の制御により、画像、文字等の情報を表示する。ディスプレイのパネルの例として、液晶パネル、有機ELパネル等が挙げられる。
【0053】
[1−3.システム制御部の機能概要]
次に、
図7乃至
図10を用いて、各装置におけるシステム制御部の機能概要について説明する。
図7は、各装置におけるシステム制御部の機能ブロックの一例を示す図である。
【0054】
コンテンツ配信サーバ1のシステム制御部11は、CPU11aが、コンテンツ配信サーバプログラムに含まれる各種プログラムコードを読み出し実行することにより、
図7に示すように、空き領域検出部111及びコンテンツ配信部112等として機能する。空き領域検出部111及びコンテンツ配信部112は、コンテンツ配信サーバプログラムに従って、以下に説明する処理を実行する。
【0055】
空き領域検出部111は、広告とは異なる表示情報を、ユーザ端末3の画面の少なくとも一部である所定の表示領域内にユーザ端末3が表示する場合に、その表示領域のうち、表示情報が占める領域外の空き領域を検出する。コンテンツ配信サーバ1は、ユーザ端末3へコンテンツを配信し、ユーザ端末3はコンテンツを画面に表示する。このコンテンツ内の情報のうち、広告以外のあらゆる情報は、表示情報として扱われてもよい。表示情報の例として、画像、文字列、アイコン、マーク等が挙げられる。表示領域は、表示情報が表示される領域又は表示情報が入る領域である。表示領域は、画面全体であってもよいし、画面の一部であってもよい。例えば、画面又はコンテンツ内には1又は複数の表示領域が設けられている。空き領域検出部111は、例えばコンテンツのHTML文書等を解析することにより、表示領域を特定する。各表示領域には、それぞれ表示情報が表示される。このとき、何れかの表示領域において、表示情報により占められていない領域、すなわち空白の領域が生じる場合がある。空き領域検出部111は、こうした領域を、新たな広告枠として検出する。空き領域検出部111は、HTML文書を解析する等により、各表示情報が表示領域の何れの部分を占めているかを特定する。空き領域の形状は、通常、定形の広告枠の形状とは異なる。また、空き領域を検出する表示領域や、表示領域内に表示される表示情報に応じて、空き領域の形状は変換する。そのため、検出された空き領域を、不定形の広告枠と称する。定形の広告枠の形状が矩形である場合、空き領域検出部111は、矩形以外の形状を有する空き領域のみを、不定形の広告枠として検出してもよい。或いは、空き領域検出部111は、空き領域の形状がたとえ矩形であったとしても、定形の広告枠と空き領域との間でアスペクト比が異なれば、その空き領域を、不定形の広告枠として検出してもよい。
【0056】
図8は、画面内における表示領域及び表示情報の例を示す図である。例えば、コンテンツ配信サーバ1は、ニュースサイトのウェブページを配信すると仮定する。これらのウェブページのうちの一部のウェブページは、
図8に示すように、ニュース紹介領域200を含む。ニュース紹介領域200は、表示領域として、記事領域210、220、230及び240を含む。各記事領域には、様々な表示情報が表示される。例えば、記事領域220には、画像221、見出し222及びニュース提供元223が表示される。
【0057】
図9は、空き領域の検出例を示す図である。
図9において、
図8と同一の要素について同一様の符号が付されている。例えば、空き領域検出部111は、記事領域220において、画像221、見出し222及びニュース提供元223の何れによっても占めていない空き領域300を検出する。空き領域300の形状は、階段状である。空き領域検出部111は、配信される一のコンテンツから一の空き領域のみを検出してもよいし、複数の空き領域を検出してもよい。複数の空き領域を検出する場合、空き領域検出部111は、互いに或る程度以上離れた表示領域それぞれから空き領域を検出してもよい。その理由の一つは、特定の箇所に多くの表示情報と広告とが詰め込まれていることによるコンテンツの見難さを防止するためである。例えば、空き領域検出部111は、複数の表示領域が配列されている場合において、一つ置きに空き領域を検出することにより、空き領域が検出される表示領域が連続しないようにしてもよい。例えば、ニュース紹介領域200において、記事領域220及び240から空き領域が検出される一方で、記事領域210及び230からは空き領域は検出されなくてもよい。また、空き領域検出部111は、配信される全てのコンテンツについて空き領域を検出してもよいし、一部のコンテンツのみについて空き領域を検出してもよい。
【0058】
空き領域を検出すると、空き領域検出部111は、その空き領域の面積を算出してもよい。例えば、空き領域検出部111は、コンテンツ内又は表示情報に含まれる文字のサイズ、及びそのサイズの文字の数であって、空き領域に入れることができる文字の数に基づいて、空き領域の面積を算出してもよい。空き領域検出部111は、先ずフォントサイズを取得する。例えば、空き領域検出部111は、コンテンツ内に表示情報として表示される文字のフォントサイズを取得してもよい。或いは、空き領域検出部111は、空き領域が検出された表示領域内に表示情報として表示される文字のフォントサイズを取得してもよい。コンテンツ内又は表示領域内に複数のフォントサイズの文字が表示されている場合、空き領域検出部111は、例えば文字数が最も多いフォントサイズを取得してもよい。空き領域検出部111は、例えば、空き領域を構成する各辺の長さをポイント数で算出する。空き領域検出部111は、取得されたフォントサイズの文字が何文字空き領域に入るかを計算する。空き領域検出部111は、取得されたフォントサイズに、空き領域に入れることができる文字の数を乗算して、空き領域の面積を算出する。
