特許第6880274号(P6880274)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 藤沢 和則の特許一覧

特許6880274配達システム、ユーザ端末及び管理サーバ
<>
  • 特許6880274-配達システム、ユーザ端末及び管理サーバ 図000002
  • 特許6880274-配達システム、ユーザ端末及び管理サーバ 図000003
  • 特許6880274-配達システム、ユーザ端末及び管理サーバ 図000004
  • 特許6880274-配達システム、ユーザ端末及び管理サーバ 図000005
  • 特許6880274-配達システム、ユーザ端末及び管理サーバ 図000006
  • 特許6880274-配達システム、ユーザ端末及び管理サーバ 図000007
  • 特許6880274-配達システム、ユーザ端末及び管理サーバ 図000008
  • 特許6880274-配達システム、ユーザ端末及び管理サーバ 図000009
  • 特許6880274-配達システム、ユーザ端末及び管理サーバ 図000010
  • 特許6880274-配達システム、ユーザ端末及び管理サーバ 図000011
  • 特許6880274-配達システム、ユーザ端末及び管理サーバ 図000012
  • 特許6880274-配達システム、ユーザ端末及び管理サーバ 図000013
  • 特許6880274-配達システム、ユーザ端末及び管理サーバ 図000014
  • 特許6880274-配達システム、ユーザ端末及び管理サーバ 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6880274
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】配達システム、ユーザ端末及び管理サーバ
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20210524BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20210524BHJP
【FI】
   G06Q10/08 300
   G06Q30/02 320
【請求項の数】4
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2020-60321(P2020-60321)
(22)【出願日】2020年3月30日
【審査請求日】2020年3月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500183607
【氏名又は名称】藤沢 和則
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100136744
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 佳正
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】藤沢 和則
【審査官】 小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2019−016157(JP,A)
【文献】 物流ラストマイル,ラストマイル物流の課題とその解決・効率化を支援する施策と進捗,株式会社流通研究社,2018年10月 1日,第59巻第10号,第22−27頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受取人が不在でも配達先における所定場所に配達物を配達する置き配の指定を行うユーザ端末と、
配達業者が前記置き配の終了を入力する業者端末と、
前記置き配の進捗状況を管理する管理サーバと
を有する配達システムであって、
前記ユーザ端末は、
前記置き配の指定を行う置き配指定画面を表示するユーザ表示部と、
前記ユーザ端末を制御するユーザ制御部と
を備え、
前記業者端末は、
前記置き配の終了を入力する置き配終了入力画面を表示する業者表示部と、
前記業者端末を制御する業者制御部と
を備え、
前記管理サーバは、
前記置き配の情報を記憶する置き配データベースと、
前記管理サーバを制御するサーバ制御部と
を備え、
前記ユーザ表示部は、
前記置き配の指定時に置き配手数料を表示し、
前記置き配の終了を少なくとも1条件として、前記置き配手数料の一部若しくは全部又は前記置き配手数料の一部若しくは全部に所定金額を加算した額に相当するポイントを付与した旨を通知するポイント付与通知を表示し、
前記ユーザ制御部は、前記置き配指定画面で前記置き配の指定があった場合、前記置き配に関する情報を前記管理サーバに通知し、
前記業者制御部は、前記置き配終了入力画面で前記置き配の終了が入力された場合、前記置き配の終了を前記管理サーバに通知し、
前記サーバ制御部は、
前記ユーザ端末から前記置き配の指定を受信したことを少なくとも1条件として、前記置き配が必要であることを前記置き配データベースに登録し、且つ前記置き配の依頼者から前記置き配手数料を徴収し、
前記業者端末から前記置き配の終了を受信したことを少なくとも1条件として、前記ポイントを前記置き配の依頼者に付与するポイント付与処理を行う
ことを特徴とする配達システム。
【請求項2】
請求項1に記載の配達システムにおいて、
前記業者表示部は、前記所定場所への置き配ができない場合に置き配不可を入力する置き配不可入力画面を表示し、
前記業者制御部は、前記置き配不可が入力されると、前記置き配不可を前記管理サーバに通知し、
前記サーバ制御部は、前記置き配不可を受信すると、前記置き配不可を前記配達先の地域情報と共に、前記置き配データベースに登録すると共に、前記置き配手数料を前記依頼者に返金する返金処理を行う
ことを特徴とする配達システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の配達システムにおいて、
前記管理サーバは、前記業者端末から前記置き配の終了を受信したことを1条件として、前記ユーザ端末に前記置き配の終了を通知する置き配終了通知を送信し、
前記ユーザ端末は、
前記置き配終了通知を受信すると、前記置き配終了通知と、前記置き配終了を前記依頼者が了解した旨の入力を受付け、
前記依頼者による了解した旨の入力がされた場合、前記依頼者の了解を前記管理サーバに通知し、
前記管理サーバは、前記依頼者の了解を受信すると、前記ポイント付与処理を行い、
さらに、前記管理サーバは、前記置き配の終了後、前記依頼者の了解を受信しなくても所定期間が経過した場合、前記ポイント付与処理を行う
ことを特徴とする配達システム。
【請求項4】
受取人が不在でも配達先における所定場所に配達物を配達する置き配の指定を行うユーザ端末、及び配達業者が前記置き配の終了を入力する業者端末と通信して、前記置き配の進捗状況を管理する管理サーバであって、
前記管理サーバは、
前記置き配の情報を記憶する置き配データベースと、
前記管理サーバを制御するサーバ制御部と
を備え、
前記サーバ制御部は、
前記ユーザ端末から前記置き配の指定を受信したことを少なくとも1条件として、前記置き配が必要であることを前記置き配データベースに登録し、且つ前記置き配の依頼者から前記置き配手数料徴収し、
前記業者端末から前記置き配の終了を受信したことを少なくとも1条件として、前記置き配手数料の一部若しくは全部又は前記置き配手数料の一部若しくは全部に所定金額を加算した額に相当するポイントを前記置き配の依頼者に付与するポイント付与処理を行う
ことを特徴とする管理サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広く商品等の出荷あるいは商品や荷物等の配達を管理する配達システム等に関し、より詳細には、小売業やネット通販業等において商品等の出荷あるいは商品や荷物等の配達を柔軟に運用するための配達システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品の在庫管理等を行って商品の輸送時間を短縮したり、配達物の持ち帰り率を軽減させて全体的な配達効率を向上させたりする技術が提供されてきた。
【0003】
配達効率の向上に関しては、例えば、配達の際に受取主が不在のとき、保管庫が設置された場所等が記載された不在伝票を受取主宅に投函するとともに、配達伝票に付記されたバーコードを保管庫に読み取らせ、この保管庫に配達荷物を保管等する技術が提案されている(特許文献1)。
【0004】
すわなち、特許文献1には、依頼主から預かった荷物を集荷する集荷手段と、該集荷物を輸送する輸送手段と、該輸送手段にて輸送された荷物を受取主に配達する配達手段とを有する宅配システムにおいて、配達の際に受取主が不在のとき該荷物を保管する保管手段を備え、配達の際に受取主が不在のときバーコードが付記された不在伝票を受取主宅に置くとともに、配達荷物を該バーコードと同一のものが付記された配達伝票を読み込ませて保管手段に保管し、受取主は不在伝票のバーコードを保管手段に読み込ませて該保管手段を解錠し荷物を取り出すことを特徴とする宅配システムが開示されている。