【0059】
なお、空き領域の検出と空き領域の面積の算出との両方、又はこれらのうち空き領域の面積の算出を、ユーザ端末3が実行してもよい。
【0060】
コンテンツ配信部112は、空き領域検出部111により空き領域が検出されたコンテンツをユーザ端末3へ送信する。コンテンツ配信部112は、例えばコンテンツを表示するためのHTML文書に、検出された空き領域を不定形の広告枠として、その広告枠に広告を表示するためのプログラムを追加して、そのHTML文書をユーザ端末3へ送信する。このプログラムは、例えばJava(登録商標)スクリプトであってもよいし、広告用のスクリプトであってもよい。コンテンツ配信部112は、空き領域の面積をHTML文書に更に追加してもよい。また、コンテンツ配信部112は、空き領域の形状を示す情報をHTML文書に更に追加してもよい。空き領域の形状を示す情報は、例えば空き領域の各頂点の座標であってもよい。
【0061】
広告サーバ2のシステム制御部21は、CPU21aが、広告サーバプログラムに含まれる各種プログラムコードを読み出し実行することにより、
図7に示すように、広告決定部211及び広告配信部212等として機能する。広告決定部211及び広告配信部212は、広告サーバプログラムに従って、以下に説明する処理を実行する。
【0062】
広告決定部211は、ユーザ端末3から広告の要求を受信した場合、複数の広告の中から、ユーザ端末3により表示させる広告(または、ユーザ端末3により表示させる広告の候補)を決定する。広告決定部211は、例えばリアルタイムビッディングを用いてもよい。例えば、広告決定部211は、ウェブサイトの内容、コンテンツの内容、ユーザの属性、ユーザにより入力された情報等に基づいて、配信する広告の候補を決定してもよい。そして、広告決定部211は、CPC(Click Per Cost)等の広告料及びその他の情報に基づいて、各候補の表示の優先度を示すスコアを算出してもいよ。通常、広告料が高いほど優先度及びスコアが高い。広告決定部211は、複数の候補のうち、スコアが相対的に高い広告を、ユーザ端末3に配信する広告として決定する。空き領域検出部111により複数の空き領域が検出されている場合、各空き領域に対して広告が決定される。
【0063】
広告決定部211は、一の空き領域に対して一の広告のみを決定してもよいし、複数の広告を候補として決定してもよい。空き領域を広告枠として、その枠中に広告を表示しようとする場合、その広告枠の形状は不定形であるので、広告を構成する素材の面積や形状によっては、適切に広告を表示することができない場合がある。しかしながら、複数の広告を選択しておけば、それらの広告のうち少なくとも一の広告を、不定形の広告枠に表示するかことができる蓋然性が高くなる。
【0064】
また、広告決定部211は、各広告について、その広告の定形面積と空き領域の面積との比較に基づいて、ユーザ端末3によりその広告を空き領域に表示させるか否かを制御してもよい。例えば、広告決定部211は、広告DB24aに登録されている広告のうち、定形面積が空き領域以下である広告を決定してもよい。そして、広告決定部211は、定形面積が空き領域以下である広告のうち、前述した優先度を示すスコアが相対的に高い1又は複数の広告を、ユーザ端末3に配信する広告に決定してもよい。これにより、ユーザ端末3が、広告サーバ2から配信されてきた広告を空き領域に表示することができる蓋然性が高くなる。広告決定部211は、予め定められた倍率を定形面積に乗じることによってこの定形面積を小さくし、小さくされた定形面積が空き領域以下である広告を、ユーザ端末3に表示させる広告に決定してもよい。これは、後述するように、空き領域に広告を表示するために、ユーザ端末3が、広告の素材のうち少なくとも一の素材の表示サイズを変更する場合に対応する。この倍率は、例えば素材を縮小した場合の素材の視認性を確保しながら素材の同一性を維持することができる素材の大きさに基づいて予め決定されてもよい。
【0065】
広告配信部212は、広告決定部211により決定された、空き領域に表示させる広告又は空き領域に表示させる広告の複数の候補を、ユーザ端末3へ送信する。例えば、広告配信部212は、決定された広告の広告IDに関連付けて広告DB24aに記憶されている全素材情報を、ユーザ端末3へ送信してもよい。複数の広告を送信する場合、広告配信部212は、各広告について、素材情報とともに優先度を示すスコアを送信してもよい。
【0066】
ユーザ端末3のシステム制御部31は、CPU31aが、例えばコンテンツ配信部112からユーザ端末3へ送信されたHTML文書に含まれるプログラムを読み出し実行することにより、
図7に示すように、コンテンツ表示部311及び広告表示部312等として機能する。コンテンツ表示部311及び広告表示部312等は、このプログラムに従って、以下に説明する処理を実行する。
【0067】
コンテンツ表示部311は、コンテンツ配信サーバ1から受信したコンテンツを表示部37に表示する。例えば、コンテンツ表示部311は、コンテンツ配信サーバ1から受信したHTML文書に従って、コンテンツ内の各表示領域及び各表示情報の配置を決定する。また、コンテンツ表示部311は、コンテンツを構成する画像等の表示情報をコンテンツ配信サーバ1等のサーバ装置から受信する。コンテンツ表示部311は、決定された配置に従って各表示情報を画面に表示する。
【0068】
広告表示部312は、広告サーバ2から受信した広告を表示部37に表示する。特に、広告表示部312は、空き領域検出部111により検出された空き領域の形状に応じて、広告DB24aに記憶された複数の素材の配置を、受信した広告を定形で表示するために予め定められた配置と異ならせることにより、その広告を空き領域に表示する。検出された空き領域は不定形の広告枠であるので、定形用に予め定められた配置では、一の広告を構成する全素材を空き領域内に入れることができない可能性がある。そこで、広告表示部312は、不定形の広告枠用に素材の配置を決定する。この配置の決定は、例えば長方形詰め込み問題の一種又は変形として扱うことができる。すなわち、配置の決定は、背景を除いて、一の広告を構成する全素材を空き領域内に詰め込むことである。この種の問題を解決するアルゴリズムの例として、ボトムレフト法、ベストフィット法等が挙げられる。
【0069】
文字列の位置を決定する場合、広告表示部312は、その文字列を一行で表示してもよいし、複数行で表示してもよい。複数行で文字列を表示する場合、広告表示部312は、例えば形態素解析等により文字列を構成する単語を識別し、単語の区切りで改行してもよい。或いは、広告表示部312は、行数及び改行位置を、定形で広告を表示する場合の行数及び改行位置と一致させてもよい。また、文字列を構成する文字の並び方向(すなわち、縦書き又は横書き)を、定形で広告を表示する場合におけるその文字列を構成する文字の並び方向と一致させてもよい。広告が複数の文字列を含む場合においてそれらの文字列の配置を決定するとき、広告表示部312は、文字列の並び順を、定形で広告を表示する場合の文字列の並び順と一致させてもよい。その理由は、複数の文字列で表される文意を、定形で広告を表示する場合の文意から変えないようにするためである。横書きの場合、文字列は上から下に向かって並べられ、縦書きの場合、文字列は右から左に向かって並べられる。画像の並び順又は画像と文字列の並び順は、定形で広告を表示する場合の並び順から変わってもよい。広告表示部312は、最初に画像の配置を決定し、その後で文字列の配置を決定してもよい。
【0070】
なお、素材の配置は広告サーバ2が行ってもよい。
【0071】
如何様に配列を模索しても、一の広告を構成する全素材を空き領域に詰め込むことができない場合がある。その場合、広告表示部312は、その広告を空き領域に表示しない。一部の素材を表示しないことによって、残りの素材を空き領域に詰め込むことができる可能性もある。しかしながら、広告から構成要素を除くことは、広告の意図を変更する畏れがある。そのため、原則として、全要素が空き領域に入ることが、広告の表示の条件であってもよい。空き領域は本来広告枠ではないため、そこに広告が表示されなくても問題はない。或る広告を空き領域に表示することができない場合、広告表示部312は、別の広告を広告サーバ2に要求してもよい。広告サーバ2から複数の広告を受信している場合、広告表示部312は、例えば優先度を示すスコアが高い順に、空き領域に広告を表示可能であるか否かを判定してもよい。
【0072】
広告表示部312は、予め設定された範囲内の倍率で、一の広告を構成する複数の素材のうち少なくとも一の素材のサイズを変更して、その素材を表示してもよい。倍率の範囲は、例えば素材を拡大又は縮小した場合の素材の視認性を確保しながら素材の同一性を維持することができる素材の大きさに基づいて予め決定されてもよい。倍率の範囲の下限は、広告決定部211が定形面積と空き領域の面積とを比較する場合に定形面積の乗じられる倍率と一致してもよい。広告表示部312は、前述したように全素材を空き領域に詰め込むことができない場合、少なくとも一の素材を縮小してもよい。例えば、広告表示部312は、最初に画像を縮小してもよい。これによっても全素材を空き領域に詰め込むことができない場合、広告表示部312は、次に文字列を縮小してもよい。文字列のサイズを変更する場合、全文字列の間で倍率が同一であってもよいし、何れかの文字列の間で倍率が異なってもよい。また、広告表示部312は、たとえ全素材を空き領域に詰め込むことができると判定した場合であっても、素材のサイズを変更してもよい。例えば、広告表示部312は、空き領域の辺と素材との間の隙間が小さくなるように、又は素材間の隙間が小さくなるように、少なくとも一の素材を拡大してもよい。画像のサイズを変更する場合、広告表示部312は、画像のアスペクト比を変更しない。素材のサイズ変更によっても広告を構成する全素材を空き領域に詰め込むことができない場合、広告表示部312は、その広告を空き領域に表示しない。
【0073】