【0005】
また、注文された荷物の受取人が荷物の受け取り方法を変更した場合に配達者による配達をより確実に完了させるよう支援する技術も提案されている(特許文献2)。
【0006】
すなわち、特許文献2には、注文された荷物の配達者が携帯する端末と、前記荷物の受取人が使用する端末から前記荷物の注文時に指定された受け取り方法の変更を示す変更情報を受信する変更情報受信部と、前記荷物の配達状況を示す配達状況情報を記憶する記憶部から前記配達状況情報を取得する取得部と、前記受信された前記変更情報と前記取得された前記配達状況情報とに基づいて前記荷物が配達中であるか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記荷物が配達中であると判定された場合に前記配達者が携帯する端末に前記受け取り方法が変更されたことを示す情報を送信する送信部とを有する配達管理装置とを有することを特徴とする配達管理システムが開示されている。
【0007】
また、宅配品の配達の際に不在の場合に、授受セットを用いて宅配商品を受け取るようにした宅配技術も提案されている(特許文献3)。
【0008】
すなわち、特許文献3には、管理会社の支配下にあり、記憶手段に契約者に関する情報を記憶している管理用コンピュータと、前記管理会社と契約し、前記管理用コンピュータの記憶手段に登録情報が書き込まれている宅配業者であって、前記管理用コンピュータとアクセス可能な宅配業者の支配下にある情報端末と、契約者宅の前に設備された授受セットと、を具備し、宅配業者は前記情報端末によって前記管理用コンピュータにアクセスして配達に関する情報を入手し、該情報に基づいて前記契約者宅の授受セットに宅配品を留め置くようにした宅配システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−245094号公報
【特許文献2】特開2019−16157号公報
【特許文献3】特開2017−154849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、近年のネット通販業等においては、短時間配達サービスの競争が活発化しており、そのための全体的な配達効率の向上が求められている。例えば、配達先が不在であった時などの効率的なシステム運用が期待されており、その中でもいわゆる置き配(受取人が不在であっても配達先の玄関前、車庫、宅配ボックス等の所定場所に商品を届け置くこと)の実効性を高めるシステム運用等についての改善が期待される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、本発明の一実施形態にかかる配達システムは、
受取人が不在でも配達先における所定場所に配達物を配達する置き配の指定を行うユーザ端末と、
配達業者が前記置き配の終了を入力する業者端末と、
前記置き配の進捗状況を管理する管理サーバと
を有するものであって、
前記ユーザ端末は、
前記置き配の指定を行う置き配指定画面を表示するユーザ表示部と、
前記ユーザ端末を制御するユーザ制御部と
を備え、
前記業者端末は、
前記置き配の終了を入力する置き配終了入力画面を表示する業者表示部と、
前記業者端末を制御する業者制御部と
を備え、
前記管理サーバは、
前記置き配の情報を記憶する置き配データベースと、
前記管理サーバを制御するサーバ制御部と
を備え、
前記ユーザ表示部は、
前記置き配の指定時に置き配手数料を表示し、
前記置き配の終了を少なくとも1条件として、前記置き配手数料の一部若しくは全部又は前記置き配手数料の一部若しくは全部に所定金額を加算した額に相当するポイントを付与した旨を通知するポイント付与通知を表示し、
前記ユーザ制御部は、前記置き配指定画面で前記置き配の指定があった場合、前記置き配に関する情報を前記管理サーバに通知し、
前記業者制御部は、前記置き配終了入力画面で前記置き配の終了が入力された場合、前記置き配の終了を前記管理サーバに通知し、
前記サーバ制御部は、
前記ユーザ端末から前記置き配の指定を受信したことを少なくとも1条件として、前記置き配が必要であることを前記置き配データベースに登録し、且つ前記置き配の依頼者から前記置き配手数料を徴収し、
前記業者端末から前記置き配の終了を受信したことを少なくとも1条件として、前記ポイントを前記置き配の依頼者に付与するポイント付与処理を行う
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一実施形態にかかる配達システム等によれば、置き配指定時に置き配の依頼者(ユーザ)から置き配手数料の徴収を行うことで、依頼者に慎重な置き配指定を促すことが可能となる。また、置き配終了時にポイント付与処理が行われることにより、依頼者に次回以降の置き配指定を促すことが可能となる。ひいては、配達先が不在であった時などの効率的な運用ができ、いわゆる置き配の実効性を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態にかかる配達システムにおける施設及び流通経路等を説明する説明図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる配達システムの全体構成例を説明する説明図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる配達システムにおける管理サーバの機能ブロック構成を説明する説明図である。
図4】本発明の一実施形態にかかる配達システムにおける情報処理装置(ユーザ端末)の外観構成例を説明する説明図である。
図5】本発明の一実施形態にかかる情報処理装置(ユーザ端末)を構成するハードウェアの機能ブロック構成を説明する説明図である。
図6】本発明の一実施形態にかかる配達システムにおける情報処理装置(配達員端末又は業者端末)の外観構成例を説明する説明図である。
図7】本発明の一実施形態にかかる情報処理装置(配達員端末又は業者端末)を構成するハードウェアの機能ブロック構成を説明する説明図である。
図8】本発明の一実施形態にかかる配達システムにおける通常置き配時の処理動作フローを説明するフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態にかかる配達システムにおける情報処理装置(ユーザ端末)の第1表示例を説明する説明図である。
図10】本発明の一実施形態にかかる配達システムにおける情報処理装置(ユーザ端末)の第2表示例を説明する説明図である。
図11】本発明の一実施形態にかかる配達システムにおける情報処理装置(ユーザ端末)の第3表示例を説明する説明図である。
図12】本発明の一実施形態にかかる配達システムにおける情報処理装置(ユーザ端末)の第4表示例を説明する説明図である。
図13】本発明の一実施形態にかかる配達システムにおける置き配不可時の処理動作フローを説明するフローチャートである。
図14】本発明の一実施形態にかかる配達システムにおける置き配終了且つ顧客の了解なし時の処理動作フローを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態にかかる配達システム等について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明にかかる以下の実施形態は、説明の便宜上、配送対象を商品としたが、本発明はこれに制限されるものではなく、発明の趣旨に照らして不合理でない限り、荷物にも適用できる(以下、商品や荷物等を総称して、「商品等」あるいは単に「商品」ともいう。)。
【0015】
図1に、本発明の一実施形態にかかる配達システムにおける施設及び流通経路等を模式的に示す。同図において、施設及び流通経路から見た配達システム10は、大別して、物流センター11〜13と最寄り拠点14〜16とを含み、経路143〜144、155〜158、166〜169を介して顧客宅141〜142、151〜153、162〜165、199まで商品等を配達する一大物流網の一部を構成している。
【0016】
なお、物流センター11〜13、及び最寄り拠点14〜16の数は、これらの数に限定されるものではなく、任意のセンター数及び拠点数を含みうる。以下、本発明の理解の容易化のために、便宜上、図1に示されたモデルに沿って説明する。
【0017】
[物流センター及び最寄り拠点]
本発明は、これに限定されるものではないが、本発明の一実施形態にかかる配達システムにおける施設は、少なくともこれら2種類の施設が含まれている。例えば、従来の物流拠点としての物流センターに加えて、所定時間内に顧客宅へ配送可能な地理的な拠点として本発明の一実施形態にかかる最寄り拠点が設けられたものである。
【0018】
つまり、最寄り拠点は、顧客に短時間で商品等を届けることができるように設けられた配送拠点である。
【0019】