広告を空き領域に表示する場合、広告表示部312は、他の表示情報とその広告との間の境界を更に表示してもよい。コンテンツの配信者は、空き領域を活用することにより広告により収益を得ることができる。しかしながら、表示情報と広告とが隣接して表示されることになるため、表示情報と広告とを区別し難くなる等、コンテンツの視認性が低下する場合がある。境界を表示することにより、コンテンツの視認性の低下を抑えることができる。広告表示部312は、例えば広告と、その広告が表示される空き領域内の表示情報との間のみについて境界を表示してもよい。或いは、広告表示部312は、広告の周囲全体に境界を表示してもよい。境界の線種、色彩等は、特定の線種、色彩等に限定されない。
【0074】
図10は、空き領域における広告の表示例を示す図である。
図9と同一の要素について同一様の符号が付されている。
図2に示される広告100を構成する素材110〜150が、
図10に示すように、空き領域300内に表示される。空き領域300の形状に合わせて素材110〜150が配置されている。そのため、空き領域300に広告100を表示する倍に素材110〜150の配置は、定形の広告枠に広告100を表示する場合に素材110〜150の配置と異なる。空き領域300における広告100の形状は階段状である。また、素材110〜150のサイズは適宜変更されている。更に、広告100の周囲(すなわち空き領域300の辺)に境界線400が表示される。また、
図2において、文字列120〜150は横書きの文字列である。定形の広告枠において、文字列120〜150の順に上から下に向かって文字列120〜150が並べられている。空き領域300における文字列120〜150も横書きの文字列である。また、空き領域300において、文字列120〜150の順に上から下に向かって文字列120〜150が並べられている。
【0075】
[1−4.広告システムの動作]
次に、広告システムSの動作について、
図11を用いて説明する。
図11は、本実施形態に係る広告システムSの動作の一例を示すシーケンス図である。
【0076】
図11に示すように、ユーザ端末3のコンテンツ表示部311は、ユーザからの入力に基づいて、ウェブページの要求をコンテンツ配信サーバ1へ送信する(ステップS1)。
【0077】
ウェブページの要求したコンテンツ配信サーバ1のコンテンツ配信部112は、要求に対応するウェブページのHTML文書を生成し又はこのHTML文書を記憶部14から取得する(ステップS2)。
【0078】
次いで、空き領域検出部111は、要求されたウェブページから空き領域を検出する(ステップS3)。例えば、空き領域検出部111は、生成又は取得されたHTML文書を解析することによって、ウェブページ内の各表示領域及び各表示情報を特定する。また、空き領域検出部111は、表示領域及び表示情報の配置及び面積を特定する。そして、空き領域検出部111は、何れかの表示領域から、その表示領域の形状及び面積、並びにその表示領域内の表示情報の形状、面積及び配置に基づいて、空き領域を検出する。
【0079】
次いで、空き領域検出部111は、検出された空き領域の面積を算出する(ステップS4)。例えば、空き領域検出部111は、HTML文書から、検出された空き領域内の文字列又はウェブページ内の文字列のフォントサイズを取得する。空き領域検出部111は、空き領域に、取得されたフォントの文字が何文字入るか算出する。空き領域検出部111は、フォントサイズと文字数をと乗算して、空き領域の面積を算出する。
【0080】
次いで、コンテンツ配信部112は、生成又は取得されたHTML文書をユーザ端末3へ送信する(ステップS5)。このとき、コンテンツ配信部112は、例えばHTML文書において、空き領域が検出された表示領域の記述箇所に、不定形の広告枠を示す識別子を追加する。またコンテンツ配信部112は、空き領域の面積、空き領域の形状を示す情報、及び空き領域に広告を表示するためのプログラムを、HTML文書に追加する。
【0081】
HTML文書を受信したユーザ端末3のコンテンツ表示部311は、HTML文書に従ってウェブページを表示部37に表示する(ステップS6)。
【0082】
次いで、広告表示部312は、HTML文書に記述されたプログラムに従って、不定形の広告の要求を広告サーバ2へ送信する(ステップS7)。このとき、広告表示部312は、広告の要求に、空き領域の面積を付加する。
【0083】
不定形の広告の要求を受信した広告サーバ2の広告決定部211は、ユーザ端末3に配信する広告を決定する(ステップS8)。例えば、広告決定部211は、広告DB24aにおいて不定形表示許可フラグがTRUEに設定されている広告の中から、ウェブページを要求したユーザ、要求されたウェブページ及び現在の状況の少なくとも何れか一つに適した複数の広告を特定する。次いで、広告決定部211は、特定された各広告の定形面積を広告DB24aから取得する。広告決定部211は、各広告について、定形面積と、広告の要求に付加された空き領域の面積とを比較する。広告決定部211は、特定され広告の中から、定形面積が空き領域の面積以下である広告を、最終候補として抽出する。定形面積が空き領域の面積以下である広告が存在しない場合、広告決定部211は、定形面積に所定倍率を乗算することにより定形面積を小さくしてもよい。そして、広告決定部211は、小さくされた定形面積が空き領域の面積以下である広告を、最終候補として抽出してもよい。広告決定部211は、リアルタイムビッディング等を用いて、抽出された最終候補の中から、優先度が最も高い広告を、ユーザ端末3に配信する広告に決定する。或いは、広告決定部211は、優先度が最も高い順に所定数の広告を決定する。広告配信部212は、決定された1又は複数の広告それぞれの素材をユーザ端末3へ送信する(ステップS9)。例えば、広告配信部212は、決定された広告の全素材情報を広告DB24aから取得して、これらの素材情報をユーザ端末3へ送信する。