また、図1に示されるように、物流センター同士においても異なる役割があっても良い。例えば、同図において、物流センター12は、経路121、122を介して最寄り拠点14、15へ商品等を配送し、物流センター13は、経路131、132を介して最寄り拠点15、16へ商品等を配送する一方で、物流センター11は、経路112、114を介して他の物流センター12、13へ商品等を配送するほか、経路111、113、115を介して最寄り拠点14、15、16へ商品等を配送する役割も担っている。例えば、最寄り拠点14へは、通常地理的に近い物流センター12から商品等が供給されるが、物流センター12に在庫が無い場合には、物流センター11から商品等が最寄り拠点14へ供給される場合もある。
なお、図1には示されていないが、物流センター11〜13から直接に顧客宅へ商品等を配送する経路を設けることしても良い(本発明においては本質的部分ではないので、図示を省略する)。
【0020】
また、図1において、最寄りエリア140は、最寄り拠点14から所定時間(例えば、30分とか1時間など。数時間の場合もある)内に商品等を届けることのできるエリアを示しており、同エリアには、模試的に顧客宅141、142が含まれる。
【0021】
同様に、最寄りエリア150は、最寄り拠点15から所定時間(例えば、30分とか1時間など。数時間の場合もある)内に商品等を届けることのできるエリアを示しており、同エリアには、模試的に顧客宅151、152、153、199が含まれる。また、最寄りエリア160は、最寄り拠点16から所定時間(例えば、30分とか1時間など。数時間の場合もある)内に商品等を届けることのできるエリアを示しており、同エリアには、模試的に顧客宅162、163、164、165、199が含まれる。
【0022】
ここで、同図において、顧客宅199は、例示的に最寄りエリア150にも最寄りエリア160にも含まれている。このことは、顧客宅199へは、最寄り拠点15からも最寄り拠点16からも所定時間内に商品等を届けることができることを意味している(例えば、最寄り拠点15から顧客宅199へは35分で商品等を届けることができ、最寄り拠点16から顧客宅199へは40分で商品等を届けることができる、など)。
【0023】
本発明はこれに限定されるものではないが、本発明の一実施形態にかかる配達システムにおいては、取扱商品に「ストック商品」と「非ストック商品」という2種類の区分を設けることができる。これらの商品区分は、最寄り拠点の最寄りエリア内の顧客からの日常的な需要の高低によって区分される。最寄り拠点の最寄りエリア内の顧客からの日常的な需要が高い商品はストック商品として区分され、顧客からの注文が入っていなくとも一定数がその最寄り拠点に常備されるように管理される。
一方で、非ストック商品は、顧客からの注文が入った時点で、物流センターから最寄り拠点に配送され、最寄りエリア内の顧客宅に届けられる(あるいは、物流センターから直接に顧客宅に届けられる場合もある)。
【0024】
「ストック商品」及び「非ストック商品」は、最寄りエリア内の日常的な需要の高低によって最寄りエリアごとにシステム上選定されるものであるので、商品区分(家電製品であるとか、書籍、コスメ商品であるなど)によって一律に決まるものではない。しかしながら、一般的傾向として、冷蔵庫や大型テレビなどの家電製品は非ストック商品に区分されることが多く、シャンプーやトイレットペーパーなどの日用品はストック商品に区分されることが多い。また、ストック商品についても、地域によって、また、年中行事や震災直後といった事情によって、地理的・時間的に変動する。
【0025】
以下に、本明細書における「ストック商品」及び「非ストック商品」の定義付けを行う。
ストック商品:最寄りエリア内の顧客から短期間に繰り返し需要が発生する商品である。日用品や消耗品などが挙げられる。本発明の一実施形態においては、常に最寄り拠点に一定数ストックされるよう管理される商品である。
非ストック商品:ストック商品以外の商品である。典型的には顧客からの発注があった時点で物流センターから受け渡される商品であり、大型家電やカメラなどの高級商材などが挙げられる。
なお、本発明は上記の商品区分を必須とするものではなく、以下の実施形態において、「ストック商品」と「非ストック商品」とを区別して説明している場合であっても、これらに制限されない(全て、通常の商品として読み替えても良い)。
【0026】
[物流管理]
ここまでの説明で、「最寄り拠点から所定時間内に商品等を届けることができる」、「在庫が無い場合」等と説明している部分は、システム上、配送あるいは配達にかかる時間(予想時間)や拠点における商品等の在庫数が管理されていることによって判断可能となる。本発明の一実施形態にかかる配達システムの全体構成例については、図2を参照して後述するが、例えば、本発明の一実施形態にかかる配達システムにおける管理サーバが、図1におけるいずれのかの物流センターあるいは最寄り拠点、あるいは、図示されていない社屋等に設置され、かかる管理サーバが各センター及び各拠点と情報端末及びネットワークによって接続されて、各拠点等における商品等の在庫状況及び入出庫数、並びに各拠点間あるいは目的地までの配送あるいは配達状況が時々刻々と管理されるものである。さらに、これらの実績等から、各拠点間あるいは目的地までの配送あるいは配達時間が算出され、逐次更新管理される。
【0027】
したがって、図1における各経路も、それぞれ常に唯一のルートであるという訳でもない。例えば、物流センター11から最寄り拠点14への経路は、111としてシステム上管理されているが、これ以外の1以上のルートを代替ルートとして記憶管理させることもできる。また、最寄り拠点14から顧客宅141への経路についても、同図では143としてシステム上管理されているが、1以上の代替ルートを記憶管理させることもできる。
【0028】
これらの代替ルートは、例えば、その時々の交通状況によって代替的に採用させて、具体的な配送設備(拠点)あるいは配送手段(配送車)に対して指示させることができる。
【0029】
[販売管理]
また、本発明の一実施形態にかかる配達システムにおいては、商品等の販売管理も行われている。本発明の一実施形態にかかる配達システムは、図示しない店舗POSレジや通信販売(電子商取引)システムとも連動しており、店舗における販売実績や通販による販売実績も顧客ごとに管理している。そのためのデータベースとして、一実施形態においては次のようなデータベース(D1)〜(D8)を管理サーバ内に有しており、各種端末からの参照や更新要求が可能となっている。
【0030】
(D1)顧客管理データベース
顧客に関する項目が登録されたデータベースであり、顧客氏名、住所、電話番号等の個人情報と、保有ポイントや最寄り拠点等の付帯情報とが登録されている。
【0031】
(D2)商品管理データベース
商品に関する項目が登録されたデータベースであり、商品名、JANコードに対応付けられる商品コード等が登録管理されている。
【0032】
(D3)在庫管理データベース
拠点ごとの商品在庫を管理するためのデータベースであり、適宜商品管理データベースと連携し、必要なテーブルが派生抽出される。
【0033】
(D4)倉庫管理データベース
物流センター等の倉庫に保管されている商品在庫を管理するためのデータベースである。
【0034】
(D5)販売管理データベース
拠点や店舗ごとに販売された商品に関する実績管理データベースである。
【0035】
(D6)ストック候補商品データベース(あるいはテーブル)
商品管理データベース、在庫管理データベースから派生抽出されるデータベースである。抽出例の説明は割愛する。
【0036】
(D7)ストック希望商品データベース(あるいはテーブル)
商品管理データベース、在庫管理データベース、顧客管理データベースから派生した顧客ごと、最寄り拠点ごとのストック希望商品データベースである。抽出例の説明は割愛する。
【0037】
(D8)最寄り拠点ごと(顧客ごと)のストック商品データベース(あるいはテーブル)
商品管理データベース、在庫管理データベース、顧客管理データベースから派生した最寄り拠点ごとのストック商品在庫管理を行うためのデータベースである。抽出例の説明は割愛する。
【0038】
[最寄り拠点の役割]
本発明の一実施形態にかかる配達システムを含む物流システムにおいて、最寄り拠点では、次の役割を担う(システム動作、拠点内スタッフ等の作業員による作業をまとめて列挙する)。
(1)対象ストック商品の保管、仕分け、対象ストック商品の更新管理
(2)最寄りエリア内の顧客から対象ストック商品に注文が入った場合の配達処理(注文商品のピッキング、宛先ラベリング)
(3)最寄りエリア内の顧客が注文した非ストック商品が物流センターから届いた場合の一時保管及び顧客宅への配達(典型的には、非ストック商品は、宛先ラベリングが済まされた状態で最寄り拠点に引き渡される)
(4)最寄りエリア内の顧客が注文した非ストック商品とストック商品の同梱配達(同梱して配達する場合は、最寄り拠点にて同梱作業や宛先ラベリング作業が行われる)
(5)最寄りエリア内の顧客への配達を行ったが不在であった場合の再配達
(6)上記(5)再配達時にストック商品の追加注文があった場合の当該ストック商品の同時配達
【0039】
なお、本発明の一実施形態においては、物流センターから最寄り拠点への配達は、同一業者内の業務として実施され、他の配達業者等への委託は行われない。例えば、業者内の自社便等により1日数回程度、対象商品が配達される。
【0040】
図2に、本発明の一実施形態にかかる配達システムの全体構成例を示す。
【0041】
図2に示されるように、配達システム20は、その一実施形態における構成として、管理サーバ21と、ユーザ(顧客)や配達員等が使用する各種情報処理装置(図において、例示的に、携帯情報端末あるいはタブレット端末22、携帯電話23、PC24〜26、配達員端末27〜28が示されている。以下、総称して「各種端末」あるいは単に「端末」とも言うこともある)とで構成されている。配達システム20における管理サーバ21、各種端末間は、図2に示されるように専用回線やインターネット等の公衆回線(有線の回線として、37〜39)で相互に通信可能に接続されている。また、回線は有線であっても無線であってもよく、無線の場合、携帯情報端末あるいはタブレット端末22及び携帯電話23、並びに配達員端末27〜28は、無線で図示しない基地局やアクセスポイント等を介してインターネット39に乗り入れ、更に回線38を介して管理サーバ21と相互に通信可能に接続される。
なお、配達員端末27〜28にはPOS端末が含まれてもよいが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0042】
ここで、アクセスポイントとは、PCやスマートフォンなどの無線端末を相互に接続したり、他のネットワークに接続させたりするための無線機である。典型的には、OSI参照モデルにおける第1層(物理層)及び第2層(データリンク層)の通信プロトコルで作動するデバイスである。
【0043】
なお、本願の出願時点での携帯電話や携帯情報端末あるいはタブレットは、パーソナルコンピュータ(PC)と同等の処理能力(通信処理速度や画像処理能力等)を備えているものも多く、小型のコンピュータとも言うべきものである。
【0044】
また、本発明の実施に必要なプログラムあるいはソフトウェアは、通常、PCや携帯情報端末の記憶部におけるHDD、SSD等にインストールあるいは記憶され、プログラムあるいはソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPUにおいて演算実行される。
【0045】
あるいは、ブラウザベースのコンピュータあるいは携帯情報端末を採用することもできる。この場合は、必要に応じて他のサーバやコンピュータから端末にプログラムが配信され、端末上のブラウザでこれを実行するという構成になる。
【0046】
また、管理サーバ21のハードウェア構成も、基本的にはPCを採用することができる(念のため、図3を参照して後述する)。なお、本発明はこれに限定されるものではないが、管理サーバ21は、必要に応じてそのハードウェアスペックを上げるにあたり、複数のPC(一例として、数十台〜数万台)を並列的に作動させることによって大規模データの処理に適した構成をとることもできる。
【0047】
図3に、本発明の一実施形態にかかる配達システムにおける管理サーバの機能ブロック図を示す。例示的に、管理サーバの動作は、以下に説明するハードウェアの個々の動作、及びソフトウェアとこれらハードウェアとの連携動作によって実現されている。
【0048】
図3において、ハードウェアブロック全体としての管理サーバ300は、大別すると、各種比較・演算処理を行うためのCPU301と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の記憶部302と、キーボードやポインティングデバイス等の入力部303と、ディスプレイやスピーカ等の出力部304と、各種信号制御のための制御部305と、通信(インタフェース)部306(無線、有線を問わない)と、時刻等を計時するための計時部307と、電源部308とからなる。
【0049】
これらのモジュールは必要に応じて適宜通信バスや給電線(図3においては、便宜上各線が適宜区分された結線399としてひとまとめに表す)によって接続されている。
【0050】
また、本発明の実施に必要な管理サーバ300上で実行されるプログラムあるいはソフトウェアは、通常、記憶部302を構成するハードディスクディスク、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等にインストールまたは記憶され、プログラムあるいはソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部302内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPU301において演算実行される。
【0051】
本発明の一実施形態において、記憶部302は、顧客管理データベース311と、販売管理データベース312とを有する。顧客管理データベース311(以下「顧客管理DB311」ともいう。)は、顧客に関する項目が登録されたデータベースであり、一例として、顧客氏名、住所、電話番号等の個人情報と、保有ポイントや最寄り拠点に関する情報等の付帯情報とが登録されている。ここでのポイントは、電子マネーであってもよい。また、ポイントは、他の電子マネー又は現金に換金可能なものとしてもよい。顧客管理DB311には、顧客の料金(置き配の料金を含む。)に関する情報も登録される。決済に伴う顧客の料金に関する情報は、別のサーバで管理してもよい。また、販売管理データベース312(以下「販売管理DB312」ともいう。)は、拠点や店舗ごとに販売された商品に関する実績管理データベースである。また、販売管理DB312には、商品等の配達状況のほか、置き配の設定、配達や置き配の進捗状況等の情報も登録管理される。
【0052】
また、本発明の一実施形態において、制御部305は、配達や置き配の進捗状況管理に関する制御を行う(詳細は後述する)。
【0053】
なお、演算実行は必ずしもCPU301等の中央処理部で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の補助演算装置を用いることもできる。
【0054】
図4に、本発明の一実施形態にかかる配達システムにおける情報処理装置又はユーザ端末としてのタブレット端末42(22)の外観構成を示す。図4において、ユーザ端末(タブレット端末)42は、筐体部421とディスプレイ422と筐体421の下部中央部に設けられたハードウェアボタン423とからなる。ディスプレイ422は典型的には液晶ディスプレイ(LCD)等で構成され、文字や静止画像や動画など様々な情報を表示することができる。また、ディスプレイ422にメニューボタンやソフトウェアキーボードを表示させ、これを指あるいはタッチペン(不図示)等で触れることによりタブレット端末42への指示(コマンド)とすることができる。この点で上記ハードウェアボタン423は必須の構成要素ではないが、本発明の説明の便宜上、一定の機能を担うボタンとして実装されている。もちろん、これらハードウェアボタン423を、ディスプレイ422の一部に表示させたメニューボタンで代替させることも可能である。
【0055】
また、ディスプレイ422には、マルチタッチ入力パネルが含まれており、タッチ入力パネル上でのタッチ入力位置座標が入力デバイスインタフェース(不図示)を介してタブレット端末42の処理系(CPU)へ送信され処理される。そして、このマルチタッチ入力パネルは、パネルに対する複数の接触点を同時に感知することができるよう構成されている。この検出(センサ)については様々な方法で実現することができ、必ずしも接触センサに限られず、例えば、光学式のセンサを利用してパネルに対する指示点を抽出することも可能である。さらに、センサには、接触式のセンサや光学式のセンサのほか、人の肌の接触を感知する静電容量方式のセンサを用いることも可能である。
【0056】
また、図4には現れていないが、タブレット端末42は、マイクやスピーカを備えることもできる。この場合にはマイクより拾ったユーザの声などを判別して入力コマンドとすることも可能である。さらに、図4には現れていないが、タブレット端末42の背面等にCMOS等のカメラデバイスを実装させることもできる。
【0057】
本発明の一実施形態におけるタブレット端末42では、受取人が不在でも配達先における所定場所に商品等を配達する置き配の指定や指示を行うことができる(詳細は後述する)。
【0058】
図5に、本発明の一実施形態にかかるタブレット端末42(22)を構成するハードウェアの機能ブロック図を例示する。タブレット端末42の動作は、以下に説明するハードウェアの個々の動作、及びソフトウェアとこれらハードウェアとの連携動作によって実現されている。
【0059】