【0084】
広告の素材を受信したユーザ端末3の広告表示部312は、一の広告を構成する全素材が空き領域に入るように、各素材の配置を決定する。例えば、広告表示部312は、HTML文書から、空き領域の形状及び面積を取得する。また、広告表示部312は、素材情報に基づいて、各素材の形状及び面積を算出する。広告表示部312は、これらの情報に基づいて、背景を除いて全素材を空き領域に詰め込むことができるか否かを判定する。全素材を空き領域に詰め込むことができない場合、広告表示部312は、全素材のうち少なくとも何れか一つの素材を、所定範囲内の倍率で縮小して、全素材を空き領域に詰め込むことができるか否かを判定する。
【0085】
全素材を空き領域に詰め込むことができる場合、広告表示部312は、空き領域における各素材の座標を特定する。そして、広告表示部312は、決定された配置で各素材を空き領域に表示することで、不定形の広告を表示する(ステップS11)。例えば、画像の場合、広告表示部312は、素材情報に含まれる画像データ、特定された座標、及び決定された倍率に従って画像を表示する。文字列の場合、広告表示部312は、素材情報に含まれるテキストに示される文字列を、素材情報に含まれるフォントスタイル、フォントサイズ及びフォント色、並びに特定された座標及び決定された倍率に従って表示する。背景の場合、広告表示部312は、素材情報に含まれる背景色で、空き領域のうち、他の素材外の領域を塗りつぶす。また、広告表示部312は、広告と表示情報との間の境界を表示する。
【0086】
全素材を空き領域に詰め込むことができない場合、広告表示部312は、その広告を表示しない。広告サーバ2から複数の広告について素材を受信している場合、広告表示部312は、最初に優先度が最も高い広告について、全素材を空き領域に詰め込むことができるか否かを判定する。全素材を空き領域に詰め込むことができない場合、広告表示部312は、次に優先度が高い広告について、全素材を空き領域に詰め込むことができるか否かを判定する。こうして何れかの広告について、全素材を空き領域に詰め込むことができる場合、広告表示部312は、その広告を空き領域に表示する。
【0087】
以上説明したように、本実施形態によれば、広告サーバ2が、一の広告を構成する複数の要素であって、定形の広告領域に広告が表示されるように配置が予め定められた複数の要素を記憶する。また、コンテンツ配信サーバ1が、広告とは異なる表示情報を画面の少なくとも一部である所定の表示領域内に表示する場合に、表示領域のうち、表示情報が占める領域外の空き領域であって、定形とは異なる形状を有する空き領域を検出する。また、ユーザ端末3が、検出された空き領域の形状に応じて、広告サーバ2に記憶された複数の要素の配置を、予め定められた配置と異ならせることにより、広告を空き領域に表示する。従って、予め定められた広告の形状とは異なる形状を有する余白が画面内に生じた場合でも、その余白部分に広告を表示することができる。
【0088】
また、広告サーバ2が、定形面積と空き領域の面積との比較に基づいて、ユーザ端末3により広告を空き領域に表示させるか否かを制御してもよい。この場合、これら複数の要素を空き領域内に配置することを試みたものの、配置することができずに広告を表示することができないという事態の発生を削減することができる。従って、広告の表示に関する処理効率を向上させることができる。
【0089】
ここで、広告サーバ2が、文字のサイズ及び空き領域内に入れることができる文字の数に基づいて、空き領域の面積を算出してもよい。この場合、文字を含む広告を空き領域に表示する場合に、その文字の視認性を維持するのに適切な方法で空き領域の面積を算出することができる。
【0090】
また、ユーザ端末3が、予め設定された範囲内の倍率で、複数の要素のうち少なくとも一の要素のサイズを変更して、少なくとも一の要素を表示してもよい。この場合、広告の視認性を維持しつつ、空き領域に広告を表示することができる蓋然性を高めることができる。
【0091】
また、ユーザ端末3が、表示領域において、表示情報と広告との間の境界を更に表示してもよい。この場合、境界が表示されることにより、表示情報と広告とを視覚的に区別することを容易にすることができる。
【0092】
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態について、
図12を用いて説明する。本実施形態は、定形の広告枠を含むコンテンツから、空き領域が不定形の広告枠として検出された場合に、これら広告枠のそれぞれに何れの広告を表示させるかに関する。その他の点は、第1実施形態と同様である。
【0093】
図12は、ウェブページの構成例を示す図である。
図12において、
図9と同一の要素については同一の符号が付されている。
図12に示すように、或るウェブページは、定形の広告枠500、及びニュース紹介領域200を含む。例えば、このウェブページに広告枠500が予め設定されていてもよい。広告枠500の形状は例えば矩形である。ここで、空き領域検出部111は、例えば記事領域220から空き領域300を検出する。