図5において、ハードウェアブロック全体としてのタブレット端末500は、大別すると、図4におけるハードウェアボタン423、ディスプレイ422に設けられたマルチタッチ入力パネル、マイク等で構成される入力部501と、プログラムやデータ等を記憶するためのハードディスク、RAM及び/又はROM等で構成される記憶部502と、プログラムによって様々な数値計算や論理演算を行うCPUによって構成される中央処理部503と、ディスプレイ422等で構成される表示部504と、チップや電気系統等の制御を行うための制御部505と、インターネットにアクセスするためのスロットや光通信を行うためのポート、及び通信インタフェースから構成される通信インタフェース部506と、スピーカやバイブレーション、赤外線プロジェクター等の出力部507と、時刻等を計時するための計時部508と、CMOS等のイメージセンサや赤外線センサ、慣性センサ等からなるセンサ部509と、装置内の各モジュールに電源を供給するための電源部510とからなり、これらのモジュールは必要に応じて適宜通信バスや給電線(図5においては、便宜上各線が適宜区分された結線599としてひとまとめに表す)によって接続されている。
【0060】
なお、センサ部509には、タブレット端末500(22)の位置を特定するためのGPSセンサモジュールを含めることとしても良い。また、センサ部509を構成するCMOS等のイメージセンサや赤外線センサ等によって検知された信号は、入力部501において入力情報として処理することができる。
【0061】
また、本発明の実施に必要なタブレット端末500上で実行されるプログラムあるいはソフトウェアは、通常、記憶部502を構成するハードディスクディスク、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等にインストールまたは記憶され、プログラムあるいはソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部502内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPU503において演算実行される。
【0062】
なお、演算実行は必ずしもCPU等の中央処理部503で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の補助演算装置を用いることもできる。
【0063】
図6に、本発明の一実施形態にかかる配達システムにおける情報処理装置又は配達員端末(若しくは業者端末)としての配達員端末67(27)の外観構成を示す。図6において、配達員端末(配達員端末)67は、筐体部671とディスプレイ672と筐体671の下部に設けられた複数のハードウェアボタン673とからなる。配達員端末67の筐体部671、ディスプレイ672、ハードウェアボタン673等の基本的な構成や機能は、タブレット端末42の筐体部421、ディスプレイ422、ハードウェアボタン423等と同様か又は公知のものであり、詳細な説明は省略する。
【0064】
本発明の一実施形態における配達員端末67では、配達業者が置き配の終了を入力することができる。そして、置き配の終了が入力されると、配達員端末67は、これに伴う各種処理を行う(詳細は後述する)。
【0065】
図7に、本発明の一実施形態にかかる配達員端末67(27)を構成するハードウェアの機能ブロック図を例示する。配達員端末67の動作は、以下に説明するハードウェアの個々の動作、及びソフトウェアとこれらハードウェアとの連携動作によって実現されている。
【0066】
図7において、ハードウェアブロック全体としての配達員端末700は、入力部701、記憶部702、中央処理部703、表示部704、制御部705、通信インタフェース部706、出力部707、計時部708、センサ部709及び電源部710からなり、これらのモジュールは必要に応じて適宜通信バスや給電線(図7においては、便宜上各線が適宜区分された結線799としてひとまとめに表す)によって接続されている。
【0067】
図7に示す配達員端末700の各構成要素の基本的な構成や機能は、図5に示すタブレット端末42(22)の各構成要素と同様か又は公知のものであり、詳細な説明は省略する。なお、入力部701は、図6におけるハードウェアボタン673、ディスプレイ672に設けられたマルチタッチ入力パネル、マイク等で構成され、表示部704は、ディスプレイ672等で構成される。
【0068】
図8に、本発明の一実施形態にかかる配達システムにおける通常置き配時の処理動作フローを示す。図8に示された動作フローは、本発明の一実施形態における「最寄り拠点」からの配達のバリエーションを例示するものである。同図には、最寄り拠点から配達された商品が置き配される処理フロー(通常置き配時の処理フロー)を例示している。なお、図8において、縦方向の太い実線矢印(時刻t11〜t12のユーザ端末等)は端末又は管理サーバでの内部処理を示し、横方向の細い実線矢印(時刻t12のユーザ端末−管理サーバ間等)は各端末と管理サーバ間の処理を示し、縦方向の太い一点鎖線(時刻t13〜t14の拠点端末)及び横方向の細い一点鎖線矢印(時刻t14の最寄り拠点−顧客宅間)は配達員による作業を示し、横方向の細い破線(時刻t13のユーザ端末−拠点端末間等)は時刻の時点を示す。実線矢印や一点破線・破線等の意味は、後述する図13及び図14においても同様である。
【0069】
[最寄り拠点から配達する際に置き配されるシーン]
図8の時刻t11〜t12において、ユーザ端末は、入力部に対するユーザの操作に応じて画面を、商品選択画面、注文画面等に切り替えながら、商品の注文を受け付ける(ステップS801)。一実施形態において、ユーザ端末は、置き配の指定あるいは指示も受け付ける(詳細は、図10を参照して後述する。)。ここでは、置き配が指定あるいは指示されたものとする。
【0070】
時刻t12において、ユーザ端末は、入力部を介してユーザからの注文を受け付けると、注文内容を管理サーバに送信する(ステップS802)。注文内容を受信した管理サーバ21は、時刻t12〜t13において受注処理を行う(ステップS803)。一実施形態において、受注処理では、ユーザ端末から受信した注文内容を、顧客(依頼者又は発注者)と紐付けて顧客情報DB311及び販売管理DB312に登録するとともに、顧客から置き配手数料の徴収を行う。この置き配手数料の徴収は、一実施形態において、商品自体の代金(荷物の配送の場合には、配送料)と共に、顧客のクレジットカード情報等を用いて決済させることができる。また、他の実施形態においては、ユーザは、自身がすでに貯めているポイントによって置き配手数料を支払うこともできる。
本発明の一実施形態において、置き配手数料は、一律であってもよい。また、置き配手数料は、商品等の大きさや商品等の価格に応じて変更させるものであってもよい。
なお、当該決済は、単一の管理サーバによって実施することに限定されるのではなく、管理サーバが別の決済サーバと通信することによっても行わせることができる。次いで、管理サーバは、最寄り拠点の拠点端末に対して、受注商品の配達指令を送信する(ステップS804)。
【0071】
配達指令を受信した最寄り拠点の拠点端末は、出荷準備の指示を表示部に表示する。この出荷準備の指示に基づいて配達員は、時刻t13〜t14において、受注商品の配達準備を行う(ステップS805)。その後、時刻t14において、配達員は、配達車を利用して配達先(顧客宅)まで商品を配達する(ステップS806)。
【0072】
図8に示したフローでは、ユーザから置き配が指定あるいは指示されているため、配達員が顧客宅に到着すると、配達員は、本発明の一実施形態におけるシステム運用に基づいて商品は置き配される(ステップS807)。ここにいう「置き配」とは、受取人が不在であっても配達先における所定場所に商品を届け置くこと、またはそのサービスをいう。この場合の所定場所としては、例えば、玄関、宅配ボックス、ガスメーターボックス、自転車かご、車庫及び建物内受付の1つ又は複数を用いることができる。
【0073】
なお、図8を参照して説明した受注/配達のバリエーションを実現するために、管理サーバ21では、一例として、各拠点の商品ごとの在庫数、各拠点間の配達時間、顧客宅までの配達時間が管理され、都度再計算されて更新制御されている。また、商品は拠点を出荷後に追跡され、配達中の商品の現在位置が更新管理され、追加注文や注文内容の変更に応じて、到着予定時刻が再計算されて顧客端末や配達員の移動端末に適宜通知される。そのような場合に、ユーザ端末に表示される画面の例については、図11を参照して後述する。
【0074】
置き配が終了すると、図8の時刻t14〜t15において、配達員端末は、配達員の操作に応じて置き配終了の入力を受け付け(ステップS808)、置き配終了の報告を管理サーバに送信する(ステップS809)。置き配終了の報告を受信した管理サーバは、時刻t15〜t16において、置き配終了を販売管理DB(図3の312)に登録する(ステップS810)。そして、管理サーバは、置き配終了を知らせる置き配終了通知をユーザ端末に送信する(ステップS811)。置き配終了通知は、ユーザ端末に対するプッシュ通知であることが好適であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、ユーザ端末から管理サーバに対してアクセス(顧客の操作に基づくもの、ユーザ端末が周期的に自動で行うもの等)があったタイミングで行われてもよい。
【0075】
管理サーバから置き配終了通知を受信したユーザ端末は、時刻t16〜t17において、置き配終了の表示を行う(ステップS812)。一実施形態において、ユーザ端末では、置き配終了の表示と共に、了解ボタン(図12の1213)が表示される。このボタンが押下されることで顧客の了解意思が確認されると、時刻t17において、ユーザ端末は、顧客の了解意思を示す了解通知を管理サーバに送信する(ステップS813)。
【0076】
了解通知を受信した管理サーバは、時刻t17〜t18において、ポイント付与処理を実行する(ステップS814)。本発明の一実施形態において、ポイント付与処理(ステップS814)は、置き配指定時に顧客から徴収した置き配手数料(ステップS803)の全部に所定金額を加算した額に相当するポイントを顧客(商品の発注者)に付与する処理である。ポイントを付与する際、管理サーバは、顧客情報DB(図3の311)におけるポイント総額に前記ポイントを加算してポイント総額を更新する。顧客の置き配利用回数が多いほど、付与するポイントを多くする(例えば還元率を上げる)ように設定してもよい。これにより、置き配の利用を促進することが可能となる。
【0077】
次いで、管理サーバは、時刻t18において、ポイント付与が行われた旨及びポイントの加算額及び合計値を通知するポイント付与通知をユーザ端末に送信する(ステップS815)。当該送信は、ポイント付与処理の一部として位置付けられてもよい。
【0078】
ポイント付与通知を受信したユーザ端末は、時刻t18〜t19において、ポイント付与通知の内容を表示部に表示させる(ステップS816)。
【0079】
図9図10に、本発明の一実施形態にかかる配達システムにおける情報処理装置(ユーザ端末あるいは顧客端末)の表示例を示す。これらは、本発明の一実施形態において商品を顧客から受注する仕組みのバリエーションを例示するものである。これら受注の仕組みは、ユーザ端末に向けた電子商取引サーバ上のWEBサイト(不図示)及びユーザ端末等の端末アプリの画面上において、様々なタイミングで商品案内をするとともに受注することができ、本発明はこれらに制限されるものではないが、そのシーンを例示すると、以下の(S1)〜(S4)などが挙げられる。
【0080】
(S1)顧客がユーザ端末に向けたWEBサイトにアクセスしたり、ユーザ端末上でアプリケーションを起動させたりしたときに商品案内をするとともに受注する。
(S2)顧客がユーザ端末に向けたWEBサイトやユーザ端末等の端末上で商品を購入しようとしているときに、「今すぐ一緒にお届けできる商品」として商品案内をするとともに受注する。
(S3)顧客の行動履歴(ページビューや購入パターンなど)を分析して一定の行動基準に一致したときに、スマートフォンアプリケーションの通知機能等を使用して、対象の商品案内をするとともに受注する。
(S4)顧客への商品配達中(例えば、物流センターから最寄り拠点への配達中)に、最寄り拠点に在庫されている商品を一緒にお届けできる商品として商品案内をするとともに追加注文を受注する。
【0081】
図9に、商品の商品案内をするとともに顧客により受注可能に構成されたユーザ端末の画面例を示す。同図において、ユーザ端末901上の画面には、現在時刻表示を含むヘッダ911と、現在住所あるいは現在地を表示する表示欄921と、「今すぐのご注文で14:03までにお届け」とのメッセージ931と検索欄941とが表示されるとともに、短時間(例えば、30分とか1時間とか)で当該顧客宅に配達可能な商品のリストが商品表示欄950に示されている。同図においては、商品A〜Cまで表示されているが、これに限定されるものではなく、図示しないスクロール手段やページ送り手段によりさらに多くの該当商品を提示することもできる。また、検索欄941に対する検索キーワード等によって希望の商品ジャンルや商品カテゴリに基づいた絞込みも可能である。
【0082】
商品表示欄950に表示される各商品の内容については、例示的に、商品Aについては、その商品イメージ951とともに、商品名952が提示され、通常価格及び販売価格953も提示されている。さらに、商品Aを今すぐ注文した場合の到着予想時間954が表示されている。また、購入時の付与ポイント955についても提示されている。
【0083】
顧客は、もし商品Aを注文したい場合には、画面上の注文ボタン956を押下することにより、注文手続画面等へ遷移させることができる。
【0084】
なお、図9において、商品B及び商品Cも、商品Aと同様に情報提供されている様子が確認できる。
【0085】
図10に、商品の発注及び置き配の指定あるいは指示が可能に構成されたユーザ端末の画面例を示す。同図において、ユーザ端末1001上の画面には、現在時刻表示を含むヘッダ1011と、現在住所あるいは現在地を表示する表示欄1021と、「こちらのお品物を注文」とのメッセージ1025と、注文対象の商品(ここでは商品D)に関する商品表示欄1030と、配達の情報に関する表示欄1040とが表示されている。商品表示欄1030は、注文対象の商品の商品イメージ1031と、商品名1032とを含む。表示欄1040は、注文から配達までにかかる到着予想時間1041と、商品到着予想時刻1042とを含む。
【0086】
さらに、ユーザ端末1001上の画面には、置き配手数料(デポジット)の金額説明1051と、置き配を指定または指示する、あるいは申し込むためのトグルボタン1052と、注文ボタン1053とが表示される。図10に示されるように、置き配を指定あるいは指示する場合には置き配手数料(デポジット)の支払いが必要となる。一実施形態において、ここでの置き配手数料(デポジット)は、例えば、置き配に伴う預かり金、置き配の保険料などの位置付けとすることができる。
【0087】
一実施形態において、顧客は、トグルボタン1052を用いて置き配する又はしないを設定し、注文ボタン1053を押す。ここでトグルボタン1052を「置き配する」に設定した場合には、置き配による配達を指定あるいは指示することができる。なお、図10においては、置き配をする又はしないのみを設定可能であるが、置き配の場所(玄関、宅配ボックス等)を指定するための図示しないインタフェースを設けてもよい。実装例としては、置き配の場所を選択するためのセレクトボックスなどが挙げられる。
【0088】
図11に、配達中の商品の現在位置等をユーザに提示等するための画面例を示す。同図中の画面は、ユーザ端末において専用アプリケーションを起動している状態で、配達中の商品の現在位置等が表示される。図11において、ユーザ端末1100の画面は、地図表示1101と、「ただいまお届け中です。」とのメッセージ及び現在時刻表示を含むヘッダ1102と、配達中の商品を積んだ配達車の現在位置を示すアイコン1103と、配達先としての顧客宅の位置を示す配達先アイコン1104と、選択した商品以外の商品(他の商品)に関する情報を表示するフッター1105とが表示されている。ユーザは、図11の画面を見ることで、配達車の現在位置や配達先までの道のりや他の商品の存在を確認することができる。
なお、図11に示した例では、配達中の商品を積んだ配達車の現在位置を示すアイコン1103を画面の中央部に表示させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、配達先としての顧客宅の位置を示す配達先アイコン1104を画面の中央部に表示させてもよい。また、これらを切り替え可能に実装させてもよい。
【0089】
図12に、置き配が終了したことをユーザに通知するユーザ端末の画面例を示す。一実施形態において、同図の画面は、ユーザ端末において専用アプリケーションを起動している状態で、置き配が終了し、ユーザ端末が、管理サーバから置き配終了通知を受信した際に表示される(図8のステップS812)。図12において、ユーザ端末1200の画面1201では、置き配終了通知ウィンドウ1210が表示される。置き配終了通知ウィンドウ1210は、「置き配にてお届け完了しました」とのメッセージ1211と、置き配終了通知日時1212と、了解ボタン1213とを含む。一実施形態において、ユーザが了解ボタン1213を押すと、ユーザ端末は、管理サーバに対して了解通知を行い(図8のステップS813)、了解通知を受信した管理サーバは、当該ユーザに対するポイント付与処理を行う(ステップS814、S815)。ポイント付与処理に伴って、ユーザにはポイントが付与される。
ここで、付与されるポイント数は、好ましくは、置き配手数料と同等の価値となるポイント数であるが、これに限定されるものではない。
【0090】
[置き配が不可である場合]