【0094】
このような場合において、広告サーバ2の広告決定部211は、広告DB24aに登録された複数の広告それぞれについて、広告の表示の優先度を示す情報を取得する。例えば、広告決定部211は、前述したようなスコアを算出してもよい。優先度を示す情報は、例えば広告料及びその他の情報に基づいて決定される。
【0095】
ユーザ端末3の広告表示部312は、それら複数の広告のうち、取得された情報により示される優先度が最も高い第1の広告を、定形の広告枠に表示し、それら複数の広告のうち、第1の広告以外の何れか第2の広告を空き領域に表示する。一般的に、定形の広告枠に表示される広告の方が、不定形の広告枠に表示される広告よりも、広告としての効果が高いものと考えられる。そのため、表示の優先度が高い方の広告(または、広告料が高い傾向にある方の広告)を、定形の広告枠に表示させることが妥当であると考えられる。その一方で、定形の広告枠における表示から漏れた広告を救済することができる。更に、コンテンツの配信者は、定形の広告枠及び不定形の広告枠の両方から収益を得ることができる。
【0096】
広告決定部211は、
図11に示すステップS8において、前述したように、優先度が最も高い広告を、定形の広告枠に表示させる広告に決定する。コンテンツが複数の定形の広告枠を含む場合、優先度が高い順に、定形の広告枠の数に相当する数の広告を決定する。広告決定部211は、残りの広告の中から、空き領域に表示させる広告を決定する。例えば、広告決定部211は、残りの広告のうち、不定形表示許可フラグがTRUEであり、且つ定形面積が空き領域の面積以下である広告の中から、優先度が最も高い広告を、空き領域に表示させる広告に決定してもよい。
【0097】
広告配信部212は、ステップS9において、定形の広告枠用の広告及び空き領域用の広告それぞれについて、素材情報をユーザ端末3へ送信する。
【0098】
広告表示部312は、S11において、定形の広告枠用の広告及び空き領域用の広告それぞれを表示する。定形の広告枠用の広告の場合、広告表示部312は、素材情報に含まれる座標に従って、各素材を定形の広告枠内に表示する。
【0099】
以上説明したように、本実施形態によれば、広告サーバ2が、複数の広告それぞれについて、複数の要素を記憶する。また、広告サーバ2が、複数の広告それぞれについて、広告の表示の優先度を示すスコアを取得する。また、ユーザ端末3が、複数の広告のうち、取得されたスコアにより示される優先度が最も高い広告を定形の広告領域に表示し、複数の広告のうち、その広告以外の何れかの広告を空き領域に表示する。従って、定形の広告枠への表示から漏れた広告が露出する機会をその広告に与えることができる。
【0100】
[3.第3実施形態]
次に、第3実施形態について、
図13を用いて説明する。本実施形態は、空き領域の形状が如何なる形状である場合にその空き領域に如何なる広告を表示させるかに関する。空き領域の形状が異なると、広告の効果も異なる可能性がある。また、空き領域の形状に応じて、広告を構成する素材の配置が変わる場合がある。素材の配置が異なると、広告の効果も異なる可能性がある。本実施形態においては、広告効果が高まるように、空き領域に表示される広告が決定される。その他の点は、第1実施形態又は第2実施形態と同様である。
【0101】
本実施形態において、広告サーバ2の記憶部24には、広告DB24aに加えて、広告表示履歴24bが記憶される。
図13は、広告DB24a及び広告表示履歴24bに記憶される内容の一例を示す図である。
図13に示す広告DB24aが
図3に示す広告DB24aと異なる点は、
図13に示す広告DB24aにおいて、対応広告枠形状情報及び対応素材配置情報の少なくとも何れか一方が記憶されることである。対応広告枠形状情報及び対応素材配置情報は、広告効果の高い広告の表示態様を示す。対応広告枠形状情報は、対応する広告の広告効果が高い広告枠(空き領域)の形状を示す情報である。例えば、対応広告枠形状情報は、所定の条件に従って分類された形状を示す識別情報であってもよい。対応広告枠形状情報として、定形は設定されない。或いは、対応広告枠形状情報には、分類された複数の形状それぞれについて、その形状を示す識別情報と、その形状の空き領域に表示された広告が閲覧者により選択される蓋然性を示す情報(例えば、クリックスルーレート)とが関連付けられて記憶されてもよい。対応素材配置情報は、対応する広告を構成する複数の素材のうち少なくとも一の素材の位置であって、その広告の広告効果が高い素材の位置を示す情報である。例えば、対応素材配置情報は、特定の素材又は特定の種類の素材(例えば、画像等)の、空き領域における位置を示してもよい。この場合の配置の例として、空き領域の中央部、上部、下部、左部、右部等が挙げられる。或いは、対応素材配置情報は、全素材、特定の複数の素材又は特定種類の複数の素材の相対的な配置を示してもよい。この場合の配置の例として、特定の画像が特定の文字列の右側である、画像が文字列の上側である等が挙げられる。或いは、対応素材配置情報には、分類された複数の配置それぞれについて、その配置を示す情報と、その配置で素材が空き領域に表示された場合に広告が閲覧者により選択される蓋然性を示す情報とが関連付けられて記憶されてもよい。