図13に、本発明の一実施形態にかかる配達システムにおいて置き配が不可である場合の処理動作フローを示す。同図には、最寄り拠点から配達された商品について配達員が置き配を試みたものの、配達先の状況により置き配が不可である場合の処理フロー(置き配不可時の処理フロー)を例示している。配達員が置き配を試みたにもかかわらず、置き配が不可である場合としては、例えば、配達先周辺の人通りが多く盗難防止の観点から置き配ができない場合、雨又は風が強いなど置き配に不適な天候である場合、マンション入り口にオートロックがあり、配達先の玄関等まで配達員が到達できない場合など種々の状況が想定される。
【0091】
図13の時刻t21〜t24におけるステップS1301〜S1306は、図8の時刻t11〜t14におけるステップS801〜S806とそれぞれ同様であり、詳細な説明は省略する。
【0092】
時刻t24において、配達員が置き配を試みたものの置き配が不可であると(ステップS1307)、時刻t24〜t25において、配達員端末は、配達員の操作に応じて置き配不可の入力を受け付け(ステップS1308)、置き配不可の報告を管理サーバに送信する(ステップS1309)。本発明の一実施形態においては、置き配不可の報告に併せて、配達員は、不在伝票を配達先に投函してもよい。置き配不可の報告を受信した管理サーバでは、時刻t25〜t26において、置き配不可情報を配達先の地域情報と共に、販売管理DB(図3の312)に登録する(ステップS1310。ここでは、後述するように返金処理も行われる)。ここで、地域情報は、これらに限定されるものではないが、例えば、最寄りエリア140、150、160(図1)と同一の範囲に関する情報、最寄りエリアよりも狭い範囲の地域を単位とする地域の情報、あるいは、配達先を含むストリート情報や近隣情報である。そして、管理サーバは、置き配不可の情報を地域情報と共に記憶管理することにより、特定の依頼者又は特定の地域からの注文時(ステップS1301)には、「置き配の指定」ができないように制御したり、置き配指定そのものを非表示にさせたりすることができる。例えば、管理サーバは、発注画面(図10)において表示1051、1052を選択できないようにユーザ端末に指令する。或いは、管理サーバまたはユーザ端末において、ユーザ端末に送信する発注画面(図10)に、表示1051、1052を含ませないように制御する。
【0093】
また、管理サーバは、置き配手数料(デポジット)の返金処理を行う(ステップS1310)。本発明の一実施形態のかかる返金処理において、管理サーバは、顧客の指定口座に対して置き配手数料(デポジット)を返金する(ステップS1310)。返金するのは現金の代わりに、ポイントによる還元を行ってもよい。或いは、返金時に図示しないインタフェースを介して顧客が現金による返金又はポイントによる還元のいずれかを選択できるようにしてもよい。そうして、管理サーバは、置き配が不可だった旨及び置き配手数料を返金した(又はこれから返金する)旨をユーザ端末に通知する(ステップS1311)。
あるいは、本発明の他の実施形態においては、置き配不可通知と返金(あるいは、ポイント還元)とを別処理にしてもよい。この場合は、ステップS1311では置き配が不可である旨の通知のみ行い、後に別途返金あるいはポイント還元処理が行われる。その時間差は、数分後、数時間後、数日後など、多様な実施形態を採用することができる。
【0094】
当該通知を受けたユーザ端末は、時刻t26〜t27において、置き配が不可だった旨及び置き配手数料を返金した(又はこれから返金する)旨を表示部(図4のディスプレイ422等)に表示する(ステップS1312)。
本発明はこれに制限されるものではないが、一実施形態において、図示しない再配達依頼ボタンが押下されると、再配達依頼画面(図示せず)が表示されるように制御されてもよい。この場合、再配達依頼画面において、再配達のための必要事項(日時等)が入力されて送信ボタンが押下されると、ユーザ端末は、管理サーバに対して再配達依頼を送信するように制御される(ステップS1313)。
【0095】
そして、再配達依頼を受信した管理サーバは、時刻t27〜t28において、再配達依頼の内容を販売管理DB(図3の312)に登録する(ステップS1314)。そして、管理サーバは、再配達受付通知をユーザ端末に送信する(ステップS1315)。再配達受付通知を受信したユーザ端末は、時刻t28〜s29において、受付内容を表示部に表示する(ステップS1316)。なお、再配達の依頼は、ユーザ端末を用いずに電話等で行ってもよい。
【0096】
[置き配が終了したが顧客からの了解が得られない場合]
図14に、本発明の一実施形態にかかる配達システムにおいて置き配が終了したが顧客からの了解が得られない場合の処理動作フローを示す。同図には、最寄り拠点から配達された商品について配達員が置き配を終了することはできたものの、顧客からの了解が得られない場合(顧客が了解ボタン1213(図12)を押さない場合)の処理フロー(置き配終了&顧客了解なし時の処理フロー)を例示している。顧客が了解ボタンを押さない場合としては、例えば、ずっと端末の電源をオフのままにしていた場合のほか、専用アプリケーションを起動しなかった場合、置き配終了通知ウィンドウ1210が表示されたが、了解ボタン1213を押下せずに放置した場合などが想定される。
【0097】
図14に示す処理フローでは、顧客からの了解が得られない場合でも、置き配終了から所定期間が経過した場合には、置き配が正常に終了した(顧客が無事に商品を受け取った)とみなしてポイント付与処理を行う。
【0098】
図14の時刻t31〜t36におけるステップS1401〜S1411は、図8の時刻t11〜t16におけるステップS801〜S811とそれぞれ同様であり、詳細な説明は省略する。なお、本発明の他の実施形態においては、ユーザ端末が電源オフのままとされている場合やユーザ端末から管理サーバにアクセスした際に置き配終了通知を行うような場合には、ステップS1411は行わないように制御することも可能である。
【0099】
時刻t36において、管理サーバが置き配終了通知をユーザ端末に送信したものの(ステップS1411)、顧客が同通知を未確認である場合(ステップS1412)、管理サーバは、置き配が終了してからの時間のカウントを開始する。当該カウントの開始は、置き配終了通知の送信をトリガとする代わりに、置き配終了後のその他のタイミングとしてもよい。そして、カウント値が所定の閾値(例えば、数時間〜1週間の任意の値。これらの範囲外の任意の値でもよい。)を超えた場合(図14の時刻t37)、管理サーバは、時刻t37〜t38において、ポイント付与処理を行う(ステップS1413)。
また、本発明の他の実施形態においては、定刻ごと(たとえば、30分ごと、1時間ごと、3時間ごと、6時間ごと、12時間ごと、1日ごとなど)に、管理サーバからの置き配通知がユーザによって確認されたかどうかを管理サーバ側で確認するように制御されてもよい。
【0100】
なお、図14におけるステップS1413〜S1415は、図8におけるステップS814〜S816とそれぞれ同様である。本発明はこれに限定されるものではないが、一実施形態においては、顧客の了解が得られた場合に付与するポイント(図8のS814)は、顧客の了解が得られなかった場合に付与するポイント(図14のS1413)よりも多くする(還元率を上げる)ように制御されてもよい。この場合には、顧客の了解を得易くできるであろう。
【0101】
[本発明の実施形態にかかる効果]
以上のような本発明の一実施形態によれば、ユーザ端末(図5の500)の表示部(504)は、置き配の指定時に置き配手数料を表示し(図8のS801、図10)、置き配の終了を条件としてポイント付与通知を表示する(図8のS816)。また、ユーザ端末の制御部(図5の505)は、置き配指定画面(図10)で置き配の指定があった場合、置き配に関する情報を管理サーバに通知する(図8のS802)。さらに、配達員端末(図7の700)の制御部(705)は、置き配終了入力画面で置き配の終了が入力された場合、置き配の終了を管理サーバに通知する(図8のS809)。さらにまた、管理サーバ(図3の300)の制御部(305)は、ユーザ端末から置き配の指定を受信したことを条件として、置き配が必要であることを販売管理DB(312)に登録し、且つ置き配手数料を顧客(置き配の依頼者)から徴収する(図8のS803)。加えて、管理サーバの制御部は、配達員端末から置き配の終了を受信したことを条件としてポイント付与処理を行う(S814)。
【0102】
上記実施形態によれば、置き配指定時に顧客から置き配手数料の徴収を行うことで、顧客に慎重な置き配指定を促すことが可能となる。また、置き配終了時にポイント付与処理を行う。これにより、次回以降の置き配指定を顧客に促すことが可能となる。
以上より、置き配の実効性を高め、再配達の頻度を低減し、人手不足に対応し易くなることが可能となる。
【0103】