【0102】
広告表示履歴DB24bには、広告の表示の履歴が記憶される。具体的に、広告表示履歴DB24bには、広告表示ログとして、ログID、広告ID、表示日時及びクリックスルーフラグが、ユーザ端末3により広告が表示されるごとに、互いに関連付けて記憶させる。更に、広告表示履歴DB24bには、広告枠形状情報及び素材配置情報のうち少なくとも何れか一方がログIDに関連付けて記憶される。ログIDは、ログを識別する識別情報である。広告IDは、表示された広告を示す。表示日時は、広告が表示された日時を示す。クリックスルーフラグは、ユーザ端末3により広告が表示された後に、コンテンツの閲覧者によりその広告が選択されたか否かを示す。TRUEに設定されたクリックスルーフラグは、広告が選択されたことを示す。FALSEに設定されたクリックスルーフラグは、広告が選択されなかったことを示す。広告枠形状情報及び素材配置情報は、広告の表示態様を示す。広告枠形状情報は、広告が表示された広告枠の形状を示す情報である。定形の広告枠に広告が表示された場合、広告枠形状情報は、定形を示す識別情報であってもよい。空き領域に広告が表示された場合、広告枠形状情報は、空き領域の各頂点の相対座標であってもよい。素材配置情報、広告が表示された場合におけるその広告を構成する複数の素材のうち少なくとも一の素材の位置を示す情報である。定形の広告枠に広告が表示された場合、素材配置情報は、定形を示す識別情報であってもよい。空き領域に広告が表示された場合、素材配置情報は、空き領域における各素材の座標であってもよい。或いは、素材配置情報は、特定の素材又は特定種類の素材の、空き領域における位置を示してもよい。ユーザ端末3の広告表示部312が広告を表示すると、広告表示部312は、その広告表示についての広告枠形状情報及び素材配置情報のうち少なくとも何れか一方を、その広告の広告ID及び表示日時とともに広告サーバ2へ送信する。広告サーバ2は、ユーザ端末3から受信された情報及びFALSEに設定されたクリックスルーフラグを、新しいログIDに関連付けて、広告表示履歴DB24bに記憶させる。画面に表示された広告をユーザが選択することに応じてユーザ端末3が広告サーバ2へ要求を送信すると、広告サーバ2は、クリックスルーフラグをTRUEに変更する。
【0103】
本実施形態において、広告システムSは、各広告について、その広告の表示回数が比較的少ない段階においては、その広告が様々な形状の空き領域に表示されるように制御する。例えば、ユーザ端末3に配信されるコンテンツが異なれば、そこから検出される空き領域の形状も異なる可能性がある。また、コンテンツ配信部112は、同一のコンテンツであっても、そのコンテンツから適宜異なる空き領域を検出してもよい。例えば、コンテンツ配信部112は、コンテンツを配信する都度、ランダムに又は所定の順序に従って、空き領域を検出する表示領域を決定してもよい。
【0104】
広告決定部211は、各広告について、その広告の表示回数が比較的少ない段階においては、例えば第1実施形態又は第2実施形態により示された方法で、空き領域に表示される広告を決定する。
【0105】
上述した処理により、広告表示履歴DB24bには、互いに異なる形状を有する複数の空き領域のそれぞれについて、一の広告が空き領域に表示されたときにその広告が閲覧者により選択されたか否かを示すクリックスルーフラグが、その広告の表示態様を示す広告枠形状情報及び素材配置情報の少なくとも何れか一方と関連付けて、広告表示ログとして記憶される。
【0106】
広告決定部211は、広告表示履歴DB24bに記憶された広告表示ログに基づいて、広告の表示態様と広告が選択される蓋然性との関係を特定する。この蓋然性は、例えばクリックスルーレートであってもよい。例えば、一の広告について所定数以上の広告表示ログが広告表示履歴DB24bされると、広告決定部211は、広告表示ログを定期的に解析してもよい。広告決定部211は、広告の表示態様と広告が選択される蓋然性との関係の特定に、広告枠形状情報及び素材配置情報の何れか一方のみを用いてよいし、それら両方を用いてもよい。
【0107】
広告枠形状情報を用いる場合、広告決定部211は、広告枠形状情報に基づいて、広告が表示された空き領域の形状を分類する。空き領域の形状の分類には、例えばクラスタリングが用いられてもよい。広告決定部211は、分類された空き領域の形状ごとにクリックスルーレートを算出する。広告決定部211は、複数の形状のうちクリックスルーレートが最も高い形状を示す情報を、対応広告枠形状情報として、その広告の広告IDに関連付けて広告DB24aに記憶させてもよい。広告決定部211は、定形の広告枠に広告が表示されたときのクリックスルーレートを更に算出してもよい。広告決定部211は、特定の形状の空き領域に広告が表示された場合のクリックスルーレートが、定形の広告枠に広告が表示されたときのクリックスルーレートよりも高い場合、定形の広告枠よりもその形状の空き領域の方を優先して広告を表示することを示す情報を、対応広告枠形状情報に付加してもよい。
【0108】