本発明の一実施形態において、配達員端末(図7の700。業者端末)の表示部(704)は、所定場所への置き配ができない場合に置き配不可を入力する置き配不可入力画面を表示し(図13のS1308)、制御部(図7の705)は、置き配不可が入力されると、置き配不可を管理サーバに通知する(図13のS1309)。また、管理サーバの制御部(図3の305)は、置き配不可を受信すると、置き配不可を配達先の地域情報と共に、販売管理DB(図3の312)に登録すると共に、置き配手数料を顧客(依頼者)に返金する返金処理を行う(図13のS1310)。
【0104】
これにより、置き配不可が発生した場合、置き配手数料を顧客に返金することが容易となる。また、置き配不可の情報を地域情報と共に蓄積することにより、特定の依頼者又は地域からの注文時には、そもそも「置き配の指定」ができないように制御可能となる。これにより、置き配不可にもかかわらず置き配のための処理を行うことによる不要な負荷を軽減可能となる。
【0105】
本発明の一実施形態において、管理サーバ(図3の300)は、配達員端末(図7の700。業者端末)から置き配の終了を受信したことを条件として、ユーザ端末(図5の500)に置き配の終了を通知する置き配終了通知を送信する(図8のS811)。また、ユーザ端末は、置き配終了通知を受信すると、置き配終了通知(図12の1211)と、置き配終了を顧客(依頼者)が了解した旨を入力する了解ボタン(1213。了解入力表示)を表示する(図8のS812)。そして、顧客の了解が入力された場合、ユーザ端末は、顧客の了解を管理サーバに通知する(図8のS813)。さらに、管理サーバは、顧客の了解を受信すると、ポイント付与処理を行う(S814)。さらにまた、管理サーバは、置き配の終了後(図14のS1408)、顧客(依頼者)の了解を受信しなくても所定期間が経過した場合、ポイント付与処理を行う(S1413)。
【0106】
配達員端末に配達終了が入力された場合、顧客の了解入力があったことを契機としてポイント付与処理を行えば、顧客の了解確認(受取確認)を促すことが可能となる。また、顧客による了解入力がなくても、ポイント付与処理を可能としたことで、ポイント付与にかかる顧客の利便性を向上可能となる。
【0107】
[変形例]
上述した実施形態では、置き配の設定は注文時としたが(図8のS801、図10)、これに限らず、再配達時など、配達員が配達先に訪れるまでであればよい。たとえば、注文時から配達完了時までの間(再配達時も含まれる)に新たに置き配を指定したり、あるいは、置き配指定した後で顧客が指定した配達日時を変更したりすることができる。
また、配達員端末には、(1)現時点で置き配を指定しているかどうか、(2)置き配を指定されていた場合の置き配場所(例えば、玄関先、ガスメーターの足元など)が表示されるように構成されてもよい(この場合の表示手段は、公知のユーザインタフェースが採用される)。
さらに、上述したように、置き配指定は、注文時から配達完了時までの間に置き配を指定することができるので、例えば、配達開始後に置き配が指定されたり追加指定されたりした場合には、配達員にこれを知らせるため、指定内容や変更内容を配達員端末へ通知するように構成することもできる(一例として、PUSH通知など)。こうした置き配指定の有無/置き配場所は、更新されるたびに配達員端末上にて実質的にリアルタイムで反映される。あるいは、他の実施形態においては、配達員への通知を行わない構成を採用することもできる。
【0108】
上述した実施形態では、配達員が持ち歩く配達員端末で置き配の終了を入力したが(図8のS808)、配達員が最寄り拠点又は物流センターに戻った後、拠点端末又は物流センター端末で置き配の終了を入力してもよい。換言すると、配達員端末の代わりに、拠点端末又は物流センター端末を業者端末として用いてもよい。
【0109】
上述した実施形態では、ポイント付与処理(図8のS814)として、置き配手数料(デポジット)の全部に所定金額を加算した額に相当するポイントを顧客(商品の発注者)に付与したが、付与するポイントはこれに限られず、置き配手数料の一部又は全部に相当するポイントとしてもよい。或いは、置き配手数料の一部に所定金額を加算した額に相当するポイント、又は前記所定金額のみに相当するポイントとしてもよい。
【0110】
上述した実施形態では、顧客からの了解通知(図8のS813)を管理サーバが受信した時点でポイント付与処理(S814)を行ったが、置き配終了以降のその他のタイミングでポイント付与処理を行ってもよい。
【0111】
上述した実施形態では、置き配不可であった場合に置き配不可を配達先の地域情報と共に登録し、将来的な置き配設定不可の情報として用いたが、将来的な置き配設定不可の情報としては、例えば、顧客ごとのトラブル(商品の紛失等)の情報を用いてもよい。その場合、置き配終了後に顧客から商品が未着である旨の連絡があった際に、拠点端末、物流センター端末又は管理サーバでトラブル情報を入力して、顧客情報DB(図3の311)にトラブル情報を蓄積して用いることができる。また、置き配不可の情報を登録・蓄積しない実施形態も可能である。
【0112】
図8図13及び図14の例では、管理サーバが拠点端末に対して配達指令を出す場合について説明したが、管理サーバが物流センター端末に対して配達指令を出す場合についても同様の処理を行うことができる。
【0113】
以上、具体例に基づき、配達システム等の実施形態を説明したが、本発明の実施形態としては、システム又は装置を実施するための方法又はプログラムの他、プログラムが記録された記憶媒体(一例として、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、ハードディスク、メモリカード)等としての実施態様をとることも可能である。
【0114】
また、プログラムの実装形態としては、コンパイラによってコンパイルされるオブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード等のアプリケーションプログラムに限定されることはなく、オペレーティングシステムに組み込まれるプログラムモジュール等の形態であっても良い。
【0115】
さらに、プログラムは、必ずしも制御基板上のCPUにおいてのみ、全ての処理が実施される必要はなく、必要に応じて基板に付加された拡張ボードや拡張ユニットに実装された別の処理ユニット(DSP等)によってその一部又は全部が実施される構成とすることもできる。
【0116】
本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された構成要件の全て及び/又は開示された全ての方法又は処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。
【0117】
また、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された特徴の各々は、明示的に否定されない限り、同一の目的、同等の目的、または類似する目的のために働く代替の特徴に置換することができる。したがって、明示的に否定されない限り、開示された特徴の各々は、包括的な一連の同一又は均等となる特徴の一例にすぎない。
【0118】
さらに、本発明は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本発明は、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された全ての新規な特徴又はそれらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法又は処理のステップ、又はそれらの組合せに拡張することができる。
【符号の説明】
【0119】
10 配達システム
11〜13 物流センター
14〜16 最寄り拠点
141〜142、151〜153、162〜165、199 顧客宅
20 配達システム
21 管理サーバ
22 タブレット端末(ユーザ端末あるいは業者端末(配達員端末若しくは業者端末)の一形態)
23 携帯電話(ユーザ端末あるいは業者端末(配達員端末若しくは業者端末)の一形態)
24〜26 PC(ユーザ端末あるいは業者端末(配達員端末若しくは業者端末)の一形態)
27〜28 配達員端末(POS端末が含まれてもよい)
37、38 通信回線
39 公衆回線(専用線、インターネット等)
【要約】      (修正有)
【課題】置き配の実効性を高める配達システムを提供する。
【解決手段】受取人不在でも配達先における所定場所に配達物を配達する置き配の指定を行うユーザ端末と、配達業者が置き配の終了を入力する業者端末と、置き配の進捗状況を管理する管理サーバとを有する配達システムであって、ユーザ端末は、置き配の指定を行う置き配指定画面を表示するユーザ表示部と、ユーザ端末を制御するユーザ制御部と、を備える。業者端末は、置き配の終了を入力する置き配終了入力画面を表示する業者表示部と、業者端末を制御する業者制御部と、を備える。管理サーバは、置き配の情報を記憶する置き配データベースと、管理サーバを制御するサーバ制御部と、を備える。
【選択図】図8
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14