素材配置情報を用いる場合、広告決定部211は、素材配置情報に基づいて、特定の素材若しくは特定種類の素材の位置、又は全素材、特定の複数の素材若しくは特定種類の複数の素材の相対的な位置を特定する。広告決定部211は、特定された位置ごとに、クリックスルーレートを算出する。広告決定部211は、複数の位置のうちクリックスルーレートが最も高い位置を示す情報を、対応素材配置情報として、その広告の広告IDに関連付けて広告DB24aに記憶させてもよい。
【0109】
広告枠形状情報及び素材配置情報の両方を用いる場合、広告決定部211は、空き領域の形状素材の位置のうち、何れの方がよりクリックスルーレートに影響を及ぼすかを判定してもよい。例えば、特定の形状の空き領域において、素材の位置が異なっていてもクリックスルーレートが他の形状よりも高い傾向にある場合、空き領域の形状の方がクリックスルーレートに及ぼす影響が強いと考えられる。一方、特定の素材の位置において、空き領域の形状が異なってもクリックスルーレートが他の位置よりも高い傾向にある場合、素材の位置の方がクリックスルーレートに及ぼす影響が強いと考えられる。広告決定部211は、クリックスルーレートに及ぼす影響が強い方の表示態様を示す情報を、広告DB24aに記憶させてもよい。
【0110】
広告決定部211は、特定された広告の表示態様と広告が選択される蓋然性との関係に基づいて、広告表示部312により広告を空き領域に表示させるか否かを制御する。例えば、広告表示部312は、広告サーバ2へ広告の要求を送信するときに、この要求に、検出された空き領域の形状を示す広告枠形状情報を含めてもよい。対応広告枠形状情報を用いる場合、広告決定部211は、広告の要求に含まれる広告枠形状情報と一致する対応広告枠形状情報に関連付けられた広告を、広告DB24aから検索してもよい。広告決定部211は、検索された広告のうち何れかの広告の素材をユーザ端末3へ送信してもよい。対応素材配置情報を用いる場合、広告決定部211は、広告の要求に含まれる広告枠形状情報に基づいて、空き領域の形状を特定する。広告決定部211は、対応素材配置情報により示される素材の位置で、特定した空き領域に全素材を詰め込むことができる広告を抽出してもよい。広告決定部211は、抽出された広告のうち何れかの広告の素材をユーザ端末3へ送信してもよい。このとき、広告決定部211は、空き領域に全素材を詰め込むために決定された素材の配置を示す情報を、素材情報とともにユーザ端末3へ送信してもよい。広告表示部312は、広告決定部211により決定された配置に従って、広告を構成する各素材を空き領域に表示してもよい。
【0111】
広告決定部211は、閲覧者による広告の選択の蓋然性を、広告の表示の優先度の算出に用いてもよい。空き領域に広告を表示させる場合及び定形の広告枠に広告を表示させる場合の何れの場合においても、優先度の算出に、広告の選択の蓋然性が用いられてもよい。例えば、広告決定部211は、一の広告について、広告の各表示態様(広告枠の形状又は素材の位置)に対するクリックスルーレートを広告DB24aに記憶させる。或る表示態様で広告が表示されていない場合又はその表示態様での広告の表示回数が所定回数未満である場合、その表示態様については例えば所定のクリックスルーレートが広告DB24aに記憶されてもよい。空き領域に表示する広告を決定するとき、広告決定部211は、検出された空き領域に対する各広告の表示態様を特定する。例えば、広告決定部211は、空き領域の形状を特定したり、空き領域における各素材の配置を決定したりする。広告決定部211は、各広告について、特定した表示態様に対応するクリックスルーレートを用いて優先度を算出する。クリックスルーレートが高くなるほど優先度は高くなる。広告決定部211は、優先度が最も高い広告又は優先度が相対的に高い広告を、空き領域に表示する広告に決定する。また、広告決定部211は、或る広告が特定の形状の空き領域に表示された場合のクリックスルーレートが、その広告が定形の広告枠に表示された場合のクリックスルーレートよりも高い場合、その広告を表示する広告枠として、その形状の空き領域を定形の広告枠に優先して決定してもよい。
【0112】
以上説明したように、本実施形態によれば、広告サーバ2が、異なる形状を有する複数の空き領域のそれぞれについて、広告が空き領域に表示されたときに広告が画面の閲覧者により選択されたか否かを示すクリックスルーフラグを、広告の表示態様を示す広告枠形状情報及び素材配置情報の少なくとも何れか一方と関連付けて記憶する。また、広告サーバ2が、記憶されたクリックスルーフラグと、広告枠形状情報及び素材配置情報の少なくとも何れか一方と、に基づいて、広告の表示態様と広告が選択される蓋然性との関係を特定する。また、広告サーバ2が、特定された関係に基づいて、ユーザ端末3により広告を空き領域に表示させるか否かを制御する。従って、閲覧者により広告が選択される蓋然性を高める態様で広告を表示可能である場合に、その広告を空き領域に表示することができる。
【解決手段】広告システムは、一の広告を構成する複数の要素であって、定形の広告領域に広告が表示されるように配置が予め定められた複数の要素を記憶する。広告システムは、表示情報を画面の少なくとも一部である所定の表示領域(記事領域210、220、230及び240)内に表示する場合に、表示領域のうち、表示情報が占める領域外の、定形とは異なる形状を有する空き領域300を検出する。広告システムは、空き領域の形状に応じて、複数の要素の配置を、予め定められた配置と異ならせることにより、広告を空き領域に表示する。